JP4879418B2 - インパクトクラッシャ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インパクトクラッシャに係り、油圧式あるいは電気式の駆動部を備えたインパクトクラッシャに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、建物の解体現場や砕石場から出る大きなコンクリート塊、アスファルト塊、あるいは安山岩等の自然石を破砕する破砕装置として、インパクトクラッシャが知られている。
このインパクトクラッシャは、投入された被破砕物を、ロータと共に回転する打撃板で打撃して破砕したり、この打撃板で弾き飛ばして反発板に衝突させ、その時の衝撃力で破砕する。そして、打撃板と反発板との間には、破砕された破砕物が通過する隙間が形成されており、この隙間を一定に調整・維持することで、安定した粒度の破砕物が得られるようになっている。
【0003】
このようなインパクトクラッシャのロータは、例えば、油圧モータで駆動される。
図15には、ロータを駆動するための従来の油圧回路が示されている。
この油圧回路によれば、ロータ駆動用の油圧モータ100は、コントロールバルブ101を介して供給される油圧ポンプ102からの油圧で作動する。また、油圧ポンプ102は、エンジンに103によって駆動されている。
【0004】
この際、コントロールバルブ101を、一方の連通位置(オフセット位置)101Aに切り換ることで、油圧モータ100を正転させ、他方の連通位置101Bに切り換えることで、油圧モータ100を逆転させることが可能である。また、図15に示した状態のように、遮断位置(中立位置)101Cに切り換えることにより、油圧ポンプ102から油圧モータ100への油圧を遮断し、油圧モータ100の回転を止めることができる。このコントロールバルブ101の位置切り換えは、付設のレバー104を手動操作することで行われる。
【0005】
このような油圧回路により、油圧モータ100でロータを駆動する場合、コントロールバルブ101を以下のように操作して、打撃板と反発板との間の隙間調整を行う。
すなわち、レバー104を使用し、連通位置101A(あるいは、連通位置101B)と遮断位置101Cとの間での切換操作を繰り返し行い(インチング)、油圧モータ100を少しずつ回転させ、ロータの打撃板を反発板に対して隙間調整可能な最適な位置に移動させる。
次いで、反発板に一体に設けられた図示しない隙間調整装置を操作することにより、反発板を打撃板に対して近接または離間させ、反発板および打撃板間の隙間を調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コントロールバルブ101の切換操作を繰り返し行う隙間調整法では、油圧モータ100の回転量、つまりロータの回転量が不安定で大雑把になるため、打撃板が概略位置となり、打撃板を反発板に対して正確に位置合わせすることができない。このため、打撃板と反発板とが極端にずれてしまって相互間の隙間が大きくなり、得られる破砕物の粒度分布が大きくばらつくという問題がある。
【0007】
また、従来の油圧回路では、コントロールバルブ101を遮断位置101Cに切り換えて油圧モータ100を停止させると、油圧モータ100が瞬間的に停止するため、停止時の衝撃が大きい。従って、このような衝撃の大きい停止動作を繰り返したのでは、油圧モータ100等の機器に過負荷がかかって耐久性が損なわれるという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、破砕物の粒度分布のばらつきを抑制でき、かつ油圧機器の耐久性を向上させることができるインパクトクラッシャを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1のインパクトクラッシャは、動力部からの油圧で作動するロータ駆動用の駆動部と、動力部からの油圧をコントロールするコントロールバルブと、前記コントロールバルブが遮断位置にあるときに、前記駆動部を含んで形成される閉油圧回路と、この閉油圧回路中に設けられた絞りとを備え、前記絞りは、前記コントロールバルブの遮断位置に設けられていることを特徴とする。
【0010】
このようなインパクトクラッシャにおいては、コントロールバルブを遮断位置に切り換えることで、コントロールバルブに対して駆動部側が閉油圧回路になり、回転中の駆動部と、この駆動部に連結されたロータが停止する。その際、この閉油圧回路中に絞りが設けられているから、この絞り内を作動油が若干流れることで、停止しているロータを手動操作でゆっくりと回転させることができる。従って、ロータに取り付けられる打撃板を微少に移動させて反発板との正確な位置合わせが行える。このことにより、反発板および打撃板間の隙間が確実に調整され、破砕物の粒度分布のばらつきを抑制できる。
また、コントロールバルブを遮断位置に切り換えることで、回転中の駆動部を停止させた時でも、閉油圧回路中の絞りを通して作動油が僅かに流れるから、駆動部がスムーズ(ゆるやかに)に停止する。このため、従来とは違って駆動部が急激に停止する心配がなく、駆動部等に過負荷がかかるのを防いで耐久性が向上する。
【0011】
さらに、請求項1のインパクトクラッシャは、前記絞りは、前記コントロールバルブの遮断位置に設けられていることを特徴とする。
絞りをコントロールバルブに設けることで、油圧回路が簡素化されるため、油圧回路等で構成されるユニットの小型化が促進される。
【0012】
請求項2のインパクトクラッシャは、請求項1に記載のインパクトクラッシャにおいて、ロータを構成するロータ軸の端部には、当該ロータ軸を回転操作するための操作部が設けられていることを特徴とする。
ロータは大重量であるため、ロータを把持して回転させるには多大な労力が必要であり、また、一旦回転すると、その慣性力が大きいために停止させるのも困難である。従って、打撃板を微少移動させ、正確な位置で停止させるには熟練が必要であり、容易にできない。
これに対して本発明では、ロータ軸の端部に、ロータの手動操作専用の操作部を設けるので、例えば、この操作部をレンチ等の手工具が係止される構造とした場合など、その手工具を用いてロータの微少操作が簡単に行えるようになり、打撃板の移動が容易かつ正確に行われる。
【0013】
請求項3のインパクトクラッシャは、動力部からの油圧で作動するロータ駆動用の駆動部と、動力部からの油圧をコントロールするコントロールバルブと、前記コントロールバルブが遮断位置にあるときに、前記駆動部を含んで形成される閉油圧回路と、この閉油圧回路中に設けられた絞りとを備え、ロータを構成するロータ軸の端部には、当該ロータ軸を回転操作するための操作部が設けられていることを特徴とする。
このようなインパクトクラッシャは、請求項1および請求項2の構成を備えているので、前述したように、破砕物の粒度分布のばらつきが抑制されるうえ、油圧機器の耐久性が向上し、かつロータの手動操作時の操作性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る移動式破砕機1の全体を示す側面図、図2は、移動式破砕機1を被破砕物の投入側から見た図、図3は、移動式破砕機1の平面図である。
【0015】
〔移動式破砕機の全体の説明〕
図1ないし図3において、移動式破砕機1は、基台部2上に作業機3および動力部4を載置した構成である。
基台部2は、作業現場内を自走するための一対のクローラ式の走行部10と、この走行部10が取り付けられ、かつ前記作業機3および動力部4が載置されたフレーム20とを備えている。
作業機3は、基台部2の略中央に搭載されたインパクトクラッシャ(以下、クラッシャと称す)30と、クラッシャ30に被破砕物を供給する被破砕物供給部40と、破砕された破砕物を排出する排出ベルトコンベア50とを備えている。
動力部4は、走行部10、クラッシャ30、および排出ベルトコンベア50等の動力源であり、エンジン5(図14)や、このエンジンで駆動される油圧ポンプ6(図14)等を備えている。動力部4の上部側には、移動式破砕機1の走行操作および旋回操作を行う走行レバー4Aや、走行用のインジケータ類が配置された上部コントロールボックス(不図示)が設けられている。
また、動力部4のクラッシャ30側は、当該動力部4の上面で形成された第1作業用フロア28になっており、この第1作業用フロア28上で走行レバー4A等の操作や、クラッシャ30のメンテナンス作業、点検作業など、各種の作業が行われる。
【0016】
以下には、説明の便宜上、移動式破砕機1の排出ベルトコンベア50側を前方(図1中の右側)とし、被破砕物供給部40側を後方(図1中の左側)とし、この前後方向に直交する向き(図2中の左右方向)を横方向として、各部位の説明を行う。
【0017】
走行部10は、フレーム20の一部を形成するクローラフレーム22に設けられ、クローラフレーム22の前方側に油圧モータ11を備えている。油圧モータ11のスプロケット11Aと他端側のアイドラー12とには、当該油圧モータ11で駆動される無限軌道のクローラベルト13が巻回されている。そして、油圧モータ11は、動力部4の油圧ポンプ6からの油圧で駆動される。
【0018】
フレーム20は、一対の前記クローラフレーム22の他、これらのクローラフレーム22が取り付けられるメインフレーム21を備えている。メインフレーム21上の一部には平坦な破砕装置用載置部211(図4)が設けられ、この破砕装置用載置部211にクラッシャ30が載置されている。メインフレーム21上にはさらに、被破砕物供給部40を載置するためのホッパフレーム23と、動力部4を載置するためのエンジンフレーム24とが固定されている。
【0019】
クラッシャ30は、図4ないし図6に示すように、被破砕物の投入口31Aを有したケース31を備え、ケース31内には、ロータ本体321および打撃板322を有したロータ32と、打撃板322先端の回転軌跡Aから隙間を空けて位置した反発板33とが配置されている。
このようなクラッシャ30では、投入口31Aから投入された被破砕物は、回転する打撃板322で打撃されたり、打撃時に飛ばされて反発板33に衝突することで破砕され、ケース31の底面側の排出口31Bから排出ベルトコンベア50上に落ちて排出される。
【0020】
被破砕物供給部40は、被破砕物が積み込まれるホッパ41と、ホッパ41の下方に若干の隙間を持って配置されたグリズリ(篩い)フィーダ42とを備えている。
ホッパ41は、四方の支持部411を介してフレーム20のホッパフレーム23上に支持され、上方に向けて大きく拡開している。
フィーダ42は、動力部4からの油圧で駆動される振動装置421を有した振動式であって、複数のコイルバネ422を介してホッパフレーム23上に支持され、ホッパ41と接触しないよう前述の隙間内で振動し、被破砕物をクラッシャ30側に送る。この際、ホッパ41およびフィーダ42の端部は、図4中に二点鎖線で示すように、クラッシャ30の投入口31Aに呑み込まれており、被破砕物がクラッシャ30内に確実に投入される。
また、フィーダ42は、被破砕物をクラッシャ30に供給する機能の他、破砕不要な小さな塊を櫛状のグリズリ部423(図3)で選別し、下方に篩い落とす機能を有している。篩い落とされ小さな塊は、図1ないし図3に示す別のベルトコンベア43上に落ちて排出されるか、図示しないダンパーを切り換えることで、排出ベルトコンベア50上に落ち、破砕物と一緒に排出される。
【0021】
排出ベルトコンベア50は、その移送方向の基端側(図1中の左側)がフレーム20の下側に位置し、クラッシャ30の排出口31Bから排出された破砕物や、必要に応じて排出されるグリズリ部423からの小さな塊を先端側(図1中の右側)に移送する。また、排出ベルトコンベア50は、3段折り曲げ構造であり、先端側での排出高さが十分に確保され、2次ベルトコンベアなしでも作業が確実に行える。この排出ベルトコンベア50も、動力部4からの油圧で駆動される。
排出ベルトコンベア50の中程には、フレーム20に支持されるようにして磁選機51が配置され、コンクリート塊の破砕時に出る鉄筋等の金属材を永久磁石で磁着し、付属のベルトコンベアで排出する。
【0022】
〔クラッシャの説明〕
以下には、図4ないし図7を参照し、クラッシャ30について詳説する。
クラッシャ30のケース31は、フレーム20(図1)に固定される固定ケース70と、固定ケース70の上部側に取り付けられた可動ケース80とを有する分割式であり、固定ケース70内にロータ32が配置され、図7に示すように、可動ケース80に反発板33が取り付けられている。
【0023】
固定ケース70は、上部側全域が開口し、かつ底側に前述の排出口31Bを有した箱状であり、横方向両側が固定ケース側側面部72となっている。プーリ34側の固定ケース側側面部72には、クラッシャ30の内部視認用の二つの点検扉720,721が設けられている。また、他方の固定ケース側側面部72にも、同様な内部視認用の点検扉722,723が設けられている。これらの点検扉720〜723を開けることで、ケース31を分割することなしに、それぞれに対応した開口部720A,721A,722A,723Aを通して、ケース31内の点検やメンテナンスを行うことが可能である。
【0024】
これらの点検扉720〜723は、図12、図13に点検扉721を代表して示すように、金属製で四角形の扉本体726を上下一対のヒンジ727を介して固定ケース側側面部72に回動自在に取り付けた構成とされ、ヒンジ727の反対側には把持部728が突設されている。この把持部728には、固定ケース側側面部72のアイボルト729が係脱自在とされ、これらの係合を外すことで点検扉721が開けられる。
また、扉本体726には、四周に連続したシール材726Aが取り付けられており、閉じた際のシール性を向上させている。さらに、扉本体726の内面側には、図13に示すように、高硬度を有する金属製のライナ311が外側からのボルト311Aで張設されており、衝突する被破砕物あるいは破砕物から扉本体726を保護している。
なお、このようなライナ311は、固定ケース70および可動ケース80の内面の必要箇所にも同様に張設されている。また、点検扉721は、その開閉状態が検出センサ735で検出されるようになっているが、これについては後述する。
【0025】
一方、可動ケース80は、固定ケース70の上側開口を覆うように設けられた蓋状であり、可動ケース80自身の後方側の端縁で投入口31Aの一部を形成している。可動ケース80の横方向の両側は、可動ケース側側面部82となっている。各可動ケース側側面部82は、固定ケース70の固定ケース側側面部72よりも外側に位置し、可動ケース側側面部82の下縁821部分が、固定ケース側側面部72の上縁724部分を呑み込んで設けられている。つまり、本実施形態のケース31では、上縁724部分および下縁821部分が横方向に重なっており、この重なり部分に沿って、固定ケース70および可動ケース80の分割ラインS−Sが設けられている。
【0026】
これらの固定ケース70と可動ケース80とは、投入口31Aとは反対側の上部に設けられた回動機構39によって連結されており、この回動機構39の回動軸を中心として、可動ケース80が固定ケース70に対して上方に回動して開いたり、下縁821が当接部725に当接するまで下方に深く沈み込む。つまり、図4、図5に実線で示す状態は、可動ケース80の作業姿勢であり、この姿勢のときに破砕作業が行われる。
【0027】
また、図8に示すように、可動ケース80が開いた状態は、可動ケース80メンテナンス姿勢であり、開くことで露出する反発板33(331,332,333)の反転作業や交換作業などが行われる。
そして、図9に示すように、可動ケース80が沈み込んだ状態は、可動ケース80の輸送姿勢であり、沈み込むことでケース31全体の高さが低くなり、移動式破砕機1をトレーラ輸送する際の高さ制限に対応させている。
【0028】
さらに、固定ケース70と可動ケース80とは、回動機構39より少し投入口31A側において、油圧シリンダ394で連結されている。この油圧シリンダ394は、可動ケース80の回動時に作動し、大重量となる可動ケース80の回動動作をアシストする。このような油圧シリンダ394は、上側がシリンダで、下側がロッドとなるように配置され、シリンダのロッド側の端部に砂塵等が堆積するのを防止し、パッキン等の耐久性の向上が図られている。この油圧シリンダ394も、油圧ポンプ6からの油圧で駆動される。
【0029】
クラッシャ30のロータ32は、ロータ本体321と一体に設けられたロータ軸324の両端側がケース31外部の軸受323(図10)に支持され、一端側にプーリ34を備えている。また、ケース31の外部には、二点鎖線で示した駆動部としての油圧モータ35が配置され、この油圧モータ35のプーリ36および前記プーリ34にはVベルト37が巻回されている。つまり、ロータ32は、Vベルト37を介して油圧モータ35で回転駆動される。そして、この油圧モータ35は、図14に示すように、コントロールバルブ8を介して油圧ポンプ6からの油圧で駆動される。
【0030】
図10において、ロータ軸324の一端側(プーリ34とは反対側)は、ベアリング341を介して軸受323に支持され、このベアリング341は、ロータ軸324と一体で回転する回転板342,343間に配置されている。このうち、外側の回転板342は、第1回転板342Aおよび第2回転板342Bを備えた分割式とされている。これらベアリング341および内外の回転板342,343は、ロータ軸324の端部にボルト344で取り付けられたエンドプレート345で係止されている。ただし、ロータ軸324の他端側には、エンドプレート345が設けられておらず、プーリ34でそれらが係止されるようになっている。
【0031】
また、軸受323の内側および外側には、軸受カバー346,347がボルト348で取り付けられており、この軸受カバー346,347のヒレ状部分と回転板342,343のヒレ状部分により、ラビリンスシールLが形成されている。さらに、外側の軸受カバー346とベアリング341との間には、静止板349が介装されており、この静止板349も、ラビリンスシールLの一部を形成している。
【0032】
このようなロータ軸324において、端部のエンドプレート345には、外側に突出した操作部350が別部材の溶接等で固定されている。この操作部350は、突出した部分が正面視において正方形をしており、この操作部350にボックスレンチ等の手工具を嵌め込むことが可能である。つまり、操作部350は、その手工具をレバー代わりとして、ロータ32を手動で回転させる際に用いられる。
なお、このような操作部350を、使用時以外の時など、着脱自在あるいは開閉自在な適宜なカバー部材で覆っておいてもよい。
【0033】
ロータ32の打撃板322は、横方向(ロータ本体321の軸線方向)に沿ってケース31の横幅よりもやや狭い範囲にわたって連続して設けられ、ロータ本体321の周方向に等間隔で複数枚(本実施形態では4枚)突設されている。また、打撃板322は着脱自在であり、その摩耗状態に応じて反転させて用いられたり、新たな打撃板と交換される。
【0034】
次に、図7において、クラッシャ30の反発板33は、投入口31A(図4)側からロータ32の回転方向に沿って順に第1反発板331、第2反発板332、および第3反発板333とされている。
【0035】
第1反発板331は他よりも大きく、投入当初の大きな被破砕物を確実に受け止めることが可能である。第1反発板331の裏面側には、一対の係止用突部331Aが設けられており、この係止用突部331Aは、第1アーム334の下部側の係止部334A間に係止されるとともに、一方の係止部334Aに設けられたネジ式の固定具334Bと、横方向の端部側に設けられた止め具334Cで保持されている。このような第1反発板331は、横方向に複数枚密着して並設されており、固定具334Bおよび止め具334Cを解除することで、それぞれが横方向に挿抜可能とされ、その摩耗状態に応じて反転させて用いられたり、新たな反発板と交換される。
【0036】
第2、第3反発板332,333は同一形状とされ、裏面側の係止用突部332A,333Aを介して、第2アーム335の下部側に設けられた係止部335A間にそれぞれ、固定具335Bおよび止め具335Cで保持される。これらの第2、第3反発板332,333もやはり、第2アーム335に対して挿抜可能とされ、摩耗状態に応じて交換される。ただし、さほど大きくない第2、第3反発板332,333は、破砕作業による摩耗が全体的に均一に生じるため、反転して用いられることはないが、第1反発板331と同様に、反転可能に構成されていてもよい。
【0037】
第1、第2アーム334,335はそれぞれ、横方向に間隔を空けて一対並設され、それぞれ連結プレート334D,335Dおよび連結バー334E、335Eで一体に連結されている。また、各第2アーム335は、一対の第1アーム334の内側に配置されている。第1、第2アーム334,335の上部側は、ケース31内上方に回動軸38で共に軸支されている。これに対して、第1、第2アーム334,335の下部側は、連結バー334E、335Eに取り付けられた伸縮自在な第1、第2隙間調整装置60(61,62)によって吊着されている。
【0038】
このような第1、第2隙間調整装置61,62は、上端側の駆動部63の油圧モータ64を駆動することで伸縮する構造であり、例えば、ナット状部材およびボルト状部材を有したネジ式等が採用される。第1、第2隙間調整装置61,62を伸縮させることにより、第1、第2アーム334,335が回動軸38を中心に回動し、打撃板322先端の回転軌跡Aおよび第1〜第3反発板331〜333間の各隙間C1,C2,C3の大きさを調整することが可能である。この油圧モータ64も、油圧ポンプ6からの油圧で駆動される。
【0039】
なお、第2隙間調整装置62では、第2、第3反発板332,333のうち、第3反発板333での隙間C3を調整する。これは、隙間C3を調整することが、破砕物の最終的な粒度を決定するうえで重要だからである。このため、同じ第2アーム335に設けられた第2反発板332での隙間C2の調整は、第2、第3反発板332,333の互いの位置関係から、隙間C3を調整することで自ずと完了する。
【0040】
また、第1アーム334には、第1隙間調整装置61の伸び方向への回動量を規制するために、屈曲式の規制リンク336が設けられている。この規制リンク336によれば、第1隙間調整装置61の過大な伸びが防止され、第1アーム334の回動量が規制される。一方、第2アーム335では、第1アーム334との当接により、その回動量が規制される。
さらに、第1アーム334において、第1反発板331の上方には、やはり挿抜自在とされたライナ337が取り付けられ、被破砕物等から第1アーム334を保護している。
【0041】
以上のクラッシャ30において、固定ケース70の一方の固定ケース側側面部72には、図1ないし図3に示すように、プーリカバー75の上側であって、第1作業用フロア28と同じ高さレベルに、第2作業用フロア29が設けられている。
また、図2、図3、および図5中に二点鎖線で示すように、クラッシャ30の一方の側方(プーリ36とは反対側)には、クローラベルト13上から第1作業用フロア28に上がるための階段状のステップ92が設けられている。
【0042】
ここで、第2作業用フロア29は、クラッシャ30の前後方向に沿った足場板状の部材で構成され、固定ケース側側面部72にボルト止め等されて固定されている。
第2作業用フロア29の前端側は第1作業用フロア28に近接しており、平面略四角形とされたクラッシャ30の二辺に沿って容易に行き来することが可能である。
また、第2作業用フロア29の後端側は、ホッパ41およびフィーダ42の前端に近接しており、これらを跨ぐことでホッパ41内に入り込み、フィーダ42上に容易に移動することが可能である。フィーダ42上では、グリズリ部423に詰まった小さな塊を除去する作業等が行われる。さらに、この第2作業用フロア29からは、可動ケース80がメンテナンス姿勢にあるとき、固定ケース70を跨いで容易にクラッシャ30内に入り込むことができ、クラッシャ30内での打撃板322や反発板33の点検・調整・交換等の種々の作業が迅速に行われるようになっている。
【0043】
このような第2作業用フロア29には、点検扉720に対応した位置に、上下に貫通した切欠部291(図1)が設けられ、開口部720Aからの内部視認は、この切欠部291を通して行われる。
【0044】
一方、図2、図3、図5において、ステップ92は、クローラベルト13の上方のツールボックス922から延出した足掛け部921と、当該ツールボックス922の上面と、ツールボックス922前方のコントロールボックス923の上面と、コントロールボックス923上方のバッテリボックス924の上面とで階段状に形成され、バッテリボックス924の一段上が第1作業用フロア28になっている。
【0045】
ステップ92として利用されているツールボックス922、コントロールボックス923、およびバッテリボックス924は、金属製の板状部材で一体に設けられており、メインフレーム21に適宜なブラケット等を介して固定されている。また、これらのボックス922〜924は、クラッシャ30から横方向に所定間隔離れて配置されており、この間隔内に軸受および油圧シリンダ394が収容されるとともに、この隙間内で点検扉723が開閉される。
【0046】
このようなステップ92においては、先ず、地上からクローラベルト13上に上った後、足掛け部921に足を掛けながらツールボックス922に上る。次いで、順にコントロールボックス923上およびバッテリボックス924上を上って第1作業用フロア28まで移動する。第1作業用フロア28から地上に降りる場合には、バッテリボックス924、コントロールボックス923、ツールボックス922、足掛け部921、およびクローラベルト13を順に利用して降りればよい。
さらに、ステップ92では、例えば、ツールボックス922上を利用することで、開放した点検扉722,723からクラッシャ30内を点検可能である。従って、このステップ92は、点検作業用のフロアも兼ねることになる。
【0047】
〔クラッシャ駆動部の制御についての説明〕
本実施形態のクラッシャ30では、点検やメンテナンス等の作業を行う場合、エンジン5を停止させずに、クラッシャ30駆動用の油圧モータ35のみを停止させるように構成されている。以下には、可動ケース80をメンテナンス姿勢にした場合や、点検扉720〜723を開けることで行われる作業について説明し、さらに、その際の油圧モータ35の制御について説明する。
【0048】
先ず、可動ケース80をメンテナンス姿勢(図8参照)にすることで行われる作業について説明する。メンテナンス姿勢にある場合、固定ケース70を跨いで固定ケース70内に入り込み、種々の作業が行われる。
具体的には、打撃板322および反発板33(331,332,333)間の隙間C1〜C3の点検・調整、これらの隙間C1〜C3に詰まった塊の除去、および打撃板322、反発板33、ライナ337(含むケース31内面のライナ)等の消耗品の点検・メンテナンス・交換、さらには、ケース31内の洗浄等の作業が行われる。
【0049】
次に、点検扉720〜723を開けることで行われる作業について説明する。
点検扉720,722は、打撃板322および第1反発板331間の隙間C1を左右両側から調整したり、点検する際に開けられる。点検扉720,722を開けると、開口部720A、722Aを通して、打撃板322と第1反発板331の下端側とを視認でき、ロータ32を手動で回転させるとともに、第1隙間調整装置61を駆動して、隙間C1が調整等される。また、これらの作業は、前述したように、第2作業用フロア29の切欠部291を通して行われたり、ステップ92の途中位置から行われる。
【0050】
点検扉721,723は、打撃板322および第2、3反発板332,333間の隙間C2,C3を左右両側から調整したり、点検する際に開けられる。点検扉721,723を開けると、固定ケース側側面部72に設けられた開口部721A、723Aを通して、打撃板322と第2,第3反発板332,333の下端側とを視認でき、ロータ32を手動で回転させるとともに、第1隙間調整装置62を駆動して、隙間C1,C2が調整等される。これらの作業は、開口部721A側では、クローラベルト13上に立つことで行われ、開口部723A側では、ステップ92上から行われる。
【0051】
そして、特に、点検扉721を開けることにより、開口部721Aからは、排出口31Bをのぞき込むことができ、排出口31Bでの異物の詰まり具合を点検可能である。また、開口部721Aは、他の開口部720A,722A,723Aよりも大きな開口面積を有し、作業者によるクラッシャ30内の出入りが行えるようになっている。この開口部721Aからは、クラッシャ30の排出口31Bを視認することが可能であるとともに、開口部721Aから作業者が入り込むことで、排出口31B周りに詰まった鉄筋等の異物除去が行われる。
【0052】
さらに、隙間C1〜C3を調整するにあたり、ロータ32を手動操作によって回転させて、打撃板322を反発板331〜333に対して最適な位置に正確に移動させるためには、図10に示すロータ軸324の操作部350に手工具を嵌め込み、この手工具をレバー代わりにしてロータ32を少しずつ回転させる。従って、隙間C1〜C3の調整作業は、プーリ34とは反対側に設けられた点検扉722,723を開けて行うことになる。
【0053】
以上の作業を行う場合には、可動ケース80および点検扉720〜723が開けられるが、本実施形態のクラッシャ30では、それらが開けられた状態か否かを検出する検出手段が設けられている。以下には、この検出手段について説明する。
【0054】
図4および図11(A)において、可動ケース80の動作をアシストする油圧シリンダ394には、そのシリンダ側に検出片395が設けられ、固定ケース側側面部72には、検出片395を検出可能な位置に非接触型の検出センサ396が設けられている。この検出センサ396は、検出片395が対峙位置にある間、つまり、可動ケース80が作業姿勢にある間は、図14に示すコントローラ7に検出信号を出力する。
そして、図8、図11(B)に示すように、油圧シリンダ394のシリンダ側が上方に移動し、可動ケース80が上方に開けられてメンテナンス姿勢にされると、検出片395も上方に移動して検出センサ396の検出可能領域から外れ、検出センサ396は、検出信号の出力を止める。
【0055】
また、本実施形態では、可動ケース80が作業姿勢およびメンテナンス姿勢の他、輸送姿勢にも付勢されるため、検出センサ396は、この輸送姿勢時にも検出信号の出力を停止するようになっている。
すなわち、図9、図11(C)に示すように、油圧シリンダ394のシリンダ側が下方に移動し、可動ケース80が下方に沈み込んで輸送姿勢にされると、検出片395も下方に移動して検出センサ396の検出可能領域から外れ、検出センサ396は、検出信号の出力を止める。
【0056】
同様に、点検扉720〜723には、検出片730〜733が設けられ、固定ケース側側面部72には、検出片730〜733を検出可能な位置に非接触型の検出センサ734〜737が設けられている。この検出センサ734〜737は、検出片395が対峙位置にある間、つまり、点検扉720〜723が閉じている間は、コントローラ7(図14)に検出信号を出力し、点検扉720〜723が開けられて検出片730〜733が検出領域から外れると、検出信号の出力を止める。
【0057】
なお、各検出センサ396,734〜737は、検出片395,730〜733が外れた際に信号を出力し、検出した際に出力を停止する構成でもよい。
また、本発明に係る姿勢検出手段および開閉状態検出としては、非接触式のセンサの他、接触することでオン・オフするリミットスイッチ、あるいは回動機構39やヒンジ727の回転具合を検出する回転センサ等であってもよく、その実施にあたって任意に決められてよい。
さらに、本実施形態では、検出センサ396を一方の油圧シリンダ394に対して設けたが、両方の油圧シリンダ394に対して設けてもよい。
【0058】
図14において、コントローラ7は、検出センサ396,734〜737からの検出信号に基づいて、クラッシャ30の油圧モータ35を制御する機能を有し、CPU、メモリー、およびメモリー内のプログラム(ソフトウェア)等を含んで構成されている。このコントローラ7は、ステップ92としても利用されているコントロールボックス923内に収容されている。
【0059】
ここで、図14に示す油圧モータ35は、油圧ポンプ6からの油圧で作動するが、この油圧は4ポート3位置切換型の電磁式コントロールバルブ8を介して供給される。
コントロールバルブ8では、第1連通位置8A側にして油圧回路を連通させると、油圧ポンプ6からの油圧によって油圧モータ35が正転し、ロータ32(図7)が被破砕物を破砕する方向に回転する。
第2連通位置8B側にすると、油圧モータ35が逆転する。これにより、例えば、隙間C1〜C3に異物が詰まった場合など、ロータ32を逆側に回転させて取り除くことも可能である。
【0060】
これらに対し、コントロールバルブ8を遮断位置8Cにすると、油圧モータ35側が閉油圧回路9になって油圧が遮断されるとともに、遮断位置8C内に設けられた絞り8Dによって油圧モータ35に制動力(ブレーキ力)が働き、ロータ32がスムーズに停止し、油圧モータ35に過負荷がかからないうえ、大きな騒音も生じない。そして、遮断位置8Cにあるときでも、作動油が絞り8Dを通して多少流れるため、ロータ32を作業者が手動で回転させることが可能であり、これにより、前述した隙間C1〜C3の調整作業が行えるようになる。
【0061】
また、油圧回路中には、リリーフバルブ9A、9Bが設けられ、油圧モータ35の正転あるいは逆転中に、大きな被破砕物が詰まる等して過負荷がかかった場合など、油圧を逃がして油圧モータ35、油圧ポンプ6、コントロールバルブ8等が破損するのを防止している。このリリーフバルブ9A、9Bは、コントロールバルブ8を遮断位置8Cにすることで、閉油圧回路9中の油圧が一瞬上昇した場合にも作動し、前述の絞り8Dと共に油圧モータ35への過負荷を確実に防止するとともに、ロータ32をよりスムーズに停止させている。
【0062】
このようなコントロールバルブ8に対してコントローラ7は、可動ケース80が作業姿勢にあり、かつ全点検扉720〜723が閉まっているときには、各検出センサ396,734〜737からの検出信号に基づき、コントロールバルブ8に制御信号を出力し、コントロールバルブ8を第1連通位置8Aあるいは第2連通位置8Bにし、油圧モータ35を正転または逆転するように制御する。
これに対し、クラッシャ30の点検・調整・メンテナンス等を行う場合など、可動ケース80がメンテナンス姿勢とされたり、点検扉720〜723のうちの一つでも開けられると、いずれかの検出信号がコントローラ7に入力されないため、コントローラ7はコントロールバルブ8を遮断位置8Cにし、油圧モータ35を停止させ、ロータ32を駆動できないように維持する。そして、この状態のときに、各種の作業を実施する。
なお、このような状態でも、エンジン5は駆動されている。
【0063】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)移動式破砕機1のクラッシャ30では、打撃板322および反発板331,332,333間の隙間C1,C2,C3を調整する場合、コントロールバルブ8を遮断位置8Cに切り換えるが、この際には、コントロールバルブ8に対して油圧モータ35側が閉油圧回路9になり、しかも、この閉油圧回路9中に絞り8Dが設けられているので、この絞り8Dを作動油が若干流れることで、油圧モータ35に連結されたロータ32を手動操作でゆっくりと回転させることができ、打撃板322を微少に移動させて反発板331〜333との正確な位置合わせを実現できる。従って、隙間C1〜C3の大きさが極端にズレルおそれがなく、隙間C1〜C3を確実に調整でき、破砕物の粒度分布のばらつきを抑えることができる。
【0064】
(2)また、コントロールバルブ8を遮断位置8Cに切り換えることで、回転中の油圧モータ35を停止させた時でも、閉油圧回路9中の絞り8Dを通して作動油が僅かに流れるため、油圧モータ35を無理なくスムーズに停止させることができる。このため、従来とは違って油圧モータ35が急激に停止する心配がなく、油圧モータ35に過負荷がかかるのを防いで耐久性を向上させることができる。
また、油圧モータ35の急な停止を防止できるため、停止時のショックを和らげることができ、停止音を小さくできる。
【0065】
(3)絞り8Dは、コントロールバルブ8内に設けられているため、油圧回路を簡素化でき、油圧回路等で構成されるユニットの小型化を促進できる。このことにより、そのようなユニットが配置される動力部4周りでは、配置スペースを小さくでき、移動式破砕機1全体としての小型化を図ることもできる。
【0066】
(4)ロータ32では、ロータ軸324の端部に手動操作専用の操作部350が設けられているため、この操作部350にレンチ等の手工具を嵌め込むことにより、この手工具をレバー代わりに用いてロータ32の微少操作を簡単にでき、打撃板322の移動を一層容易に、かつ正確にできる。
【0067】
(5)クラッシャ30では、固定ケース側側面部72に点検扉720〜723が設けられているので、これらで塞がれた開口部720A〜723Aを通してクラッシャ30内を点検したり、隙間C1〜C3の確認や調整を実施できる。
特に、点検扉721を開けることにより、開口部721Aからは、排出口31Bでの異物の詰まり具合を点検できるため、クラッシャ30の下側に潜り込んで点検する必要がなく、点検作業を迅速に実施できる。
【0068】
(6)この際、開口部721Aは、作業者がクラッシャ30内に出入り可能な大きさであるから、排出口31B部分に詰まった異物や、ケース31内のその他の部分に詰まった異物を、可動ケース80を開けずにケース31内に入り込んで除去でき、ケース31を開ける手間を省いて作業を容易にできる。
【0069】
(7)固定ケース70の両方に計4つの点検扉720〜723が設けられているので、隙間C1〜C3をクラッシャ30の両側から正確に点検できるうえ、点検等したい箇所に応じた点検扉720〜723を開けることができ、ケース31内の構造が複雑化して点検箇所が多くなっても、点検作業を効率よく実施できる。
【0070】
(8)本実施形態では、可動ケース80をメンテナンス姿勢にして、ケース31内で作業を行ったり、点検扉720〜723を開けて作業を行う場合には、この可動ケース80がメンテナンス姿勢にあることや、点検扉720〜723が開いていることを、検出センサ396,734〜737からの出力によってコントローラ7が確実に認識するため、このコントローラ7でコントロールバルブ8を切り換えることにより、クラッシャ30の油圧モータ35のみを停止状態に制御して作業可能な状態にでき、エンジン5および油圧ポンプ6をそのまま駆動させておくことができる。
【0071】
(9)このため、例えば、隙間C1〜C3の調整時に駆動させる必要のある第1、第2隙間調整装置61,62の油圧モータ64は、エンジン5及び油圧ポンプ6が作動していることで、クラッシャ30用の油圧モータ35の停止に関係なく動作可能であり、隙間調整作業を確実に行える。
また、可動ケース80の動作をアシストする油圧シリンダ394も確実に作動させることができ、可動ケース80を開閉する度にエンジン5をかけ直したりする必要がなく、作業を一層容易にできる。
【0072】
(10)さらに、可動ケース80が輸送姿勢にあると、可動ケース80の沈み込みに合わせて各反発板33が打撃板322先端の回転軌跡Aと干渉する位置まで下がり、この状態でロータ32が回転すると、打撃板322が反発板33に直に衝突し、それぞれが破損することになる。
しかし、本実施形態では、コントローラ7が可動ケースの姿勢も認識できるから、輸送姿勢中にも、クラッシャ30用の油圧モータ35を停止状態に維持でき、ロータ32が誤って回転するの防止して反発板33や打撃板322の損傷を防ぐことができる。
【0073】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、ロータ軸324の操作部350は正方形の凸状に設けられていたが、本発明に係る操作部の形状はこれに限定されず、三角形や六角形などの多角形からなる凸状あるいは凹状であったり、複数の挿入孔を穿設し、これらの挿入孔を手工具が係止可能な形状に設けた場合でも、本発明の操作部に含まれる。
さらに、操作部を、ロータ軸324の端部に一体に設けられた可倒式のレバー等で構成してもよい。
【0074】
前記実施形態の油圧回路では、油圧モータ35側にリリーフバルブ9A,9bが設けられていたが、これらは本発明に必須の構成ではなく、省略可能である。
また、リリーフバルブを、油圧ポンプ6の吐出側に設けてドレインと連通させることにより、コントロールバルブ8を遮断位置8Cに切り換えた時に加わる油圧ポンプ6への負荷を軽減させてもよい。
【0075】
また、本発明に係る絞りは、コントロールバルブ8内に設けられる場合に限らず、例えば、油圧モータ35の流入側と排出側とを連通させ、この連通流路の途中に設けられてもよい。そして、そのような連通流路にストップ弁を設け、ロータ32を手動で回転させたいときだけ、ストップ弁を開いて絞りを機能させてもよい。さらに、絞りとしては、流量を調整できる可変式であってもよい。
【0076】
前記実施形態のコントロールバルブ8は3位置型であったが、油圧モータ35を油圧によって逆転させる必要がない場合などには、連通位置8Bが設けられていない2位置型のコントロールバルブを用いてもよい。どのような形態のコントロールバルブを用いるかは、その実施にあたって任意に決められてよい。
【0077】
本発明に係る駆動部は、油圧で駆動される油圧モータであったが、請求項3のインパクトクラッシャに用いられる駆動部としては、電気モータ等であってもよい。要するに、請求項3のインパクトクラッシャでは、駆動部の形態に関係なく、ロータ軸の端部に操作部が設けられていればよい。
【0078】
前記実施形態の移動式破砕機1は、クローラ式の走行部10を備えた自走式であったが、クローラ式に限らず車輪式であってもよく、また、自走式に限らず、牽引式であってもよい。
【0079】
そして、本発明の破砕装置は、移動式破砕機1に搭載されるものに限定されず、例えば、専用の破砕場に置かれた定置式であってもよく、このような場合でも、本発明を適用できる。
【0080】
前記実施形態では、可動ケース80や点検扉720〜723が開かれることでコントロールバルブ8が遮断位置8Cに切り換わるように自動制御されていたが、本発明は、コントロールバルブ8の制御について何ら特定するものではないから、そのような制御がなされず、単にコントローラ7のストップボタン等を押すことのみで、コントロールバルブ8が切り換わり、ロータ32が停止するように制御されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に掛かるインパクトクラッシャを搭載した移動式破砕機を示す側面図である。
【図2】前記移動式破砕機を被破砕物の投入側から見た図である。
【図3】前記移動式破砕機を示す平面図である。
【図4】前記インパクトクラッシャのケースを構成する可動ケースが作業姿勢にある状態を示す側面図である。
【図5】前記インパクトクラッシャのケースを構成する可動ケースが作業姿勢にある状態を示す側面図である。
【図6】前記インパクトクラッシャを示す分解斜視図である。
【図7】前記インパクトクラッシャの内部構造の一部を示す断面図である。
【図8】前記可動ケースがメンテナンス姿勢にある状態を示す側面図である。
【図9】前記可動ケースが輸送姿勢にある状態を示す側面図である。
【図10】前記インパクトクラッシャの要部を示す断面図である。
【図11】前記可動ケースの姿勢検出部分を示す拡大図である。
【図12】前記ケースに設けられた扉を示す拡大図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である。
【図14】本実施形態の油圧回路示す図である。
【図15】従来の油圧回路を示す図である。
【符号の説明】
4…動力部、6…油圧ポンプ、8…コントロールバルブ、8C…遮断位置、8D…絞り、9…閉油圧回路、30…インパクトクラッシャ、32…ロータ、35…駆動部である油圧モータ、324…ロータ軸、350…操作部。
Claims (3)
- インパクトクラッシャにおいて、
動力部(4)からの油圧で作動するロータ(32)駆動用の駆動部(35)と、
動力部(4)からの油圧をコントロールするコントロールバルブ(8)と、
前記コントロールバルブ(8)が遮断位置(8C)にあるときに、前記駆動部(35)を含んで形成される閉油圧回路(9)と、
この閉油圧回路(9)中に設けられた絞り(8D)とを備え、
前記絞り(8D)は、前記コントロールバルブ(8)の遮断位置(8C)に設けられている
ことを特徴とするインパクトクラッシャ(30)。 - 請求項1に記載のインパクトクラッシャにおいて、
ロータ(32)を構成するロータ軸(324)の端部には、当該ロータ軸(324)を回転操作するための操作部(350)が設けられている
ことを特徴とするインパクトクラッシャ(30)。 - インパクトクラッシャにおいて、
動力部(4)からの油圧で作動するロータ(32)駆動用の駆動部(35)と、
動力部(4)からの油圧をコントロールするコントロールバルブ(8)と、
前記コントロールバルブ(8)が遮断位置(8C)にあるときに、前記駆動部(35)を含んで形成される閉油圧回路(9)と、
この閉油圧回路(9)中に設けられた絞り(8D)とを備え、
ロータ(32)を構成するロータ軸(324)の端部には、当該ロータ軸(324)を回転操作するための操作部(350)が設けられている
ことを特徴とするインパクトクラッシャ(30)。
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