JP4879207B2 - 銅スラグからのAs溶出防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銅製錬の自溶炉及びMI炉において発生するスラグからのAs溶出性を抑制する方法に関するものである。
銅製錬スラグは、銅の製錬過程で自溶炉やMI炉から副産物として得られ、一般には、高圧の海水又は工業用水を用いて取り扱いやすい大きさまで水砕処理した後に、埋め立て処理したり土木資材などとして有効利用したりしている。
銅製錬スラグを取り扱う上で問題となるのは、Asなどの重金属の溶出である。通常、水砕水は循環使用するため、銅製錬スラグの処理量が増大するにつれて徐々にスラグから溶出した重金属で汚染される。汚染された水砕水でスラグを水砕処理すると水砕水中の重金属がスラグに付着するので、スラグからの重金属溶出性を高くしてしまう。したがって、スラグの重金属溶出性を低減するためには、循環している水砕水中の重金属含有量をできるだけ低く保つことが有効と考えられる。
特開2006−327909(特許文献1)には、銅製錬スラグの水砕工程において、循環する水砕水に無機凝集剤及び有機凝集剤を添加し、沈降槽においてAs等の重金属を除去後、水砕水として再利用することで、スラグ溶出試験の結果を良好に維持する方法を提供している。
特開平8−301636号(特許文献2)には、溶融炉から排出されるスラグを対象にし、水砕水のpHを11以下のアルカリ性に維持し、水砕水の一部をろ過後、再利用することで、スラグからの重金属溶出性を低減する方法を提供している。
特開2005−139027(特許文献3)には、廃棄物などから発生するスラグを対象にし、水砕水に含まれる所定粒径の懸濁物質を凝集手段またはろ過手段を用いて除去し、スラグからの重金属類の溶出性を低減する方法を提供している。
特開2006−327909 特開平8−301636号 特開2005−139027
上記何れの文献の方法によっても、一定の効果は得られると思われるが、特許文献1に記載の方法では、新たに専用の凝集剤添加設備、沈降物除去設備が必要となる。
特許文献2に記載の方法では、濾過装置の設置と共にそのフィルター交換などのメンテナンスが必要になる。特許文献3に記載の方法でも、凝集手段や濾過手段が必要となることから、専用設備の設置やメンテナンスの問題が新たに生じる。そして、これらの設備は適切な管理体制の下で稼働させなければ、スラグからの重金属溶出性が低い状態で安定せず、溶出特性が悪化する場合も生じ得る。
また、特許文献2及び特許文献3には重金属の中でもAsに関しては記載がなく、Asの溶出低減にどの程度の効果があるのか不明である。
そこで、本発明の目的は、銅製錬スラグからのAs溶出をより簡便に低減可能な銅製錬スラグの水砕処理方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、水砕水の一部を循環系から抜き出し、その代わりにAs濃度が十分に低い水を供給することで銅製錬スラグからのAs溶出が抑制されることを見出した。そして、循環系から抜き出す水量を多く、換言すれば新たに加える新鮮な水量を十分多くすると、凝集設備や膜濾過設備を要することなく、十分にAs溶出性の低い銅製錬スラグが得られることを見出した。また、自然沈降除去できる粒度の浮遊物水砕水を沈殿槽から抜き出せば抜き出す量を小さくしても水砕水の水質を所望の値に維持できるとともに、循環系の各所に浮遊物が堆積することも抑制されるのでメンテナンスも容易になる。
従来も、水砕水の一部を循環系から抜き出すことは慣例的に行われていたが、その量は銅製錬スラグからのAs溶出性を十分抑制できるほどではなかったし、抜き出す位置も不適切であった。また、特許文献2の段落0002にも記載あるように、得られるスラグから大量の重金属が溶出すると考えられていた。
すなわち、本発明者は従来うまく行かないと考えられていた構成を採用することによって、逆にAs溶出性の低い銅製錬スラグが得られ、且つメンテナンス性にも優れた水砕水の処理方法に到達したのである。
以上を背景として完成した本発明は以下のように特定される。
(1) 循環系の水砕水を使用する銅製錬スラグの水砕処理方法であって、水砕水によって銅製錬スラグを破砕する工程と、循環系を循環する水砕水から浮遊物を沈殿槽を用いて沈降分離し、沈殿槽の高さの2分の1以下のところから水砕水の一部を循環系から抜き出す工程と、As濃度が0.01mg/L以下の補給水を、循環系を流れる水砕水の総量が一定値に保持される量だけ循環系に供給する工程を含み、水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、水砕処理後の銅製錬スラグからのAs溶出値が0.01mg/L以下となるような量とし、NaOH、Ca(OH) 2 、CaCO 3 の少なくともいずれかから選ばれる塩基を循環系に供給する工程を、沈降分離工程と銅精練スラグを破砕する工程との間に行う水砕処理方法。
(2) 水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、銅製錬スラグに接触する水砕水中のAs濃度が10mg/L以下に保持される量である上記(1)記載の水砕処理方法。
(3) 水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、循環系を循環する水砕水量全体の10%以下である上記(1)又は(2)記載の水砕処理方法。
(4)補給水の供給は沈降分離工程と、銅製錬スラグを破砕する工程との間に行われる請求項(1)〜(3)何れか一項記載の水砕処理方法。
(5) 循環系を循環する水砕水に凝集剤を添加する工程を含まない上記(1)〜(4)何れか一項記載の水砕処理方法。
(6) 循環系を循環する水砕水を膜濾過する工程を含まない上記(1)〜(5)何れか一項記載の水砕処理方法
ある。

本発明によれば、
(1) Asの溶出性の低い銅製錬スラグを簡便に得ることができる。
(2) Asの土壌環境基準をクリアできる銅製錬スラグはコンクリート骨材道路路盤材や埋立て材などに有効活用できるため用途が拡大し、省資源につながる。
銅製錬工程の自溶炉やMI炉から排出されるスラグの組成は、一般にFe:35〜45質量%,Fe34:3〜15質量%,SiO2:25〜35質量%,Cu:0.5〜3質量%である。スラグ中には0.1〜0.2質量%程度のAsも含有されているが、これをAsを含有しない清浄な洗浄水で水砕した場合、スラグからのAs溶出値は0.01mg/L以下を通常達成することができる。本発明においてAs溶出値は環境庁告示46号溶出試験(平成3年)により測定した値をいう。
通常、銅製錬スラグを適切に水砕するのに必要な水量はスラグ1t当たり10〜20m3である。したがって、例えば、1t/minでスラグが排出される場合、水砕水の使用量は10〜20m3/minになる。
しかしながら、常に清浄な洗浄水で水砕するのはコスト面から非現実的であり、水砕水を循環系にして使用するのが標準的であり、本発明でも水砕水を循環系にして繰り返し使用する。そのため、水砕水中には次第にAsが濃縮してくる。このAsの濃縮した水砕水が水砕スラグに付着することにより、スラグのAs溶出性が高くなっていく。
そこで、循環する水砕水に含まれるAs濃度を下げることにより水砕スラグのAs溶出性を低減するというが本発明の基本的なコンセプトである。
本発明では、水砕水に含まれるAs濃度を下げる方法として、循環系を循環する水砕水の一部を循環系から抜き出すと共に、循環系を流れる水砕水の総量が一定値に保持される量だけAs濃度が0.01mg/L以下の補給水を循環系に供給する。そして、水砕水を抜き出す量は、水砕処理後の銅製錬スラグからのAs溶出値が0.01mg/L以下となるような量とする。すなわち、本発明では循環している水砕水の抜き出し位置及び量と新鮮な水砕水の補給量を調節することによって、循環する水砕水に含まれるAs濃度を効果的に下げるのである。
経験的に、上記水量で上記As含有量の銅製錬スラグを水砕する場合、スラグに接触する水砕水中のAs濃度が10mg/L以下であれば、水砕処理後の銅製錬スラグからのAs溶出値が0.01mg/L以下となることが分かっている。そこで、本発明に係る水砕処理方法の一実施形態においては、銅製錬スラグに接触する水砕水中のAs濃度が10mg/L以下、好ましくは7.5mg/L以下、より好ましくは5mg/L以下に保持されるように、水砕水を抜き出す量を管理する。
交換する水量を多くすれば循環系を流れる水砕水中のAs濃度は低下するが、それだけだと交換する水量が著しく多くなり不経済であるので、循環系を循環する水砕水から自然沈降除去できる粒度の浮遊物を沈降分離し、当該工程で使用する沈殿槽から水砕水の一部を循環系から抜き出すこととしている。沈殿槽から抜き出すことで、As等の重金属を含有する浮遊物(主としてスラグ)が除去されるので、水砕水中のAs濃度を効果的に低く維持することができる。また、水砕水を沈殿槽からポンプで抜き出すことで、浮遊物の除去効率が高まるとともに、沈殿槽への浮遊物の堆積が低減できる。また、循環系各所にスラグが堆積するのを防ぐこともできる。そのため、メンテナンスの軽減を図ることができる。
沈殿槽において水砕水を抜き出す地点は、沈殿槽に流入してきた水砕水中の浮遊物濃度よりも水砕水中の浮遊物濃度が相対的に高くなる地点であれば特に制限はないが、浮遊物の除去効率及び交換水量低減の観点からは沈殿槽の高さの2分の1以下のところで抜き出すのが好ましく、底部で抜き出すのがより好ましい。
また、循環系を流れる水砕水の量を多くすることで、自溶炉などから排出される銅精錬スラグ中に含まれるAs濃度が変動しても水砕水中のAs濃度に与える影響を吸収することが可能となる。水砕水中のAs濃度の変動を抑えることは安定した品質の水砕スラグを得る上で有効である。そのため、水砕処理後の銅製錬スラグからのAs溶出値を0.01mg/L以下とするのに必要な交換水量が、循環系を循環する水砕水量全体に対して10体積%以下、好ましくは8体積%以下、より好ましくは6体積%以下となる程度にまで循環系を循環する水砕水量を増加させるのが有利である。
補給水は、循環系を循環する水砕水中のAs濃度を低減するという趣旨から、As濃度が可能な限り低いことが望ましいが、通常の工業用水は、日本工業規格K0102規格61.1に定める方法で測定して一般にAs濃度が0.01mg/L以下であるので、これを使用すれば十分な効果が得られる。
また、できるだけ清浄な水砕水をスラグと接触させるために、補給水の供給は、沈降分離工程と、銅製錬スラグを破砕する工程との間で実施するのが好ましい。
無機凝集剤(例:硫酸バンド)や有機凝集剤(例:高分子凝集剤)などの凝集剤を水砕水中に添加して沈殿効率を高めてもよいが、新たにこれらの供給設備を設置する必要があり、また、凝集剤を使用しなくても水砕水中のAs濃度を十分に低減することができる。また、水砕水中の浮遊物を膜濾過により除去する工程を追加してもよいが、同様に不要である。水砕水を循環使用していると、スラグに含まれる硫黄酸化物が水砕時に水砕水へ溶解し、pHは次第に低下する。pHが低下するとスラグに含まれる重金属類が水砕水に溶出し易くなる。NaOH、Ca(OH)2,CaCO3等の塩基を循環系を流れる水砕水に添加して、中性(6〜7)に維持するのが好ましい。塩基の添加位置は特に制限はないが、pH調整後の水砕水をスラグと接触させるために、補給水の供給は、沈降分離工程と、銅製錬スラグを破砕する工程との間で実施するのが好ましい。
循環している水砕水中のAs濃度は、概ね以下のようにして計算することができる。
1=A0×B0/B1
1:抜出量増加後の水砕水中As濃度、
0:抜出量増加前の水砕水中As濃度、
0:水砕水抜出量(増加前)、
1:水砕水抜出量(増加後)
従って、例えば、抜出量増加前の水砕水中As濃度が50mg/L、水砕水抜出量(増加前)が0.1m3/minの条件だと、水砕水中のAs濃度を10mg/L以下に維持するのに必要な水砕水の抜き取り量は0.5m3/minである。
上記によって計算される水砕水の抜き取り量は循環系を循環する水砕水全体の約3体積%であり、それほど多くないことが分かる。また、確実性を求めるのであれば抜き取り量を多くすればよい。ただし、抜き取り量があまり多くてもコストパフォーマンスが悪化するので、計算値の5倍以下とするのが好ましく、3倍以下とするのがより好ましい。
以下、本発明の好適な実施形態を図1の水砕処理フローシート及び図2のスラグ樋と水砕樋の概略図を参照しながら説明する。
まず、銅製錬工程で自溶炉(錬カン炉)1から排出されたスラグ11は、スラグ樋2を介して水砕樋3に流入し、その水砕樋3を流下してきた水砕水4により水砕され、水砕スラグ12として水砕槽5内に落下する。水砕スラグは水砕槽5内に設けたバケットエレベーター(図示せず)によりすくい上げられ、系外に搬送される。
一方、水砕槽5に溜まった水砕水は、受水槽6に送られる。一部は沈降槽7に送られ、水砕水中に浮遊する微細なスラグを除去した後、同じく受水槽6に送られる。沈降槽7に送る割合は水砕水の品質維持及び循環系各所へのスラグの堆積防止の観点から適宜調節すればよいが、例えば20〜80体積%、典型的には40〜60体積%を沈降槽7に送ることができる。
排水は系外の排水処理設備8で処理される。排水は、循環系内に専用の排水処理設備を設置し、処理することも考えられるが、その場合は、専用の凝集・沈降設備や沈降物除去設備を別途設置する必要があるので、水砕工程外に排水処理設備を有するのであれば、そこに送り、他工程からの排水と一括に処理したほうが、新たに排水処理設備の設置も必要なく、効率的である。
受水槽6では系内の水砕水量を一定量に維持するための工業用水が補給される。受水槽6を出た水砕水は揚水ポンプ10によってクーリングタワー9に送られ、そこで蒸発による熱交換が行われて冷却される。そして重金属の濃縮防止のためクーリングタワーからも一部を排水処理設備へ送ってもよい。冷却後の水砕水は、配管で水砕樋3に送られ、再び水砕に使用される。なお、一連の工程で、水砕水は沈殿槽から排出される他、蒸発や水砕スラグに付着して損失する(例えば、循環する水砕水量の2〜6%程度)ので、系内の水砕水量を一定量に維持するために必要な工業用水の量というのはこの損失も加味した量となる。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は例示目的であって発明が限定されることを意図しない。
図1の水砕処理フローシートに則して水砕処理システムを構築した。具体的試験条件は以下である。
(試験条件)
自溶炉から排出される銅製錬スラグの量:1.2kg/min
スラグ中のAs濃度:As:0.10〜0.20質量%
*スラグのAs濃度は水砕処理前のものをサンプリングして、ICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 型式SPS3100)により分析した。
水砕水量:17m3/min
沈降槽7を経由する水砕水の割合:50%
沈降槽寸法:W12m×D6m×H3.5m
沈降槽における排水抜出位置:沈降槽の底部より高さ3.0mの地点
沈降槽から排水処理設備への抜出量:1.0m3/min
クーリングタワーから排水処理設備への抜出量:0m3/min
(試験前はクーリングタワーのみから抜出量0.1m3/minで抜き出していた。)
工業用水の補給量:1.0m3/min
凝集剤の添加や膜濾過工程なし、
NaOH:水砕水のpHを6〜7に維持する量だけ受水槽へ添加
(試験結果)
図2に水砕水中のAs濃度推移を示す。As濃度はJIS K0102規格61.1により測定した。
図中■が実測値、◆が計算値を示している。
計算値は水砕水量とAs濃度のバランスから以下のようにして計算した値で、抜出量を10倍にすると、5日程度で試験前の10分の1まで下がって平衡状態に達すると予測した。
試験前(抜出量0.1m3/min)の水砕水中As濃度は50mg/Lである。抜出量を1.0mg/Lに増やすと、水砕水中As濃度は徐々に減少し始め、試験開始5日後には、計算値と同じように、試験前の10分の1である5mg/Lまで減少した。
図3に、得られた水砕スラグの環境庁告示46号溶出試験におけるAs溶出値を示す。水砕水中As濃度と同様に、スラグAs溶出値も試験開始から減少し始め、5日後にはほぼ土壌環境基準である0.01mg/L以下に下がった。
図4に、本試験結果から得られた水砕水中As濃度と水砕スラグからのAs溶出値の関係を示す。図4より、水砕水中As濃度が10mg/L以下の場合に、ほぼスラグAs溶出値が土壌環境基準である0.01mg/L以下になっていることが分かる。
上記のように、抜出量を10倍にした場合に、水砕水中As濃度は計算どおり試験前の10分の1である5mg/Lに下がった。したがって、10mg/L以下にするためには、抜出量を5倍である0.5m3/min(水砕水量の3%)にすればよいことが分かる。
本発明の実施一態様に係る水砕処理フローシートを示す。 スラグ樋と水砕樋の概略図(横から見た図)。 実施例における水砕水中As濃度の推移を示す。 実施例におけるAs溶出値の推移を示す。 水砕水中As濃度とスラグAs溶出値の関係を示す。
符号の説明
1 自溶炉(錬カン炉)
2 スラグ樋
3 水砕樋
4 水砕水
5 水砕槽
6 受水槽
7 沈降槽
8 排水処理設備
9 クーリングタワー
10 揚水ポンプ
11 スラグ
12 水砕スラグ

Claims (6)

  1. 循環系の水砕水を使用する銅製錬スラグの水砕処理方法であって、水砕水によって銅製錬スラグを破砕する工程と、循環系を循環する水砕水から浮遊物を沈殿槽を用いて沈降分離し、沈殿槽の高さの2分の1以下のところから水砕水の一部を循環系から抜き出す工程と、As濃度が0.01mg/L以下の補給水を、循環系を流れる水砕水の総量が一定値に保持される量だけ循環系に供給する工程を含み、水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、水砕処理後の銅製錬スラグからのAs溶出値が0.01mg/L以下となるような量とし、NaOH、Ca(OH) 2 、CaCO 3 の少なくともいずれかから選ばれる塩基を前記循環系に供給する工程を、沈降分離工程と銅精練スラグを破砕する工程との間に行う水砕処理方法。
  2. 水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、銅製錬スラグに接触する水砕水中のAs濃度が10mg/L以下に保持される量である請求項1記載の水砕処理方法。
  3. 水砕水を沈殿槽において抜き出す量は、循環系を循環する水砕水量全体の10体積%以下である請求項1又は2記載の水砕処理方法。
  4. 補給水の供給は沈降分離工程と、銅製錬スラグを破砕する工程との間に行われる請求項1〜3何れか一項記載の水砕処理方法。
  5. 循環系を循環する水砕水に凝集剤を添加する工程を含まない請求項1〜4何れか一項記載の水砕処理方法。
  6. 循環系を循環する水砕水を膜濾過する工程を含まない請求項1〜5何れか一項記載の水砕処理方法。
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