JP2009291667A - 銅製錬プラントにおける排水処理方法および排水処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】水砕工程の予備的な排水処理設備から排出される一部の水砕水におけるpH値の急激な低下により、最終排水処理設備における排水処理に影響を与えないように、前記予備的工程内の水砕水のpHを適切に制御する。
【解決手段】銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕水を用いて水砕スラグを生産する水砕工程に用いられ、水砕水を循環使用するために、水砕槽、沈降槽、および循環手段を備え、一部の水砕水を系外に排出する予備的な排水処理設備において、水砕槽と沈降槽との間に設けられたpH調整槽と、沈降槽の下流側に設けられたpH監視槽と、pH調整槽にアルカリを供給するアルカリ貯槽と、pH調整槽とpH監視槽において、水砕水のpH値を測定し、かつ、測定されたpH値に基づいて、水砕水のpH値が7.0〜8.5の範囲内となるように、アルカリ貯槽からのアルカリの供給量を制御する手段とをさらに備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅製錬プラントにおける排水処理、特に、スラグ水砕工程に用いられる水砕水の処理に関する。
銅製錬プラントにおいては、乾式製錬により硫化精鉱を精製粗銅アノードとし、得られた精製粗銅アノードから電解精錬により電気銅を生産している。かかる銅製錬プラントにおいては、各工程から排出される排水の処理が必要となる。
たとえば、乾式製錬工程においては、排ガスの洗浄水、装置設備の冷却水などが排水として排出される。かかる排水は、硫化精鉱に由来する重金属分、工程で生成された硫化物や硫酸塩、あるいは、亜硫酸ガス等に由来する硫酸分を含有する。
また、電解精錬工程においては、電解廃液などが排出される。かかる排水は、銅電解液に由来する硫酸分やニカワなどの有機成分、さらには重金属分を含有する。
さらに、雨水のうち、乾式製錬工程が配された敷地や道路を通過した表流水には、乾式製錬工程から漏れ出た粉塵などと接触することにより、重金属分や硫酸分が含有することがある。
これらの排水(雨水の一部を含む)は、排水処理設備において、環境関連法令に定められた基準値を満足するように処理され、銅製錬プラントの最終放流口からプラント外に排出される。
これらの排水は、工程ごとに様々な成分を含有し、様々なpH値を呈することから、工程ごとに予備的な排水処理が施された後、最終放流口に直結する排水処理設備に導入され、最終的な排水処理が施されている。
ところで、乾式製錬工程において、硫化精鉱が酸化溶錬され、銅分が濃縮された溶融マットと銅分が少ない溶融スラグとに分離される。このうち、溶融スラグは、スラグ水砕工程において水流中に流し込まれ、冷却および粉砕され、砂状の水砕スラグとして回収される。かかる水砕スラグは、ケーソンの中詰め材、コンクリート用細骨材、またはサンドブラスト材として、広く利用されている。
従来、スラグ水砕工程では、海水や工業用水を水砕水として使用し、スラグ水砕工程に1回使用した後に、使用後の水砕水を排水として排出していた。しかしながら、海水の使用では、海水中の塩素分が、水砕スラグに残留するという問題があり、一方、工業用水の使用ではコストの低減が要求されていた。
このため、現在では、工業用水を水砕水として循環して使用している。このように、スラグ水砕工程で循環される水砕水は、水砕スラグ循環水と称される。水砕水には、溶融スラグに残留している硫化精鉱由来の硫黄分が溶け込んでいるため、硫酸あるいは亜硫酸が生成される。よって、水砕スラグ循環水では、循環により、次第に硫酸あるいは亜硫酸が濃縮され、pH値が低下してしまう。
pH値の低下に起因する操業条件の変動を回避するために、スラグ水砕工程に配置されている予備的な排水処理設備を利用して、例えば、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリを添加することにより、使用当初のpH値、すなわち、海水や工業用水に該当するpH値である約6〜9程度の範囲に維持することが行われている。
図2に、従来の水砕工程における予備的な排水処理設備の概略を示す。
溶融スラグは、スラグ流し樋から水砕槽に投入される過程で、水砕ノズルから貯水槽のヘッド圧により加圧され噴出された水砕水の水流によって、冷却および破砕され、水砕槽に沈降し、バケットエレベータにより水砕スラグとして排出される。
水砕水は、水砕槽から溢流して、沈降槽に導入され、pH値の調整が行われる。具体的には、沈降槽内において、水砕水のpH値が測定され、該pH値が所定範囲以下の場合には、アルカリ貯槽バルブが開放され、アルカリ貯槽からアルカリが沈降槽に添加される。これにより、pH値が所定範囲以上になると、アルカリ貯槽バルブが閉止され、アルカリの添加が停止される。これにより、沈降槽の水砕水は、pH値が6〜9となるように調整される。また、沈降槽では、水砕槽で沈降しきれなかった微細な水砕スラグを沈降させて、回収する。その後、水砕水は、ポンプにて汲み上げられ、熱交換器により冷却された後、貯水槽に導入されて、循環する。
水砕スラグ循環水のうち、一部は排出される水砕スラグへの付着水として工程外に持ち出される。また、高温の溶融スラグを冷却する際に、水砕水の一部が蒸発する。さらに、沈降槽でも沈降しない極微細な水砕スラグやSS分の蓄積による配管の閉塞などの不具合を除去するため、これらを水砕水から抜き出す目的で、沈降槽に設置した排水処理設備への配管から、水砕水の一部が排出され、最終的な排水処理設備に送られる。これらによる水砕水の量の減少を補填するため、乾式工程で発生する工程排水の一部、あるいは新規の工業用水が水砕工程における排水処理の工程内に追加的に導入される。
ところが、水砕工程において工業用水を循環させるようになって以来、水砕工程から最終的な排水処理設備に導入される排水において、従来の定常操業時には見られなかった急激なpHの低下(pH値が6未満)という問題が発生するようになった。かかるpHの低下は、最終的な排水処理設備における中和剤の使用量を増加させたり、これに伴って生成する排水処理殿物を増加させたりするため、総合的な処理コストの増加を招いている。
なお、水砕水におけるpHの調整について、たとえば、特開平08−301636号公報、特開平11−051575号公報、および、特開2005−289697号公報において、水砕スラグ生成時すなわち水砕槽における水砕水のpHをアルカリ性ないしは中性に維持するために、水砕槽内の水砕水のpH値を測定し、水砕槽にアルカリを添加することが記述されている。かかるpHの調整は、水砕水に重金属類が溶出することを防止するために行われるものであり、系外に排出される排水におけるpHとは直接関係するものではなく、前述の問題点の解消に直接適用することはできない。
特開平08−301636号公報 特開平11−051575号公報 特開2005−289697号公報
本発明の目的は、従来の問題点を解消するために、総合的な処理コストを従来と比べて低減することができる銅製錬プラントの排水処理方法を提供することである。
本発明者は、複数の位置でpH値の調整および監視をして、循環する水砕水のpH値を適切範囲に維持することにより、課題が解決されうるとの知見を得て、本発明を完成した。
本発明は、銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕スラグを生産する水砕工程に用いられ、水砕槽において該水砕工程に用いられた水砕水を、水砕後に該水砕槽から溢流により沈降槽に導入し、微細な水砕スラグを沈降させた後、該水砕水の一部を最終排水処理工程に排出し、残余の水砕水を該沈降槽から前記水砕工程に返送させる予備的な排水処理工程を備えた銅製錬プラントの排水処理方法に係る。
特に、本発明では、前記水砕槽から排出された後で、前記貯留槽に導入される前において、前記水砕水のpH値を7.0〜8.5の範囲内に調整することを特徴とする。
同時に、前記貯留槽から排出された後、前記最終排水処理工程への排出もしくは前記水砕工程への返送の前において、該水砕水のpH値を測定し、該測定されたpH値が所定の監視基準値の範囲を超えた場合にも、前記pH値の調整を行うことが好ましい。
かかる排水処理方法を実施するためには、銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕水を用いて水砕スラグを生産する水砕槽、該水砕槽から移送された前記水砕水から微細な水砕スラグを沈殿させるための沈降槽、該沈降槽から前記水砕水の一部を最終排水処理設備に移送させるための手段、該沈降槽から残余の水砕水を前記水砕槽に返送させるための手段を有する予備的な排水処理設備を備えた銅製錬プラントの排水処理設備において、さらに、前記水砕槽と前記沈降槽との間に設けられたpH調整槽と、該pH調整槽にアルカリを供給するアルカリ貯槽と、該pH調整槽において前記水砕水のpH値を測定し、かつ、測定されたpH値に基づいて、該水砕水のpH値が7.0〜8.5の範囲内となるように、前記アルカリ貯槽からのアルカリの供給量を制御する手段を備えるようにする。
前記pH調整槽の容量は、前記水砕槽の容量に比して1/5以上1/3未満であることが好ましい。
また、前記沈降槽と前記移送手段および前記返送手段との間に設けられたpH監視槽がさらに設け、前記制御手段が、該pH監視槽において前記水砕水のpH値を測定し、かつ、測定されたpH値が所定の監視基準値の範囲内となるように、前記アルカリ貯槽からのアルカリの供給量を制御することが好ましい。
本発明の銅製錬プラントの排水処理方法により、工業用水による水砕水を循環させる、水砕工程における予備的な排水処理設備において、該排水処理設備から排出され、最終排水処理設備において処理される一部の水砕水が、該最終排水処理設備における排水処理に影響を与えないように、前記予備的工程内の水砕水のpHを適切に制御することができる。
よって、最終排水処理設備における中和剤の使用量および排水処理殿物の生成量の増加が抑制され、銅製錬プラントの排水処理システム全体における、総合的な処理コストの低減を図ることができ、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の銅製錬プラントの排水処理方法および排水処理設備について詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施態様に係る銅製錬プラントにおける水砕工程の予備的な排水処理設備を概略的に示している。銅製錬プラントにおける排水処理設備における、その他の予備的な排水処理設備、最終排水処理設備については、既存のシステムと同様であるから、説明を省略する。すなわち、本発明は、水砕工程における予備的な排水処理において、最終排水処理に影響を与えないように、適切に水砕スラグ循環水のpH値を制御する点に特徴がある。
溶融スラグは、スラグ流し樋から水砕槽に投入される過程で、水砕ノズルから貯水槽のヘッド圧により加圧され噴出された水砕水の水流によって、冷却および破砕され、水砕槽に沈降し、バケットエレベータにより排出される。
一方、水砕水は、水砕槽から溢流し、水砕槽と貯留槽の間に設けられたpH調整槽に流入する。また、アルカリを貯蔵するアルカリ貯槽が設けられ、アルカリ貯槽のバルブの開閉によりpH調整槽へのアルカリの供給が可能とされている。
かかるアルカリ貯槽バルブの制御は、コンピュータなどの制御手段により行われる。該制御手段には、pH調整槽内に設けられたpHメータなどの水砕水のpH値を測定する手段が接続されている。
たとえば、pH調整槽において、測定された水砕水のpH値が、下限である7.0を下回った場合に、制御手段は、アルカリ貯槽バルブを開放して、pH調整槽へのアルカリの供給を行う。その後、アルカリの供給により、たとえば、上限である8.5を上回った場合に、制御手段は、アルカリ貯槽バルブを閉止して、pH調整槽へのアルカリの供給を停止する。
pH調整槽の容量は、水砕槽の容量に比して1/5以上1/3未満とすることが好ましい。pH値の調整を完了させるためには、1/5未満の容量では不十分な場合があり、一方、1/3を超える容量では、効果が変らないだけでなく、過剰に大きな設置スペースが必要となるからである。また、pH調整槽におけるpH値の調整を効果的に行うために、撹拌羽根を備えることがより好ましい。
添加するアルカリの種類は、従来と同様に水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムでもよく、中和するという意味では、水に溶解する際にアルカリ性を示すものであれば、種類に制限はない。しかしながら、殿物やSSを増加させる可能性のある固体アルカリは好ましくない。また、重金属を含有するアルカリは、循環させる水砕水の重金属含有量を増加させる可能性があるため、好ましくない。
pH調整槽から溢流した水砕水は、pH値が7.0〜8.5に調整された状態で、沈降槽に流入する。沈降槽では、水砕槽で沈降しきれなかった微細な水砕スラグを沈降させて、回収する。沈降槽においては、導入される時点で水砕水のpH値がすでに調整されているため、槽内の全体において水砕水のpH値が原則的に上記範囲に維持されることになる。
したがって、沈降槽から貯水槽を通じて水砕工程に循環される水砕スラグ循環水としての水砕水、および、系外に排出されて、最終排水処理設備に移送される水砕水のいずれも、pH値が上記範囲内に確実に維持されることになる。これにより、水砕工程の予備的な排水処理設備からの排水を含む最終排水処理設備への排水系統における急激なpH値の低下が抑制される。
本発明者は、本発明の効果が発生する理由について、種々の検討から、次のように推測している。
従来どおりの範囲にpHを調整して、水砕水を循環しない水砕工程の予備的な排水処理においては、要因である水砕水の循環がなく、一度の水砕工程では水砕水のpHの低下は生じないため、該工程から排出される排水においては、急激なpH値の低下を起こすことはない。
しかしながら、水砕水を循環させるシステムにおいては、水砕スラグ循環水のpH値を沈降槽の流入側において測定および調整していたため、pH計の測定値が範囲内であっても、沈降槽の出口側において、pH値が範囲から外れる場合がある。このため、pH値を調整するタイミングが外れてしまい、沈降槽の流出側に存在するpH値の低い水砕水が循環したり、その一部が系外に排出されることになる。pH値の低い水砕水の循環により、さらにpH値の低い水砕水の循環および排出が生じる可能性がある。さらに、pH値が5程度である酸性度が高い降雨などが重なった場合に、水砕工程から排出される排水に急激なpH値の低下という現象が発生すると考えられる。そのため、本発明のように、循環する水砕水のpH値をアルカリ側に最適にかつ確実に維持することで、このような従来の問題点が解決されるものと考えられる。
なお、かかる制御値の上限および下限は設備条件等により適宜変更してもよい。たとえば、pH値の下限値を7.5程度に設定してもよく、上限を8.5を超える値としてもよい。好ましくは、pH値を7.5〜8.5となるように調整する。これにより、最終排水処理設備に排出される水砕水における急激なpH値の低下が、より発生しなくなる。
本発明では、沈降槽から、ポンプ等の手段により、従来と同様に沈降槽から水砕水を熱交換器を介して貯水槽に移送させ、また、水砕水の一部を最終排水処理に排出させてもよい。
好ましくは、沈降槽の下流側に、さらにpH監視槽を設けて、pH監視槽から水砕水の循環と排出を行う。この場合、水砕水は、沈降槽から溢流し、pH監視槽に流入する。pH監視槽には、前記制御手段に接続されたpHメータなどの水砕水のpH値を測定する手段が設けられている。pH監視槽では、かかる手段により水砕水のpH値が測定され、予め設定した監視基準値より低下した場合に、制御手段がアルカリ貯槽バルブを開放し、アルカリ貯槽から所定量のアルカリをpH調整槽に添加させる。その後、所定の監視基準値の範囲内に戻れば、アルカリ貯槽バルブを閉止する。なお、監視基準値についても、基本的には、pH値で7.0〜8.5の範囲とすればよいが、好ましくは、下限値は7.5程度である。また、pH調整槽とpH監視槽のいずれかでpH値の異常が発生した場合に、制御手段が、アルカリ貯槽バルブを開放してアルカリを投入するようにするのが好ましい。また、両方のpH値が7.0以上の正常値となり、かつ、一方のpH値が予め設定した上限値を超えた場合に、アルカリの投入を中止することもできる。かかる制御手段における条件の設定は、水砕水のpH値が確実に7.0以上とアルカリ側に維持されるように、また、コストなどを考慮しつつ、設備条件を考慮しながら適宜決定されうる。
その後、水砕水の一部は、排水処理施設に移送され、残部がポンプにて汲み上げられ、熱交換器を通すことで冷却された後、貯水槽に導入されて、循環する。
以上のように、pH値を7.0〜8.5となるように調整すると、最終排水処理設備に導入される水砕水において、急激なpH値の低下の発生を、従来と比べて1/10以下に抑制することができ、中和剤の使用量を低減することが可能となる。なお、pH値は、実際には8.5を超える場合もあり、また、8.5を超えても、排出された後、最終排水処理設備に導入される過程で他の排水の影響などにより中和されるので問題はない。ただし、これ以上に設定しても、排出された水砕水における急激なpH値の低下の発生という効果に変更はなく、また、循環する水砕水においては、アルカリ側で溶出しやすい重金属が存在するため、水砕水のpH値の上限を8.5程度に設定しておくことが好ましい。一方、下限については、確実に上記効果を得るために、pH値の下限を7.5以上に設定しておくことが好ましい。
なお、前述の監視基準値、および監視基準値より下回った場合に添加するアルカリの所定量は、操業状況に応じて調整すればよい。
また、自明のことだが、本発明により水砕水は酸性側とならないので、水砕水の循環に係る設備に、酸性に弱い材料を使用してもよく、設備破損の防止という追加効果を期待できる。
(実施例1〜6、比較例1、2)
図1に概略図を示す銅製錬プラントの水砕工程により、表1に示した条件で操業を行った。実施例1、4〜6、および比較例1、2では、pH監視槽において、pH値の監視を行わなかったが、実施例2および3では、pH監視槽において、pH値の監視を行い、監視基準値より低下した場合に、アルカリ貯槽バルブが開き、アルカリ貯槽から10リットル/分のアルカリをpH調整槽に添加した。
なお、水砕槽の容量は約100m3である。また、pH調整槽およびpH監視槽には、ガラス電極式pH計を設置した。また、アルカリは、水酸化ナトリウム水溶液(29%)を使用した。
評価となる急激なpH値の低下は、1週間の連続操業において、60分の間に、pHが1.5以上、低下した場合をカウントした。測定結果を表1に示す。
Figure 2009291667
表1から明らかなように、本発明の実施例に係る予備的な排水処理工程から排出され、最終排水処理設備に導入される排水において、水砕スラグ循環水を用いた従来の定常操業と比較すると、急激なpH低下の発生頻度が1/10以下に低減することが理解される。
ただし、比較例1より、pH調整槽の容量は、水砕槽の容量の1/5以上とすることが好ましいことが理解される。また、比較例2は、水砕槽の容量は1/4であるが、pH設定値を7未満とした例であるが、同じく、水砕槽の容量が1/4であって、pH設定値を7以上とした実施例4との比較において、実施例4の発生頻度が1であるのに対して、比較例2では発生頻度が8となっており、急激なpH低下の頻度を抑制するためには不充分であるということが理解される。
なお、実施例5のようにアルカリ側に設定しても、また、実施例6のようにpH調整槽の容量を大きくしても、効果が得られ問題はないことが理解される。ただし、上述の通り、コストや設置面積などの観点より、好ましくない例である。
本発明の銅製錬プラントの排水処理方法の一実施例を使用した水砕工程を示す概略図である。 従来の銅製錬プラントの排水処理方法を使用したスラグ水砕工程を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕スラグを生産する水砕工程に用いられ、水砕槽において該水砕工程に用いられた水砕水を、水砕後に該水砕槽から溢流により沈降槽に導入し、微細な水砕スラグを沈降させた後、該水砕水の一部を最終排水処理工程に排出し、残余の水砕水を該沈降槽から前記水砕工程に返送させる予備的な排水処理工程を備えた銅製錬プラントの排水処理方法において、前記水砕槽から排出された後で、前記貯留槽に導入される前において、前記水砕水のpH値を7.0〜8.5の範囲内に調整することを特徴とする、銅製錬プラントの排水処理方法。
  2. 前記貯留槽から排出された後、前記最終排水処理工程への排出もしくは前記水砕工程への返送の前において、該水砕水のpH値を測定し、該測定されたpH値が所定の監視基準値の範囲を超えた場合に、前記pH値の調整を行う、請求項1に記載の銅製錬プラントの排水処理方法。
  3. 銅製錬炉で発生する溶融スラグから水砕水を用いて水砕スラグを生産する水砕槽、該水砕槽から移送された前記水砕水から微細な水砕スラグを沈殿させるための沈降槽、該沈降槽から前記水砕水の一部を最終排水処理設備に移送させるための手段、該沈降槽から残余の水砕水を前記水砕槽に返送させるための手段を有する予備的な排水処理設備を備えた銅製錬プラントの排水処理設備において、
    前記水砕槽と前記沈降槽との間に設けられたpH調整槽と、該pH調整槽にアルカリを供給するアルカリ貯槽と、該pH調整槽において前記水砕水のpH値を測定し、かつ、測定されたpH値に基づいて、該水砕水のpH値が7.0〜8.5の範囲内となるように、前記アルカリ貯槽からのアルカリの供給量を制御する手段をさらに備えることを特徴とする、銅製錬プラントの排水処理設備。
  4. 前記pH調整槽の容量が、前記水砕槽の容量に比して1/5以上1/3未満である、請求項3に記載の銅製錬プラントの排水処理設備。
  5. 前記沈降槽と前記移送手段および前記返送手段との間に設けられたpH監視槽がさらに設けられ、前記制御手段が、該pH監視槽において前記水砕水のpH値を測定し、かつ、測定されたpH値が所定の監視基準値の範囲内となるように、前記アルカリ貯槽からのアルカリの供給量を制御する、請求項3に記載の銅製錬プラントの排水処理設備。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の設備を用いて、前記水砕槽から排出された後で、前記貯留槽に導入される前において、前記水砕水のpH値を7.0〜8.5の範囲内に調整することを特徴とする、銅製錬プラントの排水処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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