JP4878340B2 - 金属板材の蛇行防止圧延方法 - Google Patents

金属板材の蛇行防止圧延方法 Download PDF

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Description

この発明は、金属板材とくに鋼板の圧延過程において、適正なレベリング制御により蛇行を防止する圧延方法に関する。
金属板材の圧延過程で、圧延機から出た板材の進行方向が横方向にずれる蛇行現象は、通板トラブルを引き起こして圧延の続行が不可能になり、また、板材を分割して圧延長さを制限した圧延を余儀なくされるなど、圧延歩留を低下させる大きな原因となっている。この蛇行現象の制御方法としては、圧延機出側での板材に作用する作業側(WS)張力と駆動側(DS)張力の張力差を用いてレベリング量を制御する方法、および圧延荷重や蛇行量等の圧延パラメータを用いてレベリング量を制御する方法など、従来から多く知られている。しかし、実機での圧延では、圧延ロールの組替え毎にロールセッティングにバラツキがあるため、元板(圧延開始前の金属板素材)の寸法等に関する情報や圧延(パス)スケジュールなどの圧延情報に基づいてレベリング制御量を算出しても、適正な蛇行制御を実現することができないという問題点がある。また、例えば、特許文献1では、曲がり(蛇行)発生を防止するために、圧延ロールのセッティングを考慮した熱間クロスロール圧延機のレベリング方法が記載されている。
特願2002−178018号公報
しかし、特許文献1に記載されたレベリング方法は予め設定されたワークロールのクロス角を考慮したものであるため、実機圧延でロールの組替え毎に異なるワークロールの(圧延方向へのオフセット量が生じた場合には適正な蛇行制御を行なうことができない。また、従来から、圧下方向のロールのオフセット量を修正して板厚制御や形状制御を行なうことは広く知られており、したがって、一般に、板材の圧延ではロールが圧延方向にズレがないことが前提でレベリング制御が行なわれているため、圧延方向のロールのオフセット量を考慮したレベリング制御は見当たらない。しかし、上下の圧延ロール(ワークロール)のオフセットは現実に存在し、このロールの圧延方向のオフセットは、蛇行等の圧延状態に大きく影響を及ぼす。
そこで、この発明の課題は、金属板材の圧延過程で、金属板素材の形状とワークロールの圧延方向のオフセット量を考慮した適正なレベリング制御を行なうことにより、蛇行を防止する圧延方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係る金属板材の蛇行防止圧延方法は、金属板材の圧延過程での蛇行をレベリング制御によって防止する圧延方法であって、前記レベリング制御を、金属板材の形状および圧下率に起因する圧延蛇行量Q1から求めたレベリング量G1に、ワークロールの圧延方向のオフセットに起因するオフセット蛇行量Q2から求めたオフセットレベリング量G2を加えた蛇行修正レベリング量Gに基づいて行なうことを特徴とする金属板材の蛇行防止圧延方法。
図1に示すように、例えば、圧延開始前の金属板材(金属素材板)に、(hd−hw)で示されるウェッジ量Δhwが存在する場合、圧延(ワーク)ロールを作業側(WS)、駆動側(DS)で同じ量だけ圧下すると、板厚の厚い駆動側(DS)の方の板部分がより多く伸びるため、蛇行が発生する。したがって、圧下率に応じて作業側(WS)、駆動側(DS)の左右の圧下バランスは変化し、当然に蛇行量に影響を及ぼす。また、前記金属素材板にキャンバー(横曲がり)が存在すると、圧延ロールの幅方向に、板材のオフセンターを生じ、それに伴って、作業側(WS)と駆動側(DS)の圧延荷重差も大きくなり、左右の圧下バランスが変化し、図2に、純チタン板材の冷間リバース圧延における蛇行量の一例を示すように、パス数の増加すなわち圧延の進行に伴い、蛇行は成長する。このように、金属素材板にウェッジ(Δhw)やキャンバーが存在すると、左右の圧下バランスが崩れて、蛇行が引き起こされる。
一方、図3は、純チタン板材のコイル番号.1〜20、すなわち冷間リバース圧延の進行に伴う蛇行量の変化を示したものである。図中の実績蛇行量は蛇行検出器で測定したものであり、推定蛇行量は、後に予測式を示すように、圧延開始前の金属板素材のウェッジ量およびキャンバー量および当該パスまでの総圧下率Rtから予測した蛇行量である。コイル番号.10の圧延終了後、圧延ロールが交換されている。ロール交換前では、推定蛇行量よりも実績蛇行量の方が小さくなっており、ロール交換後ではその傾向は逆になっている。ロール交換前後のこの傾向の逆転は、ロール交換に伴うロールの圧延方向のオフセットによるものと見なすことができる。図4(a)および(b)に前記ロールのオフセットを模式的に示す。この上下圧延ロールのオフセットの蛇行への影響を確認するため、本発明者らは噛み止め実験を行い、圧延方向のオフセットすなわち上下圧延ロールの軸方向にわたるズレ量を測定した。その結果、上下圧延ロールのオフセット量は、ロール組替えごとに異なり、ロール軸方向にわたる上下ロールの圧延方向のズレが存在することを確認した。このようなロールのオフセットがある状態で圧下を行なうと、例えば、作業側(WS)のみが圧延機出側方向(圧延方向)に1mmズレがある場合に、0.5mmの圧下を行なうと、ズレがない駆動側(DS)の圧下量は約1.12mmとなって、作業側(WS)に比べて駆動側(DS)では圧下量が約0.62mmも異なることになる。作業側(WS)と駆動側(DS)で、これだけの大きいアンバランスがあった場合、蛇行に大きく影響する。したがって、前記金属素材板の形状や圧下率に起因する圧延蛇行量Q1に加えて、圧延ロールの圧延方向のオフセットに起因するオフセット蛇行量Q2を考慮して蛇行修正レベリング制御を行なうことにより、圧延過程における金属板材の蛇行を効果的に防止することが可能となる。
請求項2に係る金属板材の蛇行防止圧延方法は、請求項1に記載の金属板材の蛇行防止圧延方法において、金属板材の圧延過程が複数パスの冷間リバース圧延であり、圧延蛇行量Q1を、圧延開始前の金属板素材のウェッジ量とキャンバー量および前記複数パスの中の当該パスまでの総圧下率Rtから予測し、オフセットに起因するオフセット蛇行量Q2を、実績蛇行量Qaと前記予測した圧延蛇行量Q1から算出するようにしたことを特徴とする。
図5は、純チタン板材のコイル番号.1〜20の各コイルについて、冷間リバース圧延における最終パス(出側)での実績蛇行量Qaと、この実績蛇行量Qaを、前記金属素材板のウェッジ量Δhwとキャンバー量Kを変数とする回帰式(1)を用いて算出した推定蛇行量Q1fを示したものである。
Q1f=a×Δhw+b×K+c ----------------------(1)
ここで、係数a、bおよび定数cは、実操業データの回帰分析により決定することができる。
前記回帰分析をするにあたり、前記ロールオフセットの影響を含まないように、ロール組替えを行なわない同一圧延機会内の各コイル(コイル番号.1〜20)素材板のウェッジ量Δhwおよびキャンバー量Kのデータを用いた。図5から、最終パス(出側)での蛇行量Qpと、上記回帰式(1)を用いて、金属素材板のウェッジ量Δhwおよびキャンバー量Kから推定した蛇行量Q1fはよく対応していることがわかる。なお、前記ウェッジ量Δhwは、金属素材板の熱延時の板厚計による板厚測定結果から算出することができる。また、キャンバー量Kは、板材の先端から尾端にわたる1コイル内の長手方向最大の曲がり量である。このキャンバー量Kについても、冷間圧延前に検出しておくことが望ましい。
金属板材の圧延過程で蛇行を制御するためには、各パス(出側)での蛇行量を精度よく推定することが必要である。図6は、純チタン板材の冷間リバース圧延における最終パス出側での蛇行量Qpfに対する各パス出側での蛇行量Qpiの比、すなわち蛇行成長率Zdを圧延開始時から各パスまでの総圧下率Rtに対してプロットしたものである。同図から、各パスでの蛇行成長率Zdは、この各パスまでの総圧下率Rtでよく整理できることがわかる。この蛇行成長率Zdの回帰式(2)は以下のようになる。
Zd=d×(Rt)+e×Rt+f-------------------------(2)
ここで、係数c、dおよび定数fを表1に示す。
Figure 0004878340
上記の回帰式(1)および回帰式(2)を用いることにより、同一圧延機会内での各コイルについて、各パス(出側)での推定圧延蛇行量Q1を、表1および表2に示した係数および定数を用いて、回帰式(3)によって推定すなわち予測できることが確認された。
Q1=Q1f×Zd=(a×Δhw+b×K+c)×(d×(Rt)
e×Rt+f)---------------------------------------------(3)
一方、前記ロールオフセットに起因するオフセット蛇行量Q2は、各パスにおいて、当該コイルよりも前に圧延されたコイルの実績蛇行量Qaと、上記の回帰式(3)によって算出した推定蛇行量Q1の差とみなすことができる。したがって、推定圧延蛇行量Q1とこのオフセット蛇行量Q2の両方を考慮することにより、適正なレベリング制御を行なうことができ、金属板材の蛇行を防止することが可能となる。ここで、実績蛇行量Qaとして、1コイル前(直前のコイル)の蛇行量を用いることができる。
請求項3に係る金属板材の蛇行防止圧延方法は、請求項1または2に記載の金属板材の蛇行防止圧延方法において、レベリング量G1およびオフセットレベリング量G2を、係数mおよび定数nを、左右圧下量と板厚減少量との関係および蛇行量と左右I-unit差(伸び差)との関係を用いて決定した圧延蛇行量Q1およびオフセット蛇行量Q2の下記の一次式(4)、(5)により求めることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板材の蛇行防止圧延方法。
G1=m×Q1+n-------------------------------------(4)
G2=m×Q2+n-------------------------------------(5)
図7は、純チタン板材の冷間リバース圧延における奇数パス出側での蛇行量Zと左右I-unit差すなわち板材の作業側部および駆動側部の伸び差率(ΔL/L)を示したものである。各パス出側で、同一蛇行量に対する左右I-unit差すなわち出側板材の伸び差率の絶対値は異なるが、各パス出側で、蛇行量に対する左右I-unit差の傾きは同じ傾向を示している。ここで、作業側部および駆動側部の伸び差率(ΔL/L)における伸び差ΔLは、板材の幅方向中央から作業側部および駆動側部のそれぞれの平均伸びの差である。前記左右I-unit差の傾きが同じ傾向を示していることは、蛇行量から伸び差率(ΔL/L)を介して板材の両側(作業側部および駆動側部)の圧下差を算出し、この圧下差をゼロにして蛇行量を抑制するのに必要なレベリング量を求め得ることを示している。なお、伸び差ΔLは板材の張力を測定することにより求めることができ、伸び差率(ΔL/L)と急峻度δ/L(δ:長手方向の板厚差)の関係から、圧下差δすなわち左右圧下差を求めることができる。
一方、圧延機にはミル伸び量(ミル剛性)が存在し、圧下した分だけ板厚が減少するわけではない。図8は、6段式圧延機を使用した圧延実験で、ロール左右(駆動側および作業側)の圧下量と板材の左右(駆動側および作業側)板厚減少量を求めて、レベリング量(ロール左右圧下量の差)と左右板厚差(hd-hw;hd:駆動側板厚、hw:作業側板厚)を算出した結果を示したものである。ここで、左右板厚差における駆動側板厚hdおよび作業側板厚hwは、駆動側および作業側の幅方向端部からそれぞれ75mmずつ板幅方向内側に入った位置での板厚である。図8から、蛇行を抑制するためのレベリング量と左右板厚差とは、(7)式に示すように線形関係で表すことができる。
蛇行抑制レベリング量=A×(hd−hw)------------------------(7)
ここで、傾きAの値は、使用する圧延機のミル剛性により異なる。
図9は、図7に示した蛇行量と左右I-unit差との関係、図8および(7)式に示したレベリング量と左右板厚差との関係を用いて、各パス出側の蛇行量とこの蛇行量を抑制するために必要なレベリング量との関係を導出した結果を示したものである。図9から、蛇行量と蛇行抑制レベリング量とは線形関係で表すことができ、本調査結果の場合、上記(4)式および(5)式に示した、蛇行量に依存する係数m、定数nは、実装業データの回帰分析により決定することができる。オフセット蛇行量Q2についても、蛇行発生原因は左右圧下量の差異に基づくものであるため、前記係数mおよび定数nの値を用いることができる。この係数mおよび定数nの値そのものは、使用する圧延機の剛性、板材の材質などによって変化し、常に一定値をとるものではない。
請求項4に係る金属板材の蛇行防止圧延方法は、請求項1から3のいずれかに記載の金属板材の蛇行防止圧延方法において、オフットレベリング量G2に学習係数αを乗じてα×G2とし、下記の一次式(6)により、このα×G2をレベリング量G1に加えて蛇行修正レベリング量Gを算出するようにしたことを特徴とする。
G=G1+α×G2-------------------------------------(6)
前記オフセット蛇行量Q2は、ロール組替えのない同一圧延機会内では一定の値となるはずであるが、圧延トン数(圧延コイル数)の増加に伴い、ロールの摩耗や熱膨張による変形が進行するため、ロールのオフセット状態も変化する。このため、オフセット蛇行量Q2から求めたオフセットレベリング量G2に学習係数αを掛けて、ロールのオフセット状態の変化を考慮することにより、蛇行防止効果を高めることができる。
この発明では金属板材の圧延過程において、金属板材の形状および圧下率に起因する圧延蛇行量Q1と、ワークロールの圧延方向のオフセットに起因するオフセット蛇行量Q2の両方を考慮した適正レベリング制御を行なうようにしたので、通板トラブル等の原因となる蛇行を防止することが可能となり、圧延歩留および圧延能率の向上に寄与する。また、前記オフセット蛇行量Q2を学習制御するようにしたので、蛇行防止をより効果的に行なうことができる。
以下に、この発明の実施形態を、添付の図10から図13に基づいて説明する。
図10は、冷間リバース圧延装置の一例を示したものである。圧延機1の両側にリールAおよびリールBが配置され、一方のリールAから金属板材(被圧延材)2を巻き解し、他方のリールBで金属板材2を巻き取りながら、一例として6段の圧延機1で、金属板材2が一方向に圧延される。金属板材2をリールBで巻き取り後、このリールBから金属板材2を巻き解して、リールAで巻き取りながら圧延機1で板材を逆方向に圧延してリールAに巻き取られ、これらの正逆方向の圧延工程が繰り返される。この実施形態では、圧延機1は、金属板材2を直接圧下するワークロール1a、1bと、このワークロール1a、1bを支持する中間ロール1c、1dおよびバックアップロール1e、1fからなる6段式圧延機である。圧延機1のリールA側およびリールB側の、作業側(WS)および駆動側(DS)には、金属板材2の張力を検出する張力検出器3a〜3d、および蛇行検出器5a〜5dがそれぞれ配置されている。そして、この蛇行検出器5a〜5dで測定した金属板材2の蛇行量Q(図11参照)が、プロセスコンピュータの演算装置(図示省略)に取り込まれ、その記憶装置(手段)に各パス出側の蛇行量Q(i)(i:パスNo.)として記憶される。この記憶装置には、前記式(4)から予め算出した、圧延蛇行量Q1とレベリング制御量G1との関係がテーブル値化され、このレベリングテーブルTG1が格納されている。また、前記蛇行検出器5a〜5dにより検出された各パス出側での蛇行量が実績蛇行量Qaとして、前記記憶装置に保存されている。ここで、蛇行量Qは、図11に示したように、圧延パスの出側の蛇行量検出位置で、蛇行検出器5aおよび5b、5cおよび5dにより検出した板材両端部間の中央位置Cq1およびCq2と、蛇行がないとしたときの板幅方向の中央位置C1およびC2の距離として検出することができる。なお、蛇行量検出位置としては、圧延機中心(ロール軸心)から位置Lq1、Lq2がそれぞれ30〜50cm程度が望ましい。
図12は、実施形態のワークロール1a、1bの圧延方向へのオフセット量を考慮したレベリング制御のフローを示したものである。まず、前記記憶装置に格納されたセットアップテーブルには、圧延開始前の金属板素材の情報(元板情報)すなわちウェッジ量Δhw、キャンバー量K、および各パスでの目標圧下率rを設定したパススケジュールが収納され、このパススケジュールから算出された、各パスでの圧延開始時からの総圧下率Rtも併せて収納されている(S10)。次に、前記金属板素材の情報および各パスにおける総圧下率Rtから、前記回帰式(3)を用いて、金属板素材の形状および圧下率に起因する、各パス出側での推定圧延蛇行量Q1を前記演算装置で算出する(S20)。この推定圧延蛇行量Q1から前記レベリングテーブルTG1を用いて、各パスでのレベリング量G1を求める(S30)。ここで、ワークロール1a、1bの交換があったとする(S40)。ロール交換後、1コイル目の圧延では、記憶装置に保存された、ロール交換直後のコイルの各パスにおける実績蛇行量Qaがないために、適正レベリング量すなわち蛇行修正レベリング量Gの算出(S80)には、前記レベリング量G1のみを用いる。2コイル目以降の前回(前コイル)の実績蛇行量Qaをそれぞれ読み込んで(S50)、ロールオフセットに起因したオフセット蛇行量Q2を算出する(S60)。前記の式(5)を用いて、1コイル目のオフセット蛇行量Q2からオフセットレベリング量G2を算出する(S70)。このオフセットレベリング量G2と前記レベリング量G1から蛇行修正レベリング量Gを算出する(S80)。その際に、2コイル目の圧延以降は、オフセットレベリング量G2には学習係数αを掛けて適正レベリング量すなわち蛇行修正レベリング量Gを算出する。そして、この蛇行修正レベリング量Gで各パスでのレベリング制御をそれぞれ行ない、ロール交換後2コイル目以降の圧延を行なう(S90)。この圧延過程で、前記蛇行検出器5a〜5dにより各パス出側での蛇行量を測定し、この蛇行量をそれぞれの圧延コイルの実績蛇行量として記憶装置に保存する(S100)。そして、記憶装置に保存した実績データを用いて、次コイルの圧延設定を行なう(S110)。なお、前記学習係数αは、通常、1.0以下の値を選択することが望ましい。
図13は、図3に示したコイル番号.1〜20の冷間リバース圧延における最終パス出側での推定圧延蛇行量Q1と実績蛇行量Qaとともに、学習係数αを用いて蛇行修正レベリング量Gを求めて(図12、S90)レベリング制御を行なった場合の最終パス出側での蛇行量を算出した結果を併せて示したものである。ロール交換前(コイル番号.10以前)の定常圧延状態では、学習係数αを、例えば0.5に設定すると、前記算出した最終パス出側の蛇行量は、実績蛇行量に近づき、このことから、学習係数αを用いることによって、蛇行量を効果的に防止できることがわかる。
なお、上述のレベリング制御方法を用いた金属板材の蛇行防止圧延方法は、冷間リバース圧延のみならず、熱間または冷間タンデム圧延にも適用可能である。
蛇行のメカニズムの説明図である。 圧延の進行に伴う蛇行の成長を示す説明図である。 圧延の進行に伴う実績蛇行量と推定蛇行量の推移を示す説明図である。 (a)、(b)圧延ロールのオフセットを模式的に示す説明図である。 冷間リバース圧延の最終パスでの実績蛇行量と推定蛇行量を対比した説明図である。 冷間リバース圧延の各パスでの総圧下率と蛇行量の成長との関係を示す説明図である。 冷間リバース圧延におけるパス出側での蛇行量と伸び差率の傾向を示す説明図である。 冷間リバース圧延におけるレベリング量と板厚減少量の関係を示す説明図である。 冷間リバース圧延における蛇行量と蛇行抑制レベリング量との関係を示す説明図である。 リバース圧延機の一例を示す説明図である。 板材の蛇行を模式的に示す説明図である。 実施形態におけるレベリング制御の流れを示す説明図である。 実施形態の学習係数を取り入れた場合のレベリング制御の効果を示す説明図である。
符号の説明
1:圧延機 1a、1b:ワークロール 1c、1d:中間ロール
1e、1f:バックアップロール 2:金属板材 3a〜3d:張力検出器
4:支持ロール 5a〜5d:蛇行量検出器 A、B:リール

Claims (4)

  1. 金属板材の圧延過程での蛇行をレベリング制御によって防止する圧延方法であって、前記レベリング制御を、金属板材の形状および圧下率に起因する圧延蛇行量Q1から求めたレベリング量G1に、ワークロールの圧延方向のオフセットに起因するオフセット蛇行量Q2から求めたオフセットレベリング量G2を加えた蛇行修正レベリング量Gに基づいて行なうことを特徴とする金属板材の蛇行防止圧延方法。
  2. 前記金属板材の圧延過程が複数パスの冷間リバース圧延であり、前記圧延蛇行量Q1を、圧延開始前の金属板素材のウェッジ量とキャンバー量および前記複数パスの中の当該パスまでの総圧下率Rtから予測し、前記オフセットに起因するオフセット蛇行量Q2を、実績蛇行量Qaと前記予測した圧延蛇行量Q1から算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の金属板材の蛇行防止圧延方法。
  3. 前記レベリング量G1およびオフセットレベリング量G2を、係数mおよび定数nを、左右圧下量と板厚減少量との関係および蛇行量と左右I-unit差(伸び差)との関係を用いて決定した圧延蛇行量Q1およびオフセット蛇行量Q2の下記の一次式(4)、(5)により求めることを特徴とする請求項1または2に記載の金属板材の蛇行防止圧延方法。
    G1=m×Q1+n-------------------------------------(4)
    G2=m×Q2+n-------------------------------------(5)
  4. 前記オフットレベリング量G2に学習係数αを乗じてα×G2とし、下記の一次式(6)により、このα×G2を前記レベリング量G1に加えて前記蛇行修正レベリング量Gを算出するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の金属板材の蛇行防止圧延方法。
    G=G1+α×G2-------------------------------------(6)
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