JP6673285B2 - 被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法ならびに金属薄板の製造方法 - Google Patents

被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法ならびに金属薄板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属薄板等の被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法ならびにその形状制御方法を用いる金属薄板の製造方法に関する。
従来、金属薄板等の被圧延材の冷間圧延工程においては、被圧延材の耳波や中伸び等の形状不良を抑制するために、冷間圧延中の被圧延材の形状が制御されている。この冷間圧延中の被圧延材の形状制御においては、被圧延材を冷間圧延する冷間圧延機と、被圧延材を巻き取るテンションリールとの間に取り付けられた形状計によって被圧延材の形状を測定する。そして、測定された被圧延材の実測形状と目標形状との偏差をなくすように、ワークロールベンダーの動作量とレベリング量とをフィードバック制御することが一般的に行われる。
ここで、ワークロールベンダーは、冷間圧延機のワークロール毎に設けられ、そのワークロールを曲げることで、被圧延材の耳波及び中伸びを変化させる装置である。また、レベリングは、圧延荷重を付加するため冷間圧延機のバックアップロールの両端に荷重を加える油圧圧下装置において、バックアップロールの両端に荷重差をつけることで被圧延材の片伸びを変化させる方法である。また、形状計は、ロードセルが埋め込まれたロールが数十mm間隔で組み合わされた接触式のものが多く用いられ、被圧延材の伸びによって形状計への荷重が変化することを利用して、板幅方向における被圧延材の形状を検出する。
ここで、従来の薄板圧延の板形状制御方法として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
特許文献1に示す薄板圧延の板形状制御方法は、目標形状と実形状との偏差を最小とする操作量を算出し、形状偏差の板幅方向の分布までを制御して、板幅方向で局所的に伸び率差の大きい箇所を発生させないようにするものである。
特開2001−314909号公報
しかしながら、この従来の特許文献1に示す薄板圧延の板形状制御方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、被圧延材を冷間圧延する冷間圧延機の出側には、デフレクタロールやパスラインロールなどのロールが多数配置されているのが一般的である。特許文献1に示す薄板圧延の板形状制御方法の場合、これらロールにミスアライメントが生じると、即ち、当該ロールが圧延ライン方向に対して垂直方向及び水平方向に傾くと、目標形状と実形状との偏差がない場合でも被圧延材の形状不良が発生していた。ロールが圧延ライン方向に対して垂直及び水平な向きに傾くことにより、被圧延材の幅方向両端のパスライン長に差が生じ、パスライン長が長い側の被圧延材の端部は弾性的に延びるため、パスライン長が長い側の端部の張力が高くなる。これにより、形状計の被圧延材から受ける荷重は、パスライン長が長い側の端部が高くなり、形状計がより延びていないと認識する。特許文献1に示す薄板圧延の板形状制御方法によれば、それに基づいてワークロールベンディング機構を制御することで、目標形状と実形状とに偏差がない場合でも、制御後の形状が目標形状と異なる形状となるため、形状不良が発生していた。
従って、本発明はこの従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、圧延機の出側に配置されているロールのミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法ならびにその形状制御方法を用いる金属薄板の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る被圧延材の形状制御装置は、圧延機により圧延された被圧延材を前記圧延機の出側に配置されたロールを介してテンションリールで巻き取る圧延ラインに適用される被圧延材の形状制御装置であって、予め測定した前記ロール及び前記テンションリールの水平度及び直行度に基づいて、前記被圧延材の板幅方向の一側と他側の伸び差率差を算出し、算出された伸び差率差に基づいて、予め設定された被圧延材の目標形状を補正する目標形状補正部と、前記圧延機により圧延された前記被圧延材の形状を計測する形状計と、該形状計により計測された形状計測値と前記目標形状補正部により補正された目標形状との偏差である被圧延材の形状偏差を算出する形状偏差算出部と、該形状偏差算出部により算出された被圧延材の形状偏差に基づいて前記圧延機に設けられたワークロールベンダーの動作量及び圧下装置によるレベリング量を制御する制御部とを備えたことを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る被圧延材の形状制御方法は、圧延機により圧延された被圧延材を前記圧延機の出側に配置されたロールを介してテンションリールで巻き取る圧延ラインに適用される被圧延材の形状制御方法であって、予め測定した前記ロール及び前記テンションリールの水平度及び直行度に基づいて、前記被圧延材の板幅方向の一側と他側の伸び差率差を算出し、算出された伸び差率差に基づいて、予め設定された被圧延材の目標形状を補正し、形状計により計測された形状計測値と補正された目標形状との偏差である被圧延材の形状偏差を算出し、算出された被圧延材の形状偏差に基づいて前記圧延機に設けられたワークロールベンダーの動作量及び圧下装置によるレベリング量を制御することを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る金属薄板の製造方法は、上記被圧延材の形状制御方法を用いることを要旨とする。
本発明に係る被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法によれば、圧延機の出側に配置されているロールのミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法を提供できる。また、本発明に係る金属薄板の製造方法によれば、より目標形状に近い金属薄板を製造する方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る被圧延材の形状制御装置が適用される冷間圧延ラインの一部の概略構成図である。 ロールの水平度及び直行度と、ロールの高さ差及び距離差とを説明するもので、(A)は走行する被圧延材の正面側から見た、ロールの水平度及び高さ差を説明するための図、(B)は走行する被圧延材の平面側から見た、ロールの直行度及び距離差を説明するための図である。 図1に示す冷間圧延ラインにおけるn−1番目のロール及びn番目のロールを通過する被圧延材のパスラインを示し、(A)は被圧延材がn−1番目のロールの上側及びn番目のロールの下側を通過するパスライン、(B)は被圧延材がn−1番目のロールの上側及びn番目のロールの上側を通過するパスライン、(C)は被圧延材がn−1番目のロールの下側及びn番目のロールの上側を通過するパスライン、(D)は被圧延材がn−1番目のロールの下側及びn番目のロールの下側を通過するパスラインを示している。 形状制御装置の目標形状補正部、形状偏差算出部及び制御部を構成する演算処理装置の演算処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下では圧延ラインの一例として冷間圧延ラインを例示するが、本実施も形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法関係、各要素の比率等は、現実的なものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
先ず、図1には、本発明の一実施形態に係る被圧延材の形状制御装置が適用される冷間圧延ラインの一部が示されており、冷間圧延ラインにおいて、図示しないペイオフリールに装着されたコイルから被圧延材Sが払い出される。そして、コイルから払い出された被圧延材Sは、図示しない複数のロールに保持されて搬送され、冷間圧延機(圧延機)10により圧延された後、冷間圧延機10の出側に配置された複数(i個)のロール21〜21を介して第1テンションリール22aで巻き取られるか(経路1)、あるいは、冷間圧延機10の出側に配置された複数(i+1個)のロール21〜21i+1を介して第2テンションリール22bで巻き取られるようになっている(経路2)。
ここで、冷間圧延機10は、被圧延材Sを上下から挟み込んで圧延する上下一対のワークロール11a,11bと、ワークロール11a,11bのそれぞれを支持するバックアップロール12a,12bとを備えている。そして、冷間圧延機10には、ワークロール11a,11b毎に設けられ、そのワークロール11a,11bを板厚方向に曲げることで、被圧延材Sの耳波及び中伸びを変化させるワークロールベンダー13a,13bが設けられている。また、冷間圧延機10には、バックアップロール12a,12bの幅方向両端に荷重を加える圧下装置であって、バックアップロール12a,12bの幅方向両端に荷重差をつけることでレベリング量(ワークロール11a,11bの幅方向におけるギャップ)を制御し、被圧延材Sの片伸びを変化させる圧下装置14が設けられている。
そして、この冷間圧延ラインに適用される被圧延材Sの形状制御装置1は、被圧延材Sが経路1の経路で巻き取られる場合、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i番目のロール21のミスアライメントに起因する形状不良を抑制するため、被圧延材Sが経路2の経路で巻き取られる場合、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1のミスアライメントに起因する形状不良を抑制するため、目標形状補正部2と、冷間圧延機10により圧延された被圧延材Sの形状を計測する形状計3と、形状偏差算出部4と、制御部5と、入力部6とを備えている。目標形状補正部2、形状偏差算出部4及び制御部5は、CPU、ROM、RAM等からなる演算処理装置によって構成される。
ここで、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路1の経路で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i番目のロール21の水平度α〜α及び直行度β〜βと、予め測定した第1テンションリール22aの水平度αTR1及び直行度βTR1と、後述するその他の伸び差率差算出条件とに基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出し、算出された伸び差率差Δεに基づいて、予め設定された目標形状を補正する。また、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路2の経路で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i+1番目の21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βと、予め測定した第2テンションリール22bの水平度αTR2及び直行度βTR2と、後述するその他の伸び差率差算出条件とに基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出し、算出された伸び差率差Δεに基づいて、予め設定された目標形状を補正する。
この伸び差率差Δεについて述べると、仮に被圧延材Sが完全にフラットであっても、各ロール21〜21i+1のミスアライメントに起因する伸び差率差Δεにより、形状計3は、伸び差率差Δεだけ実形状から片伸びであると誤認識する。そこで、目標形状(得たい形状)から伸び差率差Δεだけ補正することで、実形状を目標形状に近づけることが可能となる。
被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεの具体的な算出方法について、以下に説明する。
先ず、各ロール21〜21i+1にミスアライメントが生じると、各ロール21〜21i+1が傾く。これにより、設定当初ゼロであった各ロール21〜21i+1の水平度及び直行度が水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1となる。
ここで、冷間圧延機10を出てからn番目のロール21の水平度αは、n番目のロール21の圧延ライン方向に対する垂直な方向の傾きであり、図2(A)に示すように、水平度α=δ1/ロール胴長で表せる。δ1はロールの胴長方向端部の垂直方向のずれ量であり、ロール21のDR側(ドライブ側)が高くなる方向を正とする。
また、冷間圧延機10を出てからn番目のロール21の直行度βは、n番目のロール21の圧延ライン方向に対する水平な方向の傾きであり、図2(B)に示すように、直行度β=δ2/ロール胴長で表せる。δ2はロールの胴長方向端部の圧延ライン方向のずれ量であり、圧延ライン方向の出側を正とする。
これらの1番目からi+1番目の各ロール21〜21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1は、冷間圧延を操業する前に予め測定され、後述する入力部6から目標形状補正部2に入力される。
また、第1及び第2テンションリール22a,22bの水平度αTR1,αTR2及び直行度βTR1,βTR2も被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεの算出に必要であるため、予め測定しておく。
ここで、第1及び第2テンションリール22a,22bの水平度αTR1,αTR2は、第1及び第2テンションリール22a,22bの圧延ライン方向に対する垂直な方向の傾きであり、水平度αTR1=δ1TR1/第1テンションリール胴長、水平度αTR2=δ1TR2/第2テンションリール胴長で表せる。δ1TR1は第1テンションリール22aの胴長方向端部の垂直方向のずれ量であり、第1テンションリール22aのDR側(ドライブ側)が高くなる方向を正とする。またδ1TR2は第2テンションリール22bの胴長方向端部の垂直方向のずれ量であり、第2テンションリール22bのDR側(ドライブ側)が高くなる方向を正とする。
また、第1及び第2テンションリール22a,22bの直行度βTR1,βTR2は、第1及び第2テンションリール22a,22bの圧延ライン方向に対する水平な方向の傾きであり、直行度βTR1=δ2TR1/第1テンションリール胴長、直行度βTR2=δ2TR2/第2テンションリール胴長で表せる。βTR1は第1テンションリール22aの胴長方向端部の圧延ライン方向のずれ量であり、圧延ライン方向の出側を正とする。また、βTR2は第2テンションリール22bの胴長方向端部の圧延ライン方向のずれ量であり、圧延ライン方向の出側を正とする。
これらの第1及び第2テンションリール22a,22bの水平度αTR1,αTR2及び直行度βTR1,βTR2は、冷間圧延を操業する前に予め測定され、後述する入力部6から目標形状補正部2に入力される。
次に、各ロール21〜21i+1にミスアライメントが生じ、各ロール21〜21i+1が傾くことにより、各ロール21〜21i+1の被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差Δa〜Δai+1が生じるとともに、各ロール21〜21i+1の被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間に距離差Δb〜Δbi+1が生じる。
ここで、冷間圧延機10を出てからn番目のロール21の高さ差Δaは、図2(A)に示すように、前述の水平度αを用いて、高さ差Δa=水平度α×板幅で表せる。
また、冷間圧延機10を出てからn番目のロール21の距離差Δbは、図2(B)に示すように、前述の直行度βを用いて、距離差Δb=直行度β×板幅で表せる。
従って、目標形状補正部2は、これらの1番目からi+1番目の各ロール21〜21i+1の高さ差Δa〜Δai+1を入力された水平度α〜αi+1から算出するとともに、1番目からi+1番目の各ロール21〜21i+1の距離差Δb〜Δbi+1を入力された直行度β〜βi+1から算出する。
また、第1及び第2テンションリール22a,22bの水平度αTR1,αTR2に起因して第1及び第2テンションリール22a,22bの被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差ΔaTR1、ΔaTR2が生じ、また、第1及び第2テンションリール22a,22bの直行度βTR1,βTR2に起因して第1及び第2テンションリール22a,22bの被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間に距離差ΔbTR1、ΔbTR2が生じる。
ここで、第1テンションリール22aの高さ差ΔaTR1は、前述の水平度αTR1を用いて、高さ差ΔaTR1=水平度αTR1×板幅で表せる。また、第2テンションリール22bの高さ差ΔaTR2は、前述の水平度αTR2を用いて、高さ差ΔaTR2=水平度αTR2×板幅で表せる。
また、第1テンションリール22aの距離差ΔbTR1は、前述の直行度βTR1を用いて、距離差ΔbTR1=直行度βTR1×板幅で表せる。また、第2テンションリール22bの距離差ΔbTR2は、前述の直行度βTR2を用いて、距離差ΔbTR2=直行度βTR2×板幅で表せる。
従って、目標形状補正部2は、第1テンションリール22aの高さ差ΔaTR1及び第2テンションリール22bの高さ差ΔaTR2を、入力された第1テンションリール22a及び第2テンションリール22bの水平度αTR1、αTR2のそれぞれから算出するとともに、第1テンションリール22aの距離差ΔbTR1及び第2テンションリール22bの距離差ΔbTR2を、入力された第1及び第2テンションリール22a,22bの直行度βTR1,βTR2のそれぞれから算出する。
次に、各ロール21〜21i+1の被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差Δa〜Δai+1が生じるとともに、各ロール21〜21i+1の被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間に距離差Δb〜Δbi+1が生じ、また、第1及び第2テンションリール22a,22bの被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差ΔaTR1、ΔaTR2が生じるとともに、第1及び第2テンションリール22a,22bの被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間に距離差ΔbTR1、ΔbTR2が生じると、冷間圧延機10の出側の1番目からi番目のロール21〜21を経て第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材S(経路1の場合)においては、被圧延材Sの板幅方向の両端間においてトータルで(1)式に示すパスライン長差Δdが生じ、冷間圧延機10の出側の1番目からi+1番目のロール21〜21i+1を経て第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材S(経路2の場合)においては、被圧延材Sの板幅方向の両端間においてトータルで(2)式に示すパスライン長差Δdが生じる。
Figure 0006673285
Figure 0006673285
(1)式及び(2)式において、Δdnー1〜nは、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側n−1番目のロール21n−1から出側n番目のロール21に至るまでのパスライン長差である。また、(1)式において、Δdi〜TR1は、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側i番目のロール21から第1テンションリール22aに至るまでのパスライン長差である。更に、(2)式において、Δdi+1〜TR2は、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bに至るまでのパスライン長差である。
また、冷間圧延機10の出側の1番目からi番目のロール21〜21を経て第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材S(経路1の場合)において、トータルのパスライン長dは(3)式で示すようになり、冷間圧延機10の出側の1番目からi+1番目のロール21〜21i+1を経て第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材S(経路2の場合)において、トータルのパスライン長dは(4)式で示すようになる。
Figure 0006673285
Figure 0006673285
(3)式及び(4)式において、dnー1〜nは、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側n−1番目のロール21n−1から出側n番目のロール21に至るまでのパスライン長である。また、(3)式において、di〜TR1は、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側i番目のロール21から第1テンションリール22aに至るまでのパスライン長である。更に、(4)式において、di+1〜TR2は、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bに至るまでのパスライン長である。
ここで、(1)式及び(2)式における、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側n−1番目のロール21n−1から出側n番目のロール21に至るまでのパスライン長差Δdnー1〜nは、被圧延材Sのパスラインの形態が図3(A)〜(D)のそれぞれに示す場合によって異なり、パスライン長差Δdnー1〜nが+の場合にOP側のパスライン長が長いことを意味している。(3)式及び(4)式における、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側n−1番目のロール21n−1から出側n番目のロール21に至るまでのパスライン長dnー1〜nも、被圧延材Sのパスラインの形態が図3(A)〜(D)のそれぞれに示す場合によって異なる。
(A)被圧延材Sのパスラインの形態が図3(A)に示す場合
この場合、前述のパスライン長差Δdnー1〜nは、次の(5)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、前述のパスライン長dnー1〜nは、次の(6)式のように表せる。
Figure 0006673285
ここで、
Δan−1、Δa:前述のように算出された出側n−1番目のロール21、出側n番目のロール21の被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差、
Δbn−1、Δb:前述のように算出された出側n−1番目のロール21、出側n番目のロール21の被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間の距離差、
n-1、r:出側n−1番目のロール21、出側n番目のロール21のロール半径、
n-1〜n:出側n-1番目のロール21n-1から出側n番目のロール21の板中心におけるロール中心間のライン方向距離、
n-1〜n:出側n-1番目のロール21n-1から出側n番目のロール21の板中心におけるロール中心間の高さ差
である。これらΔan−1,Δa、Δbn−1,Δb、rn-1,r、ln-1〜n、及びHn-1〜nは、以下の(7)式〜(12)式において同じ意味である。
(B)被圧延材Sのパスラインの形態が図3(B)に示す場合
この場合、前述のパスライン長Δdnー1〜nは、次の(7)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、前述のパスライン長dnー1〜nは、次の(8)式のように表せる。
Figure 0006673285
(C)被圧延材Sのパスラインの形態が図3(C)に示す場合
この場合、前述のパスライン長Δdnー1〜nは、次の(9)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、前述のパスライン長dnー1〜nは、次の(10)式のように表せる。
Figure 0006673285
(D)被圧延材Sのパスラインの形態が図3(D)に示す場合
この場合、前述のパスライン長Δdnー1〜nは、次の(11)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、前述のパスライン長dnー1〜nは、次の(12)式のように表せる。
Figure 0006673285
次に、(1)式における、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側i番目のロール21から第1テンションリール22aに至るまでのパスライン長差Δdi〜TRは、次の(13)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、(3)式における、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側i番目のロール21から第1テンションリール22aに至るまでのパスライン長di〜TR1は、次の(14)式のように表せる。
Figure 0006673285
ここで、
Δa:前述のように算出された出側i番目のロール21の被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間に高さ差、
ΔaTR1:前述のように算出された第1テンションリール22aの被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間の高さ差、
Δb:前述のように算出された出側i番目のロール21の被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間の距離差、
ΔbTR1:前述のように算出された第1テンションリール22aの被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間の距離差、
:出側i番目のロール21のロール半径、
TR1:第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材のコイル半径
i〜TR1:出側i番目のロール21から第1テンションリール22aの板中心におけるロール及びリール中心間のライン方向距離、
i〜TR1:出側i番目のロール21から第1テンションリール22aの板中心におけるロール及びリール中心間の高さ差
である。
ここで、第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材のコイル半径rTR1は、圧延に伴い巻き取られるコイル長が変化することにより変化するため、被圧延材(コイル)の板厚と、そのコイル長と、第1テンションリール22aのリール半径TRと、スリーブ厚とを考慮して、次の(15)式により算出される。
Figure 0006673285
コイル長は、第1テンションリール22aに巻付く被圧延材Sをトラッキングして計測し、その計測値が目標形状補正部2に入力される。
また、(2)式における、被圧延材Sの板幅方向の両端の、出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bに至るまでのパスライン長差Δdi+1〜TR2は、次の(16)式のように表せる。
Figure 0006673285
また、(4)式における、被圧延材Sの板幅方向中央の、出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bに至るまでのパスライン長di+1〜TR2は、次の(17)式のように表せる。
Figure 0006673285
ここで、
Δai+1:前述のように算出された出側i+1番目のロール21i+1の被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間の高さ差、
ΔaTR2:前述のように算出された第2テンションリール22bの被圧延材一端の高さと被圧延材他端の高さとの間の高さ差、
Δbi+1:前述のように算出された出側i+1番目のロール21i+1の被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間の距離差、
ΔbTR2:前述のように算出された第2テンションリール22bの被圧延材一端のライン方向位置と被圧延材他端のライン方向位置との間の距離差、
i+1:出側i+1番目のロール21i+1のロール半径、
TR2:第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材のコイル半径
i+1〜TR2:出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bの板中心におけるロール及びリール中心間のライン方向距離、
i+1〜TR2:出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bの板中心におけるロール及びリール中心間の高さ差
である。
ここで、第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材のコイル半径rTR2は、圧延に伴い巻き取られるコイル長が変化することにより変化するため、被圧延材(コイル)の板厚と、そのコイル長と、第2テンションリール22bのリール半径TRと、スリーブ厚とを考慮して、次の(18)式により算出される。
Figure 0006673285
コイル長は、第2テンションリール22bに巻付く被圧延材Sをトラッキングして計測し、その計測値が目標形状補正部2に入力される。
以上のように、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、(1)式に基づいて、冷間圧延機10の出側の1番目からi番目のロール21〜21を経て第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材Sの板幅方向の両端間におけるトータルのパスライン長差Δdを算出し、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、(2)式に基づいて、冷間圧延機10の出側の1番目からi+1番目のロール21〜21i+1を経て第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材Sの板幅方向の両端間におけるトータルのパスライン長差Δdを算出する。
また、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、(3)式に基づいて、冷間圧延機10の出側の1番目からi番目のロール21〜21を経て第1テンションリール22aに巻き取られる被圧延材Sにおけるトータルのパスライン長dを算出するとともに、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、(4)式に基づいて、冷間圧延機10の出側の1番目からi+1番目のロール21〜21i+1を経て第2テンションリール22bに巻き取られる被圧延材Sにおけるトータルのパスライン長dを算出する。
そして、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、即ち、被圧延材Sが冷間圧延機10の出側の1番目からi番目のロール21〜21を経て第1テンションリール22aに巻き取られる場合には、(1)式、(3)式、(5)〜(15)式及び以下の(19)式に基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出する。
また、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、即ち被圧延材Sが冷間圧延機10の出側の1番目からi+1番目のロール21〜21i+1を経て第2テンションリール22aに巻き取られる場合には、(2)式、(4)式、(5)〜(12)式、(16)〜(18)式及び以下の(19)式に基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出する。
Δε=Δd/d ……(19)
以上のように、目標形状補正部2は、前述の(1)式から(19)式に示す通り、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出するに際し、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i番目のロール21の水平度α〜α及び直行度β〜βと、予め測定した第1テンションリール22aの水平度αTR1及び直行度βTR1の他、以下に示すその他の伸び差率差算出条件に基づいて、伸び差率差Δεを算出する。
1.各ロール21〜21のロール半径r〜r
2.隣接するロール21〜21、21〜21、・・・21i-1〜21の板中心におけるロール中心間のライン方向距離l1〜2、l2〜3、・・・li-1〜i
3.隣接するロール21〜21、21〜21、・・・21i-1〜21の板中心におけるロール中心間の高さ差H1〜2、H2〜3、・・・Hi-1〜i
4.第1テンションリール22aに巻きつけられる被圧延材Sのコイル半径rTR1を算出するための、コイルの板厚、コイル長、第1テンションリール22aのリール半径TR、スリーブ厚
5.出側i番目のロール21から第1テンションリール22aの板中心におけるロール及びリール中心間のライン方向距離li〜TR1
6.出側i番目のロール21から第1テンションリール22aの板中心におけるロール及びリール中心間の高さ差Hi〜TR1
また、目標形状補正部2は、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出するに際し、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1と、予め測定した第2テンションリール22bの水平度αTR2及び直行度βTR2の他、以下に示すその他の伸び差率差算出条件に基づいて、伸び差率差Δεを算出する。
11.各ロール21〜21i+1のロール半径r〜rr+1
12.隣接するロール21〜21、21〜21、・・・21〜21i+1の板中心におけるロール中心間のライン方向距離l1〜2、l2〜3、・・・li〜i+1
13.隣接するロール21〜21、21〜21、・・・21〜21i+1の板中心におけるロール中心間の高さ差H1〜2、H2〜3、・・・Hi〜i+1
14.第2テンションリール22bに巻きつけられる被圧延材Sのコイル半径rTR2を算出するための、コイルの板厚、コイル長、第2テンションリール22bのリール半径TR、スリーブ厚
15.出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bの板中心におけるロール及びリール中心間のライン方向距離li+1〜TR2
16.出側i+1番目のロール21i+1から第2テンションリール22bの板中心におけるロール及びリール中心間の高さ差Hi+1〜TR2
目標形状補正部2は、予め測定した各ロール21〜21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1と、予め測定した第1及び第2テンションリール22a,22bの水平度αTR1,αTR2及び直行度βTR1,βTR2と、前述の条件1〜6及び11〜16を、予め入力部6から取得する。
なお、第1テンションリール22aに巻きつけられる被圧延材Sのコイル半径rTR1及び第2テンションリール22bに巻きつけられる被圧延材Sのコイル半径rTR2を算出するためのコイル長は、トラッキングにて計測し、その計測値が入力部6から目標形状補正部2に入力される。
また、目標形状補正部2は、(19)式で算出した伸び差率差Δεに基づいて、予め設定された被圧延材Sの目標形状を補正する。被圧延材Sの目標形状は、冷間圧延後の被圧延材Sの目標とする形状であり、冷間圧延される被圧延材Sに共通のものであってもよいし、鋼種別に決められたものであってもよい。予め定められた被圧延材Sの目標形状は、入力部6から目標形状補正部2に入力される。目標形状補正部2は、(19)式で算出した伸び差率差Δεに基づいて、被圧延材Sにおいて延びている側の端部の伸び分が目標形状から差し引かれるように、予め設定された目標形状を補正する。目標形状補正部2は、補正された目標形状を形状偏差算出部4に送出する。
次に、形状計3は、冷間圧延機10により圧延された被圧延材Sの形状を計測するものであり、被圧延材Sの板幅方向の所定領域毎に被圧延材Sの張力を検出する複数のセンサを備えたロール体で構成される。形状計3は、図1に示すように、冷間圧延機10の出側、本実施形態にあっては出側2番目のロール21として設けられている。この形状計3は、冷間圧延後の被圧延材Sの実測形状を形状偏差算出部4に送出する。
また、形状偏差算出部4は、加減器等を用いて構成され、形状計3により計測された被圧延材Sの形状計測値と目標形状補正部2により補正された目標形状との偏差である被圧延材Sの形状偏差を算出するものである。算出された形状偏差は、制御部5に送出される。
制御部5は、形状偏差算出部4により算出された被圧延材Sの形状偏差に基づいて、冷間圧延機10に設けられたワークロールベンダー13a,13bの動作量及び圧下装置14によるレベリング量を制御するものである。つまり、制御部5は、補正された目標形状と形状計3により計測された形状測定値との偏差である形状偏差に対応するワークロールベンダー13a,13bの動作量及び圧下装置14によるレベリング量を制御する。
これにより、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、冷間圧延機10により圧延されて第1テンションリール22aに巻き取られた被圧延材Sの形状が目標形状に近づくことになり、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i番目のロール21のミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる。また、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、冷間圧延機10により圧延されて第2テンションリール22bに巻き取られた被圧延材Sの形状が目標形状に近づくことになり、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1のミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる。
なお、入力部6は、冷間圧延機10によって冷間圧延される被圧延材Sに関する情報(鋼種など)のみならず、被圧延材Sが巻き取られる経路、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i番目のロール21の水平度α〜α及び直行度β〜βと、予め測定した第1テンションリール22aの水平度αTR1及び直行度βTR1の他、前述の1〜6のその他の伸び差率差算出条件を、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1と、予め測定した第2テンションリール22bの水平度αTR2及び直行度βTR2の他、前述の11〜16のその他の伸び差率差算出条件を、目標形状補正部2に入力する。また、入力部6は、冷間圧延後の被圧延材Sの目標とする目標形状を目標形状補正部2に入力する。入力部6は、冷間圧延工程を実行する製造ライン操業を管理するプロセスコンピュータと入力デバイスを適宜組み合わせたもので構成される。
次に、本発明の一実施形態に係る被圧延材の形状制御方法について説明する。この形状制御方法は、前述した形状制御装置1を用いて、被圧延材Sごとに図4に示す形状制御装置1の目標形状補正部2、形状偏差算出部4及び制御部5を構成する演算処理装置の演算処理フローを実行し、冷間圧延中の被圧延材Sの形状を制御する。
被圧延材Sの形状制御方法において、形状制御装置1の目標形状補正部2は、先ず、ステップS101において、入力部6から冷間圧延機10によって冷間圧延される被圧延材Sに関する情報の他に、被圧延材Sが巻き取られる経路(経路1か経路2か)を取得する。
次に、目標形状補正部2は、ステップS102において、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、予め測定した1番目のロール21〜i番目のロール21の水平度α〜α及び直行度β〜βと、予め測定した第1テンションリール22aの水平度αTR1及び直行度βTR1とを取得する。また、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、目標形状補正部2は、予め測定した1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1の水平度α〜αi+1及び直行度β〜βi+1と、予め測定した第2テンションリール22bの水平度αTR2及び直行度βTR2を取得する。
次いで、目標形状補正部2は、ステップS103において、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、前述した1〜6のその他の伸び差率差算出条件を入力部6から取得する。また、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、前述した11〜16のその他の伸び差率差算出条件を入力部6から取得する。
なお、第1テンションリール22a及び第2テンションリール22bにおけるコイル長は、第1テンションリール22a及び第2テンションリール22bに巻付く被圧延材Sをトラッキングして計測し、その計測値が目標形状補正部2で取得される。
次に、目標形状補正部2は、ステップS104において、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出する。
具体的に述べると、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合には、(1)式、(3)式、(5)〜(15)式及び(19)式に基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出する。
また、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合には、(2)式、(4)式、(5)〜(12)式、(16)〜(18)式及び(19)式に基づいて、被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεを算出する。
次いで、目標形状補正部2は、ステップS105において、予め設定された目標形状を入力部6から取得する。
その後、目標形状補正部2は、ステップS106において、取得された目標形状の補正をする。
具体的に述べると、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合には、(1)式、(3)式、(5)〜(15)式及び(19)式で算出された被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεに基づいて、被圧延材Sにおいて延びている側の端部の伸び分が目標形状から差し引かれるように、予め設定された目標形状を補正する。
また、目標形状補正部2は、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合には、(2)式、(4)式、(5)〜(12)式、(16)〜(18)式及び(19)式で算出された被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεに基づいて、被圧延材Sにおいて延びている側の端部の伸び分が目標形状から差し引かれるように、予め設定された目標形状を補正する。
そして、目標形状補正部2は、補正された目標形状を形状偏差算出部4に送出する。
次に、形状偏差算出部4は、ステップS107において、形状計3で計測された被圧延材Sの形状測定値を取得する。
そして、形状偏差算出部4は、ステップS108において、形状計3により計測された被圧延材Sの形状計測値と目標形状補正部2により補正された目標形状との偏差である被圧延材Sの形状偏差を算出する。
具体的に述べると、形状偏差算出部4は、形状計3により計測された被圧延材Sの形状計測値と、形状計3により計測される被圧延材Sが経路1の経路で巻き取られる場合には、(1)式、(3)式、(5)〜(15)式及び(19)式で算出された被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεに基づいて補正された目標形状との偏差を算出する。
また、形状偏差算出部4は、形状計3により計測された被圧延材Sの形状計測値と、形状計3により計測される被圧延材Sが経路2の経路で巻き取られる場合には、(2)式、(4)式、(5)〜(12)式、(16)〜(18)式及び(19)式で算出された被圧延材Sの板幅方向の一側と他側の伸び差率差Δεに基づいて補正された目標形状との偏差を算出する。
そして、形状偏差算出部4は、算出された被圧延材Sの形状偏差を制御部5に送出する。
そして、制御部5は、ステップS109において、形状偏差算出部4により算出された被圧延材Sの形状偏差に基づいて、冷間圧延機10に設けられたワークロールベンダー13a,13bの動作量及び圧下装置14によるレベリング量を制御する。
これにより、被圧延材Sが経路1で巻き取られる場合、冷間圧延機10により圧延されて第1テンションリール22aに巻き取られた被圧延材Sの形状が目標形状に近づくことになり、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i番目のロール21のミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる。また、被圧延材Sが経路2で巻き取られる場合、冷間圧延機10により圧延されて第2テンションリール22bに巻き取られた被圧延材Sの形状が目標形状に近づくことになり、冷間圧延機10の出側に配置されている1番目のロール21〜i+1番目のロール21i+1のミスアライメントに起因する形状不良を抑制することができる。
最後に、演算処理装置は、ステップS110において、コイル1つ分の被圧延材Sに対する冷間圧延時の形状制御が完了したか否かを判断する。ステップS110において、コイル1つ分の被圧延材Sに対する冷間圧延時の形状制御が完了していないと判断した場合(ステップS110、No)、ステップS107に戻り、ステップS107以降の処理ステップを繰り返す。一方、ステップS110において、コイル1つ分の被圧延材Sに対する冷間圧延時の形状制御が完了していると判断した場合(ステップS110、Yes)、演算処理装置は、本処理を終了する。
本実施形態に係る金属薄板の製造方法は、前述の被圧延材Sの形状制御方法を用いるものであり、冷間圧延機(圧延機)10により圧延された被圧延材Sは、前述の形状制御方法によって形状が制御されて、冷間圧延機10の出側に配置された複数(i個)のロール21〜21を介して第1テンションリール22aで巻き取られるか(経路1)、あるいは、冷間圧延機10の出側に配置された複数(i+1個)のロール21〜21i+1を介して第2テンションリール22bで巻き取られ(経路2)、これにより金属薄板が製造される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、冷間圧延機10の出側に配置されるロールの数は、複数に限らず、単数であってもよい。
また、テンションリールの数は、2つに限らず、単数であってもよいし、3つ以上であってもよい。
1 被圧延材の形状制御装置
2 目標形状補正部
3 形状計
4 形状偏差算出部
5 制御部
6 入力部
10 冷間圧延機(圧延機)
11a,11b ワークロール
12a,12b バックアップロール
13a,13b ワークロールベンダー
14 圧下装置
21〜21i+1 ロール
22a 第1テンションリール(テンションリール)
22b 第2テンションリール(テンションリール)
S 被圧延材

Claims (3)

  1. 圧延機により圧延された被圧延材を前記圧延機の出側に配置されたロールを介してテンションリールで巻き取る圧延ラインに適用される被圧延材の形状制御装置であって、
    予め測定した前記ロール及び前記テンションリールの水平度及び直行度に基づいて、前記被圧延材の板幅方向の一側と他側の伸び差率差を算出し、算出された伸び差率差に基づいて、予め設定された被圧延材の目標形状を補正する目標形状補正部と、
    前記圧延機により圧延された前記被圧延材の板幅方向における形状を計測する形状計と、
    該形状計により計測された形状計測値と前記目標形状補正部により補正された目標形状との偏差である被圧延材の形状偏差を算出する形状偏差算出部と、
    該形状偏差算出部により算出された被圧延材の形状偏差に基づいて前記圧延機に設けられたワークロールベンダーの動作量及び圧下装置によるレベリング量を制御する制御部とを備えたことを特徴とする被圧延材の形状制御装置。
  2. 圧延機により圧延された被圧延材を前記圧延機の出側に配置されたロールを介してテンションリールで巻き取る圧延ラインに適用される被圧延材の形状制御方法であって、
    予め測定した前記ロール及び前記テンションリールの水平度及び直行度に基づいて、前記被圧延材の板幅方向の一側と他側の伸び差率差を算出し、算出された伸び差率差に基づいて、予め設定された被圧延材の目標形状を補正し、
    前記被圧延材の板幅方向における形状を計測する形状計により計測された形状計測値と補正された目標形状との偏差である被圧延材の形状偏差を算出し、
    算出された被圧延材の形状偏差に基づいて前記圧延機に設けられたワークロールベンダーの動作量及び圧下装置によるレベリング量を制御することを特徴とする被圧延材の形状制御方法。
  3. 請求項2に記載の被圧延材の形状制御方法を用いることを特徴とする金属薄板の製造方法。
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