JP4878148B2 - 減衰装置、免震構造物及び制振構造物 - Google Patents
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Description
また、微小変形を対象とした単純な機構の減衰装置なので、小型化及び低コスト化が図れ、施工や、粘弾性体のメンテナンス時の取付け、取外しが容易である。また、粘弾性体が離脱したとき以外は、メンテナンスを殆ど必要としない。
このように、装置が小型かつ単純であり施工も容易であるので、竣工後に風揺れ等が問題になったときに、免震層の設計を変更することなく設置することができ、また、改修工事へも適用できる。
よって、事前に保持手段を設けた板材を上部構造体又は下部構造体に取付けるだけの作業なので、容易に施工を行なうことができる。
第1の実施形態では、取付プレート12の水平移動に対する粘弾性体16の変形の様子を図3(A)から(F)の順に示したように、風等の外乱により取付プレート12が取付プレート14に対して水平方向へ相対移動すると、長溝24に係合された粘弾性体16は、回転しながらせん断変形し、これにより減衰効果を発揮する。また、取付プレート12、14の長溝24と、粘弾性体16の端部16A、16Cとの係合面に発生する摩擦抵抗が、粘弾性体16の回転を抑え、取付プレート12の相対移動に対してせん断変形が受け持つ割合を大きくすることができるので、高い減衰効果を発揮することができる。
よって、再現期間50年程度の中小地震や風等の外乱による取付プレート12の10cm程度以下の中小変形、及び再現期間500年程度の大地震や風等の外乱による大変形に対しては、粘弾性体16が変形追随し、終には粘弾性体16を損傷させることなく離脱できるので、再びこの粘弾性体16を装着し、再使用することが可能である。
また、長溝24の深さを変えることにより、粘弾性体が離脱するタイミング及び減衰効果を調整することができる。
また、免震構造物に本発明を適用した場合、免震構造物の効果が重要となる中小変形及び大変形時には、粘弾性体16は長溝24から離脱するため、免震構造物の免震層の設計に影響を及ぼすことはない。
このように、減衰装置10が小型かつ単純であり施工も容易であるので、竣工後に風揺れ等が問題になったときに、免震層の設計を変更することなく設置することができ、また、改修工事へも適用できる。
蓋をした状態において蓋材34は、上部躯体11には固定されずに、取付プレート12と連結して一体化される。
粘弾性体50は、略中央がくびれており、このくびれ50Aの両側に円形の膨らみ部50Bを有するダンベル形状であり、図13に示すように、粘弾性体50は長状体となっている。また、取付プレート12と取付プレート14に突部48が設けられ、この突部48がダンベル形状の中央のくびれ50Aに係合している。また、くびれ50Aの両側の膨らみ部50Bの厚さは取付プレート12と取付プレート14の隙間より短くなっている。
第5の実施形態では、取付プレート14に対する、取付プレート12の水平方向の相対移動に対する粘弾性体50の変形の様子を図14(A)から(E)の順に示したように、風等の外乱によって取付プレート12が取付プレート14に対して、水平方向に相対移動すると、突部48がダンベル形状の両側の膨らみ部50Bの一方に引っ掛かり粘弾性体50を引っ張るので、粘弾性体50がせん断変形し、これによって減衰効果を発揮する。
よって、再現期間1年程度の風等の外乱による、取付プレート12の2cm程度以下の微小変形に対しても確実に減衰効果が得られるので、構造物の応答を抑えて快適な居住性を確保することができる。また、この減衰効果は、風揺れに限らず、交通振動、小地震に対しても発揮することができる。
また、免震構造物に本実施形態を適用した場合、免震構造物の効果が重要となる中小変形及び大変形時には、粘弾性体50は突部48から離脱するので、免震構造物の免震層の設計に影響を及ぼすことはない。
このように、減衰装置47が小型かつ単純であり施工も容易であるので、竣工後に風揺れ等が問題になったときに、免震層の設計を変更することなく設置することができ、また、改修工事へも適用できる。
58が形成されており、この空間58は、バルコニー、植栽帯、スロープ、車路等の犬走り60によって覆われている。そして、擁壁56と犬走り60との間には、隙間62が形成されており、この隙間62に減衰装置10が設けられている。
図16では、免震装置64が配置された建物66の中間層68を囲む外周壁70の間に減衰装置10が設けられている。よって、建物66の微小変形において減衰効果を発揮する免震構造物を構築することができる。
図19では、防振ゴム等の免震装置82を介して床84上に載置された機器86と、床84との間に減衰装置10が設けられている。
半導体製造装置のような、微振動を嫌う機器86等に対して減衰装置10が防振効果を発揮し、地震時には免震装置82によって機器86が壊れるのを防ぐことができる。
また、第1〜第6の実施形態において、粘弾性体16、43、50の材料は、微小変形に対して減衰効果を発揮するものであればよく、高減衰ゴム、亜鉛アルミ合金、鉛等の非鉄金属等を用いてもよい。
また、第1〜第5の実施形態においては、取付プレート12のみが水平方向に相対移動した例を示したが、小さな地震等で取付プレート14のみが水平方向に相対移動したり、取付プレート12及び取付プレート14の両方が水平方向に相対移動した場合にも、同様の作用及び効果を得ることができる。
11 上部躯体(上部構造体)
12 取付プレート(板材)
14 取付プレート(板材)
15 下部躯体(下部構造体)
16 粘弾性体
24 長溝、保持手段
26 突起
28 突壁
29 減衰装置
30 挿入溝
31 減衰装置
35 減衰装置
36 アングル材(突片、保持手段)
43 粘弾性体
45 減衰装置
46 凹部、保持手段
47 減衰装置
48 突部、保持手段
50 粘弾性体
50A くびれ
64 免震装置
66 建物(構造物)
72 制振建物(制振構造物)
74 間仕切壁
79 外壁
Claims (13)
- 下部構造体と、該下部構造体上に配置された免震装置により支持された上部構造体との間に配置され、減衰効果を発揮する減衰装置であって、
前記上部構造体と前記下部構造体とに設けられ、粘弾性体を保持すると共に、該上部構造体と該下部構造体が所定値以上相対移動したとき前記粘弾性体を離脱させる保持手段を備え、
前記粘弾性体は、前記保持手段から離脱すると前記上部構造体と接触しない形状であることを特徴とする減衰装置。 - 前記粘弾性体が、立断面で長辺と短辺を持つ長状体であり、
前記保持手段が、前記上部構造体と前記下部構造体とに設けられ、前記粘弾性体の長辺の端部が長手方向に沿って係合する長溝であり、
前記粘弾性体の短辺長が前記上部構造体と前記下部構造体の隙間より短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰装置。 - 前記長溝に係合する前記粘弾性体の係合面には突起が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の減衰装置。
- 前記長溝の縁部に沿って突壁を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の減衰装置。
- 前記上部構造体と前記下部構造体とには、外側から前記粘弾性体を前記長溝へ挿入できる挿入溝が形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の減衰装置。
- 前記粘弾性体の立断面形状が矩形であることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の減衰装置。
- 前記粘弾性体の立断面形状が楕円であることを特徴とする請求項2〜請求項5の何れか1項に記載の減衰装置。
- 前記粘弾性体が、立断面で長辺と短辺を持つ長状体であり、
前記保持手段が、前記上部構造体と前記下部構造体とから突設し、前記粘弾性体の長辺の端部を挟持する突片であり、
前記粘弾性体の短辺長が前記上部構造体と前記下部構造体の隙間より短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰装置。 - 前記粘弾性体が、卵形状をしており、
前記保持手段が、前記上部構造体と前記下部構造体とに設けられ、前記粘弾性体の長辺の端部が係合する凹部であり、
前記粘弾性体の短辺長が前記上部構造体と前記下部構造体の隙間より短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰装置。 - 前記粘弾性体が、中央にくびれが設けられたダンベル形状をしており、
前記保持手段が、前記上部構造体と前記下部構造体とに設けられ、前記粘弾性体の前記くびれに係合する突部であり、
前記粘弾性体の前記くびれの両側の厚さは前記上部構造体と前記下部構造体の隙間より短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰装置。 - 前記保持手段が、前記上部構造体の下面と前記下部構造体の上面とに取り付けられた板材に設けられる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の減衰装置。 - 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の減衰装置が、前記上部構造体と前記下部構造体の間に免震装置を配置した構造物の免震層に配設されたことを特徴とする免震構造物。
- 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の減衰装置が配設された制振構造物において、
前記制振構造物の室内に設けられた間仕切壁又は外壁の上部、下部、又は中間に、前記減衰装置が配設されたことを特徴とする制振構造物。
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