JP4877687B2 - 成膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CVDによりタングステン(W)等の薄膜を形成する成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程においては、被処理体である半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)に配線パターンを形成するために、あるいは配線間のホールを埋め込むために、W(タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、Ti(チタン)、TiN(チタンナイトライド)、TiSi(チタンシリサイド)等の金属あるいは金属化合物を堆積させて薄膜を形成している。
【0003】
これらの中で、W薄膜を成膜する際には、成膜処理に先立ってチャンバー内にSiH4(シラン)ガスを導入するイニシエーションと呼ばれる前処理を行っている。このイニシエーション処理の目的は、W膜の形成に先立ってSiHx(例えばx=1〜3)を吸着させ、その上に健全で均一なW膜を形成することにある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、このようなイニシエーション処理を行うことにより、下地の構造または表面状態の影響や、チャンバー条件の影響により、W膜成膜時に異常成長粒が生じたり、W膜の表面状態が悪くなるという問題がある。このような問題は、ビットラインプロセスのような低温処理の際や、100nm程度の薄い膜を形成する場合に特に顕著である。
【0005】
このような異常粒成長や表面粗さ等の表面状態の悪化を解消するために、従来は、W膜成膜初期に行われる核生成処理(ニュークリエーション)により対応していたが、この場合には処理条件のマージンが極めて小さく、異常成長粒が少ない膜や良好な表面状態の膜を安定して製造することは困難であった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、異常成長粒が少ないおよび/または良好な表面状態を有する膜を安定して製造することができる成膜方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、成膜前処理によって良好な表面状態を有するおよび/または異常成長粒が少ない膜を安定して製造すべく検討を重ねた結果、前処理の際のSi含有ガス、例えばSiH4ガス等のシラン系ガスの分圧を高くすることが有効であることを見出した。
【0008】
Si含有ガスの分圧を高くすることによって、Si含有ガス分子が活性化されて基板表面に接触する確率が高くなり、Si含有分子、例えばSiHxが均一に吸着される。したがって、その後の成膜処理において、膜が均一に成長し、膜の表面状態が良好になる。また、異常成長粒も生じ難くなる。このため、本発明では、SiH4分圧を所定値以上にすることにより、良好な表面状態を有するおよび/または異常成長粒が少ない膜を安定して製造することができるようにした。従来は、イニシエーション処理をSiH4の流量0.4×10-2〜2×10-2L/min、バックサイドガスを含めた全圧を533〜2667Paにして行っていたため、SiH4分圧が低い値でありW膜の表面状態が悪かったり、異常成長粒が生じたりして安定した膜形成ができなかったが、SiH4分圧を上昇させることによりこのような問題が解消されるのである。
【0009】
また、異常成長粒を少なくするためには、イニシエーション処理に先だって前記基板を加熱する予備加熱工程を実施することが極めて有効であることも見出した。
【0013】
本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、第1に、処理容器内に被処理基板を配置する工程と、処理容器内にSi含有ガスを供給して前記基板に前処理を施す前処理工程と、引き続き処理容器に成膜ガスを供給して成膜処理を行う成膜工程とを具備する成膜方法であって、前記前処理工程は、40sec以上実施され、Si含有ガス分圧を190Pa以上にして行行い、前記成膜工程によりW薄膜が成膜されることを特徴とする成膜方法を提供する。このように、前処理工程のSi含有ガス分圧を190Pa以上にすることにより、前処理工程の現実的な処理時間である前処理工程40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ないW薄膜を確実に形成することが可能となる。
【0014】
本発明は、第2に、処理容器内に被処理基板を配置する工程と、前記基板を加熱する予備加熱工程と、その後処理容器内にSi含有ガスを供給して前記基板に前処理を施す前処理工程と、引き続き処理容器に成膜ガスを供給して成膜処理を行う成膜工程とを具備する成膜方法であって、前記前処理工程は、40sec以上実施され、Si含有ガス分圧を100Pa以上にして行い、前記成膜工程によりW薄膜が成膜されることを特徴とする成膜方法を提供する。このように、予備加熱工程を行った上で前処理工程のSi含有ガス分圧を100Pa以上に規定すれば、前処理工程の現実的な処理時間である40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ないW薄膜を確実に形成することが可能となる。
【0015】
これら第1またはの発明において、前記前処理工程が、Si含有ガスの流量を4×10−2L/min以上で導入して行われることにより、上記Si含有ガス分圧を達成しやすくなる。
【0016】
また、上記第1または第2の発明において、前記被処理基板は、その表面にW薄膜の下地としてTiN薄膜が形成されているものが好ましい。さらに、前記Si含有ガスは、SiHガス、SiガスおよびSiClガスから選択されるガスであることが好ましい。
【0017】
上記第1またはの発明において、前記前処理工程は、処理容器内の全圧を533〜10666Paにして行うことができる。また、前記前処理工程は、SiHxを吸着させるものとすることができる。さらに、前記前処理工程は、さらにHガスを供給することができる。さらにまた、前記前処理工程は、基板を加熱して行われることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の実施に用いられるCVD装置の一例を模式的に示す断面図であり、W膜成膜用のものを示す。
【0019】
図1に示すように、CVD装置100は、例えばアルミニウム等により円筒状に形成されたチャンバー11を有しており、その上に蓋体12が設けられている。このチャンバー11内には、チャンバー11の底部から起立させた支持部材13上に、保持部材14を介してウエハWを載置する載置台15が設けられている。なお、この支持部材13の径方向内側は、熱線を反射するように形成されており、載置台15は、厚さ2mm程度の例えばカーボン素材、セラミックス等で形成されている。
【0020】
この載置台15の下方には、ウエハWを載置台15から持ち上げるためのリフトピン16が例えば3本設けられており、このリフトピン16は、保持部材17を介して押し上げ棒18に支持されていて、この押し上げ棒18がアクチュエータ19に連結している。これにより、アクチュエータ19が押し上げ棒18を昇降させると、押し上げ棒18および保持部材17を介してリフトピン16が昇降し、ウエハWが昇降するようになっている。このリフトピン16は、熱線を透過する材料、例えば石英により形成されている。また、リフトピン16に一体的に支持部材20が設けられており、この支持部材20にシールドリング21が取り付けられている。このシールドリング21は、後述するハロゲンランプ26の熱線が上方に照射されることを防止するとともに、クリーニング時にクリーニングガスの流路を確保する機能を有している。載置台15には、さらに、ウエハWの加熱時にウエハWの温度を計測するための熱電対22が埋設されており、この熱電対22の保持部材23が支持部材13に取付けられている。
【0021】
載置台15の真下のチャンバー底部には、石英等の熱線透過材料よりなる透過窓24が気密に設けられており、その下方には、透過窓24を囲むように箱状の加熱室25が設けられている。この加熱室25内には、例えば4個のハロゲンランプ26が反射鏡をも兼ねる回転台27に取付けられており、この回転台27は、回転軸28を介して加熱室25の底部に設けられた回転モータ29により回転されるようになっている。したがって、このハロゲンランプ26から放出された熱線は、透過窓24を透過して載置台15の下面を照射してこれを加熱し得るようになっている。この加熱室25の側壁には、この室内や透過窓24を冷却するための冷却エアを導入する冷却エア導入口30およびこのエアを排出するための冷却エア排出口31が設けられている。
【0022】
載置台15の外周側には、多数の整流孔を有するリング状の整流板32が、環状に形成した支持コラム33の上端に設けられた水冷プレート34に載置されている。この水冷プレート34の内周側には、上方の処理ガスが下方に流れることを防止するためのリング状の石英製またはアルミニウム製のアタッチメント35が設けられている。これら整流板32、水冷プレート34およびアタッチメント35の下側には、成膜処理時、処理ガスと反応しない不活性ガス例えばArガスやN2ガス等をバックサイドガスとして供給するバックサイドガス導入管37が設けられており、そこから載置台15の下側の空間にバックサイドガスを導入することにより、処理ガスが載置台15の下側に回り込んで余分な成膜作用を及ぼすことが防止される。バックサイドガスとしては、Arガス、N2ガス等が用いられる。
【0023】
また、チャンバー11の底部の四隅には、排気口36が設けられており、この排気口36には、図示しない真空ポンプが接続されている。これにより、チャンバー11内は、所定の真空状態に維持し得るようになっている。
【0024】
チャンバー11の天井部には、処理ガス等を導入するためのシャワーヘッド40が設けられている。このシャワーヘッド40は、蓋体12に嵌合して形成されたシャワーベース41を有しており、このシャワーベース41の上部中央には、処理ガス等を通過させるオリフィスプレート42が設けられている。さらに、このオリフィスプレート42の下方に、2段の拡散プレート43,44が設けられており、これら拡散プレート43,44の下方に、シャワープレート45が設けられている。オリフィスプレート42の上側にはガス導入部材46が配置されており、このガス導入部材46にはガス導入口47が設けられている。このガス導入口47にはチャンバー11内へ処理ガス等を供給するガス供給機構50が接続されている。
【0025】
ガス供給機構50は、ClF3ガス供給源51、WF6ガス供給源52、Arガス供給源53、N2ガス供給源54、SiH4ガス供給源55、H2ガス供給源56を有している。ClF3ガス供給源51にはガスライン57が接続され、このガスライン57にはマスフローコントローラ66とその前後の開閉バルブ67,68とが設けられている。WF6ガス供給源52にはガスライン58が接続され、このガスライン58にはマスフローコントローラ69とその前後の開閉バルブ70,71とが設けられている。Arガス供給源53にはガスライン59が接続され、このガスライン59にはマスフローコントローラ72とその前後の開閉バルブ73,74とが設けられている。そして、このガスライン59と上記ガスライン58とが合流してガスライン84に接続されている。N2ガス供給源54にはガスライン60が接続され、このガスライン60にはマスフローコントローラ75とその前後の開閉バルブ76,77とが設けられている。SiH4ガス供給源55にはガスライン61が接続され、このガスライン61にはマスフローコントローラ78とその前後の開閉バルブ79,80とが設けられている。H2ガス供給源56にはガスライン62が接続され、このガスライン62にはマスフローコントローラ81とその前後の開閉バルブ82,83とが設けられている。そして、ガスライン60,61,62が合流してガスライン85に接続されている。ClF3ガス供給源51から延びるガスライン57、ガスライン84およびガスライン85は上述のガス導入口47に接続されている。
【0026】
次に、このように構成されたCVD装置100により、本発明の一実施形態に係る成膜方法について説明する。ここでは、予めウエハW上にバリア層として形成されたTiN薄膜の上にW薄膜を形成する典型例について示す。
【0027】
まず、チャンバー11の側壁に設けられた図示しないゲートバルブを開いて搬送アームによりチャンバー11内にウエハWを搬入し、リフトピン16を押し上げることによりウエハWをリフトピン16側に受け渡し、押し上げ棒18を降下させることによりリフトピン16を押し下げて、ウエハWを載置台15上に載置する。
【0028】
この状態で排気口36からチャンバー11内を吸引排気しつつガス供給機構50からシャワーヘッド40を介してチャンバー11内に所定のガスを供給し、さらに、バックサイドガス導入管37を介して載置台15の下側の空間にArガスやN2ガス等をバックサイドガスとして供給しながら、図2に示すように、ヒートアップ工程(ST1)、イニシエーション工程(ST2)が行われ、引き続き成膜工程(ST3)が行われる。成膜工程では、ニュークリエーション工程(ST3−1)およびその後の本成膜工程(ST3−2)の2段階で実施される。なお、バックサイドガスは、チャンバー11内の吸引排気開始後から上記全ての工程の間供給され、その流量は例えば0.5〜3L/minに設定される。
【0029】
ヒートアップ工程においては、所定のガス、例えばArガス、水素ガス、窒素ガスを所定流量で流しつつ加熱室25内のハロゲンランプ26を点灯してその熱線によりウエハWを所定温度に加熱し、その状態で所定時間保持する。この場合に加熱温度は成膜温度である380〜500℃が好ましく、保持時間は10〜120secが好ましい。このヒートアップ工程(ST1)と、次のイニシエーション工程とを組み合わせることより、後述するように、その後に成膜されるW薄膜の異常粒成長粒を抑制することができる。ただし、次のイニシエーション工程(ST2)で異常成長粒抑制効果が十分な場合にはヒートアップ工程は必ずしも必要ではない。
【0030】
イニシエーション工程(ST2)では、ハロゲンランプ26を点灯したままの状態で、チャンバー11内にSiH4ガスを供給して成膜前処理を行う。この際の加熱温度は380〜500℃が好ましい。このイニシエーション工程においては、チャンバー11内のSiH4ガス分圧を従来よりも高い値とする。これにより、SiHx(例えばx=1〜3)を均一に吸着させることができ、その後の成膜工程(ST3)によって形成されるW薄膜の表面状態を良好にすることができる。また、これにより異常成長粒も減少させることもできる。
【0031】
まず、W薄膜の表面状態について説明する。
W薄膜の表面状態の指標としてはHazeを用いることができる。HazeはW薄膜の表面状態の粗さをppmで表し、その値が小さいほど平滑性の高い良好な表面状態となる。図3はW薄膜のHaze値が1.20ppmの場合および9.32ppmの場合における表面状態を示すSEM写真である。この図からHaze値が1.20ppmのほうが平滑な表面状態であることがわかる。
【0032】
図4は、横軸にイニシエーション工程におけるSiH4ガス分圧をとり、縦軸にW薄膜の表面状態の指標であるHaze値をとってこれらの関係を示すグラフである。この図はSiH4ガス流量を0〜9.0×10-2L/minとし、全圧を533〜10666Paとし、加熱温度を410℃として40sec、80sec、120secのイニシエーション処理を行った結果である。また、他のガスとしてはH2ガスを用い、バックサイドガスとしてはArガスを2L/minの流量で流した。W薄膜は、加熱温度を410℃としてまずWF6ガスを1.5×10-2L/minの流量で流してニュークリエーションを30sec行い、流量を7.0×10-2L/minに上げて本成膜を27sec行い、100nmの厚さとした。
【0033】
図4から明らかなように、イニシエーション工程の時間が長くなるほど、SiH4ガス分圧が低い範囲でHazeの値が良好になっていることがわかる。そして、処理時間がスループット上許容される上限付近である120secでは、SiH4ガス分圧50Pa以上で良好なHaze値を得ることが可能となる。すなわち、SiH4ガス分圧を50Pa以上に規定すれば、スループットを低下させない許容範囲の処理時間において、良好な表面状態を得ることができる。また、図4から処理時間120secにおいてSiH4ガス分圧が60Pa以上であれば、Haze値が安定して好ましい範囲である8ppm以下となるため、SiH4ガス分圧は60Pa以上が好ましい。さらに、図4から処理時間120secでSiH4ガス分圧が70Pa以上であれば、Haze値がW薄膜の表面状態がより好ましいものとなる5ppm以下となるから、SiH4ガス分圧は70Pa以上がより好ましい。なお、図4を見るとSiH4ガス分圧が低い部分でもHaze値が良好になっているが、その部分ではSiH4ガス分圧の多少の変化でもHaze値が変動して安定的に良好な表面状態が得られない。
【0034】
図5は、SiH4ガス分圧を644Pa、加熱温度を410℃とし、イニシエーション時間を20〜80secまで変化させた後、上述のようにして成膜した場合について示すグラフである。この図から、イニシエーション時間が40sec以上となるとほぼ安定したHaze値が得られることがわかる。したがって、イニシエーション工程において現実的な処理時間は40sec以上と考えられるから、現実的な処理時間である40sec以上で良好なHaze値が得られることがより好ましい。このような観点から上記図4を見ると、SiH4ガス分圧が100Pa以上であれば処理時間40sec以上でほぼHaze値8ppm以下が実現されることがわかる。ただし、処理時間が40secよりも短くてもSiH4ガス分圧をより高くすれば良好な表面状態の膜を得ることは可能である。したがって、より短時間の処理が求められる場合には、その処理時間に応じてSiH4ガス分圧を高めればよい。
【0035】
次に、異常粒成長について説明する。
図6は、イニシエーション工程の際のSiH4ガス分圧とその後に形成されたW薄膜の0.2μm以上の異常成長粒個数との関係をヒートアップありとなしの場合で示すグラフである。この図はSiH4ガス流量を0〜9.0×10-2L/minとし、全圧を533〜10666Paとし、加熱温度を410℃として40sec、80sec、120secのイニシエーション処理を行った結果である。また、他のガスとしてはH2ガスを用い、バックサイドガスとしてはArガスを1L/minの流量で流した。また、W薄膜の成膜条件は図4の場合と同一とした。ヒートアップ工程はArガス、H2ガス、N2ガスを導入して全圧を10666Paとし、加熱温度を410℃として100sec行った。
【0036】
図6に示すように、いずれの条件でも、SiH4ガス分圧がある値以上になると異常成長粒がほぼゼロになっている。そして、ヒートアップ工程ありの場合のほうがなしの場合よりも低いSiH4ガス分圧で異常成長粒が抑制されており、また、処理時間が長いほど低いSiH4ガス分圧で異常成長粒が抑制されていることがわかる。そして、ヒートアップ工程がない場合には、処理時間がスループット上許容される上限付近である120secで、SiH4ガス分圧60Pa以上で異常成長粒がほぼゼロになっている。すなわち、SiH4ガス分圧を60Pa以上とすれば、スループットを低下させない許容範囲の処理時間において、異常成長粒を極めて少なくすることができる。一方、ヒートアップ工程がある場合には、処理時間がスループット上許容される上限付近である120secで、SiH4ガス分圧30Pa以上で異常成長粒がほぼゼロになっている。すなわち、SiH4ガス分圧を30Pa以上とすれば、スループットを低下させない許容範囲内の処理時間において、異常成長粒を極めて少なくすることができる。
【0037】
また、上述したように、イニシエーション工程において現実的な処理時間は40sec以上と考えられるから、現実的な処理時間である40sec以上で異常成長粒が少ないことがより好ましい。このような観点から上記図6を見ると、ヒートアップ工程がない場合には、SiH4ガス分圧が190Pa以上であれば処理時間40sec以上で異常成長粒の個数をほぼゼロにすることができることがわかる。一方、ヒートアップ工程がある場合には、SiH4ガス分圧が100Pa以上であれば処理時間40sec以上で異常成長粒の個数をほぼゼロにすることができることがわかる。
【0038】
図4および図6の結果をまとめて考察すると以下のようになる。
すなわち、イニシエーション工程においてSiH4ガス分圧を50Pa以上に規定すれば、ヒートアップ工程がなくても、スループットを低下させない許容範囲の処理時間において、良好な表面状態を有する膜を安定して製造することが可能となり、SiH4ガス分圧を60Pa以上に規定すれば、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ない膜を安定して製造することが可能となる。ヒートアップ工程がある場合には、SiH4ガス分圧を30Pa以上に規定すれば、スループットを低下させない許容範囲の処理時間において、異常成長粒の極めて少ないW薄膜を安定して製造することが可能となる。また、イニシエーション工程のSiH4ガス分圧を100Pa以上に規定すれば、イニシエーション工程の現実的な処理時間である40sec以上において、良好な表面状態を有するW薄膜を確実に形成することが可能となる。そして、SiH4ガス分圧を190Pa以上にすることにより、イニシエーション工程の処理時間40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ないW薄膜を確実に形成することが可能となる。ヒートアップ工程がある場合には、イニシエーション工程のSiH4ガス分圧を100Pa以上に規定すれば、イニシエーション工程の現実的な処理時間である40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ないW薄膜を確実に形成することが可能となる。
【0039】
図7および図8は、上記図4の基になったデータを用いて、それぞれチャンバー内の全圧とW薄膜のHaze値との関係、およびSiH4ガス流量とW薄膜のHaze値との関係を示す図である。これらから、全圧を7000Pa以上にすること、および/またはSiH4ガス流量を約4×10-2L/minとすることが好ましいことがわかる。
【0040】
このイニシエーション工程において、SiH4ガスの他に用いるガスとしてはH2ガスを好適に用いることができるが、これに限るものではない。ただし、N2ガスを用いる場合には、SiH4ガス分圧が同じでもN2ガス流量が少ないほどHaze値が良好になる。このことを図9に示す。図9はイニシエーション工程におけるSiH4ガス分圧を644Paと一定にし、イニシエーション時間を20secとして、N2ガス流量とW薄膜のHaze値との関係を示すグラフである。この図からSiH4ガス分圧が同じでも、N2ガス流量が少ないほどHaze値が小さくなることがわかる。そして、その傾向は、処理時間が短いほど著しい。
【0041】
なお、以上の説明においては、W成膜前処理としてのイニシエーション工程においてSiH4ガスを用いているが、Si26等の他のシラン系ガスを用いることもできる。
【0042】
イニシエーション工程の後、W薄膜の成膜工程(ST3)が実施される。この成膜工程においては、まず、ニュークリエーション工程(ST3−1)が実施さるが、この際には、高精度のマスフローコントローラ(MFC)により厳密に流量を制御しつつ本成膜の際よりも少量の1×10-2〜3×10-2L/min程度、例えば1.5×10-2L/minで流してWの核生成が行われる。次いで、ニュークリエーションの際よりも多量の6×10-2〜20×10-2L/min程度、例えば7.0×10-2L/minでWF6ガスを流して本成膜を行う。この成膜工程においては、ヒートアップ工程(ST1)およびイニシエーション工程(ST2)と同様にハロゲンランプ26を点灯してウエハWを加熱するが、その際の加熱温度は380〜500℃が好ましい。他のガスとしてはArガス、H2ガス、N2ガスが導入される。本成膜工程の際のガス流量を例示すると、WF6ガス:7.0×10-2L/min、Arガス:0.8L/min、H2ガス:1.2L/min、N2ガス:0.1L/minである。
【0043】
また、処理時間としては、ニュークリエーション工程が20〜60sec、本成膜工程が20〜60sec程度が採用される。これにより、膜厚50〜2000nm程度のW薄膜が形成される。上記図5のグラフに示した例では、ニュークリエーション工程が30sec、本成膜工程が27secで100nmの厚さがW薄膜が形成される。
【0044】
所定時間経過後、ガスライン59のバルブが閉じられ、WF6ガス供給源53からのWF6ガスの供給が停止され、成膜工程が終了する。その後、Arガスの流量を増加させてチャンバー11内をパージする。そして、この後、必要に応じてClF3ガスをチャンバー11内に供給してチャンバー内のクリーニングを行う。
【0045】
このようにして一連の工程を実施することにより、特にイニシエーション工程においてSiH4ガス分圧を上げてその衝突量を多くしたことにより、膜表面の粗さが小さいW薄膜、異常成長粒が少ないW薄膜を安定して得ることができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では本発明をTiN薄膜上にW薄膜を形成する場合について示したが、下地および形成する膜はこれに限るものではない。本発明は成膜前処理においてSi含有ガスを用いる場合であれば適用することができ、例えば、WSiやTiSi等のシリサイドの成膜におけるニュークリエーション等の前処理に適用することが可能である。また、前処理のガスとしてSiH4に代表されるシラン系ガスを用いたが、これに限らず、SiCl22等の他のSi含有ガスを用いることもできる。さらに、被処理基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、これに限らず他の基板、例えば液晶表示装置(LCD)用のガラス基板にも適用することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、成膜工程に先立つ前処理工程においてSi含有ガス分圧を高くしたので、Si含有ガス分子が活性化されて基板表面に接触する確率が高くなり、Si含有分子が均一に吸着され、その後の成膜処理において、膜が均一に成長し、表面状態が良好な膜、異常成長粒の少ない膜を安定して得ることができる。具体的には、Si含有ガス分圧を50Pa以上に規定すれば、前処理工程の処理時間をスループットを低下させない範囲で適切に調整することにより、良好な表面状態を有する膜を安定して製造することが可能となり、Si含有ガス分圧を60Pa以上に規定すれば、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ない膜を安定して製造することが可能となる。また、予備加熱工程を行った上で前処理工程のSi含有ガス分圧を30Pa以上に規定すれば、前処理工程の処理時間をスループットを低下させない範囲で適切に調整することにより、異常成長粒の極めて少ない膜を安定して製造することが可能となる。
また、前処理工程のSi含有ガス分圧を100Pa以上に規定すれば、前処理工程の現実的な処理時間である40sec以上において、良好な表面状態を有する膜を確実に形成することが可能となる。また、この際にSi含有ガス分圧を190Pa以上にすることにより、前処理工程の処理時間40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ない膜を確実に形成することが可能となる。予備加熱工程を行った上で前処理工程のSi含有ガス分圧を100Pa以上に規定すれば、前処理工程の現実的な処理時間である40sec以上において、良好な表面状態を有しかつ異常成長粒の極めて少ない膜を確実に形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いるCVD成膜装置の一例を示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態の工程を説明するための図。
【図3】W薄膜のHaze値が1.20ppmの場合および9.32ppmの場合における表面状態を示すSEM写真。
【図4】イニシエーション工程におけるSiH4ガス分圧とその後に形成されたW薄膜のHaze値との関係を処理時間毎に示すグラフ。
【図5】イニシエーション時間とW薄膜のHaze値との関係を示すグラフ。
【図6】イニシエーション工程の際のSiH4ガス分圧とその後に形成されたW薄膜の異常粒成長個数との関係を処理時間毎にヒートアップありとなしの場合で示すグラフ。
【図7】イニシエーション工程におけるチャンバー内の全圧とW薄膜のHaze値との関係を示すグラフ。
【図8】イニシエーション工程におけるSiH4ガス流量とW薄膜のHaze値との関係を示すすグラフ。
【図9】イニシエーション工程におけるSiH4ガス分圧を644Paと一定にし、イニシエーション時間を20secとして、N2ガス流量とW薄膜のHaze値との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11;チャンバー
15;載置台
26;ハロゲンランプ
40;シャワーヘッド
50;ガス供給機構
52;WF6ガス供給源
55;SiH4ガス供給源
W……半導体ウエハ

Claims (9)

  1. 処理容器内に被処理基板を配置する工程と、処理容器内にSi含有ガスを供給して前記基板に前処理を施す前処理工程と、引き続き処理容器に成膜ガスを供給して成膜処理を行う成膜工程とを具備する成膜方法であって、
    前記前処理工程は、40sec以上実施され、Si含有ガス分圧を190Pa以上にして行い、前記成膜工程によりW薄膜が成膜されることを特徴とする成膜方法。
  2. 処理容器内に被処理基板を配置する工程と、前記基板を加熱する予備加熱工程と、その後処理容器内にSi含有ガスを供給して前記基板に前処理を施す前処理工程と、引き続き処理容器に成膜ガスを供給して成膜処理を行う成膜工程とを具備する成膜方法であって、
    前記前処理工程は、40sec以上実施され、Si含有ガス分圧を100Pa以上にして行い、前記成膜工程によりW薄膜が成膜されることを特徴とする成膜方法。
  3. 前記前処理工程は、Si含有ガスの流量を4×10−2L/min以上で導入して行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記被処理基板は、表面にTiN薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成膜方法。
  5. 前記前処理工程は、処理容器内の全圧を533〜10666Paにして行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成膜方法。
  6. 前記Si含有ガスは、SiHガス、SiガスおよびSiClガスから選択されるガスであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成膜方法。
  7. 前記前処理工程は、SiHxを吸着させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成膜方法。
  8. 前記前処理工程は、さらにHガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の成膜方法。
  9. 前記前処理工程は、基板を加熱して行われることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成膜方法。
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