JP4876974B2 - アクチュエータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された可動機構を駆動するアクチュエータの制御装置に関する。
従来、車両に搭載された可動機構をアクチュエータで駆動するといったことが行われている。この場合、アクチュエータの制御装置は、可動機構の可動部についてその位置情報をセンサで検出し、その検出された位置情報に基づいてアクチュエータの駆動を制御する。例えば、特許文献1に記載の装置では、内燃機関の吸気バルブについてそのバルブ特性を可変とする可変動弁機構をモータで駆動するようにしており、その可動部の位置情報として、予め学習された基準位置からの同可動部の相対移動量を位置センサで検出するようにしている。
特開2006−183603号公報
ところで、上述したような位置情報は、一般に、アクチュエータの駆動を制御する制御部に設けられた揮発性メモリ(電力が供給されることでデータを保持することの可能なメモリ)に記憶されることが多く、その揮発性メモリに対する一時的な給電停止、いわゆる瞬断が発生すると、そのメモリに記憶された位置情報は消失されてしまう。
他方、揮発性メモリの記憶値は、同メモリへの供給電圧がある程度低下したときに消失されるため、瞬断の時間が短く、同メモリへの供給電圧がある程度低下する前に電力が復帰した場合には、記憶値が消失されることなく保持されていることがある。このように瞬断が起きたとしても記憶値が保持されているのであれば、その記憶値である位置情報に基づいてアクチュエータの駆動を制御することは可能である。従って、瞬断が起きたとしても記憶値が保持されている場合には、電力供給状態について異常なしと判定することも可能ではある。
しかし、アクチュエータの制御装置に設けられた電力供給部からは、揮発性メモリのみならず、アクチュエータ本体や、アクチュエータの駆動を制御する制御部、あるいは位置情報を検出するセンサにも電力が供給されている。従って、瞬断の時間が短くても、その瞬断による電圧低下中には、アクチュエータや制御部、あるいはセンサの動作が不安定になる可能性が少なからずあり、上記態様による電力供給状態の異常判定では、そうした不安定な動作を招く可能性のある電力供給状態の異常についてこれを適切に判定することができない。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力供給部からの電力供給状態についてその異常を適切に検出することのできるアクチュエータの制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、車両に搭載された可動機構を駆動するアクチュエータと、前記可動機構の可動部についてその位置情報を検出するセンサと、前記位置情報を記憶する揮発性メモリが設けられており、その記憶された位置情報に基づき前記アクチュエータの駆動を制御する制御部と、前記アクチュエータ及び前記センサのうちの少なくとも一方と前記制御部とに電力を供給する電力供給部とを備えるアクチュエータの制御装置において、前記制御部の前記揮発性メモリに供給される電力が瞬断したか否かを判定する瞬断判定手段と、前記瞬断後の電力復帰時において前記揮発性メモリに前記位置情報が保持されているか否かを判定する記憶値判定手段と、前記電力復帰時において前記揮発性メモリに前記位置情報が保持されていた回数を計測し、その回数が予め設定された値を超えたときに、前記電力供給部からの電力供給状態に異常ありと判定する異常判定手段とを備えることをその要旨とする。
同構成では、瞬断後の電力復帰時において、制御部の揮発性メモリに位置情報が保持されていた回数を計測し、その回数が予め設定された値を超えたときに、上記電力供給部からの電力供給状態に異常ありと判定するようにしている。従って、瞬断後の電力復帰時において揮発性メモリに位置情報が保持されていても、そうした瞬断がある程度多く発生した場合には、アクチュエータやセンサ、あるいは上記制御部に対する上記電力供給部からの電力供給状態が異常であると判定される。従って、アクチュエータや制御部、あるいはセンサの動作が不安定になる可能性がある上記電力供給部からの電力供給状態の異常を適切に検出することができるようになる。
ここで、揮発性メモリに記憶された位置情報が消失されることなく保持されているような瞬断については、その電圧低下時間は極めて短いことが多い。そのため、上述したように、その電圧低下中にアクチュエータや制御部、あるいはセンサの動作が不安定になる可能性は少なからずあるものの、必ず不安定になるわけではない。従って、瞬断後の電力復帰時において揮発性メモリに位置情報が保持されていた場合に、直ちに異常ありと判定してしまうと、実質的に不都合を起こさない瞬断であったとしても電力供給状態に異常ありと過敏に判定されてしまうおそれがある。そこで、同構成では、瞬断後の電力復帰時において揮発性メモリに位置情報が保持されていた回数が予め設定された値を超えたときに、上記電力供給部からの電力供給状態に異常ありと判定するようにしている。そのため、上記不安定な動作を招くおそれのある瞬断が頻発しており、電力供給に明らかな異常がある場合にのみ、電力供給状態に異常ありと判定される。従って、その異常判定をより適切に行うことも可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータの制御装置において、前記瞬断判定手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオフにされた後、前記揮発性メモリへの電力供給が遮断される前に一方の値に設定され、前記イグニッションスイッチがオンにされて前記揮発性メモリへの電力供給が開始された後に他方の値に変更されるように瞬断判定用のフラグの値を操作するとともに、そのフラグの値を電気的に書き換え可能な不揮発性メモリに記憶するものであり、前記揮発性メモリへの電力供給時において前記フラグがすでに前記他方の値に設定されている場合には、前記揮発性メモリに対する電力の瞬断が発生したと判定することをその要旨とする。
同構成における上記フラグは、車両のイグニッションスイッチがオンにされて揮発性メモリへの電力供給が開始された後に一方の値から他方の値に変更される。従って、イグニッションスイッチのオン操作に伴う揮発性メモリへの電力供給直後にあっては、フラグの値は一方の値になっている。一方、同フラグが上記他方の値に変更された後、再度、揮発性メモリに電力供給が開始されるような状況、すなわち揮発性メモリに対する電力の瞬断といった電圧低下が発生したときには、同フラグの値は、すでに上記他方の値に設定されている。従って、揮発性メモリへの電力供給時において上記フラグが上記一方の値になっている場合には、イグニッションスイッチのオン操作に伴う正常な電力供給であると判断することができ、他方の値になっている場合には、電圧低下発生後の電圧復帰による電力供給であると判断することができる。そこで、同構成では、揮発性メモリへの電力供給時において上記フラグがすでに上記他方の値に設定されている場合には、揮発性メモリに対する電力の瞬断が発生したと判定するようにしており、これにより揮発性メモリに対する電力の瞬断が発生したか否かを適切に判定することができるようになる。なお、同構成では、上記フラグの値を上記不揮発性メモリ、すなわち給電が絶たれてもそのデータを記憶・保持することが可能なメモリに記憶するようにしているため、瞬断が発生しても、同フラグの値を上記他方の値に保持しておくことが可能である。
瞬断後の電力復帰時において揮発性メモリに位置情報が保持されているか否かを判定するための構成としては、請求項3に記載の発明によるように、前記記憶値判定手段は、前記揮発性メモリに記憶された前記位置情報の値についてミラーチェックを行うことで前記位置情報が保持されているか否かを判定する、といった構成を採用することができる。
なお、上記ミラーチェックとは、以下のようなものである。すなわち、揮発性メモリでは、その記憶値が二進数で記憶されている。このように二進数で記憶されている位置情報の値について、各桁の値を反転させた値も揮発性メモリに保持しておく。例えば、位置情報の値が「00010101」である場合には、その反転値として「11101010」といった値も記憶させておく。そして、電圧復帰時には位置情報の値の各桁における数値と、上記反転値の各桁における数値とが互いに反転された値になっているかを診断する。そして、各桁の数値が互いに反転された値となっている場合(上記一例の場合には、位置情報の値が「00010101」、反転値が「11101010」となっている場合)には、揮発性メモリに上記位置情報が保持されていると判定される。一方、各桁の数値が互いに反転されていない値となっている場合(上記一例の場合には、例えば位置情報の値が「00000000」、反転値も「00000000」となっている場合)には、揮発性メモリへの電力供給が遮断されたことにより、上記位置情報を保持することができず、消失されたと判定されるものである。
また、上記可変機構としては、請求項4に記載の発明によるように、前記車両に搭載された内燃機関の機関バルブについてそのバルブ特性を可変とする可変動弁機構である、といった構成を採用することができる。
また、上記異常ありと判定される電力供給状態としては、請求項5に記載の発明によるように、前記制御部、前記アクチュエータ及び前記センサのうちで前記電力供給部から電力が供給されるものの少なくとも1つについて、動作が瞬断により不安定になる可能性のある電力供給状態が該当する。
以下、本発明にかかるアクチュエータの制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図8を併せ参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、車両に搭載される内燃機関は4つの気筒を有しており、そのシリンダヘッド2には、それら気筒に対応した機関バルブである一対の吸気バルブ10及び排気バルブ15が往復動可能にそれぞれ設けられている。シリンダヘッド2には、それら吸気バルブ10と排気バルブ15とに対応して吸気弁駆動機構40と排気弁駆動機構45とがそれぞれ設けられている。
排気弁駆動機構45には、各排気バルブ15に対応してラッシュアジャスタ17が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ17と排気バルブ15との間にはロッカアーム18が架設されている。ロッカアーム18は、その一端がラッシュアジャスタ17に支持されるとともに他端が排気バルブ15の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された排気カムシャフト7には複数の排気用カム8が形成されており、それら排気用カム8の外周面はロッカアーム18に設けられたローラ18aに当接されている。排気バルブ15にはリテーナ15aが設けられるとともに、このリテーナ15aとシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング16が設けられている。このバルブスプリング16の付勢力によって排気バルブ15は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカアーム18のローラ18aは排気用カム8の外周面に押圧されている。機関運転時に排気用カム8が回転すると、ロッカアーム18はラッシュアジャスタ17により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ15はロッカアーム18によって開閉駆動されるようになる。
一方、吸気弁駆動機構40には、排気側と同様にバルブスプリング11、リテーナ10a、ロッカアーム12、ローラ12a及びラッシュアジャスタ13が設けられている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された吸気カムシャフト5には複数の吸気用カム6が形成されている。
一方、吸気弁駆動機構40には、排気弁駆動機構45とは異なり、吸気用カム6とロッカアーム12との間に吸気バルブ10のバルブ特性を変更する可変動弁機構20が設けられている。この可変動弁機構20は入力部23と一対の出力部24とを有しており、これら入力部23及び出力部24はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ22に揺動可能に支持されている。ロッカアーム12は、吸気バルブ10の基端部及びラッシュアジャスタ13によって出力部24側に付勢されており、そのローラ12aが出力部24の外周面に当接されている。また、入力部23とシリンダヘッド2との間には、スプリング14が設けられており、このスプリング14の付勢力によって入力部23に設けられたローラ23bが吸気用カム6に付勢されている。
機関運転時に吸気用カム6が回転すると、同吸気用カム6はローラ23bに摺接しつつ入力部23を押圧し、これにより出力部24が支持パイプ22の周方向に揺動するようになる。そして出力部24が揺動すると、ロッカアーム12はラッシュアジャスタ13により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ10はロッカアーム12によって開閉駆動されるようになる。
次に、図3を参照して可変動弁機構20の構造について詳述する。
同図3に示されるように、入力部23は各出力部24の間に設けられており、これら入力部23と出力部24との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部23の内周面にはヘリカルスプライン23aが形成されるとともに、出力部24の内周面にはこの入力部23のヘリカルスプライン23aと逆向きに傾斜するヘリカルスプライン24aが形成されている。
入力部23と出力部24との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア26が設けられている。このスライダギア26の外周面の中央部分には、入力部23のヘリカルスプライン23aに噛合するヘリカルスプライン26aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部24のヘリカルスプライン24aに噛合するヘリカルスプライン26bが形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア26の内壁には、その円周方向に沿って延びる溝29が形成されており、この溝29にはブッシュ28が嵌合されている。尚、このブッシュ28は、溝29の伸びる方向に沿って同溝29の内周面を摺動することができるであるが、スライダギア26の軸方向における変位は規制されている。
スライダギア26の内部に形成された貫通空間には、支持パイプ22が挿入されている。また、上記支持パイプ22には、その軸方向に沿って駆動可能なコントロールシャフト21が挿入されている。支持パイプ22の管壁にはその軸方向に延びる長孔22aが形成されている。また、スライダギア26とコントロールシャフト21との間には、長孔22aを通じてスライダギア26とコントロールシャフト21とを連結する係止ピン27が設けられている。この係止ピン27の一端がコントロールシャフト21に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ28に形成された貫通孔28aに挿入されている。
こうした可変動弁機構20にあって、コントロールシャフト21がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア26が軸方向に変位する。スライダギア26の外周面に形成されたヘリカルスプライン26a、26bは、入力部23及び出力部24の内周面に形成されたヘリカルスプライン23a、24aとそれぞれ噛合っているため、スライダギア26がその軸方向に駆動すると、入力部23と出力部24とは逆の方向に回転する。その結果、入力部23と出力部24との相対位相差が変更され、吸気バルブ10の最大リフト量が変更される。
次に、この可変動弁機構20を通じて吸気バルブ10の最大リフト量を制御する制御システムについて、図2及び図4を併せ参照して説明する。ここで、図4は、この制御システムを示すブロック図である。
この図4に示されるように、可変動弁機構20は、アクチュエータである電動モータ62によって駆動される。また、電動モータ62は、アクチュエータ用制御装置60によってその駆動が制御される。
アクチュエータ用制御装置60は、可変動弁機構20の位置情報を検出する位置センサ63、電動モータ62の駆動を制御する制御部61、車両のバッテリ90を電源とする電力を上記位置センサ63や制御部61、あるいは電動モータ62に給電する電力供給部65等で構成されている。また、制御部61は、各種演算を行うCPU61a、電力供給部65からの給電によりデータを記憶・保持することが可能な揮発性メモリであるRAM61b、電気的に記憶データを書き換え可能であり、上記電力供給部65からの給電が絶たれてもそのデータを記憶・保持することが可能な不揮発性メモリであるEEPROM61c等を備えている。
同図4に示すように、コントロールシャフト21の基端部は、変換機構64を介して電動モータ62の出力軸に連結されている。この変換機構64は、電動モータ62の出力軸の回転運動をコントロールシャフト21の軸方向への直線運動に変換するためのものである。即ち、電動モータ62の出力軸を正・逆回転させると、その回転が変換機構64によってコントロールシャフト21の往復動に変換される。
また、電動モータ62には、上記位置センサ63が設けられている。この位置センサ63は、電動モータ62のロータ(図示略)と一体回転する多極マグネットの磁気変化を利用してそのロータの回転位相変化に応じた信号を出力する。ここで、上記コントロールシャフト21は、電動モータ62のロータの回転により往復動されるため、ロータの回転位相変化を示す位置センサ63の出力信号は、可変動弁機構20の可動部であるコントロールシャフト21の位置情報である移動量を示すものになる。また、コントロールシャフト21が移動することで吸気バルブ10の最大リフト量は変更されるため、コントロールシャフト21の移動量、換言すれば位置センサ63の出力信号に基づき、吸気バルブ10の最大リフト量についてその変更量が検出される。
上記位置センサ63の出力信号は、上記制御部61に入力される。制御部61では、上記RAM61bにコントロールシャフト21の移動量が記憶されており、その位置情報(移動量)は、位置センサ63の出力信号に基づいて更新される。そして、このように更新されるコントロールシャフト21の移動量、いわば相対位置と予め学習された基準位置(例えば、コントロールシャフト21をその可動端に移動させたときの位置)とに基づいてコントロールシャフト21の絶対位置が算出される。そして、その絶対位置に基づき、吸気バルブ10の最大リフト量についてその現状値が算出され、その最大リフト量の現状値が、機関運転状態に基づいて設定される目標最大リフト量になるように電動モータ62の駆動が制御される。
また、制御部61は、その入出力ポート(図示略)がバス型の通信ネットワーク(以下、CANと称す)80のバスに接続されている。
このCAN80には、内燃機関を統括的制御する機関用制御装置100の入出力ポートが接続されている。機関用制御装置100には、アクセルペダル(図示略)の操作量を検出するアクセルセンサ70や、クランクシャフト(図示略)の回転位相を検出するクランク角センサ71等、機関の運転状態を検出するセンサが接続されている。また、車両の運転者により切り換え操作され、現在の操作位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ72(以下、IGスイッチ72という)も接続されている。
機関用制御装置100は、これら運転状態に基づいて上記目標最大リフト量を設定するとともに、電動モータ62の制御目標値を設定し、CAN80を通じてこの制御目標値を上記アクチュエータ用制御装置60に送信する。アクチュエータ用制御装置60の制御部61は、その制御目標値を受信し、その制御目標値に基づいて電動モータ62の駆動をフィードバック制御する。
また、機関用制御装置100は、CAN80を通じてIGスイッチ72の操作状態を上記アクチュエータ用制御装置60に送信する。そして、IGスイッチ72が「オフ」から「オン」に操作されると、電力供給部65からの給電を開始し、IGスイッチ72が「オン」から「オフ」に操作されると、所定の終了処理を行った後に電力供給部65からの給電が停止される。
ところで、コントロールシャフト21の位置情報は、上記RAM61bに記憶・保持されるのであるが、そのRAM61bに対する一時的な給電停止、いわゆる電力の瞬断が発生すると、そのRAM61bに記憶された位置情報は消失されてしまう。
他方、RAM61bの記憶値は、同RAM61bへの供給電圧がある程度低下したときに消失される。
ここで、RAM61bへの供給電圧は、瞬断発生とともに直ちに「0」になるわけではなく、徐々に低下していく。これは、例えば次のような理由による。すなわち、上記電力供給部65には、一般的に、電圧を平滑化する目的などによりコンデンサが設けられる。このコンデンサに蓄えられた電荷は、瞬断発生後、徐々に低下していくため、RAM61bへの供給電圧もその電荷の低下に合わせて徐々に低下していくためである。
従って、瞬断の時間が短く、RAM61bへの供給電圧がある程度低下する前に電力が復帰した場合には、記憶値が消失されることなく保持されていることがある。このように瞬断が起きたとしても記憶値が保持されているのであれば、その記憶値である位置情報に基づいて電動モータ62の駆動を制御することは可能である。従って、瞬断が起きたとしても記憶値が保持されている場合には、電力供給状態について異常なしと判定することも可能ではある。
しかし、アクチュエータ用制御装置60に設けられた電力供給部65からは、RAM61bのみならず、電動モータ62や、制御部61、あるいは位置センサ63にも電力が供給されている。従って、瞬断の時間が短くても、その瞬断による電圧低下中には、電動モータ62や、制御部61、あるいは位置センサ63の動作が不安定になる可能性が少なからずあり、上記態様による電力供給状態の異常判定では、そうした不安定な動作を招く可能性のある電力供給状態の異常についてこれを適切に判定することができない。
そこで、本実施形態では、以下のような異常判定処理を行うことにより、電動モータ62や制御部61、あるいは位置センサ63の動作が不安定になる可能性のある上記電力供給部65からの電力供給状態の異常についてこれを適切に検出するようにしている。
図5に、上記異常判定処理についてその処理手順を示す。なお、本処理は、IGスイッチ72がオン操作されて、電力供給部65から上記アクチュエータ用制御装置60に給電が開始された後、所定周期毎に繰り返し実行される。また、本処理は、上記異常判定手段を構成している。
本処理が開始されるとまず、RAM61bに供給される電力について瞬断が発生したか否かが判定される(S100)。ここでは、RAM61bへの電力供給時における瞬断判定フラグFGの値に基づいて、瞬断発生の有無が判定される。その瞬断判定フラグFGは、次のようにしてその値が変更されるフラグであり、その値の変更処理は、本処理とは別の処理によって行われる。なお、この瞬断判定フラグFGの変更処理も、アクチュエータ用制御装置60によって行われる。また、瞬断判定フラグFGの値は上記EEPROM61cに記憶される。
上記瞬断判定フラグFGの変更処理では、図6に示すように、IGスイッチ72がオンにされて(IGON)、RAM61bへの電力供給が開始されると(POWERON)、その後、瞬断判定フラグFGの値は一方の値である「OFF」から他方の値である「ON」に変更される(タイミングta)。より詳細には、EEPROM61cに保持されていた「OFF」を示す値(例えば「0」)が「ON」を示す値(例えば「1」)に書き換えられる。そして、IGスイッチ72がオフにされて(IGOFF)、その後、RAM61bへの電力供給が遮断される(POWEROFF)前にその値は「ON」から「OFF」に変更される。より詳細には、EEPROM61cに保持されていた「ON」を示す値(例えば「1」)が「OFF」を示す値(例えば「0」)に書き換えられる。
このように、上記瞬断判定フラグFGは、IGスイッチ72がオンにされてRAM61bへの電力供給が開始された後に「OFF」から「ON」に変更される。従って、IGスイッチ72のオン操作に伴うRAM61bへの電力供給直後にあっては(図6に示すPOWERONのタイミング)、瞬断判定フラグFGの値は「OFF」になっている。 そのため、RAM61bへの電力供給時において、瞬断判定フラグFGが「OFF」になっている場合には(図6に示すPOWERONのタイミング)、IGスイッチ72のオン操作に伴う正常な電力供給であると判断することができる。
一方、瞬断判定フラグFGが「ON」に変更された後、再度、RAM61bに電力供給が開始されるような状況、すなわちRAM61bに対する電力の瞬断といった電圧低下が発生したときには、瞬断判定フラグFGは、すでに「ON」に設定されている(図6に示すタイミングtb)。従って、RAM61bへの電力供給時において、瞬断判定フラグFGがすでに「ON」となっている場合には、電圧低下発生後の電圧復帰による電力供給であると判断することができる。
そこで、ステップS100では、RAM61bへの電力供給時において瞬断判定フラグFGがすでに「ON」に設定されている場合には、RAM61bに対する電力の瞬断が発生したと判定される。なお、瞬断判定フラグFGの値は、給電が絶たれてもそのデータを記憶・保持することが可能な不揮発性メモリである上記EEPROM61cに記憶される。そのため、瞬断が発生しても、瞬断判定フラグFGの値を「ON」に保持しておくことが可能である。なお、上記ステップS100の処理は、上記瞬断判定手段を構成している。
そして、ステップS100にて、瞬断が発生していないと判定される場合には(S100:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS100にて、瞬断が発生したと判定される場合には(S100:YES)、次にRAM61bに記憶された値、すなわち上記位置情報を含むRAM値が、瞬断発生後の電力復帰時において保持されているか否かが判定される(S110)。なお、このステップS110の処理は、上記記憶値判定手段を構成する。
上記ステップS110では、記憶値消失フラグFCHの値が「OFF」になっている場合に、RAM値が保持されていると判定される。この記憶値消失フラグFCHの設定に際しては、RAM61bに記憶されている上記位置情報の値についてミラーチェックが行われ、そのチェック結果に基づいて記憶値消失フラグFCHの設定が行われる。
このミラーチェックとは、以下のようなものである。すなわち、図7に示すように、RAM61bでは、上記位置情報の値が二進数で記憶されている。このように二進数で記憶されている位置情報の値について、各桁の値を反転させた値もRAM61bに記憶・保持しておく。例えば、位置情報の値が「00010101」である場合には、その反転値として「11101010」といった値も記憶させておく。
そして、RAM61bへの電圧復帰時には、位置情報を示す値の各桁における数値と、上記反転値の各桁における数値とが互いに反転された値になっているかを診断する。そして、図7の(a)に示すように、各桁の数値が互いに反転された値となっている場合(上記一例の場合には、位置情報の値が「00010101」、反転値が「11101010」となっている場合)には、RAM61bにRAM値が保持されていると判定され、記憶値消失フラグFCHは「OFF」に設定される。
一方、図7の(b)に示すように、各桁の数値が互いに反転されていない値となっている場合(上記一例の場合には、例えば位置情報の値が「00000000」、反転値も「00000000」となっている場合)には、RAM61bへの電力供給が遮断されたことによりその記憶値を保持することができず、消失されたと判定される。そしてこの場合には、記憶値消失フラグFCHは「ON」に設定される。
このようにしてステップS110にて、RAM値が保持されていないと判定される場合には(S110:NO)、本処理は一旦終了される。そして、上記基準位置を学習するための処理が行われる。
一方、ステップS110にて、RAM値が保持されていると判定される場合には(S110:YES)、異常判定カウンタECが更新される(S120)。ここでは、現在の異常判定カウンタECの値に対して、適宜設定された増分値i(例えば「1」など)が加算されることにより同異常判定カウンタECは更新される。なお、異常判定カウンタECの値は上記RAM61bに記憶される。また、その初期値は「0」にされている。このステップS120にて、異常判定カウンタECが更新されることにより、その値には、瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに上記位置情報が保持されていた回数、すなわちRAM値の消失には至らなかった瞬断の発生回数が反映される。換言すれば、電動モータ62や、制御部61、あるいは位置センサ63の動作が不安定になる可能性が少なからずある電力供給状態の異常について、その発生回数が反映される。
次に、上記更新された異常判定カウンタECが判定値α以上であるか否かが判定される(S130)。その判定値αには、上記電力供給状態の異常についてその発生回数が許容できない程度に多く、明らかに異常であると判定することができる程度の値が適宜設定されている。
そして、異常判定カウンタECが判定値α未満である場合には(S130:NO)、本処理は一旦終了される。一方、異常判定カウンタECが判定値α以上である場合には(S130:YES)、電力供給部65からの電力供給状態が明らかに異常であるため、異常判定フラグFEが「ON」に設定される(S140)。そして、「ON」に設定された異常判定フラグFEの値がEEPROM61cに記憶されて(S150)、本処理は終了される。なお、異常判定フラグFEが「ON」に設定された場合には、車両のメータパネル等に設けられた警告灯を点灯させることにより、運転者にその異常を知らせることができる。また、車両の整備工場では、上記EEPROM61cに書き込まれた異常判定フラグFEの値を診断することにより、電力供給部65からの電力供給状態に異常があることが診断される。
図8に、上記異常判定処理が実行されたときの異常判定カウンタECの変化態様、及び異常判定フラグFEの設定態様を示す。
この図8に示すように、タイミングt1においてIGスイッチ72が「OFF」から「ON」に操作されると、アクチュエータ用制御装置60への通電が開始されて、CPU61aやRAM61bへの電力供給が開始される。そして、その後、瞬断判定フラグFGは「OFF」から「ON」に変更されて(タイミングt2)、瞬断が検出可能にされる。
そして、タイミングt3にて瞬断が発生し、その後のタイミングt4にて電圧が復帰したときには瞬断判定フラグFGがすでに「ON」になっているため、RAM61bに対する瞬断が発生したと判定される。そして同タイミングt4においてミラーチェックが行われ、その結果、記憶値消失フラグFCHが「OFF」になっている場合、すなわちRAM61bに記憶された位置情報が消失されることなく、保持されている場合には、異常判定カウンタECの値が増分値iの分だけ増大される。そして、瞬断発生後の電圧復帰時においてRAM61bに記憶された位置情報が保持されているたびに、異常判定カウンタECの値は増大されていき、異常判定カウンタECの値が判定値α以上になると(タイミングtn)、異常判定フラグFEが「OFF」から「ON」に変更される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
(1)瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに位置情報が保持されていた回数を異常判定カウンタECにて計測し、その回数が予め設定された判定値αを超えたときには、電力供給部65からの電力供給状態に異常ありと判定するようにしている。従って、瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに位置情報が保持されていても、そうした瞬断がある程度多く発生した場合には、電動モータ62や位置センサ63、あるいは制御部61に対する電力供給部65からの電力供給状態が異常であると判定される。従って、電動モータ62や制御部61、あるいは位置センサ63の動作が不安定になる可能性がある電力供給部65からの電力供給状態の異常を適切に検出することができるようになる。
ここで、RAM61bに記憶された位置情報が消失されることなく保持されているような瞬断については、その電圧低下時間は極めて短いことが多い。そのため、上述したように、その電圧低下中に電動モータ62や制御部61、あるいは位置センサ63の動作が不安定になる可能性は少なからずあるものの、必ず不安定になるわけではない。従って、瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに位置情報が保持されていた場合に、直ちに異常ありと判定してしまうと、実質的に不都合を起こさない瞬断であったとしても電力供給状態に異常ありと過敏に判定されてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに位置情報が保持されていた回数が予め判定値αを超えたときに、上記電力供給部65からの電力供給状態に異常ありと判定するようにしている。そのため、上記不安定な動作を招くおそれのある瞬断が頻発しており、電力供給に明らかな異常がある場合にのみ、電力供給状態に異常ありと判定される。従って、その異常判定をより適切に行うことも可能になる。
(2)IGスイッチ72がオフにされた後、RAM61bへの電力供給が遮断される前に「OFF」に設定され、IGスイッチ72がオンにされてRAM61bへの電力供給が開始された後に「ON」に変更されるように瞬断判定フラグFGの値を操作するようにしている。そして、RAM61bへの電力供給時において瞬断判定フラグFGがすでに「ON」に設定されている場合には、RAM61bに対する電力の瞬断が発生したと判定するようにしている。従って、RAM61bに対する電力の瞬断が発生したか否かを適切に判定することができるようになる。
また、瞬断判定フラグFGの値を不揮発性メモリであるEEPROM61c、すなわち給電が絶たれてもそのデータを記憶・保持することが可能なメモリに記憶するようにしているため、瞬断が発生しても、その瞬断判定フラグFGの値を「ON」に保持しておくことが可能であり、瞬断の発生を適切に行うことができる。
(3)瞬断後の電力復帰時において、RAM61bに記憶された位置情報の値についてミラーチェックを行うようにしている。そのため、瞬断後の電力復帰時においてRAM61bに位置情報が保持されているか否かを適切に判定することができるようになる。
なお、上実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記位置センサ63は、磁気変化を利用して電動モータ62のロータの回転位相変化を検出する磁気センサであったが、この他のセンサ(例えば光学式のセンサ等)を用いるようにしてもよい。
・電動モータ62のロータの回転位相変化に基づいてコントロールシャフト21の移動量を検出するようにしたが、コントロールシャフト21の移動量を直接検出するようにしてもよい。
・RAM61bへの電力供給時における瞬断判定フラグFGの値に基づき、瞬断判定を行うようにしたが、この他の態様で瞬断判定を行うようにしてもよい。
・瞬断後の電圧復帰時においてRAM61bのRAM値が保持されているか否かを、上記ミラーチェックにて判定するようにしたが、この他の態様で判定を行うようにしてもよい。
・電動モータ62、位置センサ63、及びRAM61bを備える制御部61に対して上記電力供給部65から電力を供給するようにした。この他、電動モータ62及び制御部61に対して電力供給部65から電力を供給し、位置センサ63に対しては他の電力供給部から電力が供給される場合でも、本発明は同様に適用することができる。この場合には、電動モータ62や制御部61の動作が不安定になる可能性がある電力供給状態ついて、その異常判定を適切に行うことができる。
また、位置センサ63及び制御部61に対して電力供給部65から電力を供給し、電動モータ62に対しては他の電力供給部から電力が供給される場合でも、本発明は同様に適用することができる。この場合には、位置センサ63や制御部61の動作が不安定になる可能性がある電力供給状態ついて、その異常判定を適切に行うことができるようになる。
・上記可変動弁機構20は、電動モータ62で駆動される機構であったが、この他のアクチュエータで可変動弁機構20が駆動される場合であっても、本発明は同様に適用することができる。
・上記実施形態では、可変動弁機構20にて吸気バルブ10のバルブ特性を変更するようにしたが、排気バルブ15のバルブ特性を変更する場合、あるいは吸気バルブ10及び排気バルブ15のバルブ特性を変更する場合にも同様に適用することができる。
・上記実施形態で説明した可変動弁機構20に限らず、他の構成で吸気バルブ10や排気バルブ15といった機関バルブのバルブ特性(例えば、開時期、閉時期、開弁期間、あるいは最大リフト量等)を可変とする可変動弁機構であっても、本発明は同様に適用することができる。
・RAM61bに記憶される上記位置情報は、コントロールシャフト21の移動量であったが、この他の位置情報(例えばコントロールシャフト21の絶対位置など)を記憶する場合であっても、本発明は同様に適用することができる。
・可変動弁機構20の可動部であるコントロールシャフト21の位置情報を記憶するようにしたが、同可変動弁機構20にあってバルブ特性の変更に関与する他の可動部の位置情報、例えばスライダギア26の位置情報や、入力部23と出力部24との相対位相差を示す位置情報などを記憶するようにしてよい。
・上記実施形態では、アクチュエータである電動モータ62で駆動される可変動弁機構20の可動部についてその位置情報を揮発性メモリであるRAM61bに記憶するようにしたアクチュエータの制御装置に、本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用対象となるアクチュエータの制御装置はそうしたものに限られるものではない。要は、車両に搭載された可動機構を駆動するアクチュエータの制御装置であって、その可動機構の可動部の位置情報をセンサで検出する。そして、その位置情報を記憶する揮発性メモリが設けられており、その記憶された位置情報に基づいてアクチュエータの駆動を制御する制御部と、アクチュエータ及び上記センサのうちの少なくとも一方と上記制御部とに電力を供給する電力供給部とを備える制御装置であれば、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる制御装置を具体化した一実施形態にあって、これが適用される車両の内燃機関における吸・排気弁駆動機構の構成を説明する縦断面図。 同実施形態における吸・排気弁駆動機構の配置構造を示す平面図。 同実施形態における可変動弁機構の破断斜視図。 同実施形態において、吸気バルブの最大リフト量を制御する制御システムを示すブロック図。 同実施形態における異常判定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態における瞬断判定フラグの設定態様を示すタイミングチャート。 同実施形態で実行されるミラーチェックについてこれを説明する概念図であって、(a)は、RAM値が保持されているときの状態を示す概念図、(b)はRAM値が消失されているときの状態を示す概念図。 異常判定処理が実行されたときの異常判定カウンタの変化態様、及び異常判定フラグFEの設定態様を示すタイミングチャート。
符号の説明
2…シリンダヘッド、5…吸気カムシャフト、6…吸気用カム、7…排気カムシャフト、8…排気用カム、10…吸気バルブ、10a…リテーナ、11…バルブスプリング、12…ロッカアーム、12a…ローラ、13…ラッシュアジャスタ、14…スプリング、15…排気バルブ、15a…リテーナ、16…バルブスプリング、17…ラッシュアジャスタ、18…ロッカアーム、18a…ローラ、20…可変動弁機構、21…コントロールシャフト、22…支持パイプ、22a…長孔、23…入力部、23a…ヘリカルスプライン、23b…ローラ、24…出力部、24a…ヘリカルスプライン、26…スライダギア、26a…ヘリカルスプライン、26b…ヘリカルスプライン、27…係止ピン、28…ブッシュ、28a…貫通孔、29…溝、40…吸気弁駆動機構、45…排気弁駆動機構、60…アクチュエータ用制御装置、61…制御部、61a…CPU、61b…RAM(揮発性メモリ、61c…EEPROM(不揮発性メモリ)、62…電動モータ、63…位置センサ、64…変換機構、65…電力供給部、70…アクセルセンサ、71…クランク角センサ、72…イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、80…通信ネットワーク(CAN)、90…バッテリ、100…機関用制御装置。

Claims (5)

  1. 車両に搭載された可動機構を駆動するアクチュエータと、前記可動機構の可動部についてその位置情報を検出するセンサと、前記位置情報を記憶する揮発性メモリが設けられており、その記憶された位置情報に基づき前記アクチュエータの駆動を制御する制御部と、前記アクチュエータ及び前記センサのうちの少なくとも一方と前記制御部とに電力を供給する電力供給部とを備えるアクチュエータの制御装置において、
    前記制御部の前記揮発性メモリに供給される電力が瞬断したか否かを判定する瞬断判定手段と、
    前記瞬断後の電力復帰時において前記揮発性メモリに前記位置情報が保持されているか否かを判定する記憶値判定手段と、
    前記電力復帰時において前記揮発性メモリに前記位置情報が保持されていた回数を計測し、その回数が予め設定された値を超えたときに、前記電力供給部からの電力供給状態に異常ありと判定する異常判定手段とを備える
    ことを特徴とするアクチュエータの制御装置。
  2. 前記瞬断判定手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオフにされた後、前記揮発性メモリへの電力供給が遮断される前に一方の値に設定され、前記イグニッションスイッチがオンにされて前記揮発性メモリへの電力供給が開始された後に他方の値に変更されるように瞬断判定用のフラグの値を操作するとともに、そのフラグの値を電気的に書き換え可能な不揮発性メモリに記憶するものであり、
    前記揮発性メモリへの電力供給時において前記フラグがすでに前記他方の値に設定されている場合には、前記揮発性メモリに対する電力の瞬断が発生したと判定する
    請求項1に記載のアクチュエータの制御装置。
  3. 前記記憶値判定手段は、前記揮発性メモリに記憶された前記位置情報の値についてミラーチェックを行うことで前記位置情報が保持されているか否かを判定する
    請求項1または2に記載のアクチュエータの制御装置。
  4. 前記可動機構は、前記車両に搭載された内燃機関の機関バルブについてそのバルブ特性を可変とする可変動弁機構である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御装置。
  5. 前記異常ありと判定される前記電力供給状態は、前記制御部、前記アクチュエータ及び前記センサのうちで前記電力供給部から電力が供給されるものの少なくとも1つについて、動作が瞬断により不安定になる可能性のある電力供給状態である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータの制御装置。
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