JP4876872B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してそ
の微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画
するようにしたインクジェットプリンタに関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易
に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフ
ィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッド(イ
ンクジェットヘッドともいう)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体
が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから
液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当
該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。
そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン
)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず
、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの
各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実
用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを印刷媒体搬送方向と交差する
方向(印刷媒体の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジ
ェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを数十回
から100回以上も往復運動させる必要がある。これに対し、印刷用紙の幅と同じ寸法の
長尺のインクジェットヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェット
プリンタでは、インクジェットヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、所謂
1パスでの印刷が可能となるため、電子写真式プリンタと同様な高速な印刷が可能となる
。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型インクジェットプリ
ンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型インクジェットプ
リンタ」と呼んでいる。
ところで、インクジェットプリンタに水系のインクを用いる場合、印刷後の印刷媒体の
湾曲、所謂カールが問題になる。このようなカールを防止するために、例えば下記特許文
献1に挙げるインクジェットプリンタでは、印刷直後の印刷媒体の印刷面の反対側の面に
ローラを接触させて、そのローラからカール防止液を塗布した後、その印刷媒体を、上下
に熱源を配設したヒートロール加熱器内に通過させて乾燥を促すようにしている。また、
下記特許文献2に挙げるインクジェットプリンタでは、印刷媒体を搬送するロールの内部
に、加熱や超音波振動による蒸気発生装置を設け、このロールを印刷媒体に接触させるこ
とにより当該ロールの表面から印刷媒体の印刷面と反対側の面に蒸気を付加することでカ
ールを防止するようにしている。更に、下記特許文献3に挙げるインクジェットプリンタ
では、前記特許文献2のインクジェットプリンタに加えて、印刷環境の湿度を検出し、環
境湿度に応じて発生する蒸気量をコントロールする技術が記載されている。
特開平10−151733号公報 特開2005−178251号公報 特開2005−178252号公報
しかしながら、前記特許文献1〜3に記載されるインクジェットプリンタでは、何れも
ローラを印刷媒体に接触させてカール防止液や蒸気などの水分を供給しているが、水分を
多く含む印刷媒体はローラに密着し易く、つまりローラと印刷媒体との剥離性が低下して
搬送不良の原因となる恐れがある。特に、静電気力によって搬送手段に印刷媒体を吸着し
て搬送する場合、印刷媒体やローラが帯電すると、それらの吸着力は印刷媒体の抵抗値の
減少、即ち印刷媒体に含まれる水分の増加に伴って増大するため、より一層、ローラと印
刷媒体との剥離性が低下して搬送不良を生じる恐れがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、搬送不良を生じること
なく印刷媒体のカールを防止可能なインクジェットプリンタを提供することを目的とする
ものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1に係るインクジェットプリンタは、印刷
媒体を所定方向に搬送すると共に、搬送される印刷媒体の印刷面にインクジェットヘッド
のノズルから水系のインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、前
記インクジェットヘッドの印刷媒体搬送方向下流側に設けられ且つインクジェットヘッド
からインク滴が吐出された印刷媒体の印刷面と反対側の面に非接触状態で蒸気を供給する
蒸気供給手段と、インクジェットヘッドからインク滴を吐出するノズル数の全ノズル数に
対する比率に応じて前記蒸気供給手段による印刷媒体への蒸気の供給を制御する蒸気供給
制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明者は、印刷媒体のカールについて鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即
ち、印刷媒体のカールには、インク滴が吐出されたときのカール、つまり印刷直後のカー
ルと、そのインク滴が乾燥した後に発生するカール、つまりインク乾燥後のカールの二種
類があり、一般に、二つのカールの向きは逆になる。また、カールの向きは、印刷媒体を
構成するセルロース繊維の向きに依存する。そして、印刷媒体のカールを防止するのに効
果的なのは、インク滴が吐出された印刷面とその反対側の面との水分の差を少なくするこ
とである。一方、一枚の印刷媒体に吐出されるインクの量が少ない場合には、カールその
ものが発生しない。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッドからインク
滴が吐出された印刷媒体の印刷面と反対側の面に非接触状態で蒸気を供給する蒸気供給手
段をインクジェットヘッドの印刷媒体搬送方向下流側に設け、インクジェットヘッドから
インク滴を吐出するノズル数の全ノズル数に対する比率に応じて蒸気供給手段による印刷
媒体への蒸気の供給を制御する構成としたため、例えば印刷媒体の印刷面とその反対側の
面との水分の差が少なくなるように蒸気の供給を制御するものとし、インク滴を吐出する
ノズル数の全ノズル数に対する比率が所定比率以上のときに、即ち一枚の印刷媒体に吐出
されるインクの量が多いときに非接触の蒸気供給手段によって印刷媒体に蒸気を供給する
ようにすれば、搬送不良を生じることなく、エネルギーの消費量を抑制しながら印刷媒体
のカールを防止することが可能となる。
[発明2]また、発明2に係るインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェッ
トプリンタにおいて、前記蒸気供給制御手段は、インクジェットヘッドからインク滴が吐
出された印刷媒体の印刷面とその反対側の面の水分の差が小さくなるように前記蒸気供給
手段による印刷媒体への蒸気の供給を制御するものであることを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッドからインク
滴が吐出された印刷媒体の印刷面とその反対側の面の水分の差が小さくなるように蒸気供
給手段による印刷媒体への蒸気の供給を制御する構成としたため、印刷媒体のカールを効
果的に防止することができる。
[発明3]また、発明3に係るインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインク
ジェットプリンタにおいて、前記蒸気供給手段は、インクジェットヘッドからインク滴が
吐出された印刷媒体の印刷面と反対側の面側で蒸気を生成する蒸気生成手段と、印刷媒体
の印刷面側から空気を吸引して当該印刷面の反対側から当該印刷面側に向けて蒸気の流れ
を生成する吸引手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッドからインク
滴が吐出された印刷媒体の印刷面と反対側で蒸気を生成すると共に、印刷媒体の印刷面側
から空気を吸引して当該印刷面の反対側から当該印刷面側に向けて蒸気の流れを生成する
構成としたため、印刷媒体の印刷面側と反対側で生成された蒸気は当該印刷媒体の印刷面
と反対側の面に積極的に付着され、その結果、印刷媒体の印刷面とその反対側の面の水分
の差が効果的に小さくなる。
[発明4]また、発明4に係るインクジェットプリンタは、前記発明3のインクジェッ
トプリンタにおいて、前記蒸気生成手段は、貯留された水を加熱して蒸気を生成するもの
であることを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、貯留された水を加熱して蒸気を生
成する構成としたため、装置構成が容易になり、発明を実施化し易い。
[発明5]また、発明5に係るインクジェットプリンタは、前記発明3のインクジェッ
トプリンタにおいて、前記蒸気生成手段は、貯留された水を振動して霧化し、加熱して蒸
気を生成するものであることを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、貯留された水を振動して霧化し、
加熱して蒸気を生成する構成としたため、装置構成が容易になり、発明を実施化し易いと
共に、蒸気を印刷媒体の印刷面と反対側の面にむらなく付着させることができる。
[発明6]また、発明6に係るインクジェットプリンタは、前記発明3のインクジェッ
トプリンタにおいて、前記蒸気生成手段は、加熱された加熱体に水を滴下して蒸気を生成
するものであることを特徴とするものである。
この発明6に係るインクジェットプリンタによれば、加熱された加熱体に水を滴下して
蒸気を生成する構成としたため、装置構成が容易になり、発明を実施化し易いと共に、短
時間に多量の蒸気を生成することが可能となる。
[発明7]また、発明7に係るインクジェットプリンタは、前記発明1乃至6のインク
ジェットプリンタにおいて、前記蒸気生成手段は、個別に貯留された水を加熱してカビの
発生を防止するカビ防止手段を備えたことを特徴とするものである。
この発明7に係るインクジェットプリンタによれば、個別に貯留された水を加熱してカ
ビの発生を防止するカビ防止手段を備えたことにより、長期の使用でも装置を汚損するこ
とがない。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態について図面を参照しながら説
明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成を示す正面図である。図中の
符号1は、印刷媒体2を搬送するための搬送ベルトである。また、搬送ベルト1は、ポリ
イミド、ポリカーボネイト、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ETFE(テトラフル
オロエチレン・エチレン共重合体)、PPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、
及びこれらの材質とエラストマーとの混合物などが適しており、これらの材質の単層のベ
ルトでも、これらの材料を2層にして、カーボンなどの導電性材料を添加して電気抵抗を
調整したベルトでもよい。
この搬送ベルト1は、図の中央部に配設された駆動ローラ3と、図の右端部に配設され
た従動ローラ4と、それらの中央部下方に配設されたテンションローラ5とに巻回されて
いる。駆動ローラ3は、図示しない搬送ベルトモータによって図の矢印方向に回転駆動さ
れ、後述する帯電ローラで帯電された搬送ベルト1に印刷媒体2を静電吸着した状態で、
当該印刷媒体2を図の右方から左方に、つまり矢印方向に搬送する。なお、駆動ローラ3
は、搬送ベルト1の電荷を徐電するために接地されている。従動ローラ4は、後述する帯
電ローラの当接部分との間に搬送ベルト1を挟持して電圧を印加するために接地されてい
る。テンションローラ5は、図示しないバネによって下方に付勢されており、これにより
搬送ベルト1に張力を付与している。なお、図中の符号6は、後述するインクジェットヘ
ッドから吐出されるインクのミストなどで汚損した搬送ベルト1を清浄にするベルトクリ
ーナであり、例えばフェルトなどで作成されたローラからなる。
搬送ベルト1には、従動ローラ4に対向するようにして、帯電手段としての帯電ローラ
7が当接されており、帯電ローラ7には高圧電源8が接続されている。この帯電ローラ7
の配置は、印刷媒体2の給紙位置の直前に相当する。従って、この帯電ローラ7に例えば
所定の周期で極性が反転する交番電圧信号を付与すると、搬送ベルト1の表面が搬送方向
に沿って交互に逆極性の電位に帯電(縞状帯電)され、夫々の電荷によって印刷媒体2に
誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の電荷と搬送ベルト1の表面の電荷
及び隣り合う搬送ベルト1の表面の電荷と印刷媒体2の電荷とを含む閉回路を構成して静
電気力が発生し、印刷媒体2を搬送ベルト1の表面に吸着する。なお、帯電パターンは、
印刷媒体2搬送方向に交互な縞状以外にも、例えば印刷媒体2搬送方向と交差方向に交互
な縞状や、市松状などであってもよい。また、同一極性の電位、即ちDC帯電としてもよ
い。
従動ローラ4の上方には、紙押えローラ9が配設されている。この紙押えローラ9は、
図示しないバネによって下方に付勢されており、給紙部10から給紙された印刷媒体2を
従動ローラ4上の搬送ベルト1に押付ける機能を有する。前述したように、帯電した搬送
ベルト1の外周面に印刷媒体2を搭載し、紙押えローラ9で印刷媒体2を搬送ベルト1に
押付けると静電気力によって印刷媒体2は搬送ベルト1の外周面に吸着される。また、搬
送ベルト1の印刷媒体2搬送方向下流側には蒸気供給装置15が配設され、この蒸気供給
装置15の印刷媒体2搬送方向下流側には印刷媒体2を排紙する排紙ローラ13が設けら
れ、印刷領域で印刷され且つ蒸気供給装置15で蒸気供給された印刷媒体2を排紙部14
に排紙する。なお、蒸気供給装置15の印刷媒体2搬送方向上流側には印刷媒体2を検出
する第1光学センサ16が配設され、蒸気供給装置15の印刷媒体2搬送方向下流側には
印刷媒体2を検出する第2光学センサ17が配設されている。
図1の符号11は、ライン型のインクジェットヘッドである。このインクジェットヘッ
ド11は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の各
色毎に、印刷媒体2の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド11
には、Y、M、C、Kの各色のインクカートリッジ12からインク供給チューブを介して
インクが供給される。各インクジェットヘッド11には、印刷媒体2の搬送方向と交差す
る方向に、複数のノズルが形成されており、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量
のインク滴を吐出することにより、印刷媒体2上に微小なインクドットを形成出力する。
これを各色毎に行うことにより、搬送ベルト1に吸着された印刷媒体2を一度通過させる
だけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、このインクジェットヘッド
11の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、
ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである
静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧
力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというもので
ある。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビテ
ィ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴
がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビテ
ィ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となっ
て気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというもの
である。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。なお、インクは水系を前提
とする。
印刷領域を構成するインクジェットヘッド11の下方で且つ巻回される搬送ベルト1の
内部には、インクジェットヘッド11に設けられているノズルを回復するためのクリーニ
ングユニット18が設けられている。このクリーニングユニット18は、各インクジェッ
トヘッド11のノズル面を気密に覆うことができるキャップを備え、そのキャップの底に
はインク吸収体が配設されると共に、チューブポンプのような負圧発生手段が接続されて
おり、図示しない昇降手段によって上下方向に昇降する。
前述のようなライン型のインクジェットヘッド11を備えたインクジェットプリンタで
は、インク切れ、気泡の発生、目詰まり(乾燥)、紙粉付着などの原因によって、インク
ジェットヘッド11のノズルからインク滴が吐出すべきときに吐出しないというインク滴
の吐出異常(不吐出)、所謂ドット抜け現象を生じることがある。紙粉とは、木材パルプ
を原料とする印刷媒体がローラなどと摩擦接触した際に発生し易く、印刷媒体の一部から
なり、繊維状又はその集合体のものを意味する。本実施形態では、必要に応じてクリーニ
ングユニット18によるクリーニング或いはフラッシングを行う。
例えば、クリーニングユニット18のキャップを昇降手段によって上昇させてインクジ
ェットヘッド11のノズル面に密着し、その状態で負圧発生手段によってキャップ内を負
圧状態とすると、ノズルからインクが吸引されてキャップ内に溜まる。このキャップ内に
溜まったインクを負圧発生手段によって吸引して、例えば図示しない廃インクタンクに排
出することでノズルが回復する。このようなノズル回復方法をクリーニングと称す。一方
、吸引を行わず、インク滴だけを予備吐出するだけでもノズルが回復することもある。こ
のようなノズル回復方法をフラッシングと称す。
なお、フラッシング時には、クリーニングユニット18のキャップをインクジェットヘ
ッド11のノズル面に密着させる必要がないので、当該キャップを上昇させずにフラッシ
ングを行う。つまり、インクジェットヘッド11のノズル面とクリーニングユニット18
のキャップとは、正面視において、搬送ベルト1を挟んだ位置にある。そのため、搬送ベ
ルト1には、インクジェットヘッド11のノズルから吐出されるインクをクリーニングユ
ニット18のキャップに向けて通過させるためのノズル回復用開口部が開設されている。
このノズル回復用開口部は、搬送ベルト1が一周する間に所定のタイミングでインクジェ
ットヘッド11に対向し、且つ例えば千鳥状に配設されている複数のインクジェットヘッ
ド11全てに対して同時に対向する位置に形成されている。従って、搬送ベルト1が一周
する間の所定のタイミングで目詰まり予防吐出を行えば全てのノズルのノズル回復処理を
同時に行うことができる。
図2には、本実施形態の蒸気供給装置15の全体構成を示す。本実施形態の蒸気供給装
置15は、印刷媒体搬送ライン(搬送ベルト1の上側外周面と同一水平面を示す)より下
部の蒸気生成装置21と、上部の吸引装置22とを備えて構成される。本実施形態の蒸気
生成装置21は、印刷媒体搬送ライン直下に配設された上部開口有底容器23と、この容
器23の上部開口を開閉するシャッター24と、容器23の底部下方に配設された発熱装
置25と、容器23の底部に配設された温度センサ71と、前記容器23とは個別にやや
下方に設けられた密閉式の容器26と、二つの容器23、26を接続する配管27と、こ
の配管27の途中に配設されたポンプ28と、容器26の内側上部に配設された水位セン
サ9とを備えて構成され、ポンプ28は、図示しないポンプモータで回転駆動される。ま
た、吸引装置22は、印刷媒体搬送ライン直上で蒸気生成装置21を覆うフード30と、
フード30内に配設されたファン31とを備えて構成され、ファン31は、図示しないフ
ァンモータで回転駆動される。
従って、蒸気生成装置21の下方の容器26内に貯留されている水をポンプ28で汲み
上げて上方の容器23に貯留し、発熱装置25で容器23内の水を加熱すると水が蒸発し
て蒸気が生成される。その状態で、吸引装置22のファン31を回転駆動すると印刷媒体
2の上面、即ち印刷面の空気が吸引され、印刷媒体2の下面側、即ち印刷面と反対側から
印刷媒体2の上面側、即ち印刷面側に蒸気の流れが生じる。この状態で印刷媒体2を搬送
ラインに搬送する、即ち蒸気生成装置21の上方に搬送すると、印刷媒体2の下面、即ち
印刷面と反対側の面に蒸気が付着し、印刷媒体2の下面、即ち印刷面と反対側の面の水分
が増加する。このとき、印刷面にインク滴が吐出されていれば印刷媒体2の上面、即ち印
刷面と下面、即ち印刷面と反対側の面との水分の差が小さくなる。なお、印刷媒体2の下
面、即ち印刷面と反対側の面への蒸気の供給は、後述する制御装置によって、印刷媒体2
の印刷率に応じて制御される。また、制御装置は、印刷媒体2の下面、即ち印刷面と反対
側の面に蒸気を供給しないときにはシャッター24で容器23の上部開口を閉塞し、蒸気
を供給するときだけシャッター24を移動して容器23の上部を開口させるようにして、
余分な蒸気の発生を抑制すると共にエネルギー損を抑制する。
図3は、本実施形態のインクジェットプリンタとそれを駆動するためのホストコンピュ
ータ60とを表している。ホストコンピュータ60は、パーソナルコンピュータやデジタ
ルスチルカメラを始め、あらゆるコンピュータシステムが適用可能である。インクジェッ
トプリンタ内には、自身を駆動するための駆動回路やセンサ出力を読込むための検出回路
が構築されており、この駆動回路や検出回路を用いてインクジェットプリンタを駆動する
、つまり印刷やクリーニング、フラッシング、印刷媒体への蒸気供給などの制御を行う。
インクジェットプリンタを駆動制御するための制御部51内には、演算処理装置として
のコンピュータシステムが内装されている。従って、制御部51は、各種制御や演算処理
を担う中央演算処理装置であるCPU52と、主記憶装置を構成するRAMや読み出し専
用の記憶装置であるROM等のメモリ53を備えている。駆動回路としては、インクジェ
ットヘッド11を駆動するインクジェットヘッド駆動回路35、高圧電源8を制御する高
圧電源制御回路36、搬送ベルト1を駆動するための搬送ベルトモータ34を駆動する搬
送ベルト駆動回路37、クリーニングユニット18を駆動するためのクリーニングユニッ
トモータ38を駆動するクリーニングユニット駆動回路39、ポンプ28を駆動するため
のポンプモータ40を駆動するポンプモータ駆動回路41、吸引ファン31を駆動するた
めのファンモータ42を駆動するファンモータ駆動回路43などを備える。また、検出回
路としては、第1及び第2光学センサ16、17により印刷媒体2の搬送異常、所謂紙ジ
ャムを検出する印刷媒体検出回路45、水位センサ29により下方容器26内の水位を検
出する水位検出回路49などを備える。また、蒸気生成装置21の発熱装置25を温度セ
ンサ71の検出温度に基づいて制御する発熱装置制御回路44なども備える。そして、制
御部51は、インタフェース46を介してホストコンピュータ60に接続されており、操
作パネル47の操作状態及びホストコンピュータ60で演算処理されるプログラムの指令
に従って印刷やクリーニング、フラッシングなどを行う。また、印刷やクリーニングに伴
う各種の情報を表示パネル48に表示する。
次に、制御部51並びに蒸気供給装置15で行われる印刷媒体2のカール防止について
説明する。始めに、印刷媒体2のカールの種類とその主原因について説明する。水系イン
クを使用するラインヘッド型インクジェットプリンタでは、インク受容層のない普通紙系
の印刷媒体2上に短時間でインク滴が吐出されるため、印刷媒体2を構成するセルロース
繊維がインクの溶媒である水を吸収して膨潤する。そのため、図4a、bに示すように印
刷直後にカールが発生する。これを排紙カールと定義する。排紙カールの度合いは、単位
面積当たりに吐出されたインク量が多いとカールの度合いが大きくなる。また、排紙カー
ルの度合いは、印刷媒体の種類にも依存する。また、印刷媒体2の印刷面全面に印刷した
場合には排紙カールは印刷媒体2全面に発生し、部分的に印刷した場合には部分的に発生
する。更に、排紙カールの向きは、普通紙系の印刷媒体の製造工程における紙漉の方向(
マシンディレクション方向とも言う)に関わっており、印刷が縦方向か横方向かには関係
していない。
この排紙カールの生じた印刷媒体を平板の上にそっと室温で放置しておくと、10秒〜
3分程度で排紙カールが収まり、平らになってくる。更に、時間が経過するにつれて、イ
ンク中の溶媒である水が蒸発していく過程で、排紙カールと反対側にカールしていき、水
分の乾燥が雰囲気とほぼ平衡状態となる24時間経過後には、図5a、bに示すように排
紙カールと反対のカールが発生する。このカールを永久カールと定義する。この永久カー
ルの発生理由は、セルロース繊維同士の相対的な位置の変化などが関与しているが、その
点については以下のように説明することができる。
即ち、印刷媒体の印刷面にインク滴が吐出され、インクが印刷媒体の印刷面に浸透する
。その浸透する深さは、吐出される単位面積当たりのインク量に依存するが、例えば印刷
媒体を64g/m2の普通紙とした場合、印刷媒体の厚さの約20〜80%程度である。
印刷媒体を主に構成するセルロース繊維は、インクの溶媒である水を吸収して膨潤し、印
刷前のセルロース繊維表面の水素結合などが解放され、セルロース繊維同士の相対的な位
置が変化する。セルロース繊維の膨潤は、セルロース繊維の長さ方向と幅方向の比が約1
:20になる。つまり、長さ方向に対して幅方向の変化が著しい。印刷媒体のセルロース
繊維の配向は概ね均等であるが、製紙の過程でマシンディレクション方向にやや配向して
いる。その結果として、マシンディレクション方向と直交するクロスマシンディレクショ
ン方向に膨潤することで、排紙カールは印刷面側にカールする。排紙カールは、印刷媒体
の厚さが薄いほど、大きい。
その後、主に印刷媒体の印刷面からインクの溶媒である水分が蒸発してセルロース繊維
の膨潤が少し低減し、排紙カールのカール量が減少する。更に、水分が蒸発するに従って
セルロース繊維の膨潤は減少し、セルロース繊維同士の相対的な位置が再度変化する。印
刷媒体に含まれる水分量は、最終的には周囲の空気に含まれる水分を平衡状態に達すると
ころで落ち着く。この乾燥過程で、セルロース繊維同士の位置は、より充填密度が高くな
るように落ち着くため、印刷前の状態より印刷面が収縮し、印刷面と反対側にカールする
。著しい永久カールでは、印刷媒体が筒状にカールし、商品価値が著しく低下する。
このようなカールが印刷媒体への蒸気(水分)の供給によって改善されるか否かを試験
で確認した。試験は、印刷媒体の一方の印刷面に印刷を行い、種々の条件で印刷媒体に新
たに水分を供給して、24時間後のカールの状態を判定した。判定は、図6に示す5段階
判定で、判定1が最も永久カールが小さく、判定5が最も永久カールが大きい。つまり、
判定の数値が大きいほど、永久カールの評価が悪い。印刷パターンは、A4サイズの印刷
媒体(64g/m2の普通紙)に対して、四縁に7mmの白い縁を残し、それ以外を所謂
黒ベタ印刷する。水分の供給方法、永久カールの判定結果について下記表1に示す。加熱
蒸気の温度は、印刷媒体の表面或いは裏面で、40〜50℃である。
Figure 0004876872
この試験から、加熱蒸気を印刷面と反対側の面に噴き付けると永久カールが改善される
。つまり、印刷媒体の印刷面と反対側の面に加熱蒸気を噴き付けて、印刷媒体の印刷面と
その反対側の面の水分の差を小さくすると、永久カールが小さくなる。ちなみに、気体の
分子量をM、気体定数をR、絶対温度をTとすると、気体の平均移動速度Vは、V=(R
T/M)1/2と表される。例えば、水蒸気の平均移動速度は、20℃で368(m/sec)、
40℃で380(m/sec)、60℃で392(m/sec)であり、水が液体で移動する速度に
比べ、気体である水蒸気の移動速度は格段に速い。また、加熱蒸気の温度を130〜15
0℃まで高くして、印刷面と反対側の面に噴き付けると、永久カールとは逆向きにカール
することなども分かった。また、試験結果は印刷媒体の搬送速度にも依存し、高速で搬送
する場合には加熱蒸気の供給量を多めにし、低速で搬送する場合には加熱蒸気の供給量を
少なめにするのがよいことも分かった。種々の試験の結果、印刷媒体の種類、印刷媒体の
搬送速度に応じて、加熱蒸気の温度や供給量を設定する必要のあることが判明した。
次に、インク滴吐出ノズル数の全ノズル数に対する比率(以下、印刷率とも記す)につ
いて説明する。まず始めに、印刷解像度や印刷媒体に応じて、所謂ベタ印刷となる基本の
インク滴を設定する。例えば、印刷解像度が縦360dpi、横360dpiであり、イ
ンク受容層のない普通紙を印刷媒体とし、インクが顔料インクである場合に、インク滴の
重量X(ng)を全ノズルから吐出したとして、印刷媒体の印刷面が全面印刷される、所
謂ベタ印刷されるインク滴重量X(ng)の最小状態を印刷率100%と定義する。例え
ば、本実施形態のように4色印刷で印刷率を100%にするには、各色の印刷率を25%
にして合計で100%としてもよいし、イエロー30%、マゼンタ20%、シアン30%
、ブラック20%で合計100%としてもよい。インク滴の大きさを制御できるインクジ
ェットヘッドにあって、例えば大型のLドットはX(ng)、中型のMドットは2X/3
(ng)、小型のSドットはX/3(ng)のように設定されている場合には、全ドット
をMドットで印刷すると印刷率は100×2/3=66.7%となり、全ドットをSドッ
トで印刷すると印刷率は100×1/3=33.3%となる。なお、許容される印刷率は
、印刷媒体やインクの種類、両面印刷をするかしないかなどによっても異なるが、片面印
刷の場合、一般的には印刷率100〜200%程度の印刷が可能である。但し、許容され
る印刷率は、印刷品質の判断によって変わるので、インクジェットプリンタによって変わ
ることもある。
この印刷率の概念を用いて、まず片面印刷で永久カールが発生する印刷率の最小値を試
験によって求めた。その結果、印刷率40%未満では凡そ永久カールは発生せず、印刷率
40%以上で凡そ永久カールが発生した。ここで、「凡そ」と表現したのは、同じ印刷率
でも、印刷媒体の全面に平均的に印刷した場合と、局所的に集中して印刷した場合とで、
永久カールの発生状態が異なるためである。そこで、下記表2に示すように、蒸気供給装
置15を用いて、片面印刷の印刷率が40%以上のときに印刷面と反対側の面に蒸気を供
給して印刷面と反対側の面との水分調整を行うことにより永久カールを防止できるように
なった。
Figure 0004876872
そこで、本実施形態では、前記制御部51によって、印刷率が40%以上の印刷面に対
し、蒸気供給装置15によって印刷面と反対側の面に蒸気を供給し、印刷面と反対側の面
との水分調整を行う。また、蒸気供給装置15内の印刷媒体搬送異常、所謂紙ジャムに対
しては、第1光学センサ16と第2光学センサ17との間の印刷媒体通過所要時間を監視
し、当該通過所要時間が所定時間以上となったら紙ジャムと判断して発熱装置25による
加熱及びファンモータ42によるファン31の回転駆動を停止する。また、水位センサ2
9で検出される下方容器26内の水位が所定値以下になると、ユーザにアラームで知らせ
、水を補給してもらう。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、インクジェットヘッド1
1からインク滴が吐出された印刷媒体2の印刷面と反対側の面に非接触状態で蒸気を供給
する蒸気供給装置15をインクジェットヘッド11の印刷媒体搬送方向下流側に設け、イ
ンクジェットヘッド11からインク滴を吐出するノズル数の全ノズル数に対する比率(印
刷率)に応じて蒸気供給装置15による印刷媒体2への蒸気の供給を制御することとした
ため、例えば印刷媒体2の印刷面とその反対側の面との水分の差が少なくなるように蒸気
の供給を制御するものとし、インク滴を吐出するノズル数の全ノズル数に対する比率が所
定比率、この場合は40%以上のときに、即ち一枚の印刷媒体に吐出されるインクの量が
多いときに非接触の蒸気供給装置15によって印刷媒体2に蒸気を供給するようにすれば
、搬送不良を生じることなく、エネルギーの消費量を抑制しながら印刷媒体2のカールを
防止することが可能となる。
また、インクジェットヘッド11からインク滴が吐出された印刷媒体2の印刷面とその
反対側の面の水分の差が小さくなるように蒸気供給装置15による印刷媒体2への蒸気の
供給を制御することとしたため、印刷媒体2のカールを効果的に防止することができる。
また、インクジェットヘッド11からインク滴が吐出された印刷媒体2の印刷面と反対
側で蒸気を生成すると共に、印刷媒体2の印刷面側から空気を吸引して当該印刷面の反対
側から当該印刷面側に向けて蒸気の流れを生成することとしたため、印刷媒体2の印刷面
側と反対側で生成された蒸気は当該印刷媒体2の印刷面と反対側の面に積極的に付着され
、その結果、印刷媒体2の印刷面とその反対側の面の水分の差が効果的に小さくなる。
また、貯留された水を加熱して蒸気を生成することとしたため、装置構成が容易になり
、発明を実施化し易い。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態について説明する。本実施形態
のインクジェットプリンタの概略構成は、前記第1実施形態の図1のインクジェットプリ
ンタとほぼ同様であり、当該図1のインクジェットプリンタの蒸気供給装置15だけが異
なっている。図7には、本実施形態のインクジェットプリンタの蒸気供給装置15の全体
構成を示す。本実施形態でも、印刷媒体2の印刷面側が蒸気生成装置21、その反対側が
吸引装置22であることに変わりはない。また、吸引装置22の構成は、図2の第1実施
形態のものと同様である。本実施形態の蒸気生成装置21も、図2の第1実施形態のもの
に類似しており、同等の構成要素には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。
また、配管27から下方容器26、ポンプ28、水位センサ29の部分も、図2の第1実
施形態と同様である。
本実施形態では、発熱装置25が容器23の底部の下方から側壁部の外側に変更され、
温度センサ71も容器23の底部から側壁部に変更されている。そして、本実施形態では
、容器23の底部の下方に、例えば厚み振動タイプの圧電セラミックスなどからなる高周
波振動装置32が配設され、更に、その振動装置32を振動させるための発振器73、増
幅器74が設けられている。この振動装置32は、容器23内に貯留されている水を高周
波で振動して霧化するものであり、この霧化された水が発熱装置25で加熱されて蒸気に
なる。蒸気が印刷媒体2の印刷面と反対側の面に付着する過程は前記第1実施形態と同様
である。霧化される水の粒径は、振動周波数が高いほど小さくなる。また、振動装置32
の振動周波数を共振周波数とすることにより大きな振幅が得られる。従って、この共振周
波数を1〜3MHz程度に設定すると、霧化される水の粒径は数μm〜10数μmとなり
、印刷媒体2に対してむらなく付着する。なお、本実施形態では、比較的短時間に蒸気を
生成したり、その生成を停止したりすることができるので、図2の第1実施形態のシャッ
ターは除去されている。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態の効果
に加えて、貯留された水を振動して霧化し、加熱して蒸気を生成することとしたため、装
置構成が容易になり、発明を実施化し易いと共に、蒸気を印刷媒体2の印刷面と反対側の
面にむらなく付着させることができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態について説明する。本実施形態
のインクジェットプリンタの概略構成は、前記第1実施形態の図1のインクジェットプリ
ンタとほぼ同様であり、当該図1のインクジェットプリンタの蒸気供給装置15だけが異
なっている。図8には、本実施形態のインクジェットプリンタの蒸気供給装置15の全体
構成を示す。本実施形態でも、印刷媒体2の印刷面側が蒸気生成装置21、その反対側が
吸引装置22であることに変わりはない。また、吸引装置22の構成は、図2の第1実施
形態のものと同様である。本実施形態の蒸気生成装置21も、図2の第1実施形態のもの
に類似しており、同等の構成要素には同等の符号を附して、その詳細な説明を省略する。
また、配管27から下方容器26、ポンプ28、水位センサ29の部分も、図2の第1実
施形態と同様である。
本実施形態でも、発熱装置25は容器23の底部の下方に配設され、温度センサ71は
容器23の底部に配設されているが、容器23内には水が貯留されていない。従って、容
器23の底部は、温度センサ71で検出される温度が200℃程度の所定温度になるまで
、発熱装置25によって高温に加熱されている。そして、本実施形態では、配管27の容
器23内先端部が当該容器23の中央付近まで延長され、その先端部下方に水滴下用の開
口部が設けられている。従って、容器23の底部が発熱装置25によって加熱されている
状態で、下方容器26からポンプ28によって水を汲み上げ、その一部を配管27から容
器23の底部に滴下すると、水滴は急激に加熱されて蒸気となる。蒸気が印刷媒体2の印
刷面と反対側の面に付着する過程は前記第1実施形態と同様である。ちなみに、本実施形
態では、滴下する水の量を制御することにより、発生する蒸気の量を調整することも可能
である。また、本実施形態では、比較的短時間に蒸気を生成したり、その生成を停止した
りすることができるので、図2の第1実施形態のシャッターは除去されている。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1及び第2実施形
態の効果に加えて、加熱された加熱体に水を滴下して蒸気を生成することとしたため、装
置構成が容易になり、発明を実施化し易いと共に、短時間に多量の蒸気を生成することが
可能となる。
図9は、前記図8の第3実施形態の変形例であり、下方容器26の底部の下方に発熱装
置75を配設し、下方容器26の底部に温度センサ76を配設したものであり、制御装置
により、温度センサ76で検出される温度が30〜50℃程度の所定温度になるように発
熱装置75で下方容器26内に貯留されている水を加熱する。この発熱装置75は、下方
容器26内に貯留されている水を加熱することによりカビの発生を抑制防止するものであ
る。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1乃至第3実施形
態の効果に加えて、個別に貯留された水を加熱してカビの発生を防止するカビ防止手段を
備えたことにより、長期の使用でも装置を汚損することがない。
なお、前記各実施形態では所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本
発明のインクジェットプリンタを適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジ
ェットプリンタは、マルチパス型プリンタを始めとして、水系のインクを用いる、あらゆ
るタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態の概略構成を示す正面図である。 図1の蒸気供給装置の構成を示す正面図である。 図1のインクジェットプリンタのブロック図である。 排紙カールを示すものであり、(a)はカール量の小さい状態の説明図、(b)はカール量の大きい状態の説明図である。 永久カールを示すものであり、(a)はカール量の小さい状態の説明図、(b)はカール量の大きい状態の説明図である。 永久カールの判定基準の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態として蒸気供給装置の構成を示す正面図である。 本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態として蒸気供給装置の構成を示す正面図である。 本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態の変形例として蒸気供給装置の構成を示す正面図である。
符号の説明
1は搬送ベルト、2は印刷媒体、3は駆動ローラ、4は従動ローラ、5はテンションロ
ーラ、6はベルトクリーナ、7は帯電ローラ、8は高圧電源、9は紙押えローラ、10は
給紙部、11はインクジェットヘッド、12はインクカートリッジ、13は排紙ローラ、
14は排紙部、15は蒸気供給装置、16は第1光学センサ、17は第2光学センサ、1
8はクリーニングユニット、21は蒸気生成装置、22は吸引装置、23は容器、24は
シャッター、25は発熱装置、26は下方容器、27は配管、28はポンプ、29は水位
センサ、30はフード、31はファン、32は振動装置、51は制御部、71は温度セン
サ、73は発振器、74は増幅器、75は発熱装置、76は温度センサ

Claims (7)

  1. 印刷媒体を所定方向に搬送すると共に、
    搬送される印刷媒体の印刷面にインクジェットヘッドのノズルから水系のインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、
    前記インクジェットヘッドの印刷媒体搬送方向下流側に設けられ且つインクジェットヘッドからインク滴が吐出された印刷媒体の印刷面と反対側の面に非接触状態で蒸気を供給する蒸気供給手段と、
    前記蒸気供給手段は、インクジェットヘッドからインク滴が吐出された印刷媒体の印刷面と反対側で蒸気を生成する蒸気生成手段と、
    印刷媒体の印刷面側から空気を吸引する吸引手段と
    を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. インクジェットヘッドの全ノズル数に対するインク滴を吐出するノズル数の比率に応じて前記蒸気供給手段による印刷媒体への蒸気の供給を制御する蒸気供給制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記蒸気供給制御手段は、インクジェットヘッドからインク滴が吐出された印刷媒体の印刷面とその反対側の面の水分の差が小さくなるように前記蒸気供給手段による印刷媒体への蒸気の供給を制御するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記蒸気生成手段は、貯留された水を加熱して蒸気を生成するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記蒸気生成手段は、貯留された水を振動して霧化し、加熱して蒸気を生成するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記蒸気生成手段は、加熱された加熱体に水を滴下して蒸気を生成するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記蒸気生成手段は、個別に貯留された水を加熱してカビの発生を防止するカビ防止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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