JP4876809B2 - ロック装置及びこれを備えた操舵装置 - Google Patents

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Description

この発明は、二つの部材の相対的な移動を規制するロック状態と、この移動を許容するロック解除状態とに切り換えることができるロック装置、及びこれを備えた操舵装置に関する。
二つの部材の相対的な移動を規制するロック状態と、その移動を許容するロック解除状態とに切り換えることができるロック装置を備えているものとして、例えば自動車におけるチルト機構やテレスコ機構を有した操舵装置がある。この操舵装置は、車体側に固定した固定ブラケットと、ステアリングシャフトを支持し固定ブラケットに対して移動可能となるコラムと、固定ブラケットに対してコラムをロック状態とロック解除状態とに切り換えるロック装置とを備えている。例えば、特許文献1のように、従来のロック装置を備えた操舵装置は、図6(a)に示しているように、固定ブラケット側に設けたラック歯41とコラム側に設けた固定用歯42とを噛合させることによって、ロック状態を得ている。
この従来のロック装置は、操作レバー(図示せず)の切り換え操作により、固定用歯42をラック歯41に対して接近又は離反させることができる。そして、図6(b)に示しているように、ラック歯41と固定用歯42とが引っ掛かることなく固定用歯42をラック歯41から完全に離反させた状態をロック解除状態としており、この状態でコラムが固定ブラケットに対して図の左右方向へ移動可能となる。そして、ロック状態とすべく固定用歯42をラック歯41に接近させて噛合させることでロック状態(図6(a)の状態)を得ている。この状態でコラムが固定ブラケットに対して移動不可能となる。
特開2004−268841号公報
しかし従来のロック装置の場合、コラムを移動させて位置調整した後に、図6(c)に示しているように、コラム側の固定用歯42を固定ブラケット側のラック歯41に接近させて噛合させる際に、両歯の山部の頂部41a,42a同士が当接してしまい、ラック歯41と固定用歯42との噛合いが行えず、ロック状態を得ることができない場合がある。
そこでこの発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、確実にロック状態にできるロック装置、及びこれを備えた操舵装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明のロック装置は、一方向に並んだ複数の歯から成るラック歯を有しているベース部材と、前記ラック歯に噛合する固定用歯を有し前記ベース部材に接離可能であると共に前記一方向について当該ベース部材との間で相対的に移動可能である噛合部材と、前記噛合部材を前記ベース部材に対して接離させることで、前記噛合部材を、前記ラック歯と前記固定用歯とが噛合するロック位置と、前記ラック歯の山部と前記固定用歯の山部とが頂部においてのみ掛かり代を有するロック解除位置とに切り換える切換手段と、を備え、前記切換手段は、前記噛合部材が前記ロック位置で圧縮状態となり、前記噛合部材が前記ロック解除位置で自由状態になると共に自由状態から伸張して弾性復元力が生じることで当該噛合部材を当該ロック解除位置に復帰させるばね部材と、前記噛合部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置とに切り換えると共に、前記噛合部材を前記ロック位置に維持することができる動作手段と、を有していることを特徴としている。
これによれば、切換手段が噛合部材をロック位置とすることにより、噛合部材の固定用歯とベース部材のラック歯とが噛合する。これにより、噛合部材とベース部材との間で移動が規制される(ロック状態)。
一方、切換手段が噛合部材をロック解除位置とすることにより、ラック歯の山部と固定用歯の山部とは頂部においてのみ掛かり代を有する状態になる。両ラック歯の掛かり代は頂部のみにあるため、固定用歯の山部がラック歯の山部を強制的に乗り越えることで噛合部材とベース部材とを前記一方向について相対的に移動させることが可能となる(ロック解除状態)。そして、このロック解除状態では、ラック歯の山部と固定用歯の山部とが頂部においてのみ掛かり代を有している状態にあるため、ロック状態とすべくラック歯と固定用歯とを接近させて噛合させる際、両歯の山部の頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。なお、前記掛かり代とは、ラック歯の山部と固定用歯の山部との歯の高さ方向におけるラップ量である。
また、上記ロック装置によれば、噛合部材がロック位置にあるとばね部材が圧縮状態となり、動作手段がこの状態を維持できる。そして、噛合部材がロック解除位置にあるとばね部材が自由状態となり、さらに、このばね部材が自由状態から伸張すると弾性復元力により噛合部材をロック解除位置に復帰させることができる。つまり、噛合部材がばね部材の弾性力に抗してベース部材からさらに離反しても、前記弾性復元力により噛合部材はロック解除位置に戻される。
したがって、ばね部材を自由状態からさらに伸張させ、ロック解除位置の噛合部材をベース部材からさらに離反させることにより、固定用歯の山部がラック歯の山部を乗り越えることができるため、噛合部材とベース部材とを前記一方向について相対的に移動させることが可能となる。そして、固定用歯の山部がラック歯の山部を乗り越えた後は、ばね部材の弾性復元力により噛合部材をロック解除位置に戻し、ロック解除位置に維持することができ、山部の頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。
さらに、前記ロック装置において、前記ラック歯及び前記固定用歯の少なくとも表面が樹脂製であるのが好ましい。
これによれば、ロック解除状態において、噛合部材とベース部材とを相対的に移動させるために、固定用歯の山部がラック歯の山部を乗り越える際、両歯の山部同士が接触することで生じる音、操作感を和らげることができる。
前記目的を達成するためのこの発明の操舵装置は、車体側に固定される固定ブラケットと、ステアリングシャフトを支持し前記固定ブラケットに対して移動可能となるコラムと、前記固定ブラケットに対する前記コラムの移動を規制するロック状態と、前記固定ブラケットに対する前記コラムの移動を許容するロック解除状態とに切り換えるロック装置とを備え、このロック装置が前記ロック装置であり、前記固定ブラケットと前記コラムとの内の一方に前記ロック装置の前記ベース部材が固定され、その他方と前記ロック装置の前記噛合部材とが前記コラムの移動方向について固定状態にある。
この操舵装置によれば、ロック装置において、切換手段が噛合部材をロック位置とすることにより、噛合部材の固定用歯とベース部材のラック歯とが噛合する。これにより、噛合部材とベース部材との間で移動が規制され、固定ブラケットに対するコラムの移動が規制される(ロック状態)。
一方、切換手段が噛合部材をロック解除位置とすることにより、ラック歯の山部と固定用歯の山部とは頂部においてのみ掛かり代を有する状態になる。両ラック歯の掛かり代は頂部のみにあるため、固定用歯の山部がラック歯の山部を強制的に乗り越えることで噛合部材とベース部材とをコラムの移動方向について相対的に移動させることが可能となり、固定ブラケットに対するコラムの移動が許容される(ロック解除状態)。そして、このロック解除状態では、ラック歯の山部と固定用歯の山部とが頂部においてのみ掛かり代を有している状態にあるため、ロック状態とすべくラック歯と固定用歯とを接近させて噛合させる際、両歯の山部の頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。これにより、ロック装置をロック解除状態としてコラムを固定ブラケットに対して移動させ位置調整した後に、当該ロック装置を確実にロック状態に復帰させることができる。
この発明によれば、ロック解除状態では、ラック歯の山部と固定用歯の山部とが頂部においてのみ掛かり代を有している状態になるため、ロック状態とすべくラック歯と固定用歯とを接近させて噛合させる際、両歯の山部の頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。これにより、ロック装置においてロック解除状態からロック状態へ確実に切り換えることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はロック装置を備えた自動車の操舵装置の要部を示している側面図であり、図2はこの操舵装置の断面図であり、図3はこの操舵装置の要部を示す断面図である。この操舵装置は、ステアリングシャフト31を回転可能に支持しているコラム1と、車体側に固定される固定ブラケット2とを備えており、コラム1が固定ブラケット2に対して移動可能として取り付けられている。つまり、操舵装置はチルト・テレスコ機構を備えており、コラム1は固定ブラケット2に対して高さ方向(図1の矢印A方向:チルト方向)について移動可能であると共に、ステアリングシャフト31の軸線C方向(図1の矢印B方向:テレスコ方向)について移動可能である。
そして、この操舵装置はロック装置10を備えており、このロック装置10によって、固定ブラケット2に対するコラム1の前記移動を規制するロック状態と、この移動を許容するロック解除状態とに切り換えることができる。これにより、ロック解除状態でコラム1を移動させて位置調整を行い、調整した位置でロック状態とすることにより、コラム1は固定ブラケット2に固定される。なお、図2と図3とはロック状態を示しており、図4と図5とはロック解除状態を示している。
図1と図2において、コラム1は、筒状の本体部1aと、この本体部1aの一部に固定した断面U字形のブラケット1bとを有している。このブラケット1bは、左右の側壁部材19a,19bと、これらを下部で繋ぐ下壁部材20とを有している。また、車体側に固定される固定ブラケット2は、断面略逆U字形のブラケット本体2aを有しており、このブラケット本体2aは、左右の側壁部材21a,21bと、これらを上部で繋ぐ上壁部材22とを有している。そして、これら左右の側壁部材21a,21bの間に、コラム1のブラケット1bが設けられている。なお、この発明において、左右方向とはステアリングシャフト31(コラム1)の軸線Cに直交する水平方向である。
固定ブラケット2が有するブラケット本体2aにおける一方側の側壁部材21aには、第一ベース部材3が取り付けられている。この第一ベース部材3には高さ方向に長い長孔17aが形成されている。この長孔17aの長手方向はコラム1のチルト方向と一致している。また、ブラケット本体2aにおける他方側の側壁部材21bには、高さ方向に長く前記長孔17aに対向する長孔17bが設けられている。
また、コラム1が有するブラケット1bにおける一方側の側壁部材19aには、第二ベース部材13が取り付けられており、この第二ベース部材13には軸線Cに平行な方向に長い長孔18aが形成されている。この長孔18aの長手方向はコラム1のテレスコ方向と一致している(テレスコ方向と平行である)。また、ブラケット1bにおける他方側の側壁部材19bには、軸線Cに平行な方向に長く前記長孔18aに対向する長孔18bが設けられている。
そして、コラム1のブラケット1b、及び固定ブラケット2のブラケット本体2aに、左右方向に長いシャフト11が挿通している。このシャフト11は前記長孔17a,17b及び長孔18a,18bを挿通しており、シャフト11はその軸線方向に移動可能である。そして、軸線Cに平行な方向に長い前記長孔18a,18bにシャフト11を沿わせながら、これら長孔18a,18bのあるコラム1側を移動させることで、当該コラム1は固定ブラケット2に対してテレスコ方向(図1の矢印B方向)に移動できる。また、上下方向に長い前記長孔17a,17bに沿ってシャフト11をコラム1と共に移動させることで、コラム1は固定ブラケット2に対してチルト方向(図1の矢印A方向)に移動できる。
そして、この操舵装置が備えているロック装置10は、固定ブラケット2に対するコラム1の前記二方向(チルト方向及びテレスコ方向)の移動を同時に規制するロック状態と、この二方向の移動を同時に許容するロック解除状態とに切り換えることができる。ロック装置10は、前記第一ベース部材3と、前記第二ベース部材13と、前記シャフト11に取り付けられている噛合部材4と、この噛合部材4をロック位置とロック解除位置とに切り換える切換手段7とを有している。
図示している形態では、噛合部材4は第一部材4aと第二部材4bとから成る。シャフト11が第一部材4aと第二部材4bとを挿通しており、第一部材4aと第二部材4bとは一体となってシャフト11に沿って移動できる。そして、図2と図4とに示しているように、第一部材4a及び第二部材4bは、第一ベース部材3及び第二ベース部材13に対して接離又は離反可能となる配置にある。また、シャフト11の端部にはフランジ板12が取り付けられている。フランジ板12は止め部材14によりシャフト11に固定されており、フランジ板12はシャフト11と一体として移動可能である。
図1と図3と図5において、前記第一ベース部材3は、コラム1の第一の移動方向であるチルト方向に並んだ複数の歯から成る第一ラック歯5を有している。第二ベース部材13は、コラム1の第二の移動方向であるテレスコ方向に並んだ複数の歯から成る第二ラック歯15を有している。そして、図3と図5において、噛合部材4の第一部材4aは、第一ラック歯5に噛合する第一固定用歯6を有しており、第二部材4bは、第二ラック歯15に噛合する第二固定用歯16を有している。第一固定用歯6は、噛合する第一ラック歯5と同様にチルト方向に並んだ複数の歯から成り、第二固定用歯16は、噛合する第二ラック歯15と同様にテレスコ方向に並んだ複数の歯から成る。
そして、第一ラック歯5と第一固定用歯6とが噛合すると、第二ラック歯15と第二固定用歯16とが噛合する。これらが噛合した状態となる噛合部材4の位置をロック位置としている。一方、両歯同士が所定の距離について離れた状態となる噛合部材4の位置をロック解除状態としている。
切換手段7はばね部材としてのコイルばね8と、噛合部材4をロック位置とロック解除位置とに切り換えさせる動作手段9とを有している。コイルばね8にシャフト11が挿通している状態で、コイルばね8は、第二ベース部材13と噛合部材4(第二部材4b)との間に設けられている。このコイルばね8はその一端部において第二ベース部材13に固定され、他端部において噛合部材4(第二部材4b)に固定されている。噛合部材4がロック位置で、コイルばね8は圧縮状態にあり、噛合部材4がロック解除位置で、コイルバネ8は伸び縮みの無い自由状態にある。
図1と図2と図4とに示しているように、動作手段9は、操作レバー23と、この操作レバー23の回動に連動する切換部24とを有している。操作レバー23は、シャフト11に対して固定状態にあり当該シャフト11をその軸線回りに回動させることができる。切換部24は、操作レバー23及びシャフト11と一体に回動する第一カム部材24aと、この第1カム部材24aに対向して設けられた第二カム部材24bとを有している。第二カム部材24bにはシャフト11が挿通しており、シャフト11は第二カム部材24bに対して回動自在である。なお、第二カム部材24bはシャフト11の軸線方向の移動について規制されている。さらに、第二カム部材24bはその一部において長孔17b及び長孔18bを挿通しており、かつ、第二カム部材24bは長孔17bにおいて回り止めされている。また、第二カム部材24bは、当該長孔17bに沿ってシャフト11及びコラム1と共にチルト方向に移動可能であり、さらに、長孔18bに第二カム部材24bの前記一部を沿わせて、当該長孔18bがあるコラム1側はテレスコ方向に移動可能である。
また、操作レバー23を往復回動操作することで、第一カム部材24aを回動させ、第一カム部材24aが第二カム部材24bに対して離反したままの状態(図2)と、第一カム部材24aが第二カム部材24bに接近したままの状態(図4)とに切換え可能である。すなわち、図2に示しているように、第一カム部材24aと第2カム部材24bとの凸面同士を当接させることにより第一カム部材24aと第2カム部材24bとを離反させることができる。これにより、第一カム部材24aと固定状態にあるシャフト11を軸線方向の左側へ移動させることができる。また、図4に示しているように、図2の状態から操作レバー23を略90°回動させて凸面同士の当接を解除することにより、第一カム部材24aを第二カム部材24bに接近させることができる。これにより、第一カム部材24aと固定状態にあるシャフト11は軸線方向右側へ移動することができる。
このように、前記動作手段9の働きによりシャフト11をその軸線方向の左側へ移動させると(図2の状態)、前記フランジ板12は噛合部材4の第一部材4a及び第二部材4bを押圧し、コイルばね8を圧縮しながら噛合部材4の第一部材4a及び第二部材4bを第一ベース部材3及び第二ベース部材13に接近させ、第一部材4a及び第二部材4bの第一固定用歯6及び第二固定用歯16を、第一ベース部材3及び第二ベース部材13の第一ラック歯5及び第二ラック歯15に噛合させたロック状態とできる。つまり、噛合部材4の位置をロック位置とできる。なお、前記動作手段9において、図2に示しているように、第一カム部材24aと第2カム部材24bとの凸面同士を当接させて相互を離反させた状態に維持することで、圧縮状態にあるコイルばね8の弾性復元力に抗して、噛合部材4をロック位置に維持することができる。
このように、噛合部材4をロック位置とすることにより、第一ラック歯5と第一固定用歯6とが噛合する。これにより、第一ラック歯5のある第一ベース部材3と、第一固定用歯6のある第一部材4aとの間でチルト方向の移動が規制され、固定ブラケット2に対するコラム1のチルト方向の移動が規制されたロック状態となる。これと同時に、噛合部材4をロック位置とすることにより、第二ラック歯15と第二固定用歯16とが噛合する。これにより、第二ラック歯5のある第二ベース部材13と、第二固定用歯のある第二部材4bとの間でテレスコ方向の移動が規制され、固定ブラケット2に対するコラム1のテレスコ方向の移動が規制されたロック状態となる。
一方、前記動作手段9の働きにより、シャフト11がその軸線方向の右側へ移動可能となることで、圧縮状態にあったコイルばね8が自由状態に戻るように伸張し、噛合部材4及びフランジ板12を押圧する。このコイルばね8の弾性復元力により噛合部材4は第一ベース部材3及び第二ベース部材13から離反した状態となる。つまり、噛合部材4の位置をロック解除位置とできる。この際、コイルばね8が自由状態となるまで噛合部材4は離反する。つまり、このコイルばね8は、噛合部材4がロック位置で圧縮状態となり、噛合部材4がロック解除位置で自由状態となるばね長さを有している。
以上のように、前記切換手段7の働きにより、噛合部材4をロック位置とすることでロック装置10においてロック状態が得られ、ロック解除位置とすることでロック解除状態を得ることができる。
さらに、前記動作手段9における第一カム部材24aの第二カム部材24bに対する移動ストローク、つまり、シャフト11及びフランジ板12の軸方向の移動量は、前記コイルばね8の伸張量(自由状態でのコイルばね8の長さと圧縮状態でのコイルばね8の長さとの差)よりも大きく設定されている。したがって、フランジ板12は噛合部材4(第一部材4a)から離れる方向へさらに右へ移動することとなり、図5に示しているように、噛合部材4がロック解除位置にある状態では、フランジ部材12と噛合部材4(第一部材4a)との間に隙間gが生じる。
そして、図5に示しているように、噛合部材4がロック解除位置となった状態では、第一ラック歯5の山部5aと第一固定用歯6の山部6aとが頂部においてのみ掛かり代r1を有し、第二ラック歯15の山部15aと第二固定用歯16の山部16aとが頂部においてのみ掛かり代r2を有している状態となる。つまり、第一ラック歯5の山部5aと第一固定用歯6の山部6aとが完全に離れた状態ではなく、第一ラック歯5の山部5aと第一固定用歯6の山部6aとが、歯の高さ方向について掛かり代r1の寸法だけラップしており、コラム1をチルト方向に移動させると山部5aと山部6aとが頂部においてのみ接触する位置関係となる。
また、このロック解除位置となった状態では、同様に、第二ラック歯15の山部15aと第二固定用歯16の山部16aとが完全に離れた状態ではなく、第二ラック歯15の山部15aと第二固定用歯16の山部16aとが、歯の高さ方向において掛かり代r2の寸法だけラップしており、コラム1をテレスコ方向に移動させると山部15aと山部16aとが頂部においてのみ接触する位置関係となる。
すなわち、この発明では自由状態でのコイルばね8の長さを、ラック歯と固定用歯とが引っ掛かることなく固定用歯をラック歯から完全に離反させた状態をロック解除状態とする構成よりも、短くしている。
また、噛合部材4がロック解除位置にある状態で、コイルばね8は自由状態にあり、このコイルばね8が自由状態からさらに伸張して弾性復元力が生じることによって、当該コイルばね8に固定の噛合部材4はロック解除位置に戻される。つまり、噛合部材4が当該コイルばね8の弾性力に抗して第一ベース部材3からさらに離反しても、弾性復元力により噛合部材4はロック解除位置に戻される。そして、噛合部材4がロック解除位置にある状態で、第一ラック歯5と第一固定用歯6とは頂部のみに小さな掛かり代r1があるため、自由状態のコイルばね8を伸張させることにより、噛合部材4を第一ベース部材3からさらに離反させ、第一固定用歯6の山部6aが第一ラック歯5の山部5aを強制的に乗り越えることで噛合部材4を第一ベース部材3に対してチルト方向に移動させることが可能となり、この噛合部材4と共にシャフト11及びコラム1が固定ブラケット2に対してチルト方向に移動することができる。第一固定用歯6が第一ラック歯5を乗り越えることで、噛合部材4が第一ベース部材3から離れても、コイルばね8によって、噛合部材4は所定のロック解除位置に戻される。なお、自由状態のコイルばね8を伸張させる際、噛合部材4をシャフト11に沿って図5において右側へ移動させる必要があるが、フランジ板12との間に形成されている隙間g内において、噛合部材4を移動させることができる。つまり、この隙間gは、掛かり代r1及び掛かり代r2の双方よりも大きく設定されている。
また、噛合部材4がロック解除位置にある状態で、第二ラック歯15と第二固定用歯16とは頂部のみに小さな掛かり代r2があるため、自由状態のコイルばね8を伸張させることにより、噛合部材4を第二ベース部材13からさらに離反させ、第二固定用歯16の山部16aが第二ラック歯15の山部15aを強制的に乗り越えることで第二ベース部材13を噛合部材4に対してテレスコ方向に移動させることが可能となり、この第二ベース部材13と共にコラム1が固定ブラケット2に対してテレスコ方向に移動することができる。第二固定用歯16が第二ラック歯15を乗り越えることで、噛合部材4が第二ベース部材13から離れても、コイルばね8によって、噛合部材4は所定のロック解除位置に戻される。
また、この発明において、第一固定用歯6の山部6aが第一ラック歯5の山部5aを乗り越え、また、第二固定用歯16の山部16aが第二ラック歯15の山部15aを乗り越えるために、第一ラック歯5及び第一固定用歯6、並びに第二ラック歯15及び第二固定用歯16において、歯のピッチを大きく設定したり、歯の圧力角を大きく設定したりするのが好ましい。また、歯の形状は角部に丸みを持たせたものが好ましく、図3と図5とに示しているように波形とするのが好ましい。これにより、チルト方向又はテレスコ方向に小さな力をコラム1に作用させることで、固定用歯はラック歯を容易に乗り越えることができる。
また、第一ラック歯5及び第一固定用歯6、並びに第二ラック歯15及び第二固定用歯16の少なくとも表面を樹脂製としている。つまり、これら歯のそれぞれにおいて歯たけ全部、さらにはベース部材3,13及び噛合部材4を樹脂製としてもよく、または歯の表面のみを樹脂製としてもよい。これにより、ロック解除状態において、第一固定用歯6の山部6aと第一ラック歯5の山部5aとを頂部において接触させながら、コラム1を移動させた際や、第二固定用歯16の山部16aと第二ラック歯15の山部15aとを接触させながら、コラム1を移動させた際に生じる音、操作感を和らげることができる。すなわち、金属接触による金属音よりも小さくでき、樹脂同士の接触による柔らかな音とすることができる。
そして、この発明によれば、第一と第二の固定用歯6,16の山部6a,16aが第一と第二のラック歯5,15の山部5a,15aを乗り越えた後は、コイルばね8に弾性復元力が生じることで噛合部材4をロック解除位置に復帰させることができる。したがって、このロック解除状態では、第一ラック歯5の山部5aと第一固定用歯6の山部6aとが頂部においてのみ掛かり代r1を有している状態に維持されるため、ロック状態とすべく第一ラック歯5と第一固定用歯6とを接近させて噛合させる際、両歯5,6の山部5a,6aの頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。
また、同様に、第二ラック歯15の山部15aと第二固定用歯16の山部16aとが頂部においてのみ掛かり代r2を有している状態に維持されるため、ロック状態とすべく第二ラック歯15と第二固定用歯16とを接近させて噛合させる際、両歯15,16の山部15a,16aの頂部同士が当接してロック不能となることを防止できる。これにより、ロック装置10をロック解除状態としてコラム1を固定ブラケット2に対してチルト方向及びテレスコ方向に移動させ、位置調整した後に、ロック装置10を確実にロック状態に復帰させることができる。
また、本発明のロック装置は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、前記実施の形態では、噛合部材4は、第一部材4aと、これとは別体である第二部材4bとを有している構成としたが、両部材を一体としてもよい。また、コイルばね8の両端をそれぞれ第二ベース部材13と噛合部材4の第二部材4bとに固定した形態を説明したが、これ以外として、コイルばね8の端部をこれらに固定せず、前記隙間g(図5参照)にさらに別のばね部材(図示せず)を設けてもよい。このばね部材は、ロック解除状態において、第一固定用歯6の山部6aが第一ラック歯5の山部5aを乗り越える際、また、第二固定用歯16の山部16aが第二ラック歯15の山部15aを乗り越える際に、噛合部材4をフランジ板12から離反させる方向へ付勢し、噛合部材4を所定のロック解除位置に復帰させるためのものである。このばね部材により、ロック解除状態において、第一固定用歯6の山部6aが第一ラック歯5の山部5aから完全に離れることを防止して、掛かり代r1を維持し、また、第二固定用歯16の山部16aが第二ラック歯15の山部15aから完全に離れることを防止して、掛かり代r2を維持することができる。
この発明のロック装置を備えた操舵装置の要部を示している側面図である。 ロック装置を備えた操舵装置の断面図であり、ロック状態を示している。 ロック装置を備えた操舵装置の要部を示す断面図であり、ロック状態を示している。 ロック装置を備えた操舵装置の断面図であり、ロック解除状態を示している。 ロック装置を備えた操舵装置の要部を示す断面図であり、ロック解除状態を示している。 従来のロック装置を説明する説明図である。
符号の説明
1 コラム
2 固定ブラケット
3 第一ベース部材
4 噛合部材
5 第一ラック歯
6 第一固定用歯
7 切換手段
8 ばね部材
9 動作手段
10 ロック装置
31 ステアリングシャフト

Claims (3)

  1. 一方向に並んだ複数の歯から成るラック歯を有しているベース部材と、
    前記ラック歯に噛合する固定用歯を有し前記ベース部材に接離可能であると共に前記一方向について当該ベース部材との間で相対的に移動可能である噛合部材と、
    前記噛合部材を前記ベース部材に対して接離させることで、前記噛合部材を、前記ラック歯と前記固定用歯とが噛合するロック位置と、前記ラック歯の山部と前記固定用歯の山部とが頂部においてのみ掛かり代を有するロック解除位置とに切り換える切換手段と、
    を備え
    前記切換手段は、
    前記噛合部材が前記ロック位置で圧縮状態となり、前記噛合部材が前記ロック解除位置で自由状態になると共に自由状態から伸張して弾性復元力が生じることで当該噛合部材を当該ロック解除位置に復帰させるばね部材と、
    前記噛合部材を前記ロック位置と前記ロック解除位置とに切り換えると共に、前記噛合部材を前記ロック位置に維持することができる動作手段と、
    を有していることを特徴とするロック装置。
  2. 前記ラック歯及び前記固定用歯の少なくとも表面が樹脂製である請求項1に記載のロック装置。
  3. 車体側に固定される固定ブラケットと、
    ステアリングシャフトを支持し前記固定ブラケットに対して移動可能となるコラムと、
    前記固定ブラケットに対する前記コラムの移動を規制するロック状態と、前記固定ブラケットに対する前記コラムの移動を許容するロック解除状態とに切り換えるロック装置と、を備え、
    前記ロック装置が、請求項1又は2に記載のロック装置であり、
    前記固定ブラケットと前記コラムとの内の一方に前記ロック装置の前記ベース部材が固定され、その他方と前記ロック装置の前記噛合部材とが前記コラムの移動方向について固定状態にあることを特徴とする操舵装置。
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