JP4212936B2 - エネルギー吸収式ステアリングコラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の操舵装置に用いられるステアリングコラムに関し、特に、2次衝突時の衝撃吸収性能の改良を図ったエネルギー吸収式ステアリングコラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の操舵装置におけるステアリングコラムは、車両衝突事故時に、乗員がステアリングホイールに衝突して負傷する2次的事故を防止するためにステアリングコラムが軸方向へ収縮する構造が採用されている。また、乗員の安全運転を確保するためにステアリングホイールの位置を運転乗員の最適位置に調節できるように、ステアリングホイールがステアリングコラムの軸方向へ伸縮可能なテレスコピック機構、及び所定の軸を支点として上下方向へ回動してチルト位置調節可能なチルト機構が採用されている。
【0003】
この伸縮自在のステアリングコラムとして、例えば、特許文献1においては、ステアリングコラムのチルト位置保持手段とテレスコピック位置保持手段とが一体化された構造を有しており、2次衝突の際には、ステアリングコラムが車体から離落すると共に、ステアリングコラムに設けられたカーリングプレートが引き裂かれて衝撃エネルギーの吸収を行うというエネルギー吸収式のステアリングコラムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2584258号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記エネルギー吸収式ステアリングコラムは、2重コラム式のエネルギー吸収を兼ね備えたテレスコピック機構であり、ステアリングコラムのコラプスと、テレスコピック運動が何れもアウターコラムとインナーコラム間の相対運動により行われる。したがって、スムーズな衝撃吸収をさせるためにテレスコピック位置保持力を小さくすると、チルト位置保持力もそれに伴って小さくなるため、2次衝突の際に、ステアリングコラムがチルト位置保持力に打ち勝ってはね上がり、衝撃エネルギーが吸収されないことがある。
【0006】
そこで、この問題を解消するために、チルト位置保持力を大きく設定するとテレスコピック位置保持力もそれに応じて大きくなるので、2次衝突の際には、大きなテレスコピック位置保持力のために、ステアリングコラムが円滑に衝撃吸収できないという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した如き不都合を改善し、2次衝突の際のエネルギー吸収力を任意に調整することができる、簡単な構成のエネルギー吸収式ステアリングコラムを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明では、ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、
車体に固設され該ステアリングコラムを間にして対向して延びる一対のブラケットと、
前記ブラケット間に軸方向に固定関係に支持され、前記ステアリングコラムを軸方向に摺動可能に抱持しているアウタージャケットと、
前記一対のブラケットの間で前記アウタージャケットを包囲する係止枠部材と該係止枠部材に一体であり前記ブラケットのそれぞれを貫通して該ブラケット外部に突出する一対の固定部材とから成り、第1の位置と第2の位置との間を左右方向に移動可能に前記ブラケットに支持され、前記アウタージャケットを支持している係止機構と、
前記係止枠部材の左右方向の一方側に設けられ、前記係止機構が前記第1の位置にある時、前記ステアリングコラムの外周面に設けられた軸方向に連続する凹凸に係合して前記ステアリングコラムの軸方向移動を禁止し、2次衝突に際してコラプスして衝撃エネルギーを吸収しつつ当該ステアリングコラムの移動を許し、前記係止機構が前記第2の位置に移動した時、前記ステアリングコラムを釈放する係止部材と、
前記係止枠部材の左右方向の他方側に設けられ、前記係止機構が前記第2の位置に移動した時、前記ステアリングコラムの外周面に軸方向にわたって設けられた凹部に係合して前記ステアリングコラムの軸方向移動を案内しかつ移動範囲を制限し、前記係止機構が前記第1の位置にある時は前記凹部との係合が外れる凸形状の制限手段と、
一方の前記固定部材と一方の前記ブラケットとの間に設けられ、前記係止機構を前記第1の位置と前記第2の位置とに選択的に動かし、前記係止機構を前記第1の位置に動かすとき前記一対のブラケットを互いに近づく方向に締め付けることにより前記アウタージャケットを押圧して前記ステアリングコラムを圧接保持し、前記係止機構を前記第2の位置に動かすとき前記一対のブラケットの締め付けを解放する操作機構と、
から成ることを特徴とするステアリングコラム装置を提供する。
【0009】
本発明のステアリングコラム装置において、好ましくは前記係止部材は前記係止枠部材に設けられた第1ギヤであり、これに対向して前記ステアリングコラムに設けられた軸方向に連続する凹凸である第2ギヤと噛み合い可能に設けられている構成することができる。
【0010】
本発明のステアリングコラム装置において、好ましくは前記アウタージャケットには前記第1ギヤに対向して開口部が形成されており、前記ステアリングコラムに軸方向に設けられた前記第2ギヤは当該開口部を介して前記第1ギヤに係合する構成である。
【0011】
本発明のステアリングコラム装置において、好ましくは前記係止機構を前記第2の位置に付勢するための弾性部材を取り付けることにより、前記係止機構が第2の位置にある時にステアリングコラムを確実に係止機構から離脱させることができる。
【0014】
本発明のステアリングコラム装置において、好ましくは前記アウタージャケットはチルト調節のため前記ブラケットに上下に揺動可能に軸支され、
前記ステアリングコラム装置はさらに前記係止機構をチルト調節位置に固定するための固定手段を備えている構成とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態を示すエネルギー吸収式ステアリングコラムの軸方向上面図、図2は図1のA−A断面を示す図、図3は図1のギヤ部材を示す斜視図である。
【0017】
図1及び図2において、本発明のエネルギー吸収式ステアリングコラムは、後端にステアリングホイール(図示なし)を取付けたステアリングシャフト10を回転自在に支持するインナコラム3と、図示しない車体に固設され該ステアリングコラムを間にして下向きに対向して延びる一対のブラケット8と、これらブラケット間に該ブラケットに対し軸方向に固定関係に支持され、インナーコラム3を軸方向に摺動可能に抱持しているアウタージャケット4と、インナコラム3の一部に係接するコラム係接位置と、インナーコラム3を釈放するコラム釈放位置との間を移動可能にブラケット8に支持された係止機構と、該係止機構をコラム係接位置とコラム釈放位置との間に選択的に動かす操作機構と、前記係止機構とコラムとの係接する部分に設けられ、係止機構がコラム係接位置にある時、コラムの軸方向移動を禁止し、2次衝突に際してコラプスして衝撃エネルギーを吸収しつつ、当該コラムの移動を許す係止部材と、等から構成されている。
【0018】
ブラケット8は車体に取付けられる車体取付部8cと、車体取付部8cに一体であり、車体取付部8cから鉛直下方向に延びる前方側板8aと、前方側板8aの後方に一体的に取付けられ、車両後方にかつ鉛直下方向に延びる後方側板8bとから成る。
【0019】
一対のブラケット8は、各々厚みが同一の板材をL字状に折り曲げて成る部材で、左右対称となるように成形及び配置されている。
【0020】
アウタージャケット4はコラム軸方向に延びておりコラムを内嵌する筒状孔部4dを有し、前方端部下方部分で車体側ブラケット8の前方側板8aに軸方向には移動不能に支持されている。本実施形態では、アウタージャケット4はこの前端部P(図1参照)において、軸方向に直交する方向で軸支されており、この軸支により軸方向には移動不能であるが、回動は自在である。アウタージャケット4の後部は、上下2本のすり割り4bが形成されて、軸方向に左右に等分割して、左右2つの半体部4c、4cを形成している。アウタージャケット4の後部半体部4c、4cのそれぞれは軸方向に直角方向に延びる2つのフランジ部4e,4fを前後に離隔して有している。
【0021】
これら二組のフランジ部4e,4fはそれぞれ後方ブラケット8b、8bに挟持され アウタージャケット4はインナーコラム3を内嵌した際に、すり割り4bを形成した半体部4c、4cが後方ブラケット8b、8bに押圧されて、弾性的に変形することによりインナーコラム3をがたなく圧接抱持することができる。
【0022】
係止機構は、アウタージャケット4の2つのフランジ部4e,4f間に存在しており、両ブラケット間においてアウタージャケット4を包囲している係止枠部材2と、この係止枠部材2に一体でその両側から後方ブラケットの両外側に突出する固定部材14,15とから構成されている。係止枠部材2はアウタージャケット4の両側面外側で上下に延在する2つの方形部材2a,2aと、各々の方形部材2a,2aをアウタージャケット4の上下で円筒形状のスペーサ2b,2bを介して結合させる上下2本のボルト2c,2cと、から構成されている。係止枠部材2はこれらスペーサ2b、2bでアウタージャケット4を上下に支持している。
【0023】
係止枠部材2を組み込む時は、一方の方形部材2aを貫通させた1本のボルト2cの先端部を他方の方形部材2aに対してゆるめて、他方の方形部材2aとスペーサ2bに隙間が空くようにしておき、この状態でアウタージャケット4を囲い込むように組み込んだ後、2本目のボルト2cを締め付けて各部材を固定する。
【0024】
方形部材2a,2aの内、一方の方形部材2a(図2中右側)のアウタージャケット4側の面において、固定部材14,15の軸心位置を略中央とする部位には凹部20が形成されている。図3に示すように、この凹部20には、ギヤ形状の歯1aが形成された板状のギヤ部材である樹脂ギヤ1がスキマ嵌合で着脱可能に嵌め込まれている。このスキマ嵌合は圧入嵌合でも良い。この樹脂ギヤ1が対向するアウタージャケット4には、樹脂ギヤを出し入れできる開口部4aが設けられている。この開口部4aに対向するインナーコラム3の外周面には、軸方向に所定範囲にわたって直線状のギヤ部3aが形成されており、方形部材2aの樹脂ギヤ1がこのギヤ部3aに噛み合うようになっている。このインナーコラム3のギヤ部3aは、インナーコラム3をハウジング4に対してテレスコピック調整を行う範囲を包含するような軸方向長さを有している。樹脂ギヤ1の歯とギヤ部3aの歯とは歯筋がともに上下に延びるラックを形成している。ギヤ部3aはインナーコラム3に直接歯切りするか、またはギヤ部3aのみを別体に形成して、インナーコラム3に組み立てる構成にしても良い。
【0025】
アウタージャケット4の開口部4aは、インナーコラム3の、固定部材14,15の軸中心を通るインナーコラム3上の軸線が中心線となるような位置に配設されている。
【0026】
他方の方形部材2a(図2中左側)のアウタージャケット4側の面において固定部材14,15の軸心位置を略中央とする部位には凹部が形成され、この凹部にピン22が埋め込まれ固定されている。このピン22に対向するアウタージャケット4にはピン22を出し入れできる開口部4gが設けられている。開口部4gに露出するインナーコラム3の外周面には、軸方向に所定範囲にわたって直線状のピン溝3bが形成されている。ピン溝3bはインナーコラム3をアウタージャケット4に対してテレスコピック調整を行う範囲の軸方向長さを有しており、ピン22が嵌合した際に、インナーコラム3のテレスコピック位置を調整する際のストッパーの機能を有している。
【0027】
本実施形態をチルト位置調節可能なものとするために、一対のブラケット8の後方側板8b,8bには、各々円弧形状のチルト溝8d,8dが形成されており、ブラケット側板8b,8bの両外側から、固定部材14,15が、このチルト溝8dを貫通して、方形部材2a,2aにそれぞれ固定されている。固定部材14,15はそれぞれボルト14a,15aとナット14b,15bとから成り、同軸配置であって、その軸中心はステアリングシャフト10の軸中心を通るように配設されている。チルト溝8dは、固定部材14,15のボルト14a,15aがアウタージャケット4の軸支点Pを中心として回動可能な円弧形状の長孔である。
【0028】
図2に示すように、図中左側の固定部材14には、チルトレバー6と一対のカム5がボルト14aに対して隣接配置され、一方、図中右側の固定部材15には、一対のチルト位置保持ギヤ7がボルト15aに対して回動不能の状態で外嵌している。一対のカム5及び一対のチルト位置保持ギヤ7の内、ブラケット8側の固定ギヤ7aは、ブラケット8に固定関係にあり、カム5bはブラケット8に対して回転不能で上下動可能の関係にある。
【0029】
図1に示すように、チルト位置保持ギヤ7の内、外側の可動ギヤ7bには、一方がブラケット後方側板8bに当接し、他方が可動ギヤ7bの内面側の面に当接された弾性部材であるバネ9が配置されており、このバネ9により可動ギヤ7b及び係止枠部材2は、インナーコラム3のギヤ部3aと樹脂ギヤ1との噛み合いを引き離す方向、即ち外側方向(図2では右方向)に付勢されている。
【0030】
上記構成における動作について説明する。図2に示すように、操作レバー6を締め付け方向に操作することにより、一対のカム5の凸部同士が係合して図中左側のカム5aが右側のカム5bから離れる方向に移動する。これにより、固定部材14のボルト14aに回転自在に固定されたカム5aと共にボルト14aが図中左方向へ移動し、係止枠部材2が左方向へ移動するので、図示するように、樹脂ギヤ1がインナーコラム3のギヤ部3aに嵌合し、且つ左側の方形部材2aのピン22がインナーコラム3のピン溝3bから外れる。それと共に、右側の方形部材2aに固定されたボルト15aも右側のチルト位置保持ギヤ7の可動ギヤ7bと共に左側へ移動して、左側の固定ギヤ7aを押圧する。
【0031】
この樹脂ギヤ1とインナーコラム3のギヤ部3aの噛み合いにより、インナーコラム3は軸方向に位置固定される。それと共に、右側の可動ギヤ7bが左側の固定ギヤ7aに係合して、インナーコラム3はチルト方向にも位置固定される。この時、後方ブラケット8b、8bのうち一方は右側のチルト位置保持ギヤ7の噛合い後、さらに可動ギヤが固定ギヤを押すことにより他方はカム5a、5bが離隔するために互いにインナーコラム3に向かって押されてフランジ部4e,4fを介してアウタージャケット4のすり割り半体部4c、4cを弾性変形させてインナーコラム3を所定の荷重で圧接抱する。
【0032】
一方、チルトレバー6を反締め付け方向に操作することにより、一対のカム5の凸部同士がずれて図中左側のカム5aが右側のカム5bに近づく方向に移動する。これにより、固定部材14のボルト14aが図2中右方向へ移動し、係止枠部材2が右方向へ移動するので、樹脂ギヤ1がインナーコラム3のギヤ部3aから外れると共に、左側の方形部材2aのピン22がインナーコラム3のピン溝3bに嵌合する。この時の係止枠部材2の右方向へ移動は、バネ9の付勢力により助力されて、樹脂ギヤ1はインナーコラムのギヤ部3aから確実に離れる。
【0033】
このため、インナーコラム3は、樹脂ギヤ1とインナーコラム3のギヤ部3aとの噛み合いによる係止力から開放されると共に、アウタージャケット4のすり割り半体部4c、4cも後方ブラケットからの締め付けから解放されて、軸方向に摺動可能になるので、ステアリングコラムの手動による任意の軸方向の長さ調整、即ちテレスコピック調整を行うことができる。この時、方形部材2aのピン22がインナーコラム3のピン溝3bに嵌合しているので、インナーコラム3はアウタージャケット4に対して移動可能な範囲が規制される。こうして、ピン22はテレスコ調整ストッパーとしての機能を果たすことになる。
【0034】
同時に、右側の方形部材2aが右側に移動するのに伴って、ボルト15aに固定されたチルト位置保持ギヤ7の可動ギヤ7bも左側の固定ギヤ7aとの噛み合いから、離脱する。バネ9によりこの離脱は確実なものとされる。こうして、インナーコラム3はブラケット8に対する固定状態から開放される、即ちインナーコラム3のブラケット8に対するチルト位置保持力は無くなる。したがって、この状態で、ボルトをブラケット8のチルト溝8dの範囲で、支点P(図1参照)を中心として回動させることにより、任意にチルト調整を行うことができる。
【0035】
ところで、乗員の2次衝突時に、ステアリングコラムが軸方向に力を受け、その力が所定以上に達すると、樹脂ギヤ1のコラプスが開始され、樹脂ギヤ1はギヤ部3aにおいて破断されることにより衝撃力を吸収する。この時の、樹脂ギヤ1がギヤ部3aに対して移動するストロークと加わる荷重の関係を図4に示している。同図から明らかなように、樹脂ギヤ1がギヤ部3aにおいて破断される直前の位置(矢印B)にて最大荷重(離脱荷重)が加わり、その後、コラプス荷重は徐々に小さくなっていることが分かる。
【0036】
以上説明したように、インナーコラム3のチルト位置保持力は、チルトレバー6を締め付けた時に、チルト保持ギヤ7によって得られ、インナーコラム3のテレスコピック位置保持力は、係止機構の右側方形部材2aに設けられた樹脂ギヤ1とインナーコラムのギヤ部3aとの噛み合いで得られる。本実施形態において、インナーコラム3のテレスコピック位置保持力は、さらに係止機構およびブラケットを介してアウターコラムのすり割り半体部の圧接力によっても得られる。2次衝突時の衝撃力の吸収は、樹脂ギヤ1のギヤ形状1aとギヤ部3aとの噛み合い力と、ハウジング4のすり割り半体部4c、4cによる圧接保持力のみで行われるので、チルト保持力とは独立である。また、テレスコピック位置保持力および2次衝突時の衝撃力の吸収特性は後述の如く樹脂ギヤの種種の特性を適宜選択することにより任意に調整可能である。
【0037】
尚、この実施形態のエネルギー吸収式ステアリングコラムには、図1の斜線部Cで示す位置に、電子ロック機構を取り付けても良い。
【0038】
図5〜図7は樹脂ギヤ1の他の実施形態を示す斜視図である。
【0039】
上記構成で説明したように、樹脂ギヤ1は、方形部材2aの凹部20にスキマ嵌合で着脱可能に嵌め込まれているので、2次衝突時の衝撃力を吸収するための、樹脂ギヤ1のギヤ部3aに対する離脱荷重の大きさは、樹脂ギヤ1を交換することにより任意に調整することができる。例えば、図5に示すように、樹脂ギヤ11の歯数を少なく設定することにより、離脱荷重がより小さくなるようにすることができる。また、図6に示すように、樹脂ギヤ21の歯幅21aをより小さく設定することによっても、離脱荷重をより小さくすることができる。
【0040】
樹脂ギヤ1の歯の形状に関しては、この実施形態では、その断面形状が三角形のものを採用したが、他にも台形等、歯の断面形状が先細りのテーパ状のものでも良い。また、樹脂ギヤ1の材料としては、他に、ガラス繊維を含んだ樹脂、ゴム、非鉄金属、金属焼結材料、鉄、等であっても良い。
【0041】
このように、樹脂ギヤ1のギヤ部3aに対する離脱荷重の大きさは、樹脂ギヤ1の歯数、歯幅、歯の形状、ギヤ1の材料を適宜選択することにより、任意に設定することができる。この樹脂ギヤ1の仕様を選択することにより離脱荷重が実際に変化する実験例を図8に示している。同図から明らかなように、この実験例では、樹脂ギヤ1の任意の選択によって、最大荷重(離脱荷重)Dが図4の場合に比較して小さくなっている。
【0042】
さらに、樹脂ギヤ1の他の装着方法を示す例として、図7に示すように、樹脂ギヤ31の裏面側に円形の突起31aを設けても良い。この場合、方形部材2a側には円形の凹部(図示しない)を設け、この凹部に突起31aをスキマ嵌合させることにより、樹脂ギヤ31を方形部材2aに装着する。
【0043】
尚、上記実施形態では樹脂ギヤ1を着脱自在としたが、この樹脂ギヤは方形部材2aと一体成形しても良い。
【0044】
また、上記実施形態では、チルトレバー6による締め付けは、カム式のものを採用したが、これに限らず、ネジ式のものであっても良い。
【0045】
図9は本発明のエネルギー吸収式ステアリングコラムに電動アシスト機構が装着された実施形態を示す軸方向上面図である。図示するように、この発明のステアリングコラムは、電動アシスト機構30を装着したEPS(電動パワーステアリング装置)に適用しても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2次衝突時の衝撃エネルギー吸収特性をステアリングコラムの位置保持力とは独立して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すエネルギー吸収式ステアリングコラムの軸方向上面図である。
【図2】 本発明のエネルギー吸収式ステアリングコラムを示す図1のA−A断面図である。
【図3】 図1のギヤ部材を示す斜視図である。
【図4】 ギヤ部材のストロークと荷重との関係を示す特性線図である。
【図5】 ギヤ部材の歯数を変えた実施例を示す斜視図である。
【図6】 ギヤ部材の歯幅を変えた実施例を示す斜視図である。
【図7】 ギヤ部材の裏面に凸部を設けた実施例を示す斜視図である。
【図8】 ギヤ部材の仕様を変えた時のストロークと荷重との関係を示す特性線図である。
【図9】 図1のエネルギー吸収式ステアリングコラムに電動アシスト機構を装着した実施形態を示す軸方向上面図である。
【符号の説明】
1 ギヤ部材(樹脂ギヤ)
1a ギヤ形状
2 係止枠部材
2a 方形部材
2b スペーサ
2c ボルト
3 インナーコラム
4 アウタージャケット
5 カム
6 操作レバー
7 チルト保持ギヤ
8 ブラケット
9 バネ
10 ステアリングシャフト

Claims (5)

  1. ステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、
    車体に固設され該ステアリングコラムを間にして対向して延びる一対のブラケットと、
    前記ブラケット間に軸方向に固定関係に支持され、前記ステアリングコラムを軸方向に摺動可能に抱持しているアウタージャケットと、
    前記一対のブラケットの間で前記アウタージャケットを包囲する係止枠部材と該係止枠部材に一体であり前記ブラケットのそれぞれを貫通して該ブラケット外部に突出する一対の固定部材とから成り、第1の位置と第2の位置との間を左右方向に移動可能に前記ブラケットに支持され、前記アウタージャケットを支持している係止機構と、
    前記係止枠部材の左右方向の一方側に設けられ、前記係止機構が前記第1の位置にある時、前記ステアリングコラムの外周面に設けられた軸方向に連続する凹凸に係合して前記ステアリングコラムの軸方向移動を禁止し、2次衝突に際してコラプスして衝撃エネルギーを吸収しつつ当該ステアリングコラムの移動を許し、前記係止機構が前記第2の位置に移動した時、前記ステアリングコラムを釈放する係止部材と、
    前記係止枠部材の左右方向の他方側に設けられ、前記係止機構が前記第2の位置に移動した時、前記ステアリングコラムの外周面に軸方向にわたって設けられた凹部に係合して前記ステアリングコラムの軸方向移動を案内しかつ移動範囲を制限し、前記係止機構が前記第1の位置にある時は前記凹部との係合が外れる凸形状の制限手段と、
    一方の前記固定部材と一方の前記ブラケットとの間に設けられ、前記係止機構を前記第1の位置と前記第2の位置とに選択的に動かし、前記係止機構を前記第1の位置に動かすとき前記一対のブラケットを互いに近づく方向に締め付けることにより前記アウタージャケットを押圧して前記ステアリングコラムを圧接保持し、前記係止機構を前記第2の位置に動かすとき前記一対のブラケットの締め付けを解放する操作機構と、
    から成ることを特徴とするステアリングコラム装置。
  2. 前記係止部材は前記係止枠部材に設けられた第1ギヤであり、これに対向して前記ステアリングコラムに設けられた軸方向に連続する凹凸である第2ギヤと噛み合い可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
  3. 前記アウタージャケットには前記第1ギヤに対向して開口部が形成されており、前記ステアリングコラムに軸方向に設けられた前記第2ギヤは当該開口部を介して前記第1ギヤに係合することを特徴とする請求項に記載のステアリングコラム装置。
  4. 前記係止機構を前記第2の位置に付勢するための弾性部材を取り付けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエネルギー吸収式ステアリングコラム装置
  5. 前記アウタージャケットはチルト調節のため前記ブラケットに上下に揺動可能に軸支され、
    前記ステアリングコラム装置はさらに前記係止機構をチルト調節位置に固定するための固定手段を備えていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のステアリングコラム装置。
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