JP4876752B2 - ドアホン親機 - Google Patents

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本願発明は、子機及び増設親機との間において音声、映像、制御信号の伝送を行っており、バンドパスフィルタを備えることで制御信号を音声信号や映像信号から分離して伝送させる制御信号経路が形成されたドアホン親機に関するものである。
従来から、特許第3726372号公報(特許文献1)に示されるように、制御信号経路が形成されたドアホン親機は知られている。このドアホン親機Aは、図3に示すように、伝送線91を介して子機Bと接続される子機接続端子92と、伝送線91を介して増設親機Cと接続される増設接続端子93とを一つずつ設けており、親機本体において子機接続端子92と増設接続端子93とを繋ぐ制御信号経路Rが形成されている。この制御信号経路R上には制御信号受信回路94と制御信号送信回路95とが接続された接続ポイントPが設けられており、接続ポイントPと子機接続端子92との間にはバンドパスフィルタFが設けられている。
したがって、この場合には、制御信号経路Rを通じて、制御信号を子機Bと増設親機Cとの間で音声信号及び映像信号とは分離して伝送させることができる。
特許第3726372号公報
しかしながら、上記従来例であるドアホン親機Aにあっては、制御信号経路R上の増設接続端子93側から伝送される音声信号及び映像信号が、接続ポイントPにまで伝送される構成となっているため、接続ポイントPに接続されている制御信号受信回路94及び制御信号送信回路95が接続負荷となり、伝送される音声信号及び映像信号が減衰するおそれがあった。
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、制御信号を音声信号や映像信号から分離して伝送させる制御信号経路が形成されたドアホン親機において、制御信号の伝送帯域以外の周波数帯域、特に音声信号帯域及び映像信号帯域における接続負荷を低減させたドアホン親機を提供することである。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、特定の周波数帯域の制御信号と当該周波数帯域とは異なる周波数帯域の音声信号及び映像信号とを含む伝送信号を子機及び増設親機との間で伝送線を介して伝送するドアホン親機であって、伝送線を介して子機と接続される複数の子機接続端子と、別の伝送線を介して増設親機に接続される一の増設接続端子と、増設親機及び子機からの制御信号の認識、解析処理を行い、或いは新たに制御信号を生成する制御部と、制御部からの制御信号を送信する制御信号送信回路と、増設親機及び子機から送信された制御信号を受信する制御信号受信回路と、伝送線を介して子機に電源を供給する電源回路と、親機本体に備えられ制御信号の周波数帯域のみを通過させることにより子機給電部から増設親機への電源供給を阻止するとともに制御信号を子子機接続端子と増設接続端子との間で音声信号及び映像信号とは分離して伝送させる制御信号経路を形成するバンドパスフィルタとを備えるドアホン親機において、制御信号送信回路及び制御信号受信回路は制御信号経路上の接続ポイントに接続されており、接続ポイントは、バンドパスフィルタ間の経路であって制御信号のみが通過する経路上に挿入されていて、バンドパスフィルタは制御信号経路上における接続ポイントと子機接続端子との間及び、接続ポイントと増設接続端子との間にそれぞれ備えられていることを特徴としている。
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載のドアホン親機において、制御信号経路は、増設接続端子から接続ポイントに接続され、接続ポイントからは複数に分岐して各子機接続端子に一経路ずつ接続された構成であり、バンドパスフィルタは、接続ポイントと増設接続端子の間及び、接続ポイントと複数の子機接続端子とを結ぶ全ての制御信号経路上に一つずつ備えられていることを特徴としている。
本願請求項1又は2記載のドアホン親機においては、接続ポイントは制御信号経路上で複数のバンドパスフィルタに挟まれる構成となり、子機接続端子側から伝送される信号と、増設接続端子側から伝送される信号の両方の音声信号及び映像信号がバンドパスフィルタでカットされ接続ポイントまでは伝送されないようになっている。したがって、接続ポイントに接続された制御信号送信回路及び制御信号受信回路が、制御信号の伝送帯域以外の周波数帯域、特に音声信号帯域、映像信号帯域、及び直流給電帯域において、接続負荷とはならないため、伝送される音声信号及び映像信号の減衰を低減することができる。
図1は、一実施形態であるドアホン親機Aを示している。このドアホン親機Aは、伝送線L1を介して子機Bと接続される三対の子機接続端子T1と、別の伝送線L2を介して増設親機Cに接続される一対の増設接続端子T2と、増設親機C及び子機Bからの制御信号の認識、解析処理を行い、或いは操作釦46からの操作入力に応じて新たに制御信号を生成する制御部45と、制御部45からの制御信号を送信する制御信号送信回路42と、増設親機C及び子機Bから送信された制御信号を受信する制御信号受信回路41と、伝送線L1を介して子機Bに電源を供給する子機給電部5と、親機本体に備えられ制御信号の周波数帯域のみを通過させることにより子機給電部5から増設親機Cへの電源供給を阻止するとともに制御信号を子機接続端子T1と増設接続端子T2との間で音声信号及び映像信号とは分離して伝送させる制御信号経路R1〜R4を形成するバンドパスフィルタF1〜F4とを備えている。
又、制御信号送信回路42及び制御信号受信回路41は制御信号経路R1〜R4上の接続ポイントPに接続されており、バンドパスフィルタF1〜F4は制御信号経路R1〜R4上における接続ポイントPと子機接続端子T1との間及び、接続ポイントPと増設接続端子T2との間にそれぞれ備えられている。
具体的には、制御信号経路R1〜R4は、増設接続端子T2から接続ポイントPに接続され、接続ポイントPからは複数に分岐して各子機接続端子T1に一経路ずつ接続された構成であり、バンドパスフィルタF1〜F4は、接続ポイントPと増設接続端子T2の間及び、接続ポイントPと複数の子機接続端子T1とを結ぶ全ての制御信号経路R1〜R4上に一つずつ備えられていることを特徴とする
以下、この実施形態のドアホン親機Aを、より具体的詳細に説明する。図1に示すように、このドアホン親機Aは、伝送線L1,L2を介して子機Bと増設親機Cとを接続することで、各機の間で映像、音声、制御信号の伝送を行うドアホンシステムの一部となるものである。又、このドアホン親機Aには三機の子機Bがそれぞれ別個の子機接続端子T1に伝送線L1を介して接続されており、更に五機の増設親機Cが一対の増設接続端子T2
に伝送線L2を介して接続されており、伝送線L1,L2には二線式の平衡ケーブルが用いられている。
子機Bは通常は戸外に設置されるものであって、来訪者を撮像するカメラ(不図示)と、通話用のマイクロホン(不図示)及びスピーカ(不図示)を備えており、ドアホン親機Aから電力供給を受けて動作している。カメラより出力される映像信号及びマイクロホンより出力される音声信号は、伝送線L1を介してドアホン親機Aへと伝送される。一方、ドアホン親機A及び増設親機Cから伝送された音声信号はスピーカにて出力される。
カメラの露出やピント、マイクの音量等は調整が可能であり、これらの調整はドアホン親機A、或いは増設親機Cからの制御信号を受けて行なわれる。又、このカメラやマイク等の調整の状態は制御信号としてドアホン親機A及び増設親機Cへと伝送される。
ドアホン親機Aは、図1に示すように三対の子機接続端子T1を備えており、この子機接続端子T1に三本の子機Bからの伝送線L1がそれぞれ接続されている。なお、子機接続端子T1は複数であればいくつ設けられていてもよい。
子機Bから入力された信号は各接続端子T1に対して一つずつ設けられた多重分離回路1a及び制御信号経路R1,R2,R3へと伝送される。ここで、伝送線L1,L2は2線式の平衡ケーブルであって、映像信号、音声信号、制御信号の伝送と電源の供給とに用いられるのであるから、伝送線L1,L2では映像信号、音声信号、制御信号が混在し、それらの信号が電源に重畳された形で伝送されることになる。映像信号と音声信号と制御信号とは周波数帯域が異なるから(図2参照)、伝送線L1から子機接続端子T1を通して入力された信号は、ドアホン親機Aの多重分離回路1aにおいて周波数帯域別に分離することにより、映像信号と音声信号に分離され、更にバンドパスフィルタF1〜F4において制御信号が分離される。
又、ドアホン親機Aは、子機Bのカメラで撮像された画像を表示するためのモニタ22を備え、更に、子機Bとの間で通話を可能とするためにマイクロホン33およびスピーカ35を備えている。モニタ22にはCRTまたは液晶表示器が用いられる。
多重分離回路1aで分離された映像信号は、映像復調回路21で復調された後にモニタ22に入力されて子機Bのカメラで撮像した画像がモニタ22に表示される。又、多重分離回路1aで分離された音声信号は、切換回路36を経て2線−4線変換回路31を通してスピーカアンプ34に入力されることによって増幅され、スピーカアンプ34の出力によりスピーカ35が駆動される。マイクロホン33からの音声信号はマイクアンプ32で増幅され、2線−4線変換回路31を通して切換回路36を経て多重分離回路1aに入力される。ここで切換回路36は、通話先となる子機Bの接続された一対の接続端子T1のみと通話路を接続するものであり、通話先に応じて接続を切り換えている。
又、子機Bから入力された信号は、多重分離回路1aとは別に制御信号経路R1〜R3にも伝送される。この制御信号経路R1〜R3は、各子機接続端子から別個に一経路ずつ計三経路が設けられており、各制御信号経路R1〜3において一つずつ計三つのバンドパスフィルタF1,F2,F3が設けられている。この三経路の制御信号経路R1〜R3は接続ポイントPにおいて一経路に集約され、この集約された制御信号経路R4において一つのバンドパスフィルタF4が設けられている。すなわち、接続ポイントPは制御信号経路R1〜R4上において、子機接続端子側の三つのバンドパスフィルタF1〜F3と増設接続端子側の一つのバンドパスフィルタF4とに挟まされる形となる。
ここで、バンドパスフィルタF1〜F4は、インダクタL、キャパシタC、抵抗Rをもとに直列および並列の組み合わせで成したRCL回路を利用した一般的なものを用いており、制御信号経路R1〜R4に制御信号の周波数帯のみを通過させるものである。又、接続ポイントPには、制御信号受信回路41及び制御信号送信回路42が接続されており、制御信号復調回路43及び制御信号変調回路42を経てCPUを備える制御部45へと繋がっている。
したがって、子機Bから入力された信号は、バンドパスフィルタF1〜F3において音声信号と映像信号とがカットされ制御信号のみが通過し、接続ポイントPを経由して制御信号受信回路41にて受信される。受信された制御信号は制御信号復調回路43で復調された後、制御部45に入力される。一方、制御部45で生成されたデータは制御信号変調回路42により変調された後、制御信号送信回路42から制御信号として送信され、制御信号経路R1〜R3を通って伝送線L1に送出される。制御部45は、子機Bにおけるカメラの露出、ピントの調整の指示やマイクの音量調整等の指示を行ない、又それらに関する情報を受け取ってモニタ22や図示しない表示器に表示させる。
又、ドアホン親機Aには商用電源に接続されるプラグ51が設けられ、商用電源を整流し安定化して内部回路や子機Bに電源を供給するための子機給電部5が設けられている。多重分離回路1aにおいて子機給電部5の出力電圧には映像信号、音声信号が重畳される。多重分離回路1aの出力は、子機接続端子T1を通して伝送線L1に送出される。
ところで、ドアホン親機Aには、子機Bのカメラで撮像した画像を表示したり、子機Bとの間で通話したり、子機Bとの間で制御信号を授受したりする機能があるが、これらの機能は屋内の複数箇所で利用できるほうが望ましい。そこで、ドアホン親機Aに設けた増設接続端子T2に伝送線L2を接続し、この伝送線L2を介して増設親機Cを備えることが考えられている。
増設親機Cは、子機Bとの間で、映像信号、音声信号、及び制御信号を伝送できるようになっている。つまり、ドアホン親機Aには増設接続端子T2と子機接続端子T1との間に、映像信号、音声信号、制御信号をそれぞれ独立して通過させる経路が形成されている。子機Bから増設親機Cへの映像信号は、映像信号増幅用アンプ23を通して増幅される。これは、映像信号の周波数が高く、平衡ケーブルよりなる伝送線L1,L2での減衰量が比較的大きいからであって、映像信号を増幅して増設親機Cに伝送することにより増設親機Cに対して比較的強い映像信号を伝送することができる。一方、一般的に、伝送周波数シフトを施していない源信号に近い音声信号は、伝送周波数帯域が低いため、伝送線L1,L2での減衰量が少なく、多重分離回路1a,1bの間を接続するだけの簡単な構成で双方向の経路を形成している。
又、制御信号については、ドアホン親機A内の制御信号経路R4を通過して、子機Bと増設親機C間を伝送するようになっている。つまり、増設親機Cから入力された信号は、制御信号経路R4に挿入された増設接続端子T2側のバンドパスフィルタF4において音声信号及び映像信号がカットされ制御信号のみが通過し、通過した制御信号は、子機接続端子T1側のバンドパスフィルタF1〜F3を通過して子機接続端子T1から伝送線L1を通って子機Bへと伝送される。又、子機Bから入力された信号においては、これと逆方向の経路をたどって増設親機Cへと伝送される。
又、増設親機Cは、商用電源に接続されるプラグを備え、商用電源を整流し安定化する給電部を備えているが、この給電部は増設親機Cの内部回路への給電用であり、ドアホン親機Aのように子機Bへの給電を行なうことはない。なお、子機Bと増設親機Cとの間にはバンドパスフィルタF1〜F4が介在していることにより、ドアホン親機Aから子機Bに供給されている電源が増設親機Cに供給されることもない。
又、ドアホン親機Aと増設親機Cとには操作釦46(増設親機Cの操作釦は不図示)が設けられており、ドアホン親機Aと増設親機Cとの間の呼出などに用いられる。また、伝送線L2の終端には映像信号の反射を防止するために終端抵抗Dが接続される。上述の構成により、ドアホン親機Aおよび増設親機Cは子機Bからの映像をモニタ22に表示でき、更に、一機の子機Bとの間で通話が可能になる。したがって、増設親機Cをドアホン親機Aとは異なる場所に配置し、子機Bにより撮像した画像の監視や子機Bとの間の通話が複数箇所で可能になるのである。
したがって、この実施形態のドアホン親機Aにおいては、接続ポイントPと子機接続端子T1及び増設接続端子T2とを接続する全ての制御信号経路R1〜R4においてバンドパスフィルタF1〜F4が設けられているため、子機接続端子T1側から伝送される信号と、増設接続端子T2側から伝送される信号の両方の音声信号、映像信号、及び直流給電成分がバンドパスフィルタF1〜4でカットされ接続ポイントPまでは伝送されないようになっている。よって、接続ポイントPに接続されている制御信号送信回路42及び制御信号受信回路41が接続負荷とはならないため、子機Bとドアホン親機A間、及び子機Bと増設親機C間の両方の伝送において、映像信号及び音声信号の減衰を防ぐことができる。
又、背景技術である特許第3726372号公報に記載されたゴーストの発生の防止や漏話の防止等の効果は、本願発明においても全て維持されていることは言うまでもない。
なお、この実施形態において、子機接続端子T1に接続される機器は子機Bのみを示してきたが、子機接続端子T1に接続される機器は子機Bに限られるものではなく、例えば、人体検知の機能が備えられて、子機Bと同様に親機Aや増設親機Cと通話可能なセンサカメラを取り付けていてもよい。
本願発明の一実施形態であるドアホン親機を示すブロック図。 同ドアホン親機における各信号の伝送帯域を示した模式図 従来例であるドアホン親機を示すブロック図。
符号の説明
A ドアホン親機
B 子機
C 増設親機
L1 伝送線
L2 伝送線
R1〜R4 制御信号経路
F1〜F4 バンドパスフィルタ
P 接続ポイント
T1 子機接続端子
T2 増設接続端子
41 制御信号受信回路
42 制御信号送信回路
45 制御部
5 子機給電部

Claims (2)

  1. 特定の周波数帯域の制御信号と当該周波数帯域とは異なる周波数帯域の音声信号及び映像信号とを含む伝送信号を子機及び増設親機との間で伝送線を介して伝送するドアホン親機であって、
    伝送線を介して子機と接続される複数の子機接続端子と、別の伝送線を介して増設親機に接続される一の増設接続端子と、増設親機及び子機からの制御信号の認識、解析処理を行い、或いは新たに制御信号を生成する制御部と、制御部からの制御信号を送信する制御信号送信回路と、増設親機及び子機から送信された制御信号を受信する制御信号受信回路と、伝送線を介して子機に電源を供給する電源回路と、親機本体に備えられ制御信号の周波数帯域のみを通過させることにより子機給電部から増設親機への電源供給を阻止するとともに制御信号を子機接続端子と増設接続端子との間で音声信号及び映像信号とは分離して伝送させる制御信号経路を形成するバンドパスフィルタとを備えるドアホン親機において、
    制御信号送信回路及び制御信号受信回路は制御信号経路上の接続ポイントに接続されており、接続ポイントは、バンドパスフィルタ間の経路であって制御信号のみが通過する経路上に挿入されていて、バンドパスフィルタは制御信号経路上における接続ポイントと子機接続端子との間及び、接続ポイントと増設接続端子との間にそれぞれ備えられていることを特徴とするドアホン親機。
  2. 制御信号経路は、増設接続端子から接続ポイントに接続され、接続ポイントからは複数に分岐して各子機接続端子に一経路ずつ接続された構成であり、バンドパスフィルタは、接続ポイントと増設接続端子の間及び、接続ポイントと複数の子機接続端子とを結ぶ全ての制御信号経路上に一つずつ備えられていることを特徴とする請求項1記載のドアホン親機。
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