JP4876033B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却器で生成した冷気を貯蔵室に吐出する冷気通路を備えた冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫は特許文献1に開示されている。図7、図8はこの冷蔵庫の概略構成を示す正面断面図及び側面断面図である。冷蔵庫1は上部に冷凍室2が設けられ、冷凍室2の下方には冷蔵室3が設けられる。冷凍室2と冷蔵室3とは断熱材を充填した仕切壁4により仕切られる。冷凍室2の前面は扉2aにより開閉され、冷蔵室3の前面は扉3aにより開閉される。
冷凍室2の背面には冷気を生成する冷却器5が配され、冷却器5の上方には送風ファン6が配される。冷却器5及び送風ファン6は冷凍室2の背面に設けた冷凍室ダクト(不図示)内に配される。冷凍室ダクトには冷凍室3に臨んで開口する戻り口(不図示)が冷却器5の下方に設けられる。
冷却器5の側方には送風ファン6の排気側に連結される連通路7が設けられる。冷蔵室3の背面の左右方向の中央部には連通路7に連通する吐出通路8が鉛直方向に延びて設けられる。吐出通路8の両側部には冷気を吐出する吐出口8aが開口する。仕切壁4内には冷蔵室3の前部に開口する戻り口9aを有した戻り通路9が設けられる。戻り通路9は冷却器5の下方で冷凍室3の冷凍室ダクトに接続される。
上記構成の冷蔵庫1において、冷却器5と熱交換して生成される冷気は送風ファン6の駆動によって矢印D1に示すように冷凍室2内に吐出される。冷凍室2に吐出された冷気は冷凍室2内を流通して貯蔵物を冷却し、冷凍室ダクトの戻り口を介して冷却器5に戻る。
また、冷凍室ダクトを流通する冷気は送風ファン6の排気側で分岐し、矢印D2に示すように連通路7を流通して吐出通路8を流通する。吐出通路8を流通する冷気は吐出口8aから矢印D3に示すように冷蔵室3内に吐出される。冷蔵室3内に吐出された冷気は冷蔵室3内を流通して貯蔵物を冷却し、矢印D4に示すように冷蔵室3の前部で戻り口9aから戻り通路9に流入する。戻り通路9を流通する冷気は矢印D5に示すように冷凍室3の冷凍室ダクトを介して冷却器5に戻る。
特許第3892814号公報(第4頁−第8頁、第1図)
しかしながら、上記従来の冷蔵庫1によると、吐出通路8の両側部に吐出口8aが設けられるため冷蔵庫の幅が広くなると吐出口8aから冷蔵室3の側壁までの距離が大きくなる。このため、冷蔵室3の隅々まで冷気が行き届かずに温度分布が不均一になる問題があった。
本発明は、貯蔵室の温度分布を均一にできる冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、貯蔵物を冷却保存する貯蔵室と、冷気を生成する冷却器と、前記貯蔵室の背面に上下に延びて設けられる第1、第2冷気通路と、左右方向に延びて第1、第2冷気通路を連結する連結通路と、第1、第2冷気通路に設けられる吐出口とを備え、前記冷却器で生成された冷気を左右方向の一方から前記連結通路に流入させて前記吐出口から前記貯蔵室に吐出したことを特徴としている。
この構成によると、冷却器で生成された冷気は貯蔵室の背面に配された第1冷気通路または第2冷気通路に流入する。第1、第2冷気通路の一方に流入した冷気の一部は左右の一方から連結通路に流入して第1、第2冷気通路の他方に流入する。冷気は第1、第2冷気通路を下方に流通し、第1、第2冷気通路に設けた吐出口から貯蔵室内に吐出される。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記吐出口を更に前記連結通路の上部に設け、前記連結通路の下部に配されるとともに前記連結通路の上部に冷気を案内する第1案内部と、前記連結通路を流通する冷気を前記連結通路の前部に案内する第2案内部とを備えたことを特徴としている。
この構成によると、連結通路を流通する冷気は第1案内部によって上方に案内され、第2案内部によって前面側に案内される。その結果、連結通路の上部に設けた吐出口から貯蔵室内に冷気が吐出される。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記冷却器で生成された冷気を第1、第2冷気通路の一方に流入させる流入口を備え、前記流入口の下方に配されて前記連結通路に冷気を案内する第3案内部を備えたことを特徴としている。この構成によると、流入口から第1冷気通路または第2冷気通路に流入した冷気は第3案内部によって左右に延びる連結通路の方向に導かれる。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、第1冷気通路または第2冷気通路は上部を左右方向に屈曲して前記連結通路と略同じ高さに配される屈曲部を有し、前記流入口を前記屈曲部の上部に設けるとともに、前記屈曲部の底面によって第3案内部を形成したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記連結通路の上方に前記冷却器を配置したことを特徴としている。この構成によると、冷却器と熱交換した後の冷気は冷却器の側方を通って第1冷気通路に流入する。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、前記冷却器に冷気を戻す戻り通路を前記連結通路の後方に設けたことを特徴としている。この構成によると、貯蔵室を流通した冷気は戻り通路に流入し、連結通路の後方を通って冷却器に戻る。
また本発明は、上記構成の冷蔵庫において、並設した第1、第2冷気通路の間に前記戻り通路を配置したことを特徴としている。
本発明によると、上下に延びて貯蔵室の背面に設けられる第1、第2冷気通路を連結する左右に延びた連結通路を設け、左右方向の一方から連結通路に冷気が流入するので、貯蔵室の横幅が広くなっても吐出口から貯蔵室の隅々まで冷気を行き届かせることができる。従って、貯蔵室の温度分布を均一にすることができる。
また本発明によると、吐出口を連結通路の上部に配して連結通路の上部及び前部に冷気を案内する第1、第2案内部を設けたので、連結通路の上下方向の幅を広くすることができる。これにより、吐出口を貯蔵室の上部に配して貯蔵室内の冷却効率を向上できるとともに、冷気の流通面積を広く確保して流通抵抗を小さくし、送風効率を向上することができる。特に、連結通路の後方に戻り通路等が配されて連結通路の奥行を大きくできない場合に容易に流通面積を広く確保することができる。
また本発明によると、第1冷気通路または第2冷気通路に冷気を流入させる流入口の下方に配されて連結通路に冷気を案内する第3案内部を備えたので、第1、第2冷気通路に均等に冷気を流通させて貯蔵室の温度分布を均一にすることができる。
また本発明によると、第1冷気通路または第2冷気通路を屈曲した屈曲部の上部に流入口を配し、屈曲部の底面によって第3案内部を容易に形成することができる。
また本発明によると、連結通路の上方に冷却器が配置されるので、冷却器と熱交換して冷却器の側方を通る冷気を偏って配される第1冷気通路に簡単に流入させることができる。従って、連結通路によって第1、第2冷気通路を冷気が流通して貯蔵室の温度分布を容易に均一にすることができる。
また本発明によると、冷却器に冷気を戻す戻り通路を連結通路の後方に設けたので、戻り通路を迂回させずに短い距離で形成することができる。従って、戻り通路の流通抵抗を低減して送風効率を向上することができる。
また本発明によると、戻り通路を第1、第2冷気通路の間に配置したので、他の貯蔵室との仕切壁に戻り通路を設ける必要がなく仕切壁の厚みを小さくすることができる。従って、冷蔵庫の容積効率を向上することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、前述の図7、図8に示す従来例と同様の部分には同一の符号を付している。図1、図2は一実施形態の冷蔵庫を示す側面断面図及び正面断面図である。冷蔵庫1は上部に冷凍室2が設けられ、冷凍室2の下方には冷蔵室3(貯蔵室)が設けられる。冷凍室2と冷蔵室3とは断熱材を充填した仕切壁4により仕切られる。冷凍室2の前面は扉2aにより開閉され、冷蔵室3の前面は扉3aにより開閉される。
冷凍室2の背面には冷凍室ダクト10が設けられる。冷凍室ダクト10の前面側の上部には吐出口10aが設けられ、下部には戻り口10bが設けられる。冷凍室ダクト10内には冷気を生成する冷却器5が配され、冷却器5の上方に送風ファン6が配される。冷却器5の下方には冷却器5の除霜水を回収するドレンパン11が設けられる。また、冷凍室ダクト10は送風ファン6の排気側で分岐して冷却器5の右方に配された連通路7を有している。
冷蔵室3の上部にはチルド温度帯等の低温保存が可能な低温ケース18が配される。低温ケース18の背面は開口し、後述する吐出口20cから冷気が流入する。低温ケース18の下方には樹脂成形品により形成して貯蔵物を載置する複数の載置棚13が設けられる。載置棚13は冷蔵室3の側壁に突設された複数のレール13aの上面に載せられ、高さ方向の位置を貯蔵物にあわせて適時変えられるようになっている。
冷蔵室3の下部には隔離室から成る野菜室16が設けられる。野菜室16は樹脂成形品により形成された板状の仕切部14により冷蔵室3の上部と仕切られる。仕切部14の上下は仕切部14の前方の連通部14aで連通する。また、仕切部14の後端には開口部14bが設けられる。野菜室16内には仕切部14により上面が塞がれる収納ケース15が出し入れ自在に配される。収納ケース15は野菜室16の壁面との間に冷気が流通する隙間16aを有して配される。
冷蔵室3の背面には鉛直方向に延びた吐出通路20及び戻り通路23が並設される。図3は図2のA−A断面図を示している。吐出通路20及び戻り通路23は複数の通路を有した発泡樹脂成形品の断熱材から成るダクト26を冷蔵室3の背壁に取り付けて形成される。これにより、吐出通路20と戻り通路23とが一体に形成され、部品点数を削減することができる。
ダクト26の上記各通路は断熱材によって隔てられる。このため、吐出通路20を流通する冷気と戻り通路23を流通する冷気に温度差があっても、これらの間の冷熱の受け渡し量が微小となる。このため、吐出通路20を流通する冷気の冷熱が戻り通路23を流通する冷気に伝達されることによる冷蔵室3の冷却効率の低下を防止することができる。
また、ダクト26の前面側は樹脂成形品から成るパネル27により覆われている。ダクト26とパネル27とは夫々に設けた凹部と凸部とが係合して一体となり、冷蔵室3の背面に着脱自在に取り付けられている。
図2において、吐出通路20は上下に延びて並設される第1、第2冷気通路21、22を有している。第1、第2冷気通路21、22は上部で左右に延びる連結通路20aによって連結されて分岐し、戻り通路23の左右にそれぞれ配される。第1冷気通路21の右側面及び第2冷気通路22の左側面には冷気を吐出する複数の吐出口20bがそれぞれ設けられる。
冷蔵室3の背面の右方に偏って配置される第1冷気通路21は上部をL字型に屈曲して屈曲部21aが形成される。屈曲部21aは連結通路20aの延長上に形成される。屈曲部21aの上部には連通路7から冷気が流入する流入口21bが設けられる。図4の側面断面図に示すように、流入口21bには冷気量を可変するダンパ17が設けられる。従って、吐出通路20はダンパ17を介して連通路7に連通する。
流入口21bから第1冷気通路21に流入する冷気は屈曲部21aの底面33(第3案内部)によって連結通路20aの方向に導かれる。屈曲部21aの右下のコーナー部は曲面に形成され、連結通路20aの方向に冷気を円滑に導くことができる。
連結通路20aの上部には低温ケース18(図1参照)に対向する吐出口20cが形成される。連結通路20aの下部には傾斜面から成る第1案内部31を有したリブ30が突設される。第1案内部31は上方及び第1冷気通路21側に面して形成される。第1案内部31の下方には屈曲部21aに対向する鉛直な当接面30aが設けられる。
図5は図2のB−B断面図を示している。戻り通路23は上部で左右に分岐した第1、第2分岐路24、25を有している。第1、第2分岐路24、25の間にはドレンパン11から導出される排水パイプ12が配される。連結通路20aは第1、第2分岐路24、25の前面側に配される。排水パイプ12を覆うダクト26には前方及び第1冷気通路21側に面した傾斜面から成る第2案内部32が設けられる。
屈曲部21aの底面33によって連結通路20aの方向に案内される冷気の一部は第1冷気通路21を流下する。また、冷気の一部は当接面30aに当接して第1冷気通路21に導かれる。連結通路20aに流入した冷気は第1、第2案内部31、32によって連結通路20aの前面上部に案内され、吐出口20cに導かれる。
尚、当接面30aの位置を第1冷気通路21から連結通路20aの下流側(図2において左方向)に離れて配置してもよい。この時、当接面30aの高さを調節することによって上記と同様の効果を得ることができる。当接面30aは鉛直面でなくてもよく、傾斜面や曲面にしてもよい。例えば、当接面30aの上端を第1冷気通路21側に突出し、当接面30aを曲面や下方に面した傾斜面に形成してもよい。
また、リブ30の下流側の面が鉛直面になっているが、曲面や傾斜面にしてもよい。これにより、リブ30を通過した冷気の渦流を防止し、流通抵抗の低減や騒音の低減を図ることができる。また、リブ30を連結通路20aの底面上に突設して第1案内部31及び当接面30aを形成しているが、戻り通路23の壁面に連続して第1案内部31及び当接面30aの壁面を形成してもよい。
また、屈曲部21aの底面33をリブ30側に延長して第1冷気通路21の流路面積を縮小し、第1、第2冷気通路21、22の冷気流量を調整してもよい。連結通路20aの底面を第1冷気通路21側に延長して第1冷気通路21の流路面積を縮小してもよい。
図6は戻り通路23を通る断面を示す側面断面図である。第1、第2分岐路24、25は冷凍室ダクト10の背面側に配される。冷却器5の下方で冷凍室ダクト10の背面側に開口した連通口24a、25aを介して冷凍室ダクト10と第1、第2分岐路24、25とが連通する。
戻り通路23は前面側を覆うパネル27の下端に正面に開口する戻り口23aが設けられる。また、戻り通路23は下面が開口し、開口部14b(図1参照)に面した戻り口23bが形成される。戻り口23a、23bは仕切部14(図1参照)の上方に配される。
ドレンパン11の排水口11aの下方には排水パイプ12の受け部12aが配される。図6に示すように、受け部12aは第1、第2分岐路24、25の前方に配される。排水パイプ12は受け部12aから第1、第2分岐路24、25の間を通って後方に延び、戻り通路23の背後に配されて下方に延びる。ドレンパン11に溜まる除霜水は排水パイプ12を介して蒸発皿(不図示)に排水される。従って、戻り通路23は第1、第2分岐路24、25に分岐して流路面積が縮小されず、戻り通路23と排水パイプ12の干渉を簡単に防止することができる。
上記構成の冷蔵庫1において、送風ファン6の駆動によって冷凍室ダクト10を流通する空気は冷却器5と熱交換して冷気が生成される。冷却器5により生成された冷気は吐出口10aから矢印E1(図1参照)に示すように冷凍室2内に吐出される。冷凍室2に吐出された冷気は冷凍室2内を流通して貯蔵物を冷却し、戻り口10bを介して冷却器5に戻る。
また、送風ファン6の排気側で冷気は矢印E2(図2、図4参照)に示すように分岐し、連通路7を流通する。連通路7を流下する冷気はダンパ17により開いた流入口21bを介して第1冷気通路21に流入し、屈曲部21aの底面33に当接して連結通路20aの方向に向きを変える。冷気は屈曲部21aからL字型の第1冷気通路21を下方に流通するとともに、リブ30の当接面30aで当接して下方に導かれる。これにより、冷気が矢印E5(図2、図4参照)に示すように第1冷気通路21を流下する。
リブ30の第1案内部31に当接する冷気は上方に導かれ、一部が矢印E3(図1参照)に示すように吐出口20cを介して低温ケース18内に吐出される。この時、第2案内部32によって冷気が前方へ導かれ、吐出口20cから冷気を容易に吐出させることができる。連結通路20aを更に左方に流通する冷気は矢印E4(図2、図4参照)に示すように第2冷気通路22を流下する。
低温ケース18はダンパ17を通過した冷気が直ちに多量に供給されるため低温に維持される。低温ケース18内を流通した冷気は主に低温ケース18の前面側から冷蔵室3内に流出する。第1案内部31を高く形成して第2案内部32の前方への突出量を大きくするとともに吐出口20cを広くすると、吐出口20cからの冷気量が増加する。これにより、低温ケース18を更に低温に維持することができる。また、第1案内部31によって連結通路20aに流入する冷気の流路面積を調節することにより第1、第2冷気通路21、22の冷気量を均等にすることができる。
尚、低温ケース18内の冷気の冷熱や冷却された貯蔵物の冷熱は低温ケース18の下面から下方へ放出される。低温ケース18の下方に配された貯蔵物は低温ケース18の前方に送られる冷気の降下により直接冷却され、低温ケース18の下面側から放出される冷熱により間接冷却される。
これにより、後述する吐出口20bから吐出される冷気の量を少なくしても冷蔵室3の下部を充分冷却することができる。特に、下段の吐出口20bから吐出される冷気量を抑えることができることになる。従って、冷気が貯蔵物に直接当ることによる貯蔵物の乾燥を極力抑制できるようになる。
第1、第2冷気通路21、22を流下する冷気は吐出口20bから矢印E6(図1〜図4参照)に示すように冷蔵室3内に吐出される。この時、吐出口20bは第1、第2冷気通路21、22の側面に設けられるため、図2、図3に示すように側方に向けて吐出される。
冷蔵室3内に吐出された冷気は矢印E7(図1、図4参照)に示すように載置棚13に沿って前方へ流通する。吐出口20bが上下方向に複数設けられるので複数の載置棚13により仕切られた各段の貯蔵物を容易に冷却することができる。尚、吐出口20bが設けられない段の貯蔵物の場合は、上下の載置棚13に沿って流通する冷気により載置棚13を介して間接的に冷却される。
載置棚13に沿って流通する冷気は載置棚13の前方で矢印E8(図1、図4参照)に示すように降下する。冷蔵室3の前部を降下する冷気の一部は仕切部14上を矢印E9(図1参照)に示すように流通し、正面側の戻り口23aを介して戻り通路23に流入する。
また、冷蔵室3の前部を降下する冷気の一部は仕切部14の前方の連通部14aを介して野菜室16内に流入する。野菜室16に流入した冷気は矢印E10(図1参照)に示すように収納ケース15の周囲の隙間16aを流通する。尚、隙間16aは収納ケース15の側方にも設けられる。
収納ケース15の周囲を流通する冷気は後方の開口部14bを介して仕切部14の上方に導かれ、下面側の戻り口23bを介して戻り通路23に流入する。収納ケース15は上面を塞ぐ仕切部14に沿って流通する冷気(E9)と、周囲の隙間16aを流通する冷気(E10)によって内部の貯蔵物が間接冷却される。
戻り通路23に流入した冷気は矢印E11(図2、図6参照)に示すように上昇する。戻り通路23を上昇する冷気は矢印E12、E13(図2、図6参照)に示すように第1、第2分岐路24、25に分岐する。第1、第2分岐路24、25を流通する冷気は連通口24a、25aを介して冷凍室ダクト10に流入し、冷却器5に戻る。
左右に設けた連通口24a、25aを介して冷気を冷却器5に戻すため、連通口24a、25aの開口面積を適切に形成することによって冷却器5に戻る冷気量を調整できる。これにより、冷却器5の霜付きの状態を容易に調整することができ、左右方向で均一に霜を付着させることができる。
従って、除霜の効率を向上することができ、除霜時間の短縮による省電力化を図ることができる。特に、冷却器5の左右方向の幅が大きい場合にこの効果が大きい。このため、冷却器5の左右方向の幅を大きくした際に、冷却器5の熱交換量が増加して冷却効率の向上が図られるとともに除霜時の電力消費を抑制することができる。
本実施形態によると、上下に延びて冷蔵室3の背面に設けられる第1、第2冷気通路21、22を連結する左右に延びた連結通路20aを設け、左右方向の一方から連結通路20aに冷気が流入するので、冷蔵室3の横幅が広くなっても吐出口20bから冷蔵室3の隅々まで冷気を行き届かせることができる。従って、冷蔵室3の温度分布を均一にすることができる。尚、第1冷気通路21の流入口21bに替えて第2冷気通路22に流入口を形成してもよい。
また、吐出口20cを連結通路20aの上部に配して連結通路20aの上部及び前部に冷気を案内する第1、第2案内部31、32を設けたので、連結通路20aの上下方向の幅を広くすることができる。これにより、吐出口20cを冷蔵室3の上部に配して冷蔵室3内の冷却効率を向上できるとともに、冷気の流通面積を広く確保して流通抵抗を小さくし、送風効率を向上することができる。特に、連結通路20aの後方に第1、第2分岐路24、25が配されて連結通路20aの奥行を大きくできない場合に容易に流通面積を広く確保することができる。
また、第1冷気通路21の流入口21bの下方に設けた屈曲部21aの底面33(第3案内部)によって連結通路20aに冷気を案内するので、第1、第2冷気通路21、22に均等に冷気を流通させて冷蔵室3の温度分布を更に均一にすることができる。
また、連結通路20aの上方に冷却器5が配置されるので、冷却器5と熱交換して冷却器5の側方の連通路7を通る冷気を右方向に偏って配される第1冷気通路21に簡単に流入させることができる。従って、連結通路20aによって第1、第2冷気通路21、22を冷気が流通して冷蔵室3の温度分布を容易に均一にすることができる。
また、冷却器5に冷気を戻す戻り通路23の第1、第2分岐路24、25を連結通路20aの後方に設けたので、戻り通路23を迂回させずに短い距離で形成することができる。従って、戻り通路23の流通抵抗を低減して送風効率を向上することができる。
また、戻り通路23を第1、第2冷気通路21、22の間に配置したので、他の貯蔵室との仕切壁に戻り通路23を設ける必要がなく仕切壁の厚みを小さくすることができる。従って、冷蔵庫1の容積効率を向上することができる。
また、戻り通路23の両側方に第1、第2冷気通路21、22を配置して戻り口23aが下部に配置され、吐出口20bが上部の第1、第2冷気通路21、22の側面に配置されるので、冷蔵室3の側方に吐出された冷気が降下して略中央部の戻り口23aに戻る。従って、冷蔵室3内を冷気が循環し、ショートサーキットを防止して冷却効率を向上できるとともに冷蔵室3内の温度を均一にすることができる。吐出口20bは戻り通路23から離れた側部に配置されていれば正面に向けて形成してもよい。
尚、戻り口23a、23bと吐出口20bとの間を載置棚13により仕切るとより望ましい。これにより、吐出口20bから吐出された冷気のショートサーキットをより確実に防止することができる。従って、冷却効率がより向上するとともに、冷蔵室3内の温度をより均一にすることができる。これにより、背面に吐出通路20と戻り通路23を設けて仕切壁4の厚みを少なくして冷蔵室3の容積を大きくしても、冷却効率のよい冷蔵庫1を得ることができる。
また、野菜室16を仕切る仕切部14により上面が塞がれる収納ケース15を周囲に隙間16aを有して野菜室16内に配し、戻り通路23を配した背面から離れた前面側で仕切部14の上下が連通して冷気が収納ケース15の周囲を流通して戻り口23bに導かれるので、収納ケース15内の貯蔵物を間接冷却して貯蔵物の乾燥を防止することができる。
本発明によると、冷却器で生成した冷気を貯蔵室に吐出する冷気通路を備えた冷蔵庫に利用することができる。
本発明の実施形態の冷蔵庫を示す側面断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫を示す正面断面図 図2のA−A断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の吐出通路を通る断面を示す側面断面図 図2のB−B断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の戻り通路を通る断面を示す側面断面図 従来の冷蔵庫を示す正面断面図 従来の冷蔵庫を示す側面断面図
符号の説明
1 冷蔵庫
2 冷凍室
3 冷蔵室
4 仕切壁
5 冷却器
6 送風ファン
7 連通路
8、20 吐出通路
8a、20b、20c 吐出口
9、23 戻り通路
9a、23a、23b 戻り口
10 冷凍室ダクト
11 ドレンパン
12 排水パイプ
13 載置棚
14 仕切部
14b 開口部
15 収納ケース
16 野菜室
17 ダンパ
18 低温ケース
21 第1冷気通路
21a 屈曲部
21b 流入口
22 第2冷気通路
24 第1分岐路
25 第2分岐路
26 ダクト
27 パネル
30 リブ
31 第1案内部
32 第2案内部
33 底面(第3案内部)

Claims (2)

  1. 貯蔵物を冷却保存する貯蔵室と、
    冷気を生成する冷却器と、
    前記貯蔵室の背面に上下に延びて設けられる第1、第2冷気通路と、
    左右方向に延びて第1、第2冷気通路を連結する連結通路と、
    第1、第2冷気通路の側面に設けられる第1吐出口と
    前記連結通路の上部に設けられる第2吐出口と、
    前記連結通路の下部に配されるとともに前記連結通路の上部に冷気を案内する第1案内部と、
    前記連結通路を流通する冷気を前記連結通路の前部に案内する第2案内部と、
    を備え、前記冷却器で生成された冷気を左右方向の一方から前記連結通路に流入させて第1吐出口から前記貯蔵室の側壁向けて吐出したことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記連結通路の上方に前記冷却器を配置するとともに、前記冷却器に冷気を戻す戻り通路を前記連結通路の後方に設け、並設した第1、第2冷気通路の間に前記戻り通路を配置したことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
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