JP4875866B2 - 樹木の根の誘導用基盤材、及びその誘導用基盤材を用いた地下地盤の施工方法 - Google Patents

樹木の根の誘導用基盤材、及びその誘導用基盤材を用いた地下地盤の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹木の根の成長を阻害しないように、植物の根を好適に誘導させうるような誘導用基盤材、特に駐車場、歩道や街路、建物回り等、地下部における土壌のスペースが制限されているとともに、その土壌部分の周辺に硬い地盤が存在するために、樹木を人為的に植設する上で根を好適に成長させにくいような場所に、その硬い地盤の代用として施工される樹木の根の誘導用基盤材に関する。
近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて都市部における種々の場所、たとえば、公園、歩道、博覧会場、駐車場、プラザ、広場、公開空地等の場所に樹木が人為的に植設されている。このような場合において、植設された樹木は地下部において根を成長させていくのであるが、根の成長は本来樹木を支持する機能を有しているので、その成長する地下部における領域は想像以上に広範囲に至っている。従って、博覧会場や公園等、広い敷地に樹木が植設され、地下部分においても広範囲に土壌が存在するような場所では、根の成長が阻害されることはない。
しかし、駐車場のような場所においては、自動車の出入りが頻繁に行なわれるため、地下部分の地盤はある程度の硬さに締め固められている必要があり、それによって樹木が植設されるべき土壌部分のスペースが著しく制限されているのが現状である。従って、樹木の根が成長しようとしても、地盤の硬い部分には根が伸長し難いので、根の成長が不良となる。
また歩道や街路の地下部分、或いは建物の地下部分においても、荷重等を考慮して地盤が硬く締め固められているので、その周辺部に樹木を植設する場合に、植設すべき土壌部分のスペースが制限されて根の成長が阻害されるおそれがあるという上記駐車場の場合と同様の問題点が生じている。このように地下部において土壌部分のスペースが著しく制限され、植設される樹木を支持する上で必要な根の成長が阻害されることが明らかな場所においては、施工当初から樹木を植設する計画を立案することができない。
しかしながら、近年の都市緑化の要請は、歩道、街路はもちろん、上記のような駐車場や建物の周辺部等、従前においては樹木の植設がされなかったような場所にまで至っており、このような駐車場等、地盤が締め固められていて地下部の土壌が狭いスペースの部分に、根の成長が阻害されないよう、いかにして樹木を植設するかは重要な課題となっている。
ところで、駐車場等において樹木を植設する技術として、従来ではたとえば下記特許文献1や特許文献2のような特許出願がなされている。しかし、特許文献1は高層集合住宅における駐車システムに関する発明を開示するものであり、また特許文献2は植栽型自走式立体駐車場に関する発明を開示するものであり、いずれも広いスペースを有する特殊な駐車場に樹木を植設することを想定するものである。従って、このような技術では、一般の駐車場のように、地下部の締め固め部分と土壌部分とのスペースの割合等は、そもそも考慮する余地がないのである。
特開平5−239934号公報 特開2000−336966号公報
また、建物の近傍に樹木を植栽する技術として、たとえば下記特許文献3や特許文献4のような特許出願がなされている。しかし、特許文献3は屋上庭園としての価値を高めることのできる建物を提供することを課題とし、建物自体が下層階と上層階とを連通する階段状の庭を備えた特殊な構造のものである。樹木は、その階段状の庭を構成する円柱状空間に存在させるという、どちらかといえば現実から遊離した状況を想定している。さらに特許文献4は、建物を垂直方向に貫通して人工地盤上に一端を開口させた採光空間を有するとともに、居室用排気管又は居室用空調配管を配置するもので、この発明もまた現実から遊離した建物の構造を想定している。
このように特許文献3、特許文献4は、建物の構造が現実から遊離した異質なものであるので、地下部における締め固め部分と土壌部分のスペース等は、そもそも度外視しているのである。
特開平9−72113号公報 特開2004−3222号公報
いずれにしても、従来では上記のような駐車場に樹木を植設し、或いは建物の近傍等に樹木を植設する特許出願がなされているものの、特殊な駐車場や建物に適用することを想定したものであるので、地盤の硬い部分の存在によって土壌部分の限られたスペースで根の成長を阻害されることなく樹木を植設するという課題は、全く想定されていないのである。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、一般的な駐車場、歩道や街路、建物の周囲等、樹木を人為的に植設する上で、地下部分の地盤が硬く、その周辺の土壌部分のスペースが著しく制限されるような場所で施工されても、その地下部において根の成長が阻害されることなく樹木を植設することのできる樹木の根の誘導用基盤材を提供することを課題とするものである。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、樹木の根の誘導用基盤材に係る請求項1記載の発明は、相互に接触し、かみ合わせ状態となって骨格を形成している多数の粗粒材と、該粗粒材より粒径の小さい多数の細粒材と、該細粒材を前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持させるための保持材とからなり、前記粗粒材及び細粒材の配合比率は、粗粒材100容量部に対して細粒材10〜40容量部であることを特徴とする。また請求項2記載の発明は、請求項1記載の樹木の根の誘導用基盤材において、粗粒材、細粒材、及び保持材が、袋体内に充填されていることを特徴とする。
ここで、かみ合わせ空隙部とは、粗粒材が相互に接触してかみ合わさった状態においてその粗粒材間に形成される空隙部を意味する。この場合、すべての粗粒材が相互に接触してかみ合わさっていることを厳格に要求する趣旨ではなく、要は粗粒材相互間の接触部分に細粒材等が侵入して、粗粒材相互間の接触及びかみ合わせ状態が不良となることがなく、粗粒材を骨格とする誘導用基盤の構造が維持されつつ、細粒材を保持する空隙部が確保されている状態を意味するものである。
さらに樹木の根の誘導用基盤材を用いた地下地盤の施工方法に係る請求項3記載の発明は、施工箇所に、多数の粗粒材、該粗粒材より粒径の小さい多数の細粒材、及び保持材を装填し、前記粗粒材及び細粒材の配合比率を粗粒材100容量部に対して細粒材10〜40容量部とし、前記多数の粗粒材(1)を相互に接触させてかみ合わせ状態となった骨格を形成しつつ、前記保持材を介して前記細粒材が前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持されるように誘導用基盤を形成して施工することを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、施工箇所に、多数の粗粒材、該粗粒材より粒径の小さい多数の細粒材、及び保持材を装填し、前記粗粒材及び細粒材の配合比率を粗粒材100容量部に対して細粒材10〜40容量部とし、前記多数の粗粒材(1)を相互に接触させてかみ合わせ状態となった骨格を形成しつつ、前記保持材を介して前記細粒材が前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持されるように、前記粗粒材、保持材、細粒材で構成される樹木の根の誘導用基盤層を形成し、該誘導用基盤層の上部に、前記粗粒材、保持材、細粒材で構成される誘導用基盤層をさらに形成し、この誘導用基盤層を形成する作業を順次繰り返して複数の誘導用基盤層からなる地下地盤を形成することを特徴とする。
本発明は、上述のように、相互に接触し、かみ合わせ状態となって骨格を形成している多数の粗粒材と、該粗粒材より粒径の小さい多数の細粒材と、該細粒材を前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持させるための保持材とで誘導用基盤材を構成したものであるため、多数の粗粒材を相互に接触してかみ合わさった状態にして誘導用基盤の骨格の形成を維持しつつ、その粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持材を介して細粒材を保持させることができる。
従って、ココヤシダスト、パーライト、ピートモス、黒土、赤土、バーミキュライト、砂等の、樹木の根の成長に有用な各種の細粒材が、粗粒材間のかみ合わせ空隙部から不用意に流出するのを防止することができる。
その一方で、粗粒材相互間にかみ合わせ空隙部が形成されることで、根が伸長しうるスペースが確保されている。しかも、そのかみ合わせ空隙部に存在しているのは上記のような細粒材や保持材であるので、これら細粒材や保持材が樹木の根が伸長するのを阻止することはない。
この結果、たとえば駐車場、歩道や街路、建物等の地下地盤が上記のような誘導用基盤材で施工され、そのような地下地盤の近辺に存在する土壌に樹木が植設される場合、土壌の地下部に埋設された根鉢から伸長する樹木の根は、上記誘導用基盤材で施工された地下地盤に至る際に、その誘導用基盤材を構成する粗粒材相互間の
かみ合わせ空隙部内を通過することができるので、多数の粗粒材によって樹木の根の成長が阻害されることがない。
従って、本発明によって、駐車場、歩道や街路、建物の周囲等、樹木を人為的に植設する上で、地下部分の地盤が硬く、その周辺の土壌部分のスペースが著しく制限されるような場所で施工されても、その地下部において根の成長が阻害されることなく樹木を施工することのできる樹木の根の誘導用基盤材を提供することが可能となった。
その一方で、粗粒材相互間は接触してかみ合わせられた状態であり、それらの粗粒材によって誘導用基盤の骨格の形成が維持されているので、駐車場、歩道や街路、建物等の地下地盤に必要とされる荷重や転圧に耐えることのできる強度は維持されることとなるのである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
本実施形態の樹木の根の誘導用基盤材は、粗粒材と、細粒材と、該細粒材を前記粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持させるための保持材とで構成されたものである。
粗粒材としては、砕石やコンクリートを破砕して得られた再生砕石、煉瓦の破砕物、瓦の破砕物、火山砂利、礫、ブロックの破砕物、ALCの破砕物、発泡スチロール等を使用することができる。粗粒材には、粒径10mm〜100mmのものが用いられる。
また細粒材としては、ココヤシダスト、パーライト、ピートモス、黒土、赤土、バーミキュライト等を使用することができる。安価で緩衝能が高い材料を用いることが好ましい。またカチオン交換容量の高いものを使用するのが好ましい。細粒材には、粒径0.02〜2mm程度のものが用いられる。ただしココヤシダストのように細長い形状のものは、短径側の径(太さ)が2mm以下であればよく、長径側の径(長さ)は10〜20mm程度であってもよい。また細粒材として砂を使用することも可能である。さらに、このような細粒材に肥料を混入することで、粗粒材のかみ合わせ空隙部内に保持させることも可能となる。
保持材としては、高分子吸収体が用いられる。高分子吸収体としては、たとえばポリアクリル酸塩系、デンプングラフト重合系、ポリビニルアルコール系、カルボキシメチルセルロース系等のものが用いられる。
高分子吸収体は水を吸収して膨潤し、それによって粗粒材のかみ合わせ空隙部内に十分な量の細粒材を保持させることができる。その詳細な作用については後述する。また粗粒材相互間の接触部分、かみ合わせ部分においては膨潤した高分子吸収体も破砕されて、相互に接触、かみ合わせ状態となっている多数の粗粒材が誘導用基盤を形成する上で、支障を生じさせることがない。
このように、保持材に高分子吸収体を用いることで好適な作用、効果が得られるが、保持材の種類は高分子吸収体に限定されるものではない。たとえば酢酸ビニル樹脂、澱粉糊、ポリビニルアルコール等を使用することもできる。
酢酸ビニル樹脂、澱粉糊、ポリビニルアルコール等の樹脂系の保持材は、高分子吸収体のように膨潤するわけではないので、粗粒材のかみ合わせ空隙部内に細粒材を保持させる保持力に関しては、高分子吸収体ほどの保持力はないが、水を添加することによって湿潤し、粘着状態となるので、細粒材を粗粒材に付着させるような機能を生じさせる。粗粒材と細粒材とは一般に混合されにくいが、上記樹脂系の保持材を用いることによって、細粒材が粗粒材に付着させるような状態とすることができ、それによって細粒材が粗粒材間に極力保持されるような状態とすることができる。
さらに水自体を保持材として使用することもできる。水は上記高分子吸収体のようなに膨潤するわけではなく、上記樹脂系の保持材のように所定の粘着力を付与するわけでもないので、粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に細粒材を保持する保持力が
優れているわけでは必ずしもない。しかしながら水を保持材として用いても、粗粒材の表面を湿潤状態にすることができるので、その後に細粒材を添加した際に、粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に進入した細粒材は、水によって湿潤状態とされた粗粒材の表面に、一時的にではあるが付着することとなる。このため、細粒材は直ちに粗粒材間のかみ合わせ空隙部から不用意に流出することがなく、粗粒材間のかみ合わせ空隙部内で一定時間は保持されることとなる。
すなわち、本発明において「粗粒材間のかみ合わせ空隙部内で細粒材を保持する」とは、要は、細粒材が粗粒材間のかみ合わせ空隙部から直ちに且つ不用意に流出するようなことが防止されるべく、粗粒材間のかみ合わせ空隙部内で細粒材がある程度の時間は保持されるような状態であればよいことを意味する。従って、上記水のように、粘着力を付与しないまでも、粗粒材の表面を湿潤状態としうるようなものも保持材に含まれる。
上記のような樹木の根の誘導用基盤材は、たとえば駐車場、歩道や街路、建物等
の地下部分若しくはその近傍に施工される。すなわち、駐車場、歩道、街路、建物等が施工される前に、その地下部分となるべき箇所が掘削され、その掘削穴部に上記誘導用基盤材が装填される。
その手順を説明すると、先ず粗粒材を定量に設定し、次に細粒材に保持材を添加したものを前記粗粒材に混合する。このように混合したものを設置箇所に装填し、その後、適量の水を添加する。これによって保持材である高分子吸収体が膨潤し、それとともに粘着状態となる。
その後、コンパクター、タンパーやローラー等で振動を付与することによって、粗粒材、細粒材、及び保持材が、極力均一になるように混合されることとなる。
この場合において、細粒材に比べて粒径の大きい粗粒材は、相互に接触し、かみ合わせ状態となって、誘導用基盤の骨格を形成する。その一方で、それらの粗粒材相互間に空隙部が形成され、その空隙部に細粒材が進入しようとするが、前記保持材である高分子吸収体は、自重の約数百倍の水を吸収して膨潤するので、その膨潤する高分子吸収体は前記粗粒材相互間の空隙部のすみずみにまで浸透する。それとともに、膨潤しようとする高分子吸収体が粗粒材の表面側に向かって圧接力を作用させ、しかも水を吸収した高分子吸収体は粘着状態ともなるので、このような圧接力と粘着力によって、細粒材は、前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部内で不用意に移動することがなく、その空隙部から不用意に流出することがない。
このようにして、細粒材は、前記多数の粗粒材間のかみ合わせ空隙部から不用意に流出することなく、そのかみ合わせ空隙部内で確実に保持されることとなる。
保持材は、施工後の降雨等によって流出する場合があるので、粗粒材間のかみ合わせ空隙部内で一旦保持されていた細粒材の離脱を完全に防止できるわけではない。しかし、保持材である高分子吸収体が水を吸収していることによって粗粒材の表面近傍には所望の粘着力が残存し、しかも自重の約数百倍の水を吸収して膨潤していた高分子吸収体は、施工後の降雨等によって一部が流出したとしても、かみ合わせ空隙部内においてその体積を急激に減少させるようなことはなく、従って細粒材が粗粒材間のかみ合わせ空隙部から直ちに離脱して下方へ落下するのを阻止することができるのである。
一方、粗粒材相互間は接触してかみ合わせられた状態であり、保持材である高分子吸収体が膨潤したとしても、粗粒材相互間の接触部分、かみ合わせ部分においては膨潤した高分子吸収体も破砕され、相互に接触、かみ合わせ状態となっている多数の粗粒材が誘導用基盤の骨格を形成する上で、支障を生じさせることがない。
このような状態で、たとえば駐車場、歩道や街路、建物等の地下部分が上記誘導用基盤材で施工された場合、その誘導用基盤材で施工された駐車場、歩道や街路、建物等の地下部分の近辺に存在する土壌に樹木が植設される場合、誘導用基盤材を構成する粗粒材が相互に接触、かみ合わせ状態となっていることで誘導用基盤の骨格の形成が維持され、しかもこれらの粗粒材間には上記のようなかみ合わせ空隙部が形成されているので、土壌の地下部に埋設された根鉢から伸長する樹木の根は、上記誘導用基盤材で施工された駐車場、歩道や街路、建物等の地下部分に至る際に、そのかみ合わせ空隙部内で誘導されることとなり、多数の粗粒材によって樹木の根の成長が阻害されることがない。
また上記のような粗粒材間に存在しているのは、上記のような細粒材や保持材であるので、このような細粒材や保持材が、粗粒材間のかみ合わせ空隙部への樹木の根の伸長を阻害することもないのである。従って、上記のように駐車場、歩道や街路、建物等の地下部分を構成している誘導用基盤材によって、樹木の根の伸長が阻害されることなく好適に誘導されることとなる。
その一方で、多数の粗粒材が相互に接触、かみ合わせ状態となっていることで誘導用基盤の骨格の形成が維持されているので、駐車場、歩道や街路、建物等の地下部分等に必要とされる荷重や転圧に耐えることのできる程度の強度は維持されることとなるのである。
尚、施工後の誘導用基盤材を模式的に表すと、図1のような状態となる。すなわち、多数の粗粒材1間のかみ合わせ空隙部4内に細粒材2が進入した状態となり、且つ膨潤した保持材3よって細粒材2がかみ合わせ空隙部4内に保持された状態となる。
(実施形態2)
本実施形態は、上記のような粗粒材、細粒材、保持材を袋体に充填する場合の実施形態である。すなわち、図2に模式的に示すように、袋本体5内に粗粒材1、細粒材2、保持材3が充填されて、袋体6が構成されている。このように粗粒材1、細粒材2、及び保持材3を袋体6内に充填することで、施工現場での使用の便宜を図ることができる。
上述のような保持材が乾燥状態で固形粒状のものであり、また粗粒材と細粒材とは混合されにくいので、これらが袋内に充填された状態では、細粒材が下部に沈降し、粗粒材や保持材が上部に浮いた状態となっている。しかし、一旦、これら細粒材、粗粒材、保持材が袋内から放出されて現場で施工される場合には、袋内の上部に充填されていた粗粒材や保持材が先ず施工箇所に放出され、次に水を添加して実施形態1と同様に保持材を膨潤、粘着状態とすることで、粗粒材のかみ合わせ空隙部内に細粒材を保持させることができる。
本実施形態においては、現場で施工する直前まで、誘導用基盤材の構成材料である粗粒材、細粒材、保持材のすべてが袋詰め状態にされているため、工場等での製造から袋詰めの後、保管、流通、現場への運搬等の一連の取り扱いを容易に行なうことができ、施工に至るまでの便宜を図ることができるという利点がある。
(実施形態3)
本実施形態では、上記実施形態1や実施形態2のような誘導用基盤材を用いて複層構造に施工する場合の実施形態である。
すなわち、先ず粗粒材を定量に設定し、次に細粒材に保持材を添加したものを前記粗粒材に混合して設置箇所に装填し、その後、適量の水を添加する。これによって実施形態1と同様に保持材である高分子吸収体を膨潤させ、それとともに粘着状態とする。これによって実施形態1と同様に粗粒材のかみ合わせ空隙部内に細粒材
が保持される。このようにして、粗粒材、細粒材、保持材からなる誘導用基盤材によって1つの誘導用基盤層7が形成されることとなる。
1つの誘導用基盤層7が誘導用基盤材によって構成された後、必要に応じて養生等を行なった上で、その誘導用基盤層7の上部に他の誘導用基盤層7を形成する。すなわち、他の誘導用基盤材を構成する粗粒材を前記誘導用基盤層7の上部に、粗粒材、細粒材、保持材を混合したものを添加した後、上記と同様に水を添加して保持材を膨潤させることによって、既に形成されている誘導用基盤層7の上部に、別の誘導用基盤層7が新たに形成されることとなる。
そして、このような作業を順次繰り返すことによって、図3に示すように複数の誘導用基盤層7が形成されることとなる(図3では3層構造のものを示している。)。すなわち、上記駐車場、歩道や街路、建物等の地下地盤が、上記のような複数の誘導用基盤層7で構成されることにもなるのである。
この場合において、1つの誘導用基盤層を構成している誘導用基盤材は、上述のように多数の粗粒材間にかみ合わせ空隙部を有して構成されているので、その層内における樹木の根の伸長が阻害されず、根が好適に誘導されることとなる。
一方、細粒材は膨潤した保持材によって粗粒材のかみ合わせ空隙部内に極力残存するように保持され、粗粒材と細粒材がほぼ均一に混在された状態となっているが、仮に1つの層内において粗粒材と細粒材の各構成材料に多少の偏りが生じて分布した状態となっても、地下地盤が複数の誘導用基盤層で構成されているので、各誘導用基盤層ごとに粗粒材、細粒材が存在していることに変わりはなく、1箇所の地下地盤に着目すれば、全体として粗粒材と細粒材とが偏在するようなことはないのである。
また、このような誘導用基盤層で地下地盤が構成されているので、たとえば異なる複数の土壌層が積層されているような、自然界に存在する地下地盤に近い構造の地下地盤が形成されることとなるのである。
尚、本実施形態では、粗粒材、細粒材、保持材の各材料を別々に準備して現場で施工することが可能である他、実施形態2のように各材料が充填された袋体を用いて施工することも可能である。
(その他の実施形態)
尚、粗粒材の種類は、上述のように砕石、コンクリートを破砕して得られた再生砕石、煉瓦の破砕物、瓦の破砕物、火山砂利、ブロックの破砕物、ALCの破砕物、発泡スチロール等、種々のものを使用することができ、その種類は問わない。
また、粗粒材の粒径も特に限定されるものではないが、10mm〜100mmであることが好ましい。粒径が10mm未満になると、荷重や転圧等に耐えうる必要な強度が誘導用基盤材に付与されないおそれがあり、また100mmを超えると、粗粒材間のかみ合わせ空隙部に細粒材が好適に分布して存在させることができないおそれがあるからである。この観点からは、30mm〜50mmであることがより好ましい。
さらに細粒材の種類も、上述のようにココヤシダスト、パーライト、ピートモス、黒土、バーミキュライト等を使用することができ、その種類は問うものではない。
さらに、上記実施形態では、保持材として高分子吸収体が用いられていたが、保持材の材質も該実施形態に限定されず、たとえば酢酸ビニル樹脂、澱粉糊、ポリビニルアルコール等の樹脂系のもの、或いは水等を使用することもできる。ただし、細粒材を粗粒材間のかみ合わせ空隙部内に保持させ、その保持力を維持する観点からは、上記実施形態のような高分子吸収体を用いるのが好ましい。
さらに、粗粒材、細粒材、保持材の配合比率も特に限定されるものではないが、
粗粒材100容量部に対して、細粒材10〜40容量部程度であることが好ましい。また保持材は粗粒材の表面を湿気らせる程度でよい。具体的には2〜10容量部程度である。
細粒材が10容量部未満であると、根が細粒材の中にある水分等を求めて伸長せず、その結果、本発明の意図する根の誘導効果が得られないおそれがあるからである。一方、細粒材が40容量部を超えると、沈下して粗粒材間のかみ合わせ部に不用意に侵入する可能性があるからである。
さらに、本発明の誘導用基盤材が適用される場所も、上記実施形態のような駐車場、歩道や街路、建物等の地下部等に限定されるものではなく、これら以外の場所に本発明の誘導用基盤材を施工することも可能である。
一実施形態の誘導用基盤材の概略拡大模式図。 誘導用基盤材を袋体に充填した状態の概略断面図。 複数の誘導用基盤層を形成した状態の概略断面図。
符号の説明
1…粗粒材 2…細粒材
3…保持材 4…かみ合わせ空隙部
6…袋体 7…誘導用基盤層

Claims (4)

  1. 相互に接触し、かみ合わせ状態となって骨格を形成している多数の粗粒材(1)と、該粗粒材(1)より粒径の小さい多数の細粒材(2)と、該細粒材(2)を前記多数の粗粒材(1)間のかみ合わせ空隙部(4)内に保持させるための保持材(3)とからなり、前記粗粒材(1)及び細粒材(2)の配合比率は、粗粒材(1)100容量部に対して細粒材(2)10〜40容量部であることを特徴とする樹木の根の誘導用基盤材。
  2. 粗粒材(1)、細粒材(2)、及び保持材(3)が、袋体(6)内に充填されている請求項1記載の樹木の根の誘導用基盤材。
  3. 施工箇所に、多数の粗粒材(1)、該粗粒材(1)より粒径の小さい多数の細粒材(2)、及び保持材(3)を装填し、前記粗粒材(1)及び細粒材(2)の配合比率を粗粒材(1)100容量部に対して細粒材(2)10〜40容量部とし、前記多数の粗粒材(1)を相互に接触させてかみ合わせ状態となった骨格を形成しつつ、前記保持材(3)を介して前記細粒材(2)が前記多数の粗粒材(1)間のかみ合わせ空隙部(4)内に保持されるように誘導用基盤を形成して施工することを特徴とする樹木の根の誘導用基盤材を用いた地下地盤の施工方法。
  4. 施工箇所に、多数の粗粒材(1)、該粗粒材(1)より粒径の小さい多数の細粒材(2)、及び保持材(3)を装填し、前記粗粒材(1)及び細粒材(2)の配合比率を粗粒材(1)100容量部に対して細粒材(2)10〜40容量部とし、前記多数の粗粒材(1)を相互に接触させてかみ合わせ状態となった骨格を形成しつつ、前記保持材(3)を介して前記細粒材(2)が前記多数の粗粒材(1)間のかみ合わせ空隙部(4)内に保持されるように、前記粗粒材(1)、保持材(3)、細粒材(2)で構成される樹木の根の誘導用基盤層(7)を形成し、該誘導用基盤層(7)の上部に、前記粗粒材(1)、保持材(3)、細粒材(2)で構成される誘導用基盤層(7)をさらに形成し、この誘導用基盤層(7)を形成する作業を順次繰り返して複数の誘導用基盤層(7)からなる地下地盤を形成することを特徴とする樹木の根の誘導用基盤材を用いた地下地盤の施工方法。
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