JP4875853B2 - マグネシウム板 - Google Patents

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Description

本発明は、純マグネシウムまたはマグネシウム合金からなる表面を備えたマグネシウム板に関する。
マグネシウムやその合金は、一般に実用化されている金属材料の中でも特に軽量であることから種々の用途、特に軽量化を目的とした用途などに広く用いられている。また、マグネシウムやその合金は、一般的な金属材料に比べて活性が高く腐食を起こしやすいことから、塗装などが施された状態で用いられる。しかし、近年素材自体の美観を活かした製品が求められるようになってきており、このマグネシウムやその合金が外観に現れるような製品が製造されるようになっている。そして、特許文献1には、マグネシウム又はマグネシウム合金材を機械加工して金属光沢を付与した後に強アルカリ水溶液処理と弱酸または弱アルカリ処理とを行うことによりマグネシウム又はマグネシウム合金材の腐食を防止しつつ金属光沢を保持する方法が記載されている。
ところで、通常、金属製品を製造する場合には、切削加工、ダイカスト成型、プレス成型などといった種々の加工方法が用いられている。
なかでも、板状の材料を、金型を用いて絞り加工や打ち抜き加工することで成型を行うプレス成型は、製品を短時間に製造することができ、さらに、板状材料の材質や厚さを変更することも容易で応用性にも富むことから広く用いられている。また、プレス加工は、ダイカスト成型のような大掛かりな設備を必要とせず、板状材料としてフープ材などの長尺材を用いることで連続的に製品を作ることができ生産性の高い製造が可能となる。
しかし、プレス加工は、金型と板状材料とが直接接触するため、金型と板状材料との間に異物が混入したりすると得られる製品の表面に傷が発生することとなる。
このようなプレス加工時の傷の発生を抑制することができれば、前述のようなマグネシウムやその合金からなる表面を備えた板状材料(マグネシウム板)をプレス加工して製品を製造する場合に、予め板状状態において一括して表面の美観を付与することができ、プレス加工後に製品形状に加工されたものの個々の表面を処理する場合に比べて製造工程が簡略化されることとなる。
しかし、従来、表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備えたマグネシウム板において、プレス加工工程における傷つき性を抑制する方法は検討されておらず、その対策も確立されていない。
なお、従来、マグネシウム板のプレス加工工程においては、グラファイト系、二硫化モリブデン系潤滑剤、あるいはポリテトラフロロエチレンシートが用いられた温間プレスが行われたりしているが、このような場合においても傷が発生しており、このようなプレス加工工程においても傷つき性を抑制する方法は検討されていない。
すなわち、表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備えたマグネシウム板においては、従来、プレス加工における製造工程が煩雑となることを抑制することが困難であるという問題を有している。
特開2003−313682号公報
本発明は、表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備え、プレス加工に用いられるマグネシウム板において製造工程が煩雑となることを抑制することを課題としている。
本発明者らは、従来省みられることのなかったマグネシウム板の表面酸化層に着目して、プレス加工工程における傷の発生について鋭意検討を行った結果、プレス加工時に純マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面の酸化層がこの表面から脱離して、金型表面に付着し、プレス加工時の傷の原因となることならびにこのプレス加工工程前のマグネシウム板表面酸化層の厚さを所定の値とすることで表面酸化層が脱離してプレス金型への付着を抑制し得ることを見出し、本発明の完成に至ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備え、プレス成形に用いられるマグネシウム板であって、前記表面の光沢保持率が56%を超え、且つ、表面酸化層の厚さが0.3μm以下であることを特徴とするマグネシウム板を提供する。
本発明によれば、純マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面酸化層がプレス加工時に金型表面に付着することを抑制することができ、傷の発生を抑制することができる。
したがって、研磨工程などの新たな工程を行うことを抑制でき、製造工程が煩雑となることを抑制し得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態についてマグネシウム合金からなるフープ材として成形され、表面酸化層が0.3μm以下の厚さとされているマグネシウム板を例に説明する。
本実施形態の前記マグネシウム合金としては、ASTMでAM100などと呼ばれるMg−Al系合金、AZ31A〜C、AZ61A、AZ63A、AZ80A、AZ91A〜C、AZ92AなどのMg−Al−Zn系合金、ZK51A、ZK60A、ZK61AなどのMg−Zn−Zr系合金、EZ33A、ZA41A、QE22AなどのMg−希土類元素系合金などを使用することができる。
また、前記フープ材としては、通常、厚さ0.1〜10mm、長さ数m〜数百mとされ、スリット加工により所望の幅に加工して用いることができる。
次いで、このような、フープ材を製造する方法ならびに、該フープ材の表面酸化層の厚さを0.3μm以下にする方法について説明する。
前記フープ材は、例えば、前述のような合金ビレットを鋳造し、熱間圧延後、100℃程度の温度で温間圧延することにより得られる。
このとき、フープ材を形成する場合の加工性に優れる点において、マグネシウム合金としては、AZ31A〜C、AZ61A、AZ80A、ZK60Aの何れかを用いることが好ましい。
得られたフープ材は、図1a)〜d)に例示するような研磨工程により酸化層が除去される。この、研磨においては、バフロールや図1a),b)として例示のブラシロールなどを用いたロール研磨、図1c),d)として例示のベルトサンダーなどのベルト研磨、その他、研磨具をマグネシウム板の表面で摺動させる摺動研磨、砥粒をマグネシウム板の表面に吹き付けるショットブラスト研磨など一般に用いられている研磨方法を採用することができる。
なかでも、砥粒を備えたブラシを用いて研磨する場合には、研削されたマグネシウム粉が研磨されたマグネシウム板に付着したり、研磨具に付着したりすることがなく、これらを除去する手間を省略し得る点において好適である。
さらに、砥粒を備えたブラシを用いる場合には、ブラシの柔軟性によって表面酸化層に比べて粘りのあるマグネシウム合金部分を研削することを抑制しつつ、マグネシウム合金に比べて脆い表面酸化層を選択的に研削することが容易となる点においても優れている。
なお、いずれの研磨方法においても、研磨により発生したマグネシウム合金粉が粉塵爆発を起こすことを防止すべく湿式研磨が行われることが好ましい。この湿式研磨としては、図1a),c)に例示のごとくスプレーノズルを用いて研磨液を研磨個所に供給する方法や、図1b),d)に例示のごとく研磨液中でマグネシウム板を研磨する方法などが挙げられる。また、この湿式研磨においては、研磨されたマグネシウム合金粉やマグネシウム板表面において、水とマグネシウムとの反応により水素ガスが発生し、該水素ガスによる不具合が生じることを抑制すべくマグネシウム板の表面にアルカリ水溶液を供給することが好ましい。さらに、研磨後のマグネシウム板の表面に極薄い水酸化マグネシウム皮膜を形成させて、表面酸化の進行を抑制させる効果に優れる点から、アルカリ水溶液としてはpH11以上のものを用いることが好ましい。
このような、アルカリ水溶液としてはpH11以上のものを用い湿式研磨が行われた場合には、マグネシウムやその合金の表面に曇りが生じて、光沢が低下したりするなど素材自体の美観が損なわれるおそれを抑制することができる。この素材が外観に現れるような製品に好適に用いることができるものとなる。
このような、アルカリ水溶液としては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属の塩、または、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属 の塩を用いたアルカリ水溶液を用いることができ、このアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩としては、水酸塩、炭酸塩、重炭酸塩などが安価で取り扱いも容易であることから好ましい。このような点から、前記アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液を用いることが、さらに好ましい。
また、要すれば、これらの塩を複数混合したアルカリ水溶液を用いることもできる。
このアルカリ水溶液には、マグネシウム板の表面に砥粒や研磨カスなどが付着して、プレス時に傷が発生することをさらに抑制させ得る点から、界面活性剤が配合されていることが好ましい。
このような研磨工程は、図2a),b)に例示するような連続研磨ラインにより、連続的に研磨が実施されることが好ましい。
このような研磨工程の後には、マグネシウム板の表面に極薄い水酸化マグネシウム皮膜を形成させて、表面酸化の進行を抑制させる効果に優れる点から、さらに、アルカリ水溶液でマグネシウム板の表面を処理するアルカリ処理工程が行われることが好ましい。
また、このアルカリ処理工程により、マグネシウムやその合金の表面に曇りが生じて、光沢が低下したりするなど素材自体の美観が損なわれるおそれをさらに抑制することができる。
なお、これらの効果を高める点から、このアルカリ処理工程は、前述の研磨工程の直後に行うことが好ましい。
なお、このアルカリ処理においては、研磨工程でのアルカリ水溶液がアルカリ処理工程に導入されることを防止する手段を省略し得る点において、研磨処理に用いたものと同じアルカリ水溶液を用いることが好ましい。また、研磨処理ならびにアルカリ処理に用いるアルカリ水溶液は、過度にマグネシウム板の表面を処理してマグネシウム板の表面に変色を生じさせることを抑制し得る点から、20〜60℃の温度であることが好ましい。
さらにこの変色を抑制させる点から、研磨工程におけるマグネシウム板とアルカリ水溶液との接触時間をt1(秒)、アルカリ処理におけるマグネシウム板とアルカリ水溶液との接触時間をt2(秒)として、総接触時間をt(=t1+t2)とし、アルカリ水溶液中のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の総イオン濃度をC(質量%)とした場合にt×Cが1〜100の範囲となるようなアルカリ水溶液濃度ならびに総接触時間を設定することが好ましい
なお、研磨工程とアルカリ処理工程に用いるアルカリ水溶液が異なる場合には、それぞれの総イオン濃度をC1、C2として、前述のt×Cの値をt1×C1+t2×C2として求めることができる。
上記のごとく製造された表面酸化層の厚さが0.3μm以下のマグネシウム板は、例えば、マグネシウム板を加温して温間プレスが行われるようなプレス加工工程に用いられても、表面酸化層の脱落によりマグネシウム製品に傷つきが発生することを防止することができる。
なお、マグネシウム製品に傷つきが発生することをより防止し得る点から表面酸化層の厚さは、0.15μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態における、酸化層の厚は、例えば、マグネシウム板をアセトン脱脂し、さらにエタノール脱脂して、乾燥させた後に、ESCA分析法(アルバック・ファイ社製「Quantum2000」、X線源:mono−AlKα線 25W、X線ビーム径:約200μmφ)により、Ar+スパッタ(加速電圧:2kV、スパッタ速度:約16.3nm/min(SiO2換算))を実施しながら、表面から深さ方向に元素分布を測定し、酸素(O1s)の強度が最大値とバックグラウンド値との差の1/2の強度となるまで低下する深さを測定することにより計測することができる。なお、ESCA分析法に代えてオージェ分析法、SIMS分析法により同様に測定することもできる。
なお、本実施形態においてはマグネシウム板としてマグネシウム合金が圧延され板状に形成されたものを例に説明したが、本発明においては、マグネシウム板の素材をマグネシウム合金に限定するものではなく、純マグネシウムであってもよく、また、マグネシウム合金や純マグネシウムにより全体を構成されたものに限定されるものではなく、板状部材の表面のみあるいは部分的表面のみに純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備えたマグネシウム板についても本発明の意図する範囲である。
さらに、本実施形態においては、表面酸化層の厚さが0.3μm以下とする手段として、研磨方法を例示したが本発明においては、表面酸化層の厚さが0.3μm以下とする手段を研磨方法に限定するものではなく、5質量%濃度程度の希硫酸などによる酸洗浄やマグネシウム板を還元雰囲気下にて製造するなどの方法などでもよい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1(実施例1〜4、比較例1〜2)
(マグネシウム板の作成)
AZ31の鋳造ビレットを押し出し成形し、厚さ1mm×幅130mmに整形したものを、4段温間圧延機を用いて厚さ0.5mmに圧延しマグネシウム板を作成した。なお、このマグネシウム板の化学組成を分析したところAl:2.78質量%、Zn:0.94質量%、Mn:0.53質量%、Fe:0.001質量%、Si:0.01質量%、残部Mg及び不可避不純物であった。
(表面酸化層の調整)
上記のとおり作製したマグネシウム板を#100相当のアルミナ系砥粒を備えるナイロンワイヤ製ブラシロール(ホタニ社製「M−33ブラシ」、外径270mm)を用いて、研磨することにより表面酸化層の厚さを調整した。
より具体的には、マグネシウム板とブラシロールとが接触し始める位置から、さらに、ブラシロールをマグネシウム板に2.0mm近接させてブラシロールにより研磨した。
研磨に際してはブラシロールとマグネシウム板との当接個所にスプレーノズルを用いて2質量%水酸化ナトリウム水溶液を供給しつつ、1000rpmの回転数でブラシロールを回転させ、マグネシウム板を5m/minの速度で送って実施例1のマグネシウム板の製造を行った。
なお、研磨後にはアルカリ処理を実施せず、水洗の後、乾燥した。
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.05μmであった。
(実施例2)
ブラシロールの近接距離を1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.12μmであった。
(実施例3)
ブラシロールの近接距離を0.5mmとしたこと以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.28μmであった。
(実施例4)
マグネシウム合金としてAZ61を用いたこと以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.08μmであった。
(比較例1)
表面研磨を行わなかったこと以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。(温間圧延されたままのマグネシウム板)
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.36μmであった。
(比較例2)
砥粒が備えられていないブラシロールを用いたこと以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。
このようにして、得られた研磨後のマグネシウム板の表面酸化膜は、0.31μmであった。
(評価)
(温間プレス)
各実施例、比較例のマグネシウム板を用いて、加工品の表面の傷を目視にて観測しつつ円筒深絞りプレスを連続的実施した。深絞り条件は以下のとおり。
(深絞り条件)
材料:実施例1〜4、比較例1〜2マグネシウム板のφ127mm打ち抜き品
予熱温度:250℃(電気炉を使用)
絞り比:3.18
使用プレス:クランクプレス(最高プレス速度300mm/秒)
絞りショットスピード:1ショット/12秒
使用金型:SKD11製、
ダイス:硬質クロムメッキ、内径41.5mm、肩部R=8.0mm、523Kに加熱
ポンチ:メッキなし、外径40.0mm、肩部R=4.0mm、加熱なし
その他:ダイス側に初回絞り時のみグラファイト系潤滑剤塗布、
ポンチ側には0.05mm厚さPTFEシートを常時使用
しわ押え力0.98kN
(判定)
目視にて傷が観測されるまでのショット数と、傷を爪で引っかいて引っ掛かりを感じた場合を深い傷として、この深い傷が観測されるまでのショット数を数えた。
結果を表1に示す。
Figure 0004875853
※「20<」とは、20ショットにおいても傷が観測されなかったことを示す
※※「−」とは評価を行っていないことを示す。
この表1からもわかるように、純マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面酸化層が0.3μmとされることで、プレス加工時に金型表面に酸化層が付着することを抑制することができ、傷の発生を抑制することができることがわかる。
実験例2
(実施例5〜23、参考例24〜28)
研磨方法、アルカリ処理を表の条件として実施した以外は実施例1と同様にマグネシウム板を製造した。
なお、研磨液とアルカリ処理液は同じものを用い、実施例22以外の研磨液、アルカリ処理液のpHは11以上であった。
また、参考例27、28については、乾式研磨を行った。
(光沢度保持)
各実施例、参考例のマグネシウム板の初期の光沢度をスガ試験機社製光沢度計「HG246」を用い、タングステン光源により60度鏡面光沢度を測定した。また、同様に50℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中に120時間保持した後に、同様に光沢度を測定した値を、初期値を100%とした百分率で表し光沢度保持率とした。結果を併せて表2に示す。
Figure 0004875853
※1)ブラシ研磨:ブラシロールの砥粒が異なること以外は実施例1と同じ。
ベルト研磨:砥粒が異なる研磨ベルトを700m/minの速度で回転させつつ、
マグネシウム板に当接させつつ研磨を行った。
※2)脱脂剤:界面活性剤含有アルカリ水溶液として第一工業製薬社より市販の
「メタルクリア」を水で希釈して使用した。
※3)変色:素材自体の色調から黄変していることが肉眼にて確認された。
欠陥:圧延時の傷が解消されていない。
焼付:ブラシあるいはベルト素材がマグネシウム板表面に焼き付いた。
表2の結果から、湿式研磨が行われることにより、研磨工程が容易に実施できることがわかる。また、研磨時にアルカリ水溶液が用いられることでマグネシウム板の表面に極薄い水酸化マグネシウム皮膜が形成され、表面酸化の進行が抑制されることがわかる。さらに、マグネシウム板表面とアルカリ水溶液との接触時間tとアルカリ水溶液に含まれるアルカリ金属ならびにアルカリ土類金属との総イオン濃度Cとの積、即ち、t×Cの値を1〜100とすることでマグネシウム板の表面に酸化皮膜の形成や変色が発生することを抑制し得ることがわかる。
a)一ブラシ研磨を示す概略側面図、b)他ブラシ研磨を示す概略側面図、c)一ベルト研磨を示す概略側面図、d)他ベルト研磨を示す概略側面図。 a)一連続研磨ラインを示す概略図、b)他連続研磨ラインを示す概略図。
符号の説明
1:マグネシウム板、2:ブラシロール、3:ベルトサンダー、4:スプレーノズル、5:研磨液、6:送り出しリール、7:巻取りリール、8:研磨装置、9:アルカリ処理装置、10:水洗装置、11:乾燥装置、12:水洗シャワー、13:水切りロール、14:エアブロワー、15:研磨粉塵沈殿槽

Claims (6)

  1. 表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金を備え、プレス成形に用いられるマグネシウム板であって、前記表面の下記式で表される光沢保持率が56%を超え、且つ、表面酸化層の厚さが0.3μm以下であることを特徴とするマグネシウム板。

    光沢度保持率(%)=(50℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中に120時間保持した後の60度鏡面光沢度)/(初期の60度鏡面光沢度)×100
  2. 表面に純マグネシウムまたはマグネシウム合金が配された部材の前記表面を研磨加工して製品を製造するマグネシウム製品の製造方法であって、
    前記研磨加工が、砥粒を備えたブラシを用い、且つ、pH11以上のアルカリ水溶液を用いた湿式研磨であり、前記表面における下記式で表される光沢保持率が56%を超えるマグネシウム製品を作製することを特徴とするマグネシウム製品の製造方法。

    光沢度保持率(%)=(50℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中に120時間保持した後の60度鏡面光沢度)/(初期の60度鏡面光沢度)×100
  3. 前記湿式研磨後に、pH11以上のアルカリ水溶液で前記表面を処理するアルカリ処理をさらに行う請求項2に記載のマグネシウム製品の製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液には、アルカリ金属の水酸塩、炭酸塩、重炭酸塩又はアルカリ土類金属の水酸塩、炭酸塩、重炭酸塩より選ばれる少なくとも1種が含まれている請求項2又は3に記載のマグネシウム製品の製造方法。
  5. 前記表面と前記アルカリ水溶液との接触時間をt(秒)、アルカリ水溶液に含まれるアルカリ金属ならびにアルカリ土類金属の総イオン濃度をC(質量%)とした時に、前記湿式研磨と前記アルカリ処理とのt×Cの和が1〜100であり、且つそれぞれのアルカリ水溶液の温度を20〜60℃とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のマグネシウム製品の製造方法。
  6. 前記湿式研磨または前記アルカリ処理のいずれかのアルカリ水溶液には界面活性剤が配合されている請求項2乃至5のいずれか1項に記載のマグネシウム製品の製造方法。
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