JP4875436B2 - 警報器 - Google Patents
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Description
ところが、このような並列配置の場合、スピーカ40とカバー20との間に空間が生じるため、スピーカ40の警報音が篭ることがある。
そこで、特許文献1の警報器では、スピーカとカバーとの間の空間に音響ダクトを設けることにより、スピーカの篭り音を軽減している。
しかし、このような音響ダクトを設ければ部品点数および製造工程が多くなり、当然のことながらコスト高につながる。
また、音響発生部と検知部とを並べて配置しないことから、設置スペースは従来のものより少なくてよい。例えば、円形状の天井取付タイプの警報器では、本体の外径を小さくすることができる。これにより、コンパクトな警報器を実現することができる。
さらに、音響発生部の中心を検知部が貫通しているので、音響孔の位置とセンサ孔との位置とを重複するように設けることができる。このため、カバーの周辺部に音響孔が存在しないシンプルなデザインが可能となる。
また、本構成では、振動板を貫通する貫通孔の周囲に硬化性樹脂を塗布してあるため、振動板の貫通孔の周囲を補強して振動板の強度を向上することができる。
また、これらをユニット化することで、一度の作業で基板への装着が可能となる。よって、警報器の組み立てがより簡単になるとともに、本体に対する検知部の位置決めを確実且つ容易に行うことができる。
また、シール部材によって検知部の先端側を保持することができるので、検知部の位置決めが容易となる。その結果、検知部が揺動する等して貫通孔の内面に触れるのを確実に防止することができる。そして、検知部の揺動等が防止されると、音響発生部の貫通孔の内径を最小限にすることもできる。すなわち、警報器用の音響発生部を作製するにあたって、従来の音響発生部の構造を大きく変更しなくて済むので、その機能が大きく損なわれることはない。
この警報器は、各種部品を実装する基板11を有する基部10と当該基部10を保護するカバー20とから構成される本体100を備える。本体100の内部に格納される基板11には、検知部としてのセンサ30、および音響発生部としてのスピーカ40が実装される。さらに、本体100には、電源としての電池80が格納される。
センサ30は、外部環境の変化を検知する。本実施形態では、センサ30として、居室内の温度上昇を電気抵抗の変化として検知するサーミスタが用いられる。このサーミスタは、長手形状に構成され、先端部31で温度を検知できるようになっている。
火災警報器に使用する場合、上記サーミスタの他に、一酸化炭素濃度の上昇、煙濃度の上昇等の外部環境の変化を検知するセンサであってもよい。
スピーカ40は、センサ30が検知した居室内の温度上昇を、警報音または音声を発することにより周囲に報知する。スピーカ40は、マグネット41a、ポール41b、およびヨーク41cで構成された磁気回路41、音声電流が流れるボイスコイル42、ならびにボイスコイル42の運動によって振動する振動板43等で構成される。
また、本実施形態では、スピーカ40の中心にスリーブ44を打ち込むことにより、貫通孔50が形成されている。貫通孔50は、マグネット41a、ポール41b、ヨーク41c、および振動板43を貫通する。この貫通孔50の内部にセンサ30が挿入され、センサ30の先端側31が本体100の外部に向けられる。
ここで、警報器が外部環境の変化を的確に検知するためには、全方向から均等且つ迅速に検知できる状態にセンサを配置することが望ましい。また、警報器が発する警報音をできるだけ広範囲に伝えるためには、全方向に均等に警報音を伝達できる状態にスピーカを配置することが好ましい。
本体100のカバー20には、スピーカ40の設置場所に対応する位置に音響孔21が設けられるとともに、スピーカ40の貫通孔50から突出するセンサ30の先端側31が本体100の外部に向くように、センサ30の設置場所に対応する位置にセンサ孔22が設けられる。また、センサ30に対して空気を流通可能としつつ、センサ30の先端側31が異物に触れないよう、カバー20には保護枠23が設けられる。
このようなカバー20は、デザイン面において優れたものである。すなわち、カバー20の周辺部24に音響孔21が存在しない対称でシンプルなデザインとなる。また、前記周辺部24に色彩や模様を付することも可能である。従って、本実施形態の警報器の構成とすれば、デザイン選択の幅が拡がる。
警報器を組み立てる場合において、基板11へのセンサ30およびスピーカ40の組み付けは、初めにセンサ30を基板11上に設置し、次いでスピーカ40の貫通孔50にセンサ30に挿入しながらスピーカ40を基板11に取り付けるのが一般的である。しかし、本実施形態の警報器では、センサ30とスピーカ40とを一体化した状態で、基板11に設置することも可能である。
例えば、図4に示すように、スピーカ40の貫通孔50にセンサ30を挿入した状態で、貫通孔50の裏側から接着剤等の充填材60を適量充填することによりセンサ30とスピーカ40とを固定して一体化し、これを基板11に設置する。このような方法によってセンサ30とスピーカ40とを予め一体化しておけば、センサ30とスピーカ40との固定と同時に貫通孔50の裏側を充填剤60によって塞ぐことができる。これにより、貫通孔50の内部への異物の侵入が防止されるので、スピーカ40の故障等を低減することができる。
このように、センサ30とスピーカ40とを一体化すれば、部品をユニット化することが可能となり、警報器をよりコンパクト化することができる。また、このようなユニット化した部品を用いれば、一度の作業で基板11への装着が可能となる。従って、警報器の組み立てが簡単になり、さらに本体100に対するセンサ30の位置決めを確実且つ容易に行うことができる。
本実施形態の警報器では、スピーカ40の中心に貫通孔50を形成する。ただし、この貫通孔50の内部に粉塵等の異物が侵入すると、スピーカ40の性能が低下するおそれがある。また、異物の侵入は、貫通孔50の内部に挿入したセンサ30の感度にも悪影響を与えるおそれがある。
そこで、貫通孔50を外部空間から遮蔽するように、本体100にシール部材70を設ける。例えば、図6に示すように、カバー20に形成した音響孔21およびセンサ孔22に沿って、カバー20の裏側にシール部材70を貼付する。これにより、警報器の表側から貫通孔50の内部に異物が侵入することが防止される。その結果、スピーカ40の故障が低減し、警報器の性能を長期にわたって維持することができる。
警報器の裏側は、上述したように、充填剤60によって貫通孔50を塞ぐことができ、これがシール機能を発揮する。よって、警報器の裏側からも貫通孔50の内部に異物が侵入することを防止できる。
(1)上記実施形態では、警報器として天井取付タイプものについて説明したが、壁取付タイプの警報器に適用することも可能である。その場合、本体の形状は、円形状に限らず方形状とすることもできる。また、壁取付タイプの警報器では、本体に対するスピーカの取付位置を本体の中央以外の箇所とすることもできる。
40 スピーカ(音響発生部)
50 貫通孔
60 シール部材
100 本体
Claims (4)
- 外部環境の変化を検知する長手形状の検知部と、振動板を備えて前記外部環境の変化を報知する音響発生部とを本体の内部に設け、
前記検知部を、前記音響発生部の中心に形成した貫通孔に挿入しつつ、前記検知部の先端側を前記本体の外部に向けてあり、
当該振動板を貫通する前記貫通孔の周囲に硬化性樹脂を塗布してある警報器。 - 前記音響発生部と前記検知部とを一体化してある請求項1に記載の警報器。
- 前記本体の外形を円形状に構成し、且つ、前記音響発生部を前記本体の中央に配置してある請求項1または2に記載の警報器。
- 前記貫通孔を外部空間から遮蔽するとともに、前記検知部の先端側を保持するシール部材を前記本体に設けてある請求項1〜3の何れか1項に記載の警報器。
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