JP4572767B2 - ガスセンサおよびガス漏れ警報器の点検方法 - Google Patents
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また、誤報の原因となる雑ガスとしては調理の際に用いられるアルコールの蒸気が主であり、アルコール蒸気による誤報を防止するためにガスセンサのパッケージには活性炭等の吸着剤を用いたフイルターが使用されている。
一般に都市ガス用ガス漏れ警報器を家庭に設置するのはガス販売会社の作業員であり、設置時にガス漏れ警報器の警報機能を点検することが行われている。
点検方法としてはライターガス(ブタンガス)が用いられており、一方、一酸化炭素ガスセンサの動作確認にはライターガスの燃焼炎中の一酸化炭素ガスを利用する方法(例えば、特許文献1を参照。)などがある。
図4は従来のガス漏れ警報器の図2におけるA-A面断面図である。以降、ガス漏れ警報器の断面図は同様の断面図である。ガス漏れ警報器の外形は上カバー21、下カバー22からなっておりそれぞれの周縁部が合致して組み立てられている。下カバー22に固定されたプリント基板24にはガスセンサ3が必要な電子部品と共に実装されている。
ガス漏れ警報器2に用いられているガスセンサ3の構成を次に説明する。
接触燃焼式ガスセンサ3cにおいては、センサベース31に貫通されたピン32にガス検知素子 33cが張架されており、ガス検知素子 33cは活性炭製の雑ガスフィルター35と二重金属メッシュ34を備えたセンサキャップ36がセンサベース31の外周部に固定されることにより封止されている。
薄膜半導体式ガスセンサ3sにおいては、センサベース31に薄膜半導体式ガス検知素子 33cが平面状に貼り付けられており、燃焼式ガスセンサと同様に、薄膜半導体式ガス検知素子 33sは活性炭製雑ガスフィルター35と二重金属メッシュ34を備えたセンサキャップ36がセンサベース31の外周部に固定されることにより封止されている。二重金属メッシュ34はガス濃度が爆発下限界以上のガス漏れ時の誘爆を防止している。
このような従来のガス漏れ警報器の点検方法においては、ガスセンサの点検時に図3に示した点検ガス供給手段Vを用いて、円形格子状流通孔34を経由して点検ガスを吹き込み(矢印)、ガス漏れ警報の発生を確認していた。
都市ガス用ガス漏れ警報器の検知対象ガスである都市ガスの主成分はメタンガスであるが、点検ガスとしては簡便に持ち運びできるライター用のブタンガスが用いられている。
このようなライターガスでの点検の作業時間の短縮を図るために、センサキャップの側面やベースに微小な穴の開けられたガスセンサ(特許文献3を参照。)を用いたり、さらに、このガスセンサの側面の微小な穴に対向した位置に点検用の穴を設けられたカバーを有する警報器も開発されている(特許文献4を参照。)。
また、センサキャップを側面に通気孔を有する外側キャップと頂点に通気孔を有する内側キャップに分けたガスセンサも提案されている。点検ガスをこれら2つの通気孔を通すことによって点検ガスの流れに指向性をもたせ、規定濃度以上への到達時間と以下への到達時間の短縮により、点検ガスの作業時間の短縮を図っている(特許文献5を参照。)。
本発明の目的は、点検作業の迅速および容易さを損なわずに、フィルター機能の発揮が低下することのないガスセンサおよびガス漏れ警報器の点検方法を提供することにある。
少なくとも、その下端に鍔形状のフランジを有し、内部に雑ガスフィルターを有するセンサキャップ外筒と、
このセンサキャップ外筒に内接する様にはめ合わせられる下部側面に点検用通気孔を有し且つその下端に鍔形状のフランジを有するセンサキャップ内筒と、
ガス検知素子が固定され且つ外部制御回路へ接続するための端子を有するセンサベースとから構成され、
前記センサキャップ内筒下端のフランジとセンサベースは互いに密封され、且つセンサキャップ内筒下端のフランジと前記センサキャップ外筒下端のフランジとは、その間にOリング様シールを介して密封された、二重センサキャップ構造とする。
上記のガスセンサを搭載したガス漏れ警報器の点検方法であって、前記センサキャップ外筒を前記センサキャップ内筒に沿って、センサキャップ内筒側面の点検用通気孔が完全に開放するまで上部に引き上げた状態で、点検ガスを吹き付けるようにする。
また、センサキャップ内筒下端のフランジとセンサキャップ外筒下端のフランジとの間をマグネットシールにより密封するようにしたため、密着力が増し、密封は強固になり、ガス警報器に外部からの衝撃などに対して、センサキャップ外筒がはずれる恐れはない。
また、センサキャップ外筒を着脱可能としたことにより、フイルター性能が低下した際に交換が可能となり、それは容易である。
図2は本発明に係るガスセンサを用いたガス漏れ警報器の断面図である。
各図において同一部品には同一符号を付してある。
ガスセンサ3は、雑ガスフィルター35を有するセンサキャップ外筒36と、下部側面に点検用開口孔37aを有するセンサキャップ内筒37とガス検知素子33sを載置したセンサベース31とで構成され、このセンサベース31とセンサキャップ内筒37のフランジ37fとは溶接密封されている。また、前記センサキャップ外筒36とセンサキャップ内筒37とはフランジ36fとフランジ37fとの間のOリング様のシール38にて脱着可能で且つ機密封止を可能とされている。
ガス漏れ警報器2の外形は上カバー21、下カバー22からなっておりそれぞれの周縁部が合致して組み立てられている。下カバー22に固定されたプリント基板24にはガスセンサ3が必要な電子部品と共に実装されている。
本発明に係るガスセンサを用いたガス漏れ警報器のガス漏れ点検を行う場合、まず点検者はガス漏れ警報器の上カバー21を開放し、本発明のガスセンサ3のセンサキャップ外筒36をセンサキャップ内筒37下部側面の点検用開口孔37aが完全に開放されるまで上方向に引き上げておく。
点検終了後は、前述の操作と逆に、センサキャップ外筒36をセンサキャップ内筒37下部側面の点検用開口孔37aを塞ぎ、かつ、Oリング様シール38を押しつぶすように押さえ込んで、封止する。
また、Oリング様シール38の材質としてマグネットラバー等を用いると、磁力による吸引力のためさらに封止は良くなる。
このようにしたため、活性炭などの雑ガスフィルター35を通さずに点検ガスをガスセンサ3の内部に注入することが可能となり、点検ガスが雑ガスフィルター35により殆ど吸収されないため、点検ガスの注入からの時間遅れがなく警報が発せられる。
また、設置環境によっては、フィルター能力が短期間で低下する場合があるが、その際には、センサキャップ外筒36をセンサキャップ37から完全に外して雑ガスフイルター35を容易に交換すること、あるいは雑ガスフイルター35付のセンサキャップ外筒36を交換することができるようになった。この作業は極めて容易であることは明らかである。
2 ガス警報器
21 上カバー
22 下カバー
23 プリント基板
3 ガスセンサ
3c 接触燃焼式ガスセンサ
3s 半導体式ガスセンサ
31 ガスセンサベース
32 ピン
33c 接触燃焼式ガス検知素子
33s 半導体式ガス検知素子
34 二重金属メッシュ
35 雑ガスフィルター
36 センサキャップ
36f フランジ
37 センサキャップ内筒
37a 点検用開口孔
37f フランジ
・ シール
V 点検ガス供給手段
Claims (3)
- 少なくとも、その下端に鍔形状のフランジを有し、内部に雑ガスフィルターを有するセンサキャップ外筒と、
このセンサキャップ外筒に内接する様にはめ合わせられる下部側面に点検用通気孔を有し且つその下端に鍔形状のフランジを有するセンサキャップ内筒と、
ガス検知素子が固定され且つ外部制御回路へ接続するための端子を有するセンサベースとから構成され、
前記センサキャップ内筒下端のフランジとセンサベースは互いに密封され、且つセンサキャップ内筒下端のフランジと前記センサキャップ外筒下端のフランジとは、その間にOリング様シールを介して密封された、二重センサキャップ構造とされていることを特徴とするガスセンサ。 - 前記センサキャップ内筒下端のフランジと前記センサキャップ外筒下端のフランジとの間はマグネットシールにより密封されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
- 請求項1または2記載のガスセンサが搭載されたガス漏れ警報器の点検方法であって、前記センサキャップ外筒を前記センサキャップ内筒に沿って、センサキャップ内筒側面の点検用通気孔が完全に開放するまで上部に引き上げた状態で、点検ガスを吹き付けることを特徴とするガス漏れ警報器の点検方法。
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