JP4850245B2 - 電気機械音響変換器の実装構造 - Google Patents
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Description
フレーム103の中央部には内部空間104に対応して支持された有底筒状のヨーク105が取り付けられており、ヨーク105の底部105a内側にはマグネット106が取り付けられていて、ヨーク105の内側面とマグネット106との間に磁気空隙107を形成している。
振動板110の前方には、振動板110を保護するためのプロテクタ111が設けられており、プロテクタ111には第1通気孔111a設けられ、フレーム103には第2通気孔103aが設けられている。
ここで、良好な音響特性を得るには、第2通気孔103aから筐体101の内部空間104へ放音された音をより良く共鳴させるため、第2通気孔103aの周辺に、十分な空間を確保する必要があることは一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、良好な音響特性を得ることができる。あるいは、電気機械音響変換器を小型化しても音通路を確保することができるので、音響特性を維持して小型化を図ることができる。
本発明の第1実施形態の電気機械音響変換器の実装構造を図1に示す。
図1において、第1実施形態に係るスピーカやマイクロフォン等の電気機械音響変換器の実装構造10は、放音孔11aが設けられた筐体11の内面11bに取り付けられた略中空板状のフレーム12と、このフレーム12の中空部に対応して支持された有底筒状のヨーク13と、このヨーク13の内側面13aとの間に磁気空隙15cを形成するようにヨーク13の底部13bに設けられたマグネット15と、マグネット15の端面15aに設けられたプレート15bと、磁気空隙15cに挿入されたボイスコイル16と、このボイスコイル16に接続されるとともにフレーム12に支持された振動板17と、この振動板17を保護するためにフレーム12に設けられたプロテクタ18とを備えている。
そして、ヨーク13の底部13bが筐体11の内面11bに対して近付く方向(図1では上方向)を向くように配置されているとともに、フレーム12および筐体11間に壁部19が設けられている。
フレーム12に設けられている第2通気孔12aは、壁部19の内側において筐体11の放音孔11aに対向して部分円弧状に切り欠いて設けられている。
従って、筐体11、壁部19、フレーム12およびヨーク13の縦壁部13cによって四方を囲まれた音通路14が形成され、音通路14の前面には放音孔11a、後面には第2通気孔12aが設けられることになる。
一方、プロテクタ18には第1通気孔18aが設けられており、立上り部18bおよび鍔部18cを介してフレーム12の下面に取り付けられている。第1通気孔18aは、振動板17とプロテクタ18との間の空気を逃がすためのものであり、例えば、プロテクタ18の全面にわたって円形等の貫通孔を複数個設けてある。
電気機械音響変換器としては例えば動電形スピーカを例示することができる。この動電形スピーカにおける磁気空隙15cに挿入されたボイスコイル16に電気信号が印加されると、ボイスコイル16に駆動力が発生し、ボイスコイル16に接続された振動板17が振動してフレーム12内部の空気に圧力変化を発生させる。この圧力変化は、第2通気孔12aを介して音通路14および放音孔11aを経て筐体11の外部空間へ音を発生する。
一方、第1通気孔18aを介し発生した音は筐体11内部で共鳴する。このとき、第1通気孔18a周辺の容積が大きいほど良好な音響特性が得られる。
図2は、図10に示した従来の電気機械音響変換器であるスピーカ100と、図1において前述した本発明の電気機械音響変換器の実装構造10における、音圧周波数特性を示す相関図である。なお、以下に示す具体的な数値は、あくまで本発明の効果を定量的に把握するために設定した数値であり、数値そのものは例示であって、これら個別の数値が本発明の本質に対するいかなる制約にもならないものである。
ただし、従来のスピーカ100では、筐体101とプロテクタ111との隙間を0.5mm、ヨーク105と筐体内部の部品Mとの隙間を0.1mmとする。
そして、放音孔11aから0.1m離れた位置にそれぞれ同機種のマイクを設置して、従来のスピーカ100と本発明の電気機械音響変換器の実装構造10に、ともに0.2Wの電力を印加した設定で実験解析を行った。
図2に示すように、特性IIは特性Iに比べ、約1000Hz〜5000Hzにおいて音圧レベルが約1dB向上している。これは、一般的には、電気機械音響変換器と筐体内部の部品Mとの隙間が狭くなるにつれて、各通気孔18a、12b、111a、103aからの空気が逃げ難くなり、音圧の劣化を招くことを意味している。
しかし、本発明に係る電気機械音響変換器の実装構造10においては、第2通気孔12bに比べ第1通気孔18aの開口面積が約2〜5倍大きいため、従来のスピーカ100に比べ本発明に係る電気機械音響変換器の実装構造10では第1通気孔18aからの空気の逃げが容易となり、音圧の劣化は少なくなる。
ここで、従来のスピーカ100において筐体101と対向する部品はプロテクタ111であり、本発明に係る電気機械音響変換器の実装構造10において筐体11と対向する部品はヨーク13である。各々の部品ともに特定の材料や形状に限定されるものではないが、例えば同一の金属で形成した場合、プロテクタ111に比べヨーク13の厚みは約2倍〜4倍厚いため、筐体11の外部に対する漏洩磁束は約30%軽減することになる。
これは、磁気記憶型の非接触ICカードの信頼性に対して有意である。
これは、カバンの中に機器を入れておいた場合等の信頼性に対して有意である。
これにより、良好な音響特性を得ることができる。あるいは、電気機械音響変換器を小型化しても音通路14を確保することができるので、音響特性を維持して小型化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図3には、第2実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造20が示されている。なお、前述した第1実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
この粘着材21は、例えば粘着性のある両面テープなどを使用して安定した接着を確保することが望ましい。
なお、電気機械音響変換器の実装構造20の動作は、前述した第1実施形態で説明した電気機械音響変換器の実装構造10と同様である。
次に、本発明の第3実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図4には、第3実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造30が示されている。なお、前述した第1実施形態あるいは第2実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、20と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
すなわち、音通路14の一側面を弾性部材によって構成している。この弾性体は、特定の材料や形状に限定されるものではないが、例えば発泡ウレタンゴム等で形成し、電気機械音響変換器のフレーム12と筐体11とで挟持させ気密性を確保することが望ましい。
なお、電気機械音響変換器の実装構造30の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
次に、本発明の第4実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図5には、第4実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造40が示されている。
なお、前述した第1実施形態〜第3実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、20、30と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
なお、電気機械音響変換器の実装構造40の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
次に、本発明の第5実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図6には、第5実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造50が示されている。なお、前述した第1〜第4実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、…、40と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
なお、電気機械音響変換器の実装構造50の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
次に、本発明の第6実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図7には、第6実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造60が示されている。なお、前述した第1〜第5実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、…、50と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
なお、電気機械音響変換器の実装構造60の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
次に、本発明の第7実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図8には、第7実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造70が示されている。なお、前述した第1〜第6実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、…、60と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
この支持部材71は、特定の材料や形状に限定されるものではないが、例えば発泡ウレタンゴム等で形成し、第1通気孔18aからの空気の逃げを妨げないよう例えば複数個のブロックで構成したり、C字形のように開口部を有する形状にすることが望ましい。なお、電気機械音響変換器の実装構造70の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
次に、本発明の第8実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造について説明する。
図9には、第8実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造80が示されている。なお、前述した第1〜第7実施形態に係る電気機械音響変換器の実装構造10、…、70と共通する部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
なお、電気機械音響変換器の実装構造80の動作は、第1実施形態で前述した電気機械音響変換器の実装構造10と同じである。
また、電気機械音響変換器の外形形状が丸型の場合について説明したが、その他、楕円あるいは長方形であっても同様の効果が得られる。
あるいは、電気機械音響変換器を小型化しても音通路を確保することができるので、音響特性を維持して小型化を図ることができるという効果を有し、放音孔が設けられた筐体に収容されるスピーカやマイクロフォン等の電気機械音響変換器の実装構造等として有用である。
11 筐体
11a 放音孔
12 フレーム
12a 第2通気孔
13 ヨーク
13a 内側面
13b 底部
15 マグネット
15a 端面
15b プレート
15c 磁気空隙
16 ボイスコイル
17 振動板
18 プロテクタ
18a 第1通気孔
19 壁部
21 介装部材
51 プロテクタ切欠部
61 立上部
62 フレーム切欠部
71 支持部材
81 支持部材
M 電子部品
Claims (10)
- 放音孔が設けられた筐体に収容される電気機械音響変換器の実装構造であって、
前記筐体の内面に取り付けられた略中空板状のフレームと、
前記フレームの中空部に対応して支持されたヨークと、
前記ヨークに設けられたマグネットと、
前記マグネットと併設されたボイスコイルと、
前記ボイスコイルに接続されるとともに前記フレームに支持された振動板と、
前記振動板を保護するために前記フレームに設けられたプロテクタと、
前記プロテクタに設けられた第1通気孔と、
前記第1通気孔に対して前記振動板を介して反対側に設けられた第2通気孔とを備え、
前記ヨークの底部が前記筐体の内面に対して近付く方向を向くように配置されているとともに、前記フレームおよび前記筐体間に壁部が設けられ、
前記第1通気孔は前記筐体内部に放音することを特徴とする電気機械音響変換器の実装構造。 - 前記第1通気孔は、前記振動板と前記ボイスコイルとの間の空気を逃がすために、前記プロテクタの表裏を連通するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気機械音響変換器の実装構造。
- 前記筐体と前記ヨークの前記底部との間に粘着性を有する介装部材が挟持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械音響変換器の実装構造。
- 前記壁部が弾性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械音響変換器の実装構造。
- 前記壁部が吸振性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械音響変換器の実装構造。
- 前記プロテクタに設けられたプロテクタ切欠部を有し、前記プロテクタ切欠部が前記ボイスコイルの移動方向に対して交差する方向に沿って前記プロテクタの表裏を連通するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気機械音響変換器の実装構造。
- 前記フレームが、厚み方向に立ち上がる立上部と、前記立上部に設けられたフレーム切欠部とを有し、
前記フレーム切欠部が前記ボイスコイルの移動方向に対して交差する方向に沿って前記立上部の内外を連通するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気機械音響変換器の実装構造。 - 前記フレームと、前記筐体に収容された電子部品との間に介装された支持部材を備え、
前記支持部材が弾性を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機械音響変換器の実装構造。 - 前記フレームと、前記筐体に収容された電子部品との間に介装された支持部材を備え、
前記支持部材が吸振性を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電気機械音響変換器の実装構造。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電気機械音響変換器を有する携帯端末装置。
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