JP2010062888A - ヘッドホン及び振動板の変形防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動板の変形により発生する異音を低減することができるヘッドホン及び振動板の変形防止方法を提供すること。
【解決手段】このヘッドホンは、少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し、第1磁界を発生させる第1磁界発生部Cが取り付けられた振動板130と、上記振動板130の他側に配置され、上記振動板130を振動させるために上記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部Mを有するフレーム120と、上記フレーム120から上記振動板方向に突出するように設けられ、上記振動板130の他側面を支持可能な支持部材200と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】このヘッドホンは、少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し、第1磁界を発生させる第1磁界発生部Cが取り付けられた振動板130と、上記振動板130の他側に配置され、上記振動板130を振動させるために上記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部Mを有するフレーム120と、上記フレーム120から上記振動板方向に突出するように設けられ、上記振動板130の他側面を支持可能な支持部材200と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ヘッドホン及び振動板の変形防止方法に関する。
近年携帯機器などの普及により、様々な場面で音楽を楽しむことが可能になっている。また、ユーザのニーズは、単に音楽を楽しむことに留まらず、更に質の高い音や趣向に合う音質を望む傾向にある。
このようなニーズに応えて、ユーザをより満足させるためには、低域の音圧感度を高めることが重要になる場合が多い。音楽を楽しむ際に使用される音声出力装置として、例えばヘッドホンが挙げられ、ヘッドホンは、インナーイヤー型・アウターイヤー型・カナル型・ヘッドバンド型・ネックバンド型・耳掛け型など様々な種類に分類される。これらのヘッドホンにおいて、低域の音圧感度を高めるには、音を発する振動板と、耳(鼓膜)との間の空間の密閉度を高めることが効果的である。そして、厚めのイヤパッドを使用したり、そのイヤパッド内の空間の体積を大きくすることも効果的である。
一方、ヘッドホンの携帯性を高めるために、小型なヘッドホンが開発されている。小型のヘッドホンでは、例えば、下記特許文献1などのように振動板も小さくなるため振動板の固定機構に工夫がされている。
しかし、小型なヘッドホンであれ大型なヘッドホンであれ、低域の音圧感度を高めるために音を発する振動板と、耳(鼓膜)との間の空間の密閉度を高めた場合、振動板の変形が異音を発生させることがある。つまり、例えば、アウターイヤー型でイヤパッドが備えられる場合、ヘッドホンが装着されると、イヤパッドは圧縮され、イヤパッド内の空間の体積は小さくなる。一方、低域の音圧感度を高めるために密閉性が高められているので、イヤパッド内の空気の漏れは極力排除される。よって、イヤパッド内の空間の容量変化分の空気圧力が、振動板に加えられる。その結果、振動板が変形してしまい、その変形の際に異音が発生される場合がある。このような振動板の変形や異音の発生は、アウターイヤー型のヘッドホンに固有のものではなく、様々な種類のヘッドホンで起こりうる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、振動板の変形により発生する異音を低減することが可能な、新規かつ改良されたヘッドホン及び振動板の変形防止方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し、第1磁界を発生させる第1磁界発生部が取り付けられた振動板と、上記振動板の他側に配置され、上記振動板を振動させるために上記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部を有するフレームと、上記フレームから上記振動板方向に突出するように設けられ、上記振動板の他側面を支持可能な支持部材と、を有する、ヘッドホンが提供される。
この構成によれば、振動板に過度な圧力が加えられたとしても、その圧力による振動板のフレーム方向への変形は、フレームに形成された支持部材が振動板を支持することにより、抑制される。従って、振動板が過度に変形することが防がれる。
また、上記支持部材は、上記第1磁界及び上記第2磁界により上記振動板が上記フレーム方向に最大振幅で振動した際に、上記振動板の他側面を支持してもよい。
また、上記振動板は、中心が上記一側に突出するように湾曲したドーム形状の中央板と、上記中央部の周囲に設けられ、上記中央板と上記振動板の端部との間のリング状の部位が上記一側に突出するように湾曲した周辺板と、
を有し、
上記支持部材は、上記フレームにおける上記中央板に対応する位置に設けられて、該中央板のドーム形状の少なくとも一部に沿ったドーム状の外形を有する第1支持部材を少なくとも有してもよい。
を有し、
上記支持部材は、上記フレームにおける上記中央板に対応する位置に設けられて、該中央板のドーム形状の少なくとも一部に沿ったドーム状の外形を有する第1支持部材を少なくとも有してもよい。
また、上記支持部材は、上記フレームにおける上記周辺板に対応する位置に設けられて、上記周辺板の上記リング状の部位を支持可能な第2支持部材を更に有してもよい。
また、上記第1支持部材及び上記第2支持部材は、上記第1磁界及び上記第2磁界により上記振動板が上記フレーム方向に最大振幅で振動した際に、ほぼ同時に上記振動板の裏面と接触する突出量に対応して、上記フレームから突出して設けられてもよい。
また、上記第1支持部材には、上記フレームと上記振動板と間の空間と、上記フレームの上記振動板と異なる側の外部とを連通させる1又は2以上の通気孔が形成されてもよい。
また、上記フレームの中心には、上記フレームと上記振動板と間の空間と、上記フレームの上記振動板と異なる側の外部との間を貫通する貫通孔が形成され、上記貫通孔には、上記第2磁界発生部を上記フレームに固定する締結部材が配置され、上記第1支持部材は、上記締結部材と一体形成されてもよい。
また、上記支持部材は、当該支持部材と振動板とが当接する際の衝撃を緩衝する弾性材料により形成されてもよい。
また、上記振動板は、中心が上記一側に突出したドーム形状の中央板と、上記中央部の周囲において、上記中央部と上記振動板の端部との間のリング状の部位が上記一側に突出するように湾曲した周辺板と、を有し、上記支持部材は、上記フレームにおける上記周辺板に対応する位置に設けられて、上記周辺板の上記リング状の部位を支持可能なリング支持部材を少なくとも有してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し第1磁界を発生させる第1磁界発生部が取り付けられた振動板の他側に配置され、上記振動板を振動させるために上記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部を有するフレームに、当該フレームから上記振動板方向に突出するように、上記振動板の他側面を支持可能な支持部材を設ける、振動板の変形防止方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、振動板の変形により発生する異音を低減することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、以下では、本発明の各実施形態の理解が容易になるように、まず、第1実施形態に係るヘッドホンの構成について説明した後、関連技術に係るヘッドホンにおける異音発生のメカニズムについて説明して、第1実施形態による効果の例について説明する。そして、第1実施形態に係るヘッドホンの変更の一例として、第2実施形態及び第3実施形態について説明する。つまり、以下では、次の順序で説明する。
<1.第1実施形態>
[1−1.ヘッドホンの構成] 図1〜図3
[1−2.振動板の変形] 図4,図7及び図8
[1−3.効果の例]
<2.第2実施形態> 図5
<3.第3実施形態> 図6
[1−1.ヘッドホンの構成] 図1〜図3
[1−2.振動板の変形] 図4,図7及び図8
[1−3.効果の例]
<2.第2実施形態> 図5
<3.第3実施形態> 図6
なお、本発明の各実施形態では、作用・効果等の理解が容易になるように、ヘッドホンとして、イヤパッドが備えられるアウターイヤー型のヘッドホンを例に挙げて説明する。しかしながら、本発明の各実施形態は、例えばインナーイヤー型等のイヤパッドを備えないヘッドホンに対しても、同様に作用・効果等を発揮することが可能である。
また、以下で説明する各実施形態に係るヘッドホンが有する構成は、振動板の変形を抑えて異音の発生を抑制する。振動板を備える点では、マイクロホンも同様の構成を有するため、同様の構成を採用することによりマイクロホンにおける振動板の変形をも防止することも可能である。つまり本発明の各実施形態は、ヘッドホンだけでなく、マイクロホンにも同様に適用可能である。以下では、説明の便宜上、各実施形態に係るヘッドホンについて説明する。
<1.第1実施形態>
[1−1.ヘッドホンの構成]
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るヘッドホンの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るヘッドホンの構成について説明する説明図である。図2及び図3は、本実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。なお、図2は、図3に記載のドライバユニットをA−A線で切断した断面図を示している。
[1−1.ヘッドホンの構成]
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るヘッドホンの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るヘッドホンの構成について説明する説明図である。図2及び図3は、本実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。なお、図2は、図3に記載のドライバユニットをA−A線で切断した断面図を示している。
図1には、ユーザがヘッドホン1を装着した際に、ユーザの耳と当接する部位の断面図を示してる。つまり、図1には、ヘッドホン1の駆動回路等が内蔵される音声出力部の断面図が示されている。このヘッドホン1の音声出力部には、大きく分けて、ハウジング10と、前面板11と、イヤパッド20と、ドライバユニット100とが配置される。このヘッドホン1の音声出力部の構成についてより具体的に説明する。
音声を出力するためのドライバユニット100は、前面板11と共にハウジング10に収納される。そして、ドライバユニット100が音を発する方向(x軸正の方向)のハウジング10の周囲には、イヤパッド20が配置される。
ドライバユニット100と前面板11とは、例えば両面接着紙・接写剤・螺子・係止機構・クリップ・溶接等で相互に固定される。一方、ハウジング10は、ドライバユニット100及び前面板11を収容しつつ、前面板11に同様に固定される。そして、イヤパッド20も、前面板11(ハウジング10でもよい)に同様に固定される。
ドライバユニット100は、音声を出力するための構成を有し、音声信号が入力されることにより、音声を出力する。
ハウジング10は、ドライバユニット100及び前面板11等の内部機構を収容してこれらの内部機構が外部に露出することを防止する。
前面板11は、音声出力部全体の構造部材であり、他の電気回路等が露出することを防止すると共に、ユーザの頭部とイヤパッド20と前面板11とドライバユニット100とにより囲まれた空間(以下、「前室R」ともいう。)の密閉性を高めることができる。
イヤパッド20は、ヘッドホン1の装着感を高めると共に、ユーザの頭部に沿って変形して前室Rの密閉性を高めることができる。そのために、イヤパッド20は、例えばウレタン・綿・ゴム・合皮などの弾性部材と、その弾性部材を覆うカバーとを有する。
ハウジング10は、ドライバユニット100及び前面板11等の内部機構を収容してこれらの内部機構が外部に露出することを防止する。
前面板11は、音声出力部全体の構造部材であり、他の電気回路等が露出することを防止すると共に、ユーザの頭部とイヤパッド20と前面板11とドライバユニット100とにより囲まれた空間(以下、「前室R」ともいう。)の密閉性を高めることができる。
イヤパッド20は、ヘッドホン1の装着感を高めると共に、ユーザの頭部に沿って変形して前室Rの密閉性を高めることができる。そのために、イヤパッド20は、例えばウレタン・綿・ゴム・合皮などの弾性部材と、その弾性部材を覆うカバーとを有する。
このように構成されるヘッドホン1は、イヤパッド20がユーザの頭部との間の前室Rの密閉性を高めるため、低音域の音圧感度を高めることが可能である。また、更に、イヤパッド20の厚み(特にx軸方向の厚み)を厚くすることにより、前室Rの容積を大きくして、中音域の音圧感度を低減し、相対的に低音域の音圧感度を高めることも可能である。
なお、図1には、図示していないが、ヘッドホン1は、更に、例えば、他方の耳用の音声出力部、音声出力部間を繋ぐヘッドバンド・ネックバンド等、ユーザの耳に係止されるクリップ等、外部の入力を受ける接続線や無線通信回路、ボイスコイルを作動させる回路やノイズキャンセリング回路等の電子回路等を有してもよいことは、言うまでもない。
ヘッドホン1装着時の異音は、ドライバユニット100内に配置される振動板の変形に起因する。そして、振動板を変形させる原因の一つが、ドライバユニット100に加えられる空気圧である。そこでこのような空気圧が加わる様子が判りやすいように、ここでは厚めのイヤパッド20を有するアウターイヤー型のヘッドホン1について説明している。しかし、上述の通り、本発明の各実施形態に係るヘッドホン1の形状・形式等は、特に限定されるものではない。以下では、振動板が備えられるドライバユニット100の構成について説明する。
(ドライバユニット100)
図2に示すように、本実施形態に係るドライバユニット100は、大きく分けて、カバー110と、フレーム120と、振動板130と、支持部材200と、を有する。これらの構成の概略について説明すれば以下の通りである。
図2に示すように、本実施形態に係るドライバユニット100は、大きく分けて、カバー110と、フレーム120と、振動板130と、支持部材200と、を有する。これらの構成の概略について説明すれば以下の通りである。
フレーム120は、ドライバユニット100全体の構造を支持する構造部材の役割を担う。そのフレーム120の表面(x軸正の方向の面)には、カバー110が配置される。そして、カバー110とフレーム120との間には、振動板130が、少なくとも中心部が前後(x軸方向)に振動可能に配置される。一方、支持部材200は、振動板130と面してフレーム120に設けられる。ドライバユニット100は、図3に示すように略円盤状の形状を有する。したがって、カバー110・フレーム120・振動板130・支持部材200等の各構成も、略円形に形成されるか、略点対称な形状を有することが望ましい。
振動板130の後面(振動板130を基準にx軸の負の方向の面、他側面の一例)には、ボイスコイルC(第1磁界発生部及び磁界検出部の一例)が配置される。そして、ボイスコイルCに対応したフレーム120の位置に、磁石M(第2磁界発生部及び磁界発生部の一例)が配置される。ボイスコイルCは、接続線(図示せず)を介して電流が流されることにより第1磁界を発生させる。一方、磁石Mは、この第1磁界に対応した第2磁界を発生させている。従って、両磁界の相互作用により、ボイスコイルCは、磁石Mに対して引力又は斥力を受けて振動する。その結果、振動するボイスコイルCが取り付けられた振動板130も振動することになる。なお、このドライバユニット100がマイクロホンに使用される場合には、入力する音声により振動板130が振動して、振動板130に取付られたボイスコイルCが磁石Mの磁界中を移動する。その結果、ボイスコイルCでは誘導起電力が発生し、その誘導起電力が音声信号に変換されることなる。
以下、各構成毎により詳細に説明する。
振動板130は、図2に示すように、少なくとも一部が前面側(振動板130を基準にx軸の正の方向。一側の一例)に突出するように湾曲した形状を有する。図2に例示した振動板130は、大きく分けて、一体形成された中央板131と周辺板132とにわけることができる。中央板131は、振動板130の中心が前面側に突出するように湾曲したドーム形状を有する。一方、周辺板132は、中央板131の周囲に一体に形成される。そして、周辺板132は、中央板131に対する接続部位(「節部」ともいう。)と、振動板130の端部(つまり周辺板132の端部)との間のリング状の部位(「腹部」ともいう。)が、前面側に突出するように湾曲した形状を有する。つまり、周辺板132は、リング状の形状を有し、リングの厚み方向の中間(中心である必要はない)部分が前面側に突出したドーム形状で形成される。この振動板130の形状について換言すれば、振動板130は、リング状の節部が後面側に突出し、かつ、節部と端部との間の腹部と、節部の中央とが前面側に突出するように湾曲した二重のドーム形状を有するとも言える。
振動板130は、図2に示すように、少なくとも一部が前面側(振動板130を基準にx軸の正の方向。一側の一例)に突出するように湾曲した形状を有する。図2に例示した振動板130は、大きく分けて、一体形成された中央板131と周辺板132とにわけることができる。中央板131は、振動板130の中心が前面側に突出するように湾曲したドーム形状を有する。一方、周辺板132は、中央板131の周囲に一体に形成される。そして、周辺板132は、中央板131に対する接続部位(「節部」ともいう。)と、振動板130の端部(つまり周辺板132の端部)との間のリング状の部位(「腹部」ともいう。)が、前面側に突出するように湾曲した形状を有する。つまり、周辺板132は、リング状の形状を有し、リングの厚み方向の中間(中心である必要はない)部分が前面側に突出したドーム形状で形成される。この振動板130の形状について換言すれば、振動板130は、リング状の節部が後面側に突出し、かつ、節部と端部との間の腹部と、節部の中央とが前面側に突出するように湾曲した二重のドーム形状を有するとも言える。
振動板130の節部の後面に、ボイスコイルCが取り付けられる。そして、この振動板130の周囲端部は、カバー110又はフレーム120に固定される。従って、振動板130は、周辺板132の端部が固定された状態で、節部のボイスコイルCに加えられる、磁石Mとの間の引力又は斥力により、中央板131及び周辺板132の湾曲した各ドーム形状の概略を維持しつつ前後方向に振動して音を発する。
なお、このように振動により音を発生させるために、振動板130は、例えば、プラスチックフィルムなどの材料により形成され、ボイスコイルCは、例えば、銅線・CCAW線(銅クラッドアルミ線)などのような導電性材料により形成される。
カバー110は、プロテクタとも言われ、振動板130等が前室R内に露出しないように、ドライバユニット100の前面(x軸正の方向の面)を覆う。そして、振動板130で発せられた音が前室Rそしてユーザの耳の鼓膜へと伝達されるように、このカバー110には貫通孔H1が形成される。但し、このカバー110は、貫通孔H1を形成する代わりに、メッシュなどのように音を通過させる形状で形成されることも可能である。また、図4では、このカバー110が振動板130の前面形状に対応した形状で形成されている場合を示しているが、カバー110の形状は特に限定されるものではない。
なお、振動板130が発した音を吸収することがないように、カバー110は、音を吸収しにくい所定の硬度を有する材質で形成されることが望ましい。カバー110の材質としては、例えば、プラスチック材料・金属材料などが挙げられる。
フレーム120は、ドライバユニット100の後面(x軸負の方向の面)全体を覆うように形成されて、ドライバユニット100全体を支持する構造部材の役割を担う。本実施形態に係るフレーム120は、3つのリング状のフレーム121,122,123で形成される。フレーム121は、フレーム120全体の外周部分に配置され、前後方向(x軸方向)に貫通孔H2が形成される。フレーム122は、そのフレーム121の内側端部に係合して結合される。このフレーム122の前面(x軸正の方向の面)には、やはりリング状の磁石Mが配置され、その磁石Mの前面には、フレーム123が配置される。つまり、磁石Mは、フレーム122とフレーム123とで把持される。一方、フレーム122とフレーム123とは、両内円に挿入された締結部材124により、磁石Mを把持した状態で強固に固定される。この締結部材124も、中心部の前後方向に貫通孔H3を有し、例えば、リベットのようにフレーム122,123をかしめて固定することができる。このような締結部材124を、歯止め部材ともいう。また、フレーム122を、ヨークともいい、フレーム123を、ポールピースともいう。
一方、カバー110は、フレーム120との間には間隙が形成されるようにフレーム121の外側端部に固定される。そして、この間隙に、振動板130が配置されることになる。また、振動板130の後面に取り付けられたボイスコイルCは、フレーム122とフレーム123との間の間隙に挿入可能に設けられる。従って、磁石Mの磁界は、ボイスコイルCにまで伝達されて、ボイスコイルCがこの間隙を前後方向に振動することにより、振動板130は、カバー110とフレーム120との間の間隙で振動する。そして、この振動により振動板130の前面から発せられる音は、カバー110の貫通孔H1を通過して前室Rへと伝達される。一方、振動板130の後面方向(x軸負の方向)の空間、つまりフレーム120と振動板130と間の空間は、貫通孔H2,H3を介して外部と連通しており、その空間には、振動板130の振動に伴い貫通孔H2,H3を介して空気が出入りする。つまり、貫通孔H1は、音を伝達する役割を担う一方、貫通孔H2,H3は、振動板130の後面の空気を外部に逃がす通気の役割を担う。
なお、この貫通孔H2,H3又は、それらの近傍等には、音声を吸収するような弾力性があり、好ましくは、通気性を有する材料(例えば、スポンジ・綿・発泡ウレタン・紙・不織布等)で形成された吸音部材(図示せず)が配置され、後方への音漏れを防止することが望ましい。一方、フレーム121は、カバー110と同様に例えばプラスチック材料、又は、鉄などの金属材料などで形成される。本実施形態では、このフレーム121は、後述の支持部材220の周辺リブ220が一体形成されるため、プラスチック材料で形成されることが望ましい。他方、フレーム122,123及び締結部材124は、磁石Mを固定する際に強度等を確保することが望ましいため、例えば、鉄などの金属材料で形成される。
このフレーム120と振動板130等だけで、ドライバユニット100は、ヘッドホン1の音声出力部として音声を出力することが可能であるが、本実施形態に係るヘッドホン1は、更にドライバユニット100内に支持部材200を有する。以下、この支持部材200について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
支持部材200は、図2に示すように、フレーム120から振動板130の方向に突出するように設けられる。一方、振動板130は、通常、図2に示すように通常位置L0に位置する。そして、ボイスコイルCと磁石Mとの間に引力が働いて、振動板130が設計上許容可能な最大振幅でフレーム120方向に振動(移動)した場合、振動板130は、図2に示すように最大振幅位置L1に位置することになる。支持部材200は、このように振動する振動板130の後面(他側面の一例)を支持可能に形成される。より具体的には、支持部材200は、振動板130が最大振幅位置L1に位置する際に、振動板130の後面を支持する形状で形成される。つまり、この支持部材200は、フレーム120から振動板130の最大振幅位置L1まで突出して形成され、最大振幅位置L1における振動板130の湾曲した形状の少なくとも一部に沿った外形で形成されることが好ましい。その結果、支持部材200は、振動板130が振動して最大振幅位置L1に位置する場合に、振動板130の後面に接触して、振動板130を支持することが可能である。
一方、振動板130は、上述の通り、中央板131と、周辺板132とを有するが、支持部材200は、中央板131及び周辺板132に対応するような形状・個数・形態で形成されることが好ましい。図2では、支持部材200が、中央板131に対応する中央リブ210と、周辺板132に対応する周辺リブ220とを有する場合について例示している。以下、この中央リブ210と周辺リブ220とについて説明する。
中央リブ210は、第1支持部材の一例であって、振動板130の中央板131に対応する位置のフレーム120に設けられる。本実施形態では、中央リブ210が、振動板130側から締結部材124の貫通孔H3に挿入されて固定される場合を示している。この中央リブ210は、振動板130の中央板131を後面から支持することができるが、この際、中央リブ210には、振動板130からフレーム120の方向(x軸負の方向)に力が加えられる。従って、このように中央リブ210を振動板130側からフレーム120に固定することにより、中央リブ210は、振動板130を支持した場合でも、フレーム120に付勢されて、フレーム120から離脱する恐れが低減される。
この中央リブ210は、上述の通り、図2に示す中央板131の最大振幅位置L1に到達する前後の突出量で形成されることが望ましい。また、中央リブ210は、中央板131の中央が突出して湾曲したドーム形状の少なくとも一部に沿ったドーム状の外形で形成されることが望ましい。本実施形態に係る中央板131は、周辺板132に比べてドーム形状の径(例えばy軸方向の幅)が大きい。よって、中央リブ210を、上記のような外形で形成することにより、中央板131を適切に支持することが可能となる。
また、図3に、図2のカバー110及び振動板130を取り外した平面図を示す。この図3に示すように、中央リブ210には、1又は2以上の通気孔H4が形成される。この通気孔H4は、貫通孔H2,H3同様、フレーム120と振動板130と間の空間と、フレーム120の振動板130とは異なる側の外部とを連通させ、上記の空間には、振動板130の振動に伴い貫通孔H2,H3及び通気孔H4を介して空気が出入りする。
周辺リブ220は、第2支持部材の一例であって、振動板130の周辺板132に対応する位置のフレーム120に設けられる。本実施形態では、周辺リブ220が、フレーム120のうち周辺のフレーム121と一体に形成される場合を示している。この周辺リブ220も、振動板130の周辺板132を後面から支持することができる。
この周辺リブ220も、上述の通り、図2に示す周辺板132の最大振幅位置L1に到達する前後の突出量で形成されることが望ましい。そして、周辺リブ220も、周辺板132の腹部が突出して湾曲したドーム形状の少なくとも一部に沿ったドーム状の外形のリング型で形成されることが望ましい。つまり、周辺リブ220は、周辺板132の突出した位置(腹部)に対応した位置の近傍において、図3に示すように略リング状に形成される。
また、図3に示すように、リング状の周辺リブ220の一部には、リングが一部切断された切り欠きH5が形成されてもよい。この切り欠きH5は、振動板130に取り付けられたボイスコイルCの接続線(図示せず)を通過させる場合や、フレーム121の後面に基板(図示せず)等が形成される場合に、形成されることが望ましい。しかし、この切り欠きH5は、必ずしも必要ではない。なお、この切り欠きH5が形成される位置のフレーム121には、その接続線や基板を固定する意味でも、また、振動板130の過度な変形を防ぐためにも、貫通孔H2が形成されないことが望ましい。
中央リブ210及び周辺リブ220は、上述の通り、最大振幅位置L1にまで突出する突出量で形成される。更に言えば、この中央リブ210及び周辺リブ220は、振動板130が最大振幅位置L1に到達した際に、ほぼ同時に振動板130の後面と接触する突出量で、フレーム120から突出して設けられることが望ましい。つまり、中央リブ210及び周辺リブ220それぞれの突出量は、両者が振動板130と同時に接触するように、実験等により求められることが望ましい。このような突出量により中央リブ210及び周辺リブ220を形成することにより、振動板130からが当接した際に加えられる衝撃を分散させて、振動板130の変形、及び、それに伴い異音の発生を更に効果的に抑制することができる。このような効果については詳しく後述する。
また、上述の通り、本実施形態では、中央リブ210は、フレーム120とは別体で形成されて挿入されるのに対して、周辺リブ220は、フレーム121と一体に形成される。従って、周辺リブ220は、フレーム121と同様の材料(例えばプラスチック材料や金属材料)で形成される。一方、中央リブ210は、もちろん、プラスチック材料や金属材料で形成することも可能ではあるが、例えば、ゴム・ウレタン・綿などの所定の弾力性を有する弾性材料で形成されることが望ましい。このような弾性材料で形成することにより、中央リブ210に対して振動板130が当接した際の衝撃力を吸収・緩衝することが可能となり、異音発生を防ぐ効果を倍増させることが可能である。一方、このような弾性材料を用いて周辺リブ220を形成することも可能である。例えば、本実施形態の場合、フレーム121とは別体で周辺リブ220を形成し、フレーム121に固定することも可能であり、また、フレーム121と一体に形成したとしても、そのフレーム121自体も上記のような弾性材料で形成することも可能である。このような構成の例については、図5を参照しつつ、第2実施形態で説明する。
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る支持部材200では、中央リブ210が中央板131のうち大部分を支持する面積を有するのに対して、周辺リブ220は周辺板132の一部分を支持する面積を有する。この中央リブ210及び周辺リブ220の面積及びその面積比等は、特に限定されるものではないが、後述するように、振動板130の変形が抑えることが可能なような適切な面積及び面積比に設定されることが望ましい。つまり、中央リブ210及び周辺リブ220の面積及びその面積比等も、振動板130の過度な変形が抑えられるように、実験等により設定されることが望ましい。
[1−2.振動板の変形]
ここで、本実施形態に係るドライバユニット100の作用・効果等の理解を容易にするために、図4,図7及び図8を参照しつつ、振動板130の変形について説明する。この際、図7及び図8には、本実施形態に係るドライバユニット100が備える支持部材200を有さないドライバユニット900を示し、そのドライバユニット900において振動板130が変形する様子、つまり異音が発生する原理について説明する。図4は、ヘッドホン装着時における前室内の空気圧力の変化について説明する説明図である。図7及び図8は、関連技術に係るヘッドホンにおける振動板の変形について説明する説明図である。
ここで、本実施形態に係るドライバユニット100の作用・効果等の理解を容易にするために、図4,図7及び図8を参照しつつ、振動板130の変形について説明する。この際、図7及び図8には、本実施形態に係るドライバユニット100が備える支持部材200を有さないドライバユニット900を示し、そのドライバユニット900において振動板130が変形する様子、つまり異音が発生する原理について説明する。図4は、ヘッドホン装着時における前室内の空気圧力の変化について説明する説明図である。図7及び図8は、関連技術に係るヘッドホンにおける振動板の変形について説明する説明図である。
図4に示すように、ヘッドホン1がユーザの頭部Hの耳E周囲に、所定の外圧P1で装着されると、イヤパッド20は、頭部Hの形状に対応して変形する。それに伴い、ヘッドホン1の内部の空間である前室Rの容量は、減少する。すると、前室R内の内圧P0は高まり、その内圧P0が、ユーザの鼓膜だけでなく、本実施形態に係るドライバユニット100又は関連技術に係るドライバユニット900に印加される。
関連技術に係るドライバユニット900を例に挙げて、内圧P0による振動板130の変形について説明する。この関連技術に係るドライバユニット900は、図7に示すように、支持部材200を備えない点を除けば、本実施形態に係るドライバユニット100と同様に形成される。このドライバユニット900に過度な内圧P0が印加されると、図8に示すように、ドライバユニット900の振動板130は、フレーム120方向に変形する。この際、内圧P0が振動板130の強度を上回ると、振動板130は、設計上の許容最大振幅の位置である最大振幅位置L1を越えて更にフレーム120に近づく。その結果、ドライバユニット900の振動板130は、図8に示すような異常変形位置L2にまで変形してしまう。この異常変形位置L2では、振動板130は、通常位置L0における二重のドーム状の外形を維持することができず、フレーム120等に接触し、かつ、貫通孔H3(場合によっては貫通孔H2を含む)に入り込んでしまう。この際、振動板130は、音を発するために振動できるように、非常に薄く形成されることが多く、この薄い振動板130がフレーム120等に衝突する際の衝撃は、非常に大きな音又は衝撃波として、ユーザの鼓膜へと伝達されてしまう。本発明の発明者らは、このような異音等が発生するメカニズムを解明し、この異音を低減することについて鋭意研究を行った結果、上述のような第1実施形態を含む本発明を完成させた。
[1−3.効果の例]
この本発明の第1実施形態に係るドライバユニット100を備えるヘッドホン1によれば、図2に示すように、振動板130の最大振幅位置L1に沿うような外形を有する支持部材200を備える。従って、過度な内圧P0が振動板130に印加されたとしても、振動板130の変形は、最小限に抑えられて、振動板130は、最大振幅位置L1までしか移動しない。従って、支持部材200に当接する際の衝撃は、弱められて、異音の発生も最小限に抑えられる。なお、このような内圧P0が振動板130に印加される原因は、ヘッドホン1の装着時に限定されるものではなく、例えば、ドライバユニット100に勢いのある空気が吹きかけられるなど、様々な原因が考えられる。本実施形態に係るドライバユニット100は、これら様々な原因に対しても効果的である。そして、例えば、ドライバユニット100が、本実施形態に係るヘッドホン1ではなく、他の形式のヘッドホンやマイクロホンに使用された場合も、本実施形態に係るドライバユニット100は、上記同様、振動板130の変形を防止することが可能である。
この本発明の第1実施形態に係るドライバユニット100を備えるヘッドホン1によれば、図2に示すように、振動板130の最大振幅位置L1に沿うような外形を有する支持部材200を備える。従って、過度な内圧P0が振動板130に印加されたとしても、振動板130の変形は、最小限に抑えられて、振動板130は、最大振幅位置L1までしか移動しない。従って、支持部材200に当接する際の衝撃は、弱められて、異音の発生も最小限に抑えられる。なお、このような内圧P0が振動板130に印加される原因は、ヘッドホン1の装着時に限定されるものではなく、例えば、ドライバユニット100に勢いのある空気が吹きかけられるなど、様々な原因が考えられる。本実施形態に係るドライバユニット100は、これら様々な原因に対しても効果的である。そして、例えば、ドライバユニット100が、本実施形態に係るヘッドホン1ではなく、他の形式のヘッドホンやマイクロホンに使用された場合も、本実施形態に係るドライバユニット100は、上記同様、振動板130の変形を防止することが可能である。
一方、関連技術に係るドライバユニット900の振動板130のように装着時に過度は変形を繰り返すことは、振動板130等の損傷にも繋がる恐れがある。しかし、支持部材200を有する本実施形態に係るドライバユニット100では、このような損傷の恐れをも低減することが可能である。また、支持部材200がドーム状の振動板130の形状に沿うような形状を有するため、本実施形態に係るヘッドホン1は、さらに損傷の恐れ及び異音発生の恐れを低減することが可能である。この際、支持部材200の材質を、例えばゴム・ウレタン・綿などのような弾性材料で形成することにより、この衝撃による損傷の恐れ及び異音発生の恐れを更に低減することが可能である。
なお、単に振動板130の変形を防止するためには、例えば、振動板130の厚みを厚くして、振動板130の強度を高めることも考えられる。しかしながら、振動板130は、音を発生させる重要な部材であり、音を発するために適切な振動を行う必要がある。従って、振動板130の厚みを厚くすることは、音質等にも大きな影響を与えてしまうため、容易ではない。また、振動板130の強度を高めたとしても、その強度を更に上回る内圧P0が印加された場合、振動板130は、図8に示したように変形してしまう恐れもある。この場合、振動板130の強度が高いことにより、振動板130が元の二重のドーム状の形状に回復せずに、ヘッドホン1自体が壊れてしまい、音を発することができなくなる場合もある。これに対して、本実施形態に係るドライバユニット100を備えたヘッドホン1によれば、音質を変更させることもなく、かつ、音を発することができなくなる危険性を伴うこともなく、振動板130の変形を防止することが可能である。なお、振動板130は、通常の駆動、つまり、ボイスコイルCと磁石Mとによる駆動では、設計上の最大振幅位置L1に到達することは稀であり、そこまでの振動が起こらないように制御される。従って、支持部材200は、最大振幅位置L1までの突出量で形成されるため、通常の駆動時に支持部材200が、振動板130の振動状態に影響を与えて音質を損ねることは無い。また、仮に通常駆動時に振動板130が支持部材200と接触したとしても、振動板130は、最大振幅位置L1よりもフレーム120方向に振動することは設計上無いため、両者の接触による音質への影響は非常に少ない。
なお、本実施形態に係るドライバユニット100が有する支持部材200の形状は、この例に限定されるものではなく、様々な変更例が考えられる。そこで、この支持部材200の変更例の一部について、第2実施形態及び第3実施形態で説明する。なお、支持部材200の代わりに、第2実施形態に係るドライバユニット101は、支持部材300を有し、第3実施形態に係るドライバユニット102は、支持部材400を有する。その他の構成及びこの支持部材300,400も、基本的には上記第1実施形態と同様に形成される。従って、以下では、第1実施形態の支持部材200と異なる点を中心に説明して、同様に構成される点については説明を省略する。
<2.第2実施形態>
まず、図5を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るヘッドホン1が有するドライバユニット101について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。
まず、図5を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るヘッドホン1が有するドライバユニット101について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。
上記第1実施形態に係るドライバユニット100では、中央リブ210がフレーム122,123の前面(振動板130方向)から貫通孔H3に装着され、周辺リブ220がフレーム121の前面に一体形成される場合を説明した。しかし、中央リブ210は、フレーム122,123の後面(振動板130と逆方向)から貫通孔H3に装着されてもよく、周辺リブ220も、フレーム121と一体形成される必要は必ずしも無い。この変更例について、より具体的に第2実施形態を通じて説明する。
図5に示すように、本実施形態に係るドライバユニット101は、支持部材200の代わりに、支持部材300を有する。そして、支持部材300は、中央リブ310と、周辺リブ320とを有する。
中央リブ310は、上記第1実施形態に係る中央リブ210とは異なり、貫通孔H3にフレーム120の後面側(x軸負の方向)から挿入されて、最大振幅位置L1まで突出する。このように中央リブ310は、中央リブ210の場合のように振動板130側から貫通孔H3に装着されるだけでなく、その反対側から装着されてもよい。ただし、この場合も、中央リブ310には、振動板130によりx軸負の方向に衝撃が加えられるため、中央リブ310は、例えば接着剤・接着テープ・係止機構等によりフレーム120に強固に固定されることが望ましい。
一方、周辺リブ320は、上記第1実施形態に係る周辺リブ220とは異なり、フレーム121と別体に形成されて、貫通孔H2にフレーム120の後面側(x軸負の方向)から挿入されて、最大振幅位置L1まで突出する。この場合、周辺リブ320は、貫通孔H2を完全に塞ぐのではなく、その一部を貫通するように形成されるか、貫通孔H2を塞がないための別途の貫通孔を有することが望ましい。このように、周辺リブ320は、フレーム121と一体に形成されるだけでなく、別体に形成されることも可能である。なお、上記第1実施形態の場合、周辺リブ220をフレーム121と一体に形成し、かつ、周辺リブ220に金属材料よりも衝撃緩衝作用のあるプラスチック材料や弾性材料を使用することが望ましいために、フレーム121自身も同様な材料で形成した。しかしながら、本実施形態のように周辺リブ320とフレーム121とを別体で形成する場合、フレーム121の材料選択の幅が広がるため、フレーム121を金属材料で形成し、フレーム122と一体で形成することも可能である。なお、上記第1実施形態の場合において、周辺リブ220を金属材料で形成する場合には、同様に、フレーム121を金属材料で形成し、フレーム122と一体で形成することも可能であることは言うまでもない。
なお、本実施形態に係るドライバユニット101を備えるヘッドホン1は、上記第1実施形態が奏する作用効果と同様な作用効果を奏することも言うまでもない。
<3.第3実施形態>
次に、図6を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係るヘッドホン1が有するドライバユニット102について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。
次に、図6を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係るヘッドホン1が有するドライバユニット102について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係るドライバユニットの構成について説明する説明図である。
上記第1実施形態に係るドライバユニット100では、周辺リブ220がフレーム121の上面に一体形成される一方、中央リブ210はフレーム122,123及び締結部材124と別体に形成される場合について説明した。しかし、中央リブ210は、フレーム122,123又は締結部材124等の構造部材と一体に形成されてもよい。その例として、中央リブが締結部材と一体に形成された場合について、より具体的に第3実施形態を通じて説明する。
図6に示すように、本実施形態に係るドライバユニット102は、支持部材200の代わりに、支持部材400を有する。そして、支持部材400は、支持部材200と同じ周辺リブ220と、支持部材200とは異なる中央リブ410とを有する。つまり、本実施形態に係るドライバユニット102は、中央リブ410がフレーム120の締結部材124と一体に形成されること以外は、上記第1実施形態と同様に形成される。
中央リブ410は、上記第1実施形態の締結部材124と一体形成される。換言すれば、中央リブ410は、フレーム122とフレーム123をかしめて磁石Mを把持した状態で強固に固定するという締結部材124の機能を兼ねることになる。この場合、締結部材を兼ねる中央リブ410は、強度を高めるために金属材料で形成されることも可能であるが、振動板130の衝撃を緩衝するために、プラスチック材料や弾性材料で形成されることももちろん可能である。
本実施形態に係るドライバユニット102を備えるヘッドホン1も、上記第1実施形態が奏する作用効果と同様な作用効果を奏することができる。そして更に、本実施形態に係るヘッドホン1は、このように中央リブ410と締結部材とを一体に形成することにより、部材点数を減らし、中央リブ410がフレーム120から離脱するなどの不具合が発生する恐れを低減することが可能である。なお、中央リブ410が一体形成される部材は、第1実施形態における締結部材124に限定されるものではなく、フレーム122やフレーム123等であってもよいことは言うまでもない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、支持部材200等が、中央リブ210等と周辺リブ220等とを有する場合について説明した。しかしながら、支持部材200等は、中央リブ210等及び周辺リブ220等の少なくとも一方を有することも可能である。中央リブ210等と周辺リブ220等とのいずれを設けるかの選択は、振動板130の構造や他の構成等により適宜設定することが可能である。例えば、中央板131が比較的大きく、周辺板132が比較的小さい振動板130の場合、周辺板132の変形は小さく抑えられる。従って、この場合は、振動板130の変形を効果的に抑制するために、中央リブ210等をフレーム120に設けることも可能である。これとは逆に、例えば中央板131が周辺板132に比べて変形し難い場合には、フレーム120に周辺リブ220等を設けることももちろん可能である。
1 ヘッドホン
10 ハウジング
11 前面板
20 イヤパッド
100,101,102,900 ドライバユニット
200,300,400 支持部材
210,310,410 中央リブ
220,320 周辺リブ
110 カバー
120,121,122,123 フレーム
124 締結部材
130 振動板
131 中央板
132 周辺板
C ボイスコイル
E 耳
H 頭部
H1,H2,H3 貫通孔
H4 通気孔
H5 切り欠き
L0 通常位置
L1 最大振幅位置
L2 異常変形位置
M 磁石
R 前室
P0 内圧
P1 外圧
10 ハウジング
11 前面板
20 イヤパッド
100,101,102,900 ドライバユニット
200,300,400 支持部材
210,310,410 中央リブ
220,320 周辺リブ
110 カバー
120,121,122,123 フレーム
124 締結部材
130 振動板
131 中央板
132 周辺板
C ボイスコイル
E 耳
H 頭部
H1,H2,H3 貫通孔
H4 通気孔
H5 切り欠き
L0 通常位置
L1 最大振幅位置
L2 異常変形位置
M 磁石
R 前室
P0 内圧
P1 外圧
Claims (10)
- 少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し、第1磁界を発生させる第1磁界発生部が取り付けられた振動板と、
前記振動板の他側に配置され、前記振動板を振動させるために前記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部を有するフレームと、
前記フレームから前記振動板方向に突出するように設けられ、前記振動板の他側面を支持可能な支持部材と、
を有する、ヘッドホン。 - 前記支持部材は、前記第1磁界及び前記第2磁界により前記振動板が前記フレーム方向に最大振幅で振動した際に、前記振動板の他側面を支持する、請求項1に記載のヘッドホン。
- 前記振動板は、
中心が前記一側に突出するように湾曲したドーム形状の中央板と、
前記中央部の周囲に設けられ、前記中央板と前記振動板の端部との間のリング状の部位が前記一側に突出するように湾曲した周辺板と、
を有し、
前記支持部材は、前記フレームにおける前記中央板に対応する位置に設けられて、該中央板のドーム形状の少なくとも一部に沿ったドーム状の外形を有する第1支持部材を少なくとも有する、請求項2に記載のヘッドホン。 - 前記支持部材は、前記フレームにおける前記周辺板に対応する位置に設けられて、前記周辺板の前記リング状の部位を支持可能な第2支持部材を更に有する、請求項3に記載のヘッドホン。
- 前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1磁界及び前記第2磁界により前記振動板が前記フレーム方向に最大振幅で振動した際に、ほぼ同時に前記振動板の裏面と接触する突出量に対応して、前記フレームから突出して設けられる、請求項4に記載のヘッドホン。
- 前記第1支持部材には、前記フレームと前記振動板と間の空間と、前記フレームの前記振動板と異なる側の外部とを連通させる1又は2以上の通気孔が形成される、請求項3〜5のいずれかに記載のヘッドホン。
- 前記フレームの中心には、前記フレームと前記振動板と間の空間と、前記フレームの前記振動板と異なる側の外部との間を貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔には、前記第2磁界発生部を前記フレームに固定する締結部材が配置され、
前記第1支持部材は、前記締結部材と一体形成される、請求項3〜5のいずれかに記載のヘッドホン。 - 前記支持部材は、当該支持部材と前記振動板とが当接する際の衝撃を緩衝する弾性材料により形成される、請求項1に記載のヘッドホン。
- 前記振動板は、
中心が前記一側に突出したドーム形状の中央板と、
前記中央部の周囲において、前記中央部と前記振動板の端部との間のリング状の部位が前記一側に突出するように湾曲した周辺板と、
を有し、
前記支持部材は、前記フレームにおける前記周辺板に対応する位置に設けられて、前記周辺板の前記リング状の部位を支持可能なリング支持部材を少なくとも有する、請求項2に記載のヘッドホン。 - 少なくとも一部が一側に突出するように湾曲した形状を有し第1磁界を発生させる第1磁界発生部が取り付けられた振動板の他側に配置され、前記振動板を振動させるために前記第1磁界に対して第2磁界を発生させる第2磁界発生部を有するフレームに、当該フレームから前記振動板方向に突出するように、前記振動板の他側面を支持可能な支持部材を設ける、振動板の変形防止方法。
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