JP4875340B2 - ディスプレイ用の回路基板シートの製造方法及び該製造方法に用いる回路基板用シート - Google Patents

ディスプレイ用の回路基板シートの製造方法及び該製造方法に用いる回路基板用シート Download PDF

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Description

本発明は、ディスプレイ用の回路基板用シート及びディスプレイ用回路基板シートに関する。さらに詳しくは、本発明は、ディスプレイ用、特に平面ディスプレイ用の各画素を制御するために回路チップが埋め込まれた回路基板シートを、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するためのディスプレイ用の回路基板用シート、及びそれを用いて得られた、回路チップが埋め込まれてなるディスプレイ用回路基板シートに関するものである。
従来、液晶ディスプレイで代表される平面ディスプレイにおいては、例えばガラス基板上にCVD法(化学的気相蒸着法)などにより絶縁膜、半導体膜などを順次積層し、半導体集積回路を作製するのと同じ工程を経て、画面を構成する各画素近傍に薄膜トランジスタ(TFT)などの微少電子デバイスを形成し、これにより各画素のオン、オフ、濃淡の制御が行われている。すなわち、ディスプレイに使用する基板上にて、TFTなどの微少電子デバイスをその場で作製しているのである。しかしながら、このような技術においては、工程が多段階で煩雑であってコスト高になるのを免れず、また、ディスプレイ面積が拡大すると、ガラス基板上に膜を形成するためのCVD装置なども大型化し、コストが飛躍的に上昇するなどの問題がある。
そこで、コスト削減を目的として、微少な結晶シリコン集積回路チップを印刷インクのように印刷原板に付着させ、それを印刷技術などの手段により、ディスプレイ基板上の所定箇所に移し、固定させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、ディスプレイ基板上に、予め高分子フィルムを形成しておき、これに微少な結晶シリコン集積回路チップを印刷技術などの手段で移し、熱成形や加熱プレスなどの方法により、該チップを高分子フィルムに埋め込むことが行われる。しかしながら、このような方法では、高分子フィルムの歪みや発泡などの不具合が発生しやすい上、加熱に時間がかかるため効率的ではない。
特開2003−248436号公報
本発明は、このような事情のもとで、ディスプレイ用、特に平面ディスプレイ用の各画素を制御するために回路チップが埋め込まれたディスプレイ用回路基板シートを、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するためのディスプレイ用の回路基板シートの製造方法、及び該製造方法に用いる回路チップが埋め込まれてなるディスプレイ用回路基板シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、回路チップを埋め込むために、未硬化層及びその硬化層の貯蔵弾性率が、それぞれ特定の範囲にあるエネルギー線硬化型高分子材料からなる回路基板用シートを用いることにより、回路チップが埋め込まれたディスプレイ用回路基板シートを、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に回路チップを150℃以下の温度で埋め込み、該未硬化層にエネルギー線を照射して硬化させた回路チップが埋め込まれた硬化樹脂層からなるディスプレイ用の回路基板シートの製造方法であって、回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が103Pa以上107Pa未満であるエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に回路チップを埋め込み、該未硬化層をエネルギー線の照射によって硬化させて、25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上の硬化層とすることを特徴とするディスプレイ用の回路基板シートの製造方法(以下、回路基板用シートIと称する。)、
(2)回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料からなるディスプレイ用の回路基板用シートであって、該回路基板用シートのエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に、回路チップを埋め込み、これにエネルギー線を照射して硬化させるに際して、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が10 3 Pa以上10 7 Pa未満であり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が10 7 Pa以上である上記(1)項に記載の製造方法に用いるディスプレイ用の回路基板用シート、
(3)回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料からなるディスプレイ用の回路基板用シートであって、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の25℃における貯蔵弾性率が103〜106Paであり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを特徴とするディスプレイ用の回路基板用シート(以下、回路基板用シートIIと称する。)、
(4)エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層及びそれを硬化させた場合の硬化層が、いずれも波長400〜800nmの透過率80%以上である上記(2)又は(3)項に記載のディスプレイ用の回路基板用シート、
(5)エネルギー線硬化型高分子材料が、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含むものである上記()〜(4)項のいずれかに記載のディスプレイ用の回路基板用シート、
(6)エネルギー線硬化性基が、ラジカル重合性不飽和基であり、かつ(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量が100,000以上である上記(5)項に記載のディスプレイ用の回路基板用シート、及び
(7)エネルギー線硬化型高分子材料が、光重合開始剤を含むものである上記()〜(6)項のいずれかに記載のディスプレイ用の回路基板用シート、
を提供するものである。
本発明によれば、ディスプレイ用、特に平面ディスプレイ用の各画素を制御するために回路チップが埋め込まれた回路基板シートを、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製するためのディスプレイ用の回路基板用シート、及びそれを用いて得られた、回路チップが埋め込まれてなるディスプレイ用回路基板シートを提供することができる。
本発明の回路基板用シートは、回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層を有するディスプレイ用シートであり、以下に示す回路基板用シートI及び回路基板用シートIIの2つの態様がある。
第1の態様の回路基板用シートIは、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が103Pa以上107Pa未満であり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを特徴とする回路基板用シートである。
この回路基板用シートIにおいては、回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料は、該未硬化層の回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が103Pa以上107Pa未満の範囲にあることを要する。この貯蔵弾性率が上記の範囲にあれば、未硬化層は形状保持性及び支持体との密着性が良好である上、回路チップの埋め込み性が良好である。好ましい貯蔵弾性率は104〜5×105Paの範囲である。また、前記未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを要する。この貯蔵弾性率が107Pa以上であれば、埋め込まれた回路チップの保持性が良好である。該貯蔵弾性率の上限に特に制限はないが、通常1012Pa程度である。好ましい貯蔵弾性率は108〜1011Paの範囲である。
回路チップを埋め込む際の温度が高すぎると、ガスの発生により光の散乱など光学的な不具合が生じたり、回路基板の平坦性が損なわれるおそれがある。このような点から、回路チップの埋め込み温度は0〜150℃が好ましく、5〜100℃がより好ましい。
第2の態様の回路基板用シートIIは、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の25℃における貯蔵弾性率が103〜106Paであり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを特徴とする回路基板用シートである。
回路基板用シートIIにおいては、回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料は、該未硬化層の25℃における貯蔵弾性率が103〜106Paの範囲にあることを要する。この貯蔵弾性率が上記の範囲にあれば、未硬化層は形状保持性及び支持体との密着性が良好である上、回路チップの埋め込み性が良好である。好ましい貯蔵弾性率は104〜5×105Paの範囲である。また、前記未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを要する。この貯蔵弾性率が107Pa以上であれば、埋め込まれた回路チップの保持性が良好である。該貯蔵弾性率の上限に特に制限はないが、通常1012Pa程度である。好ましい貯蔵弾性率は108〜1011Paの範囲である。
なお、エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層及びそれを硬化させた場合の硬化層の貯蔵弾性率は、後述する方法に従って測定した値である。
本発明においては、エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層及びそれを硬化させた場合の硬化層は、25℃において、いずれも波長400〜800nmの透過率が80%以上であることが、可視光透過性の面から好ましい。
なお、エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層およびそれを硬化させた場合の硬化層の波長400〜800nmの透過率は、後述する方法に従って測定した値である。
また、本発明において、エネルギー線硬化型高分子材料とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋する高分子材料を指す。
本発明で用いる前記エネルギー線硬化型高分子材料としては、例えば(1)粘着性アクリル系重合体とエネルギー線硬化型重合性オリゴマー及び/又は重合性モノマーと所望により光重合開始剤を含む高分子材料、(2)側鎖に重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化型官能基が導入されてなる粘着性アクリル系重合体と所望により光重合開始剤を含む高分子材料などを挙げることができる。
前記(1)の高分子材料において、粘着性アクリル系重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体及び他の単量体との共重合体、すなわち(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好ましく挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリル酸・・・」とは「アクリル酸・・・」及び「メタアクリル酸・・・」の両方を意味する。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、(メタ)アクリル酸エステルは5〜100重量%、好ましくは50〜95重量%含有され、活性水素をもつ官能基を有する単量体は0〜95重量%、好ましくは5〜50重量%含有される。
また、所望により用いられる他の単量体の例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、これらの単量体は、0〜30重量%含有することができる。
該高分子材料において、粘着性アクリル系重合体として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量は、重量平均分子量で30万以上が好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エネルギー線硬化型重合性オリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
上記重合性オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜70,000さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。
この重合性オリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、エネルギー線硬化型重合性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボニルなどの単官能性アクリル酸エステル類、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールアジペートエステル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジシクロペンテニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキシド変性リン酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸アリル化シクロヘキシル、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステル、トリ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパンエステル、イソシアヌル酸トリス(アクリロキシエチル)、ペンタ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。これらの重合性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの重合性オリゴマーや重合性モノマーの使用量は、エネルギー線の印加により、硬化後の高分子材料が前述の性状を有するように選定されるが、通常(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、3〜300重量部配合することができる。
また、エネルギー線として、通常紫外線又は電子線が照射されるが、紫外線を照射する際には、光重合開始剤を用いることができる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン)などが挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
配合量は、上述のエネルギー線硬化型高分子材料の固形分100重量部に対し、通常0.1〜10重量部である。
次に、前記(2)の高分子材料において、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化型官能基が導入されてなる粘着性アクリル系重合体としては、例えば前述の(1)の高分子材料において説明した粘着性アクリル系重合体のポリマー鎖に−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの活性点を導入し、この活性点とラジカル重合性不飽和基を有する化合物を反応させて、該粘着性アクリル系重合体の側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化型官能基を導入してなるものを挙げることができる。
粘着性アクリル系重合体に前記活性点を導入するには、該粘着性アクリル系重合体を製造する際に、−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの官能基と、ラジカル重合性不飽和基とを有する単量体又はオリゴマーを反応系に共存させればよい。
具体的には、前述の(1)の高分子材料において説明した粘着性アクリル系重合体を製造する際に、−COOH基を導入する場合には(メタ)アクリル酸などを、−NCO基を導入する場合には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートなどを、エポキシ基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸グリシジルなどを、−OH基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、モノ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステルなどを、−NH2基を導入する場合には、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどを用いればよい。
これらの活性点と反応させるラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、(メタ)アクリル酸グリシジル、モノ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステルなどの中から、活性点の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。
このようにして、粘着性アクリル系重合体の側鎖に、前記活性点を介してラジカル重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化型官能基が導入されてなる粘着性アクリル系重合体、すなわち(メタ)アクリル酸エステル共重合体が得られる。
このエネルギー線硬化型官能基が導入された(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、重量平均分子量が100,000以上のものが好ましく、特に300,000以上のものが好ましい。なお、上記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
また、所望により用いられる光重合開始剤としては、前述の(1)の高分子材料の説明において例示した光重合開始剤を用いることができる。
前記の(1)及び(2)のエネルギー線硬化型高分子材料においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。
前記架橋剤としては、例えばポリイソシアナート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアナート化合物が好ましく用いられる。この架橋剤は、上述の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対して、0〜30重量部配合することができる。
ここで、ポリイソシアナート化合物の例としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナートなどの脂環式ポリイソシアナートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。これらの架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記の(1)及び(2)のエネルギー線硬化型高分子材料は、弾性率をコントロールするために、(1)のエネルギー線硬化型高分子材料に対し(2)の側鎖にラジカル重合性不飽和基のエネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を加えることができる。同様に(2)のエネルギー線硬化型高分子材料に対し(1)の粘着性アクリル系重合体、又はエネルギー線硬化型重合性オリゴマーやエネルギー線硬化型重合性モノマーを加えることができる。
本発明の回路基板用シートにおいては、回路チップを埋め込む側とは反対側に支持体が設けられていてもよい。
前記支持体については特に制限はなく、通常ディスプレイ用支持体として使用されている透明支持体の中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような支持体としてはガラス板、あるいは板状又はフィルム状のプラスチック支持体などを挙げることができる。ガラス板としては、例えばソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などからなる支持体を用いることができる。一方板状又はフィルム状のプラスチック支持体としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂などからなる支持体を用いることができる。これらの支持体の厚さは、用途に応じて適宜選定されるが、通常20μm〜5mm程度、好ましくは50μm〜2mmである。
本発明の回路基板用シートを製造する方法に特に制限はなく、例えば該支持体上に、前記のエネルギー線硬化型高分子材料を含む適当な濃度の塗工液を、公知の方法、例えばナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などにより、乾燥塗膜の厚さが所定の厚さになるように直接塗布、乾燥して未硬化層を形成させる方法を用いることができる。
また、剥離シートの剥離剤層上に、前記の塗工液を前記の方法で塗布、乾燥して未硬化層を形成し、これを支持体に転写する方法、あるいは、前記塗工液と剥離シートを用い、両面に剥離シートが設けられた未硬化シートを作製することができる。この場合、両面に設けられる剥離シートの剥離力を異ならせることにより、剥離する順序を設定することができる。さらに複数の未硬化層を積層して所望の厚さとしてもよい。
本発明の回路基板用シートにおいては、未硬化層上に、所望により剥離シートを貼着させておき、使用時に該剥離シートを剥がしてもよい。なお、両面に剥離シートが設けられた回路基板用シートにおいては、残存する剥離シートを支持体として用いることができる。
前記未硬化層の厚さは、その使用の条件にもよるが、通常50〜1000μm程度、好ましくは80〜500μmである。
また、前記剥離シートとしては、特に制限はないが、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さは、通常20〜150μm程度である。
本発明のディスプレイ用回路基板シートは、前記のようにして得られた回路基板用シートにおけるエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に、回路チップを埋め込み、これにエネルギー線を照射して硬化させることにより、作製することができる。
具体的な方法について説明すると、ガラス板上などに被埋め込み回路チップを置き、その上に回路基板用シートを未硬化層が該回路チップに接するように載置し、0.05〜2.0MPa程度の荷重下に該チップを、好ましくは0〜150℃、より好ましくは5〜100℃の温度で埋め込み、エネルギー線を照射して該未硬化層を硬化させたのち、前記ガラス板から剥離することにより、本発明のディスプレイ用回路基板シートが得られる。なお、加熱して回路チップを埋め込んだ場合には、エネルギー線の照射は、未硬化層が加熱された状態で行ってもよいし、室温に冷却されてから行ってもよい。
エネルギー線としては、通常紫外線又は電子線が用いられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。このエネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。このエネルギー線の照射量としては、硬化した硬化層の貯蔵弾性率が前述の範囲になるように、適宜選択されるが、例えば紫外線の場合には、光量で100〜500mJ/cm2が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。
図1は、本発明の回路基板用シートを用いて、回路チップを埋め込む方法の1例を示す工程説明図である。
まず、支持体1上に、未硬化状態のエネルギー線硬化型高分子材料からなる本発明の回路基板用シート2を用意すると共に、ガラス板4上に回路チップ3を置く[(a)]。次いで、回路基板用シート2を、回路チップ3に接するように載置し、荷重下に該チップを埋め込み、エネルギー線を照射して硬化させる[(b)]。この操作により、未硬化状態の回路基板用シート2は硬化層となり、その中に回路チップ3が埋め込まれ、固定されると共に、本発明のディスプレイ用回路基板シート5が、ガラス板4から容易に剥離される[(c)]。
このような本発明の技術は、高分子フィルムを加熱して回路チップを埋め込むのではなく、エネルギー線硬化型高分子材料を用いて、回路チップを埋め込み、その後硬化することにより、回路チップを固定化するため、高分子フィルムを用いる場合の不具合も生じにくく、操作時間も短縮でき、効率的である。また、埋め込み性も優れる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各例で得られたエネルギー線硬化型高分子材料の諸特性は、以下に示す方法により求めた。
(1)未硬化層の貯蔵弾性率
剥離シートの剥離面に、実施例で作製した塗工液を塗布し、90℃で1分間乾燥させ、厚さ50μmの未硬化層を形成し、これを積層させ、厚さ3mm、直径7.9mmのサンプルを作製した。この未硬化層の貯蔵弾性率を、粘弾性測定装置[Rheometrics社製、装置名「DYNAMIC ANALYZER RDAII」]を用いて、1Hzで5℃、25℃、90℃又は140℃における値を測定する。
(2)硬化層の貯蔵弾性率
剥離シートの剥離面に、実施例で作製した塗工液を塗布し、90℃で1分間乾燥させ、厚さ47μmの未硬化層を形成し、これを積層させ、厚さ188μmの未硬化層とし、この未硬化層に照度310mW/cm2、光量300mJ/cm2の条件でメタルハライドランプを光源とする紫外線を照射して硬化させたのち、縦30mm、横2mmのサンプルにカットし、硬化させた後の貯蔵弾性率を粘弾性測定装置[オリエンテック社製、装置名「レオバイブロンDDV−II−EP」]を用いて、3.5Hzで25℃における値を測定する。
(3)未硬化層の透過率
両面に剥離フィルムが設けられた厚さ188μmの未硬化層を有するシートの一方の側の剥離フィルムを剥離し、露出した未硬化層をソーダライムガラス[日本板硝子(株)製、ソーダライムガラス 厚さ1.1mm]に貼り合わせ、残りの剥離フィルムを剥がした状態(測定サンプル)で、温度25℃の未硬化シートの透過率を分光光度計[(株)島津製作所製、UV−VIS−NIR スキャニングスペクトロメーター UV−3101P]を用い、測定波長400〜800nmで測定し、測定した透過率の最小値を透過率とする。
(4)硬化層の透過率
上記(3)の未硬化層測定サンプルに照度310mW/cm2、光量300mJ/cm2の条件でメタルハライドランプを光源とする紫外線を照射して硬化させた後、温度25℃の硬化シートの透過率を分光光度計[(株)島津製作所製、UV−VIS−NIR スキャニングスペクトロメーター UV−3101P]を用い、測定波長400〜800nmで測定し、測定した透過率の最小値を透過率とする。
(5)埋め込み性
ソーダライムガラス板上に、シリコンチップ(縦500μm×横500μm×厚さ50μm)を置き、実施例1〜5で得られた回路基板用シートを、その軽剥離型剥離シートを剥がして0.2MPaの圧で貼合する。その際、ガラス板を置く台は温度を制御できるプレートに置かれ、5℃、25℃、90℃又は140℃に保持されている。その後、圧力は5分間保持されたのち、常温常圧に戻し、照度310mW/cm2、光量300mJ/cm2の条件で、メタルハライドランプを光源とする紫外光を照射して硬化させ、ディスプレイ用回路基板シートが得られる。その後、得られたガラス板からディスプレイ用回路基板シートを剥離し、図2のようにシリコンチップの埋め込み状態をコンフォーカル顕微鏡[レーザーテック社製、商品名「HD100D」]により観察し、下記の判定基準に従って、はみ出し量hを測定し埋め込み性を評価する。
○:硬化樹脂シート面からのチップのはみ出し量が10μm未満
×:硬化樹脂シート面からのチップのはみ出し量が10μm以上
なお、図2は、チップの埋め込み状態を示す説明図であり、図においてhははみ出し量を示す。
実施例1
アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35重量%)に、共重合体中のアクリル酸100当量に対し30当量になるように2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が85万のエネルギー線硬化型共重合体を得た。得られたエネルギー線硬化型共重合体溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤であるオリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}[lamberti spa社製、「ESACURE KIP 150」]4.0重量部と、エネルギー線硬化型の多官能モノマーおよびオリゴマーからなる組成物[大日精化工業社製、セイカビーム「14−29B(NPI)」]100重量部と、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤[東洋インキ製造社製、「オリバインBHS−8515」]1.2重量部とを溶解させて、固形分濃度を40重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。
調製した塗工液をナイフコーターによって重剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「SP−PET3811」]の剥離処理面に塗布し、90℃で1分間加熱乾燥させ、厚さ47μmのエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層を形成した。同様にしてポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた軽剥離型剥離シート[リンテック社製、商品名「SP−PET3801」]の剥離処理面に、厚さ47μmの未硬化層を有するシートを3枚作製した。これらのシートの未硬化層を、前記重剥離型剥離シート上の未硬化層上に積層し、軽剥離型剥離シートを剥離する工程を繰り返し、最終的に、片面に重剥離型剥離シート、反対面に軽剥離型剥離シートを備えた厚さ188μmのエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層を有する回路基板用シートを得た。
この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例2
アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液A(固形分濃度35重量%)と、アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液B(固形分濃度35重量%)を作製した。アクリル酸エステル共重合体溶液Bの共重合体中のアクリル酸100当量に対し30当量になるように2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が85万のエネルギー線硬化型共重合体を作製した。アクリル酸エステル共重合体溶液Aと、該エネルギー線硬化型共重合体とを重量比(固形分)10:90で混合した。得られた混合溶液の固形分100重量部に対して光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」]3.0重量部を溶解させて、固形分濃度を33重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。
該塗工液を用い、実施例1と同様にして回路基板用シートを作製した。
この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例3
アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35重量%)に、共重合体中のアクリル酸100当量に対し30当量になるように2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が85万のエネルギー線硬化型共重合体を得た。得られたエネルギー線硬化型共重合体溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」]3.8重量部を溶解させて、固形分濃度を33重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。
該塗工液を用い、実施例1と同様にして回路基板用シートを作製した。
この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例4
アクリル酸2−エチルヘキシル80重量部とアクリル酸2−ヒドロキシエチル20重量部とを酢酸エチル溶媒中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度40重量%)に、共重合体中のアクリル酸2−ヒドロキシエチル100当量に対し78.5当量になるように2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを添加し、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.025重量部を加え、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が80万のエネルギー線硬化型共重合体を得た。
得られたエネルギー線硬化型共重合体溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」]3.8重量部を溶解させて、固形分濃度を33重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。
該塗工液を用い、実施例1と同様にして回路基板用シートを作製した。
この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例5
アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶液(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35重量%)の固形分100重量部に対し、エネルギー線硬化型の多官能モノマー及びオリゴマーからなる組成物[大日精化工業社製、セイカビーム「14−29B(NPI)」]50重量部と光重合開始剤として[lamberti spa社製、「ESACURE KIP 150」]5重量部とポリイソシアネート化合物からなる架橋剤[東洋インキ製造社製、「オリパインBHS−8515」]1.2重量部とを溶解させて、固形分濃度を40重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調整した。調整した塗工液を用いて、実施例1と同様にして回路基板用シートを作製した。この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例6
アクリル酸ブチル80重量部とアクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得た重量平均分子量85万のアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35重量%)の固形分100重量部に対し、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート[共栄社化学製、「ライトアクリレートDCP−A」]120重量部と光開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」]6.6重量部とポリイソシアネート化合物からなる架橋剤[東洋インキ製造社製、「BHS−8515」]1.5重量部とを溶解させて、最後にメチエチルケトンを加えて固形分濃度を45重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。該塗工液を用いて、実施例1と同様にして回路基板用シートを作製した。この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
実施例7
アクリル酸ブチル60重量部とメタクリル酸メチル20重量部、アクリル酸20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体溶液(固形分濃度35重量%)に、共重合体中のアクリル酸100当量に対し、30当量になるように2−メタクリロイルオキシイソシアナートを添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が75万のエネルギー線硬化型共重合体を得た。得られたエネルギー線硬化型共重合体溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」]3.8重量部を溶解させて、最後にメチルエチルケトンを加えて固形分濃度を33重量%に調整し、エネルギー線硬化型高分子材料を含む塗工液を調製した。該塗工液を用い、実施例と同様にして回路基板用シートを作製した。この回路基板用シートの諸特性を第1表に示す。
Figure 0004875340
本発明のディスプレイ用の回路基板用シートは、基板上に回路チップを埋め込むために設けられたエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層を有するものであって、ディスプレイ用、特に平面ディスプレイ用の各画素を制御するために回路チップが埋め込まれた回路基板シートを、品質よく、高い生産性のもとで効率的に作製することができる。
本発明の回路基板用シートを用いて、回路チップを埋め込む方法の1例を示す工程説明図である。 チップの埋め込み状態を示す説明図である。
符号の説明
1 支持体
2 回路基板用シート
3 回路チップ
4 ガラス板
5 ディスプレイ用回路基板シート
h はみ出し量

Claims (7)

  1. エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に回路チップを150℃以下の温度で埋め込み、該未硬化層にエネルギー線を照射して硬化させた回路チップが埋め込まれた硬化樹脂層からなるディスプレイ用の回路基板シートの製造方法であって、回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が103Pa以上107Pa未満であるエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に回路チップを埋め込み、該未硬化層をエネルギー線の照射によって硬化させて、25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上の硬化層とすることを特徴とするディスプレイ用の回路基板シートの製造方法
  2. 回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料からなるディスプレイ用の回路基板用シートであって、該回路基板用シートのエネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層に、回路チップを埋め込み、これにエネルギー線を照射して硬化させるに際して、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の回路チップ埋め込み温度における貯蔵弾性率が10 3 Pa以上10 7 Pa未満であり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が10 7 Pa以上である請求項1に記載の製造方法に用いるディスプレイ用の回路基板用シート。
  3. 回路チップを埋め込むためのエネルギー線硬化型高分子材料からなるディスプレイ用の回路基板用シートであって、前記エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層の25℃における貯蔵弾性率が103〜106Paであり、該未硬化層を硬化させた場合の硬化層の25℃における貯蔵弾性率が107Pa以上であることを特徴とするディスプレイ用の回路基板用シート。
  4. エネルギー線硬化型高分子材料からなる未硬化層及びそれを硬化させた場合の硬化層が、いずれも波長400〜800nmの透過率80%以上である請求項2又は3に記載のディスプレイ用の回路基板用シート。
  5. エネルギー線硬化型高分子材料が、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含むものである請求項〜4のいずれかに記載のディスプレイ用の回路基板用シート。
  6. エネルギー線硬化性基が、ラジカル重合性不飽和基であり、かつ(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量が100,000以上である請求項5に記載のディスプレイ用の回路基板用シート。
  7. エネルギー線硬化型高分子材料が、光重合開始剤を含むものである請求項〜6のいずれかに記載のディスプレイ用の回路基板用シート。
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