JP2008010714A - 電磁波遮断材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、乾式で、インラインでの生産が可能な新規な電磁波遮断シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の基材上に導電性物質を含んでなる導電性層を形成してなる導電性シートに、レーザを集光させて前記導電性層を除去し、導電性パターンを形成する第1の工程と、
前記導電性パターン間に、樹脂を充填する第2の工程とを含む電磁波遮蔽材の製造方法。
第1の基材が、剥離処理されているものである上記電磁波遮断材の製造方法。
剥離処理が、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤処理である上記電磁波遮断材の製造方法。
第2の工程が、第2の基材上に樹脂層を形成したシートに、導電性パターンを形成した導電性シートを圧着させるものである上記電磁波遮断材の製造方法。
さらに、第2の工程の後に、第1の基材を剥離する第3の工程を含む上記電磁波遮断材の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】第1の基材上に導電性物質を含んでなる導電性層を形成してなる導電性シートに、レーザを集光させて前記導電性層を除去し、導電性パターンを形成する第1の工程と、
前記導電性パターン間に、樹脂を充填する第2の工程とを含む電磁波遮蔽材の製造方法。
第1の基材が、剥離処理されているものである上記電磁波遮断材の製造方法。
剥離処理が、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤処理である上記電磁波遮断材の製造方法。
第2の工程が、第2の基材上に樹脂層を形成したシートに、導電性パターンを形成した導電性シートを圧着させるものである上記電磁波遮断材の製造方法。
さらに、第2の工程の後に、第1の基材を剥離する第3の工程を含む上記電磁波遮断材の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電磁波遮断材の製造方法に関する。本発明で製造されてなる電磁波遮断材は、陰極線管、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル、エレクトロルミネッセンスパネル発光ダイオードパネルなどのディスプレイ用などに使用できる。
ディスプレイなど電磁波遮断材は、ディスプレイから発生する電磁波を遮断し、周辺の機器の誤作動を防ぐなどの目的で使用される。
従来、このような電磁波遮断材は、透明性を要求されるため、メッシュパターンとなっている。このメッシュを形成する方法は、エッチング法が一般的であるが、湿式処理であり、より簡便な工程が望まれている。
特開2000−40896号公報
特開2000−315888号公報
特開2004−256832号公報
本発明は、乾式で、インラインでの生産が可能な新規な電磁波遮断シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の基材上に導電性物質を含んでなる導電性層を形成してなる導電性シートに、レーザを集光させて前記導電性層を除去し、導電性パターンを形成する第1の工程と、
前記導電性パターン間に、樹脂を充填する第2の工程とを含む電磁波遮蔽材の製造方法に関する。
前記導電性パターン間に、樹脂を充填する第2の工程とを含む電磁波遮蔽材の製造方法に関する。
また、本発明は、第1の基材が、剥離処理されているものである上記電磁波遮断材の製造方法に関する。
また、本発明は、剥離処理が、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤処理である上記電磁波遮断材の製造方法に関する。
また、本発明は、第2の工程が、第2の基材上に樹脂層を形成したシートに、導電性パターンを形成した導電性シートを圧着させるものである上記電磁波遮断材の製造方法に関する。
また、本発明は、さらに、第2の工程の後に、第1の基材を剥離する第3の工程を含む上記電磁波遮断材の製造方法に関する。
本発明は、乾式で、インラインでの生産が可能な新規な電磁波遮断シートの製造方法を提供できた。
本発明の製造方法の第1の工程は、導電性シートに、レーザを集光させて前記導電性層を除去し、導電性パターンを形成する工程である。
導電性シートは、第1の基材に、導電性物質を含んでなる導電性層を形成することで得られる。第1の基材は、その後、導電性パターンから剥離するものでないならば、透明な基材であることが要求される。このような基材としては、ガラス、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、PET、PENなどのポリエステル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、シクロオレフィン樹脂などが挙げられる。
また、その後、剥離する工程(第3の工程)がある場合は、透明な基材のほか、不透明な基材も使用できる。この場合、通常の樹脂以外に、紙、木材、セラミックス、金属なども使用できる。
第1の基材は、必要に応じて、導電性層との接する側が表面処理されていてもよい。表面処理は、密着性を向上させるための処理であっても、離型性を向上させるための剥離処理であってもよい。さらに、前記剥離処理が、熱や光のエネルギーにより粘着性が消失する粘着剤処理であってもよい。粘着剤処理は、通常の方法で第1の基材上に粘着剤を塗布するものである。光のエネルギーで粘着性を消失させる場合は、第1の基材は透明であることが必要である。光のエネルギーは、エネルギー線の照射により与えられる。ここで、エネルギー線とは、紫外線、可視光線、電子線、α線、γ線などである。光源としては、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、各種レーザなどである。
エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤は、エネルギー線を照射することにより粘着力が低下するものであり、感圧性であることから、圧力をかけて導電性層と基材とを接着させる。エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤としては、例えば、反応性官能基を有する弾性重合体、エネルギー線反応性化合物、光重合開始剤及び硬化剤を含むものが好適に用いられる。
エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤には、公知の粘着付与樹脂、公知の微粒子、公知の重合禁止剤、公知の防錆剤、公知の可塑剤、公知の紫外線吸収剤などを配合することができる。
公知の粘着付与樹脂としては、ロジンエステルなどある。公知の微粒子としては、シリカ化合物などの無機微粒子、アクリル樹脂やナイロン樹脂などで形成される有機微粒子などがある。ただし、微粒子の平均粒子径20μm以下であることが好ましい。また、重合禁止剤としてはヒドロキノンなどがある。
反応性官能基を有する弾性重合体としては、アクリル系ポリマーとウレタン系ポリマーが好ましく、反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミド基、グリシジル基、イソシアネート基等が挙げられる。
アクリル系ポリマーとしては、反応性官能基を有するモノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体、反応性官能基を有するモノマーと、他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記モノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体を用いることができる。アクリル系ポリマーは公知の方法により合成される。アクリル系ポリマーは、粘着性を付与するために、ガラス転移点が10℃以下であることが好ましい。また、アクリル系ポリマーの重量平均分子量は粘着力と凝集力のバランスの点から20万〜200万が好ましく、更に40〜150万が好ましい。
反応性官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−4ヒドロキシブチル、アクリルアミド、グリシジルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を挙げることができる。
他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソブロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等を挙げることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルトルエン等を挙げることができる。
ウレタン系ポリマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて得られる末端水酸基のポリウレタンポリールに、有機ポリイソシアネートを反応させて得られるポリマーを用いることができる。
上記ポリオールとしては、公知のポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールの酸成分してはテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられ、グリコール成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、ポリオール成分としてはグリセリン、トチメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の官能基数が2以上のものが用いられる。ポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールの重量平均分子量は1000〜5000が好ましく、更に2500〜3500が好ましい。重量平均分子量が1000以下のポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールでは反応が早くゲル化しやすくなり、5000以上のポリエステルポリオール及びポリエステルポリオールは反応性が低くなり凝集力も低くなる。ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させる際には、多価アミン類を併用できる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、公知の芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイシシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン等が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとしてはイソフォロンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
上記有機ポリイソシアネートには、上記有機ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。
ウレタン系ポリマーの重量平均分子量は、粘着力と凝集力のバランスの点から5,000〜300,000が好ましく、更に10,000〜200,000が好ましい。
エネルギー線反応性化合物としては、エネルギー線照射により3次元架橋するモノマーやオリゴマーが挙げられる。これらは分子内に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するものであることが好ましい。
上記モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
上記オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールと有機ポリイソシアネート、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネート等を反応させて得られる末端イソシアネートプレポリマーに、水酸基を有するアクリレートあるいはメタクリレート、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を反応させて得られるものを使用できる。ウレタンアクリレートオリゴマーの数平均分子量は500〜30,000が好ましく、更に1,000〜20,000が好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマーは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を2〜10個有することが好ましく、更に4〜10個有することが好ましく、特に6〜10個有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、2,4−ジエチルオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、ビスイミダゾール、β−クロールアントラキノン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure2959」)等が挙げられる。
ポリマーへ光重合開始剤を組み込む方法としては、例えば、水酸基を有する光重合開始剤をジイソシアネート化合物、例えばイソフォロンジイソシアネートの一方のイソシアネート基と反応させてから、もう一つのイソシアネート基をポリマーの水酸基と反応させる方法、炭素−炭素二重結合を有する酸無水物、例えば無水マレイン酸や無水イタコン酸等と水酸基を有する光重合開始剤を反応させてから他のモノマーと共重合する方法、炭素−炭素二重結合とイソシアネート基を有する化合物、例えば2−メタクリロイルオキシイソシアネート等と水酸基を有する光重合開始剤とを反応させてから他のモノマーと共重合する方法、炭素−炭素二重結合とカルボキシル基を有する化合物、例えばアクリル酸やメタクリル酸等と水酸基を有する光重合開始剤とを反応させてから他のモノマーと共重合する方法等が挙げられる。
光重合開始剤を高分子量化若しくはポリマーへ組み込む方法は、限定されず公知の化合物及び公知の反応を用いて行うことができる。光重合開始剤を組み込む先は必ずしもポリマーで有る必要はないが、高分子量化した光重合開始剤およびポリマーへ組み込んだ光重合開始剤は、重量平均分子量で500〜200万が好ましく、更に1000〜150万好ましい。重量平均分子量が500未満の高分子量化した光重合開始剤およびポリマーへ組み込んだ光重合開始剤は、被着体汚染低減効果や薬液への溶出低減効果が少なく、200万を超えるものは粘度増大で生産性が悪い。
硬化剤は、反応性官能基を有する弾性重合体と反応して感圧接着剤に凝集力を付与するものであり、弾性重合体の官能基に対して反応性を持つ公知のイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジニル系化合物等の多官能化合物が用いられる。
イソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネートや、それらのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンジルグリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、メタキシレンジアミンテトラグリシジルエーテル、及びその水添化物等が挙げられる。
アジリジニル系化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、テトラメチロールメタンートリ−β−−アジリジニルプロピオナート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤の塗布方法としては、コンマコート、リップコート、カーテンコート、ブレードコート、グラビアコート、キスコート、リバースコート、マイクログラビアコート、等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤の厚みは、0.5μm〜50μm程度であることが好ましい。
本発明で用いられる導電性物質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、白金、タングステン、クロム、チタン、錫、鉛、パラジウム、亜鉛あるいは、これらを含む合金が挙げられる。また、導電性有機ポリマーが挙げられる。
第1の基材に上記導電性物質を含む導電性層を形成して導電性シートとするためには、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、めっき法、塗布法、あるいは、箔をラミネートまたは転写する方法が挙げられる。
導電性層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜40μmが一般的である。
導電性シートは、集光したレーザを照射し、その熱または光で導電性物質を除去されるものである。レーザとしてはアルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、エキシマレーザなどが挙げられる。
レーザはパルスレーザでも、連続レーザでもよく、マスクをつけてもパターンを形成してもよいが、レーザスキャンでパターンを形成する方が効率的である。
パターンの形状は、格子状、蜂の巣状のほか、多数の円や多角形が接し合った形状であってもよい。パターンが格子状の場合は、縦線と横線は直交していても、斜交していてもよい。パターンの線幅は、4〜80μmが好ましい。線幅は一定である必要はない。パターンの間隔は、透明性が維持できる間隔で有ればよく、開口面積率で表記するならば、50%以上が好ましい。しかし、ライン間隔が大きくなりすぎると、電磁波シールド性が低下する為、ライン間隔は1000μm(1mm)以下とすることが好ましい。ここで開口率とは、電磁波シールド性フィルムの有効面積に対する、有効面積から導電性パターンの面積を引いた面積の比の百分率である。
パターン形成後の導電性物質は、黒化処理されることが好ましい。黒化処理は、プリント配線板分野で行われている方法により、黒化処理液を用いて、導電性パターンの表面および側面を黒化処理できる。
黒化処理は、例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)、水酸化ナトリウム(15g/リットル)、燐酸三ナトリウム(12g/リットル)の水溶液中、95℃で2分間処理することにより、行うことができる。
本発明の製造方法の第2の工程は、前記導電性パターン間に、充填用の樹脂を充填する工程である。充填用の樹脂は、透明性を確保できれば特に限定はない。充填する工程とは、溶液状態で塗布するか、インクジェット方式で充填するか、第2の基材上に充填用の樹脂層を形成したシートに、導電性パターンを形成した導電性シートを圧着させるなどである。
第2の基材上に樹脂層を形成したシートを用いるときの樹脂層の充填用の樹脂は、圧着するときにパターンの間に充填される程度の流動性を有することが必要である。このような充填用の樹脂としては、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、その両者のブレンド系、複合樹脂系の粘着剤または接着剤を使用することができる。アクリル樹脂系充填用の樹脂は、公知のアクリル系モノマーを共重合させて得られるアクリル樹脂と、凝集力の確保、耐熱・耐候性等を付与する目的で添加される硬化剤とから構成される。硬化剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、アジリジン系等の硬化剤が挙げられる。
これらの硬化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
硬化剤の使用量は、アクリルモノマーの種類や粘着力を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部を添加することが好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましい。0.1重量部未満だと架橋度が低下し、凝集力が不十分となり、15重量部を超えると被着体に対する接着力が小さくなりやすいので好ましくない。
ウレタン樹脂系充填用の樹脂は、公知のポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン樹脂から構成される。ウレタン樹脂は、ポリオールと多塩基酸若しくはその無水物とを反応させた後、有機ポリイソシアネートを反応させて得られるものでも良い。
公知のポリオールとしては、高分子量ポリオール類の1種または2種以上、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類、その他のポリオール類等も用いることができる。さらに、これらの中の1種または2種以上とオレフィン類、芳香族炭化水素類等他の化合物との反応によって得られる2個以上の水酸基を有する化合物も使用することができる。
有機ポリイソシアネートとしては、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤を構成するウレタン系ポリマーの原料として例示した有機ポリイソシアネートを用いることができる。
ウレタン樹脂系充填用の樹脂には、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤としては、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤を構成する硬化剤として例示したイソシアネート系硬化剤を使用することができる。硬化剤の使用量は、ウレタン樹脂の種類や接着力を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、ウレタン樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部を添加することが好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましい。0.1重量部未満だと架橋度が低下し、凝集力が不十分となり、15重量部を超えると被着体に対する粘着力が小さくなりやすいので好ましくない。
充填用の樹脂には、公知の粘着付与剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤、濡れ剤、各種薬剤、充填剤、顔料、染料、希釈剤、硬化促進剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜用いてもよい。また、添加剤の添加量は、目的とする物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
粘着付与剤としては、例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)などが使用可能である
また、充填用の樹脂には、赤外線カットを目的として、赤外線吸収材料を入れても構わない。赤外線吸収材料としては、酸化鉄、酸化セリウム、酸化錫、酸化アンチモン、インジウム−錫酸化物(ITO)等の金属酸化物、または六塩化タングステン、塩化錫、硫化第二銅、クロム−コバルト錯体、チオール−ニッケル錯体、アントラキノン等が挙げられる。
また、充填用の樹脂には、赤外線カットを目的として、赤外線吸収材料を入れても構わない。赤外線吸収材料としては、酸化鉄、酸化セリウム、酸化錫、酸化アンチモン、インジウム−錫酸化物(ITO)等の金属酸化物、または六塩化タングステン、塩化錫、硫化第二銅、クロム−コバルト錯体、チオール−ニッケル錯体、アントラキノン等が挙げられる。
本発明の製造方法の第3の工程は、必要に応じて第2の工程の後に行われる。第2の工程の段階で、第2の基材を使用しない場合は、第3の工程の前に、第2の基材とパターンを充填した樹脂とを張り合わせる工程があってもよい。第3の工程は、導電性パターンと第1の基材とを剥離する工程である。このとき、第1の基材が、前記剥離剤処理されていると、透明な第1の基材側から光を照射して容易に第1の基材を剥離できることになる。
剥離したのちの導電性パターンは、電磁波を遮断した光学パネルや光学部材に直接または接着剤を介して張り合わせることができる。
実施例によって、本発明の一形態を例示する。
2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート9.4重量部、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製光重合開始剤「イルガキュア2959」)13.6重量部、ジブチル錫ジラウレート0.02重量部、ヒドロキノン0.02重量部、メチルエチルケトン76.96重量部の混合物を、窒素と酸素の混合気流雰囲気下で80℃−5時間反応させて、不揮発分22.5%の光重合開始剤グラフトポリマー合成用中間体溶液を得た。前記中間体溶液70重量部、アクリル酸ブチル113重量部、アクリル酸5重量部、アゾビスイソブチロニトリル 0.12重量部、酢酸エチル212重量部の混合物を、窒素雰囲気下で加熱還流して7時間反応させて重量平均分子量44万、不揮発分33%の光重合開始剤グラフトポリマー溶液を得た。得られた光重合開始剤グラフトポリマー溶液100重量部に、硬化剤としてグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製「デナコールEX−421」)2.0重量部、硬化触媒としてジメチルベンジルアミン(3級アミン)0.05重量部、6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルUCB製「Ebecryl1290K」、重量平均分子量1000)25重量部を配合してエネルギー線により粘着性が消失する粘着剤を得た。
次に、25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「E5100」)に、得られた粘着性が消失する粘着剤を厚さ10μmになるように塗工し、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤処理した第1の基材を得た。
得られた第1の基材に、12μmの銅箔(日鉱マテリアル製)を常温で加圧ラミネート(2kg/cm2)して、第1の基材上に導電性層を形成してなる導電性シートを得た。
導電性シートの導電性層でない面に幅250μmの非球面のシリンドリカルレンズのレンズアレイを接触固定させ、YVO4レーザー装置 MD−V9600(KEYENCE社製)を使用してスキャンスピード:500m/s(固定)、QSW周波数:5kHz(固定)の条件でレーザーパワーを可変して記録を行い、レンズを通過して集光したレーザ光により縦縞状の導電性パターンが形成された。このときのパターン幅は、40μmであった。
更に亜塩素酸ナトリウム(31g/リットル)の水溶液で95℃ 2分間暴露させて、導電性パターンの表面を黒化処理した。
次に、別途、38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製「A4300」)に、アクリル系粘着剤(東洋インキ製造製主剤「BPS5896」と硬化剤「BXX4773」を100:0.5の重量比で配合)を膜厚が10μmになるように塗工し、第2の基材上に樹脂層を形成したシートを得た。
得られた黒化処理済み導電性パターンと第2の基材上に樹脂層を形成したシートとを、導電性パターン面と樹脂層面とが接するように加圧ラミネート(2kg/cm2)して、パターンの間に樹脂を充填して、電磁波遮蔽材が製造された。
さらに、ラミネートした後に第1の基材側から、メタルハライドランプ(UV)120W/cm を用い、1000mJ/cm2の紫外線を照射し、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤の粘着力を消失させた。次いで、第1の基材を剥離し、この時に導電性パターンは第2の基材上に樹脂と共に第2の基材上にあり、電磁波遮断材を必要とする部材に貼付可能となった。
Claims (5)
- 第1の基材上に導電性物質を含んでなる導電性層を形成してなる導電性シートに、レーザを集光させて前記導電性層を除去し、導電性パターンを形成する第1の工程と、
前記導電性パターン間に、樹脂を充填する第2の工程とを含む電磁波遮蔽材の製造方法。 - 第1の基材が、剥離処理されているものである請求項1記載の電磁波遮断材の製造方法。
- 剥離処理が、エネルギー線により粘着性が消失する粘着剤処理である請求項2記載の電磁波遮断材の製造方法。
- 第2の工程が、第2の基材上に樹脂層を形成したシートに、導電性パターンを形成した導電性シートを圧着させるものである請求項1〜3いずれか記載の電磁波遮断材の製造方法。
- さらに、第2の工程の後に、第1の基材を剥離する第3の工程を含む請求項1〜4いずれか記載の電磁波遮断材の製造方法。
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- 2006-06-30 JP JP2006181053A patent/JP2008010714A/ja active Pending
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