JP2008176070A - 回路基板シートおよび回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板シートおよび回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップが埋め込まれたディスプレイ用回路基板を簡易かつ高収率に作製するために、回路チップを回路基板シートに簡便かつ安価に配置することができる技術を提供する。
【解決手段】表面に凸部が形成された樹脂層を有してなり、前記樹脂層の凸部が、前記所望数の回路チップを転写する箇所に形成されているシートを、回路基板シートとして用い、前記凸部を利用して、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを選択的に回路基板シート自身の表面に転写し、回路基板を製造する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを自身の表面に転写により配置させることのできる回路基板シートおよびその製造方法と、回路基板の製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイを構成する回路基板には、ディスプレイの各画素を制御するための微小電子デバイスが配置されるとともに、各微小電子デバイスの入出力信号を伝達する回路が形成されている。従来、この回路基板においては、微小電子デバイスは、ガラス製の回路基板上に直接その場で作製することにより、配置されている。すなわち、ガラス基板上に、CVD(化学気相堆積)法などの真空技術を用いて、絶縁膜、半導体膜などを順次に積層し、これらの堆積膜に、半導体集積回路の作製工程と同様の工程を適用して、薄膜トランジスタ(TFT)などの微小電子デバイスを形成している。これらの微小電子デバイスは、各画素の近傍に形成され、各画素のオン、オフ、濃淡などの制御を行って、ディスプレイ上の画像形成を実現している。
近年、ディスプレイに対して40インチ〜100インチという大画面化が望まれ、市販されるに至っているが、前述のガラス基板と真空技術を用いた多段階工程を要する回路基板製造方法がネックとなり、コストの削減が困難となっている。大画面ディスプレイが広く用いられるためには、コスト削減が必須であり、大画面ディスプレイの製造コストを低減可能な回路基板の製造方法が模索されている。
大画面ディスプレイに対する前述のコスト削減の要望に対して、最近、新たな技術が提案されている(特許文献1)。この特許文献1に開示の技術は、微小電子デバイスとして別途作製した回路チップを用い、回路基板として安価で軽量なプラスチック基板を用い、印刷技術を適用して前記回路チップを前記プラスチック基板上に配置するとともに回路を作製することにより、大画面ディスプレイを安価に提供可能とする技術である。
特開2003−248436号公報
前記特許文献1に開示の技術においては、プラスチック基板上の所望位置に回路チップを配置するための穴を予め空けておく。一方では、回路チップの表面に磁気に感応するニッケル膜を積層しておく。これらニッケル膜を有する所望数の回路チップを所定のパターンに従って磁気的に吸着し、これら回路チップを一度に前記プラスチック基板上の穴に嵌め込み、配線パターンを形成する。
前記従来の技術では、プラスチック基板上に回路チップを配置するための穴を予め空けておく必要がある。この回路基板シートの調製工程を削減できれば、さらに工数の削減、コストの削減が可能となる。
また、前記従来の技術では、回路チップを別途作製することで、回路基板として安価なプラスチック回路基板シートの使用を可能にしているが、別途作製した回路チップを回路基板シートに配置するために、磁気吸着を利用しており、そのために回路チップ表面に予めニッケル膜を形成しておく必要がある。また、回路チップを回路基板シートに配置した後に、回路チップの表面からニッケル膜を除去する必要がある。配置後の回路チップからニッケル膜を除去するには、塩酸溶液を用いたウェットエッチングを実施しなければならない。そのウェットエッチング処理により、回路チップ自体の回路や、回路チップ周辺の配線回路が劣化されるおそれがあった。かかる回路チップへのニッケル膜の形成及び削除のために要するプロセスが不要となれば、さらにディスプレイ用の回路基板の製造工程及びコストを削減することができる。したがって、従来の技術において、好ましくは、エッチング処理を不要とするプロセス、換言すれば、磁気手段に依存しない新たな回路チップ転写技術が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、ディスプレイ用の各画素を制御するための回路チップが埋め込まれたディスプレイ用回路基板シートを簡易かつ高収率に製造するために、回路チップを回路基板シートに簡便かつ安価に配置することができる技術を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明にかかる回路基板シートは、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを選択的に自身の表面に転写させる回路基板シートであって、表面に凸部が形成された樹脂層を有してなり、前記樹脂層の凸部が、前記所望数の回路チップを転写する箇所に形成されていることを特徴とする。
本発明の回路基板シートを最終的に硬化させて物理的強度を確保する必要性を考慮すると、前記樹脂層は活性エネルギー線硬化性樹脂から構成されていることが好ましい。
前記樹脂層の凸部の先端面は矩形であり、縦横方向それぞれ(回路チップ幅×1/2)超で、(回路チップ幅+前記回路チップ保持部材における隣接回路チップ間隔×2+回路チップ幅の1/2)以下のサイズに設定されていることが好ましい。
前記回路チップ保持部材としては、回路チップを保持しているものであれば、いかなるものでも良いが、通常は、粘着テープが好適に用いられる。
本発明にかかる回路基板シートの製造方法は、表面に凸部が形成された樹脂層を有してなり、該樹脂層の凸部により、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを選択的に自身の表面に転写させる回路基板シートの製造方法であって、剥離シートの剥離面に凹部を形成し、得られた剥離シートの剥離面に樹脂の塗工液を塗布することにより、前記凸部が形成された樹脂層を得ることを特徴とする。
本発明にかかる回路基板の製造方法は、前記回路基板シートの樹脂層の凸部と、回路チップを保持している回路チップ保持部材の回路チップ配列面とが当接するように、前記回路基板シートと前記回路チップ保持部材とを貼合する貼合工程と、前記回路基板シートから前記回路チップ保持部材を剥離することにより、前記回路基板シートの樹脂層の凸部先端に回路チップを転写させる工程と、を有することを特徴とする。
前記回路基板の製造方法において、回路基板シートの樹脂層に形成する凸部の先端面が矩形であり、縦横方向それぞれ(回路チップ幅×1/2)超で、(回路チップ幅+前記回路チップ保持部材における隣接回路チップ間隔×2+回路チップ幅の1/2)以下のサイズに作成することが、望ましい。
前記回路基板の製造方法において、前記回路チップ保持部材としては、回路チップを保持しているものであれば、いかなるものを使用しても良いが、粘着テープを好適に用いることができる。
本発明によれば、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを自身の表面に転写により配置させることのできる回路基板シートおよびその製造方法と、該回路基板シートを用いた回路基板シートへの回路チップの配置方法を提供することができる。本発明の回路基板シートでは、別途に形成する回路チップにニッケル被膜形成などの特別な処理を施さず、使用材料の粘着力を利用して転写する技術を用いている。従って、本発明の回路基板シートを用いることにより、ニッケル被膜除去に必要となるエッチング液などの処理薬剤が不要となり、簡便で安全、かつ高収率に大型ディスプレイ用回路基板を作製することが可能となる。
(樹脂)
本発明の回路基板シートを構成する樹脂層を形成するための樹脂としては、回路チップの転写性、埋め込み性が良好で硬化処理により硬化するものであれば、特に制限ないが、粘着力の制御のし易さ、扱いやすさ、硬化処理の容易さ、硬化前後の寸法安定性が良好なことなどから、活性エネルギー線硬化性樹脂が好適である。
本発明の回路基板シートを構成する活性エネルギー線硬化性樹脂(以下、光硬化性樹脂ともいう)は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射することにより、重合、硬化する樹脂である。
本発明で用いる前記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、(1)アクリル系重合体と活性エネルギー線重合性オリゴマーおよび/または重合性モノマーと所望により光重合開始剤を含む樹脂、(2)側鎖に重合性不飽和基を有する活性エネルギー線硬化型官能基が導入されてなるアクリル系重合体と所望により光重合開始剤を含む樹脂などを挙げることができる。
前記(1)の樹脂において、アクリル系重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、所望により用いられる活性水素を持つ官能基を有する単量体および他の単量体との共重合体、すなわち(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好ましくは挙げることができる。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
一方、所望により用いられる活性水素を持つ官能基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、(メタ)アクリル酸エステルは5〜100重量%、好ましくは50〜95重量%含有され、活性水素を持つ官能基を有する単量体は0〜95重量%、好ましくは5〜50重量%含有される。
また、所望により用いられる他の単量体の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジェン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。(メタ)アクリル酸エステル共重合体中、これらの単量体は、0〜30重量%含有することができる。
該樹脂において、アクリル系重合体として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであっても良い。また、分子量は、重量平均分子量で30万以上が好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、活性エネルギー線重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジェンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。
上記重合性オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリスチレン換算の値で、好ましくは500〜100,000、より好ましくは1,000〜70,000、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。
この重合性オリゴマーは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
一方、活性エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸モルホリン、(メタ)アクリル酸イソボニルなどの単官能性アクリル酸エステル類、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールアジペートエステル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、ジ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジジクロペンテニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキシド変性リン酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸アリル化シクロヘキシル、ジ(メタ)アクリル酸イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステル、トリ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、トリ(メタ)アクリル酸プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパンエステル、イソシアヌル酸トリス(アクリロキシエチル)、ペンタ(メタ)アクリル酸プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、ヘキサ(メタ)アクリル酸カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。これらの重合性モノマーは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの重合性オリゴマーや重合性モノマーの使用量は、通常、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対し、3〜500重量部配合することができる。
また、活性エネルギー線として、通常、紫外線または電子線が照射されるが、紫外線を照射する際には、光重合開始剤を用いる。この光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
かかる光重合開始剤の配合量は、上述の活性エネルギー線硬化性樹脂の固形分100重量部に対し、通常0.1〜10重量部である。
次に、前記(2)の樹脂において、側鎖に重合性不飽和基を有する活性エネルギー線硬化性官能基が導入されてなるアクリル系重合体としては、例えば、前述した(メタ)アクリル酸エステル系重合体の側鎖に、−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの活性点を導入し、この活性点と重合性不飽和基を有する化合物を反応させて、該アクリル系重合体の側鎖に重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化性官能基を導入してなるものを挙げることができる。
アクリル系重合体に前記活性点を導入するには、該アクリル系重合体を製造する際に、−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2などの官能基と、重合性不飽和基とを有する単量体またはオリゴマーを反応系に共存させればよい。具体的には、前述の(1)の樹脂において説明したアクリル系重合体を製造する際に、−COOH基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸などを、−NCO基を導入する場合には、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナートなどを、エポキシ基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸グリシジルなどを、−OH基を導入する場合には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、モノ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオールエステルなどを、−NH2基を導入する場合には、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどを用いればよい。
これらの活性点と反応させる重合性不飽和基を有する化合物としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、(メタ)アクリル酸グリシジル、モノ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトールエステル、モノ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンエステルなどの中から、活性点の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。
このようにして、アクリル系重合体の側鎖に、前記活性点を介して重合性不飽和基を有する活性エネルギー線硬化性官能基が導入されてなるアクリル系重合体、すなわち、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が得られる。
この活性エネルギー線硬化性官能基が導入された(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、重量平均分子量が100,000以上のものが好ましく、特に300,000以上のものが好ましい。なお、上記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
また、所望により用いられる光重合開始剤としては、前述の(1)の樹脂の説明において例示した光重合開始剤を用いることができる。
前記の(1)および(2)の活性エネルギー線硬化性樹脂においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤などを添加することができる。
前記架橋剤としては、例えば、ポリイソシアナート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアナート化合物が好ましく用いられる。この架橋剤は、上述の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の固形分100重量部に対して、0〜30重量部配合することができる。
ここで、ポリイソシアナート化合物の例としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートなどの芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどの脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナートなどの脂環式ポリイソシアナートなど、およびそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
なお、前記(1)および(2)の活性エネルギー線硬化性樹脂は、(1)のエネルギー線硬化性樹脂に対し、(2)の側鎖に重合性不飽和基の活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を加えることができる。同様に(2)の活性エネルギー線硬化性樹脂に対し、(1)のアクリル系重合体、または活性エネルギー線重合性オリゴマーや活性エネルギー線重合性モノマーを加えることができる。また、所望により溶剤も添加させることができる。用いられる溶剤としては、前記の(1)および(2)の活性エネルギー線硬化性樹脂に溶解性が良好であり、前記(1)、(2)の樹脂に対して不活性な公知の溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせても良い。
なお、活性エネルギー線のうち、汎用性、経済性から紫外線が好ましく使用できる。紫外線を発生するランプとしては、高圧水銀ランプ、メタルハイドライトランプ、キセノンランプ、無電極紫外線ランプなどがある。紫外線の照射量としては、適宜選択されるが、例えば、光量は1〜1500mJ/cm2、照度は10〜500mW/cm2程度である。
(回路チップ保持部材)
回路チップ保持部材としては、例えば、ダイシングテープなど粘着テープが挙げられる。
本発明の回路基板シートは、前記樹脂と、剥離面に凹部を有する剥離シートとを用いて、以下のように形成することができる。
(剥離面に凹部を有する剥離シートの作製)
図1に示すように、剥離基材1を用意し、前記剥離基材1に剥離剤を塗布し、必要により加熱乾燥して剥離剤層を形成して剥離シートを得る。次に前記剥離シートを凸部が所望の位置に配置されたエンボスロールと、対応するペーパーロールとの間を通過させて、片面に所望数の凹部(図では1個)2を形成する。前記塗布方法は、ナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーターなどの方法で塗布し、室温〜150℃、好ましくは60〜130℃、1〜10分の条件で乾燥させる。これにより、凹部を有する剥離シート(エンボス型剥離シート)6を得る。ここで、エンボス型剥離シート6の剥離基材1は、特に制限されず、上質紙、グラシン紙、コート紙、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等を積層した樹脂ラミネート紙などの紙類、ポリエチレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム類が挙げられる。前記基材がプラスチックフィルム類の場合、単層、もしくは積層して使用しても良い。剥離剤は、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル樹脂等が挙げられる。この剥離シートの厚さは20〜150μmである。凹部を設ける方法はエンボスロールを使用する方法以外の方法でも良く、特に限定はない。
(回路基板シートの形成)
前記樹脂の塗工液を調製し、剥離基材の片面に剥離剤層が設けられた剥離シート(重剥離型剥離シート)の剥離処理面に、塗布し、塗工液が溶剤を含む場合は、加熱乾燥して樹脂層を形成する。前記塗布方法は、ナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーターなどの方法で塗布し、室温〜150℃、好ましくは60〜130℃、1〜10分の条件で乾燥させる。前記剥離シートは公知のものが使用でき、ポリエチレンフィルムや、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのフィルムにシリコーン樹脂、アルキッド樹脂、長鎖アルキル樹脂などの剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さは、通常、20〜150μm程度である。
同様にして、別の剥離基材の片面にシリコーン系剥離剤層が設けられてなる剥離シート(軽剥離型剥離シート)の剥離処理面に、前記塗工液を塗布し、必要により加熱乾燥して、樹脂からなる樹脂層を有するシートを製造する。ここに使用する剥離シートの剥離力は前記重剥離型剥離シートの剥離力より小さく設定されている。
前記重剥離型剥離シート上の樹脂層に、上記軽剥離型剥離シート上の樹脂層を積層し、軽剥離型剥離シートを剥離する。この積層工程を繰り返して、図2に示すように、最終的に重剥離型剥離シート7と軽剥離型剥離シート8とにより挟まれた樹脂からなる所定厚さの樹脂層9を有してなる第1のシート10を得る。
次に、図3に示すように、前記のエンボス型剥離シート6上に前記樹脂塗工液を塗工し、所定の厚さの樹脂層11を有する第2のシート12を用意する。
前記樹脂層9を有する第1のシート10の軽剥離型剥離シート8を剥がし、露出した樹脂層9の上に前記第2のシート12の樹脂層11を貼合する。これにより、図4に示すように、第1のシート10の重剥離型剥離シート7と第2のシート12のエンボス型剥離シート6とに挟まれた樹脂層13からなる回路基板シート15を得る。この樹脂層13の一方の表面には、前記エンボス型剥離シート6の凹部2によって、凸部13aが形成される。前記樹脂層13の凸部13aが形成されていない部分の厚さは、30〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。また、凸部の高さは5〜500μmである。
前記樹脂層13の表面は、全面粘着性を有しているが、凸部13aが形成されており、この凸部13aに回路チップを選択的に接触させることができ、それにより回路チップを回路基板シート上の所望位置に転写させる。
回路基板シートの凸部の数や隣接する凸部と凸部の間隔は、特に限定されず、目的とする回路基板の使用に応じて決定すればよい。
前記凸部13aの先端面は、回路基板シート15の基板面に平行である。また、この凸部13aのサイズは、樹脂層13の粘着力と、回路チップ保持部材の粘着力と、そして、転写しようとしている回路チップのサイズと、転写元の回路チップ保持部材上の回路チップの配列間隔とによって変動する。各部材の粘着力は、回路チップ保持部材の粘着力<回路基板シートの樹脂層表面の粘着力に設定されていれば良く、このような前提で、前記凸部の先端面が矩形であり、そのサイズは、回路チップ保持部材上の配列間隔を基準とすると、縦横方向それぞれ(回路チップ幅×1/2)超で、(回路チップ幅+前記回路チップ保持部材における隣接回路チップ間隔×2+回路チップ幅の1/2)以下とすることが、好ましい。前記下限値を下回ると、回路チップとの接触面積が不十分となり、回路チップを凸部に転写させることができなくなり、前記上限値を超えると、隣接した回路チップまで余分に取得してしまう場合が生じる。
なお、回路チップ製造工程において、回路チップ保持部材が粘着テープの場合、保持された回路チップの回路面が粘着テープの粘着面と接していない場合もあれば、粘着テープの粘着面と接している場合もある。回路チップの回路面が粘着テープの粘着面と接していない場合は、別途用意した転写シートを用いて粘着テープより回路チップを転写し、上記転写シートから回路基板シートへ転写すればよい。また、回路チップの回路面が粘着テープの粘着面に接している場合は、本回路基板シートにそのまま転写すればよい。
図5に、多数の回路チップ20が一定の間隔で配列されてなる回路チップ保持部材21の概略平面図を示した。図中、符号22は、前記回路チップ保持部材21を支えるリングフレームである。また、図6に、この回路チップ保持部材21上の回路チップ20の配列面の一部を拡大して示した。各回路チップ20は、平面正方形である場合も有れば、長方形である場合もあるが、図では、平面正方形である場合を示した。
図6において、aは回路チップ20の縦寸法、bは横寸法、xは回路チップ20と隣接の回路チップ20との間隔を示している。これらの符号a,b,xにて、本発明の回路基板シート15における凸部13aの先端面の矩形サイズの好適な概略的範囲は、縦方向では、下限値が[a×1/2]で、上限値が[a+2x+a×(1/2)]である。また、横方向では、下限値が[b×1/2]で、上限値が[b+2x+b×(1/2)]である。
前記回路基板シート15に回路チップ保持部材21から所望数の回路チップ20を配置する方法および回路基板の製造方法を、図を参照して説明する。
(回路基板シートへの回路チップの配置方法、回路基板の製造方法)
図7に示すように、前記回路基板シート15の重剥離型剥離シート7を剥がして露出した樹脂層13を石英ガラス、ソーダライムガラスなどのガラス基板30に貼合する。続いて、回路基板シート15のエンボス型剥離シート6を剥がして、凸部13aが形成されている樹脂層13を露出する。
図8に示すように、回路チップ保持部材21に支持された回路チップ20の配列面を、前記回路基板シート15の凸部13aに当接させるように回路基板シート15と回路チップ保持部材21とを貼合する。その後、図9に示すように、回路基板シート15から回路チップ保持部材21を剥離すると、所望数(図では1個)の回路チップ20が回路基板シート15に転写、配置される。なお、回路基板シート15に転写された回路チップ20は、その回路面が露出した状態となっている。
前記所望数(図では1個)の回路チップ20を所望箇所(凸部13a)に配置された回路基板シート15をガラス基板30とともに、図10に示すように、平面プレス機40上に載置する。続いて、回路基板シート15の上に剥離シート41とガラス基板42を順次載せて、徐々にプレスする。なお、剥離シート41及びガラス基板42は前記したものが使用できる。すると、回路チップ20が転写している凸部13aおよび樹脂層13は未硬化で軟質であるため、凸部13aは潰れて平坦になるとともに、回路チップ20が樹脂層13内に埋め込まれる。この時、樹脂層13は、下方のガラス基板30と、上方のガラス基板42および剥離シート41により均一に加圧されるため、回路チップ20が埋め込まれても表面の平坦性が損なわれることがない。
回路チップ20が埋め込まれた後、上方のガラス基板42と剥離シート41と、下方のガラス基板30を付けたまま、平面プレス機40から取り出す。その後、図11に示すように、下方のガラス基板30側から活性エネルギー線を回路基板シート15の樹脂層13に照射して硬化させる。硬化後、上方のガラス基板42と剥離シート41を取り除くと、図12に示すように、所望の回路チップ20が埋め込まれ、全体が硬化された回路基板シート、すなわち回路基板43が得られる。
最後に、所望数(図では1個)の回路チップ20が埋め込まれた回路基板43には、真空蒸着やスパッタリング、フォトリソグラフィー技術などの周知の電極および配線形成方法により画素を制御するための配線が形成されて、ディスプレイ用回路基板が完成する。
以下、本発明の回路基板シートおよび該回路基板シートへの回路チップの転写、配置方法、回路基板の製造方法の実施例を示す。なお、以下に示す実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
以下に示す実施例は、先に図1〜12を参照して説明した回路基板シートの製造並びに該回路基板シートを用いた回路チップの転写、配置方法及び回路基板の製造方法に準じて行った実施例である。
(実施例1)
(エンボス型剥離シートの製造)
米坪量116.3g/m2の上質紙の両面に、溶融押出機を用いて、低密度ポリエチレン(LDPE、住友化学社製、商品名「スミカセンL705」)を30μmの厚みに、130℃で押し出して、貼合し剥離基材とした。次に、上記剥離基材の片面に剥離剤として硬化触媒を含む付加型シリコーン樹脂(信越化学工業社製、商品名「KS−774」)からなる塗工液をバーコーターにて塗工し、厚み約1μmの剥離剤層を形成して、剥離シートを得た。次いで、微小凸部(凸部の高さが20μm)が4箇所に所定のパターンに配置されたエンボスロールと、対応するペーパーロールとの間を通過させて、4つの凹部を形成したエンボス型剥離シートを製造した。
(樹脂層の形成)
アクリル酸ブチル(関東化学社製)80重量部とアクリル酸(関東化学社製)20重量部とを酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(重量比50:50)中で反応させて得たアクリル酸エステル共重合体(固形分濃度35重量%)に、共重合体中のアクリル酸100当量に対し30当量となるように、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(国産化学社製)を添加し、窒素雰囲気下、40℃で48時間反応させて、側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量が85万の活性エネルギー線硬化性官能基が導入されてなるアクリル系共重合体を得た。
得られた活性エネルギー線硬化性官能基が導入されてなるアクリル系共重合体の溶液の固形分100重量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア651」)3.0重量部と、活性エネルギー線重合性の多官能モノマーおよびオリゴマーからなる組成物(大日精化工業社製、商品名「14−29B(NPI)」)100重量部(固形分80重量部)と、ポリイソシアナート化合物からなる架橋剤(東洋インキ製造社製、商品名「オリバインBHS−8515」)1.2重量部(固形分0.45部)とを溶解させ、最後にメチルエチルケトンを加えて、固形分濃度を40重量%に調整し、均一な溶液となるまで撹拌して、樹脂塗工液とした。
前記樹脂塗工液を、ナイフコーターによって、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられた重剥離型剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET38GS」)の剥離処理面に、塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの活性エネルギー線硬化性樹脂からなる樹脂層を形成した。
同様にして、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系剥離剤層が設けられてなる軽剥離型剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET3801」)の剥離処理面に、前記塗工液を塗布し、90℃で90秒間加熱乾燥させ、厚さ50μmの活性エネルギー線硬化性樹脂からなる樹脂層を形成した。
前記重剥離型剥離シート上の樹脂層に、上記軽剥離型剥離シート上の樹脂層を積層し、軽剥離型剥離シートを剥離した。この積層工程を繰り返して、最終的に重剥離型剥離シートと軽剥離型剥離シートとにより挟まれた未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂からなる厚さ350μmの樹脂層を有してなる第1のシートを得た。
次に、前記のエンボス型剥離シートの剥離剤層上に前記第1のシートの樹脂と同じ塗工液を塗工し、厚さ50μmの樹脂層を有する第2のシートを用意した。
前記350μmの樹脂層を有する第1のシートの軽剥離型剥離シートを剥がし、露出した350μmの樹脂層の上に前記第2のシートの50μmの樹脂層を積層した。これにより第1のシートの重剥離型剥離シートと第2のシートのエンボス型剥離シートとに挟まれた400μm厚の樹脂層からなる回路基板シートを得た。この回路基板シートの樹脂層の一方の表面には、前記剥離シートによって4つの凸部(1つの凸部の先端面のサイズは縦540μm×横540μm、凸部の高さ20μm)が形成されている。
(回路基板シートへの回路チップの転写)
前記回路基板シートの重剥離型剥離シートを剥がして露出した樹脂層に、5cm×5cmのソーダライムガラス基板を貼合した。続いて、回路基板シートのエンボス型剥離シートを剥がして、一列に形成された4つの凸部(先端面のサイズは縦540μm×横540μm、凸部の高さ20μm、隣接する凸部と凸部の間隔1740μm)が形成されている樹脂層を露出した。
回路チップ(縦500μm×横500μm×厚さ200μm)が保持されたダイシングテープ(リンテック社製、商品名「Adwill D−650:回路チップ保持部材)の基材側から無電極ランプ(フュージョン社製、Hバルブ)を光源とし、照度400mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で紫外線を照射した後、ダイシングテープの回路チップ配列面(回路チップ間隔80μm)を、前記回路基板シートの樹脂層に貼合して、樹脂層の4つの凸部を回路チップに当接させた。
その後、回路基板シートからダイシングテープを剥離し、回路基板シートの樹脂層の4つの凸部に回路チップを各々一つずつ転写させた。
(回路チップの埋め込み、および回路基板シートの硬化)
ソーダライムガラス基板上の回路チップが配置された回路基板シート上方に、剥離シート(リンテック社製、商品名「SP−PET3801)を介して、別に用意した5cm×5cmのガラス基板としてのソーダライムガラス板を押し当て、平面プレス機を用いて0.3MPaの圧力で5分間プレスした。常圧に戻した後、平面プレス機から取り出して、上方の剥離シート、ソーダライムガラス板およびソーダライムガラス基板を付けたままの回路基板シートに照度400mW/cm2、光量315mJ/cm2の条件で無電極ランプ(フュージョン社製、Hバルブ)を光源とする紫外線を下方のソーダライムガラス基板側から照射して樹脂層を硬化させた。
その後、回路基板シート上方のソーダライムガラス板と剥離シートを取り除くと、下方のソーダライムガラス板に4個の回路チップが所望の配置で埋め込まれている回路基板シートが硬化した回路基板を得た。
(実施例2)
実施例1において、回路基板シートの凸部の先端面のサイズを、縦700μm×横700μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法で、回路チップの転写、回路チップの回路基板シートへの埋め込み、および回路基板シートの硬化を行い、回路基板を得た。
(実施例3)
実施例1において、回路基板シートの凸部の先端面のサイズを、縦310μm×横310μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法で、回路チップの転写、回路チップの回路基板シートへの埋め込み、および回路基板シートの硬化を行い、回路基板を得た。
(参考例1)
実施例1において、回路基板シートの凸部の先端面のサイズを、縦1000μm×横1000μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法で、回路チップの転写、回路チップの回路基板シートへの埋め込み、および回路基板シートの硬化を行い、回路基板を得た。
(参考例2)
実施例1において、回路基板シートの凸部の先端面のサイズを、縦220μm×横220μmに変更した以外は、実施例1と同様な方法で、回路チップの転写、回路チップの回路基板シートへの埋め込み、および回路基板シートの硬化を行い、回路基板を得た。
(評価)
前記各実施例および参考例における回路チップの転写の信頼性評価は、最終的に回路チップが回路基板シートに配置されている否かを目視で確認することにより行った。転写試験は10回実施し(n=10)、1回の試験につき4つの回路チップ全てを配置できた場合のみ選択的に配置できたと見なした。そして、所望数の4箇所以外に回路チップが余分に転写された(5つ以上の回路チップが配置された)場合、又は、所望数の4箇所の回路チップが転写されず(配置された回路チップが3つ以下)の場合、選択的な配置ができなかったものとした。
その結果を、下記表1に示した。
Figure 2008176070
実施例では、全試行において、所定の回路チップ(各4つ)が完全に転写できた。これに対して、参考例1では、回路チップの縦横寸法より大幅に広い縦横寸法に凸部の先端面サイズを設定したため、8試行において、一つの凸部に対して二つ以上の回路チップが付着した。参考例2では、回路チップの縦横寸法より大幅に狭い縦横寸法に凸部の先端面サイズを設定したため、全試行において、回路チップが付着しない凸部があった。
表1が示す結果から明らかなように、本発明の回路基板シートを用いれば、回路チップ保持部材から回路チップを転写して、配置させることができる。また、その際に樹脂層の表面に形成する凸部の先端面を適正なサイズに設定することにより、所望数の回路チップを正確に回路チップ保持部材から回路基板シートの表面に転写させることができる。
以上説明したように、本発明にかかる回路基板シートによれば、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを回路基板シートの表面に転写により配置させることができる。また、本発明の回路基板シートは、別途に形成する回路チップにニッケル被膜形成などの特別な処理を施さず、使用材料の粘着力を利用して転写する技術を用いている。従って、本発明の回路基板シートを用いることにより、ニッケル被膜除去に必要となるエッチング液などの処理薬剤が不要となり、安全、かつ高収率に大型ディスプレイ用回路基板を作製することが可能となる。
本発明の回路基板シートを製造するために用いる凹部を有する剥離シートの側面断面図である。 本発明の回路基板シートを製造するために用いる第1のシートの側面断面図である。 本発明の回路基板シートを製造するために用いる第2のシートの側面断面図である。 本発明の回路基板シートの側面断面図である。 回路チップが配列された回路チップ保持部材(ダイシングテープ)の平面図である。 図5の要部拡大図である。 凸部を有する樹脂層を露出させた本発明の回路基板シートの側面断面図である。 回路基板シートと回路チップ保持部材を貼り合わせた状態の側面断面図である。 回路基板シートから回路チップ保持部材を剥離して回路チップを回路基板シートに配置した状態を示す側面断面図である。 回路基板シート表面に配置された回路チップを平面プレス機により回路基板シート内に埋め込んだ状態を示す側面断面図である。 回路チップを埋め込んだ回路基板シートに活性エネルギー線を照射して硬化させている状態を示す側面断面図である。 回路チップの埋め込みと回路基板シートの硬化とが完了した状態の回路基板の側面断面図である。
符号の説明
1 剥離基材
2 凹部
6 凹部を有する剥離シート(エンボス型剥離シート)
7 重剥離型剥離シート
8 軽剥離型剥離シート
9 樹脂層
10 第1のシート
11 樹脂層
12 第2のシート
13 回路基板シートの樹脂層
13a 凸部
15 回路基板シート
20 回路チップ
21 回路チップ保持部材(ダイシングテープ)
22 リングフレーム
30 ガラス基板
40 平面プレス機
41 剥離シート
42 ガラス基板
43 回路基板

Claims (7)

  1. 回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを選択的に自身の表面に転写させる回路基板シートであって、
    表面に凸部が形成された樹脂層を有してなり、前記樹脂層の凸部が、前記所望数の回路チップを転写する箇所に形成されていることを特徴とする回路基板シート。
  2. 前記樹脂層が活性エネルギー線硬化性樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板シート。
  3. 前記樹脂層の凸部の先端面が矩形であり、縦横方向それぞれ(回路チップ幅×1/2)超で、(回路チップ幅+前記回路チップ保持部材における隣接回路チップ間隔×2+回路チップ幅の1/2)以下のサイズに設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板シート。
  4. 前記回路チップ保持部材が粘着テープであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板シート。
  5. 表面に凸部が形成された樹脂層を有してなり、該樹脂層の凸部により、回路チップを保持している回路チップ保持部材から、所望数の回路チップを選択的に自身の表面に転写させる回路基板シートの製造方法であって、
    剥離シートの剥離面に凹部を形成し、得られた剥離シートの剥離面に樹脂の塗工液を塗布することにより、前記凸部が形成された樹脂層を得ることを特徴とする回路基板シートの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板シートの樹脂層の凸部と、回路チップを保持している回路チップ保持部材の回路チップ配列面とが当接するように、前記回路基板シートと前記回路チップ保持部材とを貼合する貼合工程と、
    前記回路基板シートから前記回路チップ保持部材を剥離することにより、前記回路基板シートの樹脂層の凸部先端に回路チップを転写させる工程と、
    を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  7. 前記回路チップ保持部材が粘着テープであることを特徴とする請求項6に記載の回路基板の製造方法。
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