JP2002214588A - 電気光学装置とその製造方法 - Google Patents
電気光学装置とその製造方法Info
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Abstract
な各膜においても、ガラス基板に成膜した場合と同等の
膜特性を有するプラスチック基板の液晶装置およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の基板のうち少なくとも一方が樹脂
からなる基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置の製
造方法であって、形成用基板に分離層を形成する工程
と、分離層上に少なくとも導電膜および配向膜を有する
被剥離物を形成する工程と、分離層に照射光を照射し
て、分離層において剥離を生ぜしめ、被剥離物を形成用
基板から離脱させる工程と、被剥離物を基板に貼着する
工程と、を有する。
Description
の製造方法および電子機器に関し、特に、プラスチック
基板の適用を可能とする液晶装置に好適な技術に関する
ものである。
クス型液晶装置の概略構成を示す断面図である。この図
は透過型液晶装置の液晶セル1000を示しており、ガ
ラス基板等からなる一対の基板1001,1002間に
STN(Super Twisted Nematic )液晶等からなる液晶
層1003が挟持されている。第1基板1002の表示
領域には赤(R)、緑(G)、青(B)などのカラー画
素1010aと遮光層(ブラックマトリックス)101
0bとからなるカラーフィルタ層1010が形成され、
その上に複数の電極1006がストライプ状に形成さ
れ、さらにその上に配向層1008が形成されている。
同様に、第2基板1001の表示領域には第1基板10
02の電極1006と直交する方向に延在する複数の電
極1005がストライプ状に形成され、その上に配向層
1007が形成されている。そして、各基板1001,
1002の外面側には図示しない偏光板が設置されてい
る。また、符号1009は基板間の間隔(セルギャップ
という)を基板面内で一定に保持するためのスペーサ、
符号1004は両基板を貼り合わせるとともに液晶を封
入するためのシール材、である。ここで、通常の液晶装
置に使用される基板としては、ガラス基板、石英基板等
の基板が従来から選択されてきた。
携帯電子機器の普及に伴い、軽量化、薄型化が容易、割
れない、曲面表示が可能、等の利点を有するプラスチッ
クフィルム基板を用いた液晶装置への要求が高まってい
る。このため、例えばポリカーボネート系、ポリアクリ
レート系、ポリエーテルサルフォン系、ポリオレフィン
系等の透明な高分子からなる厚さ0.4×10-3m
(0.4mm)以下程度のプラスチックフィルムを基板
の基材として適応したいという要求が生じていた。しか
し、未だにこのような透明樹脂製の基板をカラー液晶セ
ルに適応することは実現されていない。
従来の液晶セルにおけるカラーフィルタ層の製造工程の
説明図である。このカラーフィルタ1010の製造工程
においては、先ず、図に(a)で示すように、第1基板
1002に赤(R)の色素層1010rをフォトリソグ
ラフィによりパターニングして形成する。このときの処
理としては、熱処理をおこなうことが必須であり、その
温度条件は220℃程度に設定されていた。
に、緑(G)の色素層1010gを形成する際に、この
緑(G)の色素層1010gとなる層1010g’を基
板1002全面に成膜し、その後フォトリソグラフィ法
によりパターニングしていた。このとき、220℃程度
の条件で熱処理をおこなうことが必要である。この後、
同様にして青(B)の色素層と遮光層(ブラックマトリ
ックス)1010bとを形成してカラーフィルタ層10
10を形成する。
(以下、ITOと記載する。)などの透明な導電材料か
らなるが、このITOからなる電極を形成する際にも、
蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor De
position)法などにより、第1基板1002上の全面に
ITOなどの電極材料からなる導電膜を形成した後、導
電膜上の全面に所定のフォトレジストを塗布し、フォト
レジストの露光、現像をおこない、フォトレジストを所
定のパターンに形成する。次に、導電膜を所定のパター
ンにエッチングすることにより、所定のパターンの電極
1006を形成していた。導電膜形成時には200℃程
度の基板加熱処理が必要であった。さらに、配向層10
08は、ポリイミド等からなり、これもその製造工程に
おいて300℃程度の熱処理をおこなうことが必要であ
る。
脂製の基材においては、そのガラス転移温度TG が15
0℃〜200℃程度であるため、実質的な耐熱温度が1
25℃〜160℃程度となり、これ以上の熱処理をおこ
なった場合、基材が変形するなどの弊害が生じてしま
う。このため、樹脂製の基材を適用した場合、120℃
〜150℃程度以上の熱処理条件に耐えることができな
いという問題があった。また、このような基材の問題を
改善しようとして各層の成膜時における熱処理温度を下
げた場合には、以下のような問題が生じていた。
の際における熱処理温度を120℃程度の透明樹脂基材
の耐熱温度以下に設定した場合には、その温度における
熱処理によって色素層1010aがそれぞれ充分に安定
化されない。このため、例えば、図32(c)に示すよ
うに、安定化していない赤(R)の色素層1010r上
に緑(G)のカラーレジスト1010g”が残ってしま
うため、所望の分光特性を有するカラーフィルターが形
成できない。
熱温度を120℃程度の透明樹脂基材の耐熱温度以下に
設定した場合には、形成されたITOの抵抗値が上昇し
てしまい、例えばシート抵抗で30〜40Ω/□程度の
値しか得ることができない。このように、ガラス基板に
通常の熱処理温度でITOを形成した場合のシート抵抗
7〜15Ω/□に対して、低温で処理をおこなったIT
Oの抵抗値は大きくなるためこのITO部分における電
圧降下が大きくなり、液晶表示装置としては低い駆動電
圧では駆動できないため、高精細化の求められている液
晶装置には適用できなかった。
熱処理温度を、透明樹脂基材の耐熱温度である120℃
程度以下の値に設定した場合にも、配向性等の必要な膜
特性が充分得られなかった。
されたものであって、例えば一般的なプラスチック基板
等を用いることができ、かつ、プラスチック基板のTG
以上の熱処理が必要な各膜においても、ガラス基板に成
膜した場合と同等の膜特性を有する液晶装置およびその
製造方法を提供することを目的とする。
製造方法においては、一対の基板のうち少なくとも一方
が樹脂からなる基板間に電気光学物質層が挟持されてな
る電気光学装置の製造方法であって、形成用基板に分離
層を形成する工程と、前記分離層上に少なくとも導電膜
および配向膜を有する被剥離物を形成する工程と、前記
分離層に照射光を照射して、前記分離層において剥離を
生ぜしめ、前記被剥離物を前記形成用基板から離脱させ
る工程と、該被剥離物を前記基板に貼着する工程と、を
有することにより上記課題を解決した。本発明はまた、
前記形成用基板が透光性とされ、前記分離層に前記形成
用基板を透過して照射光を照射して、前記分離層と被剥
離物との界面において剥離を生ぜしめることが可能であ
る。また、本発明では、前記分離層の剥離が、分離層を
構成する物質の原子間または分子間の結合力が消失また
は減少することにより生じることができる。また、本発
明の前記照射光は、レーザ光であることが好ましく、前
記レーザ光の波長が、100〜350nmであることがで
きる。本発明の前記分離層は、非晶質シリコンで構成さ
れていることが好ましい。本発明の前記基板が粘着シー
トにより貼着されることができる。本発明においては、
前記導電膜がインジウム錫酸化物からなり、そのシート
抵抗が30Ω/□未満に設定されることが好ましく、よ
り好ましくは、前記シート抵抗が15Ω/□以下に設定
されることができる。さらに、本発明の前記被剥離物に
はカラーフィルタ層が形成される手段を採用することが
できる。本発明の前記被剥離物には、反射膜が形成され
ることができる。前記被剥離物の前記基板を貼着する側
には、パッシベーション膜が積層されることが可能であ
る。本発明においては、前記被剥離物が前記形成用基板
上に少なくとも前記導電膜、前記配向膜、の順に積層さ
れる手段か、または、前記被剥離物が前記形成用基板上
に少なくとも前記配向膜、前記導電膜、の順に積層され
る手段を選択することが可能である。本発明において
は、前記被剥離物上に前記基板が貼着された状態で、前
記照射光を照射することができる。本発明の電気光学装
置用基板の製造方法においては、形成用基板に分離層を
形成する工程と、前記分離層上に少なくとも導電膜およ
び配向膜を有する被剥離物を形成する工程と、前記分離
層に照射光を照射して、前記分離層において剥離を生ぜ
しめ、前記被剥離物を前記形成用基板から離脱させる工
程と、該被剥離物を前記基板に貼着する工程と、を有す
ることにより上記課題を解決した。本発明の電気光学装
置用においては、一対の基板のうち少なくとも一方が樹
脂からなる基板間に電気光学物質層が挟持されてなる電
気光学装置であって、前記基板上に少なくとも導電膜お
よび配向膜が形成されてなり、前記導電膜がインジウム
錫酸化物からなり、そのシート抵抗が30Ω/□未満に
設定されることにより上記課題を解決した。本発明にお
いて、より好ましくは、前記シート抵抗が15Ω/□以
下に設定されることができる。本発明の前記基板上には
反射膜が形成されることができる。前記基板と、少なく
とも前記導電膜および前記配向膜を有する被剥離物とが
粘着シートにより貼着されることが可能である。本発明
の前記基板と前記導電膜との間にはパッシベーション膜
が積層されることができる。また、本発明の電子機器に
おいては、上記の各電気光学装置を備えることが可能で
ある。
方法においては、ガラス基板、石英基板等の形成用基板
に分離層を形成する工程と、前記分離層上に少なくとも
導電膜および配向膜を有する被剥離物を形成する工程
と、前記分離層に照射光を照射して、前記分離層におい
て剥離を生ぜしめ、前記被剥離物を前記形成用基板から
離脱させる工程と、該被剥離物を、ポリカーボネート
系、ポリアクリレート系、ポリエーテルサルフォン系、
ポリオレフィン系等の透明な高分子からなる厚さ0.4
×10-3m(0.4mm)以下程度のプラスチックフィ
ルムを基材とし、その両面に、ガスを透過しないガスバ
リア層と保護層とが積層形成されてなるプラスチック基
板(樹脂製基板)に貼着する工程と、を有することによ
り、プラスチックフィルム基板に直接導電膜および配向
膜等を形成する場合に対比して、被剥離物形成工程にお
ける熱処理の温度条件を、プラスチックフィルムのTG
によって規定される耐熱温度以下に設定する必要がなく
なるため、所望の膜特性を有する導電膜および配向膜を
有し、かつ、軽量化、薄型化が容易、割れない、曲面表
示が可能、等の利点を有するプラスチックフィルム基板
を用いた液晶装置を製造することができる。
るガラス基板、石英基板等を適用することにより、プラ
スチックフィルムのTG によって規定される耐熱温度よ
り高い温度によって熱処理をおこなうことが可能となる
とともに、ガラス等の形成用基板においては被剥離物の
形成と剥離とを繰り返しておこなうことが可能となり、
このため、石英ガラス基板を形成時に必要とするような
高温の熱処理が必要な場合にも、そのコストを低減する
ことができる。
され、前記分離層に対して形成用基板側から、つまり、
形成用基板を透過するように照射光を照射して、前記分
離層と被剥離物との界面において剥離を生ぜしめること
が可能であり、被剥離物にアルミニウム、銀などの光を
反射する不透明な導電材料のような透過率の低い層が形
成された場合であっても、剥離を効率よくおこなうこと
ができる。
分離層を構成する物質の原子間または分子間の結合力が
消失または減少することにより生じることにより、剥離
前の状態における被剥離物と分離層との界面から被剥離
層を剥離することができ、これにより、被剥離物に分離
層が付着することが防止できる。
あることができ、前記レーザ光の波長が、100〜35
0nmであることが好ましく、より好ましくは、波長24
8nmのKrFエキシマレーザーとすることが可能であ
る。これにより、照射した分離層を構成する物質の原子
間または分子間中の結合力を効率よく消失または減少す
ることができる。
リコンで構成されていることが好ましく、これにより、
レーザー照射によって非晶質シリコンが結晶化して多晶
質シリコンとなって体積変化を生じるとともに、被剥離
物の剥離が可能となる。
被剥離物か、あるいは、形成用基板から剥離された後の
被剥離物に、プラスチックフィルム基板を粘着シートに
より貼着することができる。ここで、粘着シートとは、
特定のシートに限るものではなく、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲の物ならば、一般的に薄膜デバイスをプラス
チック基板に貼着可能なものを適応することが可能であ
る。
ム錫酸化物からなり、そのシート抵抗が30Ω/□未満
に設定されることが好ましく、より好ましくは、前記シ
ート抵抗が15Ω/□以下に設定されることができ、こ
れは、プラスチックフィルムの耐熱温度を大幅に超えた
200℃程度の熱処理により得ることができる特性であ
り、このような低抵抗値により電圧降下の影響を低減す
ることができ、これにより、低駆動電圧の高精細な液晶
装置を得ることができる。さらに、本発明の前記被剥離
物にはカラーフィルタ層が形成され、プラスチック基板
の耐熱温度を超えた220℃程度の熱処理により、カラ
ーレジスト中の溶剤を充分ベークして必要な安定度を得
ることが可能となる。
されることで反射型液晶装置あるいは、半透過型液晶装
置とすることが可能である。
は、SiO2 からなるパッシベーション膜が積層され
ることにより、導電膜やTFT(Thin Film Transisto
r)の部分に、直接プラスチック基板を貼着するための
粘着シートを接着することを防止できるとともに、液晶
セルに対するガス透過および不純物の拡散をさらに低減
することが可能となる。
成用基板上に少なくとも前記導電膜、前記配向膜、の順
に積層される手段により、形成用基板を剥離した側にプ
ラスチック基板を貼着することで、表示用基板および駆
動用基板のいずれにも、かつ、アクティブ・マトリク
ス、パッシブ・マトリクスのいずれのタイプの液晶装置
でも、また、透過型、反射型、半透過反射型、または投
影型などにも適用することが可能である。
少なくとも前記配向膜、前記導電膜、の順に積層され
る、つまり、通常の液晶装置の基板と逆順に積層する手
段により、形成用基板から剥離する前の被剥離物にプラ
スチック基板を貼着した状態で前記照射光を照射するこ
とにより、パッシブ・マトリックスタイプの液晶装置の
表示用基板および駆動用基板、そして、アクティブ・マ
トリクスタイプの液晶装置の表示用基板に適応すること
が可能である。
スチック基板と通常のガラス基板とを組み合わせて張り
合わせることにより電気光学装置(液晶装置)を製造す
ることもできる。この場合、例えば、TFTなどのアク
ティブタイプの駆動用基板をガラス基板に成膜して製造
し、表示用基板を逆順で成膜してプラスチック基板を貼
着し、これらを張り合わせて液晶装置とすることもでき
る。
係る電気光学装置とその製造方法の第1実施形態を、図
面に基づいて説明する。本実施形態および以下の各実施
形態では電気光学装置の例として、液晶装置を取り上げ
て説明する。
法を示すフローチャートであり、図1〜図6は第1実施
形態の液晶装置の製造方法の工程を示す模式断面図であ
り、図において、符号g1は形成用基板、g2は分離
層、g4は被剥離物、g7は照射光である。なお、本明
細書中に[S1]等で示す符号は、図30のフローチャ
ートにおける各工程に対応している。
うに、形成用基板g1の片面(分離層形成面g11)
に、分離層(光吸収層)g2を形成する。形成用基板g
1は、後述する形成用基板g1の照射光入射面g12側
から照射光g7を照射する場合、その照射光g7が透過
し得る透光性を有するものであるのが好ましい。この場
合、照射光7の透過率は、10%以上であるのが好まし
く、50%以上であるのがより好ましい。この透過率が
低過ぎると、照射光g7の減衰(ロス)が大きくなり、
分離層g2を剥離するのにより大きな光量を必要とす
る。
料で構成されているのが好ましく、特に、耐熱性に優れ
た材料で構成されているのが好ましい。その理由は、例
えば後述する被剥離物g4やパッシベーション膜(中間
層)g3を形成する際に、その種類や形成方法によって
はプロセス温度が高くなる(例えば350〜1000℃
程度)ことがあるが、その場合でも、形成用基板g1が
耐熱性に優れていれば、形成用基板g1上への被剥離物
g4等の形成に際し、その温度条件等の成膜条件をプラ
スチックシートの耐熱温度によって規定される温度条件
より高くでき、設定の幅が広がるからである。
の形成の際の最高温度をTmax としたとき、歪点がTma
x 以上の材料で構成されているものが好ましく、具体的
には、形成用基板g1の構成材料は、歪点が350℃以
上のものが好ましい。さらに、500℃以上のものがよ
り好ましい。このようなものとしては、例えば、石英ガ
ラス、ソーダガラス、コーニング7059(商品名)、
日本電気ガラスOA−2(商品名)等の耐熱性ガラスが
挙げられ、これ以外にも、後述するように、200℃〜
300℃程度とされる分離層g2、中間層g3および被
剥離物g4の形成の際のプロセス温度であれば、形成用
基板g1として、前記の融点より低い安価なガラス材を
用いることができる。
されないが、通常は、0.1〜5.0mm程度であるのが
好ましく、0.5〜1.5mm程度であるのがより好まし
い。形成用基板g1の厚さが薄過ぎると強度の低下を招
き、厚過ぎると、形成用基板g1の透過率が低い場合
に、照射光g7の減衰を生じ易くなる。なお、形成用基
板g1の照射光g7の透過率が高い場合には、その厚さ
は、前記値を超えるものであってもよい。なお、照射光
g7を均一に照射できるように、形成用基板g1の分離
層形成部分の厚さは、均一であるのが好ましい。また、
形成用基板g1をエッチング等により除去するのではな
く、形成用基板g1と被剥離物g4との間にある分離層
g2から剥離して形成用基板g1を離脱させるため、作
業が容易であるとともに、例えば比較的厚さの厚い基板
を用いる等、形成用基板g1に関する選択の幅も広い。
1や、照射光入射面g12は、図示のごとき平面に限ら
ず、曲面であってもよい。この場合、後述するプラスチ
ック基板が曲面の場合にも対応することができる。
層g2は、後述するように、照射光g7を吸収してこの
分離層g2と中間層g3または被剥離物g4との界面g
2bにおいて剥離(以下、「界面剥離」と言う)を生じ
るような性質を有するものであり、好ましくは、照射光
g7の照射により、分離層g2を構成する物質の原子間
または分子間の結合力が消失または減少することにより
界面剥離に至るものである。
g2から気体が放出され、分離効果が発現される場合も
ある。すなわち、分離層g2に含有されていた成分が気
体となって放出される場合と、分離層g2が光を吸収し
て一瞬気体になり、その蒸気が放出され、分離に寄与す
る場合とがある。
えば非晶質シリコン(a−Si)が挙げられる。この非
晶質シリコン(アモルファスシリコン)中には、H(水
素)が含有されていてもよい。この場合、Hの含有量
は、2at%以上程度であるのが好ましく、2〜20at%
程度であるのがより好ましい。この場合のように、Hが
所定量含有されていると、照射光g7の照射により、水
素が放出され、分離層g2に内圧が発生し、それが被剥
離物g4と形成用基板g1とを剥離する力となる。この
非晶質シリコン中のHの含有量は、成膜条件、例えばC
VDにおけるガス組成、ガス圧、ガス雰囲気、ガス流
量、温度、基板温度、投入パワー等の条件を適宜設定す
ることにより調整することができる。
離層g2の組成、形成方法等の諸条件により異なるが、
通常は、1nm〜20μm 程度であるのが好ましく、10
nm〜2μm 程度であるのがより好ましく、40nm〜1μ
m 程度であるのがさらに好ましい。分離層g2の膜厚が
小さすぎると、成膜の均一性が損なわれ、剥離にムラが
生じることがあり、また、膜厚が厚すぎると、分離層g
2の良好な剥離性を確保するために、照射光g7のパワ
ー(光量)を大きくする必要があるとともに、分離層g
2が被剥離物g4側に残留してこれを除去する作業の必
要が生じる可能性があり好ましくない。なお、分離層g
2の膜厚は、できるだけ均一であるのが好ましい。
ず、膜組成や膜厚等の諸条件に応じて適宜選択される。
例えば、CVD(MOCVD、低圧CVD、ECR−C
VDを含む)、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、PVD等の各種気相成膜
法等が挙げられ、これらのうちの2以上を組み合わせて
形成することもでき、特に低圧CVDやプラズマCVD
により成膜するのが好ましい。
に示すように、分離層g2の上に被剥離物g4を形成す
る。被剥離物g4は、後述するように、転写体(基板)
6へ転写される層であって、後述するように液晶装置の
それぞれの基板に形成される機能性薄膜または薄膜デバ
イスとされ、ITOからなる導電膜、配向膜、カラーフ
ィルター層、駆動用回路等の複数の層を含むものとされ
る。このとき、被剥離物g4の分離層g2側の面g4a
から上側の面g4bに向けて、少なくても配向膜、導電
膜の順に積層される。つまり、この被剥離物g4の面g
4aに配向膜が形成されている。このような機能性薄膜
または薄膜デバイスは、後述するように、各膜の形成に
必要な熱処理温度との関係で、通常、200℃〜300
℃程度以上という比較的高いプロセス温度を経て形成さ
れる。従って、この場合、前述したように、形成用基板
g1としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高
いものが必要となる。このような被剥離物g4は、後述
するように、通常、複数の工程を経て形成される。
6貼着工程]図3に示すように、被剥離物g4上に接着
層(粘着シート)g5を形成し、該接着層g5を介して
転写体g6を接着(接合)する。接着層g5を構成する
接着剤の好適な例としては、反応硬化型接着剤、熱硬化
型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌
気硬化型接着剤等の各種硬化型接着剤が挙げられる。接
着剤の組成としては、例えば、エポキシ系、アクリレー
ト系、シリコーン系等、いかなるものでもよい。このよ
うな接着層g5の形成は、例えば、塗布法によりなされ
る。
剥離物g4上に硬化型接着剤を塗布し、その上に後述す
る転写体g6を接合した後、硬化型接着剤の特性に応じ
た硬化方法により前記硬化型接着剤を硬化させて、被剥
離物g4と転写体g6とを接着、固定する。
転写体g6を未硬化の接着層g5上に配置した後、転写
体g6上から硬化用の光を照射して接着剤を硬化させる
ことが好ましい。また、形成用基板g1が透光性を有す
るものであれば、形成用基板g1と転写体g6の両側か
ら硬化用の光を照射して接着剤を硬化させれば、硬化が
確実となり好ましい。 [S2中間層g3形成工程]なお、図示と異なり、転写
体g6側に接着層g5を形成し、その上に被剥離物g4
を接着してもよい。また、被剥離物g4と接着層g5と
の間に、前述したような中間層を設けてもよい。
基板よりも耐熱温度の低い、ガラス転移温度TG が15
0℃程度であり実際の耐熱温度が125℃程度であるポ
リカーボネート系、ガラス転移温度TG が170℃程度
であり実際の耐熱温度が150℃程度であるポリアクリ
レート系、ガラス転移温度TG が200℃程度であり実
際の耐熱温度が160℃程度であるポリエーテルサルフ
ォン系、ガラス転移温度TG が140℃程度であり実際
の耐熱温度が120℃程度であるポリオレフィン系等の
透明な高分子からなる厚さ0.4×10-3m(0.4m
m)以下程度のプラスチックフィルムを基材とし、その
両面に、ガスを透過しないガスバリア層と保護層とが積
層形成されてなるプラスチック基板(透明樹脂製基板)
が挙げられる。なお、このような基板は、平板であって
も、湾曲板であってもよい。
脂基板を適応できる理由として、本発明では、形成用基
板g1側に被剥離物g4を形成し、その後、該被剥離物
g4を転写体g6に転写するため、転写体g6に要求さ
れる特性、特に耐熱性は、被剥離物g4の形成の際の温
度条件等に依存しないからである。従って、被剥離物g
4の形成の際の最高温度をTmax としたとき、転写体g
6の構成材料として、ガラス転移点(TG )または軟化
点がTmax 以下のものを用いることができる。つまり、
上記のように、転写体g6は、ガラス転移点(TG )ま
たは軟化点が200℃程度以下の材料で構成することが
できる。その結果、転写体g6の機械的特性としては、
プラスチックの特性としてのある程度の剛性(強度)を
有するとともに、可撓性、弾性を有するものとすること
ができる。
g4剥離工程]図4に示すように、形成用基板g1の裏
面側(照射光入射面g12側)から照射光g7を照射す
る。この照射光g7は、形成用基板g1を透過した後、
界面g2a側から分離層g2に照射される。これによ
り、図5に示すように、分離層g2に界面剥離が生じ、
結合力が減少または消滅するので、形成用基板g1と転
写体g6とを離間させると、被剥離物g4が形成用基板
g1から離脱して、転写体g6へ転写される。
での界面剥離が生じた場合を示す。分離層g2の界面剥
離が生じる原理は、分離層g2の構成材料に剥離が生じ
ること、また、分離層g2内に内蔵しているガスの放
出、さらには照射直後に生じる溶融、蒸散等の相変化に
よるものであることが推定される。この剥離とは、照射
光を吸収した固体材料(分離層g2の構成材料)が光化
学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子また
は分子の結合が切断されて放出することを言い、主に、
分離層g2の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散
(気化)等の相変化を生じる現象として現れる。また、
前記相変化によって微小な発泡状態となり、結合力が低
下することもある。
着しない状態でこの分離層g2の内部で剥離が起きる場
合もあり、分離層g2が層内剥離を生じるか、界面剥離
を生じるか、またはその両方であるかは、分離層g2の
組成や、その他種々の要因に左右され、その要因の1つ
として、照射光g7の種類、波長、強度、到達深さ等の
条件が挙げれる。
離および/または界面剥離を起こさせるものであればよ
く、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、
レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α
線、β線、γ線)等が挙げられるが、そのなかでも、分
離層g2の剥離(アブレーション)を生じさせ易いとい
う点で、レーザ光が好ましい。このレーザ光を発生させ
るレーザ装置の中でもエキシマレーザが特に好ましい。
エキシマレーザは、短波長域で高エネルギーを出力する
ため、極めて短時間で分離層g2に剥離を生じさせるこ
とができ、よって、隣接するまたは近傍の被剥離物g
4、形成用基板g1等に温度上昇をほとんど生じさせる
ことなく、すなわち劣化、損傷を生じさせることなく分
離層g2を剥離することができる。
させるに際しての照射光に波長依存性がある場合、照射
されるレーザ光の波長は、100〜350nm程度である
のが好ましく、例えば、248nm程度のKr−Fレーザ
が用いられる。また、照射されるレーザ光のエネルギー
密度、特に、エキシマレーザの場合のエネルギー密度
は、10〜5000mJ/cm2 程度とするのが好まし
く、100〜500mJ/cm2 程度とするのがより好
ましい。また、照射時間は、1〜1000nsec程度とす
るのが好ましく、10〜100nsec程度とするのがより
好ましい。エネルギー密度が低いかまたは照射時間が短
いと、十分な剥離等が生じず、また、エネルギー密度が
高いかまたは照射時間が長いと、分離層g2を透過した
照射光により被剥離物g4へ悪影響を及ぼすことがあ
る。このようなKr−Fエキシマレーザ光に代表される
照射光g7は、その強度が均一となるように照射される
のが好ましい。
し垂直な方向に限らず、分離層g2に対し所定角度傾斜
した方向であってもよい。また、分離層g2の面積が照
射光の1回の照射面積より大きい場合には、分離層g2
の全領域に対し、複数回に分けて照射光を照射すること
もできる。また、同一箇所に2回以上照射してもよい。
また、異なる種類、異なる波長(波長域)の照射光(レ
ーザ光)を同一領域または異なる領域に2回以上照射す
ることもできる。
1に付着している分離層2を、例えば洗浄、エッチン
グ、アッシング、研磨等の方法またはこれらを組み合わ
せた方法により除去する。なお、形成用基板g1が石英
ガラスのような高価な材料、希少な材料で構成されてい
る場合等には、形成用基板g1は、再利用(リサイク
ル)することができる。
の転写体g6への転写が完了する。その後、被剥離層g
4への表面処理、および被剥離物g4と転写体(基板)
6に対して所定の処理をおこなう。これにより、図6に
示すように、プラスチック基板g6側から順に少なくと
もITO等の導電膜、配向膜の順で積層された液晶パネ
ルの一方の基板とすることができる。ここで、被剥離物
g4の表面g4aには、配向膜が位置している。この液
晶基板上にスペーサーを散布した後、この基板と他の基
板とをシール材を介して貼着し、これらの基板間に液晶
を注入し液晶層を形成する。その後、基板の外側に偏光
板、位相差板などの光学素子を取り付けることにより液
晶装置が製造される。
ーフィルタ層、配向膜等の形成された被剥離物g4自体
を直接プラスチック基板上に形成するのではなく、ガラ
ス等の耐熱温度の高い形成用基板g1上に分離層g2を
介して形成し、この分離層g2から被剥離物g4を剥離
するため、被剥離物g4の各層における形成の処理温度
条件を、プラスチックフィルムの耐熱温度にかかわら
ず、各膜特性を維持するために必要な温度条件とするこ
とができるため、従来プラスチック基板の液晶装置では
得ることができなかった高い信頼性を維持することがで
きる。
形成用基板g1上に少なくとも配向膜、導電膜の順に積
層される、つまり、通常の液晶パネルの基板と逆順に積
層して形成されることにより、パッシブ・マトリックス
タイプの液晶装置の表示用基板および駆動用基板、そし
て、アクティブ・マトリクスタイプの液晶装置の表示用
基板に、また、透過型、反射型、半透過反射型、または
投影型などにも適応することが可能である。
着層(粘着シート)g5との間、つまり被剥離物g4の
面g4bに、液晶装置として製造された際における液晶
に対するガスを透過しないためのガスバリア層、として
第2実施形態で後述する中間層(パッシベーション膜)
g3と同様の層を形成することが可能である。
から分離層g2に照射光g7を照射したが、被剥離物g
4が照射光g7の照射により悪影響を受けない場合に
は、照射光g7の照射方向は前記に限定されず、形成用
基板g1と反対側から照射光を照射してもよい。
に、すなわち所定のパターンで照射光を照射して、被剥
離物g4を前記パターンで剥離または転写するような構
成であってもよい(第1の方法)。これは、一枚のパネ
ルから複数の液晶基板を製造するいわゆる多数取りの場
合に適応することが可能であり、この場合は、前記[S
6]の工程に際し、形成用基板g1の照射光入射面g1
2に対し、前記パターンに対応するマスキングを施して
照射光g7を照射するか、あるいは、照射光g7の照射
位置を精密に制御する等の方法によりおこなうことがで
きる。
層形成面g11全面に形成するのではなく、分離層g2
を所定のパターンで形成することもできる(第2の方
法)。この場合、マスキング等により分離層g2を予め
所定のパターンに形成するか、あるいは、分離層g2を
分離層形成面g11の全面に形成した後、エッチング等
によりパターニングまたはトリミングする方法が可能で
ある。
によれば、被剥離物g4の転写を、そのパターニングや
トリミングとともにおこなうことができる。また、前述
した方法と同様の方法により、転写を2回以上繰り返し
行ってもよい。
領域が900mm×1600mm)を転写体g6とし、小型
のガラス基板(形成用基板)g1(例えば、有効領域が
45mm×40mm)に形成した小単位の被剥離物g4(薄
膜トランジスタ)を複数回(例えば、約800回)隣接
位置に順次転写して、大型の透明樹脂基板の有効領域全
体に被剥離物g4を形成し、最終的に前記大型の透明樹
脂基板と同サイズの液晶ディスプレイを製造することも
できる。
工学装置(液晶装置)とその製造方法の第2実施形態
を、図面に基づいて説明する。本実施形態においては、
前述した図30,図1に示す[S1]の工程までは第1
実施形態と同様に、分離層g2を形成する。図7〜図1
2は本実施形態の液晶装置の製造方法の工程を示す模式
断面図であり、これらの図において、第1実施形態と略
同等の構成要素に関しては同一の符号を付してその説明
を省略する。
うに、分離層g2の上に中間層(パッシベーション膜)
g3を形成する。この中間層g3は、例えば、製造時ま
たは使用時において後述する被剥離物g4を物理的また
は化学的に保護する保護層として形成されるとともに、
絶縁層、照射光g7の遮光層、被剥離物g4へのまたは
被剥離物g4からの成分の移行(マイグレーション)を
阻止するバリア層、そして、液晶装置として製造された
際における液晶に対するガスを透過しないためのガスバ
リア層、としての機能の内の少なくとも1つを発揮する
よう形成されることができる。
目的に応じて適宜設定され、例えば、非晶質シリコンに
よる分離層g2と薄膜トランジスタ等の液晶パネルとな
る被剥離物g4との間に形成される中間層3の場合に
は、SiO2 等の酸化ケイ素が挙げられる。
目的や発揮し得る機能の程度に応じて適宜決定される
が、通常は、10nm〜5μm 程度であるのが好ましく、
40nm〜1μm 程度であるのがより好ましい。また、中
間層g3の形成方法も、前記分離層g2で挙げた形成方
法と同様の方法が挙げられる。なお、このような中間層
g3は、同一または異なる組成のものを2層以上形成す
ることもできる。また、本実施形態においても、中間層
g3を形成せず、分離層g2上に直接被剥離物g4を形
成してもよい。
に示すように、中間層g3の上に被剥離物g4を形成す
る。ここで、被剥離物g4の積層構造は、ITOからな
る導電膜、配向膜、カラーフィルター層、駆動用回路等
の複数の層を含むものとされるが、その積層順序は、後
述するように、上記の第1実施形態とは異なるものとさ
れる。
うに、転写体g6へ転写される層であって、液晶装置の
それぞれの基板に形成される機能性薄膜または薄膜デバ
イスとされ、ITOからなる導電膜、配向膜、カラーフ
ィルター層、駆動用回路等の複数の層を含むものとされ
る。ここで、被剥離物g4の中間層g3側の面g4aか
ら上側の面g4bに向けて、少なくても導電膜、配向膜
の順に積層される。このような機能性薄膜または薄膜デ
バイスは、後述するように、各膜の形成に必要な熱処理
温度との関係で、通常、200℃〜300℃程度以上と
いう比較的高いプロセス温度を経て形成される。従っ
て、この場合、前述したように、形成用基板g1として
は、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高いものが必
要となる。このような被剥離物g4は、後述するよう
に、通常、複数の工程を経て形成される。
すように、被剥離物g4上に転写体g6’を接置する。
本実施形態の転写体g6’としては、片面が微粘着タイ
プの粘着シート付のプラスチック基板や、シリコーン樹
脂等の吸着パッドを用いる。
すように、形成用基板g1の裏面側(照射光入射面g1
2側)から照射光g7を照射する。この照射光g7は、
形成用基板g1を透過した後、界面g2a側から分離層
g2に照射される。これにより、図30,図5に示す第
1実施形態の[S7被剥離物g4剥離工程]と同様に、
分離層g2に界面剥離が生じ、結合力が減少または消滅
するので、形成用基板g1と転写体g6’とを離間させ
ると、被剥離物g4が形成用基板g1から離脱して、転
写体g6’へ転写される。このとき、照射光g7として
も同様に、分離層g2に剥離を生じさせる波長248nm
程度のKr−Fエキシマレーザが用いられる。
貼着工程]次いで、図11に示すように、中間層g3の
面g3a側に接着層(粘着シート)g8を形成し、該接
着層g8を介して基板g9を接着(接合)する。接着層
g8を構成する接着剤の好適な例としては、第1実施形
態の接着層g5に準じ、その説明は省略する。このよう
な接着層g8の形成は、例えば、塗布法によりなされ
る。
耐熱温度の低い、ガラス転移温度TG が150℃程度で
あり実際の耐熱温度が125℃程度であるポリカーボネ
ート系、ガラス転移温度TG が170℃程度であり実際
の耐熱温度が150℃程度であるポリアクリレート系、
ガラス転移温度TG が200℃程度であり実際の耐熱温
度が160℃程度であるポリエーテルサルフォン系、ガ
ラス転移温度TG が140℃程度であり実際の耐熱温度
が120℃程度であるポリオレフィン系等の透明な高分
子からなる厚さ0.4×10-3m(0.4mm)以下程
度のプラスチックフィルムを基材とし、その両面に、ガ
スを透過しないガスバリア層と保護層とが積層形成され
てなるプラスチック基板(透明樹脂製基板)が挙げられ
る。なお、このような基板は、平板であっても、湾曲板
であってもよい。
基板を適応できる理由として、本発明では、形成用基板
g1に被剥離物g4を形成し、その後、該被剥離物g4
を転写体g6を介して基板g9に転写するため、基板g
9に要求される特性、特に耐熱性は、被剥離物g4の形
成の際の温度条件等に依存しないからである。従って、
被剥離物g4の形成の際の最高温度をTmax としたと
き、基板g9の構成材料として、ガラス転移点(TG )
または軟化点がTmax 以下のものを用いることができ
る。つまり、上記のように、転写体g6は、ガラス転移
点(TG )または軟化点が200℃程度以下の材料で構
成することができる。その結果、基板g9の機械的特性
としては、プラスチックの特性としてのある程度の剛性
(強度)を有するとともに、可撓性、弾性を有するもの
とすることができる。
12に示すように、転写体g6’と被剥離物g4とを分
離する。
の基板g9への転写が完了する。その後、被剥離層g4
への表面処理、および被剥離物g4と基板g9に対して
所定の処理をおこなう。これにより、プラスチック基板
g9側から順に少なくともITO等の導電膜、配向膜の
順で積層された液晶パネルの一方の基板とすることがで
きる。ここで、被剥離物g4の表面g4bには、配向膜
が位置している。この液晶基板上にスペーサーを散布し
た後、この基板と他の基板とをシール材を介して貼着
し、これらの基板間に液晶を注入し液晶層を形成する。
その後、基板の外側に偏光板、位相差板などの光学素子
を取り付けることにより液晶装置が製造される。
果を奏することができるとともに、ITOからなる導電
層、カラーフィルタ層、配向膜等の形成された被剥離物
g4自体を直接プラスチック基板g9上に形成するので
はなく、ガラス等の耐熱温度の高い形成用基板g1上に
分離層g2を介して形成し、この分離層g2から被剥離
物g4を剥離するため、被剥離物4の各層における形成
の処理温度条件を、プラスチックフィルムの耐熱温度に
かかわらず、各膜特性を維持するために必要な温度条件
とすることができるため、従来プラスチック基板の液晶
装置では得ることができなかった高い信頼性を維持する
ことができる。
4自体を転写体g6’を介してプラスチック基板g9に
転写するため、被剥離物g4の形成時に、積層順序を通
常のガラス基板に成膜する際と同様のプロセスとしてお
こなうことができる。従って、TFT(Thin Film Tran
sistor)タイプの液晶パネルにも適応することが可能と
なる。
形成用基板g1上に少なくとも配向膜、導電膜の順に積
層される、表示用基板および駆動用基板のいずれにも、
かつ、アクティブ・マトリクス、パッシブ・マトリクス
のいずれのタイプの液晶装置でも、また、透過型、反射
型、半透過反射型、または投影型などにも適用すること
が可能である。
光学装置(液晶装置)とその製造方法の第3実施形態
を、図面に基づいて説明する。
装置とその製造方法とされ、主に被剥離物g4の部分に
関して説明し、それ以外の、前述した図1〜図6に示す
第1実施形態および図7〜図12に示す第2実施形態と
略同等の構成要素に関しては同一の符号を付してその説
明を省略する。
図1に示す[S1分離層g2形成工程]の工程までは第
1実施形態と同様に、形成用基板g1上に分離層g2を
形成する。図13〜図15は本実施形態の液晶装置の製
造方法の工程を示す模式断面図であり、図16は本実施
形態の液晶装置を示す断面図であり、図において、符号
g41は配向膜、g42は電極(導電膜)、g43はカ
ラーフィルタ層である。
工程]次に、図13(a)に示すように、分離層g2の
上に被剥離物g4の一層目として、1.0〜50×10
-8m(0.01 〜0.5μm)程度の膜厚のポリイミ
ドなどの配向性高分子からなる配向膜g41を形成す
る。この配向膜g41は、少なくとも表示領域となる部
分全体に形成される。この際、ポリイミドなどの焼成と
して、300℃程度の温度条件の熱処理をおこなうこと
になる。従って、この場合、前述したように、形成用基
板g1としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の
高いものが必要となる。
工程]次に、図13(b)に示すように、配向膜g41
の上に被剥離物g4の2層目として、ITOなどの透明
な導電材料、あるいはアルミニウム、銀などの光を反射
する不透明な導電材料からなる導電膜g42を形成す
る。ここで、表示領域となる部分では、ITOなどの光
を透過する透明な導電材料が選択されるが、反射型の駆
動基板の表示領域、および、引き回し配線などに適応す
る際などはこの限りではない。この際、スパッタリング
法、CVD法、蒸着法などの方法によって、200℃程
度の温度条件の熱処理をおこなうことにより、ITOの
シート抵抗を7Ω/□〜15Ω/□(膜厚150nm程
度)という15Ω/□以下の値に設定することが可能と
なる。従って、この場合、前述したように、形成用基板
g1としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高
いものが必要となる。
42)形成工程]次に、図14に示すように、導電膜g
42の上に被剥離物g4の3層目として、赤(R)、緑
(G)、青(B)などの色素層g43aと遮光層(ブラ
ックマトリックス)16mとからなるカラーフィルタ層
g43を形成する。まず、表示領域となる部分では、I
TOなどの光を透過する透明な導電材料が選択される
が、反射型の駆動基板の表示領域、および、引き回し配
線などに適応する際などはこの限りではない。この際、
スパッタリング法、CVD法、蒸着法などの方法によっ
て、200℃程度の温度条件の熱処理をおこなうことに
なる。従って、この場合、前述したように、形成用基板
g1としては、そのプロセス温度に耐え得る信頼性の高
いものが必要となる。
成工程]次に、図14(a)に示すように、導電膜g4
2の上にカラーレジストにより赤(R)の色素層g43
rを形成する。このとき、フォトリソグラフィー法によ
りパターニングをし、その際、ポストベーク等の処理と
して、220℃程度の熱処理をおこなう。
成工程]次に、導電膜g42の上に緑(G)の色素層g
43gを形成する。このとき、図14(b)に示すよう
に、カラーレジスト層g43g’を導電膜g42および
赤(R)の色素層g43rの上に一面に形成した後、図
14(c)に示すように、フォトリソグラフィー法によ
りカラーレジスト層g43g’の不要な部分を除去して
パターニングをする。この際。プレベーク、ポストベー
ク等の処理として、220℃程度の熱処理をおこなう。
ここで、赤(R)の色素層g43rが220℃程度の温
度設定で熱処理をおこなっているため、充分安定化して
おり、この赤(R)の色素層g43r上に緑(G)のカ
ラーレジスト層g43g’が残ることがない。従って、
カラーフィルタ層g43としての赤(R)の色素層g4
3rにおける色の純度を所望の状態に維持することがで
きる。
成工程]次に、同様にして、図14(d)に示すよう
に、導電膜g42の上にカラーレジストにより青(B)
の色素層g43bを形成する。このとき、フォトリソグ
ラフィー法によりパターニングをし、その際、ポストベ
ーク等の処理として、220℃程度の熱処理をおこな
う。ここで、赤(R)の色素層g43rおよび緑(G)
の色素層g43gが220℃程度の温度設定で熱処理を
おこなっているため、充分安定化しており、この赤
(R)の色素層g43rおよび緑(G)の色素層g43
g上に青(B)のカラーレジスト層が残ることがない。
従って、カラーフィルタ層g43としての赤(R)の色
素層g43rおよび緑(G)の色素層g43gにおける
色の純度を所望の状態に維持することができる。
m形成工程]次に、同様にして、図14(e)に示すよ
うに、導電膜g42の上にカラーレジストによりブラッ
クマトリックスg43mを形成する。このとき、フォト
リソグラフィー法によりパターニングをし、その際、ポ
ストベーク等の処理として、220℃程度の熱処理をお
こなう。ここで、赤(R)の色素層g43r,緑(G)
の色素層g43g,および青(B)の色素層g43bが
220℃程度の温度設定で熱処理をおこなっているた
め、充分安定化しており、この赤(R)の色素層g43
r,緑(G)の色素層g43g,および青(B)の色素
層g43b上にブラックマトリックスのカラーレジスト
層が残ることがない。従って、カラーフィルタ層g43
としての赤(R)の色素層g43r,緑(G)の色素層
g43g,および青(B)の色素層g43bにおける色
の純度を所望の状態に維持することができる。
る。ここで、このカラーレジスト層g43上に、ガスバ
リア層として前述の第2実施形態における中間層(パッ
シベーション膜)g3と同様の層を形成することも可能
である。また、反射型液晶パネル用として、このカラー
フィルタ層g43上に、Al等からなる反射膜を形成す
ることもできる。
6形成工程]図15に示すように、被剥離物g4上に接
着層(粘着シート)g5を形成し、該接着層5を介して
転写体(基板)g6を接着(接合)する。このとき、図
3に示す第1実施形態と同様に処理をおこなう。 [S6照射光g7照射工程,S7被剥離物g4剥離工
程]その後、照射光g7を照射し、分離層g2から被剥
離物g4と形成用基板g1とを分離する。次に、ポリイ
ミドなどからなる配向性高分子膜(配向膜)g41表面
g4aを布などでラビングすることにより、配向性高分
子膜の配向処理をおこなうことで、液晶パネルの基板g
6Aが製造される。
43のない被剥離物g4を形成し剥離し、表面処理する
ことで、液晶パネルの一方の基板g6Bを形成する。
について説明する。はじめに、ポリカーボネート系、ポ
リアクリレート系、ポリエーテルサルフォン系、ポリオ
レフィン系等の透明な高分子からなる平坦なプラスチッ
クフィルムを形成した後、プラスチックフィルムの少な
くとも一方の表面上にポリビニルアルコール系の樹脂層
と二酸化珪素などを塗布やスパッタリングするなどして
ガスバリア層を形成する。最後に、ガスバリア層の表面
上にフェノキシ樹脂などからなる保護層を形成し、基板
本体g6が製造される。
16に示すように、液晶装置40を製造する。基板g6
B上にスペーサー45を散布した後、基板g6Bと対向
させて基板g6Aとをシール材44を介して貼着し、基
板g6A,基板g6B間に液晶を注入し液晶層46を形
成する。その後、基板g6A,基板g6Bの外側に偏光
板、位相差板などの光学素子を取り付けることにより液
晶装置40が製造される。
様のプラスチック基板を利用してITOの抵抗値を低く
抑えた単純マトリックスの液晶装置を容易に製造できる
という効果を奏することができるとともに、導電膜g4
2の成膜の際に200℃程度の温度条件の熱処理をおこ
なうことができるため、このITOのシート抵抗を15
Ω/□以下(膜厚150nm程度)の低い値に設定する
ことが可能となる。従って、液晶表示装置としては低い
駆動電圧で駆動できるため、高精細化の求められている
液晶装置に適用することが可能となり、液晶装置として
の性能はガラス基板のものと遜色ない状態で、軽量化、
薄型化が容易、割れない、曲面表示が可能、等の利点を
有するプラスチック基板を適用することができる。
ルタ層g43の成膜の際に、220℃程度の温度条件の
熱処理をおこなうことができるため、このカラーフィル
タ層g43として、それぞれの赤(R)の色素層g43
r,緑(G)の色素層g43g,および青(B)の色素
層g43bにおける色の純度を所望の状態に維持するこ
とができる。従って、従来製造することが不可能であっ
た、カラーフィルタの色の純度をガラス基板のものと同
等の状態に維持しつつ、軽量化、薄型化が容易、割れな
い、曲面表示が可能、等の利点を有するプラスチック基
板を適用した液晶装置を製造することが可能となる。
処理温度を、300℃程度にすることが可能なため、配
向性等の必要な膜特性をガラス基板のものと同等の状態
に充分維持しつつ、軽量化、薄型化が容易、割れない、
曲面表示が可能、等の利点を有するプラスチック基板を
適用した液晶装置を製造することができる。
2実施形態のように接着層(粘着シート)g8を形成し
て2回転写することも可能であり、また、この基板g6
Bをガラス基板として、接着層(粘着シート)g5を形
成せずに転写しないことも可能である。また、本実施形
態は、透過型、反射型、半透過反射型、または投影型な
どにも適用することが可能である。
光学装置とその製造方法の第4実施形態を、図面に基づ
いて説明する。本実施形態においては電気光学装置の例
として、TFT(トランジスタ素子)をスイッチング素
子として用いたアクティブマトリクス型の液晶装置を取
り上げて説明する。本実施形態においても、図1〜図1
6に示す第1〜3実施形態と略同等の構成要素に関して
は同一の符号を付してその説明を省略する。
電気光学装置の構造について、液晶装置を取り上げて説
明する。本実施形態の電気光学装置(液晶装置)は、本
実施形態の電気光学装置用基板の製造方法により製造さ
れたTFTアレイ基板(電気光学装置用基板)を備えた
ものである。
構成するマトリクス状に形成された複数の画素における
各種素子、配線等の等価回路である。また、図18は、
データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたT
FTアレイ基板の相隣接する複数の画素群を拡大して示
す平面図である。また、図19は、図18のA−A’断
面図である。尚、図17〜図19においては、各層や各
部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
するマトリクス状に形成された複数の画素は、マトリク
ス状に複数形成された画素電極9aと画素電極9aを制
御するためのTFT30とからなり、画像信号が供給さ
れるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に
接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S
1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構
わないし、相隣接する複数のデータ線6aに対して、グ
ループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT3
0のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所
定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G
1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するよう
に構成されている。
電気的に接続されており、スイッチング素子であるTF
T30を一定期間だけそのスイッチを閉じることによ
り、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、
…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9a
を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S
1、S2、…、Snは、後述する対向基板に形成された
後述する対向電極との間で一定期間保持される。
集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、
階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであ
れば、印加された電圧に応じて入射光の透過光量が減少
し、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電
圧に応じて入射光の透過光量が増加し、全体として液晶
装置から画像信号に応じたコントラスト比を持つ光が出
射される。
ってコントラスト比の低下やフリッカと呼ばれるちらつ
きなど表示上の不具合が生じるのを防ぐために、画素電
極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に
蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧
は、データ線に電圧が印加された時間よりも3桁も長い
時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、
保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装
置が実現できる。
板のトランジスタ素子の形成領域(画素部)内の平面構
造について詳細に説明する。図に示すように、液晶装置
のTFTアレイ基板上のトランジスタ素子の形成領域
(画素部)内には、マトリクス状に複数の透明な画素電
極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設
けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿って
データ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられて
いる。データ線6aは、コンタクトホール5を介して単
結晶シリコン層の半導体層1aのうち後述のソース領域
に電気的に接続されており、画素電極9aは、コンタク
トホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン
領域に電気的に接続されている。また、半導体層1aの
うちチャネル領域(図中右上りの斜線の領域)に対向す
るように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲ
ート電極として機能する。
線状に伸びる本線部(即ち、平面的に見て、走査線3a
に沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差
する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向
き)に突出した突出部(即ち、平面的に見て、データ線
6aに沿って延設された第2領域)とを有する。
には、複数の第1遮光膜(遮光層)11aが設けられて
いる。より具体的には、第1遮光膜11aは夫々、画素
部において半導体層1aのチャネル領域を含むTFTを
TFTアレイ基板の後述する基板本体側から見て覆う位
置に設けられており、更に、容量線3bの本線部に対向
して走査線3aに沿って直線状に延びる本線部と、デー
タ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接
する段側(即ち、図中下向き)に突出した突出部とを有
する。第1遮光膜11aの各段(画素行)における下向
きの突出部の先端は、データ線6a下において次段にお
ける容量線3bの上向きの突出部の先端と重ねられてい
る。この重なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線
3bとを相互に電気的に接続するコンタクトホール13
が設けられている。即ち、本実施形態では、第1遮光膜
11aは、コンタクトホール13により前段あるいは後
段の容量線3bに電気的に接続されている。
部内の断面構造について説明する。図に示すように、液
晶装置において、TFTアレイ基板10と、これに対向
配置される対向基板20との間に液晶層50が挟持され
ている。TFTアレイ基板10は、ポリカーボネート
系、ポリアクリレート系、ポリエーテルサルフォン系、
ポリオレフィン系等の透明な高分子からなる厚さ0.4
×10-3m(0.4mm)以下程度のプラスチックフィ
ルムを基材とし、その両面に、ガスを透過しないガスバ
リア層と保護層とが積層形成されてなるプラスチック基
板(透明樹脂製基板)からなる基板本体10Aとその液
晶層50側に形成された接着層(粘着シート)g8およ
び中間層g3とその液晶層50側表面上に形成された画
素電極9a、TFT30、配向膜16を主体として構成
されており、対向基板20は基板本体10Aと同等のプ
ラスチック基板からなる基板本体20Aとその液晶層5
0側に形成された接着層(粘着シート)g8および中間
層g3とその液晶層50側表面上に形成された対向電極
(共通電極)21と配向膜22とを主体として構成され
ている。
液晶層50側表面上には、画素電極9aが設けられてお
り、その液晶層50側には、ラビング処理等の所定の配
向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電
極9aは、シート抵抗が15Ω/□以下、具体的には7
Ω/□に設定されたITO(インジウム・ティン・オキ
サイド)の透明導電性薄膜からなり、配向膜16は、例
えばポリイミドなどの有機薄膜からなる。また、基板本
体10Aの液晶層50側表面上には、図19に示すよう
に、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9a
をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30
が設けられている。
晶層50側表面上には、その全面に渡って対向電極(共
通電極)21が設けられており、その液晶層50側に
は、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜
22が設けられている。対向電極21は、シート抵抗が
15Ω/□以下、具体的には7Ω/□に設定されたIT
Oの透明導電性薄膜からなり、配向膜22は、例えばポ
リイミドなどの有機薄膜からなる。また、基板本体20
Aの液晶層50側表面上には、図19に示すように、各
画素部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設けら
れている。このように対向基板20側に第2遮光膜23
を設けることにより、対向基板20側から入射光が画素
スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領
域1a’やLDD(Lightly Doped Drain)領域1b及
び1cに侵入することを防止することができるととも
に、コントラストを向上させることができる。
電極21とが対向するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、両基板の周縁部間に
形成されたシール材(図示略)により囲まれた空間に液
晶(電気光学材料)が封入され、液晶層(電気光学材料
層)50が形成されている。液晶層50は、例えば一種
又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなっ
ており、画素電極9aからの電界が印加されていない状
態で配向膜16及び22により所定の配向状態を採る。
また、シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板
20をそれらの周縁部で貼り合わせるための、例えば光
硬化性接着剤や熱硬化性接着剤等の接着剤からなり、そ
の内部には両基板間の距離を所定値とするためのグラス
ファイバー、ガラスビーズ等のスペーサが混入されてい
る。
基板10の基板本体10Aの液晶層50側表面上におい
て、各画素スイッチング用TFT30に対応する位置に
は、第1遮光膜(遮光層)11aが設けられている。第
1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であ
るTi、Cr、W、Ta、Mo及びPdのうちの少なく
とも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等か
ら構成される。第1遮光膜11aをこのような材料から
構成することにより、TFTアレイ基板10の基板本体
10Aの表面上において、第1遮光膜11aの形成工程
の後に行われる画素スイッチング用TFT30の形成工
程における高温処理により、第1遮光膜11aが破壊さ
れたり溶融することを防止することができる。
び対向電極21が、シート抵抗が15Ω/□以下、具体
的には7Ω/□に設定されたITOからなるため、液晶
表示装置としては低い駆動電圧で駆動できるため、高精
細化の求められている液晶装置に適用することが可能と
なり、液晶装置としての性能はガラス基板のものと遜色
ない状態で、軽量化、薄型化が容易、割れない、曲面表
示が可能、なプラスチック基板を有することができる。
造を有する液晶装置の製造方法について、図20〜図2
5を参照して説明する。
レイ基板の一部分を、図19と同様に、図18のA−
A’断面に対応させて示す工程図である。図20〜図2
5においては、簡略化のため、形成用基板g1および分
離層g2の図示を省略する。
7に示す[S2中間層g3形成工程]の工程までは第2
実施形態と同様に、中間層g3を形成する。次に、前述
した図30,図8に示す[S3被剥離物g4形成工程]
の工程と同様に、中間層g3の上に被剥離物g4を形成
してゆく。
光膜11aを形成した中間層g3の表面上の全面に、ス
パッタリング法、CVD法などにより、絶縁体層12を
形成する。絶縁体層12の材料としては、酸化シリコン
や窒化シリコン、あるいはNSG(ノンドープトシリケ
ートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BS
G(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリン
シリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を例示する
ことができる。
層12上に約200nm±5nm程度の単結晶シリコン
層を形成し、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程
等により、図18に示した如き所定パターンの半導体層
1aを形成する。即ち、特にデータ線6a下で容量線3
bが形成される領域及び走査線3aに沿って容量線3b
が形成される領域には、画素スイッチング用TFT30
を構成する半導体層1aから延設された第1蓄積容量電
極1fを形成する。
イッチング用TFT30を構成する半導体層1aと共に
第1蓄積容量電極1fを約850〜1300℃の温度、
好ましくは約1000℃の温度で72分程度熱酸化する
ことにより、約60nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリ
コン膜を形成し、画素スイッチング用TFT30のゲー
ト絶縁膜2と共に容量形成用のゲート絶縁膜2を形成す
る。この結果、半導体層1a及び第1蓄積容量電極1f
の厚さは、約30〜170nmの厚さ、ゲート絶縁膜2
の厚さは、約60nmの厚さとなる。
ネルの半導体層1aに対応する位置にレジスト膜301
を形成し、Pチャネルの半導体層1aにPなどのV族元
素のドーパント302を低濃度で(例えば、Pイオンを
70keVの加速電圧、2×1011/cm2のドープ量
にて)ドープする。次に、図21(b)に示すように、
図示を省略するPチャネルの半導体層1aに対応する位
置にレジスト膜を形成し、Nチャネルの半導体層1aに
BなどのIII族元素のドーパント303を低濃度で(例
えば、Bイオンを35keVの加速電圧、1×1012/
cm2のドープ量にて)ドープする。次に、図21
(c)に示すように、Pチャネル、Nチャネル毎に各半
導体層1aのチャネル領域1a’の端部を除く基板10
の表面にレジスト膜305を形成し、Pチャネルについ
て、図で(a)に示した工程の約1〜10倍のドーズ量
のPなどのV族元素のドーパント306、Nチャネルに
ついて図で(b)に示した工程の約1〜10倍のドープ
量のBなどのIII族元素のドーパント306をドープす
る。次に、図21(d)に示すように、半導体層1aを
延設してなる第1蓄積容量電極1fを低抵抗化するた
め、中間層g3の表面の走査線3a(ゲート電極)に対
応する部分にレジスト膜307(走査線3aよりも幅が
広い)を形成し、これをマスクとしてその上からPなど
のV族元素のドーパント308を低濃度で(例えば、P
イオンを70keVの加速電圧、3×1014/cm2の
ドープ量にて)ドープする。
間絶縁膜12に第1遮光膜11aに至るコンタクトホー
ル13を反応性エッチング、反応性イオンビームエッチ
ング等のドライエッチングにより或いはウエットエッチ
ングにより形成する。この際、反応性エッチング、反応
性イオンビームエッチングのような異方性エッチングに
より、コンタクトホール13等を開孔した方が、開孔形
状をマスク形状とほぼ同じにできるという利点がある。
但し、ドライエッチングとウエットエッチングとを組み
合わせて開孔すれば、これらのコンタクトホール13等
をテーパ状にできるので、配線接続時の断線を防止でき
るという利点が得られる
VD法等によりポリシリコン層3を350nm程度の厚
さで堆積した後、リン(P)を熱拡散し、ポリシリコン
膜3を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3
の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いても
よい。これにより、ポリシリコン層3の導電性を高める
ことができる。次に、図22(c)に示すように、レジ
ストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチン
グ工程等により、図18に示した如き所定パターンの走
査線3aと共に容量線3bを形成する。尚、この後、中
間層g3の裏面に残存するポリシリコンを中間層g3の
表面をレジスト膜で覆ってエッチングにより除去する。
層1aにPチャネルのLDD領域を形成するために、N
チャネルの半導体層1aに対応する位置をレジスト膜3
09で覆い、走査線3a(ゲート電極)を拡散マスクと
して、まずBなどのIII族元素のドーパント310を低
濃度で(例えば、BF2イオンを90keVの加速電
圧、3×1013/cm2のドープ量にて)ドープし、P
チャネルの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領
域1cを形成する。続いて、図22(e)に示すよう
に、半導体層1aにPチャネルの高濃度ソース領域1d
及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、Nチャ
ネルの半導体層1aに対応する位置をレジスト膜309
で覆った状態で、かつ、図示はしていないが走査線3a
よりも幅の広いマスクでレジスト層をPチャネルに対応
する走査線3a上に形成した状態、同じくBなどのIII
族元素のドーパント311を高濃度で(例えば、BF2
イオンを90keVの加速電圧、2×1015/cm2の
ドーズ量にて)ドープする。
層1aにNチャネルのLDD領域を形成するために、P
チャネルの半導体層1aに対応する位置をレジスト膜
(図示せず)で覆い、走査線3a(ゲート電極)を拡散
マスクとして、PなどのV族元素のドーパント60を低
濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、6
×1012/cm2のドープ量にて)ドープし、Nチャネ
ルの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c
を形成する。続いて、図23(b)に示すように、半導
体層1aにNチャネルの高濃度ソース領域1d及び高濃
度ドレイン領域1eを形成するために、走査線3aより
も幅の広いマスクでレジスト62をNチャネルに対応す
る走査線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素
のドーパント61を高濃度で(例えば、Pイオンを70
keVの加速電圧、4×1015/cm2のドーズ量に
て)ドープする。
イッチング用TFT30における走査線3aと共に容量
線3b及び走査線3aを覆うように、例えば、常圧又は
減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PS
G、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化
シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜
4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜
1500nmが好ましく、更に800nmがより好まし
い。この後、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン
領域1eを活性化するために約850℃のアニール処理
を20分程度行う。
線31に対するコンタクトホール5を、反応性エッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グにより或いはウエットエッチングにより形成する。ま
た、走査線3aや容量線3bを図示しない配線と接続す
るためのコンタクトホールも、コンタクトホール5と同
一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔する。
間絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性のA
l等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜6とし
て、約100〜700nmの厚さ、好ましくは約350
nmに堆積し、更に図24(b)に示すように、フォト
リソグラフィ工程、エッチング工程等により、データ線
6aを形成する。
線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法
やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、
BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や
酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成す
る。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500n
mが好ましく、更に800nmがより好ましい。
イッチング用TFT30において、画素電極9aと高濃
度ドレイン領域1eとを電気的に接続するためのコンタ
クトホール8を、反応性エッチング、反応性イオンビー
ムエッチング等のドライエッチングにより形成する。
間絶縁膜7の上に、200℃程度のスパッタ処理等によ
り、ITO等の透明導電性薄膜9を、約50〜200n
mの厚さに堆積し、更に図25(c)に示すように、フ
ォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、画素
電極9aを形成する。尚、本実施形態の液晶装置が反射
型液晶装置である場合には、Al等の反射率の高い不透
明な材料から画素電極9aを形成してもよい。続いて、
画素電極9aの上にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗
布して、200℃程度の熱処理をし配向膜16(図16
参照)を形成する。
の[S5’]と同様に、被剥離物g4上に転写体g6’
を接置し、図10に示す第2実施形態の[S6]と同様
に、照射光g7を照射した後、被剥離物g4を転写体g
6’へ転写する。次いで、図11に示す第2実施形態の
[S8,S9]と同様に、中間層g3の面g3a側に接
着層(粘着シート)g8を形成して基板g9を接着(接
合)し、図12に示す第2実施形態の[S10]と同様
に、転写体g6’と被剥離物g4とを分離し、その後、
所定のプレティルト角を持つように、且つ所定方向にラ
ビング処理を施すこと等の表面処理をおこなう。
気光学装置用基板)10が製造される。
Tアレイ基板10と対向基板20とから液晶装置を製造
する方法について説明する。図19に示した対向基板2
0については、基板本体20Aとして基板本体10Aと
同等の光透過性樹脂基板を用意するとともに、分離層g
2、中間層g3の形成された形成用基板g1の表面上
に、被剥離物g4として第2遮光膜23及び後述する周
辺見切りとしての第2遮光膜を形成する。第2遮光膜2
3及び後述する周辺見切りとしての第2遮光膜は、例え
ばCr、Ni、Alなどの金属材料をスパッタリングし
た後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て
形成される。尚、これらの第2遮光膜は、上記の金属材
料の他、カーボンやTiなどをフォトレジストに分散さ
せた樹脂ブラックなどの材料から形成してもよい。
スパッタリング法などにより、300度程度の温度条件
でITO等の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの
厚さに堆積することにより、対向電極21を形成する。
更に、対向電極21の表面上の全面にポリイミドなどの
配向膜の塗布液を塗布して、200℃程度の熱処理をし
て配向膜22(図19参照)を形成する。その後、TF
Tアレイ基板10と同様に接着層(粘着シート)g8を
形成して形成用基板g1,転写体g6’を介してプラス
チック基板g9を貼着して表面処理をおこなう。以上の
ようにして、対向基板20が製造される。
レイ基板10と対向基板20とを、配向膜16及び22
が互いに対向するようにシール材により貼り合わせ、真
空吸引法などの方法により、両基板間の空間に、例えば
複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶を吸引
して、所定の厚みを有する液晶層50を形成することに
より、上記構造の液晶装置が製造される。
と同等の効果を奏するとともに、単純マトリックス基板
に比べて、更に高温の熱処理を必要とするTFTアレイ
基板10をガラスからなる形成用基板に形成するため各
層の特性を維持した状態で、軽量化、薄型化が容易、割
れない、曲面表示が可能、なプラスチック基板を有する
ことができる。
された本実施形態の液晶装置の全体構成を図26,図2
7を参照して説明する。尚、図26は、TFTアレイ基
板10を対向基板20側から見た平面図であり、図27
は、対向基板20を含めて示す図26のH−H’断面図
である。
表面上には、シール材52がその縁に沿って設けられて
おり、図27に示すように、図26に示したシール材5
2とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材5
2によりTFTアレイ基板10に固着されている。図2
6に示すように、対向基板20の表面上にはシール材5
2の内側に並行させて、例えば第2遮光膜23と同じ或
いは異なる材料から成る周辺見切りとしての第2遮光膜
53が設けられている。
ール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101
及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿
って設けられており、走査線駆動回路104が、この一
辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3a
に供給される走査信号遅延が問題にならない場合には、
走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うま
でもない。また、データ線駆動回路101を表示領域
(画素部)の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば
奇数列のデータ線6aは表示領域の一方の辺に沿って配
設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数
列のデータ線6aは表示領域の反対側の辺に沿って配設
されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するように
してもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動する
ようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張する
ことができるため、複雑な回路を構成することが可能と
なる。
は、表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104
間をつなぐための複数の配線105が設けられており、
更に、周辺見切りとしての第2遮光膜53の下に隠れて
プリチャージ回路を設けてもよい。また、TFTアレイ
基板10と対向基板20間のコーナー部の少なくとも1
箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20
との間で電気的導通をとるための導通材106が設けら
れている。また、TFTアレイ基板10の表面上には更
に、製造途中や出荷時の液晶装置の品質、欠陥等を検査
するための検査回路等を形成してもよい。また、データ
線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTア
レイ基板10の表面上に設ける代わりに、例えばTAB
(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装
された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺領
域に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び
機械的に接続するようにしてもよい。
TFTアレイ基板10の光が出射する側には各々、例え
ば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN
(スーパーTN)モード、D−STN(デュアルスキャ
ン−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワ
イトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、
偏光フィルム、位相差フィルム、偏光手段などが所定の
方向で配置される。
ェクタ(投射型表示装置)に適用される場合には、3枚
の液晶装置がRGB用のライトバルブとして各々用いら
れ、各パネルには各々RGB色分解用のダイクロイック
ミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々
入射されることになる。従って、その場合には上記実施
形態で示したように、対向基板20に、カラーフィルタ
は設けられていない。しかしながら、対向基板20の基
板本体20Aの液晶層50側表面上において、第2遮光
膜23の形成されていない画素電極9aに対向する所定
領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に形成
してもよい。このような構成とすれば、液晶プロジェク
タ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラ
ー液晶装置に、上記実施形態の液晶装置を適用すること
ができる。
個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。こ
のようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、
明るい液晶装置が実現できる。更にまた、対向基板20
の表面上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積す
ることで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダ
イクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロ
イックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラ
ー液晶装置が実現できる。
従来と同様に入射光を対向基板20側から入射させるこ
ととしたが、TFTアレイ基板10に第1遮光膜11a
を設ける構成としているので、TFTアレイ基板10側
から入射光を入射させ、対向基板20側から出射するよ
うにしても良い。
(電気光学装置)を用いた電子機器の一例として、投射
型表示装置の構成について、図28を参照して説明す
る。
は、上記の実施形態の液晶装置を3個用意し、夫々RG
B用の液晶装置962R、962G及び962Bとして
用いた投射型液晶装置の光学系の概略構成図を示す。
装置920と、均一照明光学系923が採用されてい
る。そして、投射型表示装置は、この均一照明光学系9
23から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離する色分離手段としての色分離光学系92
4と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての
3つのライトバルブ925R、925G、925Bと、
変調された後の色光束を再合成する色合成手段としての
色合成プリズム910と、合成された光束を投射面10
0の表面に拡大投射する投射手段としての投射レンズユ
ニット906を備えている。また、青色光束Bを対応す
るライトバルブ925Bに導く導光系927をも備えて
いる。
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944からプリズムユニット910の側に出射され
る。次に、緑反射ダイクロイックミラー942におい
て、青緑反射ダイクロイックミラー941において反射
された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが
直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945から色合
成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイックミラ
ー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの出射部
946から導光系927の側に出射される。本例では、
均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光学系
924における各色光束の出射部944、945、94
6までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、ライ
トバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色
光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これら
の液晶装置は、図示を省略している駆動手段によって画
像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、
ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光
束Bは、導光系927を介して対応するライトバルブ9
25Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じ
て変調が施される。尚、本例のライトバルブ925R、
925G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光手段
960R、960G、960Bと、出射側偏光手段96
1R、961G、961Bと、これらの間に配置された
液晶装置962R、962G、962Bとからなる液晶
ライトバルブである。
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投
射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
また、図示を省略するが、液晶装置と偏光手段とを離間
形成することにより、液晶装置と偏光手段との間には空
気層ができるため、冷却手段を設け、液晶装置と偏光手
段との間に冷風等の送風を送り込むことにより、液晶装
置の温度上昇をさらに防ぐことができ、液晶装置の温度
上昇による誤動作を防ぐことができる。
としては便宜上、アクティブマトリクス方式の透過型液
晶装置に用いられる液晶パネルとして説明したが、本発
明の適用される液晶装置は、各膜の特性が維持された状
態でプラスチック基板を提要することができればよいの
で、画像表示方式は前記の実施形態に限定されるもので
はなく、カラー表示、モノクロ表示どちらでも適応で
き、また、透過型に限らず、反射型、半透過反射型、ま
たは投影型などであってもよいことは言うまでもない。
装置(電気光学装置)を用いた電子機器の他の例とし
て、小型携帯情報端末等の携帯電子機器の構成につい
て、図29を参照して説明する。図29(a)は、携帯
電話の一例を示した斜視図である。図29(a)におい
て、符号1400は携帯電話本体を示し、符号1401
は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示してい
る。図29(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図29(b)において、符号1300は
時計本体を示し、符号1301は上記の液晶表示装置を
用いた液晶表示部を示している。図29(c)は、ワー
プロ、パソコン、PDA(Parsonal Disital Assistan
t)などの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図で
ある。図29(c)において、符号1200は情報処理
装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1
204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶
表示装置を用いた液晶表示部を示している。
上記実施の形態の液晶装置を用いた液晶表示部を備えて
いるので、低い駆動電圧でかつ分光特性を維持して高精
細化に対応した状態で、プラスチック基板を適用するこ
とにより、軽量化、薄型化が容易、割れない、曲面表示
が可能、等の利点を有し、特にその効果が画面部分に関
する点において顕著である電子機器を実現することがで
きる。なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の変更を加えることが可能である。
よび電子機器によれば、ガラス基板、石英基板等の形成
用基板に分離層を形成する工程と、前記分離層上に少な
くとも導電膜および配向膜を有する被剥離物を形成する
工程と、前記分離層に照射光を照射して、前記分離層に
おいて剥離を生ぜしめ、前記被剥離物を前記形成用基板
から離脱させる工程と、該被剥離物を、透明な高分子か
らなるプラスチックフィルムを基材とするプラスチック
基板(樹脂製基板)に貼着する工程と、を有することに
より、プラスチックフィルム基板に直接導電膜および配
向膜等を形成する場合に対比して、被剥離物形成工程に
おける熱処理の温度条件を、プラスチックフィルムのT
G によって規定される耐熱温度以下に設定する必要がな
くなるため、所望の膜特性を有する導電膜、配向膜、カ
ラーフィルター層を有し、かつ、軽量化、薄型化が容
易、割れない、曲面表示が可能、等の利点を有するプラ
スチックフィルム基板を用いた電気光学装置(液晶装
置)を製造することができるという効果を奏する。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
造方法の工程を示す模式断面図である。
す模式断面図である。
において、画素部を構成する各種素子、配線等の等価回
路図である。
において、TFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群
の平面図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
用基板の製造方法を示す工程図である。
のTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と
共に対向基板側から見た平面図である。
いた電子機器の一例である投射型表示装置の構成図であ
る。
いた電子機器の一例である携帯電子機器の構成図であ
る。
ローチャートである。
る。
3)
(以下、ITOと記載する。)などの透明な導電材料か
らなるが、このITOからなる電極を形成する際にも、
蒸着法、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor De
position)法などにより、第1基板1002上の全面に
ITOなどの電極材料からなる導電膜を形成した後、導
電膜上の全面に所定のフォトレジストを塗布し、フォト
レジストの露光、現像をおこない、フォトレジストを所
定のパターンに形成する。次に、導電膜を所定のパター
ンにエッチングすることにより、所定のパターンの電極
1006を形成していた。導電膜形成時には200℃程
度の基板加熱処理が必要であった。さらに、配向層10
08は、ポリイミド等からなり、これもその製造工程に
おいて300℃程度の熱処理をおこなうことが必要であ
る。
液晶層50側表面上には、画素電極9aが設けられてお
り、その液晶層50側には、ラビング処理等の所定の配
向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電
極9aは、シート抵抗が15Ω/□以下、具体的には7
Ω/□に設定されたITO(インジウム・ティン・オキ
サイド)の透明導電性膜からなり、配向膜16は、例え
ばポリイミドなどの有機膜からなる。また、基板本体1
0Aの液晶層50側表面上には、図19に示すように、
各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをス
イッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設
けられている。
晶層50側表面上には、その全面に渡って対向電極(共
通電極)21が設けられており、その液晶層50側に
は、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜
22が設けられている。対向電極21は、シート抵抗が
15Ω/□以下、具体的には7Ω/□に設定されたIT
Oの透明導電性膜からなり、配向膜22は、例えばポリ
イミドなどの有機膜からなる。また、基板本体20Aの
液晶層50側表面上には、図19に示すように、各画素
部の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設けられて
いる。このように対向基板20側に第2遮光膜23を設
けることにより、対向基板20側から入射光が画素スイ
ッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1
a’やLDD(Lightly Doped Drain)領域1b及び1
cに侵入することを防止することができるとともに、コ
ントラストを向上させることができる。
Claims (22)
- 【請求項1】 一対の基板のうち少なくとも一方が樹脂
からなる基板間に電気光学物質層が挟持されてなる電気
光学装置の製造方法であって、 形成用基板に分離層を形成する工程と、 前記分離層上に少なくとも導電膜および配向膜を有する
被剥離物を形成する工程と、 前記分離層に照射光を照射して、前記分離層において剥
離を生ぜしめ、前記被剥離物を前記形成用基板から離脱
させる工程と、 該被剥離物を前記基板に貼着する工程と、を有すること
を特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記形成用基板が透光性とされ、前記分
離層に前記形成用基板を透過して照射光を照射して、前
記分離層と被剥離物との界面において剥離を生ぜしめる
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方
法。 - 【請求項3】 前記分離層の剥離は、分離層を構成する
物質の原子間または分子間の結合力が消失または減少す
ることにより生じることを特徴とする請求項1または2
記載の電気光学装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記照射光は、レーザ光であることを特
徴とする請求項1から3のいずれか記載の電気光学装置
の製造方法。 - 【請求項5】 前記レーザ光の波長が、100〜350
nmであることを特徴とする請求項4記載の電気光学装置
の製造方法。 - 【請求項6】 前記分離層は、非晶質シリコンで構成さ
れていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記
載の電気光学装置の製造方法。 - 【請求項7】 前記基板が粘着シートにより貼着される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか記載の電気
光学装置の製造方法。 - 【請求項8】 前記導電膜がインジウム錫酸化物からな
り、そのシート抵抗が30Ω/□未満に設定されること
を特徴とする請求項1から7のいずれか記載の電気光学
装置の製造方法。 - 【請求項9】 前記シート抵抗が15Ω/□以下に設定
されることを特徴とする請求項8記載の電気光学装置の
製造方法。 - 【請求項10】 前記被剥離物にはカラーフィルタ層が
形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか
記載の電気光学装置の製造方法。 - 【請求項11】 前記被剥離物には、反射膜が形成され
ることを特徴とする請求項1から10のいずれか記載の
電気光学装置の製造方法。 - 【請求項12】 前記被剥離物の前記基板を貼着する側
には、パッシベーション膜が積層されることを特徴とす
る請求項1から13のいずれか記載の電気光学装置の製
造方法。 - 【請求項13】 前記被剥離物が前記形成用基板上に少
なくとも前記導電膜、前記配向膜、の順に積層されるこ
とを特徴とする請求項1から12のいずれか記載の電気
光学装置の製造方法。 - 【請求項14】 前記被剥離物が前記形成用基板上に少
なくとも前記配向膜、前記導電膜、の順に積層されるこ
とを特徴とする請求項1から12のいずれか記載の電気
光学装置の製造方法。 - 【請求項15】 前記被剥離物上に前記基板が貼着され
た状態で、前記照射光を照射することを特徴とする請求
項14記載の電気光学装置の製造方法。 - 【請求項16】 形成用基板に分離層を形成する工程
と、 前記分離層上に少なくとも導電膜および配向膜を有する
被剥離物を形成する工程と、 前記分離層に照射光を照射して、前記分離層において剥
離を生ぜしめ、前記被剥離物を前記形成用基板から離脱
させる工程と、 該被剥離物を前記基板に貼着する工程と、を有すること
を特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。 - 【請求項17】 一対の基板のうち少なくとも一方が樹
脂からなる基板間に電気光学物質層が挟持されてなる電
気光学装置であって、 前記基板上に少なくとも導電膜および配向膜が形成され
てなり、 前記導電膜がインジウム錫酸化物からなり、そのシート
抵抗が30Ω/□未満に設定されることを特徴とする電
気光学装置。 - 【請求項18】 前記シート抵抗が15Ω/□以下に設
定されることを特徴とする請求項17記載の電気光学装
置。 - 【請求項19】 前記基板上には反射膜が形成されるこ
とを特徴とする請求項17から18のいずれか記載の電
気光学装置。 - 【請求項20】 前記基板と、少なくとも前記導電膜お
よび前記配向膜を有する被剥離物とが粘着シートにより
貼着されることを特徴とする請求項17から19のいず
れか記載の電気光学装置。 - 【請求項21】 前記基板と前記導電膜との間にはパッ
シベーション膜が積層されることを特徴とする請求項1
7から20のいずれか記載の電気光学装置。 - 【請求項22】 請求項17ないし21のいずれかに記
載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電気光学装
置。
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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