JP4874819B2 - エンボス加工ステンレス鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板に関する。
従来、キッチン台に用いられているシンクや天板等の表面につく疵や水滴等による汚れを防止するために、表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施された金属製のシンクを用いることで、シンクの表面に付く疵や水滴等による汚れを防止している(例えば、特許文献1参照)。
また、エンボス加工が施されたステンレス鋼板には、ステンレス鋼板の表面につく疵や水滴等による汚れを効果的に防止するために、エンボス深さや凸部平坦部の長さや凸部エッジ部の長さなどを所定の範囲で形成しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−316195号公報(第4頁、第1図) 特許第3371096号公報(第3頁、第1図)
しかしながら、特許文献1に記載のシンクの表面に施されたエンボスにあっては、凸状のエンボスがシンクの表面から立ち上がる角度がほぼ直角となっているので、シンクの表面とエンボスの凸部との間に汚れが溜まり易いばかりか、この溜まった汚れを落とし難いという問題がある。
特許文献2に記載のステンレス鋼板の表面に施されたエンボスにあっては、隣り合う凸部同士の間の凹部の幅を狭く形成すると、凹部に溜まった汚れを落とし難くなり、また、凹部の幅を広く形成すると、凹部に食器等の角部が当たり易くなり、ステンレス鋼板の表面に疵が付き易いという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板において、疵や汚れが付き難く、かつ清掃も容易なエンボス加工ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、
表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板において、
前記凸部は、その底面形状と頂上部形状とが略相似形状をなし、前記頂上部が略平坦面を形成するとともに、該頂上部から前記底面まで漸次相似形状が拡大する傾斜部が形成され、凸部の中心からその隣りに配置される凸部の中心までの離間距離を1xとした場合に、底面の長さが0.4〜0.8x、頂上部の高さが0.01〜0.03x、頂上部の長さが0.2〜0.4xとなっていることを特徴としている。
この特徴によれば、ステンレス鋼板の表面からの傾斜部の立ち上がり角度が緩やかなものとなり、この傾斜部と表面との間に汚れが付き難くなるばかりか、汚れが付いても拭き取り易くなり、かつ各々の凸部の形状を特定するに伴い、隣り合う凸部同士の離間距離を特定していることで、凸部同士の間のステンレス鋼板の表面に疵等が付き難いエンボス形状とすることができる。また、表面から突出されて疵つき易い頂上部の面積が小さくなるので疵を目立たなくすることができる。
本発明の請求項2に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項1に記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記離間距離1xが、1.2〜2.5mmになるように形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、疵や汚れが付き難く、かつ清掃も容易なエンボス加工が施されたステンレス鋼板にすることができる。
本発明の請求項3に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項1または2に記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記複数の凸部が平面視で円形以外の同一形状をなしており、隣り合う凸部同士の形状が、平面視で所定角度づつ回転された形状となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の凸部が所定角度づつ回転した形状となって形成されることで、エンボス加工によってステンレス鋼板の表面に意図的に均一な光沢の斑を発生させることができ、エンボス加工を施す製造時の誤差等によって発生するステンレス鋼板の表面の非均一な光沢の斑の視認性を低下させることができ、ステンレス鋼板の見栄えを向上させることができる。
本発明の請求項4に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項3に記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記ステンレス鋼板が圧延ローラによって圧延されることでエンボス加工が施されるようになっており、前記凸部が平面視で正多角形状をなすとともに、前記所定角度をθ(度)とし、前記離間距離をa(mm)とし、前記圧延ローラの円周長をL(mm)とし、前記凸部の辺の数(3以上)をMとし、任意の整数倍(1以上)をnとした場合、
θ=(360×a×n)/(L×M)
の関係式が成立することを特徴としている。
この特徴によれば、圧延ローラを連続的に回転させてステンレス鋼板の表面にエンボス加工を施したときに、圧延ローラが1回転される間に、少なくとも正多角形をなす凸部の1辺分の角度差分(正方形の場合は90度、正三角形の場合は120度)の回転を終了させた状態で凸部を配置できるので、エンボス模様が途中で途切れたようにならず、連続的に形成させることができ、ステンレス鋼板の見栄えを向上させることができる。
本発明の請求項5に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、
表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板において、
前記凸部における最頂部の高さに対して80%以上の部位を頂上部とし、該頂上部の平面視形状と前記凸部の底面の平面視形状とが略相似形状をなし、前記凸部は、前記最頂部の高さに対して80%の高さ部位の平面幅が、前記底面の平面幅の50%以上で、前記底面の平面幅の100%未満となるように形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、凸部の形状を特定していることで、凸部の頂上部が扁平な形状となり、ステンレス鋼板上を他の部材が摺動移動する際に、最頂部と他の部材とが面接触され、その接触圧を低減できるようになり、最頂部に他の部材が接触されることで生じる疵が付き難くなる。
本発明の請求項6に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項1,2,5のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記凸部からその隣りに配置される凸部までの間に、3つの仮想直線を、互いに60度の角度で交差するように画けるように、前記凸部が配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ステンレス鋼板の表面を互いに60度の角度で交差する3方向から拭くことができるため、ステンレス鋼板の汚れの拭取作業を容易に行うことができる。
本発明の請求項7に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項1ないし6のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記ステンレス鋼板の表面には、耐摩耗性を有する塗膜が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、耐摩耗性を有する塗膜により凸部を含むステンレス鋼板の表面が保護され、疵等が付き難いステンレス鋼板とすることができる。
本発明の請求項8に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項7に記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記ステンレス鋼板の表面に塗料を塗布後、該ステンレス鋼板を所定温度で加熱することにより前記塗料を前記ステンレス鋼板の表面に焼き付けて前記塗膜が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、塗料をステンレス鋼板の表面に焼き付けることで、剥離し難い塗膜を形成することができ、ステンレス鋼板が長年の使用に耐えられるようになる。
本発明の請求項9に記載のエンボス加工ステンレス鋼板は、請求項1ないし8のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板であって、
前記ステンレス鋼板が、0.5重量%以上のCuを含み、該Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させたことを特徴としている。
この特徴によれば、ステンレス鋼板にCuを含ませることにより、抗菌性を有するステンレス鋼板を形成することができる。
本発明に係るエンボス加工ステンレス鋼板を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明のエンボス加工が施されたキッチン台を示す斜視図であり、図2は、実施例1におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図であり、図3(a)は、圧延ローラとステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、図3(b)は、圧延ローラによって圧延されるステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、図3(c)は、エンボス加工が施されたステンレス鋼板を示す縦断側面図である。
図1の符号1は、キッチン台を示しており、キッチン台1の天板2の上面やガスコンロ3の上面やシンク4の内面などには、本発明の適用されたエンボス加工が施されたステンレス鋼板5が用いられている。
キッチン台1に用いられているステンレス鋼板5について詳述すると、図2に示すように、ステンレス鋼板5の表面6には、複数の凸部7が形成されたエンボス加工が施されている。凸部7は平面視において円形状をなしており、各々の凸部7が同一形状及び同一径になるように形成されている。
図2における部分拡大斜視図に示すように、凸部7は、その頂上部8が略平坦面を形成しており、頂上部8からステンレス鋼板5の表面6に向かって傾斜される傾斜部9を有している。尚、凸部7は、その底部の基部(底面)の平面視形状と頂上部8の平面視形状とが略相似形状をなし、頂上部8から凸部7の基部(底面)まで漸次相似形状が拡大する略切頭円錐形状をなしている。各々の凸部7は等間隔に複数配列されており、1つの凸部7の周囲には、等距離に6つの凸部7が並ぶ配列となっている。
図3(a)に示すように、ステンレス鋼板5にエンボス加工を施す際には、圧延ローラ10,11を用いた圧延加工によって行われる。一方の圧延ローラ10の外周面12には、複数の擂鉢形状の凹部13が形成されており、この凹部13は中央部が没入されて中央凹部14が形成されるとともに、中央凹部14の周囲には、中央凹部14から圧延ローラ10の外周面12まで傾斜された傾斜部15が形成されている。尚、本実施例で用いられるステンレス鋼板5には、SUS304やSUS430などのステンレス鋼板5が使用されている。
図3(b)に示すように、ステンレス鋼板5にエンボス加工を施す際には、外周面12の凹部13が形成された圧延ローラ10と外周面12’が平坦な圧延ローラ11との間にステンレス鋼板5を挿入して、これらの圧延ローラ10,11によってステンレス鋼板5を上下方向から押圧しながら圧延加工を行う。
ステンレス鋼板5の表面6の一部は、圧延ローラ10によって圧延されるときに、圧延ローラ10の凹部13内に入り込み、ステンレス鋼板5の表面6に凸部7が形成される。尚、凸部7の傾斜部9は、凹部13の傾斜部15に表面6が当接されることで形成されるとともに、圧延ローラ10,11の押圧力が適度に調整されており、凹部13内に入り込んだ凸部7の頂上部8が、中央凹部14に当接されない。そのため頂上部8の上面は若干上方に膨出された略平坦面になるように形成される。
図3(c)に示すように、圧延ローラ10によってステンレス鋼板5に形成された複数の凸部7は、その底部の基部(底面)の直径の寸法b,b’が約1.5mmとなっている。そして、凸部7の中心点αからその隣りに配置される凸部7の中心点α’までの離間距離aが約2.5mmとなっている。また、頂上部8の直径の寸法d,d’が約1.0mm、傾斜部9の幅寸法e,e’が約0.25mmとなっている。更に、ステンレス鋼板5の表面6から頂上部8と傾斜部9との間の点β,β’までの高さc,c’は約0.03mmとなっており、ステンレス鋼板5の表面6と傾斜部9との間の点γ,γ’同士の間の幅寸法fは約1.0mmとなっている。
このようにステンレス鋼板5に形成される凸部7の寸法が特定されていることにより、ステンレス鋼板5の表面6から凸部7の傾斜部9の立ち上がり角度(点γ,γ’における傾斜角度)が緩やかなものとなり、キッチン台1を使用した際に、凸部7の傾斜部9とステンレス鋼板5の表面6との間γ,γ’にゴミや汚れが付き難くなるばかりか、ゴミや汚れが付いても拭き取り易くなっている。
ステンレス鋼板5の表面6の凸部7同士の間の幅寸法fが広いと、ステンレス鋼板5の表面6に食器等の角部が接触してしまい、表面6に疵がつき易くなる。逆に前記寸法fが狭いと、凸部7同士の間にゴミや汚れが詰まり易いばかりか、清掃もし難くなる。
本実施例のエンボス加工のように、ステンレス鋼板5に形成される各々の凸部7の形状を特定するに伴い、隣り合う凸部7同士の離間距離aを特定していることで、ステンレス鋼板5上に食器等を載置した際や食器等をステンレス鋼板5上で摺動移動させた際に、凸部7同士の間のステンレス鋼板5の表面6に食器等の底面が接触することを防ぐことができ、表面6に疵等が付き難いエンボス加工のステンレス鋼板5にすることができる。
また、表面6から突出された頂上部8は食器等が接触して最も疵がつき易い部位ではあるが、本実施例のエンボス加工のように、凸部7の形状を特定することで、疵つき易い頂上部8の面積が小さく形成されるようになり、たとえ頂上部8に疵が付いた場合であっても疵を目立たなくすることができる。
更に、本実施例では、凸部7の中心点αからその隣りに配置される凸部7の中心点α’までの離間距離aが約2.5mmとなっているが、この離間距離aは1.2〜2.5mmの範囲内になるように形成されるのが好ましく、この所定の範囲内であれば前記実施例と同様な効果を得ることができる。
尚、中心点α,α’間の離間距離aと、凸部7の直径b,b’と、頂上部8における点β,β’の表面6からの高さc,c’と、頂上部8の直径d,d’との寸法は、前記実施例に限ることなく、中心点α,α’間の離間距離aを1xとした場合に、凸部7の底部の基部(底面)の直径b,b’が0.4〜0.8xの範囲、頂上部8における点β,β’の表面6からの高さc,c’が0.01〜0.03xの範囲、頂上部8の直径d,d’が0.2〜0.4xの範囲の寸法に特定されていれば、前記実施例と同様な効果を得ることができる。
更に尚、本実施例では、ステンレス鋼板5の凸部7の平面視における形状が円形状となっており、凸部7の底部の基部(底面)の直径b,b’と頂上部8の直径d,d’とにより、凸部7の寸法を特定していたが、凸部7の平面視における形状が楕円形状ならば、その長手方向の凸部7の外径及び頂上部8の外径を前記実施例の寸法b,b’及びd,d’としてもよい。また、凸部7の平面視における形状が矩形状や三角形状ならば、その長手方向の長さや対角線の長さを前記実施例の寸法b,b’及びd,d’としてもよい。
また、凸部7の形状が平面視において楕円形状、矩形状、三角形状であった場合に、これら複数配置される凸部7同士の内、最も近接した距離に配置される凸部7の中心α,α’同士の間の幅を基準として、中心α,α’を結ぶ直線間における凸部7の底部の基部(底面)の長さb,b’、頂上部8の高さc,c’、頂上部8の長さd,d’を前記実施例の寸法に当てはめて凸部7を形成しても、前記実施例と同様な効果を得ることができる。
また更に、本発明のエンボス加工が施されたステンレス鋼板5は、圧延加工に用いられる圧延ローラ11の外周面12’が平坦面となっているため、ステンレス鋼板5の裏面側は平坦面として形成される。そのため、例えばステンレス鋼板5をキッチン台1の天板2等に用いて、天板2とシンク4などをスポット溶接で接合する際に、ステンレス鋼板5の裏面に凹凸があると溶接面の接触面積が異なってしまい溶接電流にばらつきが出て溶接不良が生じる場合があるが、ステンレス鋼板5の裏面を平坦面に形成することで、溶接不良の低減を図るとともに、溶接作業が容易になる。
次に、実施例2に係るエンボス加工ステンレス鋼板5につき、図4を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。図4は、実施例2におけるステンレス鋼板5の表面6を示す平面図である。
図4に示すように、ステンレス鋼板5の表面6に形成された実施例2における凸部7aは、平面視で正方形状をなし、頂上部8が略平坦面になるよに形成された略切頭四角錐形状で同一形状及び同一寸法に形成されている。各々の凸部7aは等間隔に複数配列されており、1つの凸部7aの周囲には、等距離に4つの凸部7aが並ぶ配列となっている。
この正方形をなす凸部7aの1辺の長さbは約1.2mm、頂上部8の1辺の長さdは約0.8mm、凸部7aの中心α,α’同士の間の離間距離aは約2.12mmとなっている。尚、特に図示はしないが頂上部8の高さcは約0.03mmとなっている。
図4における部分拡大平面図に示すように、隣り合う凸部7a同士の形状は、平面視で所定角度θづつ回転された配置になるように形成されている。詳しくは、凸部7aの配列に伴い近接して隣り合う凸部7aに対して同一角度θづつ回転された配置となっており、本実施例における所定角度θは略4.5度となっている。
従来、圧延ローラ10,11を用いてステンレス鋼板5にエンボス加工を施す際に、圧延ローラ10の外周面12に形成された凹部13に若干の製作誤差等が合った場合に、ステンレス鋼板5の表面6に非均一な光沢の斑が発生してしまうことがあったが、本実施例のように、複数の凸部7aが所定角度θづつ回転した形状となって形成されることで、エンボス加工によってステンレス鋼板5の表面6に意図的に均一な光沢の斑を発生させることができ、エンボス加工を施す製造時の誤差等によって発生する非均一な光沢の斑の視認性を低下させることができ、ステンレス鋼板5の見栄えを向上させることができる。
尚、図4に示すように、平面視において正方形状をなす凸部7aを形成する場合に、所定角度θを略4.5度とすることで、任意の凸部7a’から数えて20個並べられた位置に配置される凸部7a’’が、90度回転した状態で配置されるようになり、決まったパターンの複数の凸部7aが形成されるので、この凸部7aに対応する凹部13を圧延ローラ10の外周面12に形成することで容易にエンボス加工が施せるようになる。
また、凸部7aを所定角度θづつ回転させて配置することにより、圧延ローラ10,11による圧延加工時に、圧延ローラ10の凹部13に加わる摩擦力を分散させることができ、圧延ローラ10が磨耗し難くなり、製造時の線状疵の発生を抑制できるようになる。
次に、実施例3に係るエンボス加工ステンレス鋼板5につき、図5を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。図5は、実施例3におけるステンレス鋼板5の表面6を示す平面図である。
図5に示すように、ステンレス鋼板5の表面6に形成された実施例3における凸部7bは、平面視で正三角形状をなし、頂上部8が略平坦面になるよに形成された略切頭三角錐形状で同一形状及び同一寸法に形成されている。各々の凸部7bは等間隔に複数配列されており、1つの凸部7bの周囲には、等距離に4つの凸部7bが並ぶ配列となっている。
この正三角形をなす凸部7bの1辺の長さbは約1.2mm、頂上部8の1辺の長さdは約0.8mm、凸部7bの中心α,α’同士の間の離間距離aは約2.12mmとなっている。尚、特に図示はしないが頂上部8の高さcは約0.03mmとなっている。
図5における部分拡大平面図に示すように、前記実施例2と同様に、隣り合う凸部7b同士の形状は、凸部7bの配列に伴い近接して隣り合う凸部7bに対して同一角度θづつ回転された配置となっており、本実施例における所定角度θは略6.0度となっている。そのため前記実施例2と同様な効果を得ることができるようになっている。
尚、図5に示すように、平面視において正三角形状をなす凸部7bを形成する場合に、所定角度θを略6.0度とすることで、任意の凸部7b’から数えて20個並べられた位置に配置される凸部7b’’が、120度回転した状態で配置されるようになり、決まったパターンの複数の凸部7bが形成されるので、この凸部7bに対応する凹部13を圧延ローラ10の外周面12に形成することで容易にエンボス加工が施せるようになる。
尚、実施例2に示す略切頭四角錐形状をなす凸部7aや、実施例3に示す略切頭三角錐形状をなす凸部7bや、特に図示はしないが平面視で略楕円形状をなす凸部を形成した場合には、食器等による疵が凸部に付いても、疵つく面が各々異なるようになり、光の乱反射により疵が目立たなくなる。
以上、実施例2において、隣り合う凸部7a同士の形状は、所定角度θ(略4.5度)づつ回転されて配置され、実施例3において、隣り合う凸部7b同士の形状は、同一角度θ(略6.0度)づつ回転されて配置されているが、この凸部7a,7bの形状が回転される所定角度θは、凸部7a,7bの中心α,α’同士の間の離間距離aや、圧延ローラ10の円周長によって決定される。
実施例2及び3におけるステンレス鋼板5では、凸部7a,7bが平面視で正多角形状をなしているときに、前記所定角度をθ(度)とし、前記離間距離をa(mm)とし、圧延ローラ10の円周長をL(mm)とし、凸部7a,7bの辺の数(3以上)をMとし、任意の整数倍(1以上)をnとした場合、
θ=(360×a×n)/(L×M)
の関係式が成立するようになっている。
例えば、実施例2のように中心α,α’同士の間の離間距離aが2.12mmの正方形状をなす凸部7aの場合に、凸部7aを90度回転させた状態で配置するには、90度/4.5度=20で、20個の凸部7aを配置する必要があり、少なくとも円周長Lが2.12mm×20=42.4mmの圧延ローラ10が必要になる。尚、本実施例では、円周長Lが42.4mmの4倍の169.6mmの圧延ローラ10を用いている。
前述した関係式のように所定角度θを特定することで、圧延ローラ10を連続的に回転させてステンレス鋼板5の表面6にエンボス加工を施したときに、圧延ローラ10が1回転される間に、少なくとも正多角形をなす凸部7a’,7b’の1辺分の角度差分(正方形の凸部7aの場合は90度、正三角形の凸部7bの場合は120度)の回転を終了させた状態で凸部7a’’,7b’’を配置できるので、ステンレス鋼板5の表面6に形成されるエンボス加工の凸状模様角度が途中で途切れず、連続的にエンボス加工の干渉縞模様を形成させることができるようになり、ステンレス鋼板5の見栄えを向上させることができる(図4及び図5参照)。
次に、実施例4に係るエンボス加工ステンレス鋼板5につき、図6を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。図6は、実施例4におけるステンレス鋼板5の表面6を示す平面図である。
図6に示すように、ステンレス鋼板5の表面6に形成された実施例4における凸部7c,7dは、前記実施例1と同様に、平面視で円形状をなす切頭円錐形状をなし、実施例4では直径の大きい大径凸部7cと、直径の小さい小径凸部7dとの大小2種類の寸法の凸部7c,7dが形成されている。各々の大径凸部7c及び小径凸部7dは等間隔に複数配列されており、1つの大径凸部7cの周囲には、等距離に6つの小径凸部7dが並ぶ配列となっているとともに、大径凸部7c同士の間には、2つの小径凸部7dが並ぶ配列となっている。
図6における部分拡大平面図に示すように、大径凸部7cの底部の基部(底面)の直径bは約0.7mm、小径凸部7dの底部の基部(底面)の直径bは約0.5mmとなっているとともに、大径凸部7cの中心αから小径凸部7dの中心α’まで離間距離a、及び小径凸部7dの中心α’同士の間の離間距離aは約1.5mmとなっている。尚、特に図示はしないが大径凸部7cの頂上部8の高さcは約0.02mm、小径凸部7dの頂上部8の高さcは約0.01mmとなっている。
大径凸部7c同士の間に小径凸部7dが配置されることで、ステンレス鋼板5上に食器等を載置した際や食器等をステンレス鋼板5上で摺動移動させた際に、小径凸部7dの頂上部8より高い大径凸部7cの頂上部8には疵が付くが、大径凸部7cの間に配置されている小径凸部7dの頂上部8には疵が付き難くなる。若しくは大径凸部7cの頂上部8と小径凸部7dの頂上部8に同時に疵が付いても、その疵の方向が異なるようになる。更に、疵付き易い大径凸部7cの頂上部8の間隔が広いので、疵が目立たなくなっており、ステンレス鋼板5の美観を向上させられる。
尚、食器等を傾斜させてステンレス鋼板5上で摺動移動させると食器の底面の角部が大径凸部7c同士の間に入り込み、大径凸部7c同士の間のステンレス鋼板5の表面6を疵つける虞があるが、実施例4におけるエンボス加工においては、大径凸部7c同士の間に小径凸部7dが配置されるので、この小径凸部7dの頂上部8に食器の角部が接触し、表面6に食器の角部が接触することを防ぐことができ、ステンレス鋼板5の表面6には疵が付かないようになっている。
次に、実施例5に係るエンボス加工ステンレス鋼板5につき、図7から図9を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。図7は、実施例5におけるステンレス鋼板5の表面6を示す平面図であり、図8(a)は、圧延ローラ10e,11とステンレス鋼板5を示す縦断側面図であり、図8(b)は、圧延ローラ10e,11によって圧延されるステンレス鋼板5を示す縦断側面図であり、図8(c)は、エンボス加工が施されたステンレス鋼板5を示す縦断側面図であり、図9は、使用状態におけるエンボス加工が施されたステンレス鋼板5を示す縦断側面図である。
図7に示すように、ステンレス鋼板5の表面6に形成された実施例5における凸部7eは、平面視で円形状をなしており、各々の凸部7eが同一形状及び同一径になるように形成されている。図7の部分拡大斜視図に示すように、凸部7eは、その頂上部8eが略平坦面を形成するとともに、この凸部7eは、縦断側面視で上方に湾曲するように膨出された略扁平半球形状となっている(図8(c)参照)。
また、頂上部8eからステンレス鋼板5の表面6に向かって側面部9eが形成されている。尚、凸部7eは、その底部の基部(底面)の平面視形状と頂上部8eの平面視形状とが略相似形状をなし、頂上部8eから凸部7eの基部(底面)まで漸次相似形状が拡大する形状となっている。
更に、図7に示すように、各々の凸部7eは等間隔に複数配列されており、1つの凸部7eの周囲には、等距離に6つの凸部7eが並ぶ配列となっている。尚、複数の凸部7eは、任意の1つの凸部7eからその隣りに配置される凸部7eまでの間に、3つの仮想直線Lを、互いに60度の角度θで交差するように画けるように配置されている。
図8(a)に示すように、ステンレス鋼板5にエンボス加工を施す際には、圧延ローラ10e,11を用いた圧延加工によって行われる。一方の圧延ローラ10eの外周面12には、複数の略扁平半球形状の内空間を有する凹部13eが形成されている。尚、本実施例で用いられるステンレス鋼板5には、0.5重量%以上のCu(銅)を含み、該Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させたステンレス鋼板5が使用されている。
ステンレス鋼板5におけるCu主体のリッチ相の析出方法について詳述すると、0.5重量%以上のCuを含んだオーステナイト系ステンレス鋼を熱間圧延後から最終製品となるまでの間に500〜900℃の温度範囲で熱処理を1回以上施すことにより、ステンレス鋼板5にCu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させることができる。
図8(b)に示すように、ステンレス鋼板5にエンボス加工を施す際には、外周面12の凹部13eが形成された圧延ローラ10eと外周面12’が平坦な圧延ローラ11との間にステンレス鋼板5を挿入して、これらの圧延ローラ10e,11によってステンレス鋼板5を上下方向から押圧しながら圧延加工を行う。
ステンレス鋼板5の表面6の一部は、圧延ローラ10eによって圧延されるときに、圧延ローラ10eの凹部13e内に入り込み、ステンレス鋼板5の表面6に凸部7eが形成される。また、圧延ローラ10e,11の押圧力が適度に調整されており、凹部13e内に入り込んだ凸部7eの頂上部8eが、凹部13eの奥面16に当接されない。そのため頂上部8の上面は若干上方に膨出された状態で略平坦面になるように形成される。
図8(c)に示すように、圧延ローラ10eによってステンレス鋼板5に形成された複数の凸部7eは、その最大の高さg部位に、平坦面をなす最頂面17(最頂部)が形成されている。この最頂面17の高さgを100%とした場合に、凸部7eにおける80%の高さh以上の部位が頂上部8eを構成している。
また、凸部7eは、最頂面17の高さgに対して80%の高さhの部位の平面幅iが、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの50%以上で、100%未満となるように形成されている。更に、少なくとも最頂面17の高さgに対して95%以上の高さの平面幅mは、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの10%以上の寸法になっている。このように凸部7eの形状を特定することで、凸部7eの頂上部8eが扁平な形状となる。
本実施例5では、凸部7eの平面視の形状が円形をなしているため、例えば、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kと、凸部7eの底部の基部(底面)の直径とが同じになっている。尚、凸部の平面視の形状が円形以外の形状をなしている場合には、凸部の底部の基部(底面)の周縁点同士を凸部の中心点を通過する直線によって結んだ距離のうち、最も長い距離を平面幅kと定義する。
図9に示すように、圧延ローラ10e,11によってステンレス鋼板5にエンボス加工を施した後、ステンレス鋼板5における凸部7eを含む表面6には、耐摩耗性を有する塗膜18が形成される。この塗膜18について詳述すると、塗膜18の形成に用いる塗料には、シリカ系、チタニア、アルミナ系、ジルコニア系を始めとする各種無機系塗料や、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂など各種有機系塗料を使用することができる。
また、シリカ・アクリル樹脂、シリカ・アクリルシリコーン樹脂などの各種無機・有機複合系塗料を用いることもできる。更に、塗膜18の耐摩耗性を向上させる目的で、潤滑剤を添加してもよい。潤滑剤としては、4フッ化エチレンに代表されるフッ素樹脂粉末、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂粉末、ポリエチレン−フッ素樹脂複合粉末、シリコーン樹脂粉末などを用いる。
塗膜18の形成方法について、有機系のフッ素樹脂の塗料を用いた場合と、無機・有機複合系のシリカ・アクリルシリコーン樹脂の塗料を用いた場合の2つを形成方法を例に説明する。
フッ素樹脂の塗料を用いる場合には、先ずステンレス鋼板5にエンボス加工を施し、キッチン台1の天板2やシンク4の形状に合わせて絞り加工を施した後、ステンレス鋼板5のアルカリ脱脂を行う。そして、フッ素樹脂塗料(固形分:ポリフッ化ビニリデン樹脂67重量%、アクリル樹脂28重量%、4フッ化エチレン粉末5重量%)を乾燥塗膜厚で5μmとなるようにスプレー塗装を行う。その後、ステンレス鋼板5を230℃(所定温度)で15分間(所定時間)加熱することにより塗料をステンレス鋼板5に焼き付けて塗膜18が形成される。
シリカ・アクリルシリコーン樹脂の塗料を用いる場合には、先ずステンレス鋼板5にエンボス加工を施し、キッチン台1の天板2やシンク4の形状に合わせて絞り加工を施した後、ステンレス鋼板5のアルカリ脱脂を行う。そして、シリカ・アクリルシリコーン樹脂(固形分:コロイダルシリカ24重量%、シラン加水分解縮合物43重量%、アクリルシリコーン樹脂33重量%)に固形分換算でポリエチレン樹脂粉末を5重量%添加した塗料を用いて、乾燥塗膜厚で5μmとなるようにスプレー塗装を行う。その後、ステンレス鋼板5を180℃(所定温度)で20分間(所定時間)加熱することにより塗料をステンレス鋼板5に焼き付けて塗膜18が形成される。
以上、実施例5におけるエンボス加工のステンレス鋼板5では、最頂面17の高さgに対して80%の高さhの部位の平面幅iが、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの50%以上で、最頂面17の平面幅mが、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの100%未満となるように凸部7eの形状を特定していることで、凸部7eの最頂面17が扁平な形状となり、ステンレス鋼板5上を他の部材、例えば、キッチン台1で使用する鍋等の調理器具19が摺動移動する際に、最頂面17と調理器具19とが面接触され、その接触圧を低減できるようになり、最頂面17に調理器具19が接触されることで生じる疵が付き難くなる。
また、最頂面17の平面幅mが凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの10%以上となるように最頂面17が平坦面に形成されることで、最頂面17が調理器具19に点接触されずに済むようになる。尚、最頂面17が平坦面をなし、頂上部8eが扁平な形状をなしていることで、最頂面17及び頂上部8eにスプレー塗装を行った際に、最頂面17及び頂上部8e上に塗料が留まるようになり、凸部が半球形状をなしている場合と比較して、最頂面17及び頂上部8eに厚い塗膜18を形成できるようになっている。
また、複数の凸部7eが、任意の1つの凸部7eからその隣りに配置される凸部7eまでの間に、3つの仮想直線Lを、互いに60度の角度θで交差するように画けるように配置されていることで、キッチン台1の使用者がステンレス鋼板5の表面6を互いに60度の角度で交差する3方向から拭くことができるようになり、ステンレス鋼板5の汚れの拭取作業を容易に行うことができる。
また、ステンレス鋼板5における凸部7eを含む表面6に耐摩耗性を有する塗膜18が形成されることで、凸部7eを含むステンレス鋼板5の表面6が保護され、疵等が付き難いステンレス鋼板5とすることができる。
また、ステンレス鋼板5における凸部7eを含む表面6に塗料を塗布後、ステンレス鋼板5を所定温度で加熱することにより塗料をステンレス鋼板5における凸部7eを含む表面6に焼き付けて塗膜18が形成されていることで、剥離し難い塗膜18を形成することができ、ステンレス鋼板5が長年の使用に耐えられるようになる。
また、Cu(銅)は比較的安価な元素であるとともに、抗菌成分としても有効であり、本実施例のステンレス鋼板5が、0.5重量%以上のCuを含み、該Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させることで、抗菌性を有するステンレス鋼板5を形成することができる。尚、ステンレス鋼板5の凸部7eが磨耗したとしても、常に、ステンレス鋼板5の内部からCu主体のリッチ相が新規に現れるため、ステンレス鋼板5の抗菌性を持続させることができる。
実施例5では、エンボス加工のステンレス鋼板5を、最頂面17の高さgに対して80%の高さhの部位の平面幅iが、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの100%未満となるように凸部7eの形状を特定するとして説明したが、好ましくは、平面幅iが、凸部7eの底部の基部(底面)の平面幅kの80%以下とすると、立ち上がり角度を緩やかにすることができ、更に清掃性を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、各々の凸部7の形状を特定するに伴い、隣り合う凸部7同士の離間距離aを特定しているエンボス加工が施されたステンレス鋼板5が、キッチン台1の天板2の上面やガスコンロ3の上面やシンク4の内面などに用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、建材として用いられている内装材や外装材、若しくは什器や電気機器類等に、本実施例のエンボス加工が施されたステンレス鋼板5を使用してもよい。また、本発明のステンレス鋼板5は、装飾管用途や張紙防止用鋼板や滑り性改善鋼板としても利用でき、該表面にクリア塗装等を施こした塗装仕上げとすることで、更に耐疵付性を改善できるため、使用用途が広くなり、工業的価値も高くなる。
また、実施例2,3に示すように、凸部7a,7bの配置を、所定角度θづつ回転させて配置していたが、所定角度θづつ回転させずに、各々の凸部7a,7bの配置をランダムに回転させた配置としてもよいし、実施例4に示すように、大きさの異なる2種類の凸部7c,7dのみならず、様々な大きさや形状の異なる数種類の凸部を配置させるようにしてもよい。
また、前記実施例5では、0.5重量%以上のCu(銅)を含み、該Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させたステンレス鋼板5が使用されるとともに、ステンレス鋼板5における凸部7eを含む表面6には、耐摩耗性を有する塗膜18が形成されているが、Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させたステンレス鋼板5や耐摩耗性を有する塗膜18が形成されたステンレス鋼板5を実施例1〜4におけるステンレス鋼板5に適用してもよい。
また、前記実施例5では、複数の凸部7eが、任意の1つの凸部7eからその隣りに配置される凸部7eまでの間に、3つの仮想直線Lを、互いに60度の角度θで交差するように画けるように配置されているが、このような凸部7eの配置の仕方を実施例1及び4における凸部7,7c,7dの配置の仕方に適用してもよい。
本発明のエンボス加工が施されたキッチン台を示す斜視図である。 実施例1におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図である。 (a)は、圧延ローラとステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、(b)は、圧延ローラによって圧延されるステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、(c)は、エンボス加工が施されたステンレス鋼板を示す縦断側面図である。 実施例2におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図である。 実施例3におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図である。 実施例4におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図である。 実施例5におけるステンレス鋼板の表面を示す平面図である。 (a)は、圧延ローラとステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、(b)は、圧延ローラによって圧延されるステンレス鋼板を示す縦断側面図であり、(c)は、エンボス加工が施されたステンレス鋼板を示す縦断側面図である。 使用状態におけるエンボス加工が施されたステンレス鋼板を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 キッチン台
2 天板
3 ガスコンロ
4 シンク
5 ステンレス鋼板
6 表面
7,7a,7b 凸部
7c 大径凸部
7d 小径凸部
7e 凸部
8,8e 頂上部
9 傾斜部
9e 側面部
10,11 圧延ローラ
10e 圧延ローラ
12,12’ 外周面
13 凹部
14 中央凹部
15 傾斜部
16 奥面
17 最頂面(最頂部)
18 塗膜
19 調理器具(他の部材)

Claims (9)

  1. 表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板において、
    前記凸部は、その底面形状と頂上部形状とが略相似形状をなし、前記頂上部が略平坦面を形成するとともに、該頂上部から前記底面まで漸次相似形状が拡大する傾斜部が形成され、凸部の中心からその隣りに配置される凸部の中心までの離間距離を1xとした場合に、底面の長さが0.4〜0.8x、頂上部の高さが0.01〜0.03x、頂上部の長さが0.2〜0.4xとなっていることを特徴とするエンボス加工ステンレス鋼板。
  2. 前記離間距離1xが、1.2〜2.5mmになるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  3. 前記複数の凸部が平面視で円形以外の同一形状をなしており、隣り合う凸部同士の形状が、平面視で所定角度づつ回転された形状となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  4. 前記ステンレス鋼板が圧延ローラによって圧延されることでエンボス加工が施されるようになっており、前記凸部が平面視で正多角形状をなすとともに、前記所定角度をθ(度)とし、前記離間距離をa(mm)とし、前記圧延ローラの円周長をL(mm)とし、前記凸部の辺の数をM(3以上)とし、任意の整数倍をn(1以上)とした場合、
    θ=(360×a×n)/(L×M)
    の関係式が成立することを特徴とする請求項3に記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  5. 表面に複数の微細な凸部を形成するエンボス加工が施されたステンレス鋼板において、
    前記凸部における最頂部の高さに対して80%以上の部位を頂上部とし、該頂上部の平面視形状と前記凸部の底面の平面視形状とが略相似形状をなし、前記凸部は、前記最頂部の高さに対して80%の高さ部位の平面幅が、前記底面の平面幅の50%以上で、前記底面の平面幅の100%未満となるように形成されていることを特徴とするエンボス加工ステンレス鋼板。
  6. 前記凸部からその隣りに配置される凸部までの間に、3つの仮想直線を、互いに60度の角度で交差するように画けるように、前記凸部が配置されていることを特徴とする請求項1,2,5のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  7. 前記ステンレス鋼板の表面には、耐摩耗性を有する塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  8. 前記ステンレス鋼板の表面に塗料を塗布後、該ステンレス鋼板を所定温度で加熱することにより前記塗料を前記ステンレス鋼板の表面に焼き付けて前記塗膜が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
  9. 前記ステンレス鋼板が、0.5重量%以上のCuを含み、該Cu主体のリッチ相を0.2体積%以上析出させたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のエンボス加工ステンレス鋼板。
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