JP4874132B2 - 耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板 - Google Patents

耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、耐食性に優れた錫めっき鋼板(ブリキ)に関し、特に、筍やパイナップル、チェリー等の酸性食品を内容物とする無塗装缶に用いる際に好適な耐食性に優れる錫めっき鋼板に関する。
酸性食品を内容物とする無塗装のブリキ缶に対しては、当該鋼板から缶内容物中へ溶出する錫の量をできるだけ少なくしたいとの要請がある。本願において、腐食とは、錫が缶内容物中へ溶出することをいう。
現行の無塗装缶用ブリキは、鋼板の上に電気錫めっきを行い、次いで、溶融処理を行い製造され、その構造は、図4に示すように、鋼板14、合金層(FeSn)11、錫層13から構成される。
従来より、上述の無塗装缶用ブリキの耐食性(腐食のし難さ)を評価する指標として、合金層(FeSn)11に注目したATC(Alloy Tin Couple)値が使用されている。 ATC値が高いほど錫めっきは缶の内容物に溶出し易く、反対に、ATC値が低いほど錫めっきは缶の内容物に溶出し難い。
ATC値の物理的意味について述べる。例えば、図4に示すように、鋼板14、合金層11、錫層13から構成されるブリキ鋼板の場合、最上層の錫層が缶の内容物に溶出する。最上層の錫層が、溶出するには、直下の合金層11から錫が電子を受け取り、Sn2+イオンとなる。したがって、直下の合金層11と最上層の錫層13との間に電子の授受がしやすい関係であれば錫層13は缶の内容物に溶出しやすくなるということである。言い換えれば、合金層11から錫層13への電子の流れ易さがATC値である。
このATC値を低減するための方法としては、錫めっき後、溶融処理を行うことによって形成される錫と鉄素地との合金層(FeSn)を制御する方法が提案されている。これは、合金層11にムラが生じた場合に、錫層と鋼板の地鉄が直接接する部分が生じるために、ATC値が上昇することを防止する効果を利用した方法である。
しかし、当該方法は、通常の工程でブリキを製造した場合、合金層に小さな穴であるピンホール発生により、錫層と鋼板の地鉄が直接接する部分をなくすることが困難であることから十分な効果を奏することができない。
ピンホール発生を抑制するため、例えば、錫−鉄合金層を多量に生成させ、合金層の連続性を向上させる方法も提案されている。しかし、合金層の多量形成により、耐食性に優れた金属錫めっき層が減少してしまう虞があり、また生成した合金層は一般に硬いために加工性を向上させることができないという問題があり、ピンホールの発生という問題点の解決には至っていない。
このため、特許文献1、2には、NiめっきあるいはFe-Ni合金めっきをプレめっきした後に錫めっきを実施、溶融処理を行うことによって、合金層を緻密化させ、ピンホールを抑制、耐食性を向上させる方法が提案されている。
従来の鋼板に錫めっきのみを行って作成されるブリキではATC値を指標にして、耐食性との相関がとれていた。しかしながら、各種検討を重ねた結果、NiめっきあるいはFe-Ni合金めっきとプレめっきを施した後に錫めっきを実施、溶融処理を行う錫めっき鋼板においては、ATC値の低下は実現できても、耐食性が不十分なものがあるという問題点があった。
特許文献4には、地鉄の表層にNi拡散層を有し、その上にSn−Ni−Feの合金層を有し、さらにその上にSnを有した鋼板が開示されているが、合金層が1層しか存在しない。
特許文献3には、地鉄の上にNi−Fe−Snの合金層あるいはSn−Feの合金層を飛島状に有する合金層と、当該合金層の上に島状に分布するSn層を有し、さらにその上に金属クロム層、さらにその上に水酸化クロム層を有する鋼板が開示されているが、これも合金層は1層である。
特許文献5には、地鉄にNi−Sn−Feの拡散層を有し、その上にNi−Snの合金層を有する鋼板が開示されているが、これも合金層は1層である。
また、下地Niメッキを行うと合金層1の結晶サイズが細かくなることは非特許文献1のp81〜84に記載されている。
特開昭62−284086号公報 特開昭57−108291号公報 特開昭63−247393号公報 特開平04−221096号公報 特開昭60−089595号公報 G.G.Kamm and J.K.Krickl、K Plate for heavily coated electrolytic tin plate applications、Mechanical Working and Steel Processing IV、p63-p101、44(1969)、Gordon and Breach Sci.Publ.,Inc., New York
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、Niめっき或いはFe-Ni合金めっきをプレめっき施した後に錫めっきを実施、溶融処理を行う錫めっき鋼板に関し、特に合金層生成を制御して耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板を提供することにある。
発明者らは、鋭意研究開発を行った。その結果、ATC値を下げるに当たっては、合金層の被覆率を上げる(すなわち、地鉄の露出率をさげる)ことは重要であるが、それに加えて、Niを錫層に拡散させないことが錫の溶出を防ぐ上で非常に効果的であることを発見し本発明に至った。
すなわち、本発明では合金層1から錫層へNiが拡散するのを抑え、かつ、合金層の電位をSnに近づけるために、合金層1の上に合金層2を有することとし、当該合金層2のNi濃度を規定した。
言い換えれば、合金層2のNi濃度が所定の値となることで、その上に存在するSn層へのNi拡散を抑制することができ、かつ、Snの電位と合金層2との電位が近づくことでATC値が下がる。
本発明に係る耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板は、鋼板(4)の少なくとも製缶後缶内面側に相当する面に、鋼板表面より質量%で、Snが50〜70%、Feが20〜40%、Niが7〜20%である合金層(1)、その上層にSnが70〜80%、Feが15〜25%、Niが0.1〜7%である合金層(2)、さらに目付け量で3.9〜14.0g/m2の合金化していないSn層(3)が順次形成され、合金層(1)、(2)の中のSnの単位面積当りの総含有量が0.2〜2.0g/m2であり、またNiの単位面積当りの総含有量が0.001〜0.3g/m2であることを特徴とする。


上述した構成からなる本発明では、Sn溶出量が抑えられ、耐食性に優れた錫めっき鋼板とすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、耐食性に優れる果実缶用の錫めっき鋼板について詳細に説明する。
本発明を適用した錫めっき鋼板は、図1に示すように、鋼板4の少なくとも製缶後缶内面側に相当する表面に、合金層1が積層されてなるとともに、この合金層1の上層には合金層2が積層され、更に合金化していないSn層3がその上に積層されている。以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
合金層1は、Snが50〜70%、Feが20〜40%、Niが7〜20%である。
合金層2は、Snが70〜80%、Feが15〜25%、Niが0.1〜7%である。
Sn層3は、目付け量(単位面積当りの含有量)で1.5〜15.0g/mの合金化していないSnで構成される。
なお、合金層1、2中におけるSnの単位面積当りの総含有量(以下、総量という。)は、0.2〜2.0g/mであり、Niの総量は、0.001〜0.3g/mである。
ここでいうSnの単位面積当りの総含有量(総量)は、合金層1におけるSnの単位面積当りの含有量と、合金層2におけるSnの単位面積当りの含有量との和を意味する。
本発明の錫めっき鋼板において、重要なポイントは合金層2である。その役割は、合金層1からSn層へのNiの拡散を抑えることである。
さらに、合金層2において、特に重要となるのは合金層2中のNi比率である。
また本発明の合金層2においてNi比率の上限は7%である。7%超では、ATC(Alloy Tin Couple)値が低くても、Snの溶出量が多くなることが種々の検討でわかった。これは、製缶工程での、印刷焼付け、溶接の残熱、レトルトを含む殺菌工程等での加熱により、NiとSnの親和性が非常に高いために、Sn層3中へNiが拡散し、その量が多くなることによって、Sn層3自体の耐食性が低下すると考えられる。すなわち、Sn層3中へNiが拡散するとSn層が自己腐食(化学溶解)しやすくなったためと推定される。
さらに、合金層2のNiが重要であり、本発明を適用した錫めっき鋼板における合金層2においてNi比率の下限は0.1%である。Ni比率が0.1%未満ではATC値が大きくなるためである。Ni比率が0.1%以上であれば合金層の電位がSnの電位に近づく効果あるためと推測される。Ni比率が0.1%未満では、合金層の電位がSnの電位と離れ、電位差が大きくなることによりATC値が大きくなっているものと推定される。
図3は、缶内での鋼板、合金、錫メッキの層の浸漬電位を表している。電位は上に位置するほど高く、下に位置するほど低い。缶内では酸素が無く、有機酸が存在しているため、錫、合金層、Fe、Niの順位で浸漬電位は高くなる。従来の合金層は、錫層の電位より離れており、結果として、
ATC値が高くなり、錫が錫イオンとなって溶け出し易い傾向にあった。
そこで、本願発明では、従来の合金層の有する電位より、錫の電位に近い低い電位を有する合金を開発した。結果として、ATC値は下がり、錫が溶出し難くなった。
本発明の合金層1においてNi比率の下限は7%である。Ni比率7%未満では微細で緻密な合金層を形成することができず、良好なATC値が確保できず、耐食性を向上させることができないという問題点が生じてしまう。また本発明の合金層1においてNi比率の上限は20%である。Ni比率20%超では、Niの合金層を微細化する効果は飽和しコスト的に不利を招くためである。
通常のブリキ鋼板では合金化していないSn層(フリーSn層)と下地鋼板との間にFeSnが形成されている。この場合、Feは19%、Snは81%を各々占めることになる。20%以下のNiが添加されると、Fe:Sn=19:81の比率のままではなく多少の幅をもって合金層が形成される。逆に大きくずれた組成を形成することは困難であり、合金層1においては、Snが50〜70%、Feが20〜40%の範囲にあることが、また合金層2においては、Snが70〜80%、Feが15〜25%の範囲にあることが生産性の観点から重要である。
また、合金層2上に目付け量で1.5〜15.0g/mの合金化していないSn層が必要である。缶内では缶体内面のフリーSnが缶内に封入された酸素や、内容物に含まれる酸化性の物質を還元する。即ち、フリーSnは酸化されてSn2+となり溶出する。合金化していないSn層量が、下限の1.5g/m未満では、この効果を十分に発揮できず、内容物の腐敗を招いてしまう。合金化していないSn層量が15.0g/m超ではその効果が飽和し、コスト上の不利を招いてしまう。このため、合金化していないSn層量は、上述した範囲に限定することとし、好ましくは3.9〜14.0g/mであり、さらに、好ましくは4.5〜12.0g/mである。
また、本発明を適用した錫めっき鋼板は、合金化していないSnめっき層(フリーSn層)と下地鋼板との間にNiを含有する合金層構造に特徴がある。すなわち、下地鋼板側の合金層1は、Snが50〜70%、Feが20〜40%、Niが7〜20%であるの範囲の組成であり、フリーSn層側の合金層2は、Snが70〜80%、Feが15〜25%、Niが0.1〜7%である範囲の組成であることが重要である。
更に、本発明を適用した錫めっき鋼板では、合金層1、2中におけるSnの総量は、0.2〜2.0g/mであり、Niの総量は、0.001〜0.3g/mであることが重要である。合金層1、2中のSn総量が0.2g/m未満では、ATC値が不良となる。また、本発明の合金層1、2ではSnが50%以上を占めている。この合金層中のSn量が多いことは合金層厚みが厚いことを示唆するものである。合金層の厚みが厚くなると、下地鋼板の露出が抑えられることから、加工を受けない平板状態での耐食性は向上するが、加工を受けた場合、合金層自体が割れやすくなり、下地鋼板の露出を招き、耐食性の低下につながる。また、合金層の厚みが厚い場合には上層のフリーSn層と合金層との密着不良を招くこともある。以上の点において、合金層1、2中のSn総量は2.0g/m超では問題となるため、Sn総量の上限を2.0g/mとした。
これに対して、合金層1、2中のNi総量が0.001g/m未満では、下地鋼板の露出の無い微細で緻密な合金層を形成することができず、合金層1、2中のNi総量が0.3g/m超では、Niの合金層を微細化する効果は飽和しコスト的に不利を招く。かかる理由から、Ni総量の下限を0.001g/mとし、上限を0.3g/mとした。
本発明の錫めっき鋼板すなわち鋼板表面より順次、Snが50〜70mass%、Feが20〜40mass%、Niが7〜20mass%である合金層1、その上層にSnが70〜80mass%、Feが15〜25mass%、Niが0.1〜7mass%である合金層2、さらに目付け量で1.5〜15.0g/mの合金化していないSn層3を有し、合金層1及び2の中のSn総量が0.2〜2.0g/mでNi総量が0.001〜0.3g/mである錫めっき鋼板を得る方法は特に限定するものではないが、その一例として、2層下地メッキを行う方法、即ち、Ni比率の高いFe−Ni合金メッキを行い次いで、Ni比率の低いFe−Ni合金メッキ、或いはFeメッキを行いついでSnメッキを行い、メルト処理を行う2層下地メッキを行う方法がある。また、別の方法としては、Fe−Ni合金メッキを行い次いで少量のSnメッキを行い、メルト処理を行い、更にNi比率の低いFe−Ni合金メッキ、或いはFeメッキを行いついでSnメッキを行い、メルト処理を行う2回メルトの方法がある。
なお、本発明では、フリーSn層の上層に、フリーSn層の酸化防止のために化成処理層を形成させてもよい。例えばクロムめっき浴あるいはクロメート処理浴によって鋼板全面に金属クロム層とクロム水和酸化物層、あるいは燐酸ナトリウム浴での電解処理による化成処理皮膜を形成させても良い。この場合の浴や処理条件には特に制限はなく、例えばクロム酸浴で陰極処理の場合に、金属クロム層およびクロム水和酸化物層を形成させやすくするために、前もって錫層表面に形成されている錫酸化物層を除去しても良い。この方法としては例えば炭酸ナトリウム水溶液中で錫めっき後の鋼板を陰極処理すれば良い。
なお図2は、本発明を適用した錫めっき鋼板の他の実施の形態を示している。この図2の例では、合金化していないSn層3の上層に化成処理層5を形成させている。
以下に本発明の実施例について述べる。
ATC値の測定方法
テストピースのフリーSnを水酸化ナトリウム溶液中で電解剥離し、合金層を露出させた試片を作成した。試験液として、トマトジュース(カゴメトマトジュース無塩)500ccを蒸留水500ccでうすめ煮沸後、SnCl・2HOを0.19g/l(Sn2+100ppm)及びソルビン酸カリウム0.5gを添加熟成後、試験液とした。試験液中でSnと試片とをカップルさせ窒素ガス雰囲気中、27℃で20時間後のカップル電流を測定した。
合金層中の元素比率の定量方法
ガリウムイオンビームを使用したFocused Ion Beam法により、めっき層断面の極薄サンプルを作成し、エネルギー分散型X線分析装置付きの透過型電子顕微鏡(日立製作所製HF-2000)を用いてめっき層断面方向を5nmピッチで元素分析を行い、合金層1及び2の元素比率を定量化した。
Sn溶出量の測定
φ307×409の缶体を作成し、パイナップルをパックし、28℃で6ヶ月間貯蔵後、シロップと果実をミキサーで混合濾過し、溶出Sn量を測定した。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として8mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで下記のFeめっき条件で10mg/mのFeめっきを行い、下記のSnめっき条件で5.7g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行ったブリキ鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として155mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、Snめっき条件で0.8g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、さらに、その上層にFe-Ni合金めっき条件2でNi付着量として25mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、下記のSnめっき条件で13.5g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として15mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで、下記のFe-Ni合金めっき条件2でNi付着量として10mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、さらに、下記のSnめっき条件で11.5g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として15mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで、下記のFe-Ni合金めっき条件2でNi付着量として10mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、さらに、下記のSnめっき条件で4.0g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として8mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで、下記のFeめっき条件で10mg/mのFeめっきを行い、下記のSnめっき条件で5.7g/mのSnめっきを行いメルト処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件1でNi付着量として15mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで、下記のFe-Ni合金めっき条件2でNi付着量として10mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、さらに、下記のSnめっき条件で11.5g/mのSnめっきを行いメルト処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
上述した実施例1〜6に対して、比較例1では、脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のSnめっき条件で8.7g/mのSnめっき行い、メルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で8mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
また、比較例2では、脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のNiめっき条件で310mg/mのNiめっきを行い、ついで、下記のSnめっき条件で10.0g/mのSnめっきを行い、メルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
また、比較例3では、脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のFe-Ni合金めっき条件2でNi付着量として5mg/mのFe-Ni合金めっきを行い、ついで、下記のFeめっき条件で10g/mのFeめっきを行い、下記のSnめっき条件で7.1g/mのSnめっきを行いメルト処理を行い、下記化成処理条件にて金属クロム換算で9mg/m付着量の化成処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
また、比較例4では、脱脂、酸洗した0.21mmの冷延板に下記のSnめっき条件で8.7g/mのSnめっきを行い、メルト処理を行った鋼板を用いて耐食性の検証を行った。
また、各めっき条件を下記に示す。
Niめっき条件
Niめっき浴:240g/l 硫酸ニッケル、80g/l 塩化ニッケル、30g/l ほう酸。
めっき温度:50℃
電流密度:30A/dm
Fe-Ni合金めっき条件1
Fe-Ni合金めっき浴:75g/l 硫酸ニッケル、140g/l 塩化ニッケル、110g/l 硫酸第一鉄、45g/l ほう酸
めっき温度:45℃
電流密度:25A/dm
Fe-Ni合金めっき条件2
Fe-Ni合金めっき浴:25g/l 硫酸ニッケル、50g/l 塩化ニッケル、120g/l 硫酸第一鉄、45g/l ほう酸
めっき温度:45℃
電流密度:20A/dm
Feめっき条件
Feめっき浴:250g/l 硫酸鉄7水和物、120g/l 硫酸アンモニウム
めっき温度:50℃
電流密度:20A/dm
Snめっき条件
Snめっき浴:25g/l 硫酸錫、20g/l フェノールスルホン酸
めっき温度:50℃
電流密度:15A/dm
化成処理条件
浴組成 25g/l 重クロム酸ナトリウム
浴温:60℃
電流密度:5A/dm
表1に、上述した実施例1〜6、比較例1〜4の各めっき条件に基づいて作製したテストピースの合金層1、合金層2、Sn層3の各成分を上述した元素分析により定量化した結果(質量%)、総量(g/m)、ATC値、Sn溶出量、耐食性に関する判定(Sn溶出量40ppm前後を要改善レベル、40ppm超を不良、36ppm未満を良好とする)の結果を示す。
Figure 0004874132
実施例1〜6は、上述した条件に基づいて作製された結果、本発明で定義した合金層1、合金層2、Sn層3の成分比率の範囲を満たしていることが分かる。また実施例1〜6は、Sn溶出量が抑えられ、耐食性に関する判定結果は何れも良好であった。
これに対して、比較例1〜4は、上述した条件に基づいて作製された結果、本発明で定義した合金層1、合金層2、Sn層3の成分比率の範囲を満たしていないことが分かる。また比較例1〜4は、Sn溶出量が増大しているため、耐食性に関する判定結果は、要改善又は不良であった。
本発明を適用した錫めっき鋼板の構成について示す図である。 化成処理層を表面に形成させる例について示す図である。 ブリキ鋼板の一例を示す図である。 缶内での浸漬電位(rest potential)イメージ
符号の説明
1、2 合金層
3 Sn層
4 鋼板
5 化成処理層

Claims (2)

  1. 鋼板(4)の少なくとも製缶後缶内面側に相当する面に、鋼板表面より質量%で、Snが50〜70%、Feが20〜40%、Niが7〜20%である合金層(1)、その上層にSnが70〜80%、Feが15〜25%、Niが0.1〜7%である合金層(2)、さらに目付け量で3.9〜14.0g/m2の合金化していないSn層(3)が順次形成され、
    合金層(1)、(2)の中のSnの単位面積当りの総含有量が0.2〜2.0g/m2であり、またNiの単位面積当りの総含有量が0.001〜0.3g/m2であることを特徴とする耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板。
  2. 該合金化していないSn層(3)の上層に酸化防止のための化成処理層(5)を形成させていることを特徴とする請求項1記載の耐食性に優れる無塗装の缶用錫めっき鋼板。
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