JP4873338B2 - スピン注入デバイス及びこれを用いた磁気装置 - Google Patents

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この発明は電子のスピンを制御した機能デバイス、特に超ギガビット大容量・高速・不揮発性磁気メモリに利用し、より小さな電流密度でスピン注入磁化反転可能にするためのスピン注入デバイスと、これを用いたスピン注入磁気装置並びにスピン注入磁気メモリ装置に関する。
近年、強磁性層/非磁性金属層/強磁性層からなる巨大磁気抵抗(GMR)効果素子および強磁性層/絶縁体層/強磁性層からなる強磁性スピントンネル接合(MTJ)素子が開発され、新しい磁界センサーや磁気メモリ(MRAM)への応用が期待されている。
GMRは、外部磁場によって2つの強磁性層の磁化を互いに平行あるいは反平行に制御することにより、界面でのスピン依存散乱によって抵抗が互いに異なることに起因して巨大磁気抵抗効果が得られている。一方、MTJでは、外部磁場によって2つの強磁性層の磁化を互いに平行あるいは反平行に制御することにより,膜面垂直方向のトンネル電流の大きさが互いに異なる、いわゆるトンネル磁気抵抗(TMR)効果が得られる(例えば、非特許文献1参照)。
トンネル磁気抵抗率TMRは、用いる強磁性体と絶縁体との界面におけるスピン分極率Pに依存し、二つの強磁性体のスピン分極率をそれぞれP1,P2とすると、一般に次の式(1)で与えられることが知られている。
TMR =2P1 2 /(1−P1 2 ) (1)
ここで、強磁性体のスピン分極率Pは0<P≦1の値をとる。
現在、得られている室温における最大のトンネル磁気抵抗率TMRはP〜0.5のCoFe合金を用いた場合の約50パーセントである。
GMR素子はすでにハードデイスク用磁気ヘッドに実用化されている。MTJ素子は現在、ハードデイスク用磁気ヘッドおよび不揮発性磁気メモリ(MRAM)への応用が期待されている。
MRAMではMTJ素子をマトリックス状に配置し、別に設けた配線に電流を流して磁界を印加することで、各MTJ素子を構成する二つの磁性層を互いに平行、反平行に制御することにより、“1”、“0”を記録させる。読み出しはTMR効果を利用して行う。しかし、MRAMでは大容量化のために素子サイズを小さくすると、反磁界の増大により磁化反転に必要な電流が増し、消費電力が増大するという解決すべき課題を抱えている。
このような課題を解決する方法としては、非磁性金属層を介して二つの磁性層が互いに反平行に結合している三層構造(人工反強磁性膜、Synthetic Antiferromagnetit 、以下「SyAF」と記載する。)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなSyAF構造を用いると反磁界が軽減するため、素子サイズを小さくしても磁化反転に必要な磁場が低減される。
一方、最近、電流磁場を用いない新しいスピン反転法が理論的に提案され(例えば、非特許文献2参照)、実験的にも実現されている(例えば、非特許文献3参照)。
このスピン反転法は、図15にその原理を示すように、第1の強磁性層61/非磁性金属層63/第2の強磁性層65からなる三層構造において、第2の強磁性層63から第1の強磁性層61に電流を流すと、第1の強磁性層61から非磁性金属層63を介して第2の強磁性層65にスピン偏極電子が注入され、第2の強磁性層65のスピンが反転するというものであり、スピン注入による磁化反転と呼ばれている。
このスピン注入磁化反転は三層構造において、第1の強磁性層61のスピンが固定されているとすると、第1の強磁性層61から非磁性金属層63を経てスピン注入すると、注入した上向きスピン(多数スピン)が第2の強磁性層65のスピンにトルクを与え、そのスピンを同じ向きにそろえる。したがって、第1の強磁性層61と第2の強磁性層65のスピンが平行になる。
一方、電流の向きを逆に与え、第2の強磁性層65から第1の強磁性層61にスピン注入すると、第1の強磁性層61と非磁性金属層63との界面で下向きスピン(少数スピン)が反射し、反射したスピンが第2の強磁性層65のスピンにトルクを与え、そのスピンを同じ向き、つまり下向きにそろえようとする。その結果、第1の強磁性層61と第2の強磁性層65のスピンは反平行になる。
したがって、この三層構造のスピン注入磁化反転では、電流の向きを変えることによって第1の強磁性層と第2の強磁性層のスピンを平行にしたり反平行にしたりできる。
特開平9−251621号公報(フロントページ、第1図) T. Miyazaki and N. Tezuka,"Spin polarized tunneling in ferromagnet/insulator/ferromagnet junctions",(1995), J. Magn. Magn. Mater. ,L39,p.1231 J. C. Slonczewski,"Current-driven exitation of magneticmultilayer", (1996), J. Magn. Magn. Mater., 15, L1-L7 J. A. Katine, F. J. Albert, R. A. Ruhman, E. B. Myers and D. C. Ralph,"Current-Driven Magnetization Reversal and Spin-wave Exitation in Co/Cu/Co Pillars", (2000), Phy. Rev. Lett., 84, pp.3149-3152
しかしながら、このようなスピン注入法は将来のナノ構造磁性体のスピン反転法として有望であるが、スピン注入による磁化反転に必要な電流密度が107 A/cm2 以上と非常に大きく、これが実用上の解決すべき課題となっていた。
ところが、本発明者らは、非磁性金属層を介して二つの強磁性層が互いに反平行に結合している三層構造に、別に設けた非磁性金属層あるいは絶縁層を介して強磁性層から電流を流すと、より小さな電流密度でスピン注入による磁化反転を起こすことができることを見出した。
さらに、上記三層構造の代りに強磁性自由層及び非磁性層からなる二層構造及び強磁性自由層、非磁性層、強磁性層からなる三層構造を用いても、上記と同様な作用効果が得られることを見出した。
そこで、本発明は、より小さな電流密度でスピン注入磁化反転することができる、スピン注入デバイスと、このスピン注入デバイスを用いた磁気装置並びに磁気メモリ装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明のスピン注入デバイスのうち、請求項1記載の発明は、単層の強磁性層からなり磁化方向が固定されているスピン偏極部とスピン偏極部上に形成され第1の非磁性層からなる注入接合部とを有するスピン注入部と、注入接合部上に形成されるSyAFと、を備え、SyAFは、第1の磁性層と第1の磁性層上に形成される第2の非磁性層と第2の非磁性層上に形成される第2の磁性層とからなり、第1の磁性層と第2の磁性層とは磁化の大きさが異なり、且つ、第2の非磁性層を介して磁気的に反平行に結合しており、第1の非磁性層は、絶縁層からなり、第2の非磁性層は、Ru、Ir及びRhの何れかでなり、SyAFの磁化反転に必要な磁場Hswは、下記式(1)で表され、SyAFの上記第1の磁性層と第2の磁性層の磁化は、下記式(1)においてM11とM22との大きさが異なるようにされ、第1の磁性層と第2の磁性層は、単磁区構造とするためにアスペクト比kが2以下とされており、スピン偏極部の強磁性層、SyAFの第1の磁性層及びSyAFの第2の磁性層の何れかは、B2またはA2の結晶構造を有しているCo 2 Fe x Cr 1-x Al(0≦x≦1)からなり、外部磁界を印加しないで、且つ、スピン偏極部と第2の磁性層との間に電流を流してスピン偏極電子を注入することで、第1の磁性層及び第2の磁性層の磁化が反平行状態を維持したまま磁化反転する構成とした。
Hsw=2Ku/ΔM+C(k)(t1+t2)ΔM/w (1)
ここで、ΔM=(t1+t2)/(M11−M22)である。
Kuは一軸磁気異方性、C(k)はアスペクト比kに依存する反磁界係数、wはSyAFの幅である。t1、t2は、それぞれ第1の磁性層及び第2の磁性層の厚さである。M1、M2は、それぞれ第1の磁性層及び第2の磁性層の飽和磁化である。
請求項2記載の発明は、上記構成に加え、前記スピン注入部の注入接合部が、トンネル接合可能であることを特徴とする
請求項記載の発明は、スピン偏極部と第2の磁性層との間に流す電流が、1mA以下であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、スピン注入部のスピン偏極部において、強磁性層の第1の非磁性層に接していない面に強磁性層のスピンを固定する反強磁性層がさらに設けられていることを特徴とする、
このような構成のスピン注入デバイスでは、外部磁界を印加しないで、スピン偏極部から注入接合部を介してスピン注入すると、SyAFのスピンが反平行状態を維持したまま磁化反転する。したがって、本発明のスピン注入デバイスはより小さな電流密度で磁化反転を起こすことができる。
本発明のスピン注入磁気装置のうち、請求項記載の発明は、単層の強磁性層からなり磁化方向が固定されているスピン偏極部とスピン偏極部上に形成される第1のトンネル絶縁層からなる注入接合部とを有するスピン注入部と、注入接合部上に形成されるSyAFと、SyAF上に形成される第2のトンネル絶縁層と、第2のトンネル絶縁層上に形成され磁化がスピン偏極部と同一方向の単層の強磁性固定層と、を備え、SyAFは、第1の磁性層と第1の磁性層上に形成される非磁性層と非磁性層上に形成される第2の磁性層とからなり、第1の磁性層と第2の磁性層とは磁化の大きさが異なり、且つ、非磁性層を介して磁気的に反平行に結合しており、SyAFの非磁性層は、Ru、Ir及びRhの何れかでなり、SyAFの磁化反転に必要な磁場Hswは、下記式(1)で表され、SyAFの第1の磁性層と第2の磁性層の磁化は、下記式(1)においてM11とM22との大きさが異なるようにされ、第1の磁性層と第2の磁性層は、単磁区構造とするためにアスペクト比kが2以下とされており、スピン偏極部の強磁性層、SyAFの第1の磁性層及びSyAFの第2の磁性層の何れかは、B2またはA2の結晶構造を有しているCo 2 Fe x Cr 1-x 1−xAl(0≦x≦1)からなり、外部磁界を印加しないで、且つ、スピン偏極部と強磁性固定層との間に電流を流してスピン偏極電子を注入することで、第1の磁性層及び第2の磁性層の磁化が反平行状態を維持したまま磁化反転する構成としたものである。
Hsw=2Ku/ΔM+C(k)(t1+t2)ΔM/w (1)
ここで、ΔM=(t1+t2)/(M11−M22)である。
Kuは一軸磁気異方性、C(k)はアスペクト比kに依存する反磁界係数、wはSyAFの幅である。t1、t2は、それぞれ第1の磁性層及び第2の磁性層の厚さである。M1、M2は、それぞれ第1の磁性層及び第2の磁性層の飽和磁化である。
請求項記載の発明は、スピン注入部のスピン偏極部において、強磁性層の第1のトンネル絶縁層に接していない面に強磁性層のスピンを固定する反強磁性層が接してさらに設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、スピン注入部の注入接合部をワード線としたことを特徴とする。
この構成のスピン注入磁気装置では、外部磁界を印加しないでスピン注入するとフリー層の磁化反転が起き、固定層の磁化と平行又は反平行となることによりトンネル磁気抵抗効果が出現する。したがって、本発明のスピン注入磁気装置は、より小さな電流密度でスピン注入によるフリー層の磁化反転を起こすことができる。
本発明のスピン注入デバイスによれば、外部磁界を印加しないで、小さな電流密度で磁化反転を起こすことができるという効果を有する。また本発明のスピン注入磁気装置は、外部磁界を印加しないで、より小さな電流密度でスピン注入によるMTJのフリー層の磁化反転を起こすことができる。
したがって、超ギガビット大容量・高速・不揮発のMRAMをはじめ種々の磁気装置や磁気メモリ装置に利用可能になる。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
図1は本発明のスピン注入デバイスの概念図であり、(a)はSyAFのスピンが下向きの状態、(b)はスピン注入によりSyAFのスピンが上向きになった状態を示す概念図である。
図1に示すように、本発明のスピン注入デバイス10は、スピン偏極部9と注入接合部7とを有するスピン注入部1と、反強磁性結合する非磁性層2を介して第1の磁性層4と第2の磁性層6とが三層構造を形成するSyAF3とを備え、これらが積層構造を形成する。
まず、本発明に係るSyAF3について説明する。
強磁性体が単層膜の磁化反転に必要な磁場Hswは、一軸磁気異方性Ku、飽和磁化Ms,膜厚t、幅wを用いて一般に次の式(2)で与えられる。
Hsw=2Ku/Ms+C(k)tMs/w (2)
ここで、第1項は磁気異方性による項、第2項は反磁界による項である。
一方、同様に単磁区構造をとる場合、二つの強磁性層の膜厚t1 、t2 、飽和磁化M1 、M2 をもつSyAFの磁化反転磁場は次式(3)で与えられる。
Hsw=2Ku/ΔM+C(k)(t1 +t2 )ΔM/w (3)
ここで、ΔM=(t1 +t2 )/(M1 1 −M2 2 )、wはSyAFの幅である。
上記式(2)及び式(3)において、C(k)はアスペクト比kに依存する反磁界係数であり、kが1に近づくほど小さくなり、k=1ではC(k)=0である。
微小な素子の場合、一般に式(2)、式(3)ともに第2項の方が第1項を上回るので、またΔM<Msであるから、wが同じときSyAFの方が磁化反転磁場が小さくなる。一方、C(k)はk=1のときゼロとなるので、磁化反転磁場は式(2)、式(3)の第1項、すなわち磁気異方性によって決定され、素子サイズに依存しなくなる。
しかし、単層膜の場合にはkが少なくとも2以下では多磁区構造となるため、磁化反転磁場は式(2)では与えられず、その値は、より大きくなるとともに素子サイズに依存する。したがって、単層膜の場合にはk≦2の素子は現実的でない。
ところが本発明者らは、本発明に係るSyAFの場合にはk≦2、特にk=1でも単磁区構造になることを見出した。その結果、本発明に係るSyAFは、より小さな磁化反転磁場を得ることができ、特にk=1の素子では磁化反転磁場は素子サイズに依存しない。本発明はこの発見に基づいており、SyAFにスピン偏極電子を注入することで、より小さな電流密度で磁化反転を実現することができる。特に、k=1の場合にはC(k)がゼロになるため、磁化反転磁場が著しく小さくなる。
このような本発明に係るSyAF3は、図1(a)及び(b)を参照して、非磁性層2を介して第1の磁性層4と第2の磁性層6との二つの磁性層が互いに反平行に磁気結合している三層構造であり、それぞれの膜厚はナノメーターサイズで形成されている。このSyAF3にスピン注入部1の非磁性金属層の注入接合部7を介して強磁性層のスピン偏極部9からスピン注入することで、SyAF3の磁化反転を実現する。
非磁性層2はこれを介した両磁性層の磁化を反強磁性結合させる物質であり、この反強非磁性層として、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)が利用可能である。なお、図1(a)中、5及び8は電流を流すための端子を示している。強磁性層及び磁性層は導電体であるので電極との兼用ができるが、電極を別に設けて電流を流してもよい。
図1(b)に示すように、本発明に係るSyAF3においては、第1の磁性層4のスピンと第2の磁性層6のスピンとが反平行状態を維持したまま磁気的に結合している。すなわち、第1の磁性層4の磁化と第2の磁性層6の磁化とは、大きさの異なる反平行状態の磁化、つまり大きさの異なる反平行状態のスピンを有している。
第1の磁性層4の厚さをt1 、磁化をM1 とし、第2の磁性層6の厚さをt2 、磁化をM2 とすると、磁化の大きい方の向き(t1 1 −t2 2 )を図1中の強磁性層9のスピンを示す矢印に対してSyAFのスピンの向き↑又は↓とすることができる。SyAF3の磁性層4及び磁性層6の反平行磁化の大きさに差異を設けるには、t1 1 とt2 2 とが異なるようにすればよい。
スピン注入部1は強磁性層からなるスピン偏極部9と非磁性導電層からなる注入接合部7とを積層した構造であり、非磁性導電層の注入接合部7はナノメーターサイズである。ここで、ナノメーターサイズとは電子がその運動量とスピンを保存したまま伝導可能な大きさを意味する。つまり、この注入接合部7はスピン保存伝導可能な大きさである。
金属の場合、電子の平均自由行程は1μm以下であり、この1μm以下のサイズの素子では、注入されたスピンは緩和することなく他方に流れ込むことができる。
スピン注入部1の注入接合部7は図2に示すように非磁性絶縁層12であってもよい。この非磁性絶縁層12はトンネル電流が流れるトンネル接合可能な大きさのナノメーターサイズであり、数nmである。
強磁性層からなるスピン偏極部9は強磁性体であるが、伝導を担うフェルミ面でのアップスピン電子とダウンスピン電子の数が異なっており、この強磁性層のスピン偏極部9からスピン偏極した電子が非磁性金属層の注入接合部7に流れ込むようになっている。
このような本発明に係るスピン注入デバイスでは、1ミリアンペア(mA)以下の非常に小さな電流を流して、膜面内垂直方向に強磁性層のスピン偏極部9から非磁性金属層(又は非磁性絶縁層12)の注入接合部7を介してスピン注入すると、SyAF3の磁性層4のスピンと磁性層6のスピンとが反平行状態を維持したまま磁化反転する。したがって、本発明のスピン注入デバイスでは、より小さな電流密度でスピン注入による磁化反転ができる。これにより電流を流して磁界を印加することなく、微小な電流を流すだけでスピン注入磁化反転ができるので、ロジック、メモリ及びストレージを備えたスピン注入デバイスが実現可能となる。
次に、第2の実施の形態を説明する。図3は本発明のスピン注入デバイスに係る第2の実施形態を示す概略図である。図3を参照すると、この実施形態のものは、スピン偏極部9が反強磁性層21と強磁性層23とを有する構造であり、強磁性層23に反強磁性層21を近接させることで強磁性層23のスピンを固定している。また、注入接合部はスピン保存伝導可能な非磁性金属層25であり、これに代えてトンネル接合可能な絶縁層を用いてもよい。このような構成ではスピン偏極部のスピンを固定してスピン注入し、SyAFの磁化反転ができる。
次に、第3の実施の形態を説明する。図4は第3の実施形態のスピン注入デバイスを示す概略図である。図4を参照すると、このスピン注入デバイス14は、反強磁性層21と強磁性固定層26とからなるスピン偏極部9と、強磁性固定層に接して設けられる注入接合部となる非磁性層7と、非磁性層7上に強磁性フリー層27及び非磁性層28からなる二層構造を備えている。
スピン注入部1は、スピン偏極部9と注入接合部7とからなっていて、スピン偏極部9において、強磁性固定層26に反強磁性層21を近接させることで強磁性固定層26のスピンを固定している。
また、注入接合部7はスピン保存伝導可能なCuなどの非磁性金属層25であり、これに代えてトンネル接合可能な絶縁層12を用いてもよい。
第3実施形態のスピン注入デバイス14が図3に示したスピン注入デバイスと異なるのは、SyAF3の代りに強磁性フリー層27及び非磁性層28を備えていることである。非磁性層28は強磁性フリー層27との界面において、多数(マジョリティ)スピンを反射させ、少数(マイノリティ)スピンを透過させるために設けている。したがって、非磁性層28の膜厚は、少数スピンがスピンを保存したまま動ける距離、すなわちスピン拡散長以内にしておけばよい。
ここで、強磁性フリー層27としてはCoまたはCo合金を用いることができる。非磁性層28としては、Ru、Ir、Rhが利用可能であり、特にRuを用いるのが好適である。また、Ruのスピン拡散長は14nmであることが知られており、Ruの膜厚は0.1nm〜20nmとすればよい。以下、強磁性フリー層27にCoまたはCo合金を用い、非磁性層28にRuを用いるとして説明する。
図5は上記第3の実施形態のスピン注入デバイス14の磁化反転を説明する模式図である。図5において、強磁性固定層26から強磁性フリー層27へ電子が注入されると、多数スピン電子17が強磁性フリー層27の磁化を強磁性固定層26の磁化に揃うようにトルク18を与える。この際、CoまたはCo合金27とRu28の界面においては、多数スピン電子が強く散乱(反射)され、少数スピン電子はあまり散乱を受けない(透過)ことが知られている。
したがって、図5に示すように、CoまたはCo合金27とRu28の界面において反射された多数スピン電子19は、CoまたはCo合金27の膜厚がスピン伝導が保存される程度に薄ければ、この反射された多数スピン電子19も強磁性フリー層27に同様のトルク18’を与える。これにより、実質的に強磁性フリー層27のトルクが増大し、強磁性固定層26の磁化と同じ向きになる。
一方、電流の向きを逆に与え、Ru層28からCoまたはCo合金27側に電子を注入すると、多数スピン電子はCoまたはCo合金27とRu28の界面で反射され、少数スピン電子だけがCoまたはCo合金からなる強磁性フリー層27に注入され、この少数スピン電子が強磁性フリー層27のスピンにトルクを与え、そのスピンを同じ向き、つまり下向きにそろえようとする。これにより、強磁性フリー層27の少数スピン電子によるトルクが増大し、強磁性フリー層27のスピンは強磁性固定層26の磁化と反平行になる。 このように本発明のスピン注入デバイス14によれば、非磁性層28の挿入により、スピン偏極部9のスピンを固定してスピン注入し、強磁性フリー層27の磁化反転を従来のスピン注入磁化反転よりも低い電流密度で行うことができる。
さらに、第4の実施の形態のスピン注入デバイスを図6を参照して説明する。この実施形態のスピン注入デバイス16が図4に示したスピン注入デバイス14と異なるのは、非磁性層28上にさらに強磁性固定層29を備えている点にある。他の構成は図4に示すスピン注入デバイス14と同じであるので説明は省略する。
ここで、強磁性フリー層27及び強磁性固定層29は、SyAF3のようにそれらの磁化が反平行とならないように、かつ、スピン保存伝導が生起するように非磁性層28の膜厚を決めればよい。したがって、強磁性フリー層27及び強磁性固定層29としてCoまたはCo合金を、非磁性層28としてRuを用いた場合には、Ruの厚さは、SyAF3とならないように、2〜20nm程度とすればよい。
次に、上記第4の実施形態のスピン注入デバイス16の動作について説明する。
図6において、強磁性固定層26から強磁性フリー層27へ電子が注入された場合には、第3実施形態のスピン注入デバイス14と同様に、CoまたはCo合金からなる強磁性フリー層27の磁化は、強磁性固定層26の磁化と同じ向きになる。
一方、電流の向きを逆に与えた場合を、図7を参照して説明する。
図7は、第4実施形態のスピン注入デバイス16の磁化反転を説明する模式図である。図7において、強磁性固定層29から強磁性フリー層27へ電子が注入されると、多数スピン電子37が強磁性固定層29とRu層28の界面で強く反射され、強磁性フリー層27へは到達しない。この際、CoまたはCo合金27の膜厚がスピン伝導が保存される程度に薄ければ、少数スピン電子39は散乱を受けないので強磁性フリー層27に到達し、強磁性フリー層27のスピンを揃えるようにトルク38を与える。したがって、強磁性フリー層27の磁化は、強磁性固定層26とは反平行となる。これにより、Ru層28がない場合よりも、多数スピン電子37が強磁性フリー層27に到達しなくなり、より小さい電流密度で磁化反転ができる。
このように、本実施形態のスピン注入デバイス16によれば、スピン偏極部9のスピンを固定してスピン注入し、SyAF3の代りに用いる強磁性フリー層27、非磁性層28,強磁性固定層29において、強磁性フリー層27の磁化反転を低電流密度で行うことができる。
上記スピン注入デバイスにおいて、強磁性フリー層27の磁化反転が起こるとき、強磁性固定層26の磁化と平行又は反平行となることにより、反強磁性層21と強磁性固定層26とCuなどの非磁性金属層25からなる注入接合部7と強磁性フリー層27とを含む層構造は、CPP型の巨大磁気抵抗効果素子と同じように、巨大磁気抵抗効果が生じる。 また、非磁性層7がトンネル接合可能な絶縁層12である場合に強磁性フリー層27の磁化反転が起こると、反強磁性層21と強磁性固定層26とトンネル接合可能な絶縁層12と強磁性フリー層27とを含む層構造は、CPP型のトンネル磁気抵抗効果素子と同じように、トンネル磁気抵抗効果が生じる。
次に、本発明のスピン注入磁気装置について説明する。図8は本発明のスピン注入磁気装置の概略図である。スピン注入磁気装置30は、フリー層としたSyAF3と、強磁性層32及び反強磁性層34からなる固定層31とが、絶縁層33でトンネル接合した強磁性スピントンネル接合(MTJ)素子36であって、このMTJ素子36に強磁性層であるフリー層を磁化反転させるためのスピン注入部1を備えている。スピン注入部1は注入接合部をトンネル接合可能な絶縁層12にしたものである。
このようなスピン注入磁気装置では、強磁性層23から絶縁層12を介してSyAF3にスピン注入すると、このSyAF3の磁化が反転する。このSyAF3であるフリー層の磁化が↑又は↓に反転して固定層31の磁化と平行又は反平行となることにより、トンネル磁気抵抗(TMR)効果が出現する。したがって、このスピン注入磁気装置30は、より小さな電流密度でスピン注入によるフリー層の磁化反転を起こすことができる。
上記スピン注入磁気装置において、SyAF3を、図4に示した第3実施形態のスピン注入デバイス14の強磁性フリー層27及び強磁性自由層上に設ける非磁性層28からなる二層構造に代えた構成としてもよい。
また、上記スピン注入磁気装置において、SyAF3を、図6に示した第4実施形態のスピン注入デバイス16の強磁性フリー層27、非磁性層28、非磁性層上に設ける強磁性層29からなる三層構造に代えた構成としてもよい。
このように本発明のスピン注入磁気装置は、超ギガビット大容量・高速・不揮発メモリに利用可能になる。
このようなスピン注入磁気装置では、フリー層のSyAFをトンネル接合可能な絶縁膜で挟み又は覆って、このSyAFに対応する部分のスピン注入部でワード線として結合して微細加工し、固定層側の強磁性層にビット線を連結して微細加工することにより、MRAMやスピン注入磁気メモリ装置の基本構造とすることができる。
ここで、フリー層はSyAFの他には、強磁性フリー層27及び非磁性層28からなる二層構造または強磁性フリー層27、非磁性層28、非磁性層上に設ける強磁性層29からなる三層構造を用いることができる。
次に、本発明のスピン注入デバイスやスピン注入磁気装置に用いることができる磁性薄膜について説明する。
図9は、本発明に用いることができる磁性薄膜の断面図である。図9に示すように、磁性薄膜41は、基板42上に、室温においてCo2 Fex Cr1-x Al薄膜43を配設している。ここで、0≦x≦1である。
Co2 Fex Cr1-x Al薄膜43は、室温で強磁性であり、電気抵抗率が190μΩ・cm程度であり、かつ、基板を加熱することなくL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を有している。
さらに、上記Co2 Fex Cr1-x Al薄膜43を配設した基板を加熱することで、スピン分極率の大きいL21 構造のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜43が得られやすい。ここで、基板42上のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜43の膜厚は、1nm以上1μm以下であればよい。
図10は、本発明に用い得る磁性薄膜の変形例の断面図である。本発明に用いる磁性薄膜45は、図9の磁性薄膜41の構造において、さらに基板42とCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜43との間にバッファー層44が挿入されている。バッファー層44を挿入することで、基板41上のCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜43の結晶性をさらによくすることができる。
上記磁性薄膜41,45に用いる基板42は、熱酸化Si、ガラスなどの多結晶、MgO、Al2 3 、GaAsなどの単結晶を用いることができる。また、バッファー層44としては、Al,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeなどを用いることができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜43の膜厚は、1nm以上で1μm以下であればよい。この膜厚が1nm未満では実質的に後述するL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を得るのが困難になり、そして、この膜厚が1μmを超えるとスピン注入デバイスとしての応用が困難になり好ましくない。
次に、上記構成の磁性薄膜の作用を説明する。
図11は、磁性薄膜に用いるCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)の構造を模式的に説明する図である。図に示す構造は、bcc(体心立方格子)の慣用的単位胞の8倍(格子定数で2倍)の構造を示している。
Co2 Fex Cr1-x AlのL21 構造においては、図9のIの位置にFeとCrが組成比としてFex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置され、IIの位置にAl、III とIVの位置にCoが配置される。
また、Co2 Fex Cr1-x AlのB2構造においては、図9のIの位置とIIの位置に、FeとCrとAlが不規則に配列される構造となる。この際、FeとCrの組成比は、Fex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置される。
さらに、Co2 Fex Cr1-x AlのA2構造においては、Co,Fe,CrおよびAlが不規則に置換した構造となる。この際、FeとCrの組成比は、Fex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置される。
次に、上記構成の磁性薄膜41,45の磁気的性質を説明する。
上記構成のCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜43は、室温で強磁性であり、かつ、基板を加熱することなくL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜が得られる。
さらに、上記構成のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜43(ここで、0≦x≦1)は膜厚が数nm程度の非常に薄い膜においてもL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造が得られる。
ここで、Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜のB2構造は、従来得られていない特異な物質である。B2構造は、L21 構造と類似しているが、異なるのはL21 構造では、Cr(Fe)とAl原子が規則的に配置しているのに対し、B2構造は、不規則に配列していることである。また、A2構造は、Co,Fe,CrおよびAlが不規則に置換した構造となる。これらの違いはX線回折で測定することができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al薄膜43の組成xにおいて、0≦x≦0.8の範囲内では、特に、基板を加熱することなくL21 ,B2の何れか一つの構造を得ることができる。また、0.8≦x≦1.0では、A2構造が得られる。
また、組成xにおいて、0≦x≦1の範囲内で、加熱した基板上のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜の成膜や、基板を加熱することなく成膜した後の熱処理などにより、L21 またはB2構造が得られる。
上記構成の磁性薄膜41,45がハーフメタルであることを実験的に明らかにすることは難しいが、定性的にはトンネル接合を有するトンネル磁気抵抗効果素子を作製し、それが100%を超えるような非常に大きなTMRを示す場合にはハーフメタル的と考えることができる。
絶縁膜の片側にCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜43を強磁性層として用い、絶縁膜の他方の強磁性層にスピン分極率が0.5のCoFe合金を用いてトンネル磁気抵抗効果素子を作製した結果、100%を超える大きなTMRを得た。
これは(1)式から考えて、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜43が、P=0.7以上のスピン分極率をもつことを示している。このような大きなTMRを得ることができたのは、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が大きなスピン分極率を有していることのほかに、室温でL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造が得られるという発見に基づく。
これにより、磁性薄膜41,45によれば、基板を加熱する必要がなく、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜43が1nm以上の厚みで強磁性特性を得ることができる。これは、表面が酸化したり表面粗さが増大したりすることがなく、トンネル接合の界面をクリーンでかつシャープに作製することができたことにより、大きなスピン分極率とトンネル磁気抵抗効果素子において大きなTMRを得ることができるものと推察される。
上記磁性薄膜41,45は、本発明のスピン注入デバイスに用いるSyAF3の第1及び第2の磁性層、あるいは、スピン注入部の強磁性層9などに用いることができる。また、磁性薄膜41,45は、本発明のスピン注入デバイス14,16に用いる反強磁性層21と強磁性固定層26とCuなどの非磁性金属層25と強磁性フリー層28とからなる層構造であるCPP型巨大磁気抵抗効果素子構造や、反強磁性層21と強磁性固定層26とトンネル接合可能な絶縁層12と強磁性フリー層28とからなる層構造であるトンネル磁気抵抗効果素子構造に用いることができる。さらに、本発明のスピン注入磁気装置に用いるMTJ素子あるいはトンネル磁気抵抗効果素子の強磁性層に用いることができる。
次に、実施例1について説明する。実施例1は、図4に示すスピン注入デバイス14の構造に相当するものである。
マグネトロンスパッタ法を用いて、熱酸化Si基板上にTa(2nm)/Cu(20nm)/IrMn(10nm)/Co90Fe10(5nm)/Cu(6nm)/Co90Fe10(2.5nm)/Ru(0.45nm)/Cu(5nm)/Ta(2nm)を順にスパッタした。
ここで、熱酸化Si基板上及びその最上層のTaとCuからなる層は電極となる層である。IrMn層及びCo90Fe10層は、それぞれ、反強磁性層21及び強磁性固定層26からなるスピン偏極部9である。Cuは注入接合部7である。Co合金のCo90Fe10及びRuは非磁性層7のCu上に配設した強磁性フリー層27及び非磁性層28である。
次に、この膜を電子ビームリソグラフィとArイオンミリングを用いて微細加工し、図4に示すようなスピン注入デバイス14を作製した。素子サイズは300×100nm2 である。
図12は室温における実施例1のスピン注入デバイス14のスピン注入磁化反転を示す図である。図において、横軸は、強磁性フリー層27から強磁性固定層26への電流を正方向としたときのスピン注入デバイス電流(mA)を示し、縦軸はそのときの抵抗(Ω)を示している。最初に、スピン注入デバイス14に外部磁界Hを印加して、反平行状態、すなわち高抵抗の初期状態とした。このときの外部磁界Hは、50Oe(エルステッド)である(図12のA参照)。
図から明らかなように、Aに示す微小電流の高抵抗状態から、正の向きにBで示す約5mAまで電流を流していくと抵抗が急激に減少し、磁化反転していることが分かる。さらに、電流を20mAまで増加してもこの低抵抗状態が保持されていることが分かる(図12のB〜C参照)。
次に、電流を減少し、さらに負の方向に印加すると、約−7.5mAまでは低抵抗を保持する(図12のC〜D参照)。それ以上の負電流を印加すると再び高抵抗状態になり、磁化反転することが分かる(図12のE〜F参照)。この磁化反転に要する電流密度は、2.4×107 A/cm2 であり、後述する比較例に比べ約1/10となった。また、磁気抵抗(MR)は図示するように0.97%であり、後述する比較例のスピン反転構造における磁気抵抗と同じ値が得られた。
これにより、実施例1のスピン注入デバイス14においては、それに流す電流の向きを変えて、強磁性フリー層27の磁化反転を発現させることで、その抵抗を変化させることができる。
次に、実施例2について説明する。実施例2は、図6に示すスピン注入デバイス16の構造に相当するものである。
マグネトロンスパッタ法を用いて、熱酸化Si基板上にTa(2nm)/Cu(20nm)/IrMn(10nm)/Co90Fe10(5nm)/Cu(6nm)/Co90Fe10(2.5nm)/Ru(6nm)/Co90Fe10(5nm)/Cu(5nm)/Ta(2nm)を順にスパッタした。
ここで、熱酸化Si基板上及びその最上層のTaとCuからなる層は電極となる層である。IrMn層及びCo90Fe10層は、それぞれ、反強磁性層21と強磁性固定層26とからなるスピン偏極部9である。Cuは注入接合部7である。Co合金のCo90Fe10,Ru,Co90Fe10は、それぞれ、非磁性層7のCu上に配設した強磁性フリー層27,非磁性層28,強磁性層29である。
実施例2のスピン注入デバイス16が実施例1のスピン注入デバイス14と異なるのは、Co90Fe1027上のRu28の膜厚を0.45nmから6nmと厚くしたことと、強磁性層29として膜厚5nmのCo90Fe10層29を設けたことである。
次に、実施例1と同じ方法で、素子サイズが100×100nm2 のスピン注入デバイス16を作製した。
図13は、室温における実施例2のスピン注入デバイス16のスピン注入磁化反転を示す図である。図において、横軸は、強磁性フリー層27から強磁性固定層26への電流を正方向としたときのスピン注入デバイス電流(mA)を示し、縦軸はそのときの抵抗(Ω)を示している。高抵抗の初期状態とするために印加した外部磁界Hは、150Oeである。
図から明らかなように、実施例2のスピン注入デバイス16は、実施例1のスピン注入デバイス14と同様に電流が±約0.2mAで抵抗が変化し、磁化反転が発現することが分かる。この磁化反転に要する電流密度は1×106 A/cm2 となった。この値は、実施例1の約1/24となり、後述する比較例の約1/200である。また、磁気抵抗は約1%であり、後述する比較例の磁気抵抗(MR)と同じ値が得られた。このように、非磁性層28であるRuの膜厚を6nmとすることにより、磁化反転に要する電流密度を低くすることができた。
次に、実施例3について説明する。実施例3は、図8に相当する構造に対するものである。
マグネトロンスパッタ法を用いて、熱酸化Si基板上にCu(100nm)/NiFe(3nm)/IrMn(10nm)/Co90Fe10(3nm)をまず作製した。次にこの膜の上に厚さ3nmのSiO2 をスパッタし、さらにその上にCo90Fe10(1nm)/Ru(0.45nm)/Co90Fe10(1.5nm)/SiO2 (3nm)をスパッタした。次に、上部磁性層として、Co90Fe10(10nm)/IrMn(10nm)/Ta(5nm)を成膜した。
この膜の断面を透過型電子顕微鏡を用いて調べた結果、Co90Fe10(1nm)/Ru(0.45nm)/Co90Fe10(1.5nm)はSiO2 中に一層だけ層状に分散した粒子状をしており、SiO2 を絶縁マトリックスとする二重トンネル構造であることがわかった。この構造に対して、上下のCuとTa膜間に電圧を印加して電流を流し、そのときの抵抗を電流を変化させて室温で測定した結果、約0.1mAで抵抗の飛びを観測した。これはCo90Fe10(1nm)/Ru(0.45nm)/Co90Fe10(1.5nm)SyAFの磁化反転に伴うTMRの発現によるものであり、スピン注入によって磁化反転したことを意味している。
(比較例)
次に、比較例について説明する。
比較例は、図15に示す従来のスピン反転法に用いる三層構造の第1の強磁性層61上にさらに反強磁性層を設けた構造である。すなわち、実施例1のスピン注入デバイス14においてRu層のない構造として、熱酸化Si基板上にTa(2nm)/Cu(20nm)/IrMn(10nm)/Co90Fe10(5nm)/Cu(6nm)/Co90Fe10(2.5nm)/Cu(5nm)/Ta(2nm)を順にスパッタした。次に、実施例1と同じ方法で、素子サイズを300×100nm2 とした。
図14は、室温における比較例の(a)磁気抵抗曲線と、(b)スピン注入磁化反転を示す図である。図14(a)において、横軸は印加する磁界(Oe)であり、縦軸は抵抗(Ω)である。素子電流は1mAである。磁気抵抗は、外部磁界が0(図14(a)のG参照)からスイープして測定した。
図14(a)から明らかなように、比較例の磁気抵抗(MR)は1.1%と、従来報告された値と同じ値であることが分かる。また、図14(b)において、横軸は、第2の強磁性層63から第1の強磁性層61へ電流を流した場合を正方向とした電流(mA)を示し、縦軸はそのときの抵抗(Ω)を示している。図14(b)から明らかなように、電流がほぼ0から矢印の方向に電流を正から負にすることで、実施例1と同様に磁化反転が発現した(図14(b)のK〜L参照)。磁気抵抗は0.98%で、磁化反転に要する電流密度は2.4×108 A/cm2 であった。
次に、実施例及び比較例の比較について説明する。
実施例においては、磁化反転に要する電流密度が、比較例よりも低下した。特に、実施例2のようにRu層28の膜厚を2〜20nmの範囲内とすれば、磁化反転に要する電流密度が1×106 A/cm2 となり、従来例の1/10の値に低減化できることが分かった。
本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明の第1の実施形態のスピン注入デバイスの概念図であり、(a)はSyAFのスピンが下向きの状態、(b)はスピン注入によりSyAFのスピンが上向きになった状態を示す概念図である。 注入接合部が非磁性絶縁層である第1の実施形態のスピン注入デバイスの概略図である。 本発明のスピン注入デバイスの第2の実施形態を示す概略図である。 本発明のスピン注入デバイスの第3の実施形態を示す概略図である。 第3の実施形態のスピン注入デバイスの磁化反転を説明する模式図である。 本発明のスピン注入デバイスの第4の実施形態を示す概略図である。 第4の実施形態のスピン注入デバイスの磁化反転を説明する模式図である。 本発明のスピン注入磁気装置の概略図である。 本発明に用いることができる磁性薄膜の断面図である。 本発明に用いることができる磁性薄膜の変形例の断面図である。 磁性薄膜に用いるCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)の構造を模式的に説明する図である。 室温における実施例1のスピン注入デバイスのスピン注入磁化反転を示す図である。 室温における実施例2のスピン注入デバイスのスピン注入磁化反転を示す図である。 室温における比較例の(a)磁気抵抗曲線と、(b)スピン注入磁化反転を示す図である。 従来のスピン磁化反転の原理を示す概略図である。
符号の説明
1: スピン注入部
2: 非磁性層
3: SyAF
4: 第1の磁性層
6: 第2の磁性層
7: 注入接合部
9: スピン偏極部
10,14,16: スピン注入デバイス
12: 非磁性絶縁層
17,37: 多数スピン電子
18,18’,38: トルク
19: CoまたはCo合金とRuの界面において反射された多数スピン電子
21: 反強磁性層
23: 強磁性層
25: 非磁性金属層
27: 強磁性自由層
28: 強磁性自由層上に設ける非磁性層
29: 非磁性層上に設ける強磁性層
30: スピン注入磁気装置
31: 固定層
32: 強磁性層
33: 絶縁層
36: MTJ素子
39: 少数スピン電子
41,45: 磁性薄膜
42: 基板
43: Co2 Fex Cr1-x Al薄膜
44: バッファー層

Claims (7)

  1. 単層の強磁性層からなり磁化方向が固定されているスピン偏極部と該スピン偏極部上に形成され第1の非磁性層からなる注入接合部とを有するスピン注入部と、
    上記注入接合部上に形成されるSyAFと、を備え、
    上記SyAFは、第1の磁性層と該第1の磁性層上に形成される第2の非磁性層と該第2の非磁性層上に形成される第2の磁性層とからなり、該第1の磁性層と該第2の磁性層とは磁化の大きさが異なり、且つ、該第2の非磁性層を介して磁気的に反平行に結合しており、
    上記第1の非磁性層は、絶縁層からなり、
    上記第2の非磁性層は、Ru、Ir及びRhの何れかでなり、
    上記SyAFの磁化反転に必要な磁場Hswは、下記式(1)で表され、
    上記SyAFの上記第1の磁性層と上記第2の磁性層の磁化は、下記式(1)においてM11とM22との大きさが異なるようにされ、
    上記第1の磁性層と上記第2の磁性層は、単磁区構造とするためにアスペクト比kが2以下とされており、
    上記スピン偏極部の強磁性層、上記SyAFの第1の磁性層及び上記SyAFの第2の磁性層の何れかは、B2またはA2の結晶構造を有しているCo 2 Fe x Cr 1-x Al(0≦x≦1)からなり、
    外部磁界を印加しないで、且つ、上記スピン偏極部と上記第2の磁性層との間に電流を流してスピン偏極電子を注入することで、上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の磁化が反平行状態を維持したまま磁化反転する、スピン注入デバイス。
    Hsw=2Ku/ΔM+C(k)(t1+t2)ΔM/w (1)
    ここで、ΔM=(t1+t2)/(M11−M22)である。
    Kuは一軸磁気異方性、C(k)はアスペクト比kに依存する反磁界係数、wはSyAFの幅である。t1、t2は、それぞれ上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の厚さである。M1、M2は、それぞれ上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の飽和磁化である。
  2. 前記スピン注入部の注入接合部が、トンネル接合可能であることを特徴とする、請求項に記載のスピン注入デバイス。
  3. 前記スピン偏極部と前記第2の磁性層との間に流す電流が、1mA以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスピン注入デバイス。
  4. 前記スピン注入部のスピン偏極部において、前記強磁性層の前記第1の非磁性層に接していない面に該強磁性層のスピンを固定する反強磁性層がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載のスピン注入デバイス。
  5. 単層の強磁性層からなり磁化方向が固定されているスピン偏極部と該スピン偏極部上に形成される第1のトンネル絶縁層からなる注入接合部とを有するスピン注入部と、
    上記注入接合部上に形成されるSyAFと、
    上記SyAF上に形成される第2のトンネル絶縁層と、
    上記第2のトンネル絶縁層上に形成され磁化が上記スピン偏極部と同一方向の単層の強磁性固定層と、を備え、
    上記SyAFは、第1の磁性層と該第1の磁性層上に形成される非磁性層と該非磁性層上に形成される第2の磁性層とからなり、該第1の磁性層と該第2の磁性層とは磁化の大きさが異なり、且つ、該非磁性層を介して磁気的に反平行に結合しており、
    上記SyAFの非磁性層は、Ru、Ir及びRhの何れかでなり、
    上記SyAFの磁化反転に必要な磁場Hswは、下記式(1)で表され、
    上記SyAFの上記第1の磁性層と上記第2の磁性層の磁化は、下記式(1)においてM11とM22との大きさが異なるようにされ、
    上記第1の磁性層と上記第2の磁性層は、単磁区構造とするためにアスペクト比kが2以下とされており、
    上記スピン偏極部の強磁性層、上記SyAFの第1の磁性層及び上記SyAFの第2の磁性層の何れかは、B2またはA2の結晶構造を有しているCo 2 Fe x Cr 1-x 1−xAl(0≦x≦1)からなり、
    外部磁界を印加しないで、且つ、上記スピン偏極部と上記強磁性固定層との間に電流を流してスピン偏極電子を注入することで、上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の磁化が反平行状態を維持したまま磁化反転する、スピン注入磁気装置。
    Hsw=2Ku/ΔM+C(k)(t1+t2)ΔM/w (1)
    ここで、ΔM=(t1+t2)/(M11−M22)である。
    Kuは一軸磁気異方性、C(k)はアスペクト比kに依存する反磁界係数、wはSyAFの幅である。t1、t2は、それぞれ上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の厚さである。M1、M2は、それぞれ上記第1の磁性層及び上記第2の磁性層の飽和磁化である。
  6. 前記スピン注入部のスピン偏極部において、前記強磁性層の前記第1のトンネル絶縁層に接していない面に該強磁性層のスピンを固定する反強磁性層が接してさらに設けられていることを特徴とする、請求項に記載のスピン注入磁気装置。
  7. 前記スピン注入部をワード線としたことを特徴とする、請求項又はに記載のスピン注入磁気装置。
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