JP4873157B2 - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッドおよびその製造方法、並びに、プリンタに関する。
一般に、インクジェットプリンタなどに用いられる液体噴射ヘッドのノズル板は、樹脂等の接着剤を用いてインク室基板に貼り合わせられている(例えば特許文献1参照)。この方法でノズルの高密度化を図ろうとすると、狭い接着しろによる接着強度不足や、接着剤のはみ出しによる圧力室容量のばらつきが生じる場合がある。
特開2003−152233号公報
本発明の目的は、ノズルの高密度化を容易にすることができる液体噴射ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、上記液体噴射ヘッドを有するプリンタを提供することにある。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、
基板の上方に弾性板を形成する工程と、
前記弾性板の上方に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極の上方に圧電体層を形成する工程と、
前記圧電体層の上方に上部電極を形成する工程と、
前記基板に開口部を形成する工程と、
前記基板を被覆するように該基板の下面側から保護層を形成する工程と、
前記保護層の形成後、前記開口部を埋めるように犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層の下方、および、前記保護層の直接下にノズル形成層を形成する工程と、
前記ノズル形成層をエッチングによりパターニングしてノズル孔を形成し、前記犠牲層を露出させる工程と、
前記犠牲層をエッチングにより除去して、圧力室を形成する工程と、を含む。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法によれば、後述する基体の直接下に前記ノズル形成層を形成することができる。即ち、接着剤などが前記基体と前記ノズル形成層の間に挟まれることがない。本発明の液体噴射ヘッドの製造方法によれば、接着剤などを用いることがないため、狭い接着しろによる接着強度不足や、接着剤のはみ出しによる圧力室容量のばらつきが生じることがない。従って、前記ノズル孔の高密度化を容易にすることができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下「B」という)を形成する」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法において、
前記犠牲層の除去工程では、前記保護層および前記ノズル形成層のエッチング速度は、前記犠牲層のエッチング速度よりも遅いことができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法において、
前記保護層は、酸化タンタルからなるように形成され、
前記ノズル形成層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなるように形成され、
前記犠牲層は、シリコンからなるように形成されることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法において、
前記保護層は、酸化タンタルからなるように形成され、
前記ノズル形成層は、シリコンからなるように形成され、
前記犠牲層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなるように形成されることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法において、
前記基板の上方にエッチングストッパ層を形成する工程と、
前記エッチングストッパ層の少なくとも一部、前記弾性板の一部、および前記保護層の一部を除去して貫通孔を形成する工程と、
前記ノズル形成層の下面に液体貯留部の蓋部材を貼り付ける工程と、を有し、
前記開口部を形成する工程では、前記基板を前記エッチングストッパ層が露出するまでエッチングして、他の開口部を形成し、
前記犠牲層を形成する工程では、前記他の開口部を埋めるように該犠牲層を形成し、
前記ノズル形成層をパターニングする工程では、前記他の開口部に埋められた前記犠牲層を露出させる孔部を形成し、
前記圧力室を形成する工程では、前記犠牲層を除去して、液体貯留部を形成することができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、
圧力室に通じるノズル孔を有するノズル形成層と、
前記ノズル形成層の上方に設けられた前記圧力室を覆う保護層と、
前記圧力室の側方に前記保護層を介して設けられた基板と、
前記保護層および前記基板の上方に形成された弾性板と、
前記弾性板の上方に形成された下部電極と、
前記下部電極の上方に形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された上部電極と、を含み、
前記ノズル形成層は、前記保護層に接している。
本発明に係るプリンタは、上述の液体噴射ヘッドを有する。
本発明に係るプリンタは、
上述した液体噴射ヘッドを有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを往復動させる駆動部と、
前記ヘッドユニットおよび前記駆動部を制御する制御部と、を含むことができる。
以下、本発明に好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. まず、本実施形態に係る液体噴射ヘッド100について説明する。ここでは、本実施形態に係る液体噴射ヘッド100がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明する。
図1は、液体噴射ヘッド100を概略的に示す断面図であり、図2は、液体噴射ヘッド100を概略的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。また、図2では、便宜上、基板10上の部材および保護層16の記載を省略している。
液体噴射ヘッド100は、図1および図2に示すように、ノズル形成層18と、基体1と、弾性板12と、下部電極22と、圧電体層24と、上部電極26と、を含む。基体1は、保護層16と、基板10と、を有する。液体噴射ヘッド100は、さらに、蓋部材30を有することができる。
蓋部材30としては、例えばステンレス鋼(SUS)製の圧延プレートなどを用いることができる。蓋部材30には、各ノズル孔60を露出させるための開口部32が設けられている。開口部32は、例えば、図2に示すように、複数のノズル孔60に対して、まとめて1つ設けられることができる。また、開口部32は、例えば、各ノズル孔60に対して、1つずつ設けられても良い。蓋部材30の上には、ノズル形成層18が固定されている。
ノズル形成層18は、圧力室64に通じるノズル孔(開口部)60を有する。圧力室64は、ノズル形成層18の上に設けられている。ノズル孔60からは液滴が吐出されることができる。ノズル孔60は、例えば複数設けられている。複数のノズル孔60は、例えば一列に配置されている。ノズル形成層18の直接上には、保護層16が設けられている。ノズル形成層18は、保護層16に接している。即ち、ノズル形成層18と保護層16との間には、接着剤などは設けられていない。
保護層16は、圧力室64を覆っている。保護層16は、少なくとも、圧力室64と基板10との間、および、圧力室64と弾性板12との間に設けられている。保護層16は、さらに、ノズル形成層18と基板10との間に設けられることもできる。保護層16は、例えば酸化タンタル(TaOx)からなることができる。保護層16は、圧力室64に充填される液体(インクなど)と基板10との反応を防ぐことができる。なお、ノズル形成層18には保護層16により覆われていない部分があるため、ノズル形成層18としては、液体(インクなど)に対して耐性のあるものが好ましく、例えば、酸化シリコン(SiO)層などが好ましい。
基板10は、圧力室64の側方に保護層16を介して設けられている。基板10は、ノズル形成層18の上方に設けられている。基板10は、液体貯留部(リザーバ)66の側方に保護層16を介して設けられている。基板10としては、例えば面方位(110)のシリコン基板を用いることができる。基板10は、ノズル形成層18と弾性板12との間の空間を、液体貯留部(リザーバ)66、複数の供給口65、および、複数の圧力室64として区画することができる。
液体貯留部66は、液体カートリッジ(図示せず)から供給される液体を、一時的に貯留することができる。液体貯留部66の上方に位置する保護層16、弾性板12、およびエッチングストッパ層14には、厚さ方向に貫通した貫通孔67が設けられている。この貫通孔67によって、液体カートリッジから液体貯留部66へ液体が供給される。そして、液体貯留部66から、各供給口65を通じて、各圧力室64へ液体が供給される。複数の圧力室64は、各ノズル孔60に対して1つずつ配設されている。ノズル孔60は、圧力室64と連続している。圧力室64の容積は、弾性板12の変形により可変である。この容積変化によって、圧力室64から液体が吐出される。
弾性板12は、保護層16および基板10の上に形成されている。弾性板12は、例えば、酸化シリコン(SiO)と酸化ジルコニウム(ZrO)をこの順に積層したものなどからなることができる。弾性板12の厚さは、例えば1μm程度である。
弾性板12の上には、下部電極22が形成されている。下部電極22は、圧電体層24に電圧を印加するための一方の電極である。下部電極22は、例えば、白金(Pt)、Ir(イリジウム)などやこれらの積層体からなることができる。下部電極22の厚さは、例えば150nm程度である。
下部電極22の上には、圧電体層24が形成されている。圧電体層24は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、チタン酸ジルコン酸鉛固溶体などの圧電材料からなることができる。チタン酸ジルコン酸鉛固溶体としては、例えばニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTN)などが挙げられる。圧電体層24の厚さは、例えば1μm程度である。
圧電体層24の上には、上部電極26が形成されている。上部電極26は、圧電体層24に電圧を印加するための他方の電極である。上部電極26は、例えば、白金(Pt)、Ir(イリジウム)などやこれらの積層体からなることができる。上部電極26の厚さは、例えば50nm程度である。
下部電極22、圧電体層24、および上部電極26は、図1に示すように、柱状の堆積体(圧電素子部)20を構成することができる。圧電素子部20の露出面には、圧電体層24を外部雰囲気から保護する保護膜(図示せず)を形成することができる。また、圧電素子部20には、駆動回路(図示せず)と圧電素子部20を電気的に接続する配線(図示せず)が接続されている。圧電素子部20は、駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)することができる。弾性板12は、圧電素子部20の変形によって変形し(たわみ)、圧力室64の内部圧力を瞬間的に高めることができる。
液体噴射ヘッド100は、さらに、筐体(図示せず)を含むことができる。筐体は、上述した各部材を収納することができる。筐体は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料などを用いて形成される。
なお、上述した例では、液体噴射ヘッド100がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
2. 次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッド100の製造方法について説明する。図3〜図11は、本実施形態の液体噴射ヘッド100の一製造工程を概略的に示す断面図であり、それぞれ図1に示す断面図に対応している。
(1)まず、基板10上に弾性板12を形成する(図3参照)。弾性板12は、例えば、基板10を熱酸化して酸化シリコン層を形成後、スパッタ法によりジルコニウム(Zr)層を形成し、該ジルコニウム層を熱酸化して酸化ジルコニウム層を形成することにより得られる。
次に、弾性板12上に下部電極22を形成する。下部電極22は、例えば、スパッタ法、めっき法などにより形成される。
次に、下部電極22上に圧電体層24を形成する。圧電体層24は、例えば、溶液法(ゾルゲル法)、MOD(Metal Organic Decomposition)法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などにより形成される。
次に、圧電体層24上に上部電極26を形成する。上部電極26は、例えば、スパッタ法などにより形成される。
下部電極22、圧電体層24、および上部電極26は、各層の形成ごとにパターニングされることもできるし、複数層の形成ごとに一括してパターニングされることもできる。
次に、弾性板12に開口部を形成し、この開口部を埋め込むようにエッチングストッパ層14を形成する。エッチングストッパ層14は、例えば、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングされる。エッチングストッパ層14は、例えば金(Au)などからなるように形成される。
次に、基板10の裏面(弾性板12側とは逆側の面)を研磨することにより基板10の膜厚を減少させる。
(2)次に、図4に示すように、基板10をエッチングして開口部(第1開口部)40を形成する。また、本工程では、基板10をエッチングストッパ層14が露出するまでエッチングして、他の開口部(第2開口部)42を形成することができる。即ち、エッチングストッパ層14は、本エッチング工程において、エッチングストッパとして機能することができる。本エッチング工程では、例えば窒化シリコン(SiN)などからなるマスク層11をエッチングマスクとして用いることができる。基板10のエッチングは、例えば水酸化カリウム水溶液などを用いて行われる。基板10をエッチングした後、マスク層11を除去する。
(3)次に、図5に示すように、基板10を被覆するように基板10の下面側から保護層16を形成する。保護層16は、基板10の下面側から全面に形成され、弾性板12の下面を被覆することができる。保護層16は、例えば酸化タンタル(TaO)などからなるように形成される。保護層16は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成される。
(4)次に、図6に示すように、第1開口部40を埋めるように犠牲層50を形成する。また、本工程では、第2開口部42を埋めるように犠牲層50を形成することができる。犠牲層50は、保護層16の下面の全面を覆うように形成されることができる。犠牲層50は、例えば、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)などからなるように形成される。犠牲層50は、例えば、CVD法、スピンコート法などにより形成される。
(5)次に、犠牲層50の下部を、例えば、化学的機械的研磨(CMP)法、エッチング法などにより除去して、図7に示すように、犠牲層50の下面の位置を保護層16の下面の位置に合わせることができる。保護層16は、例えば、CMP法のストッパ層として用いられることができる。
(6)次に、図8に示すように、犠牲層50の下、および、保護層16の直接下にノズル形成層18を形成する。ノズル形成層18の材料としては、後述する工程において、犠牲層50を選択的に除去できるものを用いることができる。即ち、ノズル形成層18を構成する物質と、犠牲層50を構成する物質とには、好ましい組み合わせがある。例えば、犠牲層50がシリコンからなる場合には、ノズル形成層18は酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)などからなるように形成されることができる。また、例えば、犠牲層50が酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる場合には、ノズル形成層18はシリコン(Si)などからなるように形成されることができる。但し、ノズル形成層18は、吐出する液に対して耐性を有していることが好ましい。ノズル形成層18は、例えば、CVD法、スピンコート法などにより成膜される。
(7)次に、図9に示すように、ノズル形成層18をパターニングしてノズル孔60を形成し、犠牲層50を露出させる。また、本工程では、第2開口部42(図5参照)に埋められた犠牲層50を露出させる孔部62を形成することができる。ノズル形成層18のパターニングには、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。本エッチング工程においては、犠牲層50をエッチングストッパ層として用いることができる。即ち、ノズル形成層18をエッチングする際には、犠牲層50のエッチング速度は、ノズル形成層18のエッチング速度よりも遅い。
(8)次に、図10に示すように、ノズル孔60により露出した犠牲層50をエッチングにより除去して、圧力室64を形成する。また、本工程では、孔部62により露出した犠牲層50を除去して、液体貯留部66を形成することができる。本エッチング工程においては、犠牲層50を選択的に除去することができる。即ち、犠牲層50をエッチングする際には、保護層16およびノズル形成層18のエッチング速度は、犠牲層50のエッチング速度よりも遅い。このように、耐液体(インク)層である保護層16は、本エッチング工程におけるエッチングストッパ層として兼用されることができる。
本工程のエッチングは、ドライエッチングであっても、ウェットエッチングであっても良い。例えば、犠牲層50がシリコンからなり、ノズル形成層18が酸化シリコンまたは窒化シリコンからなる場合には、ドライエッチングには2フッ化キセノン(XeF)ガスなどを用いることができ、ウェットエッチングには水酸化カリウム(KOH)水溶液などを用いることができる。また、例えば、犠牲層50が酸化シリコンからなり、ノズル形成層18がシリコンからなる場合には、ドライエッチングにはフッ化水素(HF)ガスなどを用いることができる。
(9)次に、図11に示すように、エッチングストッパ層14の一部、弾性板12の一部、および保護層16の一部を除去して貫通孔67を形成することができる。なお、図示しないが、例えばウェットエッチング法などにより、エッチングストッパ層14の全部を除去することもできる。
(10)次に、図1に示すように、ノズル形成層18の下面の所定の位置に、接着剤などを用いて、液体貯留部66の蓋部材30を貼り付ける。
(11)以上の工程によって、本実施形態に係る液体噴射ヘッド100を製造することができる。
3. 本実施形態の液体噴射ヘッド100の製造方法によれば、基体1(より具体的には保護層16)の直接下にノズル形成層18を形成することができる。即ち、接着剤などが基体1とノズル形成層18の間に挟まれることがない。本実施形態の液体噴射ヘッド100の製造方法によれば、接着剤などを用いることがないため、狭い接着しろによる接着強度不足や、接着剤のはみ出しによる圧力室容量のばらつきが生じることがない。従って、ノズル孔60の高密度化を容易にすることができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド100の製造方法では、ノズル形成層19をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングしてノズル孔60を形成する。これにより、例えばステンレス鋼(SUS)製の板に孔を打ち抜いてノズル板を形成するような場合に比べ、精度の高い加工を行うことができる。また、例えば接着剤を用いて基体にノズル板を貼り合わせるような場合に比べ、ノズル孔60の形成位置の精度を高めることができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド100の製造方法では、液体貯留部(リザーバ)66の蓋部材30は、その開口部32から各ノズル孔60が露出するように貼り付けられる。このため、平面視において、蓋部材30の開口部32の面積を、ノズル孔60の面積よりも大きくすることができる。また、図2に示すように、複数のノズル孔60に対して、まとめて1つの開口部32を設けることができる。つまり、例えばSUS製の板に孔を打ち抜いてノズル板を形成するような場合に比べ、例えばSUS製の蓋部材30の加工は容易である。従って、ノズル孔60の高密度化を容易にすることができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド100の蓋部材30は、厚さの薄いノズル形成層18を補強し、ノズル形成層18の割れを防止することができる。
4. 次に、上述した液体噴射ヘッドを有するプリンタについて説明する。ここでは、本実施形態に係るプリンタ600がインクジェットプリンタである場合について説明する。
図12は、本実施形態に係るプリンタ600を概略的に示す斜視図である。プリンタ600は、ヘッドユニット630と、駆動部と、制御部660と、を含む。また、プリンタ600は、装置本体620と、給紙部650と、記録用紙Pを設置するトレイ621と、記録用紙Pを排出する排出口622と、装置本体620の上面に配置された操作パネル670と、を含むことができる。
ヘッドユニット630は、上述した液体噴射ヘッドから構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)100を有する。ヘッドユニット630は、さらに、ヘッド100にインクを供給するインクカートリッジ631と、ヘッド100およびインクカートリッジ631を搭載した運搬部(キャリッジ)632と、を備える。
駆動部は、ヘッドユニット630を往復動させることができる。駆動部は、ヘッドユニット630の駆動源となるキャリッジモータ641と、キャリッジモータ641の回転を受けて、ヘッドユニット630を往復動させる往復動機構642と、を有する。
往復動機構642は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸644と、キャリッジガイド軸644と平行に延在するタイミングベルト643と、を備える。キャリッジガイド軸644は、キャリッジ632が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ632を支持している。さらに、キャリッジ632は、タイミングベルト643の一部に固定されている。キャリッジモータ641の作動により、タイミングベルト643を走行させると、キャリッジガイド軸644に導かれて、ヘッドユニット630が往復動する。この往復動の際に、ヘッド100から適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
制御部660は、ヘッドユニット630、駆動部、および給紙部650を制御することができる。
給紙部650は、記録用紙Pをトレイ621からヘッドユニット630側へ送り込むことができる。給紙部650は、その駆動源となる給紙モータ651と、給紙モータ651の作動により回転する給紙ローラ652と、を備える。給紙ローラ652は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラ652aおよび駆動ローラ652bを備える。駆動ローラ652bは、給紙モータ651に連結されている。
ヘッドユニット630、駆動部、制御部660、および給紙部650は、装置本体620の内部に設けられている。
なお、上述した例では、プリンタ600がインクジェットプリンタである場合について説明したが、本発明のプリンタは、工業的な液滴吐出装置として用いられることもできる。この場合に吐出される液体(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。
5. 上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
本実施形態の液体噴射ヘッドを概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドを概略的に示す平面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態のプリンタを概略的に示す斜視図。
符号の説明
1 基体、10 基板、11 マスク層、12 弾性板、14 エッチングストッパ層、16 保護層、19 ノズル形成層、20 圧電素子部、22 下部電極、24 圧電体層、26 上部電極、30 蓋部材、32 開口部、40 第1開口部、42 第2開口部、50 犠牲層、60 ノズル孔、62 孔部、64 圧力室、65 供給口、66 液体貯留部、67 貫通孔、100 液体噴射ヘッド、600 プリンタ、620 装置本体、621 トレイ、622 排出口、630 ヘッドユニット、631 インクカートリッジ、632 キャリッジ、641 キャリッジモータ、642 往復動機構、643 タイミングベルト、644 キャリッジガイド軸、650 給紙部、651 給紙モータ、652 給紙ローラ、660 制御部,670 操作パネル

Claims (5)

  1. 基板の上方に弾性板を形成する工程と、
    前記弾性板の上方に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極の上方に圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層の上方に上部電極を形成する工程と、
    前記基板に開口部を形成する工程と、
    前記基板を被覆するように該基板の下面側から保護層を形成する工程と、
    前記保護層の形成後、前記開口部を埋めるように犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の下方、および、前記保護層の直接下にノズル形成層を形成する工程と、
    前記ノズル形成層をエッチングによりパターニングしてノズル孔を形成し、前記犠牲層を露出させる工程と、
    前記犠牲層をエッチングにより除去して、圧力室を形成する工程と、を含む、液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記犠牲層の除去工程では、前記保護層および前記ノズル形成層のエッチング速度は、前記犠牲層のエッチング速度よりも遅い、液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記保護層は、酸化タンタルからなるように形成され、
    前記ノズル形成層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなるように形成され、
    前記犠牲層は、シリコンからなるように形成される、液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1または2において、
    前記保護層は、酸化タンタルからなるように形成され、
    前記ノズル形成層は、シリコンからなるように形成され、
    前記犠牲層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンからなるように形成される、液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記基板の上方にエッチングストッパ層を形成する工程と、
    前記エッチングストッパ層の少なくとも一部、前記弾性板の一部、および前記保護層の一部を除去して貫通孔を形成する工程と、
    前記ノズル形成層の下面に液体貯留部の蓋部材を貼り付ける工程と、を有し、
    前記開口部を形成する工程では、前記基板を前記エッチングストッパ層が露出するまでエッチングして、他の開口部を形成し、
    前記犠牲層を形成する工程では、前記他の開口部を埋めるように該犠牲層を形成し、
    前記ノズル形成層をパターニングする工程では、前記他の開口部に埋められた前記犠牲層を露出させる孔部を形成し、
    前記圧力室を形成する工程では、前記犠牲層を除去して、液体貯留部を形成する、液体噴射ヘッドの製造方法。
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