JP4872734B2 - 配信装置及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがオーディオデータと楽曲データを自由に選曲してこれらを組み合わせたコンテンツを制作し、これを配信する仕組みを提供することにある。
図1は、本実施形態に係る楽曲配信システム100の全体構成を示す図である。
この楽曲配信システム100は、複数のオーディオ再生装置10a,10bと、複数の自動演奏装置20a,20bと、データ配信装置30とを備えている。オーディオ再生装置10は、オーディオデータを再生して音声またはオーディオ信号を出力する装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。自動演奏装置20は、MIDIの規格に準拠した楽曲データであるMIDIデータに基づいて自動演奏を行う装置であり、例えば自動演奏ピアノである。データ配信装置30は、インターネットや固定電話網など様々な通信網によって構成されるネットワーク40を介して、オーディオ再生装置10や自動演奏装置20にオーディオデータやMIDIデータを配信する装置であり、例えばWWW(World Wide Web)サーバ装置である。図では、オーディオ再生装置10a,10bと、複数の自動演奏装置20a,20bをそれぞれ2つずつしか図示していないが、これらはそれぞれ3つ以上あってもよい。オーディオ再生装置10a,10bは同じ構成及び動作であるから、以下の説明においてそれぞれを区別する必要のないときは、「オーディオ再生装置10」と総称する。自動演奏装置20a,20bについても同様に、「自動演奏装置20」と総称する。
図2は、データ配信装置30の構成である。
データ配信装置30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えている。制御部31は、例えばCPUなどの演算装置とROMやRAMなどの各種メモリを備えている。演算装置がこれらのメモリや記憶部に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、データ配信装置30の各部を制御する。通信部32は、ネットワーク40に接続されており、制御部31による制御の下でオーディオ再生装置10や自動演奏装置20と通信を行う。
次に、本実施形態で取り扱われる合成オーディオファイルとMIDIファイルの内容を説明する。
図3は、合成オーディオファイルとMIDIファイルとの関係を表した図である。
1つの合成オーディオファイルには、複数のMIDIファイルが対応付けられている。合成オーディオファイルは、例えば44.1(kHz)などの所定のサンプリング周波数を基準にしてサンプリングされた時系列の音声波形をデジタル化したデータである。この合成オーディオファイルには、音声波形を表す実体データのほかに、オーディオファイルの先頭(つまりオーディオファイルの再生開始時点)からの経過時間を表す多数のタイムコードが含まれている。図3に示した例では、合成オーディオファイルの実体データには、例えばユーザが楽曲の案内や感想を述べた音声であるナレーション1,ナレーション2,ナレーション3が含まれており、ナレーションとナレーションとの間には、MIDIファイルによって表された楽曲の再生期間に相当する無音期間がある。これらのナレーション1,ナレーション2,ナレーション3は、元々は単体オーディオファイルであったが、これらの単体ファイルが同一の時間軸上で合成されて1つの合成オーディオファイルが構成されている。
このMIDIファイルは、SMF(Standard MIDI File)とも呼ばれており、図4上段に示すように、ヘッダチャンクとトラックチャンクによって構成されている。ヘッダチャンクには、チャンクタイプ等のSMFの属性情報が含まれている。トラックチャンクには、実体となるMIDIデータが含まれている。トラックチャンクには、同図下段に示すように、演奏制御等を指示するイベントと、先行するイベントと後発のイベントとの発生時間間隔を示すデルタタイムとが含まれている。イベントには、発音又は消音すべき旨を示すノートオン・ノートオフ情報や、発音すべき音の高さを示すノートナンバ情報や、発音の強弱を示すベロシティ情報などが含まれている。
番組管理テーブル33aは、オーディオ再生装置10からの番組作成指示に従って制御部31により生成されて記憶部33に記憶される。この番組管理テーブル33aは、各々の合成オーディオファイルを識別するためのファイル識別子と、合成オーディオファイルに対応する番組に割り当てられた番組識別子とが対応付けられて記述されている。ファイル識別子は、合成オーディオファイルのファイル名、データサイズ及び作成日時の組によって表現されている。例えば、ファイル名「piano-fan.wab」という合成オーディオファイルのデータサイズは「41.5(MB)」であり、その作成日時は「2006/1/25」である。このファイル名「piano-fan.wab」、データサイズ「41.5(MB)」及び作成日時「2006/1/25」の組によって、1つの合成オーディオファイルが一意に特定される。そして、この合成オーディオファイルによって表される番組の番組識別子は「CID001」である。データ配信装置30は、合成オーディオファイルのファイル識別子をキーにしてこの番組管理テーブル33aを検索し、その結果、対応する番組識別子を特定することができる。
番組表33bは、オーディオ再生装置10からの番組作成指示に従って制御部31により生成されて記憶部33に記憶される。この番組表33bには、番組識別子と、その番組において各MIDIファイルが再生される再生スケジュールと、各MIDIファイルが格納された位置を表すURLと、各MIDIファイルのファイル名とが対応付けられて記述されている。再生スケジュールは、番組(合成オーディオファイル)の再生開始時を始期とした、MIDIファイルの再生開始時期と再生終了時期とを含んでいる。図では、番組の再生開始から1分16秒後に自動演奏されるべきMIDIファイルのファイル名が、「piano-fan001.mid」であり、そのURLが「http://www.abc.co.jp/CID001/piano-fan001.mid」であることが例示されている。
次に、図7のブロック図を参照しながら、オーディオ再生装置10の構成について説明する。
オーディオ再生装置10は、制御部11と、第1通信部12と、第2通信部13と、記憶部14と、操作部15と、表示部16と、放音部17とを備えている。制御部11は、例えばCPUなどの演算装置とROMやRAMなどの各種メモリを備えている。演算装置がこれらのメモリや記憶部に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、オーディオ再生装置10の各部を制御する。第1通信部12は、ネットワーク40に接続されており、制御部11による制御の下でデータ配信装置30と通信を行う。第2通信部13は、例えばUSBインタフェースや無線通信回路であり、有線又は無線を介して自動演奏装置20と通信を行う。操作部15はキーボードやマウスなどを備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部に供給する。表示部16は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、制御部11から与えられるデータに基づいてユーザとの対話画面や各種の情報を表示する。記憶部14は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶手段であり、WWWブラウザプログラムやオーディオ再生プログラムのほか、各種のオーディオファイルが記憶されている。このオーディオファイルには、データ配信装置30からダウンロードした合成オーディオファイルと、ユーザが磁気ディスク、フレキシブルディスク、コンパクトディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)などからこのオーディオ再生装置10に記憶させた単体オーディオファイルが含まれている。
次に、図8のブロック図を参照しながら、自動演奏装置20の構成について説明する。
自動演奏装置20は、コントローラ21と、記憶部22と、第1通信部23と、第2通信部24と、操作部25と、演奏部26とを備えている。第1通信部23は、ネットワーク40に接続されており、コントローラ21による制御の下でデータ配信装置30と経由の通信を行う。第2通信部24は、例えばUSBインタフェースや無線通信回路であり、オーディオ再生装置10の第2通信部13と通信を行う。コントローラ21は、例えばCPUなどの演算装置とROMやRAMなどの各種メモリを備えており、CPUがROMや記憶部に格納されている各種プログラムを実行することで自動演奏装置20全体を制御する。このコントローラ21は、時間を計測する計時部21aを備えている。計時部21aは、水晶振動子とアンプにより構成された発振回路(いずれも図示略)を備えており、その発振回路から出力される発信信号を適宜分周してタイミング制御用のクロックを生成し、生成したクロックに基づいて時間を計測する。
次に、実施形態の動作を説明する。
(2−1)番組作成までの動作
まず、図9のシーケンスを参照しながら、オーディオ再生装置10bがデータ配信装置30にアクセスして番組を作成するまでの動作について説明する。
図9において、ユーザはオーディオ再生装置10bの操作部15を用いて、WWWブラウザプログラムを起動させ、所定のURLを指定する操作を行う。このURLは、データ配信装置30が記憶している認証画面データの格納位置を示すURLである。オーディオ再生装置10の制御部11はこの操作を受け付けて(ステップS1)、上記URLを含む要求を第1通信部12から送信する(ステップS2)。一方、データ配信装置30の制御部31は、前述した配信プログラムを常時実行しており、通信部32が上記要求を受信すると、認証画面データを記憶部33から読み出し、これをオーディオ再生装置10に送信する(ステップS3)。
以上で、番組の作成が完了する。
次に、図13のシーケンスを参照しながら、オーディオ再生装置10aがデータ配信装置30から、ユーザの所望する合成オーディオファイルを取得するまでの動作について説明する。
図13において、ユーザはオーディオ再生装置10aの操作部15を用いて、WWWブラウザプログラムを起動させ、所定のURLを指定する操作を行う。このURLは、データ配信装置30が記憶している認証画面データの格納位置を示すURLである。オーディオ再生装置10aの制御部11はこの操作を受け付けて(ステップS21)、上記URLを含む要求を第1通信部12から送信する(ステップS22)。一方、データ配信装置30の制御部31は、前述した配信プログラムを常時実行しており、通信部32が上記要求を受信すると、認証画面データを記憶部33から読み出し、これをオーディオ再生装置10aに送信する(ステップS23)。
以上で、合成オーディオファイルのダウンロードが完了する。
次に、図15のシーケンスを参照しながら、オーディオ再生装置10aと自動演奏装置20とが再生を行う動作について説明する。
図15において、ユーザは、オーディオ再生装置10aと自動演奏装置20とを、有線又は無線により通信可能に接続する(ステップS41)。そして、ユーザはオーディオ再生装置10aの操作部15を操作して、オーディオファイルの再生を行いたい旨の指示を行うと、オーディオ再生装置10aの制御部11はその操作を受け付ける(ステップS42)。そして、制御部11は、オーディオ再生プログラムを起動して、記憶部14に記憶されている合成オーディオファイルを参照して、図16に示すような画面を表示部16に表示する。この画面には、「1 ピアノファン!」、「2 ピアノ協奏曲全集No1」、「3 ベストピアノ」というように、記憶部14に記憶された合成オーディオファイルに対応する番組名の一覧が記されている。ここで、ユーザが操作部15を操作して例えば「1 ピアノファン!」を選択し、「再生」というソフトボタンを指定すると、制御部11はその操作を受け付ける(ステップS43)。
以上のような処理を経ることで、まず最初に「ナレーション1」が再生され、次に、オーディオファイルの無音期間の再生と同期して「楽曲1」が自動演奏される。次いで、「ナレーション2」が再生され、その次にオーディオファイルの無音期間の再生と同期して「楽曲2」及び「楽曲3」が順次自動演奏される。そして、「ナレーション3」が再生され、最後にオーディオファイルの無音期間の再生と同期して「楽曲4」が自動演奏されることになる。
上述した実施形態を次のように変形してもよい。
(3−1)変形例1
実施形態では、自動演奏装置20が、オーディオ再生装置10から合成オーディオファイルのファイル識別子を取得し、次に、そのファイル識別子を指定してデータ配信装置30から番組表33bを取得し、さらに、その番組表33bに記されたURLに基づいて、必要なMIDIファイルを取得していた。この方法によれば、自動演奏装置20が番組表33bを参照することで、まず自動演奏の対象となる全てのMIDIファイルを特定することができるので、自身が記憶していないMIDIファイルだけをダウンロードすることができ、無駄なダウンロード処理が発生しない。
実施形態では、1つのデータ配信装置30が、合成オーディオファイル、番組表33b及びMIDIファイルの全てを記憶しておき、これらをオーディオ再生装置10や自動演奏装置20からの要求に応じて配信していた。
これに対し、これら合成オーディオファイル、番組表33b及びMIDIファイルを記憶するデータ配信装置30をそれぞれ別々の装置としてもよい。図19は、この変形例に係るシステム全体の一例を示す図である。図に示すように、データ配信装置30aは、オーディオファイル(単体オーディオファイルと合成オーディオファイルを含む)と番組表とを記憶しており、データ配信装置30bは、その番組表に記された複数のMIDIファイルのうちのいくつかを記憶しており、データ配信装置30cは、その番組表に記された複数のMIDIファイルのうちの残りのMIDIファイルを記憶している。例えばオーディオ再生装置10bのユーザ(番組作成者)は、オーディオ再生装置10bをデータ配信装置30aにアクセスさせ、単体オーディオファイルやMIDIファイルを組み合わせて番組を作成する。その結果作成された合成オーディオファイルはデータ配信装置30aに記憶される。次に、オーディオ再生装置10aのユーザ(番組聴取者)は、オーディオ再生装置10aをデータ配信装置30aにアクセスさせて、合成オーディオファイルと番組表を取得する。その番組表には、複数のMIDIファイルのURLがそれぞれ記述されており、自動演奏装置20aは、番組表に記されたURLに基づき、データ配信装置30bやデータ配信装置30cからMIDIファイルをそれぞれ取得する。単体オーディオファイルやMIDIファイルを提供するサービス提供者にとっては、膨大な数のファイル群の全てを自ら用意するのは容易ではないが、上記のように、それぞれのファイルを複数のサービス提供者によって分担して用意するのであれば、お互いに保有しているファイル群を活用しあうことができ、ユーザに多様な楽曲を提供することが可能となる。特に単体オーディオファイルとMIDIファイルは、ファイルの作成手法やそのデータ構造或いはファイルの利用目的などが異なるので、それらを別々に用意して提供することは、各々のサービス提供者にとって都合がよい。
さらに、図19に示すように、データ配信装置30a,30b,30cを決済システム50に接続し、オーディオファイルやMIDIファイルの対価を逐一、オーディオ再生装置10や自動演奏装置20のユーザに課金するようにしてもよい。この決済システム50は、図示せぬ全銀協(全国銀行協会)ネットワーク40やCAFIS(Credit And Finance Information System)網などの各種の金融ネットワークや金融機関を含むシステムである。データ配信装置30a,30b,30cは、オーディオファイルやMIDIファイルの対価を、オーディオ再生装置10や自動演奏装置20のユーザに課金するための課金処理を行って、この決済システム50に対して決済処理を依頼する。この依頼に応じて、決済システム50による決済処理が実行される。
データ配信装置30の記憶部33には、単体又は合成オーディオファイルやMIDIファイルと、その価格データとが対応付けられて記憶されている。また、記憶部33には、オーディオ再生装置10や自動演奏装置20のユーザに関する情報が、各々のユーザからの事前の届け出に基づいて記憶されている。このユーザに関する情報とは、例えば氏名、住所、生年月日、ユーザ識別子、銀行口座、クレジットカード番号などである。データ配信装置30の制御部31は、合成オーディオファイルやMIDIファイルのダウンロードが完了すると、そのファイルに対応付けられている価格データを特定するとともに、そのファイルを取得したユーザに割り当てられたユーザ識別子を特定する。価格データは前述のとおりファイルに対応付けられて記憶部に記憶されているので、それを用いる。また、ファイルをダウンロードしたユーザのユーザ識別子については、オーディオ再生装置10や自動演奏装置20がデータ配信装置30にアクセスする際の認証処理にて入力されたユーザIDを制御部31が記憶しておけばよい。そして、制御部31は、特定した価格データを、ユーザ識別子、銀行口座又はクレジットカード番号とともに、決済システム50に通知して決済処理を依頼する。ここまでが、制御部がファイルの対価を課金するための課金処理である。この通知に応じて、決済システム50は、通知された金額を、通知された銀行口座から引き落としたり、通知されたクレジットカード番号に基づいて引き落とすなどの決済処理を行う。このようにしてユーザから徴収された対価は、単体又は合成オーディオファイルやMIDIファイルの著作権料の一部に充当される。
実施形態では、MIDIファイルを自動演奏装置20にダウンロードし、そのMIDIファイルを再生した後も記憶部22に記憶させたままであるから、MIDIファイルの再利用(複数回の再生)が可能であった。
これに対し、各々のMIDIファイルを、上記のようなダウンロード形式で再生するものと、いわゆるストリーム形式で再生するものに分けてもよい。ストリーム再生とは、取得したMIDIファイルを例えばRAMなどの揮発性の記憶手段にバッファリングし、それを順次読み出して再生するが、その再生後は、記憶手段からMIDIファイルを消去する、という再生の形態である。つまり、再利用ができない再生形態である。
データ配信装置30の記憶部33に記憶されたMIDIファイル群は、MIDIファイルの再利用が許された第1のグループと、MIDIファイルの再利用が許されない第2のグループとに区分されている。例えば、番組表において、第1のグループに属するMIDIファイルには、その第1のグループを意味するフラグを対応付けて記述し、第2のグループに属するMIDIファイルには、その第2のグループを意味するフラグを対応付けて記述しておく。
自動演奏装置20のコントローラ21は、番組表を取得すると、その番組表に記述されているフラグの種類に応じて、MIDIファイルの取得及び再生の形態を異ならせる。具体的には、第1のグループのフラグと対応付けられているMIDIファイルに関しては、コントローラ21は、番組表を取得すると直ちにデータ配信装置30からそのMIDIファイルを取得して記憶部22に記憶しておく。そして、コントローラ21は、番組表に記された再生開始時期が到来すると、記憶部22からMIDIファイルを読み出し、各イベントをオーディオファイルの再生と同期させて順次、ピアノ電子回路26dに供給する。一方、第2のグループのフラグと対応付けられているMIDIファイルについては、コントローラ21は、番組表に記された再生開始時期の所定期間だけ前になると、データ配信装置30からそのMIDIファイルを取得してコントローラ21内のRAMに一時的に記憶し、これをオーディオファイルの再生と同期させて順次読み出し、電子ピアノ回路に供給する。そして、コントローラ21は、RAMに記憶されたMIDIファイルを、その読み出し乃至再生後に消去する。
これにより、MIDIファイルの再利用を制限することができる。
実施形態では、オーディオ再生装置10及び自動演奏装置20が、それぞれネットワーク40経由で通信を行う機能を備えていたが、これに限らず、いずれか一方がその通信機能を備えておき、他方はその一方の通信機能を利用してネットワーク40経由でファイルをダウンロードするようにしてもよい。例えば、オーディオ再生装置10のみがネットワーク40経由の通信機能を備えている場合に、自動演奏装置20が番組表やMIDIファイルを取得しようとするときには、オーディオ再生装置10が自動演奏装置20からの要求を第2通信部13によって受信し、これを第1通信部12からデータ配信装置30に転送する。その要求に応じて送信されてくる番組表やMIDIファイルをオーディオ再生装置10の第1通信部12が受信すると、それらを第2通信部13によって自動演奏装置20に転送する。
オーディオファイルに基づく再生とMIDIファイルに基づく自動演奏との同期の取り方は、実施形態に記載したものに限らず、どのようなものであってもよい。例えば特開2003−271138号公報や特開2006−47761号公報に開示されているような方法を用いてもよい。前者の方法は、オーディオ信号のピーク時期を検出し、そのピーク時期において時間管理用のイベントを生成し、そのイベントと計時手段による計時結果とに基づいて同期をとるというものである。
このように、オーディオ信号の或るチャネルを用いた場合には、オーディオ再生装置10から自動演奏装置20に対し、オーディオ信号を送信するだけで必要な指示を行うことができる。
実施形態では、ファイル識別子として、ファイル名、データサイズ及び作成日時の組を用いたが、データサイズや作成日時はいずれか一方のみでもよい。なお、「作成日時」という用語の意味には更新日時も含まれている。また、ファイル識別子は、オーディオファイルを特定することが可能な識別子であればなんでもよく、例えばシーケンシャルに割り当てられた番号など様々なものを利用することができる。
実施形態においてファイルの再生時には、オーディオファイルに基づく再生音を自動演奏装置20のスピーカ26hから出力していたが、必ずしもそうである必要はなく、オーディオ再生装置10の放音部17から出力してもよいし、自動演奏装置20のスピーカ26hとオーディオ再生装置10の放音部17の双方から出力してもよい。オーディオ再生装置10の放音部17から出力する場合、オーディオ再生装置10はオーディオ信号を自動演奏装置20に出力する必要はないが、MIDIファイルとの同期再生のために、タイムコードを出力する必要はある。自動演奏装置20のコントローラ21は、タイムコードと計時部21aの計時結果と再生スケジュールに従って、MIDIファイルに基づいた自動演奏を行う。
実施形態では、自動演奏装置が番組表を取得すると、直ちに、自動演奏に必要なMIDIファイルをダウンロードしていたが、これに限らない。例えば番組表を取得すると、直ちに合成オーディオファイルの再生を開始し、その再生中に、最初のMIDIファイルの再生開始時期までにそのMIDIファイルを取得するようにしてもよい。そして、2番目以降に再生されるMIDIファイルについても、各々の再生開始時期までに取得できていればよい。
また、合成オーディオファイルやMIDIファイルの内容は、図3に例示したものに限らず、その内容は任意である。合成オーディオファイルにおいてナレーションは必須ではなく、楽曲だけからなる合成オーディオファイルであってもよい。
実施形態で説明した図15においては、オーディオ再生装置10が、ユーザID及びパスワードの入力欄が設けられた認証画面を表示部16に表示していたが、これを自動演奏装置20が表示してもよい。具体的には、自動演奏装置20の記憶部22には、認証画面の画面データが記憶されており、コントローラ21は、その画面データに基づいて認証画面を図示せぬ表示部に表示する。ユーザが操作部25を用いて、認証画面の入力欄に自身のユーザID及びパスワードを入力すると、コントローラ21は、入力されたユーザIDとパスワードに加えて、ファイル識別子を第1通信部23からデータ配信装置30に送信する。データ配信装置30の制御部31は、このファイル識別子、ユーザID及びパスワードを通信部32によって受信すると、ユーザID及びパスワードを記憶部33に記憶された認証データと照合し、両者が一致するか否かによってユーザ認証を行う。
実施形態では、オーディオ再生装置10としてパーソナルコンピュータを例示したが、ネットワーク40経由の通信機能や自動演奏装置20との間でデータの授受を行うための機能を搭載したものであれば、どのようなものであってもよく、例えば携帯電話、PHS(Personal Handyphone System:登録商標)、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯音楽プレーヤなどであってもよい。また、上述した制御部11、制御部31、コントローラ21が実行するプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。即ち、本発明をプログラムとして実現することもできる。
Claims (5)
- 音声を出力するためのオーディオデータと自動演奏を行うための楽曲データとをそれぞれ1又は複数指定するデータ指定情報を取得するデータ指定情報取得手段と、
前記データ指定情報によって指定される前記オーディオデータ及び前記楽曲データを再生する順番を指定する順番指定情報を取得する順番指定情報取得手段と、
前記データ指定情報によって指定される前記オーディオデータ及び前記楽曲データのそれぞれの再生期間と、前記順番指定情報によって指定される再生の順番とに基づいて、前記オーディオデータ及び前記楽曲データの各々の再生開始時期を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された各々のオーディオデータの再生開始時期に従って、各々の前記オーディオデータを時系列に且つ前記楽曲データの再生期間を空けて配置して合成した合成オーディオデータを生成する合成オーディオデータ生成手段と、
前記算出手段によって算出された各々の楽曲データの再生開始時期と、当該楽曲データに割り当てられた楽曲データ識別子とを対応付けた再生予定情報を生成する再生予定情報生成手段と、
前記合成オーディオデータ生成手段によって生成された前記合成オーディオデータを配信する第1の配信手段と、
前記再生予定情報生成手段によって生成された再生予定情報を配信する第2の配信手段と、
前記第2の配信手段によって前記再生予定情報が配信された配信先から、前記楽曲データ識別子を含む楽曲データの要求があったときには、前記楽曲データを記憶する記憶手段から当該楽曲データを読み出して配信する第3の配信手段と
を備えることを特徴とする配信装置。 - 前記オーディオデータを配信すること又は前記楽曲データを配信することに応じて、当該オーディオデータ又は当該楽曲データの配信先の使用者に対価を課金する処理を行う課金手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の配信装置。 - 前記再生予定情報に含まれる複数の前記楽曲データ識別子は、楽曲データの再利用が許された第1のグループと、楽曲データの再利用が許されない第2のグループとに区分されており、
前記課金手段は、
前記再生予定情報に含まれる複数の前記楽曲データ識別子のうち、前記第1のグループに属する前記楽曲データ識別子が割り当てられた楽曲データの配信先の使用者には課金をしないか又は低い対価を課金し、
前記再生予定情報に含まれる複数の前記楽曲データ識別子のうち、前記第2のグループに属する前記楽曲データ識別子が割り当てられた楽曲データの配信先の使用者には高い対価を課金する
ことを特徴とする請求項2記載の配信装置。 - 前記第2のグループに属する前記楽曲データ識別子によって特定される楽曲データは、著作権によって保護されている
ことを特徴とする請求項3記載の配信装置。 - コンピュータを、
音声を出力するためのオーディオデータと自動演奏を行うための楽曲データとをそれぞれ1又は複数指定するデータ指定情報を取得するデータ指定情報取得手段と、
前記データ指定情報によって指定される前記オーディオデータ及び前記楽曲データを再生する順番を指定する順番指定情報を取得する順番指定情報取得手段と、
前記データ指定情報によって指定される前記オーディオデータ及び前記楽曲データのそれぞれの再生期間と、前記順番指定情報によって指定される再生の順番とに基づいて、前記オーディオデータ及び前記楽曲データの各々の再生開始時期を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された各々のオーディオデータの再生開始時期に従って、各々の前記オーディオデータを時系列に且つ前記楽曲データの再生期間を空けて配置して合成した合成オーディオデータを生成する合成オーディオデータ生成手段と、
前記算出手段によって算出された各々の楽曲データの再生開始時期と、当該楽曲データに割り当てられた楽曲データ識別子とを対応付けた再生予定情報を生成する再生予定情報生成手段と、
前記合成オーディオデータ生成手段によって生成された前記合成オーディオデータを配信する第1の配信手段と、
前記再生予定情報生成手段によって生成された再生予定情報を配信する第2の配信手段と、
前記第2の配信手段によって前記再生予定情報が配信された配信先から、前記楽曲データ識別子を含む楽曲データの要求があったときには、前記楽曲データを記憶する記憶手段から当該楽曲データを読み出して配信する第3の配信手段と
して機能させるためのプログラム。
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