JP4872509B2 - 排気ガス浄化用装置 - Google Patents

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Description

本発明は排気ガス浄化用装置に関する。
内燃機関から排出される未浄化ガスの主成分は、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)である。
これらの成分は、当該内燃機関に設けられた触媒によって浄化される。この触媒による浄化率は、当該内燃機関の排気温度に依存する。すなわち、内燃機関が暖機された後は、浄化率は高くなる。しかし、内燃機関が始動し、充分に暖機されるまでの冷間運転時では、反応速度が遅くなる(例えば数分程度)ため、実用上、充分な浄化率を得ることは困難である。このため、排気マニホールドの直下に連結したマニホールド触媒(クローズカップルド触媒)と床下触媒とを設けていることが多い。ここで、マニホールド触媒は、内燃機関始動後に極力速く昇温させることを目的とするものである。しかし、「極力速く」とはいっても、触媒貴金属が活性化する温度下限には限界があり、通常は、250℃前後でやっと排気ガスの50%程度が浄化できるのが現状である(図2参照)。
これに対し、特許文献1並びに特許文献2には、排気ガス成分とオゾン等の活性酸素成分とを反応させて、上記温度よりも低温であっても排気ガスを浄化できる方法が記載されている。
具体的には、特許文献1には、NOx吸蔵還元触媒において、その上流側に放電手段と水素供給手段とを設け、放電手段で酸素ラジカルまたはオゾンを発生させてNOをNO2に酸化し、NOx吸蔵材にNO2を吸蔵させ、水素供給手段からの水素で放出されたNO2を還元することが記載されている。
また、特許文献2には、炭化水素とオゾンとを反応させて炭化水素を一旦、主としてCOに転化し、後段の触媒でさらに酸化してCO2に転化することが記載されている。その具体的な態様としては、排気通路中にプラズマ発生装置を内蔵したもの、或いは、排気通路外に配置された活性酸素成分生成装置(Ozonizer)からオゾンを排気通路内に供給するもの等が開示されている。
なお、活性酸素成分生成装置としてのオゾナイザとしては、特許文献3に示すように、無声放電式のものが一般的である。
特開2005−344688号公報 特開2005−207316号公報 特開平9−156904号公報
ところで、活性酸素成分は、強力な酸化作用を奏するものであり、所定濃度を超えると有害であることが知られている。従って、低温時において排気ガス浄化に好適な量が添加されればよく、過剰な量の活性酸素成分添加は好ましいものではない。すなわち、活性酸素成分の添加量を必要充分なものとするため、活性酸素成分供給量は、的確にモニタされ、不必要な活性酸素成分の生成が抑制されることが望まれる。
しかしながら、先行技術(特許文献2に記載の技術)においては、所定の設定温度をしきい値として定め、この設定温度以上になった場合には、活性酸素成分の生成を止めるに過ぎなかった。ところが、この構成では、設定温度が低すぎると、設定温度を超えた範囲で浄化率が低減するおそれがある。他方、設定温度が高すぎると、必要以上に活性酸素成分が生成されてしまうことになる。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、添加される活性酸素成分量を必要充分な値に維持し、もって、活性酸素成分を安全に利用しつつ高い浄化率を維持することのできる排気ガス浄化用装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、内燃機関の排気通路に活性酸素成分を供給する活性酸素成分生成装置を備えた排気ガス浄化用装置であって、前記排気通路中に配置された触媒と、前記配置通路中の前記触媒よりも上流側に活性酸素成分を吐出する吐出管を有する前記活性酸素成分生成装置と、排気ガスの温度に関連した値を検出する温度センサと、前記排気通路中の前記吐出管と前記触媒との間に配置され、当該触媒を通過する前の排気ガスの酸素濃度を検出する上流側酸素センサと、前記排気通路中の当該触媒の下流側に配置され、触媒を通過した排気ガスの酸素濃度を検出する下流側酸素センサと、前記温度センサの検出値に基づき、冷間運転時には前記活性酸素成分生成装置を作動させる運転制御手段と、前記運転制御手段によって前記活性酸素成分生成装置が作動した後、少なくとも前記温度センサの検出値に基づいて、前記活性酸素成分生成装置の活性酸素成分供給量を調整する活性酸素成分供給量調整ユニットとを備え、前記活性酸素成分供給量調整ユニットは、前記上流側酸素センサおよび下流側酸素センサの値に基づいて、実浄化率を演算する実浄化率演算手段と、前記実浄化率と前記温度センサの値に基づいて、排気ガスの浄化に必要とされる必要活性酸素成分供給量を演算する必要活性酸素成分供給量演算手段と、前記必要活性酸素成分供給量に応じて、前記活性酸素成分生成装置の活性酸素成分の吐出量を制限する吐出量制限手段とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化用装置である
この態様では、運転制御手段が、温度センサの出力に基づいて、冷間運転時に活性酸素成分生成装置を作動させる。他方、活性酸素成分供給量調整ユニットは、温度センサの出力に応じて、必要な活性酸素成分供給量を演算する。そして、吐出量制限手段は、演算された必要活性酸素成分供給量に応じて、前記活性酸素成分生成装置の活性酸素成分供給量を制限する。この結果、内燃機関の排気ガス温度が上昇し、触媒の温度が高くなって、触媒自身の浄化率が向上すると、活性酸素成分供給量調整ユニットによる必要活性酸素成分供給量もそれに応じて低減されるので、供給される活性酸素成分は、当該活性酸素成分生成装置の作動後、常時、必要充分な量に調整されることになる。特に、活性酸素成分供給量調整ユニットは、酸素センサの出力に応じて、実浄化率を演算するとともに、この実浄化率に基づいて、必要な活性酸素成分供給量を演算するので、より現実の運転状態に適合した必要活性酸素供給量を演算することが可能になる。
好ましい態様において、前記必要活性酸素成分供給量演算手段は、前記温度センサが検出した温度と、前記実浄化率演算手段が演算した実浄化率とに基づいて必要活性酸素成分供給量が特定されるデータを記憶する手段を有している。この態様では、予め実験等でマップ化されたデータを記憶しておき、検出または演算された値に基づいて、必要活性酸素成分供給量を特定することができるので、より精度の高い演算を実現することが可能になる。
好ましい態様において、前記活性酸素成分供給量調整ユニットは、演算された前記必要活性酸素成分供給量が0以下の場合には前記活性酸素成分生成装置の作動を停止するものであり、前記運転制御手段は、前記活性酸素成分供給量調整ユニットによって前記活性酸素成分生成装置が作動停止した後、温度センサの検出値が所定値未満の場合には、再度、前記活性酸素成分生成装置を作動させるものである。この態様では、活性酸素成分供給量調整ユニットによって活性酸素成分生成装置が停止することにより、不要な活性酸素成分の生成が阻止されるとともに、停止後に運転状態が冷間運転に変化した場合には、活性酸素成分生成装置が再稼働することにより、常に高い浄化率を維持することが可能になる。
好ましい態様において、前記活性酸素成分生成装置は、前記吐出管に設けられ、生成された活性酸素の吐出量を調整する調整弁を有し、前記吐出量制限手段は、前記調整弁の開弁量を変更するものである。
好ましい態様において、前記温度センサは、当該内燃機関の排気ガスの温度を検出する排気ガス温度センサと当該内燃機関の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサとの少なくとも一方である。この態様では、運転状態や内燃機関の特性に応じて適宜最適な温度検出を実行することが可能になる。
好ましい態様において、前記活性酸素成分は、オゾンである。
以上説明したように、本発明は、内燃機関の排気ガス温度が上昇し、触媒の温度が高くなって、触媒自身の浄化率が向上すると、活性酸素成分供給量調整ユニットによる必要活性酸素成分供給量もそれに応じて低減されるので、供給される活性酸素成分は、当該活性酸素成分生成装置の作動後、常時、必要充分な量に調整されることになる結果、添加される活性酸素成分量を必要充分な値に維持し、もって、活性酸素成分を安全に利用しつつ高い浄化率を維持することができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る排気ガス浄化用装置の概略構成を示す構成図である。
まず図1を参照して、本実施形態を採用した内燃機関の排気通路11には、触媒12が配置されている。この触媒12は、Ptを含有するアルミナと、Rhを含有するセリア系酸化物とを触媒体として少なくとも有するものである。
図2は、アルミナと、セリア系酸化物からなるOSC材と触媒貴金属とを含む図1の実施形態に係る触媒を用い、活性酸素を流入させない場合の、浄化率と温度との関係を示すグラフである。図2に示すように、触媒12は、排気ガスの温度が約250℃を超えるまでは、HC、COの浄化率が40%を下回るものである。そのため、本実施形態では、上記排気通路11に活性酸素成分としてのオゾンを供給するオゾナイザ(活性酸素成分生成装置の一例)20を設けている。
図1を参照して、オゾナイザ20は、排気通路11の当該触媒12よりも上流側に接続された吐出管21と、この吐出管21の途中部分に設けられたオゾン発生ユニット22と、オゾン発生ユニット22にオゾンを生成するための空気を送給するエアポンプ23と、エアポンプ23とオゾン発生ユニット22との間に配置され、エアポンプ23が送給した空気量を計測するエアフローメータ24と、オゾン発生ユニット22に高電圧を印可する給電ユニット25とを備えている。なお、図示の実施形態では、吐出管21のオゾン発生ユニット22よりも下流側に調整弁21aが設けられており、この調整弁21aによって、吐出管21からのオゾン吐出量(送給量)を調整できるように構成されている。
オゾン発生ユニット22は、例えば、従来技術欄の特許文献3に開示されているように、円筒形状のアース電極と、アース電極内に同心に配置された印加電極とを有し、給電ユニット25によって、印加電極に高電圧を印可することによって、アース電極との間に無声放電を生成し、両電極間の空気からオゾンを生成するものである。
エアポンプ23は、外気を吐出管21に導入し、新気をオゾン発生ユニット22に送給するものである。
エアフローメータ24は、エアポンプ23から供給された空気量を示す信号を出力し、本実施形態を採用した内燃機関のコントロールユニット100に入力するものである。
給電ユニット25は、本実施形態が採用された内燃機関のコントロールユニット100に制御されることによって、オゾン発生ユニット22の印加電極に高電圧を印可するものである。
コントロールユニット100は、CPU101、メモリ102、インターフェース103並びにこれらのユニット101〜103を接続するバス104を有するものであり、メモリ102に記憶されるプログラム並びにデータによって、オゾナイザ20のオゾン供給量調整処理を実行する活性酸素成分量調整ユニットを機能的に構成している。このコントロールユニット100の入力要素としては、排気通路11に設置された上流側酸素センサSW1、下流側酸素センサSW2、排気ガス温度センサSW3、および内燃機関の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサSW4、並びにオゾナイザ20のエアフローメータ24および給電ユニット25である。なお、酸素センサSW1、SW2は、排気ガス温度が低温であっても機能するように、センサ素子を少なくとも250℃以上に加熱するヒータ付酸素センサとされている。
上流側酸素センサSW1は、触媒12とオゾナイザ20の吐出管21との間に配置されており、吐出管21から吐出されたオゾンや酸素を含む排気ガスの浄化前の酸素原子数に基づいて酸素濃度を検出し、対応する信号をコントロールユニット100に出力するように構成されている。
下流側酸素センサSW2は、触媒12の下流側に配置され、触媒12によって浄化された後の排気ガスに含まれる酸素原子数に基づいて酸素濃度を検出し、対応する信号をコントロールユニット100に出力するように構成されている。
排気ガス温度センサSW3は、浄化前の排気ガスの温度を検出し、対応する信号をコントロールユニット100に出力するように構成されている。
冷却水温度センサSW4は、内燃機関の冷却水の温度を検出することにより、コントロールユニット100が当該内燃機関の筒内温度や排気ガス温度を推定するためのものである。
エアフローメータ24は、送風時の空気量に相当する信号をコントロールユニット100に出力するように構成されている。
給電ユニット25は、給電時の印加電圧に相当する信号をコントロールユニット100に出力するように構成されている。
他方、活性酸素成分供給量調整ユニットとしてのコントロールユニット100には、出力要素として、エアポンプ23や給電ユニット25が出力要素として制御可能に接続されている。これにより、コントロールユニット100は、排気ガス温度センサSW3(または冷却水温度センサSW4或いは両センサSW3およびSW4)の検出値Texに基づき、冷間運転時にはオゾナイザ20を作動させる運転制御手段として機能するように構成されている。
図3は、図1の実施形態に係る制御マップのデータ構造を示すエンティティリレーションシップ図である。また、図4は、図1の実施形態に係る活性酸素成分生成装置としてのオゾナイザ20のオゾン発生量と消費電力との関係を示すグラフである。
まず、図3を参照して、メモリ102には、関係データベースで表現される制御マップM1が記憶されている。
図3において、40、42、44は、それぞれ実浄化率テーブル、温度テーブル、および必要オゾン量テーブルである。ここで、テーブルとは、二次元の表形式で格納されたデータ群をいう。
実浄化率テーブル40は、実浄化率が記憶されているテーブルであり、0%から100%までの値が、主キーとともに格納されている。この実浄化率ηaは、上流側および下流側酸素センサSW1、SW2から演算される値である。
温度テーブル42は、0℃から250℃までの温度範囲を所定の範囲(例えば10℃毎)に区切ってグループ化したものが、主キーとともに格納されている。
必要オゾン量テーブル44は、実浄化率テーブル40および温度テーブル42の各主キーを組み合わせることによって、必要オゾン量OQを一意に決定するための連関エンティティである。
例えば、実浄化率テーブル40の値が20パーセント、温度テーブル42の値が120℃の場合、これら2つの組み合わせを連関させることによって、必要オゾン量OQが18.0ml/minと、一意に決定されるのである。これにより、本実施形態では、演算された実浄化率ηaおよび排気ガス温度センサSW3の検出値Texから、必要オゾン量OQを索引可能な制御マップM1を構築し、メモリ102に記憶させることが可能になっている。
次に、図4を参照して、本実施形態においては、オゾナイザ20を制御するために、当該オゾナイザ20の消費電力と発生するオゾン発生量との関係が実験データに基づいて図4に示すようにマップ化され、制御マップM2として、コントロールユニット100のメモリ102に記憶されている。図示の例では、例えば消費電力が120Wの場合、生成されるオゾン量は、12ml/minとなっている。この12ml/minという量は、一見、少ない値のように思われるが、内燃機関の排気ガス流量においては、約0.1%程度に匹敵する量である。内燃機関の低回転時における排気ガス中に含まれる酸素の量が0.6%であるところから考えると、12ml/minのオゾン量であってもHCやCOを酸化浄化する効果は、充分に得られるのである。そのため、排気ガス温度によっては、12ml/minのオゾン量であっても、供給過剰となる場合がある。そこで、本実施形態においては、上述した図3のデータ構造に基づく制御マップM1により、コントロールユニット100が必要オゾン量OQに基づいて吐出されるオゾン量を制限する吐出量制限手段として機能するように構成されている。
なお、コントロールユニット100のメモリ102には、酸素センサSW1、SW2の故障を診断する診断プログラムが記憶されており、この診断プログラムによって酸素センサSW1、SW2の故障判定がなされた場合には、図略の報知ユニットを用いて乗員にセンサの故障を報知するように構成されている。尤も、酸素センサSW1、SW2の故障を診断する診断プログラム自身は、公知の構成をそのまま採用することができるので、その詳細については説明を省略する。
次に、図5を参照して、オゾン供給量調整ユニットとしてのコントロールユニット100の制御フローについて説明する。
図5は、図1の実施形態に係るフローチャートである。また図6は、図5の供給量調整処理サブルーチンを示すフローチャートである。
図5を参照して、コントロールユニット100は、まずオゾナイザ20をOFFにする(ステップS20)。不必要なオゾンが生成されるのを防止するためである。
次いで、コントロールユニット100は、酸素センサ診断処理サブルーチンを実行する(ステップS21)。このサブルーチンでは、酸素センサSW1、SW2の故障を診断する診断プログラムが実行され、各酸素センサSW1、SW2の良否が判定される(ステップS22)。仮に酸素センサSW1、SW2の何れか一方が故障していた場合、図略の報知ユニットによって故障報知を実行し(ステップS23)、処理を終了する。このため、本実施形態では、オゾナイザ20の良否判定の基となる各酸素センサSW1、SW2に故障が生じている場合には、オゾナイザ20が稼働されないような仕様になっている。このため、オゾナイザ20を装備したことに伴うフェールセーフ機能が確保される。
他方、ステップS22で、何れの酸素センサSW1、SW2も正常であると判定した場合、コントロールユニット100は、排気ガス温度センサSW3の検出値Texを読み、所定のしきい値T1と比較することによって、内燃機関が冷間運転時であるか否かを判定する(ステップS24)。このしきい値T1としては、例えば250℃が好適である。仮に温間運転時であると判定した場合(ステップS24において、NOの場合)、コントロールユニット100は、ステップS20に復帰する。反対に、冷間運転時であると判定した場合(ステップS24において、YESの場合)、コントロールユニット100は、オゾナイザ20をONにする(ステップS25)。次いで、詳しくは図6で詳述する供給量調整処理サブルーチンS26が実行され、処理が終了する。
次に、図6を参照して、供給量調整処理サブルーチンS26において、コントロールユニット100は、上流側および下流側酸素センサSW1、SW2の検出値OSin、OSoutを読み取る(ステップS261)。次いで、これらの検出値OSin、OSoutに基づき、実浄化率ηaを演算する。
次いで、コントロールユニット100は、排気ガス温度センサSW3の値を読み取り(ステップS263)、実浄化率ηaと排気ガス温度センサSW3の値に基づき、必要オゾン量OQをマップM1から索引する(ステップS264)。この結果、現在の排気ガス温度で必要な必要オゾン量OQが運転状態に応じて的確に算出されることになる。
次いで、コントロールユニット100は、必要オゾン量OQが0を超えているか否かを判定する(ステップS265)。仮に必要オゾン量OQが0以下の場合(ステップS265において、NOの場合)、コントロールユニット100は、オゾナイザ20をOFFにしてメインルーチンに復帰する。他方、必要オゾン量OQが0を超えている場合(ステップS265において、YESの場合)、コントロールユニット100は、図4のグラフに基づく制御マップM2から給電ユニットを必要オゾン量OQに対応させる。具体的には、調整弁21aの開弁量を制御する、エアポンプ23の空気供給量を調整する、給電ユニット25が印可する電圧を制御する、等の方法を単独または組み合わせることにより、吐出されるオゾン量を微調整することが可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、運転制御手段としてのコントロールユニット100が排気ガス温度センサSW3の出力に基づいて、冷間運転時には、オゾナイザ20を作動する。他方、オゾン供給量調整ユニットとしてのコントロールユニット100は、排気ガス温度センサSW3の出力に応じて、必要なオゾン供給量を演算する。そして、吐出量制限手段としてのコントロールユニット100は、演算された必要オゾン供給量OQに応じて、前記オゾナイザ20のオゾン供給量を制限する。この結果、内燃機関の排気ガス温度が上昇し、触媒12の温度が高くなって、触媒12自身の浄化率が向上すると、必要オゾン供給量OQもそれに応じて低減されるので、供給される活性酸素成分は、当該オゾナイザ20の作動後、常時、必要充分な量に調整されることになる。
また、本実施形態では、コントロールユニット100が、上流側酸素センサSW1および下流側酸素センサSW2の値に基づいて、実浄化率ηaを演算するとともに、前記実浄化率ηaと前記排気ガス温度センサSW3の値に基づいて、前記必要オゾン供給量OQを演算する。このため本実施形態では、排気ガス温度センサSW3の出力に応じて、実浄化率ηaが演算されるとともに、この実浄化率ηaに基づいて、必要なオゾン供給量が演算されるので、より現実の運転状態に適合した必要活性酸素供給量を演算することが可能になる。
また、本実施形態では、排気ガス温度センサSW3が検出した温度と、コントロールユニット100が演算した実浄化率ηaとに基づいて必要オゾン供給量OQが特定されるデータを記憶するメモリ102を有している。このため本実施形態では、予め実験等でマップ化されたデータ(すなわち、図3のエンティティリレーションシップに基づくデータ)を記憶しておき、検出または演算された値に基づいて、必要オゾン供給量OQを特定することができるので、より精度の高い演算を実現することが可能になる。
また、本実施形態では、演算された必要オゾン供給量OQが0以下の場合には前記オゾナイザ20の作動を停止するものであり、コントロールユニット100は、オゾナイザ20が作動停止した後、排気ガス温度センサSW3の検出値Texが所定値未満の場合には、再度、前記オゾナイザ20を作動させるものである。このため本実施形態では、オゾン供給量調整ユニットとしてのコントロールユニット100によってオゾナイザ20が停止することにより、不要な活性酸素成分の生成が阻止されるとともに、停止後に運転状態が冷間運転に変化した場合には、オゾナイザ20が再稼働することにより、常に高い浄化率を維持することが可能になる。
また、本実施形態において、温度センサとしては、当該内燃機関の排気ガスの温度を検出する排気ガス温度センサSW3と当該内燃機関の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサSW4との少なくとも一方である。このため、本実施形態では、運転状態や内燃機関の特性に応じて適宜最適な温度検出を実行することが可能になる。
従って本実施形態によれば、内燃機関の排気ガス温度が上昇し、触媒12の温度が高くなって、触媒12自身の浄化率が向上すると、演算される必要活性酸素成分供給量もそれに応じて低減されるので、供給される活性酸素成分は、オゾナイザ20の作動後、常時、必要充分な量に調整されることになる結果、添加されるオゾン量を必要充分な値に維持し、もって、オゾンを安全に利用しつつ高い浄化率を維持することができるという顕著な効果を奏する。
上述した実施形態は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、図6のステップS266において、オゾンの供給量を制限/調整する方法は、種々の具体的手段を採用することが可能である。ここで、エアポンプ23や給電ユニット25を制御してオゾン供給量を制限する方法を採用した場合、不必要なエネルギーの消費を低減することができるという利点がある。
また、図7に示すように、必要オゾン量OQと排気ガス温度との関係を実験値に基づいてマップにし、これに基づいて、オゾン供給量を制御するようにしてもよい。
なお、本発明は、内燃機関が頻繁に駆動と停止とを繰り返すように構成される、いわゆるアイドルストップ車や、内燃機関と電動機とを組み合わせたハイブリッド車での利用が特に有効であるが、これに限定されるものではない。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の構成を採用することが可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る排気ガス浄化用装置の概略構成を示す構成図である。 アルミナとセリア系酸化物からなるOSC材と触媒貴金属とを含む図1の実施形態に係る触媒を用い、活性酸素を流入させない場合の浄化率と温度との関係を示すグラフである。 図1の実施形態に係る制御マップのデータ構造を示すエンティティリレーションシップ図である。 図1の実施形態に係る活性酸素成分生成装置としてのオゾナイザのオゾン発生量と消費電力との関係を示すグラフである。 図1の実施形態に係るフローチャートである。 図5の供給量調整処理サブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の別の実施形態を示すグラフである。
符号の説明
11 排気通路
12 触媒
20 オゾナイザ
21 吐出管
21a 調整弁
22 オゾン発生ユニット
23 エアポンプ
24 エアフローメータ
25 給電ユニット
40 実浄化率テーブル
42 温度テーブル
44 必要オゾン量テーブル
100 コントロールユニット
102 メモリ
M1 制御マップ
M2 制御マップ
SW1 上流側酸素センサ
SW2 下流側酸素センサ
SW3 温度センサ
SW4 冷却水温度センサ

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に活性酸素成分を供給する活性酸素成分生成装置を備えた排気ガス浄化用装置であって、
    前記排気通路中に配置された触媒と、
    前記配置通路中の前記触媒よりも上流側に活性酸素成分を吐出する吐出管を有する前記活性酸素成分生成装置と、
    排気ガスの温度に関連した値を検出する温度センサと、
    前記排気通路中の前記吐出管と前記触媒との間に配置され、当該触媒を通過する前の排気ガスの酸素濃度を検出する上流側酸素センサと、
    前記排気通路中の当該触媒の下流側に配置され、触媒を通過した排気ガスの酸素濃度を検出する下流側酸素センサと、
    前記温度センサの検出値に基づき、冷間運転時には前記活性酸素成分生成装置を作動させる運転制御手段と、
    前記運転制御手段によって前記活性酸素成分生成装置が作動した後、少なくとも前記温度センサの検出値に基づいて、前記活性酸素成分生成装置の活性酸素成分供給量を調整する活性酸素成分供給量調整ユニットとを備え、
    前記活性酸素成分供給量調整ユニットは、
    前記上流側酸素センサおよび下流側酸素センサの値に基づいて、実浄化率を演算する実浄化率演算手段と、
    前記実浄化率と前記温度センサの値に基づいて、排気ガスの浄化に必要とされる必要活性酸素成分供給量を演算する必要活性酸素成分供給量演算手段と、
    前記必要活性酸素成分供給量に応じて、前記活性酸素成分生成装置の活性酸素成分の吐出量を制限する吐出量制限手段とを備えている
    ことを特徴とする排気ガス浄化用装置。
  2. 請求項1記載の排気ガス浄化用装置において、
    前記必要活性酸素成分供給量演算手段は、前記温度センサが検出した温度と、前記実浄化率演算手段が演算した実浄化率とに基づいて必要活性酸素成分供給量が特定されるデータを記憶する手段を有していることを特徴とする排気ガス浄化用装置。
  3. 請求項1または2記載の排気ガス浄化用装置において、
    前記活性酸素成分供給量調整ユニットは、演算された前記必要活性酸素成分供給量が0以下の場合には前記活性酸素成分生成装置の作動を停止するものであり、
    前記運転制御手段は、前記活性酸素成分供給量調整ユニットによって前記活性酸素成分生成装置が作動停止した後、温度センサの検出値が所定値未満の場合には、再度、前記活性酸素成分生成装置を作動させるものである
    ことを特徴とする排気ガス浄化用装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の排気ガス浄化用装置において、
    前記活性酸素成分生成装置は、前記吐出管に設けられ、生成された活性酸素の吐出量を調整する調整弁を有し、
    前記吐出量制限手段は、前記調整弁の開弁量を変更するものである
    ことを特徴とする排気ガス浄化用装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の排気ガス浄化用装置において、
    前記温度センサは、当該内燃機関の排気ガスの温度を検出する排気ガス温度センサと当該内燃機関の冷却水の温度を検出する冷却水温度センサとの少なくとも一方であることを特徴とする排気ガス浄化用装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の排気ガス浄化用装置において、
    前記活性酸素成分は、オゾンであることを特徴とする排気ガス浄化用装置。
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