JP4871827B2 - 支持装置 - Google Patents
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Description
本発明は、支持装置に関し、特に画像表示装置を支持する支持装置に関する。
近年大型のプラズマディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置等(以下、単に「画像表示装置」という。)が実用化され従来のCRTに比べて薄型の画像表示装置が普及し、TV等に用いられている。視聴者はこれらの画像表示装置を卓上型スタンド、または床置き型スタンドに取り付けて使用している。
一般的に市販されている床置き型スタンドに取付けられている大型の画像表示装置について図12、図13を参照しながら説明を加える(例えば、特許文献1参照)。
画像表示装置51は、薄型の液晶ディスプレイ装置であって、その底部を床置き型スタンド53が支持すると共に、周辺機器56と接続する。画像表示装置51は、薄型画像表示部52を備えると共に、不図示のスピーカーとチューナーを内蔵しており、テレビ放送を視聴することが可能である。床置き型スタンド53は、スタンド支柱54、台座プレート55で構成され、周辺機器設置場所53aを有している。
スタンド支柱54は、画像表示装置51の正面から見て左右両脇に1本づつ有し、図13に示すように、画像表示装置51の前後方向の重心51aの略一致した重心位置54aで画像表示装置51を支持する。台座プレート55は、その上に置かれた構造物全体の質量、すなわち、床置き型スタンド53及び画像表示装置51の質量を支えている。周辺機器56は、DVDレコーダなどの録画再生機能を備えた装置である。
このように、従来の画像表示装置51の前後方向の重心51aと、スタンド支柱54の前後方向の重心位置54aとは略一致している。
一方、デザイン的な要求により、図14のスタンド支柱64のように、台座プレート65に向かって略湾曲させた形状が望まれる場合がある。この場合、画像表示装置62の前後方向の重心62aと、スタンド支柱64の前後方向の重心位置64aとが前後方向にずれ、スタンド支柱64が画像表示装置62の質量を直下で受けられなくなる。
具体的には、画像表示装置61は、薄型の液晶ディスプレイ装置であって、その底部を床置き型スタンド63が支持すると共に、周辺機器66と接続する。画像表示装置61は、薄型画像表示部62を備えると共に、不図示のスピーカーとチューナーを内蔵しており、テレビ放送を視聴することが可能である。床置き型スタンド63は、スタンド支柱64、台座プレート65で構成され、周辺機器設置場所63aを有している。
スタンド支柱64は、画像表示装置61を正面から見て中央に1本有し、画像表示装置61の重心61aとは前後方向にずれた重心位置64aで画像表示装置61を支持する。台座プレート65は、その上に置かれた構造物全体の質量、すなわち、床置き型スタンド63及び画像表示装置61の質量を支えている。周辺機器66は、DVDレコーダなどの録画再生機能を備えた装置である。
特開2003−241673号公報
しかしながら、近年画像表示装置においては大画面化が進んでおり、これに伴い、画像表示装置全体の重量が増大する傾向にある。
図12、図13に示す従来の床置き型スタンド53は、画像表示装置51の質量を直下のスタンド支柱54が支えていた。このため、画像表示装置51全体の重量が増大した場合は、スタンド支柱54の材質を圧縮荷重に強い金属にすれば、床置き型スタンド53で画像表示装置51を支えることができる。
しかしながら、図14に示す湾曲形状をもつ床置き型スタンド63は、画像表示装置61の重心61aとは前後方向にずれた重心位置64aで画像表示装置61を支持する。このため、画像表示装置61全体の重量が増大した場合に、スタンド支柱64の材質を金属としても、スタンド支柱64に加わる曲げ荷重に対して十分な強度を与えることができない場合がある。金属は圧縮荷重には強いが、曲げ荷重に弱いという性質を有するからである。
また、上記曲げ荷重に対して十分な強度を与えるべく、スタンド支柱64に厚みを与えると、床置き型スタンド63全体が大きくなり、近年薄型化が進んでいる画像表示装置とデザイン的に釣り合いが取れなくなる傾向があった。
本発明は、画像表示装置(ディスプレイ)の重心位置と、その底部を支持する支持装置(スタンド)の重心位置とが前後方向にずれている場合であっても、画像表示装置を支持するのに必要な強度を持たせることができる支持装置を提供することにある。また本発明は、ひいては軽量化且つ小型化を図ることができる支持装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の支持装置は、画像表示装置を支持すると共に床面と平行である底板部の上面に固定される少なくとも一つの支柱部を備える支持装置において、前記支柱部は、前記底板部に向かって湾曲した形状の部材を有する第1の支柱部材と、前記湾曲した形状の部材の外周側に締結・配置される第2の支柱部材と、前記第2の支柱部材の上部と下部に引張荷重を加えるべく、前記第2の支柱部材に張力を調整可能に付与する張力付与手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、支持装置に画像表示装置を支持するのに必要な強度を持たせることができ、ひいては支持装置の軽量化且つ小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る支持装置としてのスタンドに取り付けられているディスプレイを示す正面図である。図2は、図1のスタンドに取り付けられているディスプレイを示す側面図である。
図1において、ディスプレイ2は、スタンド4及び台座プレート3により下方で支持される。
ディスプレイ2は、内部に電子放出素子を用いた薄型画像表示部であって、支持構造体、電気回路を内蔵する。ディスプレイ2は、さらにスピーカーとチューナーを内蔵し、テレビ放送を視聴することが可能である。ディスプレイ2の下部には、スタンド4の凸部と嵌合する嵌合穴2aを設けている。重心2bは、ディスプレイ2の前後方向の重心を表す。
台座プレート3(底板部)は、床面と平行であって画像表示装置1の底部に位置し、一定の面積を有する板状の構成部品である。この台座プレート3は、該画像表示装置1が転倒しないよう安定した姿勢を維持するために、全体の質量を支える剛性を有する。
スタンド4は、前記ディスプレイ2の底部と前記台座プレート3の上面部に固着することでディスプレイ2の支持部となる。上部では嵌合穴2aに凸部を挿入してネジ(図示せず)で固定し、下部は前記台座プレート3にネジ(図示せず)止めされる。また、図2に示すように、スタンド4の重心位置4bと、前記ディスプレイ2の重心2aの位置が、前後方向について位相がずれたデザインとなっている。詳細は後述するが、スタンド4は2本で1組の同一形状の支柱(支柱部)4aが引張荷重を受ける構成部品と圧縮荷重を受ける構成部品を有している。
図3は、図1におけるスタンド4の支柱4aの全体構成を示す斜視図である。図4は、図3の支柱4aにおける引張荷重受け部の構成を示す斜視図である。図5は、支柱4aにおける圧縮荷重受け部の構成を示す斜視図である。
図3〜図5において、支柱4aは、台座プレート3に向かって湾曲した形状を有する圧縮荷重受け部6(第1の支柱部材)と、圧縮荷重受け部6の湾曲した形状の外周側に締結・配置される引張荷重受け部5(第2の支柱部材)とを備える。また、支柱4aは、引張荷重受け部5及び圧縮荷重受け部6の間に配置されるナットプレート8と、支柱4aは、ナットプレート8の不図示の雌ネジと嵌合する張力調整用ネジ7(張力付与手段)と、引張荷重受け部5の上面に設けられる締結ブラケット9とを備える。
図4に示すように、引張荷重受け部5は、鉄あるいはステンレスの板材から成り、プレス加工により略垂直部に複数の曲げ部5aを備える。また、引張荷重受け部5は、その上部にディスプレイ2の底部と密着状態となる平面形状をした板金平面上部5bと、該板金平面上部5bにある複数の穴5cとを備える。また、引張荷重受け部5は、板金平面上部5bの一部を90度に切り起こした切起し部5dと、該切起し部5dにプレスあるいはレーザー加工により開けられたネジ(図示せず)を通すための複数の穴5eとを備える。さらに、引張荷重受け部5は、その上部最端部となる直角曲げ上部5fと、その略垂直部間にプレスあるいはレーザー加工により開けられたネジを通すための複数の穴5gとを備える。また、引張荷重受け部5は、その下部に台座プレート3の上面部と密着状態となる平面形状をした板金平面底部5hと、その下部最端部には直角曲げ下部5iとを有する。
圧縮荷重受け部6は、鉄あるいはステンレス(第2の材質)よりも比重の軽い(密度が小さい)アルミ(第1の材質)から成る。また、圧縮荷重受け部6は、鋳造又は切削加工により作られることにより、剛性が与えられている。
図5に示すように、圧縮荷重受け部6は、その上部に前記板金平面上部5bの下面と接する平面上部6aと、該平面上部6aにある複数の雌ネジ部6bとを備える。ここで、平面上部6aの表面は、板金平面上部5bと密着状態になるよう機械加工により適度な平面度をもって形成される。
圧縮荷重受け部6は、外フランジ6d、内フランジ6e、および中リブ6fで構成される断面6cにおける形状が略H形の湾曲した部品を有する。また、圧縮荷重受け部6は、外フランジ6dの外側に複数の凸リブ6gを備えており、この複数の凸リブ6gを用いて引張荷重受け部5の曲げ部5aと密着する。ここで、凸リブ6gのコーナー部には引張荷重受け部5と接する部分の稜線にRが適度に施されている。これにより、引張荷重受け部5の曲げ部5aと凸リブ6gとの密着性をより高めることができる。
圧縮荷重受け部6は、その下部に引張荷重受け部5の板金平面下部5hの上面と接する平面下部6hを備えている。この平面下部6hは、引張荷重受け部5の板金平面下部5hと密着状態になるよう機械加工により適度な平面度をもって形成される。
また、圧縮荷重受け部6は、平面下部6hの上面と接するリブ6iを有する。これにより、平面下部6hの強度補強、および、略垂直部と下部との結合部の強度補強を行うことができる。
上述した中リブ6fは、タップ用ボス6jを複数備える。これにより、スタンド4を隠すための化粧カバー(図示せず)をネジ止めすることができる。
図3に示すように、張力調整用ネジ7は、一般的に使用されている雄ネジ部を有する金属製のネジであり、ナットプレート8は、金属製の適度な剛性を有する板形状をしていて、前記張力調整用ネジ7と嵌合する雌ネジ部(図示せず)を複数有する。
締結ブラケット9は、切起し部5dに密着する断面略コの字の板金であり、プレス加工によりフランジ部9aの曲げ形状も形成している。締結ブラケット9は、略コの字部には穴5eと対向する位置に雌ネジ(図示せず)を有する。このフランジ9aと板金平面上部5bは密着する形状になっている。さらに、締結ブラケット9は、穴5c及び雌ネジ部6bと同軸上にあるネジ止め用の穴9cを有する。
以上で本発明の構造の説明を終了し、次に支柱4aの組立て方法について説明する。
図6は、スタンド4を組立てる手順を説明するのに用いられる側面図である。図6において、同一部品には同一番号を付記する。
図6(a)では、引張荷重受け部5の穴5gに、張力調整用ネジ7を通し、さらに、ナットプレート8の雌ネジ部(図示せず)に通した状態である。次に、圧縮荷重受け部6の平面下部6h先端部に、直角曲げ下部5iを引っ掛け、該直角曲げ下部5iを中心にして、引張荷重受け部5を上方(図6(a)向かって反時計回り)に回転させる。この回転は、直角曲げ上部5fが平面上部6aに当たった状態(図6(b)の点線で示す状態)になるまで行う。
図6(b)では、直角曲げ上部5fが、平面上部6aを乗り越えるため、引張荷重受け部5を矢印5j方向へ弾性変形させる。
図6(c)では、直角曲げ上部5fが、平面上部6aの先端に押し込むように引っ掛かける。これにより、該平面上部6a及び板金平面上部5bと、凸リブ6g及び引張荷重受け部5とが密着状態になり、且つ張力調整用ネジ7の先端と外フランジ6bとが略密着状態になる。次に、締結ブラケット9の略コの字部と、切起し部5dとを密着状態にし、さらに、曲げフランジ9aと板金平面上部5bとを密着状態にして、ネジ(図示せず)を、穴9c、穴5cに貫通させて雌ネジ部6bに止めて締結ブラケット9と板金平面上部5bを固着する。
図6(d)では、ナットプレート8が圧縮荷重受け部6から遠ざかるように張力調整用ネジ7を回す。それにともない引張荷重受け部5も圧縮荷重受け部6から遠ざかる。引張荷重受け部5に適度に引張荷重5kが掛かり、圧縮荷重受け部6には引張荷重6k、圧縮荷重6mが掛かるように全ての張力調整用ネジ7を調整する。つまり、張力調整用ネジ7は引張荷重受け部5及び圧縮荷重受け部6に張力を調整可能に付与する。なお、図6(d)における引張荷重5k、引張荷重6k、圧縮荷重6mの矢印の長さは荷重値の略大きさを表す。本作業により、スタンド4の支柱4aが1本完成する。
図6(e)では、前記支柱4aを2本並べたスタンド4を台座プレート3にネジ(図示せず)で固着する。ディスプレイ2の嵌合穴2aに切起し部5dと一体化した締結ブラケット9を差込み、ディスプレイ2の下部と板金平面上部5bが密着した状態で固定ネジ10で固定する。ディスプレイ2の質量は板金平面上部5bを介してスタンド4と台座プレート3に支えられる。ディスプレイ2の質量をスタンド4が受けることにより、引張荷重受け部5に引張荷重5m、圧縮荷重受け部6には圧縮荷重6n、引張荷重6pが掛かる。なお、図6(e)における引張荷重5m、圧縮荷重6n、引張荷重6pの矢印の長さは荷重値の略大きさを表す。本作業により、ディスプレイ2をスタンド4及び台座プレート3で支持することができる。
次にスタンド4の支柱4aの特徴について説明する。
図2に示すように、ディスプレイ2の重心位置2bとそれを支持するスタンド4の重心位置4bとが前後方向にずれている場合、支柱4aにはディスプレイ2の質量により曲げモーメントが生じ圧縮荷重と引張荷重が作用する。
支柱4aにおいて、圧縮荷重受け部6の圧縮荷重(6n,6m)が掛かる部分には、鉄あるいはステンレスより比重が軽く圧縮荷重に強い材質、本実施の形態ではアルミが、その他の部分には鉄あるいはステンレスが用いられる。さらに、この圧縮荷重が掛かる部分は、鋳造あるいは削りにより断面形状がH型となるよう加工された支柱構造を有する。この支柱構造は、その上部と下部で引張荷重(5k,5m)が掛かる部材、すなわち引張荷重受け部5を固定する配置とした。また、この引張荷重受け部5には、引張荷重による耐力値が高い材質、本実施の形態では鉄あるいはステンレスからなる板状部材が用いられる。
以上、本実施の形態によれば、圧縮荷重受け部6の部材の全てを鉄あるいはステンレスにするのでなく、圧縮荷重が掛かる部分はアルミを使用する。これにより、圧縮荷重受け部6の部材を全て鉄あるいはステンレスとした場合と同程度の剛性、同程度のサイズを維持しつつ、軽量化が可能となり、さらに圧縮荷重受け部6の重心が低くなるため、スタンド4を転倒しにくい安定したものとすることができる。
また、本実施の形態によれば、支柱4aの部材を全てアルミにするのでなく、引張荷重が掛かる部材(引張荷重受け部5)は鉄あるいはステンレスとする。これにより、支柱4aの部材を全てアルミとした場合と比べて軽量化は図れないものの、補強のために引張荷重受け部5の外形寸法を大きくしなくても支柱4aを構成することができる。
更に、図6(d)で上述したように、支柱4a単体の状態で張力調整用ネジ7を回すことで、引張荷重受け部5に引張荷重5kを予め加えておく。これにより、ディスプレイ2の質量によるスタンド4に掛かる曲げモーメントを相殺することができる。すなわち、上記張力によって、圧縮荷重受け部6には予め圧縮荷重6mが掛けられた状態となるので、耐力以上の引張荷重が掛かることを防止できる。この結果、ディスプレイ2がスタンド4で支持されている状態で耐力値内の引張荷重を活用できる。またかかる構成を採ることにより、支柱4a内の力の掛かり具合を意図的に調整できるようになり、スタンド4を最適な形状にすることができる。
このように、本実施の形態では、スタンド4の支柱4aは、圧縮荷重を受ける構造体(圧縮荷重受け部6)と引張荷重を受ける構造体(引張荷重受け部5)により構成される。さらに、ディスプレイ2をスタンド4で支持する前に引張荷重受け部5に与える張力を調整して、圧縮荷重受け部6に対して予め圧縮荷重を与えておく。これにより、ディスプレイ2をスタンド4で支持したときの圧縮荷重受け部6が受ける引張荷重を最適値に調整でき、スタンド4を最適な形状にすることができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるスタンド4を利用することで以下のような効果が得られる。
第1に、ディスプレイ2の重心位置と、それを支持するスタンド4の重心位置が前後方向にずれている場合であっても、スタンド4を軽量、小型化することができ、かつスタンド4がディスプレイ2を支持するのに必要な強度を持たせることができる。
第2に、スタンド4の部品の一部に、軽量且つ切削性・加工性に優れたアルミを用いるので、スタンド4全体の軽量化を図ることができ、また加工や組立ての際の取扱いを向上させることができる結果、輸送費も含めコストを低減させることができる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るスタンドの支柱の全体構成を示す斜視図である。図8は、図7の支柱における圧縮荷重受け部の構成を示す斜視図である。図9は、図7における押付け金具の詳細構成図であって、(a)は正面図、(b)は上面図を示す。図10は、図7における引張金具の詳細構成図であって、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。図11は、図7のスタンドを部品から組立てる手順を説明するのに用いられる側面図である。
尚、本実施の形態にかかるスタンドは、第1の実施の形態にかかるスタンド4の構成要素と基本的に同じであり、同一の構成要素には同一の符号を付記または省略し、スタンド4と異なる構成要素についてのみ説明する。
図7〜11において、引張荷重受け部(ワイヤー)12は、鉄あるいはステンレスの1本の線、あるいは複数の細い線を編んだワイヤーから成り、適度な長さを有す。引張荷重受け部12は、その両端部に、アルミ製の輪形状を有する2つのカシメ金具12aをかしめる(潰して塑性変形させる)ことで形成された輪形状部12bを有する。この輪形状部12bの形成は、具体的には、引張荷重受け部12の両端部を折り返した状態で夫々別のカシメ金具12aに通した後、カシメ金具12aを2つともかしめて、引張荷重受け部12の両端部を固定することにより行われる。
圧縮荷重受け部13は、第1の実施の形態にかかる圧縮荷重受け部6と同じ材質で構成され、且つほぼ同じ形状を有する。従って、以下、圧縮荷重受け部6と異なる形状についてのみ説明する。
圧縮荷重受け部13は、図8に示すように、その上部に切削加工により適度な平面度をもった平面上部13aを有する。平面上部13aの一部は、一段凹んだ面になるように切削加工された適度な平面度を持った略T字面13bが形成されている。
また、圧縮荷重受け部13は、外フランジ13cは第1の実施の形態にかかる外フランジ6dと同一形状をなしており複数の雌ネジ部13d、複数の雌ネジ下部13eを有する。
さらに、圧縮荷重受け部13は、平面上部13aの先端部にフライスにより切削加工された引張金具凹部13fを有する。略T字面13bと引張金具凹部13fにより形成された部分は、引張金具17の略コの字曲げ部17a(図7)が嵌合し摺動する部分となる。詳細については、図10を用いて後述する。この引張金具凹部13fの横幅13gは略T字面13bの中央溝13hの幅と同一となるよう形成される。
張力調整用ネジ14(図7)は、一般的に使用されている雄ネジ部を有する金属製のネジであり、詳細の説明は省略する。
押付け金具15は、金属製の適度な剛性を有する板形状(図9(a))をしていて、プレスあるいはレーザーにより外形、および、中央穴15a(図9(b))が加工されている。図9(a)に示すように、押付け金具15は、その左右両端はプレス曲げにて両端曲げ部15bを有し、その中央部には前記引張荷重受け部12と当接する当て面15cを有する。
段付きネジ16(図7)は、同一軸上に、先端部に雄ネジ部(図示せず)、その隣に雄ネジ部より直径が大きい円柱部16a、その隣に円柱部16aより直径が大きいフランジ部16bが一体で切削加工された金属製の部品である。
引張金具17(図7)は、外形がプレスあるいはレーザーにより加工された金属製の適度な剛性を有する板金で、図10(a)に示すように略T字形状をしている。略T字の下部には、図10(b)に示すように、プレス加工により2回直角に曲げられた略コの字曲げ部17aがあり、略T字面13bと当接する当接面17bと連続した略コの字曲げ部17aに雌ネジ17cが施されている。また、略T字面13bの上部にも2つの雌ネジ17dが施されている。雌ネジ部17dには後述する段付きネジ19が当接面17bと反対の面から嵌め込まれ、これにより、段付きネジ19が引張金具17に固定される。この段付きネジ19の雄ネジ部(図示せず)は当接面17bから飛び出さない構造になっている。
引張ネジ18(図7)は、一般的に使用されている雄ネジ部を有する金属製のネジであり、詳細の説明は省略する。
段付きネジ19(図7)は、前記段付きネジ16と同一の形状、材質からなる構成部品であるため、詳細の説明は省略する。
次にスタンド11の組立て方法について説明する。
図11は、スタンド11を組立てる手順を説明するのに用いられる側面図である。図11において、同一部品には同一番号を付記する。
図11(a)では、略T字面13bに引張金具17の当接面17bを密着させ、引張金具凹部13eに略コの字曲げ部17aをはめ込む。引張荷重受け部12を、段付きネジ16のフランジ部16bと外フランジ13cとの間にはめ込み、両端の輪形状部12bに段付きネジ19をそれぞれ通し、雌ネジ17d(図10)に段付きネジ19をねじ止めする。引張荷重受け部12におおよその張力を張らせるために雌ネジ17cに取り付けた引張ネジ18を回し張力方向17eに引張金具17を移動させる。以上の作業で引張荷重受け部12の組立てと、第一の張力調整を終了する。
図11(b)では、引張荷重受け部12におおよその張力が張れた後、押付け金具15が外フランジ13cに近づくように全ての張力調整用ネジ14を適度に締め付ける。これにより、引張荷重受け部12に更なる引張荷重12kが掛かり、圧縮荷重受け部13には引張荷重13k、圧縮荷重13mが掛かる。なお、図11(b)における引張荷重12k、引張荷重13k、圧縮荷重13mの矢印の長さは荷重値の略大きさを表す。以上の作業で、第二の張力調整が終了し、スタンド11の支柱11aが1本完成する。
図11(c)では、完成した支柱11a並べたスタンド11に、第1の実施の形態と同様、台座プレート3及びディプレイ2を固定する。ディスプレイ2の質量をスタンド11が受けることにより、引張荷重受け部12に引張荷重12m、圧縮荷重受け部13には圧縮荷重13n、引張荷重13pが掛かる。なお、図11(c)における引張荷重12m、圧縮荷重13n、引張荷重13pの矢印の長さは荷重値の略大きさを表す。本作業により、ディスプレイ2をスタンド11及び台座プレート3で支持することができる。
次にスタンド11の支柱11aの特徴について説明する。
図2に示すように、ディスプレイ2の重心位置2bとそれを支持するスタンド11の重心が前後方向にずれている場合、支柱11aにはディスプレイ2の質量により曲げモーメントが生じ圧縮荷重と引張荷重が作用する。
支柱11aにおいて、圧縮荷重受け部13の圧縮荷重(13n,13m)が掛かる部分には、鉄あるいはステンレスより比重が軽く圧縮荷重に強い材質、本実施の形態ではアルミが、その他の部分には鉄あるいはステンレスが用いられる。さらに、この圧縮が掛かる部分は、鋳造あるいは削りにより断面形状がH型となるように加工された支柱構造を有する。この支柱構造は、その上部と下部で引張荷重(12k,12m)が掛かる部材、すなわち引張荷重受け部12を固定する配置とした。また、この引張荷重受け部12には、引張荷重による耐力値が高い材質、本実施の形態では鉄あるいはステンレスからなるワイヤーが用いられる。
以上、本実施の形態によれば、圧縮荷重受け部13の部材の全てを鉄あるいはステンレスにするのでなく、圧縮荷重が掛かる部分はアルミを使用する。これにより、圧縮荷重受け部13の部材を全てを鉄あるいはステンレスとした場合と同程度の剛性、同程度のサイズを維持しつつ、軽量化が可能となり、さらに圧縮荷重受け部13の重心が低くなるため、スタンド11を転倒しにくい安定したものとすることができる。
また、本実施の形態によれば、支柱11aの部材を全てをアルミにするのでなく、引張荷重が掛かる部材(引張荷重受け部12)は鉄あるいはステンレスとする。これにより、支柱11aの部材を全てアルミとした場合と比べて軽量化は図れないものの、補強のために引張荷重受け部12の外形寸法を大きくしなくても支柱11aを構成することができる。
更に、図11(a),(b)で上述したように、支柱11a単体の状態で引張ネジ18及び張力調整用ネジ14を回すことで、引張荷重受け部12に引張荷重12kを予め加えておく。これにより、ディスプレイ2の質量によるスタンド11に掛かる曲げモーメントを相殺することができる。すなわち、上記張力によって、圧縮荷重受け部13には予め圧縮荷重13mが掛けられた状態となるので、耐力以上の引張荷重が掛かることを防止できる。この結果、ディスプレイ2がスタンド11で支持されている状態で耐力値内の引張荷重を活用できる。またかかる構成を採ることにより、支柱11a内の力の掛かり具合を意図的に調整できるようになり、スタンド11を最適な形状にすることができる。
このように、本実施の形態では、スタンド11の支柱11aは、圧縮荷重を受ける構造体(圧縮荷重受け部13)と引張荷重を受ける構造体(引張荷重受け部12)により構成される。さらに、ディスプレイ2をスタンド11で支持する前に引張荷重受け部12に与える張力を調整して、圧縮荷重受け部13に対して予め圧縮荷重を与えておく。これにより、ディスプレイ2をスタンド11で支持したときの圧縮荷重受け部13が受ける引張荷重を最適値に調整でき、スタンド11を最適な形状にすることができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるスタンド11を利用することで以下のような効果が得られる。
第1に、ディスプレイ2の重心位置と、それを支持するスタンド11の重心位置とが前後方向にずれている場合であっても、スタンド11を軽量、小型化、かつスタンド11がディスプレイ2を支持するのに必要な強度を持たせることができる。
第2に、スタンド11の部品の一部に、軽量且つ切削性・加工性に優れたアルミを用いるので、スタンド11全体の軽量化を図ることができ、また加工や組立ての際の取扱いを向上させることができる結果、輸送費も含めコストを低減させることができる。
2 ディスプレイ
3 台座プレート
4 スタンド
5 引張荷重受け部
6 圧縮荷重受け部
7 張力調整用ネジ
8 ナットプレート
9 締結ブラケット
10 固定ネジ
11 スタンド
12 引張荷重受け部
13 圧縮荷重受け部
14 張力調整用ネジ
15 押付け金具
16 段付きネジ
17 引張金具
18 引張ネジ
19 段付きネジ
3 台座プレート
4 スタンド
5 引張荷重受け部
6 圧縮荷重受け部
7 張力調整用ネジ
8 ナットプレート
9 締結ブラケット
10 固定ネジ
11 スタンド
12 引張荷重受け部
13 圧縮荷重受け部
14 張力調整用ネジ
15 押付け金具
16 段付きネジ
17 引張金具
18 引張ネジ
19 段付きネジ
Claims (4)
- 画像表示装置を支持すると共に床面と平行である底板部の上面に固定される少なくとも一つの支柱部を備える支持装置において、
前記支柱部は、
前記底板部に向かって湾曲した形状の部材を有する第1の支柱部材と、
前記湾曲した形状の部材の外周側に締結・配置される第2の支柱部材と、
前記第2の支柱部材の上部と下部に引張荷重を加えるべく、前記第2の支柱部材に張力を調整可能に付与する張力付与手段とを備えることを特徴とする支持装置。 - 前記湾曲した形状の部材の材質は、前記第2の支柱部材の材質と比べて密度が小さく、圧縮荷重の耐力値が高く、引張荷重の耐力値が低いことを特徴とする請求項1記載の支持装置。
- 前記第1の支柱部材の材質はアルミであり、前記第2の支柱部材の材質は鉄あるいはステンレスであることを特徴とする請求項1又は2記載の支持装置。
- 前記湾曲した形状の部材の断面形状はH形であることを特徴とする請求項3記載の支持装置。
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