以下、添付図面に従って本発明に係るデジタルカメラ1を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、デジタルカメラ1の一実施形態を示す正面斜視図であり、図2は、デジタルカメラ1の一実施形態を示す背面斜視図である。デジタルカメラ1は、レンズを通った光を撮像素子で受け、デジタル信号に変換して記憶メディアに記録するものである。
デジタルカメラ1のカメラボディ10は、横長の四角い箱状に形成されており、その正面には、図1に示すように、レンズ11、ストロボ12、AF補助光ランプ13、ストロボ調光センサ14等が配設されている。また、カメラボディ10の上面には、操作表示用LCD15、立体表示装置16が設けられている。また、その背面には、図2に示すように、表示部17、タッチパネル18が設けられている。なお、図示しないカメラボディ10の下面には、三脚ネジ穴と、開閉自在なカバーを介してバッテリー挿入部とメモリカードスロットとが設けられており、このバッテリー挿入部とメモリカードスロットにバッテリー19とメモリカード20が装填される。
レンズ11は、沈胴式のズームレンズで構成されており、モードスイッチによってカメラのモードを撮影モードに設定することにより、カメラボディ10から繰り出される。なお、レンズ11のズーム機構や沈胴機構については、公知の技術なので、ここでは、その具体的な構成についての説明は省略する。
ストロボ12は、主要被写体に向けてストロボ光を照射できるように、光源としてのキセノン管と、反射傘とで構成される。
AF補助光ランプ13は、たとえば高輝度LED構成されており、AF時に必要に応じて発光される。
ストロボ調光センサ14は、ストロボ12の発光量を調整するものである。
操作表示用LCD15は、カラー表示が可能な液晶ディスプレイであり、図3に示すように、x方向にNj(N、j共に整数)個の画素、y方向にNk(N、k共に整数)個の画素が2次元配置されたものであり、レリーズボタン、モードスイッチ、モードダイヤル等の操作手段が表示されることにより、ユーザインターフェース表示パネルとして利用される。なお、本実施の形態では、Nが4の場合を例として説明する。また、操作表示用LCD15は、可撓性の液晶ディスプレイであり、立体表示装置16で表示された凹凸が転写されるようになっている。
立体表示装置16は、図4に示すように、操作表示用LCD15の背面に配設されており、操作表示用LCD15にその表面形状が転写されるように、操作表示用LCD15に押し付けられて配設されている。また、立体表示装置16は、相互に移動可能かつ、外部からの力を検出する検出機能を持った複数の立体表示素子160が、x方向にj(jは整数)個、y方向にk(kは整数)個、2次元配置されているものである。
立体表示素子160は、図5に示すように、主として、略円柱形状のロッド161と、積層型圧電アクチュエータ162とで構成されている。積層型圧電アクチュエータ162には、ロッド161と対向して、積層型圧電アクチュエータ162に電圧を加えるための電極162aが配設されている。電極162aを介して積層型圧電アクチュエータ162に電圧が加えられると、積層型圧電アクチュエータ162が長手方向(図5矢印方向)に駆動し、その変化が図示しない拡大機構を介してロッド161に伝えられることで、ロッド161が上下動する。立体表示装置16は、このような立体表示素子160がシステム制御回路(後述)により個々に制御されて、そのロッド161の高さが変えられることにより、様々な操作手段が立体的に表示される。また、外部からロッド161の先端が押圧されると、積層型圧電アクチュエータ162で発生する逆起電力が検出されることにより、ロッド161を介して積層型圧電アクチュエータ162に加えられた押圧力及びその強さが検出される。このように、立体表示素子160はスイッチとして用いることも可能である。
立体表示装置16の立体表示素子160は、操作表示用LCD15の画素と4対1の関係で関係付けられており、数式1に示すような演算を行うことによって、操作表示用LCD15の所望の画素Aと立体表示素子160aとの相対位置が割り出せる構成になっている。
[数1]
a=A×(1/4)
表示部17は、カラー表示が可能な液晶ディスプレイであり、x方向にNh(N、h共に整数)個の画素、y方向にNi(N、i共に整数)個の画素が2次元配置されたものである。この表示部17は、再生モード時に撮影済み画像を表示するための画像表示パネルとして利用されるとともに、表示/戻るボタン、ズームボタン、十字ボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン、BACKボタン等の操作手段が表示されることによりユーザインターフェース表示パネルとして利用される。また、撮影モード時には、必要に応じてスルー画像が表示されて、画角確認用の電子ファインダとして利用される。なお、本実施の形態では、Nが4の場合を例として説明する。
タッチパネル18は、表示部17の前面に設けられており、透明導電膜(ITO)が片側に成膜された素材(主としてフィルムやガラス)に形成された透明導電膜間が互いに向い合うように所定の距離をもって貼り合わされたアナログ抵抗膜方式のタッチパネルであり、指やペンで押圧された場合に透明導電膜同士が接触することによって信号が入力されるものである。また、タッチパネル18は、図6に示すように、x方向にh(hは整数)個の検出ブロック、y方向にi(iは整数)個の検出ブロックが2次元配置され、それぞれの検出ブロック毎に検出が可能なものである。タッチパネル18の検出ブロックは、表示部17の画素と4対1の関係で関係付けられており、数式2に示すような演算を行うことによって、表示部17の所望の画素Bとタッチパネル18の検出ブロックbとの相対位置が割り出せる構成になっている。
[数2]
b=B×(1/4)
次に、操作手段について説明する。操作手段は、オリジナルのスイッチ画像があらかじめ登録されており、ユーザーが操作手段に用いる所望の画像を登録していない場合には、オリジナルのスイッチ画像が使用される。後に述べる方法により、操作手段が表示された画素に対応する検出ブロックで入力が検出された場合には、以下に示すような、各操作手段に対応する所定の動作が行われる。なお、操作手段の登録方法、登録した操作手段の使用方法等については後に詳述する。
レリーズボタンは、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。デジタルカメラ1は、このレリーズボタンが「半押し」されることにより、AE/AFが作動し、「全押し」されることにより、撮影を実行する。
モードスイッチは、デジタルカメラ1のモードを設定するものであり、「再生位置」と「撮影位置」との間をスライド自在に配設されている。デジタルカメラ1は、モードスイッチをスライドさせて、「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、「撮影位置」に合わせることにより、「撮影モード」に設定される。
モードダイヤルは、デジタルカメラ1の撮影モードを設定する撮影モード設定手段として機能し、このモードダイヤルの設定位置により、デジタルカメラ1の撮影モードが様々なモードに設定される。例えば、絞り、シャッタースピード等がデジタルカメラ1によって自動的に設定される「オート撮影モード」、動画撮影を行う「動画撮影モード」、人物撮影に適した「人物撮影モード」、動体撮影に適した「スポーツ撮影モード」、風景の撮影に適した「風景撮影モード」、夕景及び夜景の撮影に適した「夜景撮影モード」、絞りの目盛りを撮影者が設定し、シャッタースピードをデジタルカメラ1が自動的に設定する「絞り優先撮影モード」、シャッタースピードを撮影者が設定し、絞りの目盛りをデジタルカメラ1が自動的に設定する「シャッタースピード優先撮影モード」、絞り、シャッタースピード等を撮影者が設定する「マニュアル撮影モード」、操作手段として登録する画像を撮影する「スイッチ撮影モード」(詳細は後述)等である。
モードダイヤルは、撮影及び再生機能の各種設定画面の呼び出しに用いられる。すなわち、撮影時にこのモードダイヤルが押されると、表示部17に画像サイズ(記録画素数)、感度等の設定画面が表示され、再生時にこのモードダイヤルが押されると、表示部17に画像の消去、プリント予約(DPOF)の設定画面等が表示される。
表示/戻るボタンは、表示部17の表示内容の切り替え指示(表示機能)に用いられるとともに、入力操作のキャンセル等の指示(戻る機能)に用いられ、デジタルカメラ1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
ズームボタンは、ズームを指示するズーム指示手段として機能し、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとからなる。デジタルカメラ1は、撮影モード時に、このズームテレボタンとズームワイドボタンとが操作されることにより、レンズ11の焦点距離が変化する。また、再生モード時に、このズームテレボタンとズームワイドボタンとが操作されることにより、再生中の画像が拡大、縮小する。
十字ボタンは、上下左右4方向の指示を入力する方向指示手段として機能し、たとえば、メニュー画面でメニュー項目の選択などに使用される。
MENU/OKボタンは、各モードの通常画面からメニュー画面への遷移を指示するボタン(MENUボタン)として機能するととともに、選択内容の確定、処理の実行等を指示するボタン(OKボタン)として機能する。
DISPボタンは、表示部17の表示切り替えを指示するボタンとして機能し、撮影中、このDISPボタンが押されると、表示部17の表示が、ON→フレーミングガイド表示→OFFに切り替えられる。また、再生中、このDISPボタンが押されると、通常再生→文字表示なし再生→マルチ再生に切り替えられる。
BACKボタンは、入力操作のキャンセルや一つ前の操作状態に戻すことを指示するボタンとして機能する。
次に、デジタルカメラ1の電気的構成について説明する。図7は、デジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、デジタルカメラ1は、システム制御回路110、入力判定手段112、メモリ116、不揮発性メモリ118、メモリ120、撮像素子124、タイミング発生回路(TG)126、A/D変換器130、メモリ制御手段132、画像処理回路134、ビデオエンコーダ136、操作画像生成手段138、測距制御手段(AF手段)140、露光制御手段(AE手段)142、バリア制御手段143、ズーム制御手段146、圧縮・伸張回路148、メディア制御手段150、ストロボ制御手段152、立体表示装置制御手段163等で構成されている。
システム制御回路110は、入力判定手段112から入力される操作信号に基づき所定の制御プログラムに従ってデジタルカメラ1の全体を統括制御する。
入力判定手段112は、タッチパネル18の入力を検出するものである。入力判定手段112は、入力判定手段112は、タッチパネル18において入力が検出された検出ブロックに関係付けられている表示部17の画素を割り出して、その結果をシステム制御回路110に出力する。操作手段が表示されている画素に対応する検出ブロックの入力が入力判定手段112で検出されると、システム制御回路110は、その操作手段に対応する所定の動作を行う。
メモリ116は、システム制御回路110が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されているものである。
不揮発性メモリ118には、ユーザー設定情報等のデジタルカメラ1の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
メモリ(SDRAM)120は、システム制御回路110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データ等の一時記憶領域として利用されるものである。
撮像素子124は、たとえば、所定のカラーフィルタ配列のカラーCCDで構成されており、レンズ11によって結像された被写体の画像を電子的に撮像する。タイミング発生回路(TG)126は、システム制御回路110からの指令に応じて、この撮像素子124を駆動するためのタイミング信号を出力する。
A/D変換器130は、撮像素子124から出力された画像信号に対して、画素ごとのR、G、B信号をサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)するとともに増幅されたアナログのR、G、B信号をデジタルのR、G、B信号に変換して出力する。
メモリ制御手段132は、A/D変換器130から出力されたデジタルのR、G、B信号をメモリ120に出力する。
画像処理回路134は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、システム制御回路110からの指令に従い、入力された画像信号に所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
D/A変換部135は、画像処理回路134で処理された画像信号をアナログ信号に変換して、ビデオエンコーダ136に供給する。
ビデオエンコーダ136は、システム制御回路110からの指令に従い、表示部17への表示を制御する。すなわち、システム制御回路110からの指令に従い、D/A変換部135や操作画像生成手段138から入力された画像信号を表示部17に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換して表示部17に出力する。
操作画像生成手段138は、撮像素子124で取得された画像に基づいて、操作手段に用いられる画像を作成するものである。なお、操作画像生成手段138の詳細については後に詳述する。
測距制御手段(AF手段)140は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、所定のフォーカスエリア(たとえば、画面中央部)内の信号を切り出すAFエリア検出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
露光制御手段(AE手段)142は、システム制御回路110からの指令に従い、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出する。たとえば、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。
バリア制御手段143は、電源スイッチが投入されると、レンズ11bの前面に設けられており、レンズ11bを保護するレンズバリア11aを解放させて、レンズ11bを表面へ露出させる。
電源制御手段145は、電池の消費電力を抑制するために、デジタルカメラ1がONされていない場合には、バッテリー19からシステム制御回路110にのみ電源を供給し、デジタルカメラ1がONされた場合には、バッテリー19から各ブロックに電力が供給されるように制御するものである。
ズーム制御手段146は、システム制御回路110からの指令に応じてレンズ11bを制御する。
圧縮・伸張回路148は、システム制御回路110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、システム制御回路110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。
メディア制御手段150は、システム制御回路110からの指令に従い、メディアスロットに装填されたメモリカード20に対してデータの読み/書きを制御する。
ストロボ制御手段152は、システム制御回路110からの指令に従い、ストロボ12の発光を制御する。
立体表示装置制御手段163は、デコーダ164と、圧電アクチュエータ駆動回路165と、起電力検出回路166と、エンコーダ167とで構成される。圧電アクチュエータ駆動回路165は、システム制御回路110からデコーダ164を介して入力された指令に従い、積層型圧電アクチュエータ162に加える電圧を制御する。起電力検出回路166は、外部からロッドの先端が押圧されることで発生する積層型圧電アクチュエータ162の逆起電力を検出し、エンコーダ167に出力する。各立体表示素子160に対して順番に上記処理を行うことにより、立体表示装置16を構成する全ての立体表示素子160を制御する。
次に、以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ1の作用について説明する。
まず、一般的な画像の撮影、記録処理の手順について説明する。上記のように、デジタルカメラ1は、図示しない電源ボタンにより電源がONされると、オリジナルの操作手段が操作表示用LCD15及び表示部17に表示され、各種操作が可能となる。そして、モードスイッチにより撮影モードに設定されることにより、レンズバリア11aを解放され、レンズ11bが繰り出され、撮影スタンバイ状態になる。
この撮影モードの下、レンズ11bを通過した被写体光は、絞り11cを介して撮像素子124の受光面に結像される。撮像素子124の受光面には、所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配列された赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタを介して多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配置されている。レンズ11を通過した被写体光は、各フォトダイオードによって受光され、入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。
各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、タイミング発生回路(TG)126から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、A/D変換器130に加えられる。
A/D変換器130で出力されたアナログのR、G、B信号がデジタルのR、G、B信号に変換され、メモリ制御手段132に加えられる。メモリ制御手段132は、A/D変換器130から出力されたデジタルのR、G、B信号をメモリ120に出力する。
撮影画像を表示部17に出力する場合は、メモリ制御手段132からメモリ120に出力された画像信号より画像処理回路134で輝度/色差信号が生成され、その信号がD/A変換器135を介してビデオエンコーダ136に送られる。ビデオエンコーダ136は、入力された輝度/色差信号が表示用の信号形式(たとえばNTSC方式のカラー複合映像信号)に変換され、表示部17に出力される。これにより、撮像素子124で撮像された画像が表示部17に表示される。
撮像素子124から画像信号を定期的に取り込み、その画像信号から生成される輝度/色差信号によってメモリ120内の画像データを定期的に書き換え、表示部17に出力することにより、撮像素子124で撮像される画像がリアルタイムに表示される。撮影者は、この表示部17にリアルタイムに表示される画像(スルー画像)を見ることにより、撮影画角を確認することができる。
レリーズボタンの押下によって行なわれる。レリーズボタンが半押しされると、S1ON信号がシステム制御回路110に入力され、システム制御回路110はAE/AF処理を実施する。
まず、メモリ制御手段132を介して撮像素子124から取り込まれた画像信号が測距制御手段(AF手段)140並びに露光制御手段(AE手段)142に入力される。
測距制御手段(AF手段)140で求めた積算値のデータはシステム制御回路110に通知される。
システム制御回路110は、ズーム制御手段146を制御してレンズ11を含む撮影光学系のフォーカスレンズ群を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ群が移動するように、ズーム制御手段146を制御する。
システム制御回路110は、露光制御手段(AE手段)142から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、求めた撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッタースピードを決定し、これに従い撮像素子124の電子シャッターと絞り11cを制御して適正な露光量を得る。同時に、検出された被写体輝度より、ストロボの発光が必要かどうかを判断する。
また、露光制御手段(AE手段)142は、自動ホワイトバランス調整時、分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をシステム制御回路110に提供する。システム制御回路110は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
以上のように、レリーズボタンの半押しによって、AE/AF処理が行なわれる。なお、撮影者は、必要に応じてズームボタンを操作し、レンズ11をズーミングさせて画角を調整する。
この後、レリーズボタンが全押しされると、システム制御回路110にS2ON信号が入力され、システム制御回路110は、撮影、記録処理を開始する。すなわち、測光結果に基づき決定されたシャッター速度、絞り値で撮像素子124を露光する。
この際、ストロボ16を発光させる場合は、ストロボ制御手段152を介してストロボ16を発光させる。ストロボ制御手段152は、ストロボ調光センサ14での受光量が所定量に達すると、電源制御手段を介してバッテリー19からの通電を遮断し、ストロボ16の発光を停止させる。
撮像素子124から出力された画像信号は、A/D変換器130、メモリ制御手段132を介してメモリ120に取り込まれ、画像処理回路134において輝度/色差信号に変換されたのち、メモリ120に格納される。
メモリ120に格納された画像データは、圧縮・伸張回路148に加えられ、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG形式)に従って圧縮された後、メモリ120に格納され、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルとされたのち、メディア制御手段150を介してメモリカード20に記録される。
以上のようにしてメモリカード20に記録された画像は、モードスイッチを再生位置に合わせて、デジタルカメラ1のモードを再生モードに設定することにより、表示部17で再生表示させることができる。
モードスイッチを再生位置に合わせて、デジタルカメラ1のモードを再生モードに設定すると、システム制御回路110は、メディア制御手段150にコマンドを出力し、メモリカード20に最後に記録された画像ファイルを読み出させる。
読み出された画像ファイルの圧縮画像データは、圧縮・伸張回路148に加えられ、非圧縮の輝度/色差信号に伸張されたのち、ビデオエンコーダ136を介して表示部17に出力される。これにより、メモリカード20に記録されている画像が表示部17に再生表示される(1枚画像の再生)。
画像のコマ送りは、十字ボタンの左右のキー操作によって行なわれ、十字ボタンの右キーが押されると、次の画像ファイルがメモリカード20から読み出され、表示部17に再生表示される。また、十字ボタンの左キーが押されると、一つ前の画像ファイルがメモリカード20から読み出され、表示部17に再生表示される。
表示部17に再生表示された画像を確認しながら、必要に応じて、メモリカード20又は、メモリ120に記録された画像を消去することができる。画像の消去は、画像が表示部17に再生表示された状態でモードダイヤル34が押下されることによって行われる。
一枚画像の再生中に表示/戻るボタンを押下すると、インデックス画像回路(図示せず)で作成されたインデックス画像がビデオエンコーダ136を介して表示部17に出力される(インデックス画像再生)。インデックス画像再生はマルチ再生とも呼ばれ、撮った画像を一覧として見ることができる再生方法である。これにより、表示部17にはインデックス画像が表示される。
次に、操作画像生成手段138の詳細について説明する。操作画像生成手段138では、各種操作手段に使用する画像を取得する処理(スイッチ撮影モード)と、各種操作手段に使用する画像を登録する処理(スイッチ画像登録処理)と、各種操作手段を登録する処理(操作手段登録処理)とが行われる。以下、操作手段としてレリーズボタンを登録する場合を例に説明する。
<スイッチ撮影モードについて>
まず、操作手段を撮影するスイッチ撮影モードについて、図8を用いて説明する。
モードスイッチにより撮影モードに設定され(ステップS10)、その後、モードダイヤルによりスイッチ撮影モードが起動されたかどうかが判断される(ステップS11)。スイッチ撮影モードが起動されていない場合(ステップS11でNO)には、再度ステップS10が行われる。
スイッチ撮影モードが起動されている場合(ステップS11でYES)には、図9に示すように、ユーザーが自分の気に入ったレリーズボタン2aの付いたカメラ2を用意して、その外観を撮影すると、撮影された画像が取得され、取得された画像がメモリ120に記憶される(ステップS12)。
メモリ120に記憶された画像の中から所望の画像を表示部17に表示させ(ステップS13)、その表示された画像が、レリーズボタンとして使用したい領域を含む画像として登録され(ステップS14)、その画像がメモリ120へ登録される(ステップS15)。
<スイッチ画像登録処理について>
次に、このボタン画像を用いて、レリーズボタンを登録する処理について、図10を用いて説明する。以下の処理は、主として、操作画像生成手段138で行われる。
モードスイッチにより再生モードに設定され(ステップS20)、その後、モードダイヤルによりスイッチ設定モードが起動されたかどうかが判断される(ステップS21)。スイッチ設定モードが起動されていない場合(ステップS21でNO)には、再度ステップS20が行われる。
スイッチ設定モードが起動されている場合(ステップS21でYES)には、デジタルカメラ1に内蔵されているメモリ120から画像が読み出され(ステップS22)、読み出された画像が表示部17にインデックス画像表示される(ステップS23)。
インデックス画像表示された画像のなかから、画像の選択がされたかどうかが判断される(ステップS24)。
画像の選択がされなかった場合には、再度ステップS24が行われる。
画像の選択がされた場合には、選択された画像(n枚目の画像、nは整数)が表示部17に表示される(ステップS25)。表示部17に表示された画像は、表示部17の前面に設けられているタッチパネル18を透過して、ユーザーが視認できる。
「位置を入力してください」等のメッセージを表示することにより、レリーズボタンとして使用したい画像(スイッチ画像)が表示されている位置の入力が要求される(ステップS26)。
タッチパネル18へ入力が行われ(ステップS27)、入力されたタッチパネル18の検出ブロックが検出される(ステップS28)。入力は、ペン、指などを用いて、検出ブロックにペン等を接触させることによって行われる。
入力が検出された検出ブロックの座標が算出され、上述した数式2に基づいて、タッチパネル18の検出ブロックの座標が表示部17の画素の座標に変換される(ステップS29)。
変換された座標の画素を含む領域が、領域拡張法などを用いて抽出される(ステップS30)。入力された場所を含む円形、楕円形、矩形などの略閉領域、すなわち、操作手段(この場合はレリーズボタン)として使用したい画像領域が抽出されることにより、スイッチ画像が検出される。なお、領域の抽出は、領域拡張法に限らず、公知の画像解析技術を用いて行うことも可能である。
領域が抽出されたら、その領域の凹凸等の立体形状の認識が行われる(ステップS31)。抽出された領域を複数のブロックに分割し、測距制御手段140等により各ブロック毎の距離を測定することにより、抽出された領域の距離分布が求められる。求められた距離分布に基づいて、抽出された領域の立体的な形状が検出される。
レリーズボタンとして使用したい画像と、その立体形状が検出されたら、図11に示すように、検出された領域以外をマスクした画像が表示部17に表示され(ステップS32)、「よろしいですか」等のメッセージと、OK/NGの選択ボタンとを表示させ、OKボタンが表示された画素に対応するタッチパネル18の検出ブロックに入力がされたかどうかを判断することにより、レリーズボタンとして使用したい領域の入力結果が正しいかどうかを確認する旨の要求が行われる(ステップS33)。
確認の入力結果がOKかどうかが判断される(ステップS34)。確認の入力結果がNOの場合、すなわちステップS32で表示された画像が、レリーズボタンとして使用したい画像でない場合(ステップS34でNO)には、ステップS25へ戻り、再度ステップS25〜S34が行われる。
確認の入力結果がYESの場合、すなわちステップS32で表示された画像が、レリーズボタンとして使用したい画像である場合(ステップS34でYES)には、表示部17に表示されているスイッチ画像と、スイッチの立体形状とがメモリ120に記憶される(ステップS35)。
これにより、レリーズボタンの画像と、位置及び大きさとが設定され、メモリ120に記憶される。
以上により、各種操作手段に使用する画像を登録する処理が終了される。
なお、ステップS23、S24において、インデックス画像表示を行い、その中から登録したい画像を選択したが、メモリ120に記憶された画像を順次読み出して表示させて(1枚画像の再生)、登録したい画像を選択するようにしてもよい。
また、スイッチの立体形状は、上記方法のみでなく、その他の公知の画像解析技術を用いて認識することもできる。例えば、画像を撮影したときの画角、焦点距離、被写体距離などの撮影条件から、撮影された画像に含まれるスイッチの寸法を算出することにより、スイッチの立体形状を認識するようにしてもよい。この場合には、略45°の角度から操作手段が撮影された画像を用いたり、上方向及び横方向から操作手段が撮影された画像を用いたりすることにより、スイッチの高さなどの立体的な寸法を算出することができる。
その他の方法としては、所定の光源(例えばストロボ)から被写体に照射された光により生成された画像上の陰影から、被写体の凹凸を検出し、その凹凸から形状を認識する方法、テクスチャの歪みから複数の面の候補を取得し、それらの相対的な位置の関係から被写体の形状を認識する方法、所定の光源から被写体に照射された光の分光反射率を測定して被写体の形状を認識する方法などを用いることもできる。また、同じ被写体を異なる角度から撮影し、撮影された複数枚の画像を用いてその距離を測定してもよい。また、図示しない撮像手段などを用いて被写体の距離画像を撮影し、その距離画像を用いて被写体の距離分布を求めてもよい。
<操作手段登録処理>
図10に示す処理により登録された画像をレリーズボタンとして登録する処理について、図12を用いて説明する。以下の処理は、主として、操作画像生成手段138で行われる。
モードスイッチにより再生モードに設定され(ステップS40)、その後、モードダイヤルによりスイッチ配置モードが起動されたかどうかが判断される(ステップS41)。スイッチ配置モードが起動されていない場合(ステップS41でNO)には、再度ステップS41が行われる。
スイッチ配置モードが起動されている場合(ステップS41でYES)には、ステップS35でメモリ120に記憶されたスイッチ画像及び領域データが読み出され(ステップS42)、図13に示すような選択画面が表示部17に表示される(ステップS43)。図13においては、ステップS35で記憶された画像が登録画像1に割り当てられている。
図13に示すような選択画面において所望のスイッチ画像が選択されたかどうかが判断される(ステップS44)。所望のスイッチ画像が選択されていない場合(ステップS44でNO)には、再度ステップS44が行われる。
所望のスイッチ画像が選択されている場合(ステップS44でYES)には、選択されたスイッチ画像と、位置及び大きさの情報と、輪郭情報とがメモリ120から読み出され、これらの情報に基づいて操作表示用LCD15にスイッチ画像が表示される(ステップS45)。すなわち、図13に示す「レリーズボタン登録」という選択画面において、スイッチ画像として登録画像1が選択された場合には、図14に示すように、操作表示用LCD15の所定の場所(ここでは、通常のデジタルカメラ等においてレリーズボタンが配置されている場所)に登録画像1が表示される。
所望のスイッチ画像が操作表示用LCD15に表示された状態で、表示部17に「ボタンを動かしてください」等のメッセージを表示することにより、ボタンの位置を入力する旨の要求が行われ(ステップS46)、ボタンの位置の入力が行われる(ステップS47)。例えば、図14に示すように、表示部17に矢印を表示させ、矢印に沿ってユーザーが指などを動かし、指などの動きがタッチパネル16で検出されることにより、レリーズボタンを配置したい場所に登録画像1を移動させることによって行われる。
ボタンの位置の入力が完了したかどうかが判断される(ステップS48)。ボタンの位置の入力が完了していない場合(ステップS48でNO)には、ステップS46へ戻り、再度ステップS46〜S48が行われる。
ボタンの位置の入力が完了した場合(ステップS48でYES)には、表示部17に「大きさを指定してください」等のメッセージを表示することにより、ボタンの大きさを指定する旨の要求が行われ(ステップS49)、ボタンの大きさの入力が行われる(ステップS50)。例えば、図15に示すように表示部17に矢印を表示させ、矢印に沿ってユーザーが指などを動かし、指などの動きがタッチパネル16で検出されることにより、登録画像1の大きさを変更させることによって行われる。
ボタンの大きさの入力が完了したかどうかが判断される(ステップS51)。ボタンの大きさの入力が完了していない場合(ステップS51でNO)には、ステップS49へ戻り、再度ステップS49〜S51が行われる。
ボタンの大きさの入力が完了した場合(ステップS51でYES)には、所望の画像、大きさ、位置等のレリーズボタンが操作表示用LCD15に表示されている旨の入力がされたかどうかが判断される(ステップS52)。例えば、図16に示すように、表示部17に「よろしいですか」等のメッセージと、OK/NGの選択ボタンとを表示させ、OKボタンが表示された画素に対応するタッチパネル18の検出ブロックに入力がされたかどうかを判断することによって行われる。
所望の画像、大きさ、位置等のレリーズボタンが操作表示用LCD15に表示されていない場合(ステップS52でNO)には、ステップS45へ戻り、再度ステップS45〜S52が行われる。
所望の画像、大きさ、位置等のレリーズボタンが操作表示用LCD15に表示されている場合(ステップS52でYES)には、操作表示用LCD15に表示されているレリーズボタンの画像、位置、大きさのデータがメモリ120に記憶される(ステップS53)。
これにより、所望のレリーズボタンの登録が完了し、その後、レリーズボタンが操作表示用LCD15及び立体表示装置16に表示される。
図17、図18は、レリーズボタンが表示された様子を示す図である。図17は、カスタマイズされたレリーズボタンが表示されたデジタルカメラ1の背面斜視図であり、図18は、図17のC−C断面の図である。立体表示装置16の上面に配設されている操作表示用LCD15が、立体表示素子160に押し上げられて、レリーズボタンとその周囲の領域がその他の部分と比べて凸となっている。また、レリーズボタンの周囲が更に凸となっているため、指などで触れただけでレリーズボタンの位置が分かるようになっている。これにより、操作手段を見ないで操作が可能であるため、操作性を向上させることができる。
上記のようにして登録されたレリーズボタンを使用するには、レリーズボタンの画像に基づいて立体表示装置16の入力設定を行う必要がある。レリーズボタンには、前述のように、1個のボタンにS1、S2の複数の動作を設定する必要がある。以下、弱い強度の押圧入力があった場合にはS1を行い、強い強度の押圧の入力があった場合にはS2を行うような、入力設定について、図19を用いて説明する。
モードダイヤルにより入力設定モードが起動されたかどうかが判断される(ステップS60)。入力設定モードが起動されていない場合(ステップS60でNO)には、再度ステップS60が行われる。
入力設定モードが起動されている場合(ステップS60でYES)には、表示部17に「S1の入力操作をしてください」等のメッセージを表示することにより、S1の入力操作が要求され(ステップS61)、S1の入力操作が行われる(ステップS62)。例えば、図20に示すように表示部17に矢印を表示させ、ユーザーがS1操作を行うことにより、矢印内にS1操作の重さが表示される。
S1の入力操作が完了したかどうかが判断される(ステップS63)。S1の入力操作が完了していない場合(ステップS63でNO)には、ステップS62へ戻り、再度ステップS62〜S63が行われる。
S1の入力操作が完了した場合(ステップS63でYES)には、S1の入力操作の操作感がOKかどうかが判断される(ステップS64)。例えば、図16に示すように、表示部17に「よろしいですか」等のメッセージと、OK/NGの選択ボタンとを表示させ、OKボタンが表示された画素に対応するタッチパネル18の検出ブロックに入力がされたかどうかを判断することによって行われる。
確認の入力結果がNOの場合、すなわちS1の入力操作の操作感がOKと判断されなかった場合(ステップS64でNO)には、ステップS62へ戻り、再度ステップS62〜S64が行われる。
確認の入力結果がYESの場合、すなわちS1の入力操作の操作感がOKと判断された場合(ステップS64でYES)には、表示部17に「S2の入力操作をしてください」等のメッセージを表示することにより、S2の入力操作が要求され(ステップS65)、S2の入力操作が行われる(ステップS66)。例えば、図21に示すように表示部17に矢印を表示させ、ユーザーがS2操作を行うことにより、矢印内にS2操作の重さが表示される。
S2の入力操作が完了したかどうかが判断される(ステップS67)。S2の入力操作が完了していない場合(ステップS67でNO)には、ステップS66へ戻り、再度ステップS66〜S67が行われる。
S2の入力操作が完了した場合(ステップS67でYES)には、ステップS64と同様の方法により、S2の入力操作の操作感がOKかどうかが判断される(ステップS68)。
確認の入力結果がNOの場合、すなわちS2の入力操作の操作感がOKと判断されなかった場合(ステップS68でNO)には、ステップS66へ戻り、再度ステップS66〜S68が行われる。
確認の入力結果がYESの場合、すなわちS2の入力操作の操作感がOKと判断された場合(ステップS68でYES)には、ステップS64で確認されたS1の入力設定と、ステップS68で確認されたS2の入力設定とがメモリ120に記憶される(ステップS69)。
これにより、立体表示装置16のレリーズボタンが表示された領域を指で押して、ステップS69で記憶された強度の入力が検出されると、レリーズ動作(S1又はS2)が実行される。このように、登録されたレリーズボタンのS1、S2の操作感覚を別々に設定することができるため、操作感覚をより詳細に設定することができる。
本実施の形態によれば、デジタルカメラで撮影された様々なスイッチや操作部材の画像を使って、操作手段等のデザインを外観、形状のみでなく、凹凸のような立体形状まで再現することができる。また、指の太さや指の長さなどに合わせて、操作手段等の位置、形状など自由にカスタマイズすることができる。
また、本実施の形態によれば、見た目の形状だけでなく、検出範囲や大きさ、位置を自由に変えられるので、例えば、使い慣れた銀塩カメラの全ての操作手段等を撮影し、それらをそのままの機能、外観、位置でデジタルカメラ上に再現すれば、デジタルカメラにおいて、使い慣れた銀塩カメラと同様の操作性を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、自分の好みのスイッチ等をデザインし、紙に書かれたスイッチ等を撮影することで、カメラの操作手段等を任意のデザインにカスタマイズすることができる。
また、本実施の形態によれば、装置に内蔵のメモリに好みのスイッチ画像やスイッチの立体形状が登録されるため、着脱メモリを変えても登録されたデータが消去されることがなく、登録された操作手段等を自由に変更することが出来る。
また、本実施の形態によれば、立体表示素子に加えられた押圧力の強度(大きさ、ストローク、分布、範囲の大きさ等)を検出して、所望の操作を行わせるようにすることにより、立体表示手段に表示された画像を所望のスイッチとして用いることができる。また、立体表示素子に加えられた押圧力の強度に応じて異なる動作を設定することにより、実際のカメラのスイッチの操作感を感触に至るまで再現することができ、操作性を重視するユーザーに対して、自由な操作性の設定機能を持った今までにないカメラを提供することができる。
なお、本実施の形態では、任意の点をユーザーが指定し、指定された点を含む略閉領域をスイッチ画像として抽出したが、スイッチ画像が自動的に抽出されるようにしてもよい。通常、使用したい画像が略中央にくるように撮影されるため、画像の中央近辺にある略閉領域を所望の領域として抽出してもよいし、画像に撮影されている全ての略閉領域を抽出し、抽出された複数の略閉領域の画像のなかから、ユーザーが所望の画像を選択できるようにしてもよい。これにより、より容易に所望の領域を抽出することが可能となる。また、ユーザーが所望の領域を手動により入力することで、所望の領域が抽出されるようにしてもよい。これは、表示手段に表示された状態で、ユーザーがタッチパネルに入力を行うと、その入力が検出され、入力が検出された位置が座標として表される。数式1又は数式2を用いて入力が検出された位置の座標を表示手段の画素の座標に変換し、その変換された画素の座標に基づいて所望の領域を抽出するようにすればよい。
また、本実施の形態では、レリーズボタンをカメラボディの上面に設けられた立体表示装置に表示させたが、カメラボディの背面に設けられた表示部の背面にも立体表示装置を設けて、レリーズボタンを表示させる立体表示装置を選択できるようにしてもよい。なお、立体表示装置は、レンズ等が配設されている正面以外の面であれば、どの面にも配設可能であり、配設する数量も任意に設定可能である。また、背面に立体表示装置を設けることにより、ズームボタンの操作強度を2段階に設定して、ズーミングの速度を変える等の、詳細な操作感覚の設定を行うこともできる。
また、本実施の形態では、テキスト表示により要求を行ったが、音声などにより要求を行なってもよい。また、メッセージは、表示部でなく、操作表示用LCDに表示させてもよい。
また、本実施の形態では、立体表示装置の前面に可撓性の液晶ディスプレイを配設したが、文字、画像等の表示が必要ない場合には、可撓性の液晶ディスプレイを省略してもよい。このように、立体表示装置により操作手段が凹凸で表現されているため、画像を表示しない場合においても、操作を行うことができる。
また、本実施の形態では、検出手段として立体表示装置16を用いて、立体表示素子に加えられた外力の大きさ、ストローク、分布、範囲の大きさ等を検出することにより所望の操作を行わせるようにしたが、図22に示すように、操作表示用LCD15の前にタッチパネル16’を設けて、タッチパネル16’を検出手段として用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ロッド161を駆動させるアクチュエータとして、積層型圧電アクチュエータ162を用いたが、ロッド161を長手方向に駆動可能なものであればこれに限らず、例えば図23に示すように、ボイスコイルモータ168を用いることもできる。ボイスコイルモータ168は、主として、電極168aと、マグネット168bと、コイル168cと、ヨーク168dとで構成される。電極168aを介してコイル168cに電圧を加えると、マグネット168bの磁界の中でコイル168cが上下方向(図23矢印方向)に直線運動することにより、ロッド161が上下動する。ロッド161の高さは、ボイスコイルモータ168とは別に配設されたホール素子などの位置検出素子169により行われる。外部からロッド161の先端が押圧されると、位置検出素子169によりロッド161が押し下げられたことが検出される。このように、立体表示素子160’はスイッチとして用いることも可能である。なお、立体表示素子160’をスイッチとして用いる場合には、位置検出素子169を用いてロッド161が押し下げられたことを検出する代わりに、コイル168cに発生する逆起電力を検出することにより、ロッド161が押し下げられたことを検出しても良い。
また、本実施の形態では、デコーダと、圧電アクチュエータ駆動回路と、起電力検出回路と、エンコーダとを各1個配設し、各立体表示素子に対して順番に処理を行うことにより、立体表示装置を構成する全ての立体表示素子を制御したが、各立体表示素子毎にデコーダと、圧電アクチュエータ駆動回路と、起電力検出回路と、エンコーダとを配設してもよい。
1:デジタルカメラ、10:カメラボディ、11:レンズ、12:ストロボ、13:AF補助光ランプ、14:ストロボ調光センサ、15:操作表示用LCD、16:立体表示装置、17:表示部、18:タッチパネル、19:バッテリー、20:メモリカード、110:システム制御回路、112:入力判定部、116、120:メモリ、118:不揮発性メモリ、撮像素子124、126:タイミング発生回路(TG)、130:A/D変換器、132:メモリ制御部、134:画像処理回路、136:ビデオエンコーダ、138:操作画像生成部、140:測距制御手段(AF手段)、142:露光制御手段(AE手段)、143:バリア制御手段、146:ズーム制御手段、148:圧縮・伸張回路、150:メディア制御部、160:ストロボ制御手段