以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、デジタルカメラ1の一実施形態を示す図であり、(a)は背面斜視図であり、(b)はデジタルカメラ1を右側面から見たときの要部透視図である。デジタルカメラ1は、レンズを通った光を撮像素子で受け、デジタル信号に変換して記憶メディアに記録するものである。
デジタルカメラ1のカメラボディ10は、横長の四角い箱状に形成されており、背面と上面とはR形状により連結されている。
カメラボディ10の背面及び上面には、背面及び上面にまたがるように、フレキシブルディスプレイ11及びフレキシブルタッチパネル12が設けられている。カメラボディ10の側面には、主として、電源ボタン13と、モード選択ボタン14とが配設されている。
図示しないが、カメラボディ10の正面には、主として、撮影レンズ、ストロボ等が配設され、カメラボディ10の下面には、三脚ネジ穴と、開閉自在なカバーを介してバッテリー挿入部とメモリカードスロットとが配設される。このバッテリー挿入部にはバッテリーが装填され、メモリカードスロットにはメモリカードが装填される。
フレキシブルディスプレイ11は、有機ELや有機発光ダイオードなどの発光素子をプラスチックフィルムで挟むことにより形成されたカラー表示が可能な可撓性を有するディスプレイであり、複数の画素が2次元配置されたものである。フレキシブルディスプレイ11は、レリーズボタン21、MENU/OKボタン22、DISP/BACKボタン23等の操作手段が表示されることにより、ユーザインターフェース表示パネルとして利用される。また、フレキシブルディスプレイ11は、モニタ表示部24が設定される。モニタ表示部24には、撮影モード時に必要に応じてスルー画像が表示されることで、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
フレキシブルタッチパネル12は、図1に示すように、フレキシブルディスプレイ11と略同一形状であり、フレキシブルディスプレイ11の前面に設けられる。フレキシブルタッチパネル12は、透明導電膜(ITO)が片側に成膜された素材(主としてフィルムやガラス)に形成された透明導電膜間が互いに向い合うように所定の距離をもって貼り合わされたアナログ抵抗膜方式のタッチパネルであり、指やペンで押圧された場合に透明導電膜同士が接触することによって信号が入力されるものである。フレキシブルタッチパネル12は、複数の検出ブロックが2次元配置され、それぞれの検出ブロック毎に検出が可能なものである。フレキシブルタッチパネル12の各検出ブロックは、フレキシブルディスプレイ11の画素と関連付けられている。このため、フレキシブルタッチパネル12は、フレキシブルディスプレイ11のどの画素に手が接触されたかを検出することができる。
電源ボタン13は、デジタルカメラ1を起動させるものである。電源ボタン13を押すことにより、モード選択ボタン14により設定されたモードでデジタルカメラ1が起動する。
モード選択ボタン14は、デジタルカメラ1のモードを設定するものであり、「再生モード」と「撮影モード」との切り替えを行う。また、モード選択ボタン14は、デジタルカメラ1の撮影モードを設定する撮影モード設定手段として機能し、このモード選択ボタン14の設定位置により、デジタルカメラ1の撮影モードが様々なモードに設定される。例えば、絞り、シャッタースピード等がデジタルカメラ1によって自動的に設定される「オート撮影モード」、動画撮影を行う「動画撮影モード」、人物撮影に適した「人物撮影モード」、動体撮影に適した「スポーツ撮影モード」、風景の撮影に適した「風景撮影モード」、夕景及び夜景の撮影に適した「夜景撮影モード」、絞りの目盛りを撮影者が設定し、シャッタースピードをデジタルカメラ1が自動的に設定する「絞り優先撮影モード」、シャッタースピードを撮影者が設定し、絞りの目盛りをデジタルカメラ1が自動的に設定する「シャッタースピード優先撮影モード」、絞り、シャッタースピード等を撮影者が設定する「マニュアル撮影モード」等である。
次に、操作手段について説明する。レリーズボタン21、MENU/OKボタン22、DISP/BACKボタン23等の操作手段は、各々のオリジナルのスイッチ画像があらかじめ登録されており、各スイッチ画像がフレキシブルディスプレイ11の所定の位置に表示されることにより形成される。後に述べる方法により、操作手段が表示された画素に対応する検出ブロックで入力が検知された場合には、以下に示すような、各操作手段に対応する所定の動作が行われる。
レリーズボタン21は、図1(a)に示すように、フレキシブルディスプレイ11のデフォルトの位置(基準位置)にレリーズボタン用のスイッチ画像が表示されることにより形成される。ここで基準位置とは、レリーズボタン21を表示させる位置としてフレキシブルディスプレイ11に予め設定されている位置であり、カメラボディ10の上面から背面にまたがった領域、すなわち背面と上面との間に形成されたR形状を中心として領域の略中央右寄りの位置である。略中央右寄りにしている理由は、右利き、すなわちデジタルカメラ1を右手で把持する撮影者が多いことによる。
レリーズボタン21は、レリーズボタン用の画像が表示された画素に対応する検出ブロックに押圧が入力されることにより操作が行われ、フレキシブルタッチパネル12で検知された押圧の強さに応じて、ズーム位置の調整を行うか、レリーズ動作を行うかが選択される。
すなわち、レリーズボタン21が表示された画素に対応する検出ブロックにおいて、所定の閾値以上の押圧が検知された場合にはレリーズ動作を行い、所定の閾値未満の押圧が検知された場合にはズーム位置の調整を行う。デジタルカメラ1は、撮影モード時にズーム位置の調整(テレ側及びワイド側への操作)が行われることにより、レンズの焦点距離を変化させる。また、再生モード時にテレ側及びワイド側への操作が行われることにより、再生中の画像を拡大、縮小させる。ズーム位置の調整については、後に詳述する。
また、レリーズボタン21は、上下左右4方向の指示を入力する方向指示手段として機能し、たとえば、メニュー画面でメニュー項目の選択などに使用される。
MENU/OKボタン22は、各モードの通常画面からメニュー画面への遷移を指示するボタン(MENUボタン)として機能するととともに、選択内容の確定、処理の実行等を指示するボタン(OKボタン)として機能する。
DISP/BACKボタン23は、フレキシブルディスプレイ11の表示内容の切り替え指示(表示機能)に用いられるとともに、入力操作のキャンセル等の指示(戻る機能)に用いられ、デジタルカメラ1の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。
次に、デジタルカメラ1の電気的構成について説明する。図2は、デジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ15、絞り16、撮像素子17、メモリカード18、中央処理装置(CPU)110、アナログ信号処理部112、AMP114、A/D変換器116、RAM118、メモリ120、画像信号処理回路122、圧縮・伸張処理回路126、ディスプレイドライバ128、メディアコントローラ130等で構成されている。
レンズ15は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含み、CPU110の指令に従って駆動される。フォーカスレンズ群は、フォーカスモータに駆動されて光軸に沿って前後方向に移動し、ズームレンズ群は、ズームモータに駆動されて光軸に沿って前後方向に移動する。
絞り16は、撮像素子17の前方に配設されており、たとえば、アイリス絞りで構成される。絞り16は、図示しない絞りアクチュエータに駆動されて動作し、F値(絞り値)の切り換えを行う。
撮像素子17は、たとえば、所定のカラーフィルタ配列のカラーCCDで構成されており、レンズ15によって結像された被写体の画像を電子的に撮像する。撮像素子17の受光面には、所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配列された赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタを介して多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配置されている。レンズ15によって撮像素子17の受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU110から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子17から順次読み出される。
CPU110は、電源ボタン13、モード選択ボタン14、レリーズボタン21などから入力される操作信号に基づき所定の制御プログラムに従ってデジタルカメラ1の全体を統括制御する。CPU110はROMを内蔵し、ROMには、CPU110が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。
CPU110は、表示制御手段を備え、電源ボタン13が押圧されることによりデジタルカメラ1が駆動されると、レリーズボタン21、MENU/OKボタン22、DISP/BACKボタン23等の操作手段やモニタ表示部24をフレキシブルディスプレイ11の所定の位置に表示させる。
CPU110は、レリーズボタン21の表示制御を行うレリーズボタン表示制御部を内蔵する。レリーズボタン表示制御部は、レリーズボタン用の画像を所望の位置に表示させる。すなわち、レリーズボタン表示制御部は、フレキシブルタッチパネル12において押圧が検知されていない場合には、レリーズボタン21を基準位置に表示させ、フレキシブルタッチパネル12において押圧が検知された場合には、押圧が検知された位置に合わせてレリーズボタンを移動させる。レリーズボタンの表示制御については、後に詳述する。
CPU110は、フレキシブルタッチパネル12において入力が検知された検出ブロックに関係付けられているフレキシブルディスプレイ11の画素を割り出し、当該画素に表示された操作手段に対応する所定の動作を行う。
CPU110は、モニタ表示部24の位置を設定するための表示エリア設定部を内蔵する。本実施の形態では、カメラボディ10を右手で把持する場合を考えているため、モニタ表示部24は、右手により覆われない位置、すなわちカメラボディ10の背面の左下近傍に設定される。
CPU110は、測距制御手段(AF手段)としても機能する。AF手段は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、所定のフォーカスエリア(たとえば、画面中央部)内の信号を切り出すAFエリア検出部及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
CPU110は、露光制御手段(AE手段)としても機能する。AE手段は、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出する。たとえば、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。
CPU110は、フォーカスアクチュエータの駆動を制御することにより、レンズ15の位置を制御してフォーカシングを行い、絞りアクチュエータの駆動を制御することにより、絞り16の開口量(絞り値)を制御し、撮像素子17への入射光量を制御する。また、CPU110は、撮像素子17を駆動するためのタイミング信号を出力する。
アナログ信号処理部は、相関2重サンプリング回路(CDS)112と、画像信号を増幅して一定レベルの大きさにコントロールするためのAMP114と、A/D変換器116とで構成される。
CDS112は、撮像素子17から出力された画像信号に対して相関二重サンプリング処理(撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理)を行う。
AMP114は、CDS112により相関2重サンプリング処理された増幅画像信号を出力する。
A/D変換器116は、AMP114で増幅されたアナログのR、G、B信号をデジタルのR、G、B信号に変換して出力する。
RAM118には、ユーザー設定情報等のデジタルカメラ1の動作に関する各種設定情報等が格納されている。
また、メモリ120は、CPU110の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データ等の一時記憶領域として利用される。
画像信号処理回路122は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号に所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
Y/C変換処理回路124は、画像信号処理回路122からのデジタル画像データにYC変換を施し、輝度信号Yと色差(クロマ)信号B−Y、R−Yを生成する。
圧縮・伸張処理回路126は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。
ディスプレイドライバ128は、CPU110からの指令に従い、モニタ表示部24への表示を制御する。すなわち、CPU110からの指令に従い、圧縮・伸張処理回路126から入力された画像信号をモニタ表示部24に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換してモニタ表示部24に出力する。
メディアコントローラ130は、CPU110からの指令に従い、メディアスロットに装填されたメモリカード18に対してデータの読み/書きを制御する。
次に、以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ1の作用について説明する。
まず、一般的な画像の撮影、記録処理の手順について説明する。上記のように、デジタルカメラ1は、図示しない電源ボタンにより電源がONされると、レリーズボタン21などの操作手段がフレキシブルディスプレイ11に表示され、各種操作が可能となる。そして、モード選択ボタン14により撮影モードに設定されることにより、レンズ15がカメラボディ10の表面に露出され、撮影スタンバイ状態になる。
この撮影モードの下、レンズ15を通過した被写体光は、絞り16を介して撮像素子17の受光面に結像される。レンズ15を通過した被写体光は、撮像素子17の受光面に設けられた各フォトダイオードによって受光され、入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU110から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出され、アナログ信号処理部に加えられる。アナログ信号処理部から出力されたデジタルのR、G、B信号はメモリ120に出力される。
撮影画像をモニタ表示部24に出力する場合は、メモリ120に出力された画像信号より画像信号処理回路122で輝度/色差信号が生成され、その信号がディスプレイドライバ128に送られる。ディスプレイドライバ128は、入力された輝度/色差信号を表示用の信号形式(たとえばNTSC方式のカラー複合映像信号)に変換し、モニタ表示部24に出力する。これにより、撮像素子17で撮像された画像がモニタ表示部24に表示される。
撮像素子17から画像信号を定期的に取り込み、その画像信号から生成される輝度/色差信号によってメモリ120内の画像データを定期的に書き換え、モニタ表示部24に出力することにより、撮像素子17で撮像される画像がリアルタイムに表示される。撮影者は、このモニタ表示部24にリアルタイムに表示される画像(スルー画像)を見ることにより、撮影画角を確認し、ズーム調整を行う。
ズーム調整について説明する。図3は、デジタルカメラ1のズーム調整の処理の流れを示すフローチャートであり、図4は、デジタルカメラ1のズーム調整を行う場合の操作について説明する図である。以下の処理は、CPU110によって行われる。なお、ズーム調整が行われる前は、レリーズボタン21は基準位置に表示されている。
レリーズボタン21が表示された画素に対応する検出ブロックにおいて、所定の閾値(レリーズ圧)以上の押圧が検知されたかどうかを判断する(ステップS1)。
押圧がレリーズ圧未満であった場合(ステップS1でNO)には、レリーズボタン21に指が触れているかどうかを判断する(ステップS2)。
レリーズボタン21に指が触れていない場合(ステップS2でNO)には、レリーズボタン21を基準位置に表示し(ステップS3)、再度ステップS1を行う。
レリーズボタン21に指が触れている場合(ステップS2でYES)には、指が触れている検出ブロックが基準位置よりも上側に位置するかどうか、すなわち指が触れている検出ブロックが基準位置から上面側(図4に示す上向きの矢印方向)にあるかどうかを判断する(ステップS4)。
基準位置よりも上面側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS4でYES)には、ズーム位置をテレ側に調整すると共に、現在指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS5)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも上面側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS4でNO)には、指が触れている検出ブロックが基準位置よりも下側に位置するかどうか、すなわち指が触れている検出ブロックが基準位置から背面側に向かう方向(図3に示す下向きの矢印方向)にあるかどうかを判断する(ステップS6)。
基準位置よりも下側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS6でYES)には、ズーム位置をワイド側に調整すると共に、現在指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS7)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも下側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS6でNO)には、レリーズボタン21の操作範囲内で指の接触が行われなかった場合であるため、ズーム調整を行わず、レリーズボタン21を基準位置に表示しなおす(ステップS8)。その後、再度ステップS1を行う。
押圧がレリーズ圧以上であった場合(ステップS1でYES)には、以下に示すようなレリーズ動作を行なう(ステップS9)。
レリーズ圧以上の押圧が検知されると、CPU110はAE/AF処理を実施する。AF手段は、レンズ15を移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にレンズ15を移動させる。
AE手段は、算出された積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、求めた撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッタースピードを決定し、これに従い撮像素子17の電子シャッターと絞り16を制御して適正な露光量を得る。同時に、検出された被写体輝度より、ストロボの発光が必要かどうかを判断する。
また、AE手段は、自動ホワイトバランス調整時、分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU110に提供する。CPU110は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。
その後、CPU110は撮影、記録処理を開始する。すなわち、測光結果に基づき決定されたシャッター速度、絞り値で撮像素子17を露光する。
撮像素子17から出力された画像信号は、A/D変換器116などを介してメモリ120に取り込まれ、画像信号処理回路122において輝度/色差信号に変換されたのち、メモリ120に格納される。
メモリ120に格納された画像データは、圧縮・伸張処理回路126に加えられ、所定の圧縮フォーマット(たとえばJPEG形式)に従って圧縮された後、メモリ120に格納され、所定の画像記録フォーマット(たとえばExif形式)の画像ファイルとされたのち、メディアコントローラ130を介してメモリカード18に記録される。
以上のようにしてメモリカード18に撮影された画像が記録され、それと同時にレリーズボタン21の表示位置が基準位置に戻される。メモリカード18に記録された画像は、モード選択ボタン14によりデジタルカメラ1のモードを再生モードに設定することにより、モニタ表示部24で再生表示させることができる。
デジタルカメラ1のモードを再生モードに設定すると、CPU110は、メディアコントローラ130にコマンドを出力し、メモリカード18に最後に記録された画像ファイルを読み出させる。
読み出された画像ファイルの圧縮画像データは、圧縮・伸張処理回路126に加えられ、非圧縮の輝度/色差信号に伸張されたのち、ディスプレイドライバ128を介してモニタ表示部24に出力される。これにより、メモリカード18に記録されている画像がモニタ表示部24に再生表示される(1枚画像の再生)。
画像のコマ送りは、レリーズボタン21を左右に動かす操作によって行なわれる。レリーズボタン21を右側へ移動させると、次の画像ファイルがメモリカード18から読み出され、モニタ表示部24に再生表示される。また、レリーズボタン21を左側へ移動させると、一つ前の画像ファイルがメモリカード18から読み出され、モニタ表示部24に再生表示される。
モニタ表示部24に再生表示された画像を確認しながら、必要に応じて、メモリカード18に記録された画像を消去することができる。画像の消去は、画像がモニタ表示部24に再生表示された状態でMENU/OKボタン22が押下されることによって行われる。
一枚画像の再生中にDISP/BACKボタン23を押下すると、インデックス画像回路(図示せず)で作成されたインデックス画像がディスプレイドライバ128を介してモニタ表示部24に出力される(インデックス画像再生)。インデックス画像再生はマルチ再生とも呼ばれ、撮った画像を一覧として見ることができる再生方法である。これにより、モニタ表示部24にはインデックス画像が表示される。
本実施の形態によれば、背面や上面などの平面のみでなく、カメラボディの背面と上面とのコーナー部に形成されたR形状の部分を操作部として用いることができるため、スペースを効率的に使うことができる。
また、本実施の形態によれば、レリーズボタンでズーミングを行うため、ズームボタンを省略することができる。これにより、省スペース化及びモニタ表示部の大型化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、指1本でレリーズ動作とズーミングを行うことができるため、操作性を向上させることができる。更に、操作に合わせてレリーズボタンの表示位置を移動させるため、撮影者の操作感を良くすることができる。
なお、本実施の形態では、フレキシブルタッチパネル12の検出ブロックにレリーズ圧以上の押圧が入力された場合にはレリーズ動作を行うようにしたが、第1の閾値と第2の閾値をあらかじめ設定しておき、第1の閾値以上第2の閾値未満の押圧が検知された場合にはS1動作(AE、AF等) を行い、第2の閾値以上の押圧が検知された場合にはS2動作(撮影動作)を行なうようにしてもよい。
[第1の実施の形態の変形例1]
本発明に係る第1の実施の形態は、レリーズボタン21を上下方向に移動させることによりズーム調整を行ったが、第1の実施の形態の変形例1は、レリーズボタン21を左右方向に移動させることによりズーム調整を行うものである。
図5は、デジタルカメラ1aのズーム調整の処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、デジタルカメラ1aのズーム調整を行う場合の操作について説明する図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
レリーズボタン21が表示された画素に対応する検出ブロックにおいて、レリーズ圧以上の押圧が検知されたかどうかを判断する(ステップS1)。
押圧がレリーズ圧未満であった場合(ステップS1でNO)には、レリーズボタン21に指が触れているかどうかを判断する(ステップS2)。
レリーズボタン21に指が触れていない場合(ステップS2でNO)には、レリーズボタン21を基準位置に表示し(ステップS3)、再度ステップS1を行う。
レリーズボタン21に指が触れている場合(ステップS2でYES)には、指が触れている検出ブロックが基準位置よりも左側(図6に示す左向きの矢印方向)に位置するかどうかを判断する(ステップS11)。
基準位置よりも左側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS11でYES)には、ズーム位置をテレ側に調整すると共に、指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS5)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも左側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS11でNO)には、指が触れている検出ブロックが基準位置よりも右側(図6に示す右向きの矢印方向)に位置するかどうかを判断する(ステップS12)。
基準位置よりも右側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS12でYES)には、ズーム位置をワイド側に調整すると共に、現在指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS7)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも右側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS12でNO)には、ズーム調整を行わず、レリーズボタン21を基準位置に表示しなおす(ステップS8)。その後、再度ステップS1を行う。
押圧がレリーズ圧以上であった場合(ステップS1でYES)にはレリーズ動作を行なう(ステップS9)。
[第1の実施の形態の変形例2]
本発明に係る第1の実施の形態は、レリーズボタン21を上下方向に移動させることによりズーム調整を行ったが、第1の実施の形態の変形例2は、レリーズボタン21を上下方向に加え、左右方向に移動させることによりズーム調整を行うものである。
図7は、デジタルカメラ1bのズーム調整の処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、デジタルカメラ1bのズーム調整を行う場合の操作について説明する図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
レリーズボタン21が表示された画素に対応する検出ブロックにおいて、レリーズ圧以上の押圧が検知されたかどうかを判断する(ステップS1)。
押圧がレリーズ圧未満であった場合(ステップS1でNO)には、レリーズボタン21に指が触れているかどうかを判断する(ステップS2)。
レリーズボタン21に指が触れていない場合(ステップS2でNO)には、レリーズボタン21を基準位置に表示し(ステップS3)、再度ステップS1を行う。
レリーズボタン21に指が触れている場合(ステップS2でYES)には、指が触れている検出ブロックが基準位置よりも上側又は左側(図8に示す上向き又は左向きの矢印方向)に位置するかどうかを判断する(ステップS13)。
基準位置よりも上側又は左側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS13でYES)には、ズーム位置をテレ側に調整すると共に、指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS5)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも上側又は左側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS13でNO)には、基準位置よりも下側又は右側(図8に示す下向き又は右向きの矢印方向)に位置するかどうかを判断する(ステップS14)。
基準位置よりも下側又は右側に位置する検出ブロックに指が触れている場合(ステップS14でYES)には、ズーム位置をワイド側に調整すると共に、現在指が触れている検出ブロックに対応する画素にレリーズボタン21を移動させる(ステップS7)。その後、再度ステップS1を行う。
基準位置よりも下側又は右側に位置する検出ブロックに指が触れていない場合(ステップS14でNO)には、ズーム調整を行わず、レリーズボタン21を基準位置に表示しなおす(ステップS8)。その後、再度ステップS1を行う。
押圧がレリーズ圧以上であった場合(ステップS1でYES)にはレリーズ動作を行なう(ステップS9)。
<第2の実施の形態>
本発明に係る第2の実施の形態は、撮影者がカメラボディを把持する手が右手か左手かを検知し、撮影者の持ち手に合わせて操作手段などをフレキシブルディスプレイ11に表示させるものである。
図9は、デジタルカメラ2の背面斜視図である。第1の実施の形態の同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
フレキシブルタッチパネル12には、図9に示すように、右手人差し指検知領域R1、
右手親指検知領域R2、左手人差し指検知領域L1及び左手親指検知領域L2が予め設定されている。
右手人差し指検知領域R1及び右手親指検知領域R2は、撮影者がカメラボディ10を右手で把持した時に人差し指、親指がそれぞれ接触するであろうと考えられる領域である。右手人差し指検知領域R1はカメラボディ10の上面右側に設定され、右手親指検知領域R2はカメラボディ10の背面右側に設定される。
左手人差し指検知領域L1及び左手親指検知領域L2は、撮影者がカメラボディ10を左手で把持した時に人差し指、親指がそれぞれ接触するであろうと考えられる領域である。左手人差し指検知領域L1はカメラボディ10の上面左側に設定され、左手親指検知領域L2はカメラボディ10の背面左側に設定される。
電源ボタン13が押下されることによりデジタルカメラ2が撮影モードで起動されると、まず撮影者がカメラボディ10を右手で把持しているか、左手で把持しているかを検知し、持ち手に合わせた位置にレリーズボタン21などの操作手段を表示させる。図10は、持ち手検知処理の流れを示すフローチャートである。当該処理はCPU110によって行われる。
右手でカメラボディ10を把持した場合(右手モード)が初期設定の持ち手モードとして設定されている。ここで、右手モードとは、第1の実施の形態(図1参照)に示すように、レリーズボタン21をカメラボディ10の背面と上面とを連結するR形状の上の略中央右寄りの位置に表示させ、モニタ表示部24をカメラボディ10の背面の左下近傍に表示させるモードである。
フレキシブルタッチパネル12での検出を開始し(ステップS20)、右手人差し指検知領域R1又は右手親指検知領域R2に指が接触したかどうかを判断する(ステップS21)。つまり、ステップS21では、右手人差し指検知領域R1又は右手親指検知領域R2に指が接触した場合には持ち手は右手であると判断し、左手人差し指検知領域L1又は左手親指検知領域L2に指が接触した場合には持ち手は左手であると判断する。
次に、現在設定されている持ち手モードの持ち手と、接触が検知された持ち手とが同じかどうかを判断する(ステップS22)。現在は右手モードに設定されているため、ステップS21で持ち手が右手であると判断された場合には、現在設定されているモードの持ち手と同じ持ち手であると判断し、持ち手が左手であると判断された場合には、現在設定されているモードの持ち手と異なる持ち手であると判断する。
現在設定されているモードの持ち手と同じ持ち手であると判断された場合(ステップS22でYES)には、処理を終了する。すなわち、右手モードに設定されている場合に、ステップS21において持ち手が右手であると判断された場合には、レリーズボタン21等の表示位置を変更する必要はないため、このまま処理を終了する。
現在設定されているモードの持ち手と異なる持ち手であると判断された場合(ステップS22でNO)には、ステップS21において検知された持ち手のモードに設定を変更する(ステップS23)。すなわち、右手モードに設定されている場合に、ステップS21において持ち手が左手であると判断された場合には、左手モードに設定を変更する。
ここで、左手モードとは、図9に示すように、左手でカメラボディ10を把持した場合、レリーズボタン21をカメラボディ10の背面と上面とを連結するR形状の上の略中央左寄りの位置に表示させ、モニタ表示部24をカメラボディ10の背面の右下近傍に表示させるモードである。これにより、カメラボディ10を把持した左手の人差し指でレリーズボタン21の操作が可能となる。また、モニタ表示部24がカメラボディ10を把持した左手で覆われることなく視認可能となる。
最後に、ステップS23で変更された持ち手モードに従った表示を行い、処理を終了する。
このようにして持ち手に合わせて操作手段が表示されると、第1の実施の形態と同様の方法により画像の撮影、記録処理が可能となる。
本実施の形態によれば、撮影者の持ち手に応じて操作手段の位置を切り替えることができるため、簡単な構成で、右利きの撮影者のみでなく左利きの撮影者にも快適な操作環境を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、撮影者の持ち手に応じてモニタ表示部の位置を変えるため、被写体像が手で覆われることで画像が視認しづらくなることを防止することができる。
<第3の実施の形態>
本発明に係る第1の実施の形態は、フレキシブルディスプレイ及びフレキシブルタッチパネルをカメラボディの背面と上面とにわたって連続的に設けたものであるが、フレキシブルディスプレイ及びフレキシブルタッチパネルを他の面にも設けるようにしてもよい。
本発明に係る第3の実施の形態は、フレキシブルディスプレイ及びフレキシブルタッチパネルをカメラボディの正面、上面及び背面にまたがるように設けたものである。図11は、デジタルカメラ3の一実施形態を示す図であり、(a)は正面斜視図であり、(b)はデジタルカメラ3を側面からみた要部透視図である。なお、第1の実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
デジタルカメラ3のカメラボディ30は、横長の四角い箱状に形成されており、背面と上面とのコーナー部にはR形状が形成されている。また、カメラボディ30の前面と上面とのコーナー部には、背面と上面との間のR形状よりも小さいR形状又はC面が形成されている。
カメラボディ30の正面には、主として、レンズ15と、フラッシュ19とが配設される。カメラボディ30の側面には、電源ボタン等が配設される。カメラボディ30の下面には、三脚ネジ穴と、開閉自在なカバーを介してバッテリー挿入部とメモリカードスロットとが配設される。このバッテリー挿入部にはバッテリーが装填され、メモリカードスロットにはメモリカードが装填される。
カメラボディ30の背面、上面及び前面にまたがるように、かつカメラボディ30の背面、上面及び前面の全体を覆うように、フレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aが設けられている。図11(b)に示すように、フレキシブルディスプレイ11aは、カメラボディ30の正面に設けられたレンズ15、フラッシュ19などの前面に設けられ、フレキシブルタッチパネル12aは、フレキシブルディスプレイ11aの前面に設けられる。
フレキシブルディスプレイ11aは、有機ELや有機発光ダイオードなどの発光素子をプラスチックフィルムで挟むことにより形成されたカラー表示が可能な可撓性を有するディスプレイであり、複数の画素が2次元配置されたものである。
フレキシブルディスプレイ11aには、各種操作手段、モニタ表示部が表示されることにより、ユーザインターフェース表示パネルとして利用される。カメラボディ30の背面又は上面に位置するフレキシブルディスプレイ11aの画素には、第1の実施の形態と同様に、ズーム調整が可能なレリーズボタン21が表示される。また、カメラボディ30の正面に位置するフレキシブルディスプレイ11aの画素には、MENU/OKボタン、DISP/BACKボタン等の操作手段25が表示される。
また、フレキシブルディスプレイ11の所望の領域には、モニタ表示部(図示せず)が設定されている。モニタ表示部には、撮影モード時に必要に応じてスルー画像が表示されることで、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
フレキシブルタッチパネル12aは、フレキシブルディスプレイ11aと略同一形状であり、透明導電膜(ITO)が片側に成膜された素材(主としてフィルムやガラス)に形成された透明導電膜間が互いに向い合うように所定の距離をもって貼り合わされたアナログ抵抗膜方式のタッチパネルであり、指やペンで押圧された場合に透明導電膜同士が接触することによって信号が入力されるものである。フレキシブルタッチパネル12aは、複数の検出ブロックが2次元配置され、それぞれの検出ブロック毎に検出が可能なものである。フレキシブルタッチパネル12aの各検出ブロックは、フレキシブルディスプレイ11aの画素と関連付けられており、フレキシブルディスプレイ11aの所望の画素と、フレキシブルタッチパネル12aの検出ブロックとの相対関係が算出できるようになっている。
フレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aには、レンズ15の窓領域、すなわちレンズ15の前面に位置し、レンズ15の画角範囲より大きな領域である非表示領域Aと、フラッシュ19の窓領域、すなわちフラッシュ19の前面に位置し、フラッシュ19の投光範囲より大きな領域である非表示領域Bとが設定されている。本実施の形態では、レンズ15、フラッシュ19がフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aの背面に設けられている。したがって、デジタルカメラ3が撮影モードで起動された場合には、撮影が可能なように、非表示領域A及び非表示領域Bを透明にする。当該処理については、後に詳述する。
次に、デジタルカメラ3の電気的構成について説明する。図12は、デジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。
同図に示すように、デジタルカメラ3は、レンズ15、絞り16、撮像素子17、メモリカード18、フラッシュ19、中央処理装置(CPU)110、アナログ信号処理部112、AMP114、A/D変換器116、RAM118、メモリ120、画像信号処理回路122、圧縮・伸張処理回路126、ディスプレイドライバ128、メディアコントローラ130等で構成されている。
フラッシュ19は、主要被写体に向けてストロボ光を照射できるように、光源としてのキセノン管と、反射傘とで構成される。
CPU110は、キセノン管への電流供給制御を行い、所望の発光量が所望のタイミングで得られるように制御する。
次に、以上のように構成された本実施の形態のデジタルカメラ1の作用について説明する。先に述べたように、デジタルカメラ3が撮影モードで起動された場合には、まずフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aを透明にする必要がある。図13は、撮影モードの場合にフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aを透明にする処理の流れを示すフローチャートである。当該処理はCPU110によって行われる。
まず、初期設定のディスプレイ表示を行う、すなわちレリーズボタンをカメラボディ30の背面と上面とを連結するR形状の上の略中央右寄りの位置に表示させ、モニタ表示部をカメラボディ30の背面の左下近傍に表示させ、操作手段25をカメラボディ30の正面に表示させる(ステップS30)。
デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されたかどうかを判断する(ステップS31)。デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されていない場合(ステップS31でNO)には、処理を終了する。
デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されている場合(ステップS31でYES)には、フラッシュ撮影モードかどうかを判断する(ステップS32)。フラッシュ撮影モードは、スルー画像取得時などに光量が少ないと判断された場合には、CPU110により自動的に設定される。また、撮影者が操作手段25を用いて強制的にフラッシュの発光を行うことを選択した場合もフラッシュ撮影モードに設定される。
フラッシュ撮影モードであると判断された場合(ステップS32でYES)には、図11(a)に示すように、レンズ15の前面に位置する非表示領域A及びフラッシュ19の前面に位置する非表示領域Bのフレキシブルディスプレイ11aの画素を非表示にし、かつ当該領域のフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aを透明にする(ステップS33)。その後処理を終了する。
フラッシュ撮影モードでないと判断された場合(ステップS32でNO)には、図11(a)に示すように、レンズ15の前面に位置する非表示領域Aに位置するフレキシブルディスプレイ11aの画素を非表示にし、かつ当該領域のフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aを透明にする(ステップS34)。その後処理を終了する。
その後、第1の実施の形態と同様に、一般的な画像の撮影、記録処理を行なう。
本実施の形態によれば、可撓性表示手段及び可撓性タッチパネルの背面に撮影光学系を配置できるため、省スペース化と表示手段の大型化を図ることができる。
<第4の実施の形態>
本発明に係る第4の実施の形態は、フレキシブルディスプレイ及びフレキシブルタッチパネルをカメラボディの正面、上面及び背面にわたって連続的に設け、撮影者が撮影者自身を撮影(自分撮り)しているかを判断し、自分撮りの場合にはモニタ表示部をカメラボディの前面に移動するものである。
図14は、デジタルカメラ4の正面斜視図である。第3の実施の形態の同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
フレキシブルタッチパネル12aには、図14に示すように、自分撮り右手用接触検知領域R及び自分撮り左手用接触検知領域Lが予め設定されている。
自分撮り右手用接触検知領域Rは、撮影者がカメラボディ30を右手で把持して自分撮りを行う時に、人差し指又は親指が接触するであろうと考えられる領域である。自分撮り右手用接触検知領域Rはカメラボディ30の上面右側に位置する領域に設定される。
自分撮り左手用接触検知領域Lは、撮影者がカメラボディ30を左手で把持して自分撮りを行う時に人差し指、親指がそれぞれ接触するであろうと考えられる領域である。自分撮り左手用接触検知領域Lはカメラボディ30の上面左側に位置する領域に設定される。
また、カメラボディ10の底面には、図示しないタッチパネルが設けられている。このタッチパネルの右端近傍には右手用接触検知領域Rが設定され、左端近傍には左手用接触検知領域Lが設定される。このタッチパネルは、検出をより正確にするために設けられたものであり、省略することも可能である。
電源ボタン13が押下されることによりデジタルカメラ4が撮影モードで起動されると、まず撮影者がカメラボディ30を右手で把持して自分撮りをしているか、左手で把持して自分撮りをしているかを検知し、持ち手に合わせた位置にレリーズボタン21などの操作手段を表示させる。図15は、持ち手検知処理の流れを示すフローチャートである。当該処理はCPU110によって行われる。
持ち手検知処理が開始される前に、第3の実施の形態に示すように、デジタルカメラ4が撮影モードで駆動されたかどうかが判断され、図14に示すように、レンズ15の前面に位置する非表示領域Aのフレキシブルディスプレイ11aの画素を非表示にし、かつ当該領域のフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12aが透明にされる。
まず、初期設定のディスプレイ表示を行い(ステップS30)、デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されたかどうかを判断する(ステップS31)。デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されていない場合(ステップS31でNO)には、処理を終了する。
デジタルカメラ3が撮影モードで駆動されている場合(ステップS31でYES)には、図13に示すように、レンズ15の前面に位置する非表示領域Aに位置するフレキシブルディスプレイ11aの画素を非表示にし、かつ当該領域のフレキシブルディスプレイ11a及びフレキシブルタッチパネル12を透明にする(ステップS34)。
フレキシブルタッチパネル12aで検出を開始し(ステップS41)、自分撮り右手用接触検知領域R又は自分撮り左手用接触検知領域Lに指が接触したか、すなわち自分撮りが行われているかどうかを判断する(ステップS42)。自分撮りが行われていない場合(ステップS42でNO)のときには、処理を終了する。
自分撮りが行われている場合(ステップS42でYES)には、図14に示すように、背面に表示されているモニタ表示部42を正面に移動させ(ステップS43)、自分撮り右手用接触検知領域に指が接触したかどうかを判断する(ステップS44)。
自分撮り右手用接触検知領域Rに指が接触した場合(ステップS44でYES)、すなわち右手でカメラボディ30を把持して自分撮りを行っている場合には、図13に示すように、カメラボディ30の上面の自分撮り右手用接触検知領域Rに対応するフレキシブルディスプレイ11aの画素にレリーズボタン21を表示し(ステップS45)、処理を終了する。
自分撮り右手用接触検知領域Rに指が接触していない場合(ステップS44でNO)は、左手でカメラボディ30を把持して自分撮りを行っているということであるため、カメラボディ30の上面の自分撮り左手用接触検知領域Lに対応するフレキシブルディスプレイ11aの画素にレリーズボタン21を表示し(ステップS46)、処理を終了する。
その後、第1の実施の形態と同様に、一般的な画像の撮影、記録処理を行なう。本実施の形態では、レリーズボタン21を左右に移動させることによりズーム調整を行うようにすることが望ましい。
本実施の形態によれば、自分撮りが行われているかどうかを自動的に検知し、モニタ表示部の位置を移動するため、自分撮りが行われている場合においても、撮影者が被写体像を確認しながら撮影を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、検知された持ち手に合わせて自動的にレリーズボタンの位置を調整するため、自分撮りを行う場合における操作性を向上させることができる。
なお、本発明の適用は、デジタルカメラに限定されるものではなく、カメラつき携帯電話機やビデオカメラ等の撮像装置、携帯音楽プレーヤー、PDA等の電子機器にも同様に適用することができる。
1、2、3、4:デジタルカメラ、10、30:カメラボディ、15:レンズ、16:絞り、17:撮像素子、18:メモリカード、19:フラッシュ、21:レリーズボタン、24:モニタ表示部、110:CPU