JP4870611B2 - ガスセンサ制御装置 - Google Patents
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Description
これを利用して、この電圧を所定の制御電圧に制御することにより、NOxなどの所定のガスの濃度を検知可能に構成したガスセンサ素子、およびこれを制御するガスセンサ制御装置が知られている(特許文献1参照)。
これに対し、本発明のガスセンサ制御装置は、ガス濃度に関する第1信号を出力する一方で、出力信号利用装置からの許可信号を検知して、許可された期間内にアナログ指令電圧を変更する。このため、許可された期間内にアナログ指令電圧を変更したのであれば、これによって第1信号に変動が生じたとしても、出力信号利用装置がこれを考慮して第1信号を適切に扱うことができ、この変更による影響を抑制でき、正確にガス濃度の測定ができる。
これに対し、本発明のガスセンサ制御装置は、アナログ指令電圧の変更中であることを示す第2信号を、第1信号を利用する出力信号利用装置に向けて出力する。このため、第1信号を利用する装置において、第2信号によりアナログ指令電圧の変更中であることを検知することで、例えば、この間に出力される第1信号を無視するなど、適切な処置をとることが可能となる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のガスセンサ制御装置であるNOX検出装置1の概略構成を示す構成図である。
NOXセンサ素子10は、第1ポンピングセル11、酸素濃度検知セル12、および第2ポンピングセル13を、アルミナを主体とする絶縁層14a,14bを介してこの順に積層した構造を有する。また、多孔質物質からなる第1拡散抵抗体15aを介して測定対象ガスGMが取り込まれる第1測定室16を備えている。
また、NOXセンサ素子10は、多孔質体からなる第2拡散抵抗体15bを介して、第1測定室16と隣り合う、第2測定室18を備える。なお、第2測定室18は、酸素濃度検知セル12を積層方向に貫通し、第2ポンピングセル13にまで届いており、この第2測定室18には、第2ポンピングセル13の第2ポンプ用第1電極13bが露出している。
また、このNOX検出装置1はNOXセンサ素子10に対する通電制御を行うと共に、濃度信号sig1を出力するものであり、第1配線39aおよび第4配線39dを介してNOXセンサ素子10の第1ポンピングセル11に、第1配線39aおよび第3配線39cを介して第2ポンピングセル13に、第1配線39aおよび第2配線39bを介して酸素濃度検知セル12に、それぞれ接続している。
さらに、本実施形態におけるNOXセンサ制御回路20のMC21は、エンジン制御装置40(以下、ECUとも言う)と通信を行う。また、図示しないタイマを有する。
また、基準電圧回路VCは、加算前基準電圧回路OCと加算回路ACとからなる。このうち、制御回路CC1に入力する加算前基準電圧Vstを出力する加算前基準電圧回路OCは、Vs加算前基準電圧発生器23とバッファOA3で構成される。また、加算回路ACは、抵抗体R9〜R11で構成され、加算前基準電圧回路OCで生成される加算前基準電圧Vstと、後述するVs指令回路24で生成される基準電圧用アナログ電圧Vsa2をノードN1で加算する。そして、そこで生じる基準電圧VsxがPID回路22に入力される。
かくして制御回路CC1は、第1配線39a、第2配線39b、および第4配線39dを介して、酸素濃度検知セル12および第1ポンピングセル11を含むフィードバック制御回路を構成し、酸素濃度検知セル12の第1端子間電圧Vsを所定電圧V1(425mV)に保つように制御を行っている。
本実施形態では、NOXセンサ素子10の各端子19a,19b,19cの電位Com,Vs+,Vp+を、それぞれのバッファOA6,OA5,OA7を介してモニタする。モニタした各電位Com,Vs+,Vp+は、それぞれVsVpモニタ回路26に入力される。
このVsVpモニタ回路26では、差動アンプ26m,26nを用いて、(Vs+)−(Com)、(Vp+)−(Com)が演算され、さらに、A/D変換器26a,26bによるデジタル値に変換されて、第1端子間電圧Vsに対応するデジタル化第1端子間電圧Vsd1、および第2端子間電圧Vpに対応するデジタル化第2端子間電圧Vpd1とされる。
なお、このMC21は、詳述しないが、CPUのほか、ROM、RAM等、公知の構成を有し、電源が投入(車両がキーオン)されると作動しはじめ、ROM等に予め格納したプログラムをCPUにロードして、後述するフローチャート(図4〜図6)に示すように動作する。
この基準電圧用アナログ電圧Vsa2は、抵抗体R9,R10,R11で構成された加算回路ACにより、そのノードN1でVs加算前基準電圧発生器の出力する加算前基準電圧Vstと加算されて基準電圧Vsxとなり、PID回路22に入力される。
しかも、モニタした第1端子間電圧Vsを、一旦デジタル信号化し、その後MC21においてデジタル信号のまま、演算処理する。その後に、デジタル指令値Vsd2をアナログ化して得たアナログ指令電圧Vsa1に基づいて第1端子間電圧Vsを制御するので、すべてアナログ回路を用いて同様のアナログ指令電圧Vsa1を得た場合に比べて、温度変化等による回路素子の特性変化の影響を低減可能である。従って、より正確にNOX濃度測定を行うことができる。
しかも、第2所定電圧化回路25bで、アナログ設定電圧Vpa1に基づいて、第2端子間電圧Vpを第2所定電圧V2に設定するので、この第2所定電圧化回路25bのほか、VsVpモニタ回路26、MC21、および第2D/A変換器25aにより、フィードバック制御を行うことができる。また、この際、モニタした第2端子間電圧Vpを、一旦デジタル信号化し、MC21によってデジタル信号のまま、演算処理をする。その後にデジタル設定値Vpd2をアナログ化する。つまり、デジタル信号を介在させるので、温度変化等による回路素子の特性変化の影響を低減できる。従って、より正確にNOX濃度測定を行うことが可能である。
なお、ECU40は、後述するように、MC21に向けてデジタル指令値Vsd2およびデジタル設定値Vpd2の変更を許可する許可信号sig3を出力する。
車両をキーオン(起動)すると、それに伴いNOX検出装置1(MC21)が起動し、ステップS1において初期設定を行う。
ステップS2では、第1ポンピングセル11、酸素濃度検知セル12、および第2ポンピングセル13が活性化状態にあるか否かを判定する。つまり、NOxセンサ素子10が、ヒータにより活性化温度(600℃)以上であるか否かを判定する。ここで、NO、すなわち第1ポンピングセル11、酸素濃度検知セル12、および第2ポンピングセル13が、活性化状態にない場合、ステップS2を繰り返して活性化を待つ。一方、YES、すなわち第1ポンピングセル11、酸素濃度検知セル12、および第2ポンピングセル13が活性化状態にある場合には、ステップS3に進む。なお、本実施の形態では、第1ポンピングセル11、酸素濃度検知セル12、および第2ポンピングセル13が活性化状態にあるか否かは、酸素濃度検知セル12のインピーダンスを検出し、このインピーダンスに基づいて、全てのセルが活性化状態にあるか否かを判定するようにしている。この酸素濃度検知セル12のインピーダンスは、酸素濃度検知セル12の温度と相関関係があるため、インピーダンスを用いることで酸素濃度検知セル12の温度、ひいてはNOxセンサ素子10の温度を検出することができる。なお、酸素濃度検知セル12のインピーダンスを検出するにあたっては、NOxセンサ制御回路20に設けたインピーダンス検出回路(図示せず)およびMC21を用いて行うことができるが、これについては先に述べた特開平11−304758号公報にて公知のため、詳述については省略する。
一方、YES、すなわち許可信号sig3が入力されている場合には、ステップS5に進む。
また、NOXセンサ素子10が活性化状態にあるときに、アナログ指令電圧Vsa1、アナログ設定電圧Vpa1の更新、設定を行う。このように、このNOXセンサ素子10の状態が安定しているときに、基準電圧Vsxの更新や、アナログ設定電圧Vpa1の設定を行うので、適切に酸素濃度検知セル12の第1端子間電圧Vsを第1所定電圧V1に、また第2端子間電圧Vpを第2所定電圧V2に制御することができる。
さらに、ECU40からの許可信号sig3を検知して、許可された期間内にアナログ指令電圧Vsa1の更新およびアナログ設定電圧Vpa1の設定を行う。これによって濃度信号sig1に変動が生じたとしても、ECU40がこれを考慮して濃度信号sig1を適切に扱うことができ、この更新、設定による影響を抑制でき、正確にNOX濃度の測定ができる。
次に、本発明の変形形態1について、図1、図2、図7を参照しつつ説明する。
本変形形態1のNOX検出装置1は、実施形態でMC21がECU40から許可信号sig3を入力する代わりに、ECU40に向けて無効化信号sig2を出力する点で異なり、それ以外は同様である。
そこで、異なる点を中心として説明すると共に、同様の部分の説明は省略または簡略化するが、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
また、NOXセンサ素子10が活性化状態にあるときに、アナログ指令電圧Vsa1、アナログ設定電圧Vpa1の更新、設定を行う。このように、このNOXセンサ素子10の状態が安定しているときに、基準電圧Vsxの更新や、アナログ設定電圧Vpa1の設定を行うので、適切に酸素濃度検知セル12の第1端子間電圧Vsを第1所定電圧V1に、また第2端子間電圧Vpを第2所定電圧V2に制御することができる。
さらに、本変形形態1では、無効化信号sig2を出力している間に、アナログ指令電圧Vsa1およびアナログ設定電圧Vpa1の更新、設定を行う(ステップS37,S40参照)。従って、MC21は、濃度信号sig1を利用するECU40において、無効化信号sig2によりアナログ指令電圧Vsa1およびアナログ設定電圧Vpa1の更新中および設定中であることを検知することで、例えば、この間に出力される濃度信号sig1を無視するなど、ECU40が適切な処置をとることが可能となる。
なお、本変形形態1において、ステップS37は第2信号出力手段に対応する。
次に、実施形態の変形形態2について、図8を参照しつつ説明する。
本変形形態2のNOX検出装置101は、前述した実施形態のNOX検出装置1とは、加算前基準電圧回路OCおよび加算回路ACが無い点で異なり、それ以外は同様である。言い換えると、本変形形態のVs指令回路から出力される基準電圧用アナログ電圧Vsa2がそのまま制御回路CC2の基準電圧となる点で、実施形態と異なる。
そこで、異なる点を中心として説明すると共に、同様の部分の説明は省略または簡略化するが、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
このNOXセンサ制御回路120のうち、Vs指令回路24(第1所定電圧化回路24b)から出力される基準電圧用アナログ電圧Vsa2は、直接PID回路22に入力され、このPID回路22の基準電圧として用いられる。MC21は、この基準電圧用アナログ電圧Vsa2をPID回路22の基準電圧とすることで、酸素濃度検知セル12の第1端子間電圧Vsが第1所定電圧V1になるように、デジタル指令値Vsd2を算出し、Vs指令回路24に向けて出力する。
なお、このNOX検出装置101の動作手順については、実施形態(図4〜図6参照)と同様としても良いし、変形形態1(図7参照)と同様としても良い。
また、本変形形態2において、制御回路CC2は制御手段に対応する。
例えば、上述の実施形態および変形形態1,2では、NOXセンサ素子を用いてNOXの濃度を検知するNOX検出装置について例示した。しかし、制御対象となるガスセンサ素子は、NOXセンサ素子に限定されない。例えば、酸素センサセルとポンピングセルを備えるUEGOセンサ(全領域酸素センサ)について適用し、この酸素センサセルを制御対象セルとしても良い。すなわち、酸素センサセルの端子間電圧を所定電圧に保つのに本発明を適用しても良い。また、上述の実施形態および変形形態1,2のNOx検出装置において、基準電圧Vsxの更新およびアナログ設定電圧Vpa1の設定を行うに際して、第1端子間電圧Vsおよび第2端子間電圧Vpが所定の許容範囲を外れるたびに、即座にこれら端子間電圧Vs,Vpが所定電圧V1,V2となるようなリアルタイムな制御(調整)が行えるようにしても良い。
さらに、上述の実施形態および変形形態1,2のNOx検出装置では、第1端子間電圧Vsおよび第2端子間電圧Vpが所定の許容範囲を外れたか否かで、これら端子間電圧Vs,Vpが所定電圧V1,V2となるように制御を行うようにしたが、上記許容範囲の上限値よりも大きく、かつ、下限値よりも小さい上限値および下限値を有する異常検出範囲を設定し、第1端子間電圧Vsないし第2端子間電圧Vpが所定の許容範囲を外れ、かつ、異常検出範囲をも外れたときは、NOxセンサ制御回路20,120に異常が生じたと判定するような処理を加えても良い。
10 NOXセンサ素子(ガスセンサ素子)
11 第1ポンピングセル
11a 第2固体電解質層
12 酸素濃度検知セル(センサセル)
12a 第1固体電解質層
13 第2ポンピングセル
13a 第3固体電解質層
16 第1測定室
17 基準酸素室(基準雰囲気)
18 第2測定室
19a 第1センサ端子(第1端子)
19b 第2センサ端子(第1端子、第2端子)
19c 第3センサ端子(第2端子)
24a 第1D/A変換器(アナログ化手段)
24b 第1所定電圧化回路(所定電圧化手段)
25a 第2D/A変換器(アナログ化手段)
25b 第2所定電圧化回路(所定電圧化手段)
26 VsVpモニタ回路(取得手段)
40 ECU(出力信号利用装置)
CC1,CC2 制御回路(制御手段)
GM 測定対象ガス
GN 酸素濃度調整済ガス
Ip2 第2ポンプ電流
sig1 濃度信号(第1信号)
sig2 無効化信号(第2信号)
sig3 許可信号
V1 第1所定電圧(所定電圧)
V2 第2所定電圧(所定電圧)
Vs 第1端子間電圧(端子間電圧)
Vp 第2端子間電圧(端子間電圧)
Vsa1 アナログ指令電圧
Vsa2 基準電圧用アナログ電圧(基準電圧)
Vpa1 アナログ設定電圧(アナログ指令電圧)
Vsx 基準電圧
Vsd1 デジタル化第1端子間電圧(デジタル信号化端子間電圧)
Vpd1 デジタル化第2端子間電圧(デジタル信号化端子間電圧)
Vsd2 デジタル指令値
Vpd2 デジタル設定値(デジタル指令値)
Claims (8)
- 第1端子と第2端子とを含み、固体電解質体からなる制御対象セルを有するガスセンサ素子であって、上記制御対象セルが活性化した状態において、上記第1端子と上記第2端子との間の端子間電圧が所定電圧となるように制御することにより、測定対象ガス中の所定のガスの濃度検出を行うガスセンサ素子に用いる
ガスセンサ制御装置であって、
上記端子間電圧をデジタル信号化して、デジタル信号化端子間電圧を取得する取得手段と、
上記デジタル信号化端子間電圧を用いてデジタル指令値を算出する指令値算出手段と、
上記デジタル指令値に基づいてアナログ指令電圧を生成するアナログ化手段と、
上記アナログ指令電圧に基づいて、上記端子間電圧を上記所定電圧とする所定電圧化手段と、を備える
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1に記載のガスセンサ制御装置であって、
基準電圧に基づいて、前記端子間電圧を前記所定電圧に制御する制御手段を備え、
前記所定電圧化手段は、
前記アナログ指令電圧に基づいて、上記制御手段の上記基準電圧を更新する基準電圧更新手段である
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記所定電圧化手段は、
前記アナログ指令電圧に基づいて、前記端子間電圧を前記所定電圧に設定する電圧設定手段である
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記アナログ指令電圧の変更を、前記制御対象セルが活性化しているときに行う
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記アナログ指令電圧の変更を、所定期間毎に行う
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記ガスの濃度に関する第1信号を出力する第1信号出力手段と、
上記第1信号を利用する出力信号利用装置から入力される、前記アナログ指令電圧の変更を許可する許可信号の有無を検知する許可信号検知手段と、を備え、
前記アナログ指令電圧の変更を、上記許可信号により許可された期間内に行う
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記ガスの濃度に関する第1信号を、上記第1信号を利用する出力信号利用装置に対して出力する第1信号出力手段と、
前記アナログ指令電圧の変更中であることを示す第2信号を、上記出力信号利用装置に出力する第2信号出力手段と、を備える
ガスセンサ制御装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置であって、
前記ガスセンサ素子は、
第1固体電解質体の一方の面が第1測定室に晒され、上記第1固体電解質体の他方の面が基準雰囲気に晒されてなるセンサセルと、
第2固体電解質体の一部が上記第1測定室に面し、上記センサセルの端子間電圧が第1所定電圧となるように、上記第1測定室に導入される測定対象ガスの酸素を出し入れする第1ポンピングセルと、
第3固体電解質体の一部が上記第1測定室に連通する第2測定室に面し、自身の端子間電圧に第2所定電圧が印加されることで、上記第2測定室に導入される上記第1ポンピングセルにより処理された後の酸素濃度調整済ガスに含まれるNOxの濃度に応じた電流が流れる第2ポンピングセルと、を有し、
上記センサセルおよび第2ポンピングセルの少なくともいずれかを前記制御対象セルとしてなるNOXセンサ素子である
ガスセンサ制御装置。
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