JP4870539B2 - 二重給電同期機の制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、固定子側が電力系統に、回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機の制御システムに関するものである。
一般に、二重給電同期機は、JEC2130に規定された『固定子および回転子の両巻線に交流電源を接続し、同期速度の上下のある範囲の速度で動作する交流機』のことであり、通称では可変速発電電動機などと呼ばれている。
このような二重給電同期機において、従来の二重給電同期機の制御システムは、その回転子巻線の交流励磁電圧のq軸成分とd軸成分を制御することにより、系統に供給する有効電力と無効電力を独立して高速に制御するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特公平6−34630号公報
上記のように、従来の二重給電同期機の制御システムは、その回転子巻線の交流励磁電圧のq軸成分とd軸成分を制御することにより、系統に供給する有効電力と無効電力を独立して高速に制御できることから、出力電圧の代わりにd軸成分を目標無効電力になるように直接制御する方式が適用されている。
しかしながら、この制御方式では、事故点に向かって電流が流れ込むような電力系統事故が発生した場合、事故点によっては無効電力は設定値より増加するため、無効電力制御機能が働いてd軸制御装置への指令値が低下して弱め励磁状態となる。系統事故は、通常、短時間で除去されるが、二重給電同期機は弱め励磁状態となっているため、その出力電圧は低いので、系統事故除去後の電力系統の電圧復帰が不十分となり、電力系統が不安定となって最悪の場合には系統崩壊に至る可能性がある。
また、電力系統の遠方の遮断器が事故などにより開放された場合には、電力系統の開放点までの対地静電容量に見合った進相無効電力が二重給電同期機から供給されて端子電圧が上昇する。この場合は、d軸制御量を下げて弱め励磁にして二重給電同期機から送出される進相無効電力を下げることにより固定子端子電圧を下げる必要がある。
しかし、この制御方式ではd軸を無効電力制御しており、一般的には無効電力制御目標値は、遅相無効電力を供給する値に設定されているので、進相無効電力の増加は、すなわち遅相無効電力の減少であるから、目標値に対して実無効電力が減少するので、その偏差、すなわちd軸制御量が増加して端子電圧を上昇させ、その結果、さらに進相無効電力を増加させるという悪循環を繰り返し、いわゆる制御の暴走により異常な端子電圧上昇を招き、最悪の場合には機器の絶縁を損傷させる可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、電力系統の事故除去後の電力系統の電圧不安定や、遠方負荷遮断時の二重給電同期機の異常電圧上昇を有効に防止することができる二重給電同期機の制御システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器に接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、次の構成を採用している。
すなわち、本発明では 上記二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、この無効電力検出手段で検出された無効電力と無効電力目標値との偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、上記二重給電同期機の固定子電圧を検出する固定子電圧検出手段と、予め設定された電圧基準値に上記無効電力偏差検出手段で検出された無効電力の偏差を一定の変化率で加算してこれを電圧目標値とし、上記固定子電圧検出手段で検出された固定子電圧を上記電圧目標値に制御する固定子電圧制御手段と、上記電力系統の事故の発生を検出する事故検出手段と、この事故検出手段による事故検出に応じて上記加算を中止する手段とを備え、加算中止時点での電圧目標値に二重給電同期機の実電圧を制御することにより、上記電力系統の異常な電圧変動を抑制するようにしている。
本発明によれば、電力系統の事故除去後の電力系統の電圧不安定や、遠方負荷遮断時の二重給電同期機の異常電圧上昇を有効に防止することができ、系統崩壊や、制御の暴走により異常な端子電圧上昇を生じて機器の絶縁を損傷させるといった不具合発生を確実に回避することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における二重給電同期機の制御システムを示す構成図、図2は同システムの系統事故検出器の構成図、図3は遠方負荷遮断検出器の構成図である。
図1において、符号1はポンプ水車、2は二重給電同期機、3は主遮断器、4は昇圧変圧器、5は送電線遮断器、6は電力系統、7は可変周波数の電力変換器であり、二重給電同期機2の固定子側が電力系統6に、回転子側が電力変換器7にそれぞれ接続されている。
また、符号8は電力変換器7に電源を供給する励磁変圧器、9は電力変換器7を制御するための変換器制御装置、10は二重給電同期機2の位相および回転数を検出する検出器、11は変換器制御装置9に対してd軸成分の制御指令値を与えるためのd軸制御装置、12は二重給電同期機1の固定子の無効電力を検出する無効電力検出器、13は無効電力の制御目標値を設定する無効電力制御目標設定器、14は無効電力制御目標設定器13と無効電力検出器12で検出される各無効電力の偏差を検出する無効電力偏差検出器、15は二重給電同期機の固定子の出力電流を検出するために設けられた変流器(CT)、16は二重給電同期機の固定子の出力電圧を検出するために設けられた計器用変圧器(PT)である。
符号21は変換器制御装置9に対してq軸成分の制御指令値を与えるためのq軸制御装置、22は二重給電同期機1の固定子の有効電力を検出する有効電力検出器、23は有効電力の制御目標値を設定する有効電力制御目標設定器、24は有効電力制御目標設定器23と有効電力検出器22との偏差を検出する有効電力偏差検出器である。
符号32は二重給電同期機1の固定子電圧を検出するための固定子電圧検出器、33は固定子電圧の制御目標を設定する固定子電圧制御目標設定器、34は固定子電圧制御目標設定器33と固定子電圧検出器32との電圧偏差検出する固定子電圧偏差検出器、符号42は二重給電同期機1の固定子電流を検出する固定子電流検出器、43は系統事故検出器、52は遠方負荷遮断検出器である。
ここに、上記の系統事故検出器43は、固定子電圧検出器32で検出される固定子電圧Vg、有効電力検出器22の検出される有効電力Pg、および固定子電流検出器42で検出される固定子電流Igに基づいて電力系統6での事故の発生を検出するものである。
また、遠方負荷遮断検出器52は、主遮断器3の開閉状態、送電線遮断器5の開閉状態、ポンプ水車1のガイドベーン開度、ポンプ水車1の流量Q、有効電力検出器22で検出される有効電力Pg、固定子電流検出器42で検出される固定子電流Ig、二重給電同期機2の回転数Nに基づいて遠方負荷遮断を検出するものである。
符号62はスイッチであり、系統事故検出器43が電力系統事故を検出した場合、および遠方負荷遮断検出器52が遠方負荷遮断を検出した場合に、これに応じてd軸制御装置11へ接続する信号を無効電力偏差検出器14の信号出力から固定子電圧偏差検出器34の信号出力に切り替えるものである。
次に、上記構成を備えた二重給電同期機の制御システムにおける動作について説明する。
電力系統事故や遠方負荷遮断が発生していない通常時において、二重給電同期機2に発生させる無効電力は、無効電力設定器13において設定された無効電力目標値になるように電力変換器7を制御することによって得られている。
具体的には、無効電力制御目標設定器13の設定値と無効電力検出器12で検出された実無効電力との偏差を無効電力偏差検出器14で検出し、スイッチ62を介してd軸制御装置11に与える。d軸制御装置11は、変換器制御装置9に対してd軸成分制御指令を与えて電力変換器7のd軸成分出力を調整し、二重給電同期機2に発生させる無効電力を決定している。なお、二重給電同期機2に発生させる有効電力は、q軸成分の制御により決定されるが、ここでは直接関係しないので詳しい説明を省略する。
無効電力設定器13において設定される無効電力目標値は、電力系統全体の電圧を所定値に保つために、図外の給電指令所等から各発電所に送られてくるものであり、二重給電同期機2の端子電圧換算にすると、定格電圧より高い場合もあるし、低い場合もあるが、一般的には定格電圧相当、あるいはそれ以上の値に設定されることが多い。
ここで、通常の運転中に事故点に向かって電流が流れ込むような電力系統事故が発生した場合、事故点によっては無効電力は設定値よりも増加するため、無効電力制御機能が働いてd軸制御装置11への指令値が低下し、電圧換算では定格電圧を下回る励磁状態となる。系統事故は通常短時間で除去されるが、二重給電同期機2の出力電圧は低くなっているために系統事故除去後の電力系統の電圧回復が不十分となって電力系統が不安定となり、最悪の場合には系統崩壊に至る可能性がある。
また、電力系統6の遠方の遮断器が事故などにより開放された場合には、電力系統6の開放点までの対地静電容量に見合った進相無効電力が二重給電同期機2から供給され固定子側の電圧が上昇する。この場合は、d軸制御量を下げて弱め励磁にし、二重給電同期機2の固定子電圧を下げる必要がある。しかし、d軸を無効電力制御しており、一般的には無効電力制御目標値は遅相無効電力を供給する値に設定されているので、進相無効電力の増加により逆にd軸制御量は増加して固定子電圧を上昇させ、その結果、更に進相無効電力を増加させるという悪循環を繰り返し、いわゆる制御の暴走により異常な固定子電圧上昇を招き、最悪の場合には機器の絶縁を損傷させる可能性がある。
そこで、この実施の形態1では、この不都合を回避するために、電力系統事故、あるいは遠方負荷遮断が検出されると、直ちに無効電力制御を停止して電圧制御に切り替える制御を行うことにより、正常な系統電圧を確保せんとするものである。
系統事故検出器43は、例えば図2に示すようなロジックにより電力系統事故を検出する。
すなわち、一例として、電力系統6で3相地絡事故が発生した場合、地絡地点での電圧が零付近となり、二重給電同期機1の固定子電圧は二重給電同期機1から地絡地点までの距離(インピーダンス)に応じて低下する。また、二重給電同期機1は地絡地点に無効分が支配的な電流を供給する状態であり、有効電力は低下し、固定子電流は増加する。
そこで、系統事故検出器43は、上記の特性を利用して、二重給電同期機1の固定子電圧Vgが基準値Vαより低下し、また、前回の有効電力と今回の有効電力との差ΔPgが基準値Pdlt以上低下方向に突変し、さらに、固定子電流Igが基準値Iα以上となったときに、電力系統6に事故が発生したと判断する。
なお、ここでは3つの信号Vg,Pg,Igが全ての条件を満たしたときに電力系統事故が発生したと判断しているが、二重給電同期機1の固定子電圧Vgのみ、あるいは3つの信号Vg,Pg,Ig内の2つの信号が条件を満たしたときに電力系統事故が発生したと判断にすることも可能である。
また、遠方負荷遮断検出器52は、例えば図3に示すようなロジックにより遠方負荷遮断を検出する。
すなわち、二重給電同期機2が電力を送電中は、主遮断器3、送電線遮断器5は共に閉であり、ポンプ水車1のガイドベーン開度は無負荷開度G0以上開き、ポンプ水車1の流量Qは無負荷流量Q0以上流れている。また、有効電力Pgは基準値Pβ以上出力され、固定子電流Igは基準値Iβ以上流れ、二重給電同期機2の回転数Nは可変速幅の範囲内で運転している。この状態で遠方負荷遮断が発生すると、有効電力Pg、固定子電流Igは共に基準値Pβ,Iβ以下となり、また二重給電同期機2の回転数Nは可変速幅の上限を超える状況になる。
そこで、遠方負荷遮断検出器52は、上記の特性を利用して、送電中すなわち主遮断器3と送電線遮断器5が共に閉の状態で電力を発生していて、ポンプ水車1のガイドベーン開度が無負荷開度G0以上、ポンプ水車1の流量Qが無負荷流量Q0以上の状態において、有効電力Pgが基準値Pβ以下、または固定子電流Igが基準値Iβ以下、あるいは二重給電同期機2の回転数Nが可変速幅の上限を超えた場合には、遠方負荷遮断が発生したと判断する。
なお、ここでは7つの信号を組み合わせた例を示したが、ポンプ水車1のガイドベーンの開度Gと水量Qについては、いずれの一方だけ利用した組み合わせでも実現できる。また、有効電力Pg、固定子電流Ig、回転数Nについては、いずれか一つ、または任意の2つの信号を組み合わせても実現することができる。
このように、二重給電同期機2が無効電力制御の下で運転中に、系統事故検出器43で電力系統事故が検出された場合や、遠方負荷遮断検出器52で遠方負荷遮断が検出された場合には、スイッチ62が作動して無効電力制御から電圧制御に切り替えられる。そして、電圧制御に切り替わると、固定子電圧偏差検出器34は、固定子電圧検出器32で検出された固定子電圧と固定子電圧目標設定器33で設定された目標電圧との偏差を検出し、その偏差出力でd軸制御装置11にd軸制御指令を与えて二重給電同期機1の固定子電圧が電圧目標設定器33で設定された目標電圧になるように電力変換器7を制御する。
通常、固定子電圧制御目標設定器33で設定される目標電圧は、固定子電圧の許容変動範囲内、すなわち定格電圧の±5%以内に設定されているので、電力系統事故が検出された場合や遠方負荷遮断が検出された場合には、スイッチ62が作動して無効電力制御から電圧制御に切り替えることにより、固定子電圧や系統電圧は暴走することなく正常な範囲内に確保することができる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2における二重給電同期機の制御システムの構成図、図5は同システムの要部を示す構成図である。
上記の実施の形態1では、電力系統事故や遠方負荷遮断を検出した場合には、無効電力制御から電圧制御に切り替えることにより、事故修復後の系統電圧や二重給電同期機の固定子電圧を正常に維持する場合について説明したが、この実施の形態2では、通常時には、無効電力と無効電力目標値との偏差を利用して電圧目標値を補正することにより常時電圧制御を行い、電力系統事故や遠方負荷遮断を検出した場合には、その補正を中止するようにしたものである。
そのため、この実施の形態2では、固定子電圧制御目標設定器33は、無効電力偏差検出器14で検出された無効電力の偏差に基づいて固定子電圧の制御目標値が補正されるようになっており、また、スイッチ62は、系統事故検出器43が電力系統事故を検出した場合、および遠方負荷遮断検出器52が遠方負荷遮断を検出した場合に、これに応じて固定子電圧制御目標設定器33と無効電力偏差検出器14との接続を遮断して、無効電力偏差検出器14により検出された偏差による電圧制御目標設定器33の目標値の補正を中止し、その中止時点での電圧目標値が保持されるように構成されている。
ここでは、まず、電力系統事故や遠方負荷遮断を検出しない通常時において、固定子電圧制御目標設定器33で無効電力偏差検出器14で検出された無効電力の偏差に基づいて固定子電圧の制御目標値を補正して最終的な固定子電圧制御目標値を設定する仕方について具体的に説明する。
給電指令所等から指示される無効電力目標値をQc、無効電力検出器12で検出された無効電力をQa、両者Qc,Qaの偏差をΔQ、電圧目標値の基準値をVac、固定子電圧検出器32で検出された固定子電圧をVg、ラプラス変換の演算子をS、積分時定数をT、固定子電圧制御目標設定器33から出力される最終的な電圧目標値をVsとすると、次式により最終的な電圧目標値Vsを算出する。
Vs=Vac+(Qc−Qa)/(T・S)=Vac+ΔQ/(T・S) (1)
そして、固定子電圧偏差検出器34は、この電圧目標値Vsと固定子電圧検出器32で検出された固定子電圧Vgとの偏差(=Vs−Vg)をd軸制御指令Vdsとしてd軸制御装置11へ出力する。つまり、
Vds=Vs−Va (2)
となる。そして、このd軸制御指令Vdsにより、電力変換器7を経由して二重給電同期機2のd軸成分すなわち無効電力が調整される。
上記の式(1),(2)をブロック図にすると、図5に示すようになる。すなわち、固定子電圧制御目標設定器33は、式(1)の第2項を算出する積分器33aと、式(1)の第1項の値を設定する電圧基準値設定器33bと、第1項と第2項とを加算する加算器33cとで構成されている。
なお、図5において、電力系統事故や遠方負荷遮断が検出された場合には、スイッチ62が積分ホールド回路63側に接続されて0Vが固定子電圧制御目標設定器33に与えられるように構成されており、したがって、積分器33aの出力は電力系統事故や遠方負荷遮断が検出される直前の積分値に保持される。
次に、この実施の形態2の二重給電同期機の制御システムにおいて、無効電力制御目標設定器13で設定される無効電力目標値Qcを給電指令所が変更した場合や、遠方負荷遮断が発生した場合において、これに伴う各部の信号の時間的な変化の一例を、図6に示すタイムチャートを参照して説明する。
まず、時刻T0において、給電指令所の要求する無効電力目標値QcがQ0の場合、固定子電圧目標値Vsが電圧基準値Vacの下で実際の無効電力QaがQ0となり、無効電力目標値とバランスする。したがって、無効電力偏差検出器14で検出される無効電力の偏差ΔQおよびその積分値ΔQ/(T・S)は共に零で安定しているものとする。
次に、時刻T1において、給電指令所が系統電圧を上げたいと判断して無効電力の目標値Qcを上げた場合、無効電力に正の偏差ΔQが生じる。積分器33aは、その積分時定数Tに従って偏差ΔQを積分し、次いで、加算器33cが当初の電圧制御目標値となる電圧基準値Vacにその積分結果を加算するので、電圧目標値Vsは電圧基準値Vacから上昇し、d軸制御指令Vdsが強め励磁側に増加する。その結果、二重給電同期機2の固定子電圧Vgが上昇し、無効電力Qaも増加する。この無効電力Qaの増加に伴い、無効電力の偏差ΔQが減少する。
時刻T2において、実際の無効電力Qaが新たな目標値Qcに到達すると、積分器33aにはこれまでの偏差の積分量が維持されたままになっているので、無効電力Qaは新たな目標値Qcにて安定する。ここに、積分時定数Tが大きいと時刻T2に到達するまでの時間は遅くなり、その逆に積分時定数Tが小さいと早くなる。積分時定数Tを小さくすれば早く目標値に到達するが、あまり小さくすると制御ループが不安定になり無効電力Qaが安定しなくなる恐れがあるので、積分定数Tは適正値に設定する必要がある。二重給電同期機2の固定子電圧Vgは、最新の電圧目標値Vsに対応した値、すなわち無効電力目標値Qcを変更する前の電圧基準値Vacより僅かに高い値に安定する。
時刻T3において、給電指令所が系統電圧を下げたいと判断し、無効電力の目標値Qcを少し下げた場合、無効電力の負の偏差ΔQが生じる。積分器33aは、その積分時定数Tに従って負の偏差を積分するので、それまでの積分値が減少し、電圧目標値Vsも下降するため、d軸制御指令Vdsが減少する。その結果、二重給電同期機2の固定子電圧Vgは下降し、無効電力Qaも減少する。この無効電力Qaの減少に伴い、無効電力の偏差ΔQも減少する。
時刻T4において、実際の無効電力Qaが新たな目標値Qcに到達すると、積分器33aにはこれまでの偏差の積分量が溜まったままになっているので、無効電力Qaは新たな目標値Qcにて安定する。これに伴い、二重給電同期機1の固定子電圧Vgは、最新の電圧目標値Vsに対応した値に安定する。
いま、時刻T5において遠方負荷遮断が発生した場合、二重給電同期機1から電力系統6に向けてその対地静電容量に見合った進相電流が流れ込むため、無効電力Qaは無効電力制御目標設定器13の無効電力目標値Qcに関わりなく急激に減少して進相側に増加する。その結果、無効電力偏差ΔQが増加し、その積分値ΔQ/(T・S)も増加するので、これに伴い電圧目標値Vsも上昇して固定子電圧Vgも増加する。この状態を放置しておくと、固定子電圧Vgの増加によって進相無効電力が更に増加するという悪循環を繰り返し、いわゆる制御の暴走状態になり、端子電圧は異常に増加してしまう。
しかし、この実施の形態2では、遠方負荷遮断が発生すると、これが遠方負荷遮断検出器52によって短時間後の時刻T6に検出される。遠方負荷遮断検出器52は、これに応じてスイッチ62を作動させて無効電力偏差ΔQの積分を中止するので、積分ホールド回路63で保持されている0Vの値が積分器33aに送出される。これにより、積分器33aの出力は、遠方負荷遮断が検出される直前の現状の積分値に保持される。その結果、前記悪循環は断ち切られ、遠方負荷遮断直前の電圧よりも僅かに高い電圧で安定することができる。また、進相無効電力は安定後の端子電圧に見合った値に安定する。この安定後の電圧の大きさ、およびそれに見合った進相無効電力の量は、遠方負荷遮断を検出する時間に対して充分大きな積分時定数Tを選定すれば更に小さくすることができる。
なお、ここでは、時刻T5において遠方負荷遮断が発生した場合の動作について説明したが、電力系統事故が発生した場合には、図6の時刻T5以降の各波形が上下反転した形となるだけで、基本的な動作は変わらない。
このように、この実施の形態2では、通常時、無効電力目標値との偏差を利用して電圧目標値を補正する電圧制御を行い、電力系統事故や遠方負荷遮断を検出した場合にはその補正を中止するようにしているので、実施の形態1と同様に、電力系統の事故除去後の電力系統の電圧不安定や、遠方負荷遮断時の二重給電同期機の異常電圧上昇を有効に防止することができる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態3では、実施の形態2(図5)に示した構成の一部を少し改善したものである。すなわち、実施の形態2(図5)に示す構成では、電圧基準値設定器33bで設定される電圧基準値Vacは、二重給電同期機2の固定子定格電圧の±5%の範囲内になるように制限されているが、その電圧基準値Vacと積分器33aで得られる積分値によっては、両者を加算器33cで加算して得られる電圧目標値Vsが固定子定格電圧の±5%を超える恐れがあり、この場合には二重給電同期機2の運用上好ましくない。
そこで、この実施の形態3では、図7に示すように、固定子電圧制御目標設定器33に、電圧目標値Vsが固定子定格電圧の±5%を超えないように制限する上下限リミッタ33dを付加している。
すなわち、加算器33cで加算して得られる電圧目標値を仮電圧目標値Vs’とし、この仮電圧目標値Vs’の出力を上下限リミッタ33dによって、例えば上限を+5%、下限を−5%に設定すれば、固定子電圧制御目標設定器33からは常にVs’±5%の範囲内に制限された電圧目標値Vsが出力されるので、固定子電圧Vgはこの電圧目標値Vsになるように制御され、実施の形態2よりも優れた制御が可能となる。
なお、図7では固定子電圧制御目標設定器33に上下限リミッタ33dを付加した構成を示したが、これに代えて、図8に示す構成を採用することもできる。すなわち、図8において、固定子電圧制御目標設定器33自体の構成は、図5に示した実施の形態2の場合と同じであるが、ここでは固定子電圧制御目標設定器33と固定子電圧偏差検出器34との間に、固定子電圧Vgが定格電圧の±5%を超えないように制限する制限器39を付加したものである。
この場合、制限器39は、固定子電圧Vgが上限値Vmaxと下限値Vminとの間にあるときには、固定子電圧制御目標設定器33から与えられる電圧目標値Vsをそのまま出力Voutするが、固定子電圧Vgが上限値Vmaxを超えた場合は、その上限値Vmaxを電圧目標値として出力Voutし、また、固定子電圧Vgが下限値Vminを超えた場合は、その下限値Vminを電圧目標値として出力Voutする。
目標値がVmaxを超える場合、図7に示したように上下限リミッタ33dを付加した構成では、時間経過に伴って固定子電圧制御目標設定器33から出力される電圧目標値VsがVmaxに漸近する曲線となるのに対して、図8に示した構成では、固定子電圧Vgが上限値Vmaxに到達するまでの期間は、制限器39の出力Voutが急峻に立ち上がるので応答性がよく、上下限リミッタ33dを付加した場合よりも制御性能が向上する。
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態4では、実施の形態2(図5)に示した構成の一部を少し改善したものである。すなわち、実施の形態2(図5)では、積分器33aの積分時定数Tは一定値としており、これが小さいと制御速度は速いが、小さすぎると制御ゲインが高くなって無効電力の制御が不安定になるので、制御速度をある程度犠牲にしなければならない。
そこで、この実施の形態4では、図9に示すように、固定子電圧制御目標設定器33に積分時定数設定器33fを付加し、無効電力偏差検出器14で得られる無効電力の偏差ΔQの大きさに応じて積分時定数Tを可変できるようにしている。すなわち、積分時定数設定器33fは、偏差ΔQが大きい場合には積分時定数Tを小さく、偏差ΔQが小さい場合には積分時定数Tを大きく設定する。なお、図9では偏差ΔQと積分時定数Tの関係は曲線で示しているが、折れ線でも可能である。
このようにすれば、無効電力の偏差ΔQが大きい時には積分時定数Tを小さくして制御速度を上げ、偏差ΔQが小さくなれば積分時定数Tを大きくして安定に無効電力を目標値に到達させることができるので、制御速度を犠牲にせずに安定に無効電力を制御することができ、実施の形態2の場合よりも良好な制御が可能となる。
実施の形態5.
図10は本発明の実施の形態5における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態5では、実施の形態4(図9)に示した構成の一部を少し改善したものであって、実施の形態4(図9)に示した構成と実施の形態3(図7)に示した構成とを組み合わせたものである。すなわち、この実施の形態5では、図10に示すように、実施の形態4(図9)に示した構成に対して、さらに、固定子電圧制御目標設定器33において、電圧目標値Vsが固定子定格電圧の±5%を超えないように制限する上下限リミッタ33dを付加している。
このように、上下限リミッタ33dを設けて、例えば上限を+5%、下限を−5%に設定すれば、この範囲内の電圧目標値Vsが出力されるので、固定子電圧Vgはこの電圧目標値Vsになるように制御され、実施の形態4よりも優れた制御が可能となる。
また、この実施の形態5のように、固定子電圧制御目標設定器33に上下限リミッタ33dを付加する代わりに、図11に示すように、実施の形態4(図9)に示した構成と実施の形態3の変形例として示した図8の構成とを組み合わせた構成を採用することもできる。すなわち、図11では、実施の形態4(図9)に示した構成に対して、さらに、固定子電圧制御目標設定器33と固定子電圧偏差検出器34との間に、固定子電圧Vgが定格電圧の±5%を超えないように制限する制限器39を付加している。
図11に示した構成の場合には、図10に示した構成に比べて、前述(図8)のごとく、目標値がVmaxを超えるケースでは、固定子電圧Vgが上限値Vmaxに到達するまでの期間は、制限器39の出力Voutが急峻に立ち上がるので応答性がよく、上下限リミッタ33dを付加した場合よりも制御性能が向上する。
実施の形態6.
図12は本発明の実施の形態6における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態6では、前述の実施の形態2(図5)における二重給電同期機の制御システムの構成を一部変更したものである。すなわち、前述の実施の形態2では、固定子電圧制御目標設定器33において、無効電力の偏差ΔQの積分値を電圧基準値Vacに加算して電圧目標値Vsを得ているが、この実施の形態6では、図12に示すように、固定子電圧制御目標設定器33を電圧基準値設定器33bとパルス発生器33hとで構成し、無効電力の偏差ΔQの正負および大小に応じてパルス発生器33hから出力されるパルスによって電圧基準値設定器33bで設定される電圧基準値Vacそのものを変化させ、この可変される電圧基準値Vacを電圧目標値Vsとして出力するようにしている。
つまり、パルス発生器33hは、無効電力の偏差ΔQが正の場合には電圧基準値Vacを上げるパルスを出力し、無効電力の偏差ΔQが負の場合には電圧基準値Vacを下げるパルスを出力する。しかも、偏差ΔQが大きいほどパルスの出力間隔を短くして上げ/下げ制御を行う時間間隔を小さくし、逆に偏差ΔQが小さくなるとパルスの出力間隔を長くして上げ/下げ制御を行う時間間隔を大きくする。
これにより、偏差ΔQが大きいときには固定子電圧Vgが迅速に目標電圧Vsに到達するように早い制御が行われ、偏差ΔQが小さくなるとオーバーシュートが発生しないように比較的ゆっくりした制御が行われる。また、偏差ΔQがΔQ0よりも小さくなって不感帯以下になれば、上げ下げ制御を行なわないように制御される。このため、電力系統6の異常な電圧変動を良好に抑制することができる。
なお、この実施の形態6の構成(図12)に対して、実施の形態5(図10、図11)で説明した電圧目標値Vs、あるいは固定子電圧Vgが上下限値を超えないように制御する上下限リミタ33dあるいは制限器39を付加することも可能である。
実施の形態7.
図13は本発明の実施の形態7における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態7では、前述の実施の形態6(図12)における二重給電同期機の制御システムの構成を一部変更したものである。すなわち、前述の実施の形態6(図12)では、パルス発生器33hが偏差ΔQの大小に応じてパルスの出力間隔を変化させるようにしたが、この実施の形態7では、パルス発生器33hは、偏差ΔQの大小に応じて、パルスの出力時間間隔は一定の下でパルス幅を制御するようにしたものである。その他の構成は実施の形態6の場合と同様である。
この実施の形態7の場合も、実施の形態6と同様に、偏差ΔQが大きいときには固定子電圧Vgが迅速に目標電圧Vsに到達するたように早い制御が行われ、偏差ΔQが小さくなるとオーバーシュートが発生しないように比較的ゆっくりした制御が行われる。また、偏差ΔQがΔQ0よりも小さくなって不感帯以下になれば、上げ下げ制御を行なわないように制御される。このため、電力系統6の異常な電圧変動を良好に抑制することができる。
なお、この実施の形態7の構成に対して、実施の形態5(図10、図11)で説明した電圧目標値Vs、あるいは固定子電圧Vgが上下限値を超えないように制御する上下限リミタ33dあるいは制限器39を付加することも可能である。
実施の形態8.
図14は本発明の実施の形態8における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
この実施の形態8は、実施の形態6(図12)の構成、および実施の形態7(図13)の構成を組み合わせたものである。すなわち、この実施の形態8では、無効電力の偏差ΔQの大きさに応じてパルスの出力間隔とパルス幅とを同時に制御するようにしている。つまり、偏差ΔQが大きいほどパルスの出力間隔が短く、かつパルス幅が大きくなるようにして電圧目標値の上げ/下げ量を大きくなるように制御している。
なお、この実施の形態8の構成に対して、実施の形態5(図10、図11)で説明した電圧目標値Vs、あるいは固定子電圧Vgが上下限値を超えないように制御する上下限リミタ33dあるいは制限器39を付加することも可能である。
実施の形態9.
図15は本発明の実施の形態9における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。
前述の実施の形態4(図9)では、固定子電圧制御目標設定器33に積分時定数設定器33fを付加することで、無効電力の偏差ΔQの大きさに応じて積分時定数Tを可変できるようにしている。
これに対して、この実施の形態9は、積分器33aと加算器33cとの間に増幅器33mを設けるとともに、この増幅器33mのゲインを設定するゲイン設定器33nを設け、ゲイン設定器33mで無効電力の偏差ΔQの大きさに応じて増幅器33mのゲインが可変できるようにしている。なお、図15では偏差ΔQとゲインKの関係は曲線で示しているが、折れ線でも可能である。
このようにすれば、無効電力の偏差ΔQが大きい時にはゲインKを大きくして制御速度を上げ、偏差ΔQが小さくなればオーバーシュートしないようにゲインKを小さくして安定に無効電力を目標値に到達させることができる。これにより、制御速度を犠牲にせずに安定に無効電力を制御することができる。
なお、この実施の形態9の構成は、実施の形態2,3,5で示した構成についても適用することが可能である。
実施の形態10.
図16は本発明の実施の形態10における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。
前述の実施の形態1〜9では、二重給電同期機2の固定子電圧が電圧目標値になるように電圧を制御する方式であったが、この実施の形態10では、昇圧変圧器4の電力系統6側の電圧が目標値になるように制御するものである。
すなわち、この実施の形態10では、昇圧変圧器4の電力系統6側に、電力系統6の電圧VHを測定するための計器用変圧器17(PT)と、この計器用変圧器17の出力に基づいて昇圧変圧器4の電力系統側の電圧を検出する電力系統電圧検出器35と、電力系統6側の電圧制御目標を設定する電力系統電圧制御目標設定器36と、この電力系統電圧制御目標設定器36と電力系統電圧検出器35との偏差を検出する電力系統電圧偏差検出器37とが設けられている。
なお、系統事故検出器43、遠方負荷遮断検出器52、スイッチ62等、その他の構成は、実施の形態1(図1)の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
この実施の形態10において、電力系統の事故発生や遠方付加遮断が発生していない通常時の場合、二重給電同期機2に発生させる無効電力は、無効電力設定器13にて設定された給電指令所等から要求される無効電力目標値Qcになるように電力変換器7を制御することによって行われる。この点は、実施の形態1で説明した動作と同じであるから説明は省略する。
一方、事故点に向かって電流が流れ込むような電力系統事故が発生した場合、実施の形態1の場合と同様、この電力系統事故は系統事故検出器43によって検出されるので、スイッチ62が動作し、無効電力制御から電圧制御、すなわち昇圧変圧器4の電力系統側電圧を目標値に維持する制御に切り替わる。
また、電力系統6の遠方の遮断器が事故などにより開放された場合にも、実施の形態1の場合と同様、これが遠方負荷遮断検出器52で検出されるので、直ちにスイッチ62が動作し、無効電力制御から電圧制御、すなわち昇圧変圧器4の電力系統側電圧を目標値に維持する制御に切り替わる。
このように、電力系統事故や遠方付加遮断が発生した場合、前述の実施の形態1では、二重給電同期機2の固定子電圧Vgの制御を介して昇圧変圧器4の電力系統6側の電圧を回復、維持させていたのに対して、この実施の形態10では、直接に昇圧変圧器4の電力系統6側の電圧が目標値になるように二重給電同期機2の固定子電圧を自動制御するので、短時間、かつ、確実に電力系統6側の電圧を維持することができる。
一般に、中央給電指令所(以下、中給と称する)は、電力系統6全体の状況を把握して、各発電所に電力系統側電圧に対する目標値を指示し、発電所は発電機の端子電圧を制御して昇圧変圧器4を介して電力系統側の電圧を目標値に維持している。しかし、電力系統6側の負荷の変化により有効電力や無効電力が変動すると、昇圧変圧器4のインピーダンスによる電圧降下量が変化するので、発電所の電力系統側の電圧も変動してその目標値からはずれる。それを修正するためには、発電機の端子電圧を再調整する必要があるので、制御が面倒となる。これに対して、この実施の形態10では、電力系統6側の電圧調整が簡単、かつ負荷の変動による再調整も不要になるため、この点でメリットが大きい。
ところで、複数の二重給電同期機2がそれぞれの昇圧変圧器4を並列に接続して電力系統6に接続されて各送電を行うシステムに対して、この実施の形態10に示した構成を適用する場合には、電力系統制御目標設定器33で設定する電力系統6側の電圧制御目標値は、安定運転のために補正が必要である。以下、その補正の必要性、および補正の仕方について説明する。
いま、一例として、図17に示すように、2台の二重給電同期機2a,2bがそれぞれの昇圧変圧器4a,4bを並列に接続配置して電力系統6に送電する場合を想定する。ここに、17a,17bは電力系統6側の電圧を測定するための計器用変圧器、35a,35bは電力系統電圧検出器、36a,36bは電力系統電圧制御目標設定器、37a,37bは電力系統電圧偏差検出器である。また、7a,7bは電力変換器である。
図17において、2台の装置の特性、および電力系統電圧制御目標設定器36a,36bで設定される電圧目標値VHrefa、VHrefbが全く同一の場合は、系統電圧VHを維持するための各二重給電同期機2a,2bの電流、電圧は等しくなり、仮に系統電圧VHが変化した場合は、それを自動的に補正する動きをし、各装置の補正量は等しく何ら問題は無い。しかし、実際問題としては、各装置の特性を全く同じにするのは困難で、必ず僅かでも差がある。したがって、系統電圧VHが変動した場合には、制御系の応答速度の速いシステムの補正量が多くなり、極端な場合には、自装置はそのシステムの限界で運転を続けているのに、他装置は知らぬ顔をするような運用が有り得て好ましくない。このため、何らかの対策が必要である。
その対策として、ここでは、各装置において電圧目標値VHrefに対して固定子の出力電流の無効成分Iqに“1”より小さな一定比率(以下、垂下率と称する)XDRを乗じた値だけ自動的に引き算をして電圧目標値VHrefを実質的に小さくする、いわゆる垂下特性を付加した方式を採用する。すなわち、自装置の負担が増えると、電圧目標値VHrefを少し下げて負担増を軽減するものである。これを式で表すと次式となる。
VHref’=VHref−XDR・Iq (3)
ここに、VHref’は垂下特性をもたせた後の電力系統電圧目標値、VHrefは補正前の電力系統電圧目標値、XDRは垂下率、Iqは二重給電同期機2の固定子の出力電流の無効成分である。
この実施の形態10の制御システムにおいて、電力系統電圧目標値VHrefに垂下特性を持たせた場合の構成を図18および図19に示す。なお、図18において図16に示した構成と対応する構成部分には同一の符号を付す。また、図19は、式(3)をブロック化した構成図である。
電力系統電圧制御目標設定器36には、図18に示すように、無効電力検出器12で検出される無効電力Qaと二重給電同期機2の固定子電圧Vgの両信号が取り込まれるようになっている。そして、この電力系統電圧制御目標設定器36は、図19に示すように、無効電力検出器12で検出される無効電力Qaと二重給電同期機2の固定子電圧Vgとから無効成分Iq(=Qa/Vg)を算出する除算器36aと、この無効成分Iqに垂下率XDRを掛ける乗算器36b、電力系統電圧目標値VHrefの出力から乗算器36bの出力を減算する減算器36cとを備えている。
これにより、式(3)を実現することができ、ある安定状態から系統電圧VHが変動して自装置の負担が増えると、電圧目標値VHrefを少し下げて負担増を軽減することができ、複数の装置の内の特定の装置にのみ負担が偏ることがなくなり、互いに均等に電圧制御を行うことができる。
なお、この実施の形態10で示した図18および図19の構成に対して、実施の形態3〜9について説明した電圧制御方式を採用することが可能である。
実施の形態11.
図20は本発明の実施の形態11における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。
上記の実施の形態10(図16)では、昇圧変圧器4の電力系統6側に、電力系統6の電圧VHを測定するための計器用変圧器17(PT)を配置し、この計器用変圧器17の出力に基づいて電力系統電圧検出器35で昇圧変圧器4の電力系統側の電圧を検出するようにしている。
しかし、実施の形態10(図16)に示した構成を実現するためには、計器用変圧器17の出力を直接ケーブルにて発電所の制御システムまで導いて電力系統電圧検出器35に接続する必要があるが、一般的に昇圧変圧器4の電力系統側電圧は特別高圧になるので、高価な計器用変圧器17の設置が必要であり、かつ、敷設するケーブルも長くなり、制御システムのコストアップとなる。
そこで、この実施形態11では、電力系統6側の電圧を直接検出する代わりに、図20に示すように、電力系統電圧検出器35に対して二重給電同期機2の固定子電圧Vgと無効電力検出器12で検出される無効電力Qaの信号を取り込むことで、昇圧変圧器4の電力系統側電圧VHを検出できるようにしたものである。これにより、特別高圧の計器用変圧器を省略でき、かつケーブル長も短くして建設費用を削減することができる。
次に、電力系統電圧検出器35に対して二重給電同期機2の固定子電圧Vgと無効電力検出器12で検出される無効電力Qaの信号を取り込むことで、電力系統6側の電圧VHを検出できる原理について説明する。
いま、図21に示す単線図において、Gを二重給電同期機、Vgを二重給電同期機の固定子電圧、Igを二重給電同期機の固定子電流、Pgを二重給電同期機の有効電力、Qaを二重給電同期機の無効電力、S.Trを昇圧変圧器、Xtを昇圧変圧器のリアクタンス、VHを昇圧変圧器の電力系統側電圧、Xeを電力系統のリアクタンスとすると、固定子電圧Vgの位相を基準位相にして、この単線図に示す運転状況を示すベクトル図は、図22に示すようになる。
なお、図22中の固定子電流Ipの位相、すなわち力率角はθである。固定子電流Igの有効成分をIp、無効成分をIqとすると、電力系統側電圧VHは、次式となり、その位相はベクトル図に示すδとなる。
VH=√{(Vg−Xt・Iq)+(Xt・Ip)} (4)
ここで、δは実運用においては小さいので、説明を簡単にするためにδ=0、つまりCosδ=1とすると、昇圧変圧器4の電力系統側電圧VHと二重給電同期機2の固定子電圧Vgとの関係は、図22のベクトル図から次式となる。
VH=Vg−Xt・Iq (5)
また、Iq=Qa/Vgであるから、式(5)は次式のようになる。
VH=Vg−Xt・(Qa/Vg) (6)
これにより、電力系統電圧検出器35は、二重給電同期機2の固定子電圧Vgと、無効電力検出器12で検出される無効電力Qa、および昇圧変圧器4のリアクタンスXtから、上記の式(6)に示す演算をして昇圧変圧器4の電力系統6側の電圧VHを導出し、これを実電圧のフィードバック信号として電圧制御を実現することができる。
その他の構成、および作用効果は、実施の形態10(図16)の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
ところで、図20に示した構成を備えた制御システムを前提として、二重給電同期機の複数台がそれぞれの昇圧変圧器4を並列に接続して電力系統6に送電するシステムにおいて、各同期機が安定に運転するために、各同期機の電力系統電圧制御目標値VHrefに垂下特性を持たせることも可能である。その場合の構成を図23に示す。なお、図23において、図20と対応する構成部分には同一の符号を付す。
ここで、前述の式(5)から次式が導出される。
Vg=VH+Xt・Iq (7)
式(7)において、昇圧変圧器4の電力系統6側の電圧VHが電力系統電圧目標値VHrefになるように制御するには、すなわちVH=VHrefとなるためには、二重給電同期機2の固定子電圧Vgは、次式となる。
Vg=VHref+Xt・Iq (8)
複数台の二重給電同期機2を並列運転する際の安定運転のために、この電力系統電圧目標値VHrefに対して固定子の出力電流の無効成分Iqに垂下率XDRを乗じた値だけ自動的に引き算をしてVHrefを実質的に小さくする垂下特性を付加すると、式(8)で示されるVgは、次式となる。
Vg=(VHref−XDR・Iq)+Xt・Iq
=VHref+(Xt−XDR)・Iq (9)
式(9)のVgを式(5)のVgに代入すると、次式が得られる。
VH={VHref+(Xt−XDR)・Iq}−Xt・Iq
=VHref−XDR・Iq (10)
また、Iq=Qa/Vgであるから、式(10)は次式のようになる。
VH=VHref−XDR・(Qa/Vg) (11)
したがって、図23に示す構成の制御システムでは、電力系統電圧制御目標設定器36に対して二重給電同期機2の固定子電圧Vgと無効電力検出器12で検出される無効電力Qaの信号を取り込むことで、上記の式(11)により、電力系統側の電圧VHを、補正前の電力系統電圧制御目標値VHrefと、(Qa/Vg)に対して垂下率XDRを付与した値とによって制御することができる。
このように、図23に示した構成の制御システムでは、式(11)を実現することができ、ある安定状態から系統電圧VHが変動して自装置の負担が増えると、電圧目標値VHrefを少し下げて負担増を軽減することができ、複数の装置の内の特定の装置にのみ負担が偏ることがなくなり、互いに均等に電圧制御を行うことができる。
その他の作用効果は、図20に示した構成の制御システムと同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
なお、この実施の形態11で示した図20および図23の構成に対して、実施の形態3〜9について説明した電圧制御方式を採用することが可能である。
また、上記の実施の形態10,11においては、δ≒0とした場合について説明したが、δを無視せずに精密に制御する場合について、以下に説明する。
式(4)から、Vgは次式となる。
Vg=√{VH−(Xt・Ip)}+Xt・Iq (12)
VH=VHrefとするためには、Vgは次式となる。
Vg=√{VHref−(Xt・Ip)}+Xt・Iq (13)
複数台の二重給電同期機2を並列運転する際の安定運転のために、この電力系統電圧目標値VHrefに対して固定子電流Igに垂下率XDRを乗じた値だけ自動的に引き算をしてVHrefを実質的に小さくする垂下特性を付加すると、式(13)は次式となる。 Vg=√{(VHref−Ig・XDR)−(Xt・Ip)}+Xt・Iq
(14)
式(14)のVgを式(4)に代入すると、次式となる。
VH=VHref−XDR・Ig (15)
ここに、Igは√(Ip+Iq)、またはIp+jIqである。
このように、δを無視せずに精密に制御する場合には、電力系統電圧制御目標設定器36に対して二重給電同期機2の固定子電圧Vgと固定子電流Igの信号の双方を取り込むことで、式(15)より、電力系統側の電圧VHを、補正前の電力系統電圧制御目標値VHrefと、Igに対して垂下率XDRを付与した値とによって制御することができる。
本発明の実施形態1における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。 図1に示す制御システムにおける系統事故検出器のロジック例を示す説明図である。 図1に示す制御システムにおける遠方負荷遮断検出器のロジックを示す説明図である。 本発明の実施形態2における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。 図4に示す制御システムにおける要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における二重給電同期機の制御システムにおいて、d軸制御指令系統の各信号の動きを示すタイムーチャートである。 本発明の実施の形態3における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態3における二重給電同期機の制御システムの要部の変形例を示す構成図である。 本発明の実施の形態4における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態5における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態5における二重給電同期機の制御システムの要部の変形例を示す構成図である。 本発明の実施の形態6における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態7における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態8における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施の形態9における二重給電同期機の制御システムの要部を示す構成図である。 本発明の実施形態10における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。 2台の二重給電同期機をそれぞれの昇圧変圧器を介して並列に接続配置して電力系統に送電する場合の運転事例を示す簡易ブロック図である。 本発明の実施形態10における二重給電同期機の制御システムにおいて、VHrefに垂下特性を持たせた場合の構成図である。 図18に示す制御システムにおける電力系統電圧制御目標設定器の構成図である。 本発明の実施形態11における二重給電同期機の制御システムを示す構成図である。 二重給電同期機の運転時の単線図である。 図21の単線図に対応したベクトル図である。 本発明の実施形態11における二重給電同期機の制御システムにおいて、VHrefに垂下特性を持たせた場合の構成図である。
符号の説明
2 二重給電同期機、4 昇圧変圧器、5 送電線遮断機、6 電力系統、
7 電力変換器、9 変換器制御装置、10 位相/回転数検出器、
13 無効電力制御目標設定器、14 無効電力偏差検出器、
15 発電所側の計器用変流器、16 発電所側の計器用変圧器、
17 電力系統側の計器用変圧器、21 q軸制御装置、22 有効電力検出器、
23 有効電力制御目標設定器、24 有効電力偏差検出器、32 固定子電圧検出器、33 固定子電圧制御目標設定器、33a 積分器、33b 電圧基準値設定器、
33c 加算器、33d 上下限リミタ、33f 積分時定数設定器、
33h パルス発生器、33m 増幅器、33n ゲイン設定器、
34 固定子電圧偏差検出器、35 電力系統電圧検出器、
36 電力系統電圧制御目標設定器、37 電力系統電圧偏差検出器、39 制限器、
42 固定子電流検出器、43 系統事故検出器(事故検出手段)、
52 遠方負荷遮断検出器(事故検出手段)、
62 スイッチ(切替手段、加算中止手段)、63 積分ホールド回路。

Claims (10)

  1. 固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、
    上記二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、この無効電力検出手段で検出された無効電力と無効電力目標値との偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、上記二重給電同期機の固定子電圧を検出する固定子電圧検出手段と、予め設定された電圧基準値に上記無効電力偏差検出手段で検出された無効電力の偏差を一定の変化率で加算してこれを電圧目標値とし、上記固定子電圧検出手段で検出された固定子電圧を上記電圧目標値に制御する固定子電圧制御手段と、上記電力系統の事故の発生を検出する事故検出手段と、この事故検出手段による事故検出に応じて上記加算を中止する手段とを備え、加算中止時点での電圧目標値に二重給電同期機の実電圧を制御することにより、上記電力系統の異常な電圧変動を抑制することを特徴とする二重給電同期機の制御システム。
  2. 上記固定子電圧制御手段は、上記電圧基準値に無効電力の偏差を加算する加算系統のゲインを、偏差が大きいほど上げ小さいほど下げるものであることを特徴とする請求項1に記載の二重給電同期機の制御システム。
  3. 上記固定子電圧制御手段は、上記電圧目標値に対して予め上下限値を設定し、上記電圧目標値がこの上下限値の幅の範囲内において無効電力を制御するものである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二重給電同期機の制御システム。
  4. 上記固定子電圧制御手段は、無効電力の偏差に応じて無効電力の偏差の変化率を決定し、上記電圧基準値に対して無効電力の偏差をこの決定した変化率でもって加算するものである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二重給電同期機の制御システム。
  5. 上記固定子電圧制御手段は、上記電圧目標値に対して予め上下限値を設定し、上記電圧目標値がこの上下限値の幅の範囲内に規定された状態において固定子電圧を制御するものである、ことを特徴とする請求項4に記載の二重給電同期機の制御システム。
  6. 固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、
    二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、この無効電力検出手段で検出された無効電力と無効電力目標値との偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、この無効電力偏差検出手段で検出された無効電力の偏差に応じて、電圧目標値そのものを一定量だけ上げ下げする制御を行い、かつ、偏差が大きいほど上げ下げする時間間隔を短くし、偏差が小さくなると上げ下げする時間間隔を長くする制御を行い、偏差が不感帯以下になれば上げ下げする制御を行わないように固定子電圧を制御する固定子電圧制御手段を備え、これにより上記電力系統の異常な電圧変動を抑制することを特徴とする二重給電同期機の制御システム。
  7. 固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、
    二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、この無効電力検出手段で検出された無効電力と無効電力目標値との偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、電圧目標値を上げ下げする制御間隔時間を一定として、上記無効電力検出手段で検出された無効電力の偏差が大きいほど上げ下げする制御量を大きくし、偏差が小さくなると上げ下げする制御量を小さくする制御を行い、偏差が不感帯以下になれば上げ下げする制御を行わないように固定子電圧を制御する固定子電圧制御手段を備え、これにより上記電力系統の異常な電圧変動を抑制することを特徴とする二重給電同期機の制御システム。
  8. 固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、
    二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、この無効電力検出手段で検出された無効電力と無効電力目標値との偏差を検出する無効電力偏差検出手段と、この無効電力偏差検出手段で検出された無効電力の偏差が大きいほど電圧目標値を上げ下げする変化量を大きくかつ時間間隔を短くし、偏差が小さくなると上げ下げする変化量を小さくかつ時間間隔を長くする制御を行い、偏差が不感帯以下になれば上げ下げする制御を行わないように固定子電圧を制御する固定子電圧制御手段を備え、これにより上記電力系統の異常な電圧変動を抑制することを特徴とする二重給電同期機の制御システム。
  9. 固定子側が電力系統に回転子側が可変周波数の電力変換器にそれぞれ接続された二重給電同期機と、上記電力変換器を制御して二重給電同期機の有効電力あるいは回転数を調整する変換器制御装置とを備えた二重給電同期機の制御システムにおいて、
    上記二重給電同期機の無効電力を検出する無効電力検出手段と、上記二重給電同期機の昇圧変圧器の電力系統側の電圧を検出する電力系統電圧検出手段と、上記無効電力検出手段で検出された無効電力を予め設定された無効電力目標値に制御する無効電力制御手段と、
    上記電力系統電圧検出手段で検出された電力系統電圧を予め設定された電圧目標値になるように制御する電力系統電圧制御手段と、上記電力系統の事故の発生を検出する事故検出手段と、この事故検出手段による事故検出に応じて上記無効電力制御手段による無効電力制御から上記電力系統電圧制御手段による電圧制御に切り替える切替手段とを備え、この切り替えにより上記電力系統の異常な電圧変動を抑制することを特徴とする二重給電同期機の制御システム。
  10. 上記電力系統電圧検出手段を設ける代わりに、上記昇圧変圧器の二重給電同期機側の電圧および電流を検出する電圧電流検出手段を設け、上記電力系統電圧制御手段は、この電圧電流検出手段の検出出力と上記昇圧変圧器のインピーダンスとに基づいて上記昇圧変圧器の電力系統側の電圧を算出し、この電力系統側の電圧が予め設定された電圧目標値になるように制御するものである、ことを特徴とする請求項9記載の二重給電同期機の制御システム。
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