JP4870037B2 - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
更に、特許文献3には、特定の構造を有するアミド系化合物、可塑剤、乳酸系ポリマーを含有する乳酸系ポリマー組成物及びその成形体の製造方法が開示されているが、その乳酸系ポリマー組成物の結晶化速度は十分なものではない。
(ii)温度25℃、振動数50Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1×108〜2×109Pa
(iii)温度60℃、振動数50Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が1×107〜1×109Pa
本発明で使用される生分解性樹脂としては、JIS K6953(ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性を有するポリエステル樹脂が好ましい。
尚、生分解性樹脂のヘイズ値は、JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用いて測定した値である。
本発明に用いられる結晶核剤は、結晶化速度と耐熱性、感温性、さらには透明性の観点から、結晶核剤分子中にエステル基、水酸基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種の基を2つ以上有する脂肪族化合物であり、水酸基を1つ以上有し、エステル基又はアミド基を1つ以上有する脂肪族化合物が好ましく、水酸基を2つ以上有し、エステル基又はアミド基を1つ以上有する脂肪族化合物がより好ましく、水酸基を2つ以上有し、エステル基又はアミド基を2つ以上有する脂肪族化合物が特に好ましい。結晶核剤の融点は、65℃以上が好ましく、70℃〜[生分解性樹脂の融点(Tm)+50℃]の範囲が更に好ましく、80℃〜(生分解性樹脂のTm+20℃)の範囲が特に好ましい。具体的には、70〜220℃が好ましく、80〜190℃がより好ましい。本発明の効果が向上する理由は定かではないが、上記の官能基を2つ以上有すると、生分解性樹脂との相互作用が良好となり、相溶性が向上する結果、樹脂中で微分散することによるものと考えられ、恐らく、水酸基を1つ以上、好ましくは2つ以上有することにより生分解性樹脂への分散性が良好となり、エステル基又はアミド基を1つ以上、好ましくは2つ以上有することにより生分解性樹脂への相溶性が良好となるものと考えられる。結晶核剤の融点は熱処理温度より高く、樹脂組成物の混練温度以下であると、混練時に結晶核剤が溶解することによってその分散性が向上し、熱処理温度より高いと結晶核生成の安定化や熱処理温度が上げられるため、結晶化速度向上の観点でも好ましい。また、上記好ましい結晶核剤は、樹脂溶融状態から冷却過程で速やかに微細な結晶を多数析出することによって、透明性、結晶化速度向上の観点でも好ましい。
生分解性樹脂100重量部に対し、可塑剤としてポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数6)グリセリントリアセテート(以下POE(6)グリセリントリアセテートと略記する)15重量部及び結晶核剤1重量部を生分解性樹脂の融点(Tm)以上で混合し、それを冷却して非晶状態(すなわち広角X線回折法で測定される結晶化度が1%以下になる条件)で得られる生分解性樹脂組成物を、室温から8℃/分の昇温条件で示差走査型熱量計にて測定したときの冷結晶化ピーク温度を冷結晶化温度(Tcc)と定義する。
生分解性樹脂100重量部に対し、可塑剤としてPOE(6)グリセリントリアセテート15重量部及び結晶核剤1重量部を生分解性樹脂の融点(Tm)以上で混合して得られる生分解性樹脂組成物を、溶融状態から5℃/分の降温条件で示差走査型熱量計にて測定したときの溶融結晶化ピーク温度を溶融結晶化温度(Tmc)と定義する。
本発明に用いられる可塑剤は特に限定されず、一般の生分解性樹脂に用いられる可塑剤の他、以下の(1)〜(12)に示すものが挙げられる。
(1)下記(a)成分と(b)成分とのエステル
(a)一般式(I)
で表されるヒドロキシ芳香族カルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基及びカルボキシル基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族カルボン酸、ヒドロキシ脂環族カルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(b)脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール、フェノール及びアルキルフェノールから選択されるヒドロキシ化合物、あるいはこれらヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、アルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく30以下)から選ばれる少なくとも1種。
(2)下記(c)成分と(d)成分とのエステル
(c)一般式(II)
で表される芳香族カルボン酸、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有する縮合多環式芳香族カルボン酸、脂環族カルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(d)脂肪族モノアルコール、脂環族モノアルコール、芳香族モノアルコール、フェノール及びアルキルフェノールから選択されるモノヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、アルキレンオキサイド平均付加モル数1〜30)から選ばれる少なくとも1種。
(3)芳香族スルホンアミドのN−アルキル化物(アルキル基の炭素数1〜22)
(4)下記(e)成分と(f)成分とのエステル
(e)一般式(III)
で表される芳香族モノカルボン酸、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖脂肪族モノカルボン酸、縮合多環式芳香族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸あるいはこれらモノカルボン酸の低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜3)から選ばれる少なくとも1種。
(f)一般式(IV)
で表される脂肪族2価アルコール、1分子中に3個以上の水酸基を有する炭素数3〜30の多価アルコール、1分子中に2個の水酸基あるいはメチロール基を有する脂環族ジオールから選択されるヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、水酸基1個当たりのアルキレンオキサイド平均付加モル数0より大きく10以下)から選ばれる少なくとも1種。
(5)脂肪族ジカルボン酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルエステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、又は脂肪族多価アルコールと安息香酸とのエステル
(6)下記(g)成分と(h)成分とのエステル
(g)一般式(V)
で表される繰り返し構造単位(以下構造単位(V)という)を含み、両末端が水酸基であるポリカーボネートジオール。
(h)一般式(VI)
で表される芳香族モノカルボン酸、縮合多環式芳香族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、1分子中に1個以上の水酸基を有するヒドロキシ縮合多環式芳香族モノカルボン酸、ヒドロキシ脂環族モノカルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(7)下記(i)成分と(j)成分とのエステル
(i)シアノ基を少なくとも1個有するカルボン酸又はこれらカルボン酸の無水物あるいは炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(j)脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール、フェノール及びアルキルフェノールから選択されるヒドロキシ化合物、あるいはこれらヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜4、アルキレンオキサイドの平均付加モル数0より大きく30以下)から選ばれる少なくとも1種。
(8)下記(k)成分と(l)成分とのエステル
(k)1分子中に3つ以上の水酸基を有する炭素数3以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる少なくとも1種。
(l)炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖脂肪酸あるいはその炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種。
(9)下記(m)成分と、(n)成分とを、アセタール化反応又はトランスアセタール化反応させて得られる環状アセタール。
(m)3価以上の多価アルコールの少なくとも1種。
(n)一般式(VII)で表されるカルボニル化合物、及びこのカルボニル化合物と炭素数1〜6の低級アルコールとから得られるアセタールからなる群から選ばれる少なくとも1種。
(10) 一般式(VIII)で表される化合物。
[式中、R11は炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、又は炭素数7〜18のアルキルフェニル基、R12は炭素数2〜15のアシル基、アルキル基もしくはアルケニル基であり、かつR11とR12の合計炭素数は4〜18である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す1〜20の数であり、n個のAは同一でも異なっていてもよい。]
(11) 3価以上の脂肪族多価カルボン酸、3価以上の芳香族多価カルボン酸、縮合多環式芳香族カルボン酸、及び脂環族カルボン酸、又はそれらの無水物あるいはそれらの炭素数1〜3の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の酸成分と、1価又は2価のアルコールのアルキレンオキサイド付加物から選ばれる少なくとも1種のアルコール成分とのエステル。
(12) 一般式(IX)で表される化合物。
(式中、Bは炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖の2価アルコールから2個の水酸基を除いた残基、R13は炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアシル基を示し、2個のR13は同一でも異なっていても良い。EOはオキシエチレン基、sはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、3≦2s≦20の数である。)
本発明の生分解性樹脂組成物は、上記(i)、(ii)及び(iii)に示す条件を満足するものであり、(i)の60℃、36時間又は60時間熱処理後の厚さ0.5mmにおけるヘイズ値は、15%以下が好ましく、10%以下が更に好ましい。(ii)の温度25℃、振動数50Hzにおける貯蔵弾性率(E’)は、1×108〜1.5×109Paが好ましい。(iii)の温度60℃、振動数50Hzにおける貯蔵弾性率(E’)は、2×107〜1×109Paが好ましい。なお、ここで生分解性樹脂組成物のヘイズ値及び貯蔵弾性率(E’)は、実施例に記載された測定方法により測定される値である。
本発明の生分解性樹脂組成物は、生分解性樹脂、可塑剤、及び本発明の結晶核剤を、該生分解性樹脂の融点(Tm)以上で混合する工程(1)と、生分解性樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上Tm未満の温度で熱処理する工程(2)とを有する製造法により製造することができる。
ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400、SP値21.5、Tm166℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤(合成例1で合成したPOE(6)グリセリントリアセテート)15重量部、結晶核剤1重量部からなる組成物を、180℃のラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)にて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。プレス成形の際には成形するシートが非晶状態(すなわち広角X線回折法で測定される結晶化度が1%以下になる条件)で冷却を行った。そのシートを細かく切断してアルミニウムパンに15mg秤取り、示差走査熱量測定(DSC)装置を使用し、室温から8℃/分の昇温速度で200℃まで測定する。その際冷結晶化の発熱ピークが観測されるのでそのピーク温度を冷結晶化温度(Tcc)とした。また次に、200℃から5℃/分の降温速度で室温まで測定する。その際、溶融結晶化の発熱ピークが観測されるのでそのピーク温度を溶融結晶化温度(Tmc)とした。
*2 ステアリン酸モノアミド:花王製 脂肪酸アマイドS
*3 ゲルオールMD:下記式(X)で表されるビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール
合成例1:可塑剤の合成例
オートクレーブに花王(株)製化粧品用濃グリセリン1モルに対しエチレンオキサイド6モルのモル比で規定量仕込み、1モル%のKOHを触媒として反応圧力0.3MPaの定圧付加し、圧力が一定になるまで150℃で反応した後、80℃まで冷却し、触媒未中和の生成物を得た。この生成物に触媒の吸着剤としてキョーワード600Sを触媒重量の8倍添加し、窒素微加圧下で80℃、1時間吸着処理をおこなった。さらに処理後の液をNo.2のろ紙にラジオライト#900をプレコートしたヌッツェで吸着剤を濾過し、グリセリンエチレンオキサイド6モル付加物(以下POE(6)グリセリンという)を得た。これを四つ口フラスコに仕込み、105℃に昇温して300rpmで攪拌し、無水酢酸をPOE(6)グリセリン1モルに対し3.6モルの比率で規定量を約1時間で滴下し反応させた。滴下後110℃で2時間熟成し、さらに120℃で1時間熟成した。熟成後、減圧下で未反応の無水酢酸及び副生の酢酸をトッピングし、さらにスチーミングして、POE(6)グリセリントリアセテートを得た。
攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた1LフラスコにPEG300(関東化学(株)製、平均分子量300)200gを仕込み、110℃で無水酢酸204gを1時間かけて滴下し、さらに120℃で2時間熟成した。反応終了後100℃/2.5kPaで未反応の無水酢酸と副生した酢酸を留去させ、さらに100℃/1.3kPaでスチーミングを行い、目的とする可塑剤(ポリエチレングリコールジアセテート、エチレンオキサイドの平均総付加モル数6.4)を得た。
生分解性樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−280、SP値21.5、Tm140℃、Tg60℃)100重量部、可塑剤として、POE(6)グリセリントリアセテート25重量部、表2に示す種類と量の結晶核剤からなる生分解性樹脂組成物(Tg11℃)を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
熱処理前及び熱処理後のテストピースについて、JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、テストピースのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性良好であることを示す。
熱処理後のテストピースについて、JIS−K7198に基づいて、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御製 DVA-200)にて、周波数50Hz、昇温速度2℃/minにおいて−20℃から80℃の温度領域における貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、ならびに0℃、25℃および60℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。
熱処理後のテストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)について、40℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
熱処理後のテストピースについて、テストピースを広角X線回折測定装置(理学電機製 RINT2500VPC,光源CuKα,管電圧40kV,管電流120mA)を使用し、2θ=5〜50°の範囲の非晶及び結晶のピーク面積を解析して結晶化度を求めた。
生分解性樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−280/LACEA H−400=75/25(重量比)のブレンド品、SP値21.5、Tm165℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤として、POE(6)グリセリントリアセテート25重量部、表3に示す種類と量の結晶核剤からなる生分解性樹脂組成物(Tg14℃)を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
生分解性樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400、SP値21.5、Tm166℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤として、POE(6)グリセリントリアセテート15重量部、表4に示す種類と量の結晶核剤からなる生分解性樹脂組成物(Tg33℃)を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
生分解性ポリエステル樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400、SP値21.5、Tm166℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤として合成例2で合成したポリエチレングリコール(6.4)ジアセテート(以下可塑剤aという)、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル化物(以下可塑剤bという)又はアジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル化物(以下可塑剤cという)15重量部、表5に示す種類と量の結晶核剤からなる生分解性樹脂組成物を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
生分解性ポリエステル樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400、SP値21.5、Tm166℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤として合成例1で合成したPOE(6)グリセリントリアセテート(以下可塑剤dという)、可塑剤a、可塑剤bまたはアセチルクエン酸トリブチル(田岡化学工業(株)製、以下可塑剤eという)15重量部、表6に示す種類と量の結晶核剤からなる生分解性樹脂組成物を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
また、結晶化終了後のテストピースは金型からの離型性を下記基準で評価し、結晶化度を実施例1と同様の方法で求めた。さらに得られたテストピースはJIS K7110に従って東洋精機製のアイゾット衝撃試験機により耐衝撃性を評価した。これらの結果を表6に示す。
○:非常に離れ易い
○〜△:離れ易い
△:若干離れ難い
△〜×:離れ難い
×:離れない
生分解性ポリエステル樹脂として、ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400、SP値21.5、Tm166℃、Tg62℃)100重量部、可塑剤として可塑剤d 10重量部、表7に示す種類と量の結晶核剤、及び加水分解抑制剤(カルボジライトLA−1、日清紡績(株)製)0.5重量部からなる生分解性樹脂組成物(Tg42℃)を、180℃のラボプラストミルにて10分間混練し、180℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
また、結晶化終了後のテストピースは金型からの離型性、結晶化度及び耐衝撃性を実施例16〜20と同様に評価した。これらの結果を表7に示す。
Claims (3)
- 生分解性樹脂100重量部に対し、可塑剤7〜70重量部及び結晶核剤0.1〜5重量部を含有し、結晶核剤が分子中にエステル基、水酸基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種の基を2つ以上有する脂肪族化合物であり、下記(i)、(ii)及び(iii)に示す条件を満足する生分解性樹脂組成物であって、
生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂であり、
可塑剤が、グリセリンのエチレンオキサイド3から6モル付加物の酢酸エステル、エチレンオキサイドの付加モル数が5〜10のポリエチレングリコールジアセテート、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステルから選ばれるものであり、
結晶核剤が、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド、エチレンビスカプリル酸アミド及びヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドから選ばれるものである、生分解性樹脂組成物。
(i)60℃、36時間又は60時間熱処理後の厚さ0.5mmにおけるヘイズ値が20%以下
(ii)昇温速度2℃/minで−20℃から80℃まで加温したときの温度25℃における振動数50Hzの貯蔵弾性率(E’)が1×108〜2×109Pa
(iii)昇温速度2℃/minで−20℃から80℃まで加温したときの温度60℃における振動数50Hzの貯蔵弾性率(E’)が1×107〜1×109Pa - 結晶核剤の融点が70℃〜[生分解性樹脂の融点(Tm)+50℃]の範囲である、請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
- 結晶核剤が、下記に定義される生分解性樹脂組成物の冷結晶化温度(Tcc)を65℃以下となしうる化合物である、請求項1又は2に記載の生分解性樹脂組成物。
<冷結晶化温度(Tcc)>
L−乳酸純度95%以上のポリ乳酸樹脂100重量部に対し、可塑剤としてポリオキシエチレン(エチレンオキサイド平均付加モル数6)グリセリントリアセテート15重量部及び結晶核剤1重量部を生分解性樹脂の融点(Tm)以上で混合し、それを冷却して非晶状態(すなわち広角X線回折法で測定される結晶化度が1%以下になる条件)で得られる生分解性樹脂組成物を、室温から8℃/分の昇温条件で示差走査型熱量計にて測定したときの冷結晶化ピーク温度を冷結晶化温度(Tcc)と定義する。
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