JP4869661B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は表示装置に係り、特にエレクトロルミネッセンスディスプレイなどの発光層を複数層に積層して、画像の階調を表現する表示装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンスまたは有機発光ダイオードを用いたディスプレイは、超薄型、高コントラスト、高速応答、高視野角のディスプレイとして注目されている(以下、エレクトロルミネッセンスをELとも表記する)。有機ELディスプレイは、有機化合物が電気を光に変えるエレクトロルミネッセンスという現象を利用している。またアクティブ・マトリクス駆動法を適用することにより、エネルギー効率がより良い状態で有機ELディスプレイを使用できるため、エネルギー消費を少なくできる。これらのメリット・理由により、有機ELディスプレイは次世代のディスプレイとして有力視されている。
図26は、従来の有機ELディスプレイの模式図である。有機ELディスプレイは、図26(a)、26(b)に示す層構成が一般に用いられる。図26(a)は有機ELディスプレイの基本的な層構成を示す。ここでは、陽極と陰極との間に形成された層の数を層数とする。従って図26(a)の有機ELディスプレイは単層である。
ガラス基板40の上には陽極41が形成されている。陽極41としては光を透過させるために透明なITO(Indium Tin Oxide)電極が用いられる。ITO電極はインジウムとスズの酸化物で、液晶表示装置などでも広く使用されている。
陽極41の上には、有機化合物からなる蛍光体である発光層42が形成されている。有機材料には、低分子系と高分子系の材料が存在するが、材料の特性、用途、製造法に応じて適宜に選択する。発光層42上には陰極43が形成されている。図26(a)に示す従来例では、発光層42から出力される光をガラス基板40の方向から取り出すようにしているので、陰極43はアルミニウムなどの金属を材質とする電極である。
電源44から直流電圧を陽極41と陰極43の間に印加することによって、陽極41から正孔が発光層42に注入され、一方、陰極43からは電子が発光層42に注入される。注入された正孔と電子は、発光層42で再結合して不安定な高いエネルギー状態である励起状態となり、その後すぐに元の安定した低いエネルギー状態である基底状態に戻り、そのときに発光層42でエネルギーが放出されて発光する。
図26(b)は5層の有機ELディスプレイを示す。この5層の有機ELディスプレイは、図26(b)に示すように、ガラス基板45上に、陽極46、正孔注入層47、正孔輸送層48、発光層49、電子輸送層50、電子注入層51及び陰極52が順次積層され、陽極46と陰極52との間に5つの層が形成された5層構造である。
この従来例では、陽極46から正孔を取り出しやすいように、正孔注入層47と、その正孔を発光層49に輸送する正孔輸送層48とが設けられている。一方、陰極52から電子を取り出しやすいように、電子注入層51と、その電子を効率的に発光層49に輸送するための電子輸送層50とが設けられている。
電源53から直流電圧を陽極46と陰極52の間に印加することによって、陽極46から正孔が正孔注入層47及び正孔輸送層48をそれぞれ通過して発光層49に注入される。一方、陰極52からは電子が電子注入層51及び電子輸送層50をそれぞれ通過して発光層49に注入される。注入された正孔と電子は、発光層49で再結合して不安定な高いエネルギー状態である励起状態となり、その後すぐに元の安定した低いエネルギー状態である基底状態に戻り、そのときに発光層49でエネルギーが放出されて発光する。
以上のように役割を分担した構造を用いることによって、有機ELディスプレイはより効率的に発光するようになった。
層構成は図26(a)、26(b)に示したものだけでなく、2層から4層構造のものもあり、発光層及び電極の特性に合わせて、使用する正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を自在に組み合わせることができる。更に、有機材料は、正孔注入層と正孔輸送層の両者の機能を持ち合わせた材料もあり、多様に選択できる。
有機ELディスプレイは、図示したように陽極41、46と陰極43、52との間に有機化合物の蛍光体である発光層42、49を挟み込む構造であり、この挟まれた発光層42、49が発光する。
図27は、従来の有機ELディスプレイを具体的に示した図である。ガラス基板54の上には、シリコン酸化膜55及び薄膜トランジスタ(TFT)59が形成されている。シリコン酸化膜55は、ガラス基板54から金属イオンが陽極56に移動していかないようにする機能を有し、TFT59は画素の発光をオン/オフする機能を有している。シリコン酸化膜55の上には陽極56が形成され、その上に有機膜発光層57が形成されている。有機膜発光層57は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層及び電子輸送層の組み合わせからなる。
そして、有機膜発光層57の上に陰極58が形成されている。陰極58は、アルミニウムなどの金属を用いる。ここで示した従来例は、有機膜発光層57から出力される光が、TFT59を備えるガラス基板54側から取り出される下面光取り出し構造である。
なお、発光効率を上げるために陰極58側から光を取り出すときには、陰極58に透明なITOを使用する。これを上面光取り出し構造と呼ぶ。
実際にディスプレイに映像を表示するにあたり、多くの画素駆動法が開発されている。最も一般的な方法は、階調駆動を実現するため画素内にアナログメモリ、及び電圧−電流変換回路を搭載し、アナログメモリの電圧に対応して有機EL素子の駆動電流を制御する方法である。この階調駆動方法による表示パネルの一例を図28に示す。
図28は、後述する有機ELとアクティブ素子で構成される画素67を駆動するための表示パネルドライバの一例の構成図を示す。表示パネルには、二次元マトリクス状に複数の画素67が配置されている。
表示パネルには、水平方向の画素を駆動するために、水平ドライバ68が備えられている。電源回路69はすべての画素67に電源電圧を供給する。垂直方向に並んだ画素67を駆動するためには垂直ドライバ70が備えられている。例えば、最上段の表示ラインを走査したい場合、垂直ドライバ70に接続されている水平方向の表示ラインのうち、最上段の表示ラインに供給する電圧を、垂直ドライバ70内に設けているゲートドライバ65(図29に図示)によって各画素67をそれぞれオンさせる。また、これと同時に、垂直ドライバ70は、最上段の表示ライン以外の表示ライン上の各画素67のゲートドライバ65がオフとなるとなるような電圧を、最上段の表示ライン以外の表示ラインへ出力する。
このとき、水平ドライバ68から1走査ライン(表示ライン)の映像信号に対応する電圧を出力し、最上段の表示ラインの各画素67のコンデンサ62にデータ電圧を加える。こうすることでコンデンサ62の両端には電源電圧とデータ電圧が印加され、この電位差を保持するのに十分な電荷が蓄えられる。すなわち、コンデンサ62には表示データが書き込まれ、記憶される。その後、垂直ドライバ70をオフにすれば、最上段の表示ラインの各画素67のコンデンサ62に記憶されたデータに基づき有機ELが発光し、1走査ラインの映像が表示されることとなる。続けて同様に、垂直ドライバ70を上から下方向に順番に各表示ライン単位で駆動すると共に、これに同期して水平ドライバ68から1ライン毎に映像データを出力することにより、表示パネル内の全画素67を走査できることとなる。
図29に各画素67の回路図を示す。有機EL60は、図27の有機膜発光層57に相当する。有機EL60の発光輝度を決めるデータはデータ入力端子64から入力される。ここでゲートドライバ65にTFT61がオンするように、TFT61のゲートに電圧が加えられると、端子64に入力されたデータは、TFT61のソースとドレインを通してコンデンサ62とTFT63のゲートにそれぞれ印加される。この電位に基づいて、TFT63のソースとドレイン間を通して有機EL60に供給される電流が制御される。
その後、TFT61をオフにすると、電源66とデータ入力端子64の間の電位差がコンデンサ62に記憶される。有機EL60は、電流発光デバイスであるために、加えられた電流に比例した明るさで発光する。よって、有機EL60が発光する明るさは、端子64を介して入力されるデータの電位に依存し、このデータから表示装置に出力する映像の階調を表現できる。
図27で従来の表示装置の画素構造を示し、図29でこの画素を階調駆動方法で駆動するための回路を示したが、駆動方法は他にも様々なものが考えられている。例えば、パルス幅変調(PWM)信号にて1フレーム内の発光期間をアナログ変調するクランプド・インバータ(CLAMPED INVERTER)法がある。この方法は、アクティブ素子であるTFTにおける素子特性である閾値のばらつきを補償でき、TFTの数も少ないので回路構成も簡単である。また、無発光期間があるために歯切れのある動画表示が可能である(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
デジタル表示駆動方法では、有機EL素子は画素のスイッチトランジスタにより点灯もしくは非点灯状態のいずれかの状態となるよう制御される。この方式の一つとして、画像を時間軸方向に複数のサブフレームに分割し、サブフレームの輝度重み付けの合計で階調を表す方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、画素を表示装置の表示面内で複数の副画素に分割し、その画素の発光個数で階調を表現する面積分割法がある(例えば、特許文献3参照)。更に、同様な副画素を用いる方式として、第1の副画素を、中間調を含む多階調を表示するようにアナログ駆動制御し、第2の副画素を、明表示または暗表示の2値表示を行うように駆動制御する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、垂直方向に複数の発光色を有する発光部を積層して構成する表示装置も提案されている(例えば、特許文献5または6参照)。
An Innovative Pixel-Driving Scheme for 64-Level Gray Scale Full-Color Active Matrix OLED Displays、SID2002、32.2 特開2003−122301号公報 特開平10−214060号公報 特開平11−073159号公報 特開2003−280593号公報 特開2000−133449号公報 特開2002−313571号公報
図29に示した回路図を用いて階調駆動方法により各画素67を駆動する従来の表示装置は、階調駆動を実現するため画素67内にアナログメモリ及び電圧−電流変換回路を搭載し、アナログメモリの電圧に対応して有機EL素子の駆動電流を制御するものである。しかし、アクティブ素子であるTFT59の素子特性が画素毎に大きなばらつきを持つため、有機発光層に流れる電流量にばらつきが発生する。そのため画素毎に発光輝度のばらつきが大きくなり、結果として表示装置の表示輝度が不均一となり、画質の向上は困難であった。
これを改良した非特許文献1記載のクランプド・インバータ法による従来の表示装置は、TFTのばらつきを無くすのに有効なドライブ方法を採用して動作する装置である。TFTをオン/オフのみで制御し、発光期間をアナログパルス幅で制御する(PWM)ことによって階調を表現するアナログ発光期間変調方式により動作するため、TFTのばらつきの影響を少なくできる。しかし、この駆動方法による従来の表示装置は、発光輝度に応じた電流量が、1つの発光層にすべて流れるので負担が大きく、長寿命化という点で不利である。しかも、階調毎に発光と非発光の期間があるため、フリッカなどの問題が発生することが予見できる。
また、特許文献2記載のサブフレーム法を用いるデジタル駆動法による従来の表示装置においては、表示輝度のばらつきを無くすために画素の有機EL素子をオン/オフの2値駆動する。また、階調駆動を得るために1フレーム時間を複数のサブフレーム期間に分割し、サブフレーム期間毎に全ての画素を走査し、各階調のビット構成の2値表示データを画素に書き込み、表示期間に階調毎に所定の輝度で所定の時間点灯させている。しかし、このサブフレーム法を用いるデジタル駆動法による従来の表示装置においては、TFTのばらつきを無くすという効果があるが、同時に動画疑似輪郭等の妨害が発生するという問題がある。
更に、特許文献3記載の面積分割法による従来の表示装置においては、一画素を構成するために複数の副画素が必要であり、今後予想される、パネルの高解像度化の流れに適していない。
また、特許文献4、特許文献5に記載されている発光部を複数積層した構造の表示装置においても、各色をアナログ駆動する場合には、有機発光層に流れる電流量のばらつきによる問題が上記と同様に発生する。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、表示装置の表示面内における画素毎の輝度のばらつきを大幅に低減し、高精度の階調表示ができると共に、電力損失を低減し、かつ、長寿命のカラー表示が可能な表示装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本発明は、次の(a)〜(c)の表示装置を提供するものである。
(a)発光層(3,6,9)を複数積層した発光層群(36B)を有し、第一の光を発光する第一の発光素子と、前記第一の発光素子上に形成され、発光層を複数積層した発光層群(36G)を有し、第二の光を発光する第二の発光素子と、前記第二の発光素子上に形成され、発光層を複数積層した発光層群(36R)を有し、第三の光を発光する第三の発光素子と、前記第一から第三の発光素子の発光層を発光又は非発光とするよう駆動する第1の駆動部(16a〜16c)と、前記第1の駆動部を介して前記第一から第三の発光素子に電流を流す電源(38)と、前記電流を流す時間長と電流値とを組み合わせて設定する複数種類の輝度の重み付けを設定し、前記第一の発光素子から第三の発光素子における各発光層に対して前記輝度の重み付けをフレームまたはフィールド単位で切り替えて設定し、複数フレームまたは複数フィールドの期間で前記複数種類の輝度の重み付けが前記各発光層に設定されるよう前記複数種類の輝度の重み付けを一巡させて前記各発光層を発光させることにより発光輝度の階調を表現するよう駆動する第2の駆動部(37,39)とを備えることを特徴とする表示装置。
(b)前記第2の駆動部は、前記発光層群を構成する複数の発光層の総数がnであるとき、n以下の自然数であるm種類の前記輝度の重み付けを設定し、nフレームまたはnフィールドの期間で前記m種類の輝度の重み付けを前記各発光層に設定することを特徴とする(a)記載の表示装置。
(c)前記発光層群は、陽極、発光層、陰極を備える単位素子を複数積層して形成されることを特徴とする(b)記載の表示装置。

発光素子をデジタル駆動して輝度の重み付け合計で1ドットの階調表現を行うことにより、第1の駆動部の閾値のばらつきの影響がない状態で発光素子を駆動できる。そのため、表示装置における輝度むらを無くすことができ、また、電力損失を低減できる。
また、発光輝度に応じた電流量が、1つの発光層にすべて流れることがないため、各発光層の負担を分散でき、従来と比較してより長寿命な表示装置を実現することができる。
さらに、各発光色(三原色)の発光層群を垂直方向に積層することにより構成しているので、各発光色を表示面に対して水平に並べる構成と比較して、画素構成の高精細化を図ることができる。また、材料の特性上の問題により、各発光色で発光輝度が異なっていても、発光色毎に発光層の積層数を異ならせることで発光輝度の各階調を調整することができる。
≪第一実施形態≫
図1に、本発明の第一実施形態の表示装置における画素の模式図を示す。表示装置は例えば有機ELディスプレイである。第一実施形態では表示装置にてカラー表示を行う際の画素についての具体的な構成を詳述する。ガラス基板1は表示装置の表示面である。ここではガラス基板1としたが、有機膜の層を形成できるものであるならば、プラスチック基板であってもよい。
ガラス基板1の上に発光層群36B,36G,36Rがそれぞれ積層され、画素36を構成している。発光層群36Bは青の発光色を有する発光層群であり、発光層群36Gは緑の発光色を有する発光層群であり、発光層群36Rは赤の発光色を有する発光層群である。
ここで、発光層群36Bについて説明する。なお発光層群36B,36G,36Rは同様の層構成となっているため、発光層群36R,36Gの具体的構成の図示及び説明は省略する。
ガラス基板1の上に陽極2が形成されている。この陽極2としては、例えば透明電極であるITOなどが使用される。
陽極2の上には有機膜発光層3が形成されている。有機膜発光層3は正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、そして有機化合物からなる蛍光体である発光層との組み合わせで構成される。この組み合わせは、有機ELの特性によって適切に選択される。
有機膜発光層3の上には陰極4が形成されている。陰極4として透明電極であるITOを使用する場合は、そのままでは陰極として動作しないため、ITOと有機膜発光層3との間に陰極用のリチウムなどを薄く挿入する必要がある。
電源13が、陽極2と陰極4との間に直流電圧を印加するために接続される。陽極2と陰極4との間に挟まれた有機膜発光層3の発光原理は従来例と同じである。
陰極4の上にはシリコン酸化膜11と陽極5が順次積層形成されている。シリコン酸化膜11は陽極5と陰極4を絶縁する効果を持っている。
陽極5の上には上記同様に有機膜発光層6、陰極7、シリコン酸化膜12、陽極8、有機膜発光層9、そして陰極10が順次積層形成されている。
電源14、15がそれぞれ、陽極5と陰極7との間、陽極8と陰極10との間に直流電圧を印加するため接続されている。これにより、有機膜発光層6、9には電源14、15によって印加される直流電圧に応じた電流が供給される。
それぞれの有機膜発光層3、6、9はそこに流れる電流値に比例した輝度で発光し、光はガラス基板1側から取り出される。なお、この構造は、有機ELだけでなく無機ELでも実現可能であり、アクティブ駆動だけでなくパッシブ駆動の表示装置でも実現可能である。
有機膜発光層3、6、9は、デジタル駆動すなわち、電源のオン/オフの2値により点灯と消灯(発光または非発光)との間で切り替えられる。有機膜発光層3、6、9はそれぞれ所定の輝度で発光する材料を選択して形成する。
図2に、本実施形態における画素の具体的な構造を示す。図2において、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図2では、1画素を構成する各色(例えば赤、緑、青など)のうちの1色である青色の発光色を有する発光層群36Bを示している。
ここで、ガラス基板1上には、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(TFT)16a、16b、16cが形成され、それぞれ陽極2、5、8に接続されている。TFT16a〜16cは有機膜発光層3、6、9を駆動制御可能なものであるならば、p−Si(低温ポリシリコン)、a−Si(アモルファスシリコン)など、どのようなアクティブ素子で作成されていてもよい。
TFT16a〜16cは、有機膜発光層3、6、9に印加される電源をオン/オフする回路機能を持ち、電源をオン/オフすることで上記したように、有機膜発光層3、6、9を発光または非発光とするよう駆動する。また、ガラス基板1と陽極2との間に形成されたシリコン酸化膜17は、ガラス基板1から金属イオンが陽極2に移動していかないようにする膜である。陰極4、陰極7、陰極10は共通電極である。
なお、本実施形態ではガラス基板1にTFT16a〜16cが備えられ、ガラス基板1側から光を取り出す下面光取り出し構造としたが、陰極10側から光を取り出す上面光取り出し構造としてもよい。
ここでTFTは、後述する図6にて説明するように1つの有機膜発光層に対して複数個接続されていることがある。ここでは便宜上、TFT16a〜16cのように一つで示した。本実施形態では、TFT16a〜16cを素子駆動部(第1の駆動部)と呼ぶこととする。
陽極2と有機膜発光層3と陰極4と素子駆動部16cとは単位素子を形成している。同様に、陽極5と有機膜発光層6と陰極7と素子駆動部16bとが単位素子であり、陽極8と有機膜発光層9と陰極10と素子駆動部16aとが単位素子である。図2に示す有機ELディスプレイは、表示装置の表示面に対して垂直方向に3個の発光層が積層された3層構造の発光層群を有する発光素子である。この発光素子で1色の光を発光する。
図3(a)は、図1及び図2に示した発光層群36Bが有機膜発光層3、6、9を有する3層構造の場合の輝度の重み付けを表す。輝度重み付けとは、それぞれの有機膜発光層の発光輝度を、ある値を基準として相対的に数値化したものである。ここで有機膜発光層3を第1層、有機膜発光層6を第2層、有機膜発光層9を第3層とし、第1層の輝度を「1」とした場合、第2層が輝度「2」、第3層が輝度「4」となるように有機膜発光層3、6、9の材料、構成を選択する。
ここで、各有機膜発光層3、6、9の輝度は電源電圧をオンとした際の発光輝度を表し、各有機膜発光層3、6、9は電源電圧のオン/オフでデジタル駆動される。
図3(b)は、先に述べた発光層群の第2層と第3層に更に1つずつ単位素子を設けることでそれぞれを2層に分割し、有機膜発光層を5層構造とした場合に、図3(a)と同じ階調数を実現する場合の一例を示す。この5つの有機膜発光層を光が取り出される側に近い方から順に、第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層とし、第1層の輝度を「1」とした場合、第2層は輝度「1」、第3層は輝度「1」、第4層は輝度「2」、第5層は輝度「2」となる。
図3(c)は、先に述べたように有機膜発光層を5層構造とした場合に、第1層の輝度は「1」、第2層は「2」、第3層は「4」、第4層は「8」、第5層は「16」とする構成である。
本実施形態では、発光層群36R,36G,36Bを全て同じ構成として説明するが、発光層群36R,36G,36B毎に有機膜発光層の積層数を異ならせて構成することもできる。有機膜発光層の材料特性により所定の色の発光層の輝度が他の色より低い場合などに、図3(a)、3(b)のように有機膜発光層の積層数を各色で調整して同じ階調数を実現できるよう構成すればよい。
更に、輝度の重み付けも各発光層群で異ならせても良い。有機膜発光層の輝度重み付けは、図3(a)〜3(c)に示すように2のn乗の輝度重み付けにすることが有機膜発光層を少なく形成できるので望ましいが、この限りではない。また、層毎の輝度の重み付けは、図3(a)〜3(c)で示したような光が取り出される側に近い層から昇順とする必要は無く、降順としても、また任意に並べ替えてもよい。なお、この輝度重み付け方法は、有機ELだけでなく無機ELでも勿論実現可能であり、アクティブ駆動だけでなくパッシブ駆動の表示装置でも実現可能である。
図4に、本発明の第一実施形態の表示装置における画素の階調表現の一例を示す。この例は、図3(a)に示した有機膜発光層が3層構造の場合の輝度重み付けの階調表現であり、有機膜発光層が3層であるために、2の3乗、つまり8階調の表現が可能となる。図4において、横軸は有機膜発光層が何層目かを示し、縦軸が表示装置に表示される階調を示す。また、黒丸はその選択された層が点灯することを意味し、黒丸が無い層は発光しない。
例えば、階調「0」では、第1層と第2層と第3層はすべて発光しない。このため、黒となる。階調「1」では、第1層のみ点灯し、この輝度重み付けが「1」であるために階調「1」を表す。階調「2」では、第2層のみが点灯し、この輝度重み付けが「2」であるために階調「2」を表す。階調「3」では、第1層と第2層が共に点灯し、それぞれの輝度重み付けが「1」、「2」であり、この合計「3」が階調となる。階調「4」では、第3層のみ点灯し、この輝度重み付けが「4」であるので階調「4」を表す。
階調「5」では、第1層と第3層が共に発光し、それぞれの輝度重み付けが「1」と「4」であるのでこの合計「5」が階調となる。階調「6」では、第2層と第3層が共に発光し、それぞれの輝度重み付けが「2」と「4」であるので、この合計「6」が階調となる。階調「7」では、第1層と第2層と第3層のすべてが点灯し、この輝度重み付け「1」、「2」、「4」の合計「7」が階調となる。
図5に、本発明の第一実施形態の表示装置の表示パネルのドライバ構成図を示す。図5において、一つの画素36はそれぞれ有機膜発光層を3層有する発光層群36R,36G,36Bより構成され、それぞれの発光層群は図6で後述する画素回路に相当する。
表示パネルには、二次元マトリクス状に配置された複数の画素36にデータを送るための水平ドライバ37、画素を駆動するための電源回路38と、垂直方向のラインを選択する垂直ドライバ39が備えられている。なおここで、水平ドライバ37と垂直ドライバ39とを第2の駆動部とする。
複数の画素36は、垂直方向に並んだ行Yと水平方向に並んだ列Xとからなる二次元マトリクス状に配置されている。図5では一例としてY1〜Y4の4行で、X1〜X6の6列の表示パネルを示している。実際の表示パネルは図5に示すものよりも多くの行列を有しているが、ここでは便宜上このように示した。
第一実施形態では、水平ドライバ37にはデータドライバ371〜376が、電源回路38には電源部381〜386が、垂直ドライバ39にはゲートドライバ391〜394がそれぞれ組み込まれている。
例えば、図5に示す表示パネルの最上段であるY1行の表示ラインを走査したい場合、垂直ドライバ39のゲートドライバ391がY1行の各画素36をオンさせる。その他の表示ラインY2行〜Y4行は、ゲートドライバ392〜394がオフさせる。このとき水平ドライバ37から映像データの1ライン分のデータを出力し、各画素36に供給する。
次に、ゲートドライバ391がY1行の各画素36をオフさせることにより、Y1行の1ラインの映像が表示されることになる。続けて同様に、垂直ドライバ39をY2行のゲートドライバ392からY4行のゲートドライバ394まで順番に駆動し、水平ドライバ37から1ライン毎に映像データを出力することにより、すべての表示パネル内の画素36を走査できることとなる。
図6は第一実施形態の画素36を構成する各発光層群36R,36G,36Bを駆動するための回路図を示す。ここでは発光層群36Bについて示すが、発光層群36R,36Gについても同様の回路を用いるため、具体的構成の図示及び説明は省略する。図6において、有機EL発光層18、19、20は、図1及び図2に示した有機膜発光層3、6、9に相当する。
有機EL発光層18〜20の各一端(図ではアノード)は、駆動用TFT24〜26の各ソース、ドレインを介して電源部381を構成する電源30〜32に接続されている。また、TFT24〜26の各ゲートは、ゲートトランジスタとしてのTFT27〜29の各ソースに接続される一方、コンデンサ21〜23を介して電源30〜32に接続されている。
電源部381の電源30、31及び32は、図1に示した電源13、14及び15に相当する。電源30〜32は、個別の電源でも共通の電源であってもよく、有機EL発光層18〜20を所定の輝度重み付けで所定の輝度で発光させるように設定する。更に、TFT27〜29の各ドレインは、データドライバ371内のデータ保持部350〜352に接続され、各ゲートはゲートドライバ391に共通接続されている。
ここでは、データドライバ371、電源部381、ゲートドライバ391について示したが、図6に示すように、データドライバ372〜376、電源部382〜386、ゲートドライバ392〜394も同様の構成である。データドライバ371〜376、電源部381〜386、ゲートドライバ391〜394は表示パネルの各行Y、各列Xの画素36を駆動する。
次に、この駆動回路の動作について説明する。図6において、まず、発光層群36Bに表示する所定階調のデータ33(3ビット)がデータドライバ371に入力される。データ33は、デジタルのシリアルデータ又はパラレルデータであることが望ましい。
先に述べたように、画素36は発光層群36R,36G,36Bを備える。従って各発光層群36R,36G,36Bにそれぞれ3ビットのデータ33が送られるため、画素36に送られるデータ33は図5に示すように9ビットとなる。
データドライバ371に入力されたデータ33は、有機EL発光層18、19、20のうち表示装置に表示する階調に対応した有機EL発光層を発光させるために使用される。
データ33の各ビット(1または0)がデータ保持部350〜352に保持され、ゲートドライバ391は、ゲートトランジスタ27〜29のゲートに所定の第1の電位を印加してこれらをオン状態にする。データドライバ371から出力されるデータが、ゲートトランジスタ27〜29の各ドレイン、ソースを通して、コンデンサ21〜23に送られる。これにより、コンデンサ21〜23の両端には電源とデータ電圧が印加され、その電位差を保持するのに十分な電荷がコンデンサ21〜23に蓄えられる。すなわち、データドライバ371から出力される表示データが、データ保持のためのコンデンサ21〜23に書き込まれ、記憶される。続いてゲートドライバ391は、ゲートトランジスタ27〜29のゲートに所定の第2の電位を印加してこれらをオフ状態にする。ゲートトランジスタ27〜29をオフにすると、コンデンサ21〜23に蓄えられた電荷が保持される。コンデンサ21〜23に保持される電荷は、電源30〜32とデータドライバ371の出力電圧との電位差である。
第一実施形態の画素36において、各発光層群36R,36G,36Bを構成する有機EL発光層18、19、20(有機膜発光層3、6、9)の輝度の重み付けは図3(a)にて説明したように設定される。
例えば表示装置に階調「5」の映像を表示する場合を説明する。図4より、階調「5」では第1層と第3層の有機EL発光層18と20を点灯させる必要がある。入力されたデータ33は、データドライバ371で対応する有機EL発光層の信号線に繋がるデータ列に変換されるが、この場合、データ保持部350と352に有機EL発光層18と20とを発光させるデータが保持される。
このときコンデンサ21には、TFT24をオンする電圧が印加され、コンデンサ23にも、TFT26をオンする電圧が印加されているため、TFT24と26がそれぞれオン状態とされる。一方、コンデンサ22には、TFT25を駆動する電圧が印加されていないため、TFT25はオフ状態である。
従って、TFT24と26がオン状態なので、電源30、32から電流がTFT24、26の各ドレイン、ソースを通して有機EL発光層18、20に供給され、有機EL発光層18、20が発光する。このとき有機EL発光層18と20の輝度の重み付けは「1」と「4」であるので、この合計である階調「5」が表示装置に映し出される。
以上で述べた輝度の重み付けは、それぞれの有機EL発光層18、19、20を発光輝度の異なる材料で形成し、有機EL発光層に流れる電流及びその流れる時間を同じにして実現してもよいし、発光輝度の同じ材料で形成し、流れる電流及びその流れる時間を異ならせて実現してもよい。
ここで、各有機膜発光層は同一の材料で形成し、各有機膜発光層に与える電流値及び電流を与える時間を異ならせることで所定の輝度での発光を実現させる方法について述べる。輝度の重み付けは図3(a)に従う。なお、有機EL発光層18〜20へ流れる電流値iと電流を流す時間長tとを掛け合わせたものが、それぞれの層の輝度重み付けとなる。設定された電流値iは、電源回路38内の電源部381で供給される。また、それぞれの時間長tを示す時間長データは水平ドライバ371に設定される。
例えば、有機EL発光層18〜20に対して、図3(a)に示した「1」、「2」、「4」の3種類の輝度重み付けを設定するため、電流値iと時間長tとの組み合わせを複数種類設定する方法がある。
また、電流値iや時間長tを発光層毎に異なるよう設定しながらも、所定時間内で平均化した場合に各発光層間の電流値や発光時間長を均等にさせる方法について説明する。
図7(a)、7(b)、7(c)はフレーム毎(インターレース駆動時にはフィールド毎)の階調表現方法を説明するためのテーブルを示す。図7(a)〜7(c)共に、第1層〜第3層である各有機EL発光層(発光層)18〜20において、フレーム毎で変化するように設定した電流値iや時間長tの関係を示す。また、いずれも1フレーム内で全ての発光層が発光した場合の合計輝度は等しい。
図7(a)は、各有機EL発光層へ異なる電流値iで電流を流すよう設定し、1フレーム毎に切り替えて輝度の重み付けをするテーブルを示す。図7(a)のテーブルに基づいて、電流値iは切り替えられる。各有機EL発光層に供給する電流の電流値iをフレーム毎に切り替えることで、各有機EL発光層に対する輝度の重み付けをフレーム毎に切り替える。第4フレーム以降は設定された第1フレームから第3フレームまでの各層の電流値iを順次繰り返す。
すなわち、3フレームで各層の電流値が一巡するように設定する。従って、3種類の輝度の重み付けを設定した。
更に、全てのフレームで全ての有機EL発光層が発光した場合、各有機EL発光層における合計輝度は3フレーム単位でいずれも同じ値である。このように設定することで、各有機EL発光層に流れる電流値の総量が平均化され、各有機EL発光層の寿命が均一化される効果がある。
図7(b)は、各発光層(第1層〜第3層)へ異なった時間長tで同じ電流値iの電流を流すよう設定し、1フレーム毎に切り替えて輝度の重み付けをするテーブルを示す。図7(b)のテーブルに基づいて、時間長tは切り替えられる。各発光層に電流を供給する時間長tをフレーム毎に切り替えることで、各発光層に対する輝度の重み付けをフレーム毎に切り替える。第4フレーム以降は、設定された第1フレームから第3フレームまでの各層の時間長tを順次繰り返す。
すなわち、3フレームで各発光層へ流す電流の時間長tが一巡するように設定していく。ここでは3種類の輝度の重み付けを設定した。
このように設定することで、各発光層に流れる電流値の総時間量が平均化され、各発光層の寿命が均一化される効果がある。各発光層は時分割(PWM)の発光をするようになっており、よりきめ細かな階調表現ができる。
図7(c)は、各発光層へそれぞれ異なった電流値iで、かつ、それぞれ異なった時間長tの電流を流すよう設定し、1フレーム毎に切り替えて輝度の重み付けをするテーブルを示す。図7(c)に示すように各発光層において第1フレームから第3フレームの間に輝度重み付けが「1」、「2」、「4」となる電流値iと時間長tの組み合わせが一巡し、各フレームの合計輝度は常に「7」であるよう設定する。第4フレーム以降も同様に設定するが、一巡する組み合わせの順序は図7(c)に示すように3フレーム毎に変えてもよいし、同じとしてもよい。
ここでは3種類の時間長tと電流値iの組み合わせを設定して、3種類の輝度の重み付けを設定した。
このように設定することで、各発光層に流れる電流値iと時間長tの総量が平均化され、各発光層毎の寿命が均一化される効果がある。各発光層は時分割(PWM)の発光をするようになっており、よりきめ細かな階調表現ができる。
図7(a)〜7(c)では、有機膜発光層が3層の場合の輝度重み付けの一例を示したが、これに限定されることはなく、更に多層化された場合でも適用可能である。その場合には、発光層の層数をn層としたとき、それぞれの層に対する輝度の重み付けをフレーム毎に切り替え、m種類(mはn以下の自然数)の電流値iと時間長tの組み合わせがnフレームで一巡するように設定する。更に、上記したように各フレームにおいて全ての発光層が発光した場合の合計輝度は、いずれも同じ値となるように設定する。また、全てのフレームで全ての発光層が発光した場合、各発光層における合計輝度はnフレーム単位でいずれも同じ値となるように設定する。
また、図7(a)〜7(c)では、各有機発光層毎に全て異なった電流値iや時間長tを設定したが、これに限定することはない。例えば、第1層〜第3層の電流値iや時間長tを「1」,「1」,「1」のように同じ電流値iや時間長tとしてもよいし、「1」,「2」,「2」のように部分的に同じ電流値iや時間長tとしてもよい。
なお本実施形態では、第1層から第3層、あるいは、第1層から第5層の有機膜発光層を同じ材料で構成するとしたが、これに限定されることはない。有機膜発光層の材料が異なっていても、上記のようにそれぞれの有機膜発光層に対して、電流値iや電流を流す時間長tを異ならせることにより、トータルとしての輝度を図3(a)の場合、第1層が「1」、第2層が「2」、第3層が「4」となるように構成し、図3(c)の場合、第1層が「1」、第2層が「2」、第3層が「4」、第4層が「8」、第5層が「16」となるように構成していればよい。
第一実施形態の画素36の駆動において、駆動用TFT24〜26はオン/オフのみの動作となる。そのため回路構成は図6に示すように駆動用TFT24〜26をオン/オフするためのデータを蓄えるコンデンサ21〜23と、それを保持するためのゲートトランジスタ27〜29というとても簡単な回路構成で済む。
また、駆動用TFT24〜26の動作はオン/オフのみとなるために、従来の有機EL表示装置で問題であった、アクティブ素子であるTFTの素子特性による閾値ばらつきの影響の無い飽和領域で動作させることができる。このため、表示パネル内における表示輝度むら、および階調ずれ等の問題を限りなく少なくできる。更に、飽和領域での動作はTFTによる電力損が少ないため、従来例と比較すると低消費電力である。
更に、第一実施形態において有機ELに供給される電流は複数の発光層に分散される。有機ELの寿命は電流値の2乗に逆比例するといわれている。電流が複数の層に分散されることによって、一層あたりの電流量を少なくすることができるため、従来の回路構成と比較して長寿命となる。
≪第二実施形態≫
次に、本発明の第二実施形態の表示装置における画素236について詳述する。図8は、本実施形態の表示装置におけるカラー表示を実現するための画素236の構成を示す図である。表示装置は例えば有機ELディスプレイである。画素236はサブ画素236a〜236cを有する。
各サブ画素236a〜236cは、赤(R)緑(G)青(B)のカラー有機膜発光層で構成された各発光部に対して、白色有機膜発光層(W)で構成された発光部を積層した構成である。白色有機膜発光層はアナログ駆動でもデジタル駆動でもよいが、本実施形態では好適な実施例としてカラー有機膜発光層をデジタル駆動部Ddig(図12に図示)でデジタル駆動し、白色有機膜発光層をアナログ駆動部Dana(図12に図示)でアナログ駆動させたものを説明する。ここでは、デジタル駆動部Ddigはデータドライバ271、ゲートトランジスタ252〜254、コンデンサ256〜258、TFT244〜246及びゲートドライバ291であり、アナログ駆動部Danaは、TFT247、ゲートトランジスタ255、コンデンサ259、及びゲートドライバ291である。なお、白色有機膜発光層をデジタル駆動させる際は、以下で詳述するカラー有機膜発光層のデジタル駆動と同様に行う。
なお図8では、カラー化の構造と手法を簡単に説明するために、電源、陽極、陰極等は省略してある。また、各色の有機膜発光層の厚みを輝度の重み付けに応じて異なるように示しているが、重み付けする方法は有機膜発光層の厚みを変えることに限らない。有機膜発光層の積層構成を異ならせたり、有機膜発光層を形成する材料を異ならせたり、有機膜発光層に流す電流量を変えることで輝度の重み付けが実現されてもよい。
赤色有機膜発光層301、赤色有機膜発光層302、赤色有機膜発光層303、白色有機膜発光層304は、基板300上に順次積層されて表示装置面内の第1サブ画素236a(1ドット)を構成する。
赤色有機膜発光層301をデジタル駆動で発光させた(オン)場合の輝度を相対的な基準値とし、1Rと設定した。赤色有機膜発光層302は、赤色有機膜発光層301の2倍の輝度で発光するようにし、2Rで表す。同様に、赤色有機膜発光層303は、赤色有機膜発光層301の4倍の輝度で発光するようにし、4Rで表す。赤色有機膜発光層301〜303を赤色発光部とする。
白色有機膜発光層304は、アナログ駆動される発光部である。この4層の輝度の合計が基板300から出力されるとともに、デジタル駆動される有機膜発光層(デジタル層)とアナログ駆動される有機膜発光層(アナログ層)の輝度の比率で、再現される色が決定される。
緑色有機膜発光層305、緑色有機膜発光層306、緑色有機膜発光層307、白色有機膜発光層308は、基板300上に順次積層されて表示装置面内の第2サブ画素236bを構成する。
緑色有機膜発光層305をデジタル駆動で発光させた場合の輝度を相対的な基準値として、1Gと設定した。緑色有機膜発光層306は、緑色有機膜発光層305の2倍の輝度で発光するようにし、2Gで表す。同様に、緑色有機膜発光層307は、緑色有機膜発光層305の4倍の輝度で発光するようにし、4Gで表す。緑色有機膜発光層305〜307を緑色発光部とする。
白色有機膜発光層308は、アナログ駆動される発光部である。この4層の輝度の合計が基板300から出力されるとともに、デジタル層とアナログ層の輝度の比率で、再現される色が決定される。
青色有機膜発光層309、青色有機膜発光層310、青色有機膜発光層311、白色有機膜発光層312は、基板300上に順次積層されて表示装置面内の第3サブ画素236cを構成する。
青色有機膜発光層309をデジタル駆動で発光させた場合の輝度を相対的な基準値として設定し、1Bとした。青色有機膜発光層310は、青色有機膜発光層309の2倍の輝度で発光するようにし、2Bで表す。同様に、青色有機膜発光層311は、青色有機膜発光層309の4倍の輝度で発光するようにし4Bで表す。青色有機膜発光層309〜311を青色発光部とする。
白色有機膜発光層312は、アナログ駆動される発光部である。この4層の輝度の合計が基板300から出力されるとともに、デジタル層とアナログ層の輝度の比率で、再現される色が決定される。
本実施形態において白色発光部304、308、312は赤色発光部、緑色発光部、青色発光部に対してそれぞれ積層したが、赤色〜青色発光部のいずれか一つに対して積層してもよいし、一つの白色発光部を赤色〜青色発光部にまたがるように積層してもよい。
図9に、第二実施形態の表示装置における画素236を構成する第1サブ画素236aの層構成を示す。なお、サブ画素236a〜236cはいずれも同じ構成をしているため、サブ画素236b、236cについての図示及び説明は省略する。図9において、ガラス基板201は表示装置の表示面であり、図8の基板300に相当する。ここではガラス基板201としたが、有機膜の層を形成できるものであるならば、プラスチック基板であってもよい。このガラス基板201の上に陽極202が形成されている。陽極202としては、例えば透明電極であるITOなどが使用される。
陽極202の上には有機膜発光層203が形成されている。この有機膜発光層203は正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、そして有機化合物からなる蛍光体である発光層との組み合わせで構成される。この組み合わせは、有機ELの特性によって適切に選択される。
有機膜発光層203の上には、陰極204が形成されている。陰極204として透明電極であるITOを使用する場合は、そのままでは陰極として動作しないため、ITOと有機膜発光層203との間に陰極用のリチウムなどを薄く挿入する必要がある。
電源214が、陽極202と陰極204との間に直流電圧を印加するために接続されている。陽極202と陰極204との間に挟まれた有機膜発光層203の発光原理は従来例と同じである。
陰極204の上にはシリコン酸化膜215と陽極205が順次積層形成されている。シリコン酸化膜215は、陽極205と陰極204を絶縁する効果を持っている。
陽極205の上には上記同様に有機膜発光層206、陰極207、シリコン酸化膜217、陽極208、有機膜発光層209、陰極210、シリコン酸化膜219、陽極211、有機膜発光層212、そして陰極213が順次積層形成されている。本実施形態で用いた陰極213側から光を取り出さない下面光取り出し構造では、陰極213はアルミニウムなどの金属とする。
電源216、218、220がそれぞれ、陽極205と陰極207との間、陽極208と陰極210との間、及び陽極211と陰極213との間に直流電圧を印加するため接続されている。これにより、それぞれの有機膜発光層206、209、212には電源216、218、220によって印加される直流電圧に応じた電流が供給される。
それぞれの有機膜発光層203、206、209、212はそこに流れる電流値に比例した輝度で発光し、光はガラス基板201側から取り出される。なお、この構造は、有機ELだけでなく無機ELでも勿論実現可能であり、アクティブ駆動だけでなくパッシブ駆動の表示装置でも実現可能である。
ここで、有機膜発光層203、206、209は、電源のオン/オフの2値により発光と非発光(点灯と消灯)との間で切り替えられるデジタル駆動層である。有機膜発光層203、206、209は、それぞれのサブ画素236a〜236cで赤(R)、緑(G)、青(B)で発光する材料をひとつ選択して形成する。
これに対し、有機膜発光層212は、電源220から供給される電流量に比例して輝度が変化する材料を選択し、所定の輝度で発光させる。すなわち、有機膜発光層212は、電流の大きさを変化させる動作によって、輝度が変化するアナログ駆動層であり、中間調レベルの発光ができる。本実施形態では、デジタル駆動層とは異なる色、例えばW(白)で発光する材料を選択した。
従って第二実施形態の素子は、デジタル駆動層が3層、アナログ駆動層が1層の構造である。このようにデジタル駆動層とアナログ駆動層とを組み合わせることで、色再現範囲を拡大することが可能となり、更にはピーク輝度を大きく確保することができる。
図10に、第二実施形態の具体的な画素構造を示す。図10において、図9と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図10では、1画素を構成する各色(例えば赤、緑、青など)のうちの1ドット(第1サブ画素236a)を示している。
ガラス基板201上には、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(TFT)222a、222b、222c、222dが形成され、それぞれ陽極202、205、208、211に接続されている。TFT222a〜222dは有機膜発光層203、206、209、212を駆動制御可能なものであるならば、p−Si(低温ポリシリコン)、a−Si(アモルファスシリコン)など、どのようなアクティブ素子で作成されていてもよい。
TFT222a〜222dは、有機膜発光層203、206、209、212に供給される電源をオン/オフする回路機能を持つ。また、ガラス基板201と陽極202との間に形成されたシリコン酸化膜221は、ガラス基板201から金属イオンが陽極202に移動していかないようにする膜である。陰極204、陰極207、陰極210、陰極213は共通電極である。
図10に示すサブ画素236aの下側であるガラス基板201側から光を取り出す場合、サブ画素236aの上側である陰極213側から光が漏れないようにするため、陰極213はアルミニウムなどの金属で形成される。これによって、有機膜発光層203、206、209、212からそれぞれ出射された光は上下に放射されるが、陰極213側に出射された光は陰極213で反射して下側に向かうため、ガラス基板201側からのみ取り出されることとなる。
なお、第二実施形態ではガラス基板201にTFT222a〜222dが備えられ、ガラス基板201側から光を取り出す下面光取り出し構造としたが、陰極213を透明電極で形成し、陽極202をアルミニウムなどの金属で形成して、陰極213側から光を取り出す上面光取り出し構造としてもよい。
ここでTFTは、後述する図12にて説明するように1つの有機膜発光層に対して複数個接続されていることがある。ここでは便宜上、TFT222a〜222dのように一つで示した。本実施形態では、TFT222a〜222dを素子駆動部(第1の駆動部)と呼ぶこととする。陽極と有機膜発光層と陰極と素子駆動部とは単位素子を形成する。
図9及び図10に示した第二実施形態の画素236を構成するサブ画素236aにおける有機膜発光層203、206、209の輝度重み付け方法は、既に図3(a)に説明した方法に従えばよい。有機膜発光層203を第1層、有機膜発光層206を第2層、有機膜発光層209を第3層とする。
図3(b)、3(c)は、デジタル駆動される有機膜発光層が5層構造の場合の例を示すので、図9及び図10に示した構造に更に2つの単位素子が設けられた5層構造を考える。5つの有機膜発光層のうち、光が取り出される側に近い方から順に第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層とする。
第二実施形態の表示装置における第1サブ画素236aの階調表現の一例は図4に示し、既に説明したとおりである。
図11は、本発明の第二実施形態の表示装置の表示パネルのドライバ構成図を示す。図11において、一つの画素236はそれぞれ有機膜発光層を4層有するサブ画素236a〜236cより構成され、それぞれのサブ画素は後述する図12の画素回路に相当する。第二実施形態の表示パネルには、二次元マトリクス状に配置された複数の画素236に、アナログデータ及び9ビットのデジタルデータを送るための水平ドライバ237と、画素を駆動するための電源回路238と、垂直方向のラインを選択する垂直ドライバ239とが備えられている。
複数の画素236は、垂直方向に並んだ行Yと水平方向に並んだ列Xとからなる二次元マトリクス状に配置されている。図11では一例としてY1〜Y4の4行で、X1〜X6の6列の表示パネルを示している。実際の表示パネルは図11に示すものよりも多くの行列を有しているが、ここでは便宜上このように示した。本実施形態では、水平ドライバ237にはデータドライバ271〜276が、電源回路238には電源部281〜286が、垂直ドライバ239にはゲートドライバ291〜294がそれぞれ組み込まれている。なおここで、水平ドライバ237及び垂直ドライバ239を第2の駆動部とする。
例えば、図11に示す表示パネルの最上段であるY1行の表示ラインを走査したい場合、垂直ドライバ239のゲートドライバ291(ゲート用TFT)がY1行の各画素236をオンさせる。その他の表示ラインY2行〜Y4行は、ゲートドライバ292〜294がオフさせる。このとき水平ドライバ237から映像データの1ライン分のデータ(デジタルデータとアナログデータからなる)を出力し、各画素236に供給する。
次に、ゲートドライバ291がY1行の各画素236をオフさせることにより、Y1行の1ラインの映像が表示されることになる。続けて同様に、垂直ドライバ239をY2行のゲートドライバ292からY4行のゲートドライバ294まで順番に駆動し、水平ドライバ237から1ライン毎に映像データを出力することにより、すべての表示パネル内の画素236を走査できることとなる。
図12は、本発明の第二実施形態の画素236を構成する第1サブ画素236aを駆動するための駆動回路の回路図を示す。ここでは第1サブ画素236aについて示すが、サブ画素236b、236cについても同様の回路を用いるため、具体的構成の図示及び説明は省略する。図12において、有機EL発光層240、241、242、243は、図9及び図10に示した有機膜発光層203、206、209、212にそれぞれ相当する。第1サブ画素236aは、デジタル層が3層で、アナログ層が1層の計4層構造を示し、デジタル層を構成するそれぞれの有機膜発光層の輝度重み付けは図3(a)と同様に「1」、「2」、「4」である。
有機EL発光層240〜243の各一端(図ではアノード)は、駆動用TFT244〜247の各ソース、ドレインを介して電源部281を構成する電源248〜251に接続されている。また、TFT244〜247の各ゲートは、TFT252〜255の各ソースに接続される一方、コンデンサ256〜259を介して電源248〜251に接続されている。
電源248〜251は、それぞれ図9に示した電源214、216、218及び220に相当する。電源248〜251は、個別の電源でも共通の電源であってもよく、有機EL発光層240〜243を所定の輝度の重み付けで所定の輝度で発光させるように設定する。更に、TFT252〜254の各ドレインは、データドライバ271内のデータ保持部2710〜2712に接続され、各ゲートはゲートドライバ291に共通接続されている。また、TFT247のゲートは、TFT255のソース、ドレインを介してアナログデータ231が印加される。
ここでは、データドライバ271、電源部281、ゲートドライバ291について示したが、図11に示すように、データドライバ272〜276、電源部282〜286、ゲートドライバ292〜294も同様の構成である。データドライバ271〜276、電源部281〜286、ゲートドライバ291〜294は表示パネルの各行Y、各列Xの画素236を駆動する。
図12では便宜上、ゲートトランジスタ252〜254とゲートトランジスタ255とに接続するゲートドライバ291(〜294)を別体の如く図示している。
次に、この駆動回路の動作について説明する。最初に、デジタル層である有機EL発光層240、241及び242を、オン/オフの2値により発光/非発光を行うようにデジタル駆動させる場合について説明する。
まず、サブ画素236aに表示される所定階調のデータ233(3ビット)がデータドライバ271に入力される。データ233は、デジタルのシリアルデータ又はパラレルデータであることが望ましい。先に述べたように、画素236はサブ画素236a〜236cから構成されている。従って各サブ画素236a〜236cにそれぞれ3ビットのデータ233が送られるため、画素236に送られるデータ233は図11に示すように9ビットとなる。
データドライバ271に入力されたデータ233は、有機EL発光層240〜242のうち表示装置に表示する階調に対応した有機EL発光層を発光させるために使用される。
データ233の各ビット(1または0)がデータ保持部2710〜2712に保持され、ゲートドライバ291は、ゲートトランジスタ252〜254のゲートに所定の第1の電位を印加してこれらをオン状態にする。データドライバ271から出力される表示データが、ゲートトランジスタ252〜254の各ドレイン、ソースを通して、データ保持のためのコンデンサ256〜258に書き込まれ、記憶される。
続いて、ゲートドライバ291は、ゲートトランジスタ252〜254のゲートに所定の第2の電位を印加してこれらをオフ状態にする。ゲートトランジスタ252〜254をオフにすると、コンデンサ256〜258に蓄えられたデータが保持される。コンデンサ256〜258に保持される電荷は、電源248〜250とデータドライバ271の出力電圧との電位差である。
第二実施形態の画素236において、各サブ画素236a〜236cを構成するデジタル駆動層である有機EL発光層240〜242(有機膜発光層203、206、209)の輝度の重み付けは図3(a)にて説明したように設定される。先に述べたように重み付けは、それぞれの有機EL発光層240〜242を発光輝度の異なる材料で形成し、有機EL発光層に流れる電流及びその流れる時間を同じにして実現してもよいし、発光輝度の同じ材料で形成し、流れる電流及びその流れる時間を異ならせて実現してもよい。
各有機膜発光層に与える電流値及び電流を与える時間を異ならせることで所定の輝度での発光を実現させる方法は、既に第一実施形態で説明した方法に従えばよい。
例えば表示装置に階調「5」の映像を表示する場合を例にとって説明する。図4より階調「5」では、第1層と第3層の有機EL発光層240と242を点灯させる必要がある。ここでは、有機EL発光層240を第1層、有機EL発光層241を第2層、有機EL発光層242を第3層とした。
入力されたデータ233は、データドライバ271で対応する発光層240〜242の信号線に繋がるデータ列に変換されるが、この場合、データ保持部2710と2712に有機EL発光層240と242が発光させるデータが保持される。
このときコンデンサ256には、TFT244をオンする電圧が印加され、コンデンサ258にも、TFT246をオンする電圧が印加されているため、TFT244と246がそれぞれオン状態とされる。一方、コンデンサ257には、TFT245を駆動する電圧が印加されていないため、TFT245はオフ状態である。
従って、TFT244と246がオン状態なので、電源248、250から電流がTFT244、246の各ドレイン、ソースを通して有機EL発光層240、242に供給され、有機EL発光層240、242が発光する。このとき有機EL発光層240と242の輝度の重み付けは「1」と「4」であるので、この合計である階調「5」が表示装置に映し出される。
次に、有機EL発光層243を用いて中間調レベルの発光を行うように、アナログ駆動させる場合を説明する。まず、画素236またはサブ画素236a〜236cに表示したい階調のアナログデータ231が入力される。アナログデータ231は、デジタルデータ233で表現できる最小発光輝度よりも小さいレベルの発光輝度に対応した階調のデータが用いられる。
ここで、表示装置に階調「0.3」を表示する場合を例にして考える。アナログデータ231が入力されると、ゲートドライバ291によりTFT255がオン状態とされるため、アナログデータ231はTFT255のドレイン、ソースを介して、データ保持のためのコンデンサ259に蓄えられる。続いて、ゲートドライバ291によりTFT255がオフ状態に制御されるため、コンデンサ259にアナログデータ231が保持される。
このとき、コンデンサ259に保持される電荷は、電源251とアナログデータ231との電位差であり、これは階調データ「0.3」に応じた電流量が駆動用TFT247に流れるような値である。コンデンサ259に保持された電荷により、駆動用TFT247が動作し、電源251から電流がTFT247のドレイン、ソースを介して有機EL発光層243に供給され、有機EL発光層243が発光する。このとき、階調「0.3」が表示装置に映し出される。
図13〜16は、図8の画素236を用いて、色信号を再現する方法について説明するための図である。これはxy色度図と呼ばれるもので、横軸にx、縦軸にyを示している。これに輝度信号であるYを含めて、任意の色FをF(x、y、Y)で表す。一般には、任意の色Fを表す場合、輝度Yを省略してF(x、y)で表すことが多い。自然界にあるすべての色は図13〜16に示すような馬蹄形の曲線CRUの中の座標で表現できる。
ここで、赤(R)の色度座標をR(xr、yr、Yr)とする。同様に、緑(G)の色度座標をG(xg、yg、Yg)、青(B)の色度座標をB(xb、yb、Yb)とする。例えば、テレビジョン信号の規格であるNTSC信号では輝度Yを省略して色度座標を、R(0.67,0.33)、G(0.21、0.71)、B(0.14、0.08)と表すことができる。
なお、表示装置の三原色としてR、G、Bを選択した場合、表示装置で再現できる色Fは、図13〜16に示すような色度図上のR(xr、yr)、G(xg、yg)、B(xb、yb)を結んだ一点鎖線で囲まれた三角形TR1の範囲内の色となる。
白の色度座標をW(xw、yw、Yw)とする。D65の白色光源を使用した場合の色度座標はW(0.3127、0.3291)である。Cの白色光源を使用した場合の色度座標は、W(0.31、0.316)である。上記のNTSCの色度点を持つR、G、Bを有機膜発光層の材料として用いた場合、2.9:6.1:1.0の光束比率で混色すると、D65の白色が得られる。同様に、上記のNTSCの色度点を持つR、G、Bを有機膜材料として用いて、3.0:5.9:1.1の光束比率で混色すると、Cの白色が得られる。
図13〜16の色度図上で、R(赤)は、図8の赤色有機膜発光層301〜303の色度点を示す。G(緑)は、図8の緑色有機膜発光層305〜307の色度点を示す。B(青)は、図8の青色有機膜発光層309〜311の色度点を示す。W(白)は、図8の白色有機膜発光層304,308,312の色度点を示す。
色度図上の色度点Rw(xrw、yrw、Yrw)は、RとWを混色して得られる。同様に、色度図上の色度点Gw(xgw、ygw、Ygw)は、GとWを混色して得られ、色度点Bw(xbw、ybw、Ybw)は、BとWを混色して得られる。
色度点Rwの色を得るためには、RとWの色度点をもとにR、Wの光量比に基づいてR、Wを混色すればよい。また、色度点Rwの輝度Yrwは、RとWの輝度Yr、Ywの合計で表される。色の階調を表現するには、輝度Yr、Yw間の比率を保ったまま、両者の光量を比例的に変化させることで可能となる。
ここでは、図8の赤色有機膜発光層301〜303をデジタル駆動することによって、所定の輝度Yrを表現する。一方、白色有機膜発光層304は、アナログ駆動することによって所定の輝度Ywを表現する。
上記と同様に、色度点Gwの色を得るためには、GとWの色度点をもとにG、Wの光量比に基づいてG、Wを混色すればよく、色度点Gwの輝度Ygwは、GとWの輝度Yg、Ywの合計で表される。色の階調を表現するには、輝度Yg、Yw間の比率を保ったまま、両者の光量を比例的に変化させることで可能となる。
図8の緑色有機膜発光層305〜307をデジタル駆動することによって、所定の輝度Ygを表現する。一方、白色有機膜発光層308は、アナログ駆動することによって、所定の輝度Ywを表現する。
上記と同様に、色度点Bwの色を得るためには、BとWの色度点をもとにB、Wの光量比に基づいてB、Wを混色すればよく、色度点Bwの輝度Ybwは、BとWの輝度Yb、Ywの合計で表される。色の階調を表現するには、輝度Yb、Yw間の比率を保ったまま、両者の光量を比例的に変化させることで可能となる。
図8の青色有機膜発光層309〜311をデジタル駆動することによって、所定の輝度Ybを表現する。一方、白色有機膜発光層312は、アナログ駆動することによって、所定の輝度Ywを表現する。
更に図13〜図16の色度図を用いて、画素236によるカラー表示について詳述する。
図13に示す色度図では、表示装置で表示できる色の再現範囲は、Rw、Gw、Bwを頂点とした実線で示す三角形TR2で囲まれた範囲内となる。なお、Rw、Gw、Bwはそれぞれのサブ画素236a〜236c内のデジタルとアナログの光量比を変えることで、鎖線で示す線分RW、GW、BW上の任意の座標値を選択可能である。このため色再現範囲を表す三角形TR2は任意の広さに調整可能である。線分RW、GW、BWは、R、G、Bそれぞれの色度座標とWの色度座標とを結んだものである。
白色Wを表示する場合、図13に示すように色再現範囲を表す三角形TR2の中で表せるため、それぞれのサブ画素236a〜236c内のR、G、B有機膜発光層の役割を、白色有機膜発光層304、308、312に分担させることができる。そのため従来は光量比に従ってR、G、B有機膜発光層をピーク輝度で発光させてWを表示していたが、R、G、B有機膜発光層を点灯させることなくWを表示できる。従って、R、G、B有機膜発光層をピーク輝度で発光させて素子寿命が短くなっていた問題を解決できる。更に表示装置上の白文字等で発生する焼き付きの問題も同時に解決できる。
任意の色Fを表示する場合、図14に示すように色再現範囲を表す三角形TR2の中で表せるため、それぞれのサブ画素236a〜236c内のR、G、B有機膜発光層の役割を、白色有機膜発光層304、308、312に分担することができる。
このため、特定の有機膜発光層のみが劣化して素子寿命が短くなっていた問題を解決できる。このため焼き付きの問題も同時に解決される。これは、表示する任意の色がWに近いときに特に有効である。
図15に示す色度図では、第3サブ画素236c内の青色有機膜発光層(B)309〜311を発光させない(オフ)場合を示す。表示装置で表示できる色の再現範囲は、W(xw、yw、Yx)、Gw(xgw、ygw、Ygw)、Rw(xrw、yrw、Yrw)を頂点とした実線で示す三角形TR3で囲まれた範囲内となる。なお、Gw、Rwは画素内のデジタルとアナログの光量比を変えることで線分GW、RW上の任意の座標値を選択可能である。このため色再現範囲を表す三角形TR3は任意の広さに調整可能である。
例えば図15に示すように、表示したい任意の色FがW、Gw、Rwを頂点とした三角形TR3の範囲内でWを中心としてBの対称側にある場合、第3サブ画素236c内の青色有機膜発光層(B)309〜311がオフでも、白色有機膜発光層(W)312が担うことで任意の色Fを表示できる。このため青色有機膜発光層309〜311を発光させる必要がなく、青色有機膜発光層309〜311の素子寿命を保つことができる。
以上のように、表示する任意の色Fがxy色度図上で、Rw、Gw、Bwのいずれか2つの色度座標とWを頂点とする三角形の中にあるとき、頂点とならない色度座標を構成する色成分R、G、Bの有機膜発光層を発光させることなく任意の色Fを表示でき、有機膜発光層の素子寿命を保つことができる。
図16に示す色度図では、第1サブ画素236a内の白色有機膜発光層304、第2サブ画素236b内の白色有機膜発光層308及び第3サブ画素236c内の青色有機膜発光層309〜311を発光させない(オフ)場合を示す。表示装置で表示できる色の再現範囲は、W(xw、yw、Yx)、G(xg、yg、Yg)、R(xr、yr、Yr)を頂点とした実線で示す三角形TR4で囲まれた範囲内となる。
例えば図16に示すように、表示したい任意の色Fが線分GRに近い場合、サブ画素236c内の青色有機膜発光層(B)309〜311がオフでも、白色有機膜発光層(W)312が担うことで任意の色Fを表示できる。このため青色有機膜発光層309〜311を発光させる必要がなく、青色有機膜発光層309〜311の素子寿命を保つことができる。さらにR、G、Bの原色に近い色を再現するときに、白色有機膜発光層304、白色有機膜発光層308をオフすることで色純度を劣化させずに表示できる。
以上のように、表示する任意の色Fがxy色度図上で、R、G、Bのいずれか2つの色とWを頂点とする三角形の中にあるとき、頂点とならない色の有機膜発光層を発光させることなく任意の色Fを表示でき、有機膜発光層の素子寿命を保つことができる。
デジタル駆動とアナログ駆動の方法として、アナログデータ231はデジタルデータ233で表現できる最小発光輝度よりも小さいレベルの発光輝度に対応した階調のデータが用いられるように構成する方法について説明したが、これに限定されるものではない。アナログデータ231に、デジタルデータ233で表現できる最大発光輝度よりも大きいレベルの発光輝度に対応した階調のデータが用いられるように構成する方法であってもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、1つのサブ画素を構成する全ての単位素子の有機膜発光層をデジタル駆動して同じ色で発光させる場合と比較して、1サブ画素内で再現できる色範囲が大きくなる。更にデジタル駆動される有機膜発光層とアナログ駆動される有機膜発光層とを備えることで、1サブ画素内の輝度成分をデジタル層とアナログ層で分担することができる。
また本実施形態によれば、複数積層された各発光輝度を有する有機膜発光層の発光輝度の合計で1サブ画素の色表現および階調表現を行うようにしたため、1つの有機膜発光層に発光輝度に応じた電流量を全て流す構成の従来の表示装置に比べて、長寿命な表示装置を構成できる。
また本実施形態によれば、有機膜発光層を複数積層できる構造の表示デバイスであればエレクトロルミネッセンスや、それ以外の表示デバイスについて適用可能であり、更に小型から大型の表示装置への適用が可能である。
≪第三実施形態≫
図17はマルチフォトンを用いた本発明の第三実施形態の表示装置における画素の層構成を示す。表示装置は例えば有機ELディスプレイである。図17において、ガラス基板110は表示装置の表示面である。ここではガラス基板110としたが、有機膜の層を形成できるものであるならば、プラスチック基板であってもよい。このガラス基板110の上に陽極112が形成される。この陽極112としては、例えば透明電極であるITOなどが使用される。
陽極112の上には有機膜発光層113が形成されている。有機膜発光層113は正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、そして有機化合物の蛍光体である発光層の組み合わせで構成される(後述の有機膜発光層115、117、119も同様)。この組み合わせは、有機ELの特性によって適切に選択される。
有機膜発光層113の上には電荷生成層114が形成されている。電荷生成層114は、電子と正孔の注入層として動作する。電荷生成層114には、ITO又はV25などを用いることができる。電荷生成層114の上には有機膜発光層115が形成され、更にその上に電荷生成層116、有機膜発光層117、電荷生成層118、有機膜発光層119が順次に積層されている。そして、有機膜発光層119の上には陰極120が形成され、この陰極120と陽極112との間に電源111が接続されている。
ここで説明した表示装置は、陽極112と陰極120との間に有機膜発光層と電荷生成層とが交互に発光面に対して水平に複数層積層された構造で、このような構造のものをマルチフォトンと呼ぶ。陽極112と陰極120との間にはマルチフォトン構造の発光部が挟まれている。
ガラス基板110から光を取り出す場合は、陰極120はアルミニウムなどの光を反射する金属で形成される。この陽極112と陰極120との間に挟まれた各有機膜発光層113、115、117、119の発光原理は従来例と同じである。
図18はマルチフォトンの動作原理を示す。図18において図17と同一構成成分には同一符号を付してある。電荷生成層114、116、118は隣接する有機膜発光層113、115、117、119に電子と正孔を注入する機能を持つ。有機膜発光層113、115、117、119では、電子と正孔が再結合し、発光する。画素(有機EL)から出力される明るさは、それぞれの有機膜発光層113、115、117、119からの各輝度の合計となる。
本実施形態ではマルチフォトンが4層の有機膜発光層113、115、117、119で構成され、それぞれの有機膜発光層が同じ特性の発光材料を用いて形成されている。4層構造のマルチフォトンのそれぞれの有機膜発光層に、従来の1層の有機膜発光層を有する光記録媒体と同じ電圧を印加すると、従来の光記録媒体と比較して4倍の輝度が得られる。従って本実施形態のマルチフォトンで従来の構成と同じ輝度を得るには、各有機膜発光層に流れる電流を4分の1にすることができるため、有機膜発光層の長寿命化を達成できる。本実施形態では、マルチフォトンの各層に同じ発光材料を使用しているが、同じ発光特性が得られる場合にはこの限りではない。
図19は本実施形態によるカラー表示を行うための有機ELディスプレイの層構成を示す。図19は、それぞれ独立に発光する3つの発光素子(サブ画素)400a〜400cが1つの画素400を形成している構成を示す。
まず、ガラス基板401の上に陽極412が形成され、その上に有機膜発光層413、陰極414が積層されている。これを第1のサブ画素400aとし、本実施形態では緑色有機膜発光層(G)を用いた。有機膜発光層413は従来例の構成と同じである。陽極412と陰極414には電源415から電圧が印加される。
第1のサブ画素400aの隣には、ガラス基板401の上に陽極407が形成され、その上に有機膜発光層408a、電荷生成層409、有機膜発光層408bおよび陰極410が順次積層されている。陽極407と陰極410との間の構造は有機膜発光層408a、408b、電荷生成層409からなる2層構造のマルチフォトンである。これを第2のサブ画素400bとし、本実施形態では赤色有機膜発光層(R)を用いた。有機膜発光層408a、408bは2層とも同材料であり、それぞれの層に同じ電圧が加えられた場合、同じ特性で発光する。陽極407と陰極410との間には電源411が接続されて電圧が印加される。
更に第2のサブ画素400bの隣には、ガラス基板401の上に陽極402が形成され、その上に有機膜発光層403a、電荷生成層404a、有機膜発光層403b、電荷生成層404b、有機膜発光層403c、電荷生成層404c、有機膜発光層403dおよび陰極405の順で積層されている。陽極402と陰極405との間の構造は、有機膜発光層403a〜403dと電荷生成層404a〜404cとが交互に積層された4層構造のマルチフォトンである。これを第3のサブ画素400cとし、本実施形態では青色有機膜発光層(B)を用いた。有機膜発光層403a〜403dは4層とも同材料であり、それぞれの層に同じ電圧が加えられた場合、同じ特性で発光する。陽極402と陰極405との間には電源406が接続されて電圧が印加される。
有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b、413は、印加される電流に比例した輝度で発光し、ガラス基板401の下側から光を取り出される。有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b及び413それぞれに使用した発光材料の発光効率が大きく異なっている。ここで発光効率とは、発光材料に所定の電圧を加えたとき、どの程度の発光効率レベル(輝度)が得られるかを示すものである。本実施形態では、それぞれの有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b、413に同じ大きさの電圧を印加した際の発光効率の最大を発光効率レベル1と表現したときに、有機膜発光層413がレベル1、有機膜発光層408a〜408bがレベル0.5、有機膜発光層403a〜403dがレベル0.25という関係である。すなわち有機膜発光層403a〜403dと408a〜408bと413の発光効率のレベル比率が(0.25):(0.5):1である。
上述より、電源406、411、415に、4:2:1の比率で電源電圧を印加すると、各有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b、413には等しい電圧が印加され、等しい電流が流れる。つまり、有機膜発光層403a〜403dからは発光効率0.25×4層=1レベルの輝度、有機膜発光層408a〜408bからは発光効率0.5×2層=1レベルの輝度、有機膜発光層413からは発光効率1×1層=1レベルの輝度、のように3つのサブ画素400a〜400cから出力される輝度が全て同じになる。
ここでは、有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b、413の発光効率のレベル比率が(0.25):(0.5):1、すなわち1:2:4の場合について述べたが、これは任意に設定しても良い。例えば有機膜発光層403a〜403d、408a〜408b、413の発光効率のレベル比率が1:1:3であれば、第2サブ画素400bと第3サブ画素400cは3層構成のマルチフォトン構造とし、第1サブ画素400aは単層構造にする。そして電源406、411、415には、3:3:1の比率の電源電圧を印加する。
以上のように各サブ画素400a〜400cを形成する有機膜発光層の発光効率がそれぞれ異なる場合、発光効率が低い有機膜発光層については、複数積層して多層構成のマルチフォトン構造のサブ画素を形成し、各サブ画素400a〜400から出力される輝度が全て同じになるようにサブ画素に印加する電圧値をそれぞれ決めればよい。すなわち、各有機膜発光層に同じ電圧が印加されるように、各サブ画素に印加する電圧値を決めればよい。
本実施形態において各有機膜発光層は、表示装置に出力する映像の階調レベルに合わせて印加する電源電圧の大きさをアナログ的に変化させることで、それぞれ所定の輝度で発光する。
図20は第三実施形態による電流−輝度特性を示す。図20(A)において、第1サブ画素400a、第2サブ画素400b、第3サブ画素400cは、図19の有機EL層を模式的に示したものであり、第1サブ画素400a、第2サブ画素400b、第3サブ画素400cの有機膜発光層413、408a〜408b、403a〜403dに使われた発光材料の発光効率レベルはそれぞれ「1」、「0.5」、「0.25」である。
図20(B)に示すグラフは、各サブ画素400a〜400cにおいて有機膜発光層に流れる電流と、有機膜発光層からガラス基板401の下方へ出力される光の輝度の関係を表したものである。なお、各サブ画素400a〜400cに流れる電流と発光輝度の関係を実線Lsa〜Lscで、各有機膜発光層408a〜408b、403a〜403dに流れる電流と発光輝度の関係を破線Ldb、Ldc1〜Ldc3で表した。破線Ldbは、第2サブ画素400bの一層だけに電流を流した場合の輝度を表す。同様に破線Ldc1は、第3サブ画素400cの一層だけに電流を流した場合、破線Ldc2はいずれか二層に電流を流した場合、破線Ldc3はいずれか三層に電流を流した場合の輝度を示す。
既述したように、第1サブ画素400aの有機膜発光層413に使われた発光材料の発光効率レベル1を基準とすると、第2サブ画素400bの有機膜発光層408a、408bに使われた発光材料の発光効率レベルは0.5であるが、第2サブ画素400bは2層構成のマルチフォトン構造であるため、第1サブ画素400aと同じ電流量を流した場合でも図20(B)のグラフに示すように、輝度のダイナミックレンジは第1サブ画素400aと同等となる。
同様に第3サブ画素400cは有機膜発光層403a〜403dに使われた発光材料の発光効率レベルは0.25であるが、4層構成のマルチフォトン構造であるため、グラフに示すように第1サブ画素400aと同じ電流量を流した場合でも輝度のダイナミックレンジは同等となる。
そのため階調数を増やしても、第1サブ画素400aの有機発光層413に流れる電流量は広範囲にする必要は無く、かつ、第2サブ画素400bと第3サブ画素400cの有機膜発光層408a、408b、403a〜403dに流れる電流量を高精度にする必要も無い。つまり、画素回路およびドライバが駆動電流を制御するのは比較的容易であり、回路の構成がシンプルになる。
図21は本実施形態による表示装置をデジタル駆動させる際の層構成を示す。図19、図20では各有機膜発光層をアナログ駆動で発光させる時の説明をしたが、図21から図25においては有機膜発光層をデジタル駆動で発光させる時の説明を行う。
図21において、第1サブ画素400d、第2サブ画素400e、第3サブ画素400fは、有機EL層を模式的に示したものであり、第1サブ画素400d、第2サブ画素400e、第3サブ画素400fの有機膜発光層に使われた発光材料の発光効率レベルはそれぞれ「1」、「0.5」、「0.25」である。
ここで、第1サブ画素400dは一対の陽極と陰極とからなる電源部と電源部の間に挟まれた複数の発光層を積層した発光部とを有する単位素子を3層積層している。基板に接している1層目の単位素子は1層の有機膜発光層を有する構造(1層構造)、その上に形成された2層目の単位素子は2層のマルチフォトン構造の発光部を有し、その上に形成された3層目の単位素子は4層のマルチフォトン構造の発光部を有している。第1サブ画素400dは緑色有機膜発光層(G)を用いる。
第2サブ画素400eは単位素子を3層積層しており、基板に接している1層目の単位素子は2層のマルチフォトン構造の発光部、その上に形成された2層目の単位素子は4層のマルチフォトン構造の発光部、その上に形成された3層目の単位素子は8層のマルチフォトン構造の発光部を有している。第2サブ画素400eは赤色有機膜発光層(R)を用いる。
第3サブ画素400fは単位素子を3層積層しており、基板に接している1層目の単位素子は4層のマルチフォトン構造の発光部、その上に形成された2層目の単位素子は8層のマルチフォトン構造の発光部、その上に形成された3層目の単位素子は16層のマルチフォトン構造の発光部を有している。第3サブ画素400fは青色有機膜発光層(B)を用いる。
以上より、3つのサブ画素400d〜400fにおいてそれぞれの1層目の単位素子の発光効率レベルを基準とした1層目から3層目の輝度重み付けの関係は、いずれのサブ画素400d〜400fも1:2:4の比率になる。サブ画素400d〜400fは、表示する信号の値に応じて、3層の単位素子を互いに独立して発光/非発光させるデジタル駆動であり、3層の単位素子を構成する各発光部の発光輝度の合計で、画素の階調表現を行う。
図22は本実施形態によるデジタル駆動時の有機ELディスプレイの層構成を模式的に示す図である。図21に示したサブ画素400d〜400fのうち代表として第1サブ画素400dを取り上げて説明する。
ガラス基板420の上に陽極421が形成され、その上に有機膜発光層422(緑色有機膜発光層)が形成されている。有機膜発光層422は従来例の構成と同じであり、1層目の発光部(発光ユニット)である。有機膜発光層422の上に陰極423が形成されて、陽極421と陰極423には電源434から電圧が印加される。
続いてシリコン酸化膜430が形成されている。シリコン酸化膜430はシリコン酸化膜430の上に形成されている陽極424と、下に形成されている陰極423とを電気的に絶縁する効果を持つ。陽極424の上に有機膜発光層425a、電荷生成層432、有機膜発光層425b及び陰極426が順次積層されている。陽極424と陰極426との間の構造は、有機膜発光層425a、電荷生成層432、有機膜発光層425bからなる2層のマルチフォトンである。これが2層目の発光部となる。
有機膜発光層425a、425bは有機膜発光層422と同材料であり、それぞれの層に同じ電圧が加えられた場合、同じ特性で発光する。陽極424と陰極426との間には電源435が接続されて電圧が印加される。
陰極426の上にはシリコン酸化膜431が形成されている。シリコン酸化膜431はシリコン酸化膜431の上に形成されている陽極427と、下に形成されている陰極426とを電気的に絶縁する効果を持つ。陽極427の上に有機膜発光層428a、電荷生成層433a、有機膜発光層428b、電荷生成層433b、有機膜発光層428c、電荷生成層433c、有機膜発光層428d及び陰極429が順次積層された4層マルチフォトン構造の発光部が形成されている。これが3層目の発光部となる。
有機膜発光層428a〜428dは有機膜発光層422と同材料であり、それぞれの層に同じ電圧が加えられた場合、同じ特性で発光する。陽極427と陰極429との間には電源436が接続されて電圧が印加される。
なお、本実施形態は基板420側から光を取り出す下面光取り出し構造であるが、陰極429側から光を取り出す上面光取り出し構造の場合は、陰極429は透明電極で構成される。
それぞれの有機膜発光層422、425a、425b、428a〜428dは流される電流に比例した輝度で発光し、ガラス基板420側から光を取り出される。ここでは、各有機膜発光層422、425a、425b、428a〜428dから出力される輝度を同じにするために、各有機膜発光層422、425a、425b、428a〜428dに同じ電圧が印加されるように、電源434、435、436の電源値を決める。既述したように各サブ画素の1層目から3層目の発光部の輝度重み付けは1:2:4の関係であるため、ここでは、電源434、435、436に印加される電源電圧の比率は、1:2:4の関係である。
各発光部(マルチフォトン層)は、電源のオン/オフの2値により発光と非発光(点灯と消灯)を切り替えることで、それぞれ所定の輝度で発光する。すなわち、電源のオン/オフの動作によって、有機膜発光層422、425a、425b、428a〜428dはデジタル駆動となる。
ここで図22の表示装置(第1サブ画素400d)を、一つの陽極と一つの陰極との間に挟まれた有機膜発光層と電荷生成層とからなるマルチフォトン構造の発光部を用いて表すと、図23に示す画素構造となる。図23中、図22と同一構成部分には同一符号を付してある。
図23において、ガラス基板420の上にはシリコン酸化膜437、陽極421、発光部438、陰極423が順次積層され、更にその上にはシリコン酸化膜430、陽極424、発光部439、陰極426が順次積層される。更にその上には、シリコン酸化膜431、陽極427、発光部440、陰極429が順次積層されている。
発光部438は有機膜発光層422に相当し、発光部439は有機膜発光層425a、電荷生成層432及び有機膜発光層425bからなり、2層のマルチフォトン構造である。発光部440は、有機膜発光層428a、電荷生成層433a、有機膜発光層428b、電荷生成層433b、有機膜発光層428c、電荷生成層433c及び有機膜発光層428dからなり、4層のマルチフォトン構造である。
第三実施形態において、一つの発光部及びこれを挟む陽極と陰極(電源部)とをあわせて単位素子と呼ぶこととすると、陽極421、発光部438、陰極423は一つの単位素子を構成している。同様に、陽極424、発光部439、陰極426は一つの単位素子を構成しており、陽極427、発光部440、陰極429は一つの単位素子を構成している。従って図22及び図23に示す有機ELディスプレイは、表示装置の表示面に対して垂直方向に3個の単位素子が積層された3層構造の発光素子を有するものである。
また、ガラス基板420上には、図23に示すように、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(TFT)444〜446が形成され、それぞれ陽極421、424、427に接続されている。TFT444〜446は有機膜発光層を駆動制御可能なものであるならば、p−Si(低温ポリシリコン)、a−Si(アモルファスシリコン)、さらには有機トランジスタなどのどのようなアクティブ素子で作成されていてもよい。
TFT444〜446は、発光部438〜440に印加される電源をオン/オフする回路機能を持つ。電源をオン/オフすることでTFT444〜446は上記したように、発光部438〜440を発光または非発光とするようデジタル駆動する。
シリコン酸化膜437は、ガラス基板420から金属イオンが陽極421に移動していかないようにする膜である。図示していないが、陰極423、陰極426、陰極429は共通電極である。
画素の下側であるガラス基板420側から光を取り出す場合、画素の上側である陰極429側から光が漏れないようにするため、陰極429はアルミニウムなどの金属で形成される。これによって、発光部438〜440から出た光は上下に放射されるが、陰極429側に出た光は陰極429で反射して下側に向かうため、ガラス基板420側からのみ取り出されることとなる。
ここで、ガラス基板420にTFT444〜446が備えられ、ガラス基板420側から光を取り出す下面光取り出し構造と、陰極429を透明電極で形成し、陽極421をアルミニウムなどの金属で形成して、陰極429側から光を取り出す上面光取り出し構造とがあるが、本実施形態ではどちらの構造を用いてもよい。ここでTFTは、後述する図25にて説明するように1つの有機膜発光層に対して複数個接続されていることがある。ここでは便宜上、TFT444〜446のように一つで示した。本実施形態では、TFT444〜446を素子駆動部(第1の駆動部)と呼ぶこととする。
図23に示すように発光素子が3層構造の場合、各層の輝度重み付けは図3(a)に従う。輝度重み付けとは、それぞれの発光層の発光輝度をある値を基準として相対的に数値化したものである。
ここで、図23に示した発光部438を第1層、発光部439を第2層、発光部440を第3層とし、第1層の輝度を「1」、第2層が輝度「2」、第3層が輝度「4」と設定する。これは、マルチフォトン構造の各有機膜発光層に印加される電圧が同じである場合、各発光部438〜440から出力される輝度は、各発光部が有する有機膜発光層の数の整数倍となることによる。ここで、各発光部の輝度は電源電圧をオンとした際の発光輝度を表し、各発光部は電源電圧のオン/オフでデジタル駆動される。
図3(c)は、発光素子が5層構造の場合の輝度重み付け方法の一例を示す。5層構造の場合、図23に示した構造に更に2つの単位素子が積層され、発光部が全部で5つとなるように形成される。この5つの発光部のうち、光が取り出される側に近い方から順に第1層、第2層、第3層、第4層及び第5層としたとき、図3(c)に示すように、第1層の輝度を「1」とした場合、第2層は輝度「2」、第3層は輝度「4」、第4層は輝度「8」、第5層は輝度「16」となる。
図4は、図3(a)の輝度重み付けの場合における階調表現の方法を示し、既に説明したとおりである。
図24は第三実施形態の表示装置における画素を用いた表示パネルのドライバ構成図を示す。図24において、1つの画素456はそれぞれ発光部を3層有するサブ画素400d〜400fより構成され、それぞれのサブ画素は図25で後述する画素回路に相当する。表示パネルには、二次元マトリクス状に配置された複数の画素456に、9ビットのデジタルデータを送るための水平ドライバ457と、画素を駆動するための電源回路458と、垂直方向のラインを選択する垂直ドライバ459とが備えられている。
複数の画素456は、垂直方向に並んだ行Yと水平方向に並んだ列Xとからなる二次元マトリクス状に配置されている。図24では一例としてY1〜Y4の4行で、X1〜X6の6列の表示パネルを示している。実際の表示パネルは図に示すものよりも多くの行列を有しているが、ここでは便宜上このように示した。
第三実施形態では、水平ドライバ457にはデータドライバ471〜476が、電源回路458には電源部481〜486が、垂直ドライバ459にはゲートドライバ491〜494がそれぞれ組み込まれている。なおここで、水平ドライバ457及び垂直ドライバ459を第2の駆動部とする。
例えば、図24に示す表示パネルの最上段であるY1行の表示ラインを走査したい場合、垂直ドライバ459のゲートドライバ491がY1行の各画素456をオンさせる。その他の表示ラインY2行〜Y4行は、ゲートドライバ492〜494がオフさせる。このとき水平ドライバ457から映像データの1ライン分のデータを出力し、各画素456に供給する。
次に、ゲートドライバ491がY1行の各画素456をオフさせることにより、Y1行の1ラインの映像が表示されることになる。続けて同様に、垂直ドライバ459をY2行のゲートドライバ492からY4行のゲートドライバ494まで順番に駆動し、水平ドライバ457から1ライン毎に映像データを出力することにより、すべての表示パネル内の画素456を走査できることとなる。
図25は第三実施形態の画素456を構成するサブ画素400d〜400fを駆動するための回路図を示す。図25において、発光ダイオードのシンボルで記載した438、439及び440は、図23に示した発光部438、439及び440に相当する。第三実施形態では、3層のデジタル層を有する構造を示し、デジタル層を構成するそれぞれの有機膜発光層の輝度重み付けは図3(a)と同様に「1」、「2」、「4」である。
また、発光部438〜440の各一端(図ではアノード)は、駆動用TFT444〜446の各ソース、ドレインを介して電源部481を構成する電源450〜452に接続されている。また、TFT444〜446の各ゲートは、TFT441〜443の各ソースに接続される一方、コンデンサ447〜449を介して電源450〜452に接続されている。
電源450〜452は、個別の電源でも共通の電源であってもよく、発光部438〜440を所定の重み付けで所定の輝度で発光させるように設定する。更に、TFT441〜443の各ドレインは、データドライバ471内のデータ保持部460〜462に接続され、各ゲートはゲートドライバ491に共通接続されている。
ここでは、データドライバ471、電源部481、ゲートドライバ491について示したが、図24に示すように、データドライバ472〜476、電源部482〜486、ゲートドライバ492〜494も同様の構成である。データドライバ471〜476、電源部481〜486、ゲートドライバ491〜494は表示パネルの各行Y、各列Xの画素456を駆動する。
次に、この駆動回路の動作について説明する。まず、サブ画素400dに表示する所定階調のデータ453(3ビット)がデータドライバ471に入力される。データ453は、デジタルのシリアルデータ又はパラレルデータであることが望ましい。先に述べたように、画素456はサブ画素400d〜400fを備える。従って各サブ画素400d〜400fにそれぞれ3ビットのデータ453が送られるため、画素456に送られるデータ453は図24に示すように9ビットとなる。
データドライバ471に入力されたデータ453は、発光部438、439、440のうち表示装置に表示する階調に対応した発光部を発光させるために使用される。
データ453の各ビット(1または0)がデータ保持部460〜462に保持され、ゲートドライバ491は、ゲートトランジスタ441〜443のゲートに所定の第1の電位を印加してこれらをオン状態にする。データドライバ471から出力される表示データが、ゲートトランジスタ441〜443の各ドレイン、ソースを通して、データ保持のためのコンデンサ447〜449に書き込まれ、記憶される。
続いてゲートドライバ491は、ゲートトランジスタ441〜443のゲートに所定の第2の電位を印加してこれらをオフ状態にする。ゲートトランジスタ441〜443をオフにすると、コンデンサ447〜449に蓄えられた電荷が保持される。コンデンサ447〜449に保持される電荷は、電源450〜452とデータドライバ471の出力電圧との電位差である。
いま、表示装置に階調「5」の映像を表示する場合を例にとって説明する。図4より階調「5」では、第1層と第3層の発光部438と440を点灯させる必要がある。入力されたデータ453はデータドライバ471で、対応する発光層の信号線に繋がるデータ列に変換される。この場合、データ保持部460と462に発光部438と440とを発光させるデータが保持される。
このときコンデンサ447には、TFT444をオンする電圧が印加され、コンデンサ449にも、TFT446をオンする電圧が印加されているため、TFT447と449がそれぞれオン状態とされる。一方、コンデンサ448には、TFT445を駆動する電圧が印加されていないため、TFT445はオフ状態である。
従って、TFT444と446がオン状態なので、電源450、452から電流がTFT444、446の各ドレイン、ソースを通して発光部438、440に供給され、発光部438、440が発光する。このとき発光部438、440の発光輝度の重み付けは「1」と「4」であるので、この合計である階調「5」が表示装置に映し出される。
第三実施形態の表示パネルのデジタル駆動法においては、駆動用TFT444〜446はオン/オフのみの動作となる。そのため回路構成は駆動用TFT444〜446をオン/オフするためのデータを蓄えるコンデンサ447〜449と、これらのコンデンサ447〜449に上記のデータを保持するためのゲート用TFT441〜443とからなる、極めて簡単な回路構成で済む。
また、駆動用TFT444〜446は、オン/オフのスイッチング動作となるために、従来の有機EL表示装置で問題であった、アクティブ素子であるTFTの素子特性による閾値ばらつきの影響の無い飽和領域で動作させることができる。このため、表示装置面内における表示輝度むら、および階調ずれ等の問題を限りなく少なくできる。
更にTFTによる電力損が少ない飽和領域で動作させることができる。このため、従来の表示装置と比較すると低消費電力にできる。
第三実施形態の発光素子においては、発光部438〜440にマルチフォトン構造を採用しているために、各有機膜発光層に流れる電流を少なくしたまま従来以上の輝度が得られる。有機ELの寿命は電流値の2乗に逆比例するため、従来の回路構成と比較して長寿命となる。
また本実施形態によれば、複数のサブ画素で1画素が形成される表示装置において、有機膜発光層の発光効率がサブ画素ごとに大きく異なる場合でも、電流−輝度特性については複数のサブ画素でいずれも等しくなるようにして、画素回路およびドライバの駆動電流制御を容易にすることができる。
更に、表示装置における輝度むらを無くすことができ、かつ、電力損失を低減できると共に、1つの発光層に発光輝度に応じた電流量を全て流す構成の従来の表示装置に比べて、長寿命な表示装置を構成でき、更にデジタル駆動で階調を容易に得ることができる。
なお、本実施形態は第一及び第二実施形態と同様に、第1層から第3層、あるいは、第1層から第5層までの有機膜発光層を異なる材料で構成しても同じ材料で構成してもかまわない。例えば有機膜発光層の材料が異なっていても、上記のようにそれぞれの有機膜発光層に対して、電流値や電流を流す時間長を異ならせることにより、トータルとしての輝度を図3(a)〜図3(c)にて説明したように設定していればよい。
また、有機膜発光層及び発光ユニットの輝度重み付けは、発光層を少なく形成できる2のn乗の輝度重み付けにすることが望ましいが、この限りではない。また、層毎の輝度の重み付けは、図3(a)〜3(c)で示したような光が取り出される側に近い層から昇順とする必要は無く、降順としても、また任意に並べ替えてもよい。
更には例えば、図4では、各発光層毎に異なった輝度重み付けとして説明してきたがこれに限定されるものではなく、第1層と第2層と第3層の輝度重み付けを「1」,「1」,「1」のように同じ輝度重み付けとしてもよいし、第1層と第2層と第3層の輝度を「1」,「2」,「2」のように部分的に同じ輝度重み付けとしてもよい。
また本実施形態は、有機ELだけでなく無機ELでも勿論実現可能であり、アクティブ駆動だけでなくパッシブ駆動の表示装置でも実現可能である。
第一実施形態の表示装置における画素の模式図である。 第一実施形態の具体的な画素構造を示す図である。 有機膜発光層が3層構造と5層構造の各場合の、各層の輝度重み付けの一例を示す図である。 本発明表示装置における階調表現方法の一例を示す図である。 第一実施形態の表示装置における表示パネルのドライバ構成図である。 第一実施形態の画素を構成する発光層群を駆動するための回路図である。 第一実施形態の表示装置における階調表現方法を説明するためのテーブルを示す図である。 第二実施形態の表示装置においてカラー表示するための模式図である。 第二実施形態の表示装置における画素の模式図である。 第二実施形態の具体的な画素構造を示す図である。 第二実施形態の表示装置における表示パネルのドライバ構成図である。 第二実施形態の画素を構成する発光層群を駆動するための回路図である。 第二実施形態の画素による白色表示を説明する色度図である。 第二実施形態の画素による任意の色Fの表示を説明する色度図である。 第二実施形態の画素による任意の色Fの表示を説明する色度図である。 第二実施形態の画素による任意の色Fの表示を説明する色度図である。 第三実施形態の表示装置におけるマルチフォトン構造の画素を示す図である。 マルチフォトンの動作原理を示す図である。 第三実施形態の表示装置においてカラー表示するための模式図である。 第三実施形態の表示装置における画素の電流−輝度特性を示す図である。 第三実施形態の表示装置をデジタル駆動させる際の層構成を示す図である。 第三実施形態の画素構造を示す図である。 第三実施形態の画素構造を発光ユニットによって示す図である。 第三実施形態の表示装置における表示パネルのドライバ構成図である。 第三実施形態の画素を構成する発光層群を駆動するための回路図である。 従来の有機ELディスプレイ模式図である。 従来の有機ELディスプレイを具体的に示した図である。 従来の表示装置におけるドライバ構成の一例を示す図である。 従来の画素の回路図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2、5、8 陽極
3、6、9 有機膜発光層
4、7、10 陰極
11、12、17 シリコン酸化膜
13、14、15 直流電源
16a、16b、16c 薄膜トランジスタ(TFT)(第1の駆動部)
18、19、20 有機EL発光層
21、22、23 コンデンサ
24、25、26 駆動用TFT
27、28、29 ゲートTFT
36 画素
36R、36G、36B 発光素子
37 水平ドライバ(第2の駆動部)
38 電源回路
39 垂直ドライバ(第2の駆動部)

Claims (3)

  1. 発光層を複数積層した発光層群を有し、第一の光を発光する第一の発光素子と、
    前記第一の発光素子上に形成され、発光層を複数積層した発光層群を有し、第二の光を発光する第二の発光素子と、
    前記第二の発光素子上に形成され、発光層を複数積層した発光層群を有し、第三の光を発光する第三の発光素子と、
    前記第一から第三の発光素子の発光層を発光又は非発光とするよう駆動する第1の駆動部と、
    前記第1の駆動部を介して前記第一から第三の発光素子に電流を流す電源と、
    前記電流を流す時間長と電流値とを組み合わせて設定する複数種類の輝度の重み付けを設定し、前記第一の発光素子から第三の発光素子における各発光層に対して前記輝度の重み付けをフレームまたはフィールド単位で切り替えて設定し、複数フレームまたは複数フィールドの期間で前記複数種類の輝度の重み付けが前記各発光層に設定されるよう前記複数種類の輝度の重み付けを一巡させて前記各発光層を発光させることにより発光輝度の階調を表現するよう駆動する第2の駆動部とを備えることを特徴とする表示装置。
  2. 前記第2の駆動部は、前記発光層群を構成する複数の発光層の総数がnであるとき、n以下の自然数であるm種類の前記輝度の重み付けを設定し、nフレームまたはnフィールドの期間で前記m種類の輝度の重み付けを前記各発光層に設定することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記発光層群は、陽極、発光層、陰極を備える単位素子を複数積層して形成されることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
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