JP4869485B2 - 接着剤組成物、硬化体及び複合体 - Google Patents

接着剤組成物、硬化体及び複合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合性ビニルモノマーを含有する接着剤組成物に関する。詳しくは重合性ビニルモノマーが重合性(メタ)アクリル酸誘導体である接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
常温下短時間で硬化する常温速硬化型接着剤の要求は、省力化、省資源及び省エネルギー等のために年々増大する傾向にある。従来、常温速硬化型接着剤として例えば、第二世代のアクリル系接着剤(SGA) が知られている。
【0003】
SGAは二液型であるが、二液の正確な計量を必要とせず、不完全な計量や混合、時には二液の接触だけでも、常温で数分又は数十分で硬化するため、作業性に優れる。しかもSGAは剥離強度や衝撃強度が高く、ハミ出し部分の硬化も良好であるために広く用いられている。このようなSGAは、特開昭49−132119号公報や特開昭53−2543号公報等に開示されている。さらに、被着体に対する接着性を大きくするために、特公平48−8757号には、重合可能なアクリレート単量体又はそのα−置換体、パーオキサイド及びチオアミド化合物よりなる嫌気性硬化組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、安全性や環境性のさらなる向上を目指すために、チオアミド化合物に代わりうる、接着性を損なわない還元剤の要求が高まっている。
【0005】
本発明は、これらの要求を満たすためになされたものであり、チオアミド化合物以外の、接着性が大きい還元剤を用いた接着剤組成物を提供することを目的とする。本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、特定の還元剤を使用することにより、本目的を達成するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)下記<1>、<2>及び<5>を含有してなり、かつ、(メタ)アクリル酸を重合性ビニルモノマー100質量部中0.5〜20質量部を含有してなる重合性ビニルモノマー100質量部、(2)硬化剤0.1〜20質量部、(3)一般式(B)の構造を有するチアジアゾール類0.25〜10質量部、(4)エラストマー成分2〜50質量部、パラフィン類0.1〜5質量部、酸化防止剤0.001〜3質量部を含有してなり、かつ、第一剤が少なくとも(2)硬化剤を含有してなり、第二剤が少なくとも(3)チアジアゾール類と(メタ)アクリル酸を含有してなる二剤型硬化性樹脂組成物からなる金属用接着剤組成物であり、
<1>一般式(C)で示される単量体。
一般式(C) Z−O−R
〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH=CHCOOCH−CH(OH)CH−基又はCH=C(CH)COOCH−CH(OH)CH−基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示す。〕
<2>一般式(D)で示される単量体。
一般式(D) Z−O−(RO)−R
〔式中、Zは前述の通りである。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示し、Rは−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
<5>一般式(G)で示されるエポキシ(メタ)アクリレート。
【化13】
Figure 0004869485
〔式中、Zは前述の通りである。R10は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R12は−CHCH(OH)CH−又は−CHCH(OH)CHOCHCH(CH)−を示し、R13は−CHCH(OH)CH−又は−CHCH(CH)OCHCH(OH)CH−を示し、rは1〜8の整数を表す。〕
【化4】
Figure 0004869485
〔但し、R、Rは水素、フェニル基、ベンゾイル基、アセチル基、炭素数1〜6のアルキル基又はROR−基を示し、Rは一価の有機基であり、Rは二価の有機基である。RとRは同一であっても異なっても良い。〕
該金属用接着剤組成物の硬化体であり、該硬化体により被着体が被覆又は接合された複合体であり、該被着体が金属である複合体であ
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用する(1)重合性ビニルモノマーは、ラジカル重合可能であればいかなるものでもよい。これらの中では、硬化速度や接着性等の点で、重合性(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。重合性(メタ)アクリル酸誘導体は(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、70質量部以上であることが好ましく、(1)重合性ビニルモノマーが全て重合性(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。
【0009】
ここで重合性(メタ)アクリル酸誘導体とは、重合性アクリル酸誘導体及び/又は重合性メタクリル酸誘導体をいう。これらは通常、液状ないし固形状のものが使用される。重合性(メタ)アクリル酸誘導体としては、次のようなものが挙げられる。
【0010】
▲1▼一般式(C)で示される単量体。
一般式(C) Z−O−R7
【0011】
〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH2=CHCOOCH2−CH(OH)CH2−基又はCH2=C(CH3)COOCH2−CH(OH)CH2−基を示し、R7は炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示す。〕
【0012】
このような単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、グリセロール(メタ)アクリレート及びグリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】
▲2▼一般式(D)で示される単量体。
一般式(D) Z−O−(R9O)p−R8
【0014】
〔式中、Zは前述の通りである。R8は水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示し、R9は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−又は−C612−を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
【0015】
このような単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
▲3▼一般式(E)で示される単量体。
【0017】
【化5】
Figure 0004869485
【0018】
〔式中、Z及びR9は前述の通りである。R10は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、qは0〜8の整数を表す。〕
【0019】
このような単量体としては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
▲4▼一般式(F)て示される酸性リン酸化合物。
【0020】
【化6】
Figure 0004869485
【0021】
〔式中、RはCH2=CR11CO(OR12m −基(但し、R11は水素又はメチル基、R12は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−、−C612−又は
【化7】
Figure 0004869485
を示し、mは1〜10の整数を表す。)を示し、nは1又は2の整数を表す。〕
【0022】
このような酸性リン酸化合物としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
【0023】
▲5▼エポキシ(メタ)アクリレート。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、一般式(G)で示される単量体等が挙げられる。
【0024】
【化8】
Figure 0004869485
【0025】
〔式中、Z及びR10は前述の通りである。R12は−CH2CH(OH)CH2−又は−CH2CH(OH)CH2OCH2CH(CH3)−を示し、R13は−CH2CH(OH)CH2−又は−CH2CH(CH3)OCH2CH(OH)CH2−を示し、rは1〜8の整数を表す。〕
【0026】
このような単量体としては、商品名「エポキシエステル3002M」(共栄社油脂(株)製)、商品名「エポキシエステル3000M」(共栄社油脂(株)製)、商品名「エポキシエステル3002A」(共栄社油脂(株)製)及び商品名「エポキシエステル3000A」(共栄社油脂(株)製)等が挙げられる。
【0027】
以上、▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、及び▲5▼の単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
【0028】
重合性(メタ)アクリル酸誘導体の中では、硬化速度や接着性等の点で、▲1▼、▲2▼及び▲5▼からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0029】
又、本発明では、硬化速度を短縮し、接着強度を向上し、金属と耐蝕性金属酸化物被膜に覆われている被着体の接着強度が増大する点で、重合性ビニルモノマーとして(メタ)アクリル酸を使用してもよい。(メタ)アクリル酸の中では、安全性の点で、メタクリル酸が好ましい。
【0030】
(メタ)アクリル酸を使用する場合、その使用量は、重合性ビニルモノマー100質量部中0.5〜20質量部が好ましく、1.0〜15質量部がより好ましい。0.5質量部未満だと硬化速度や接着強さが向上しないおそれがあり、20質量部を越えると却って接着強度が低下し、耐アルカリ強度が減少するおそれがある。
【0031】
さらに、重合性(メタ)アクリル酸誘導体以外の重合性ビニルモノマーとしては、スチレン、α−アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、及び、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
【0032】
更に、本発明の硬化性樹脂組成物には、重合性ビニルモノマー以外の重合性物質を併用することができる。このような重合性物質としては、重合性不飽和結合を有するマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸やシトラコン酸等のポリカルボン酸、クロトン酸やイソクロトン酸等のモノカルボン酸、及び、炭素数6以上の重合性オレフィン系炭化水素等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0033】
この重合性ビニルモノマー以外の重合性物質を使用する場合、その使用量は硬化速度等の点で、重合性ビニルモノマー100質量部中、30質量部未満が好ましい。
【0034】
本発明で使用する(2)硬化剤としては、いわゆる重合開始剤が挙げられる。硬化剤の中では、反応性の点で、有機過酸化物が好ましい。
【0035】
有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
【0036】
(2)硬化剤の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。0.1質量部未満だと硬化速度が遅いおそれがあり、20質量部を越えると貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。
【0037】
本発明で使用する(3)チアジアゾール類は、前記(2)硬化剤と反応し、ラジカルを発生する還元剤である。(3)チアジアゾール類は、チオアミド化合物と同等の接着性を有するという利点がある。
【0038】
チアジアゾール類としては、2−アミノ−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−t−ブチル−2−メチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオベンゾアート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオステアラート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオ−1−ナフトアート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオフェニルアセテート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオシクロヘキシルカルボキシラート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオ−p−トルアート、5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−チオシンナマート及び2,5−ジ(ブトキシメチル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
【0039】
(3)チアジアゾール類の中では、効果が大きい点で、一般式(A)の構造を有するものが好ましく、一般式(B)の構造を有するものがより好ましい。
【0040】
【化9】
Figure 0004869485
【0041】
〔但し、R1、は水素、アルキル基、フェニル基、水酸基、アミノ基又はメルカプト基を示し、RとRは同一であっても異なっても良い。〕
【0042】
【化10】
Figure 0004869485
【0043】
〔但し、R3、R4は水素、フェニル基、ベンゾイル基、アセチル基、炭素数1〜6のアルキル基又はR5OR6−基を示し、R5は一価の有機基であり、R6は二価の有機基である。R3とR4は同一であっても異なっても良い。〕
【0044】
一般式(B)の構造を有するものの中では、R3、R4が水素及び/又はR5OR6−基であることが好ましい。
【0045】
(3)チアジアゾール類の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して0.25〜10質量部が好ましく、0.5〜7.5質量部がより好ましい。0.25質量部未満だと硬化速度が遅く、接着強度が低下するおそれがあり、10質量部を越えると未反応の還元剤が残り、接着強度が低下するおそれがある。
【0046】
本発明では、剥離強度と衝撃強度の向上の点で、(4)エラストマー成分を硬化性樹脂組成物に使用することが好ましい。
【0047】
本発明で使用する(4)エラストマー成分としては、常温でゴム状弾性を有する高分子物質をいい、重合性ビニルモノマーに溶解又は分散できるものが好ましい。
【0048】
このような(4)エラストマー成分としては、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS) 、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、並びに、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、線状ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びブタジエンゴム等の各種合成ゴム、天然ゴム、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン−EPDM合成ゴムといったオレフィン系熱可塑性エラストマー、並びに、カプロラクトン型、アジペート型及びPTMG型といったウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールマルチブロックポリマーといったポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロン−ポリオールブロック共重合体やナイロン−ポリエステルブロック共重合体といったポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、並びに、塩ビ系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマー成分は相溶性が良ければ、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0049】
これらの中では、重合性ビニルモノマーに対する溶解性や接着性が良好な点で、アクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。
【0050】
本発明の(4)エラストマー成分の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して2〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部がより好ましい。2質量部未満だと粘度が低下してダレが生じ、接着性が低下するおそれがあり、50質量部を越えると粘度が高すぎて作業上不都合が生じるおそれがある。
【0051】
この他に粘度や流動性を調整する目的で、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレート等の熱可塑性高分子、並びに、微粉末シリカ等も使用することができる。
【0052】
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は空気に接している部分の硬化を迅速にするために、各種パラフィン類を使用することができる。パラフィン類としては、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの中では、空気に接している部分の硬化が良好な点で、パラフィンが好ましい。パラフィン類の融点は40〜100℃のものが好ましい。
【0053】
パラフィン類の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部未満だと空気に接している部分の硬化が悪くなるおそれがあり、5質量部を越えると接着強度が低下するおそれがある。
【0054】
更に、貯蔵安定性を改良する目的で、重合禁止剤を含む各種の酸化防止剤等を使用することができる。酸化防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらの中では、貯蔵安定性が良好な点で、ハイドロキノンモノメチルエーテルが好ましい。
【0055】
酸化防止剤の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましい。0.001質量部未満だと貯蔵安定性改良の効果がないおそれがあり、3質量部を越えると硬化強度が低下するおそれがある。
【0056】
なお、これらの他にも所望により可塑剤、充填剤、着色剤及び防錆剤等の既に知られている物質を使用することもできる。
【0057】
本発明の実施態様としては例えば、二剤型の硬化性樹脂組成物として使用することが挙げられる。二剤型については、本発明の硬化性樹脂組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、硬化性樹脂組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に少なくとも(2)硬化剤を、第二剤に少なくとも(3)チアジアゾール類を別々に貯蔵する。貯蔵安定性に優れる点で、二剤型が好ましい。この場合、両剤を同時に又は別々に塗布して接触、硬化することによって、二剤型の硬化性樹脂組成物として使用できる。
【0058】
別の実施態様としては、第一剤及び第二剤のいずれか一方又は両方に(1)重合性ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸、及びその他の任意の成分を予め含有せしめ、硬化時に両剤を混合することによって、一剤型の硬化性樹脂組成物として使用できる。
【0059】
本発明の硬化性樹脂組成物は、好ましくは接着剤組成物として使用できる。
【0060】
本発明では、接着剤組成物の硬化体によって、被着体を接合又は被覆して複合体を作製する。被着体の各種材料については、紙、木材、セラミック、ガラス、陶磁器、ゴム、プラスチック、モルタル、コンクリート又は金属等制限はないが、被着体が金属の場合により優れた接着効果を示し、被着体が鉄の場合に最も優れた接着効果を示す。
【0061】
【実施例】
以下実験例により本発明を更に詳細に説明する。なお、以下、各物質の使用量の単位は質量部で示す。なお、チアジアゾール類αは2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールであり、チアジアゾール類βは一般式(B)において、R3、R4がR5OR6−基の構造を有するものである。3002Mは商品名「エポキシエステル3002M」(共栄社油脂(株)製)である。パラフィン類としては沸点56℃のパラフィンを、酸化防止剤としてはハイドロキノンモノメチルエーテルをそれぞれ用いた。
【0062】
なお、各種物性については、次のようにして測定した。
【0063】
〔剥離強度及び破壊状態〕
JIS K−6854に準拠し、一枚の試験片(100×25×0.3mm、SPCC−Dの未処理)の片面に第一剤を塗布した。第二剤がある場合にはもう一枚の試験片(100×25×0.3mm、SPCC−Dの未処理)の片面に第二剤を塗布した。その後直ちに塗布面同士を重ね合わせて貼り合わせたのち、室温で24時間養生し、これを剥離強度測定用試料とした。なお、接着剤組成物層の厚さを均一化するため、粒径100μmのガラスビーズを微量添加した。試料の剥離強度(単位:kN/m)は、温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度100mm/分で測定した。なお、破壊状態については、凝集破壊の場合は良好な再現性を示したが、界面剥離の場合には再現性が悪かった。
【0064】
〔粘度〕
JIS K−7117に従い、第一剤と第二剤を500mlずつ取り、25℃の恒温槽に24時間放置したものを試料とした。粘度の測定は、25℃で単一円筒型回転粘度計で2分間連続して測定した。
【0065】
実験例1
表1の使用量で硬化剤を除く各物質を混合して表1に示す組成物を調製した。その後硬化剤を混合してから直ちに接着し、物性を測定した。結果を表1に併記した。
【0066】
【表1】
Figure 0004869485
【0067】
実験例2
表2の使用量で各物質を混合して表2に示す第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に併記した。
【0068】
【表2】
Figure 0004869485
【0069】
実験例3
表3の使用量で各物質を混合して表3に示す第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表3に併記した。
【0070】
【表3】
Figure 0004869485
【0071】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物によりチオアミド化合物と同等の、被着体に対して剥離強度が高い接合体が得られる。

Claims (4)

  1. (1)下記<1>、<2>及び<5>を含有してなり、かつ、(メタ)アクリル酸を重合性ビニルモノマー100質量部中0.5〜20質量部を含有してなる重合性ビニルモノマー100質量部、(2)硬化剤0.1〜20質量部、(3)一般式(B)の構造を有するチアジアゾール類0.25〜10質量部、(4)エラストマー成分2〜50質量部、パラフィン類0.1〜5質量部、酸化防止剤0.001〜3質量部を含有してなり、かつ、第一剤が少なくとも(2)硬化剤を含有してなり、第二剤が少なくとも(3)チアジアゾール類と(メタ)アクリル酸を含有してなる二剤型硬化性樹脂組成物からなる金属用接着剤組成物。
    <1>一般式(C)で示される単量体。
    一般式(C) Z−O−R
    〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH=CHCOOCH−CH(OH)CH−基又はCH=C(CH)COOCH−CH(OH)CH−基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示す。〕
    <2>一般式(D)で示される単量体。
    一般式(D) Z−O−(RO)−R
    〔式中、Zは前述の通りである。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示し、Rは−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
    <5>一般式(G)で示されるエポキシ(メタ)アクリレート。
    Figure 0004869485
    〔式中、Zは前述の通りである。R10は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R12は−CHCH(OH)CH−又は−CHCH(OH)CHOCHCH(CH)−を示し、R13は−CHCH(OH)CH−又は−CHCH(CH)OCHCH(OH)CH−を示し、rは1〜8の整数を表す。〕
    Figure 0004869485
    〔但し、R、Rは水素、フェニル基、ベンゾイル基、アセチル基、炭素数1〜6のアルキル基又はROR−基を示し、Rは一価の有機基であり、Rは二価の有機基である。RとRは同一であっても異なっても良い。〕
  2. 請求項1記載の金属用接着剤組成物の硬化体。
  3. 請求項2記載の硬化体により被着体が被覆又は接合された複合体。
  4. 請求項3記載の被着体が金属である複合体。
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