JP5193461B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、常温硬化性の組成物、詳細には常温硬化型接着剤組成物に関する。さらに詳細には、可使時間を十分に取る事が可能な、二剤型のアクリル系接着剤組成物に関する。
従来、常温硬化型アクリル系接着剤組成物として、二剤型のアクリル系接着剤が知られている。代表的な例として、第二世代のアクリル系接着剤(SGA)が知られている。
SGAは、使用する二剤の形態から2種類に分けられる。一方は、一主剤一副剤型(プライマー型)といわれるもので、アクリル系モノマーを主成分とする主剤に硬化剤を添加し、一主剤とし、溶剤等に還元剤(硬化促進剤)を溶解又は分散した液をプライマー(一副剤)として使用する。他方は、二剤の一方にアクリル系モノマーと硬化剤を、他方に、アクリル系モノマーと還元剤(硬化促進剤)を添加した二主剤型である。
二主剤型SGAは、二剤型であるにもかかわらず、その高い反応伝搬性から正確な計量を必要とせず、作業性に優れる。しかも、油面接着が可能であり、剪断接着強さ、剥離接着強さ、衝撃接着強さのバランスに優れる。又、ハミ出し部分の硬化も良好であるために広く用いられている。
しかしながら、二主剤型SGAは、上記のような特性を有しているにもかかわらず、硬化が速すぎるために、可使時間が十分に取れない問題がある。可使時間が短い接着剤は、接着面積が比較的大きく、接着剤の塗布に時間が掛かるような製品に対しては、貼り合わせる前に接着剤が硬化してしまうため適用できない、夏期等作業雰囲気温度が特に高い時には硬化が速くなってしまうため適用出来ない等の問題点がある。そのため、二主剤型SGA特有の特性を維持しつつ、可使時間が充分に長い、接着剤の要求が高まっている。
特許文献1には、トリメチルチオ尿素を含有する二主剤型の接着剤組成物が開示されていて、良好な物性バランスを有するとともに、可使時間が長く、かつ二主剤型SGAの利点である作業性が優れるという特徴を有する接着剤が開示されている。しかし、作業性の点で不十分であり、産業界には更に可使時間の長い接着剤への強い要求がある。
特開2003−212914号公報
本発明は、このような、市場の要求を満たすためになされたものである。本発明者は、いろいろ検討した結果、二主剤型のアクリル系接着剤組成物に特定の成分を配合することにより、上記の問題点が解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の目的は、SGA特有の性能である、油面接着性、正確な計量が不要、接着バランスに優れるといった特性を維持しつつ、接着剤の塗布作業や位置合わせの作業に要する時間である可使時間が充分に長い、硬化の遅い接着剤を提供する、より具体的には、油面接着時に10kN/m以上の接着強さが得られ、しかも可使時間が20〜30分程度の接着剤を提供することである。
即ち、本発明は、(1)下記(a)、(b)、及び(c)を含有してなる重合性ビニルモノマー100質量部、(2)硬化剤0.05〜10質量部、(3)アセチル−2−チオ尿素0.25〜10質量部、及び(4)アクリロニトリル−ブタジエンゴム2〜50質量部を含有してなる接着剤組成物であり、
(a)一般式(A)で示される単量体。
一般式(A);Z−O−R
〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH =CHCOOCH −CH(OH)CH
−基、又はCH =C(CH )COOCH −CH(OH)CH −基を示し、R
炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒド
ロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ
)アクリロイル基を示す。〕
(b)一般式(B)で示される単量体。
一般式(B);Z−O−(R O) −R
〔式中、Zは前述の通りである。R は水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアル
キル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロ
ペンチル基、ジシクロペンテニル基、イソシアヌレート基又は(メタ)アクリロイル基を
示し、R は−C −、−C −、−CH CH(CH )−、−C −又
は−C 12 −を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
(c)一般式(C)で示される単量体。
Figure 0005193461
〔式中、Z及びR は前述の通りである。R 10 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を
示し、qは0〜8の整数を表す。〕
(1)(a)が(メタ)アクリル酸メチルであり、(1)(b)がフェノキシエチル(メタ)アクリレートであり、(1)(c)が2,2−ビ
ス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンである該接着剤組成物であり、(2)硬化剤がクメンハイドロパーオキサイドであり、かつ、(2)クメンハイドロパーオキサイドが第一剤に、(3)アセチル−2−チオ尿素が第二剤にそれぞれ含有されている二剤型である該接着剤組成物であり、可使時間が20〜30分である該接着剤組成物である
本発明の硬化性組成物、接着剤組成物は、その組成故に、油面接着時に10kN/m以上の接着強さが得られ、しかも可使時間が20〜30分程度であるという特徴を有するので、大型構造物に好ましく適用可能な接着剤を提供できる。また、高い寸法精度を要求される接着作業に適用するとき、可使時間が長いので確実な接着作業を遂行することができる。
(1)重合性ビニルモノマーは、ラジカル重合可能であればいかなるものでもよいが、硬化速度や接着性の点で、重合性(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。
重合性(メタ)アクリル酸誘導体は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、70質量部以上であることが好ましく、(1)重合性ビニルモノマーが全て重合性(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。
ここで、重合性(メタ)アクリル酸誘導体とは、重合性アクリル酸誘導体又は重合性メタクリル酸誘導体をいう。これらは通常、液状ないし固形状のものが使用される。重合性(メタ)アクリル酸誘導体としては、次のようなものが挙げられる。
(a)一般式(A)で示される単量体。
一般式(A);Z−O−R
〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH=CHCOOCH−CH(OH)CH−基、又はCH=C(CH)COOCH−CH(OH)CH−基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ)アクリロイル基を示す。〕
このような単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、グリセロール(メタ)アクリレート及びグリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(b)一般式(B)で示される単量体。
一般式(B);Z−O−(RO)−R
〔式中、Zは前述の通りである。Rは水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基、イソシアヌレート基又は(メタ)アクリロイル基を示し、Rは−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
このような単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(c)一般式(C)で示される単量体。
Figure 0005193461
〔式中、Z及びRは前述の通りである。R10は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を
示し、qは0〜8の整数を表す。〕
このような単量体としては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
(d)一般式(D)で示される酸性リン酸化合物。
Figure 0005193461

〔式中、RはCH=CR11CO(OR12−基(但し、R11は水素又はメチル基、R12は−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−、−C12−又は
Figure 0005193461

を示し、mは1〜10の整数を表す。)を示し、nは1又は2の整数を表す。〕
このような酸性リン酸化合物としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
前記(a)〜(d)の単量体は、1種又は2種以上を使用することができる。
本発明に於いて、(1)重合性ビニルモノマーの内の少なくとも1種類がOH基を含有する重合性(メタ)アクリル酸誘導体であることが、接着性が良好な点、及び、硬化が遅い接着剤の未硬化を低減する点で、好ましい。
前記のOH基を含有する重合性(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2ヒドロキシプロピル、3フェノキシ2ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(d)に示すリン酸化合物が挙げられる。
重合性(メタ)アクリル酸誘導体以外の重合性ビニルモノマーとしては、スチレン、α−アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、及び、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、重合性ビニルモノマー以外の重合性物質を併用することができる。このような重合性物質としては、重合性不飽和結合を有するマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸やシトラコン酸等のポリカルボン酸、クロトン酸やイソクロトン酸等のモノカルボン酸、及び、炭素数6以上の重合性オレフィン系炭化水素等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
重合性ビニルモノマー以外の重合性物質を使用する場合、その使用量は硬化性等の点で、重合性ビニルモノマー100質量部中30質量部未満とすることが好ましい。
(2)硬化剤としては重合開始剤が挙げられる。硬化剤の中では、反応性の点で、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
(2)硬化剤の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.25〜7.5質量部がより好ましい。0.05質量部以上であれば未硬化が発生することもないし、10質量部以下であれば貯蔵安定性
が悪くなることもない。
チオ尿素誘導体は、前記(2)硬化剤と反応し、ラジカルを発生する還元剤であるが、他のチオ尿素化合物と比較し、有機過酸化物と接触してから反応が始まるまでの時間である誘導期が長いため、可使時間が充分長くとれ、且つSGA特有の優れた作業性や接着バランスを損なわない特徴を有する。本発明に於いては、特定のチオ尿素誘導体を用いることで、接着特性を損なうことなく、適当な可使時間を達成することができる。
チオ尿素誘導体としては、アセチル−2−チオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、N,N−ジフェニルチオ尿素、N,N−ジエチルチオ尿素、N,N−ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素等が挙げられるが、本発明においては、アセチル−2−チオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、N,N−ジフェニルチオ尿素、N,N−ジエチルチオ尿素、N,N−ジブチルチオ尿素、及びテトラメチルチオ尿素からなる群から選択される一種以上のチオ尿素誘導体を選択する。
(3)チオ尿素誘導体の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.25〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.25質量部以上であれば確実に重合反応が進行し接着強度が十分に発現させることができるし、10質量部以下であれば、副反応を誘起して接着強さが低下するおそれもない。
本発明に於いて、(3)チオ尿素誘導体に、遷移金属塩を硬化剤の還元剤として併用することができる。遷移金属塩を併用することにより、硬化性組成物の反応率を向上させ、硬化体の引っ張り剪断接着強さを向上することができる。遷移金属塩としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、バナジルアセチルアセトネート、オクテン酸コバルト、銅アセチルアセトネートが挙げられ、接着剤組成物の保存安定性及び接着性が良好な点で、ナフテン酸銅、又はバナジルアセチルアセトネートが好ましく、ナフテン酸銅がより好ましい。
本発明では、(4)エラストマー成分を硬化性組成物に含有せしめることが好ましい。(4)エラストマー成分とは、常温でゴム状弾性を有する高分子物質をいい、重合性ビニルモノマーに溶解又は分散できるものが好ましい。(4)エラストマー成分の添加により、硬化体に強靱さを付与することが可能となり、剥離接着強さ、衝撃接着強さのさらなる向上が可能となるほか、特に低温時に発生する硬化体の脆性破壊を防止することができる。
(4)エラストマー成分としては、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、並びにアクリロニトリル−ブタジエンゴム、線状ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブタジエンゴム等の各種合成ゴム、天然ゴム、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン−EPDM合成ゴムといったオレフィン系熱可塑性エラストマー、並びに、カプロラクトン型、アジペート型及びPTMG型といったウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールマルチブロックポリマーといったポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロン−ポリオールブロック共重合体やナイロン−ポリエステルブロック共重合体といったポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、並びに、塩ビ系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマー成分は相溶性が良ければ、1種又は2種以上を使用してもよい。
これらの中では、重合性ビニルモノマーに対する溶解性が良好であり、剥離接着強さ、衝撃接着強を向上させる効果が大きい点で、アクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。
(4)エラストマー成分の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して2〜50質量部であることが好ましく、5〜40質量部がより好ましい。2質量部以上であれば未硬化時の粘度が低下してダレが生じたり、接着性が低下するおそれがなくなるし、50質量部以下で粘度が高すぎて作業上不都合が生じるおそれも回避できる。
本発明の硬化性組成物、接着剤組成物には、粘度や流動性を調整する等の目的で、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等の熱可塑性高分子、並びに微粉末シリカ等も使用することができる。本発明の硬化性樹脂組成物は空気に接している部分の硬化を迅速にするために、各種パラフィン類を使用することができる。貯蔵安定性を維持する目的で、重合禁止剤を含む市販の酸化防止剤等を使用することができる。これらの他にも所望により可塑剤、充填剤、着色剤又は防錆剤等の既に知られている物質を使用することもできる。
本発明の硬化性組成物は、そのまま接着剤組成物として用いることができるが、更に好ましい実施態様として、二剤型の接着剤組成物として使用できる。この場合、
(2)硬化剤が第一剤に、(3)チオ尿素誘導体が第二剤にそれぞれ含有されている二剤型の形態とすれば良く、その他の成分は適宜二剤に配合することができる。接着剤として使用直前に両剤を接触させて硬化させれば良い。
接着剤組成物の硬化体によって、被着体を接合又は被覆して複合体を作製することができる。被着体の各種材料については、紙、木材、セラミック、ガラス、陶磁器、ゴム、プラスチック、モルタル、コンクリート又は金属等制限はないが、被着体が金属の場合に、より優れた接着効果を示す。
各物質の使用量の単位は質量部で示す。なお、パラフィン類としては沸点56℃のパラフィンを、酸化防止剤としてはハイドロキノンモノメチルエーテルをそれぞれ用いた。また、各種物性は、次のように測定した。
〔油面接着性評価1;引っ張り剪断接着強さ〕
JISK−6850に準拠し、一枚の試験片(100×25×1.6mm、SPCC−Dの塗油品)の片面に二主剤を混合した接着剤を塗布し、もう一方の試験片(100×25×1.6mm、SPCC−Dの塗油品)と直ちに重ね合わせて貼り合わせたのち、室温で24時間養生し、これを引っ張り剪断接着強さ測定用試料とした。なお、接着剤組成物層の厚さを均一化するため、粒径100μmのガラスビーズを接着剤に微量添加した。引っ張り剪断接着強さ(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔油面接着性評価2;剥離接着強さ〕
JIS K−6854 浮動ローラー法に準拠し、一枚の試験片(200×25×1.6mm、SPCC−Dの塗油品)の片面に二主剤を混合した接着剤を塗布し、もう一方の試験片(200×25×0.5mm、SPCC−Dの塗油品)と直ちに重ね合わせて貼り合わせたのち、室温で24時間養生し、これを剥離接着強さ測定用試料とした。なお、接着剤組成物層の厚さを均一化するため、粒径100μmのガラスビーズを接着剤に微量添加した。剥離接着強さ(単位:kN/m)は、温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張速度100mm/分で測定した。
〔可使時間〕
可使時間を実験により求めるために、接着剤を被着体の一方に混合、塗布した後、他方の被着体を貼り合わせるまでの時間(以下、オープンタイムと言う。)を徐々に長くし、接着を行っていく。一般的に、オープンタイムを長くする程、接着強さは低下していく傾向にある。オープンタイムと、接着強さの関係より可使時間を決定するが、ここでは、塗布直後(オープンタイム0分)に貼り合わせた場合の接着強さを100%とし、接着強さの保持率として80%を保持する最長のオープンタイムを可使時間とした。
具体的な方法としては、引っ張り剪断接着強さ測定において、二主剤を混合した時点より起算し、試験片を貼り合わせるまでの時間(オープンタイム)を0分、1分、2分、3分と、1分おきに時間をずらして貼り合わせ、24時間養生する。引っ張り試験を実施し、得られた接着強さと、オープンタイムとの関係より可使時間を求めた。
可使時間の測定に際しては、35℃の温度雰囲気にて接着作業を実施し、測定は23℃、相対湿度50%の環境化で実施した。これは、接着剤の可使時間は、気温の高い夏場に短くなるため、夏場の作業環境を想定したものである。
〔総合評価〕
上記油面接着性評価結果及び35℃可使時間の測定結果より、総合評価を実施した。
評価基準として、下記3項目については以下の基準とし、総合評価の判定としては、下記3項目を全て満たす場合には良(表中○印を付す)、1つでも満たさない場合には不良(表中×印を付す)とした。
(A)面接着性評価1;引っ張り剪断接着強さ 8.0 MPa以上
(B)面接着性評価2;剥離接着強さ 2.0 kN/m以上
(C)35℃可使時間 20 分以上
(実験例1)
表1の使用量で各物質を混合して第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製した。これについて、引っ張り剪断接着強さ及び剥離接着強さを測定した。又、35℃での可使時間を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0005193461
(実験例2)
表2の使用量で各物質を混合して第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に示した。
Figure 0005193461
(実験例3)
表3の使用量で各物質を混合して第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表3に示した。
Figure 0005193461
(実験例4)
表4の使用量で各物質を混合して第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示した。
Figure 0005193461
(実験例5)
表5の使用量で各物質を混合して第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表4に示した。
Figure 0005193461
本発明の硬化性組成物、接着剤組成物は、その組成故に、油面接着時に10kN/m以上の接着強さが得られ、しかも可使時間が20〜30分程度であるという特徴を有するので、例えば、大口径スピーカー、金属製ドア、看板筐体、エレベータ筐体、各種配電制御盤筐体、屋根材等の大型構造物に好ましく適用できる接着剤を提供できるし、また、高い寸法精度を要求される接着作業に適用するとき、可使時間が長いので確実な接着作業を遂行することができる接着剤を提供できるので、産業上非常に有用である。

Claims (4)

  1. (1)下記(a)、(b)、及び(c)を含有してなる重合性ビニルモノマー100質量部、(2)硬化剤0.05〜10質量部、(3)アセチル−2−チオ尿素0.25〜10質量部、及び(4)アクリロニトリル−ブタジエンゴム2〜50質量部を含有してなる接着剤組成物。
    (a)一般式(A)で示される単量体。
    一般式(A);Z−O−R
    〔式中、Zは(メタ)アクリロイル基、CH =CHCOOCH −CH(OH)CH
    −基、又はCH =C(CH )COOCH −CH(OH)CH −基を示し、R
    炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒド
    ロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロペンチル基、ジシクロペンテニル基又は(メタ
    )アクリロイル基を示す。〕
    (b)一般式(B)で示される単量体。
    一般式(B);Z−O−(R O) −R
    〔式中、Zは前述の通りである。R は水素、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアル
    キル基、ベンジル基、フェニル基、テトラヒドロフルフリル基、グリシジル基、ジシクロ
    ペンチル基、ジシクロペンテニル基、イソシアヌレート基又は(メタ)アクリロイル基を
    示し、R は−C −、−C −、−CH CH(CH )−、−C −又
    は−C 12 −を示し、pは1〜25の整数を表す。〕
    (c)一般式(C)で示される単量体。
    Figure 0005193461
    式中、Z及びR は前述の通りである。R 10 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を
    示し、qは0〜8の整数を表す。〕
  2. (1)(a)が(メタ)アクリル酸メチルであり、(1)(b)がフェノキシエチル(メタ)アクリレートであり、(1)(c)が2,2−ビ
    ス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンである請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. (2)硬化剤がクメンハイドロパーオキサイドであり、かつ、(2)クメンハイドロパーオキサイドが第一剤に、(3)アセチル−2−チオ尿素が第二剤にそれぞれ含有されている二剤型である請求項1〜2のうちの1項に記載の接着剤組成物。
  4. 可使時間が20〜30分である請求項1〜3のうちの1項に記載の接着剤組成物。
JP2006344986A 2006-12-21 2006-12-21 接着剤組成物 Active JP5193461B2 (ja)

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