JP4868748B2 - リン酸塩処理鋼板 - Google Patents

リン酸塩処理鋼板

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Description

本発明は、自動車ボディ,自動車部品等、厳しい耐食性が要求される用途に適し、耐初期白錆腐食性,塗装性に優れたリン酸塩処理鋼板に関する。
自動車ボディは、所定形状にプレス加工した鋼板を脱脂後にリン酸塩処理し、電着塗装,仕上げ塗装の順で塗装されている。冬季に多量の融雪塩が散布される北米,北欧等の寒冷地における使用を考慮して優れた耐食性が要求されるため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板,溶融亜鉛めっき鋼板等の防錆鋼板が自動車ボディの基材に使用されている。
穴開き腐食,外観錆び等の錆びに対する自動車ボディの保証年数,保証距離は最近20数年で長くなる一途に有り、更なる延長の動きもみられる。保証年数,保証距離の要求強化に伴い、穴開き腐食が生じやすい部位、たとえばフロア−パネル,サイドシル等のアンダーボディやドアのヘム部,ホイールハウスの合せ部等での腐食対策を強化することが今後の重要課題になる。
本発明者等は、穴開き腐食対策の強化が求められている部位への適用を想定し、最近開発されたZn-Al-Mg合金めっき鋼板(特許文献1)を用いて自動車ボディ用鋼板としての諸特性を調査した。
特開平10-306357号公報
めっき付着量:45g/m2のZn-6質量%Al-3質量%Mg合金めっき鋼板(以下、"ZAMめっき鋼板"という)をリン酸塩処理し、自動車ボディの袋構造や合せ部を想定し膜厚:5μmの電着塗装を施した後、300サイクルの促進腐食試験(JIS H8502)に供した。試験後に最大侵食深さを測定し、同様にリン酸塩処理,電着塗装しためっき付着量:50g/m2の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、"GA"という),めっき付着量:65g/m2の溶融亜鉛めっき鋼板(以下、"GI"という)の促進腐食試験結果と比較した。
最大侵食深さは、GAで0.6mm程度,GIで0.5mm程度であったのに対し、ZAMでは鋼板の侵食を検出できなかった(図1)。すなわち、ZAMめっき鋼板は、現在自動車ボディ用鋼板として汎用されているGAやGIに比べ耐穴開き腐食性が格段に優れている。しかし、エッジ部を起点とする耐塗膜膨れ腐食性では現行材より劣っていることが判明した。
本発明者等は、GAやGIと異なるZAMめっき鋼板の塗膜膨れ腐食挙動がZn-Al-Mg合金めっき層に原因があり、ZAMめっき鋼板特有の表面反応が生じるとの前提で、リン酸塩処理液に含まれるZn以外の金属元素の影響を種々調査・検討した。その結果、Zn以外の金属元素の中でもMn,Mg(金属元素X)とNi,Co,Fe(金属元素Y)とは異なる挙動を示し、金属元素X,Yの含有量に二次密着性,耐塗膜膨れ腐食性等の物性が影響されることを見出した。
本発明は、かかる知見をベースに完成されたものであり、リン酸塩皮膜に含まれるZn以外の金属元素X,Yを量規制することにより、ZAMめっき鋼板特有の塗膜膨れ腐食を改善したリン酸塩処理鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、ZAMめっき鋼板表面にリン酸塩皮膜を設けたリン酸塩処理鋼板である。基材のめっき層は、Al:3〜15質量%,Mg:2〜5質量%,残部が不可避的不純物を除きZnの組成を有する。リン酸塩処理でNi,Co,Fe等の金属元素Yが基材表面に置換析出しているが、金属元素Yの置換金属析出量を付着量で10mg/m2以下に規制している。リン酸塩皮膜となるリン酸塩結晶にZnの他にMn,Mgが金属元素Xとして含まれるが、Znに対する金属元素Xのモル比が0.04以上(好ましくは、0.1以上)に調整されている。Zn,金属元素X以外にもNi,Co,Fe等の金属元素Yがリン酸塩結晶に含まれるが、Znに対する金属元素Yのモル比は0.05以下(更には、0.03以下)が好ましい。
発明の効果及び実施の形態
本発明者等は、塗装原板の表面状態に塗膜膨れ腐食が影響されるとの前提で、リン酸塩処理液の組成と耐塗膜膨れ腐食性との関係を調査した。
板厚:0.7mmのZAMめっき鋼板から作製した試験片をリン酸塩処理後に電着塗装し、促進腐食試験に供した。リン酸塩処理,電着塗装,促進腐食試験の条件及び評価基準を表1に示す。
Figure 0004868748
耐初期白錆腐食性,耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性は、リン酸塩処理液の組成(表2)に応じて変わっていた。すなわち、Ni,Co又はFeを含む処理液a,b,f〜iでリン酸塩処理したZAMめっき鋼板では、初期白錆腐食が発生しやすく塗膜膨れ幅が大きくなる傾向にあった。塗膜膨れ幅は、処理液a,b,iを用いた場合の結果を対比すると、処理液のNi濃度に応じて大きくなる傾向にあった。Zn以外の金属元素を含まない処理液dやMn又はMgを含む処理液c,eでリン酸塩処理した鋼板は、耐初期白錆腐食性が改善され塗膜膨れ幅も小さくなった。しかし、処理液dを用いたリン酸塩処理では、良好な二次密着性が得られなかった。
Figure 0004868748
リン酸塩処理液に含まれる金属元素に応じた耐初期白錆腐食性,耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性の変化は、次のように考えられる。
リン酸塩結晶は、Zn3(PO4)2・4H2Oで表されるように四つの結晶水を配した構造をもっており、電着塗装の焼付け工程で二つの結晶水が取れてZn3(PO4)2・2H2Oに変化すると考えられている。Zn3(PO4)2・2H2Oは、塗膜を浸透してきた水分と接触すると、再び復水化してZn3(PO4)2・4H2Oの構造に戻る。リン酸塩結晶は、二水和物から四水和物への構造変化時に体積膨張する。体積膨張はめっき層/塗膜界面の歪みとなって現れ、塗膜剥離の発生原因となる。
塗膜剥離の発生原因から、Znの一部を他の金属元素で置換することによりリン酸塩結晶の復水化,ひいては体積膨張を抑制できるといわれている。実際、Ni,Co,Fe,Mn,Mgを含む処理液a〜c,e〜iから生成したリン酸塩皮膜を分析すると、Ni,Co,Fe,Mn,Mgがリン酸塩結晶に取り込まれており、塗膜の二次密着性との対応関係が高い。
めっき付着量:50g/m2のGA及びめっき付着量:65g/m2のGIを処理液aでリン酸塩処理した後、同じ試験条件下で塗膜膨れ幅を測定したところ、それぞれ1.5mm,3mmであった。該測定値はZAMめっき鋼板の塗膜膨れ幅(5mm)より小さな値である。二次密着試験後にも、GA,GI共に塗膜剥離が生じていなかった。
ZAMめっき鋼板とGA,GIとの間で塗膜膨れ,塗膜剥離の調査結果を対比することから明らかなように、ZAMめっき鋼板の耐塗膜膨れ腐食性はリン酸塩処理液の組成によって変わっている。しかも、耐塗膜膨れ腐食性に及ぼす処理液組成の影響は、ZAMめっき鋼板特有であり、GAやGIから窺い知れない。
次いで、リン酸塩処理されたZAMめっき鋼板表面及び生成したリン酸塩結晶を分析した。
ZAMめっき鋼板表面には、リン酸塩処理時に置換析出する金属元素やリン酸塩結晶に取り込まれる金属元素等がある。置換析出する金属はNi,Co,Fe等(金属元素Y)であり、Mn,Mg(金属元素X)は置換析出しない。リン酸塩結晶に取り込まれる金属元素,ZAMめっき鋼板表面に置換析出した金属元素を以下の手順で定量した。
〔リン酸塩結晶に取り込まれる金属元素〕
リン酸塩処理後のZAMめっき鋼板から10cm×10cmの試験片を切り出し、室温の二クロム酸アンモニウム水溶液(二クロム酸アンモニウム:20g/l,濃アンモニウム:480g/l)に15分間浸漬し、リン酸塩結晶を溶解させた。溶解液をICPで分析し、分析結果からリン酸塩結晶中の金属元素の組成比を算出した。
〔ZAMめっき鋼板表面に置換析出した金属元素〕
ZAMめっき鋼板表面からリン酸塩結晶を溶解させた後の試験片を室温の10%HCl水溶液に浸漬し、めっき層ごと溶解させた。得られた溶解液をICPで分析し、分析結果から置換金属析出量を算出した。
表3の調査結果にみられるように、ZAMめっき鋼板をリン酸塩処理したNo.1〜9では、置換金属析出量と塗膜膨れ幅との間に相関がみられる。ZAMめっき鋼板,GA,GIを同じ処理液aでリン酸塩処理したNo.1,10,11では、リン酸塩結晶中の金属元素の組成比に実質的な有意差は生じていないが、めっき層表面に置換析出した金属(Ni)の析出量はZAMめっき鋼板で最も多く、塗膜膨れ幅も大きくなっている。
同じ亜鉛系のめっき鋼板でありながら、ZAMめっき鋼板とGA,GIとの間で違いが生じる理由は次のように推測される。
ZAMめっき鋼板のめっき層は、主としてZn相,Al相,Zn2Mg相が微細に分散したZn/Al/Zn2Mgの三元共晶組織になっている。Zn2Mg相は、Zn相よりも電気化学的に卑である。そのため、GAやGIのめっき層に比べ、Ni,Co,Fe等を含む水溶液と接触すると金属イオンが置換析出しやすい状態にあるといえる。Ni,Co,Fe等の置換析出が促進されることは、同じ処理液aを使用したリン酸塩処理であるにも拘わらず、No.10,11に比較してNo.1の置換金属析出量が圧倒的に多くなっていることによっても支持される。
Ni,Co,Fe等の置換析出は、Zn2Mg相の溶出を意味する。換言すれば、エッジ,疵付き部等の塗膜欠陥から水分や腐食因子が侵入してくると、電位的に卑なZn2Mg相と置換金属との間で電位差が生じてZn2Mg相が優先腐食し、結果として塗膜下腐食が進行しやすくなると考えられる。
Figure 0004868748
Zn/Al/Zn2Mgの三元共晶組織をもつめっき層に特有な腐食機構を前提にするとき、ZAMめっき鋼板のリン酸塩処理材でみられる耐塗膜膨れ腐食性の低下はリン酸塩処理時に鋼板表面に置換析出する金属元素が原因であり、置換金属析出量を抑えることによりZAMめっき鋼板の耐塗膜膨れ腐食性が改善できるといえる。実際、後述の実施例にもみられるように、Ni,Co,Fe等の置換析出量を10mg/m2以下に抑えることにより耐塗膜膨れ腐食性が改善されている。
本発明では、ZAMめっき鋼板のリン酸塩処理材にみられる置換金属析出量の影響を抑えるため、ZAMめっき鋼板のめっき層,置換金属析出量,リン酸塩結晶に含まれる金属元素量を次のように管理している。
〔Zn-Al-Mg合金めっき層〕
ZAMめっき鋼板は、Mgを含む亜鉛系腐食生成物が非常に緻密で安定した皮膜となって表面を覆うので、長期間にわたって腐食反応を抑制し、めっき層の腐食減量を著しく低減する。腐食反応の抑制,めっき層の腐食低減に及ぼすMgの影響はMg濃度:2質量%以上のめっき層でみられ、Mg濃度の上昇に伴い耐穴開き腐食性が向上する。しかし、過剰量のMgが含まれると、三元共晶組織の他にZn2Mg相がめっき層に現れる。Zn2Mg相は、Zn相よりも電位的に卑であり、めっき層内で優先的に腐食される。Zn2Mg相が多くなるほどめっき層の優先腐食される部分が増え、結果として塗膜膨れが生じやすくなる。Zn2Mg相の出現に起因する悪影響は、めっき層のMg濃度を5質量%以下とすることにより抑制できる。
Alは、めっき層をZn/Al/Zn2Mgの三元共晶組織にする上で必須の成分であり、めっき浴に含まれているMgの酸化を抑制してドロス発生を低減する作用も呈する。Alの効果は3質量%以上の添加でみられ、Al濃度が高くなるに従ってZn2Mg相が微細化し、耐塗膜膨れ腐食性が向上する。しかし、過剰量のAlが含まれると三元共晶組織以外の部分でめっき層に占めるAl相の割合が多くなり、リン酸塩処理性を阻害し耐塗膜膨れ腐食性を低下させるので、Al含有量の上限を15質量%(好ましくは、10質量%)とする。更に、加工時のめっき密着性向上のために0.5質量%以下のSiを、Zn2Mg相の出現を抑えるため0.01質量%以下のTi,Bをめっき層に適宜添加しても良い。
〔ZAMめっき鋼板表面の置換金属析出量〕
リン酸塩処理時のZAMめっき鋼板表面に置換析出する金属は、Znより電位的に貴なNi,Co,Fe等の金属元素Yである。金属元素Yが過剰に置換析出すると耐塗膜膨れ腐食性が低下するので、リン酸塩処理液に含まれている金属元素Yの濃度を下げ、置換析出量を10mg/m2以下(好ましくは、5mg/m2以下)に抑える。
〔リン酸塩皮膜に含まれる金属元素〕
二次密着性の向上に有効な金属元素にはNi,Co,Fe,Mn,Mg等があるが、Ni,Co,Fe等の金属元素YはZAMめっき鋼板表面に置換析出し、二次密着性と耐塗膜膨れ腐食性との両立を困難にする。そこで、ZAMめっき鋼板表面に置換析出せず,二次密着性の向上に有効なMn,Mg等を金属元素Xとしてリン酸塩処理液に複合添加している。
金属元素Xの添加量に関しては、ZAMめっき鋼板表面に析出するリン酸塩結晶がZn以外に少なくとも一種の金属元素Xを含み、Znに対する金属元素Xのモル比が0.04以上(好ましくは、0.1以上)となるように定めている。モル比≧0.04は、後述の実施例でもみられるように本発明者等による多数の実験結果から見出された関係式であり、二次密着性,耐塗膜膨れ腐食性を両立させる上で必須の条件である。モル比が0.04を下回ることは、リン酸塩皮膜に含まれるZn以外の金属元素が少ないことを意味し、十分な二次密着性が得られない。
リン酸塩結晶にNi,Co,Fe等の金属元素Yも含まれることがあるが、リン酸塩結晶に含まれる金属元素YのZnに対するモル比を好ましくは0.05以下(更には、0.03以下)とするとき、耐塗膜膨れ腐食性への悪影響を抑えられる。
本発明のリン酸塩処理鋼板は、塗膜耐食性,密着性に優れているのでPETフィルム等の貼合せで得られるラミネート鋼板の素材にも適している。また、リン酸塩処理鋼板に無機系又は有機系のクロムフリーシーリングを施すと、耐食性が更に向上する。
めっき付着量が一定:45g/m2でめっき層の組成が異なる複数のZAMめっき鋼板を用意した。ZAMめっき鋼板を処理液e(表2)でリン酸塩処理し、表1の条件で調査した耐初期白錆腐食性,耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性の評価結果を表4に示す。
表4の耐塗膜膨れ腐食性,耐塗膜剥離性にみられるように、本発明例No.12〜16は良好な耐塗膜膨れ腐食性、二次密着性及び耐初期白錆腐食性を示した。なかでも、めっき層のAl濃度が3〜10質量%の範囲にあるNo.12,13,15,16は、耐塗膜膨れ腐食性に優れていた。
他方、めっき層が18質量%と過剰量のAlを含む比較例No.17では、リン酸塩処理性が阻害され、耐塗膜膨れ腐食性が低下した。Mgが過剰なめっき層を設けた比較例No.18,Alが少ないめっき層を設けた比較例No.19でも耐塗膜膨れ腐食性が低下したが、この場合の耐塗膜膨れ腐食性低下は三元共晶組織以外でのZn2Mg相の出現が原因と考えられる。
Figure 0004868748
組成を種々変更した処理液(表5)でめっき付着量:45mg/m2のZAMめっき鋼板をリン酸塩処理し、表1の条件で調査した耐初期白錆腐食性,耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性の評価結果を表6,7に示す。
表6にみられるように、本発明例は耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性,耐初期白錆腐食性の何れも優れていた。特に耐塗膜膨れ腐食性は、置換金属析出量:5mg/m2以下の試験片で優れていた。
他方、置換金属析出量:10mg/m2以上の比較例No.36〜39,43では耐塗膜膨れ腐食性,耐初期白錆腐食性が劣っており、リン酸塩結晶に含まれるZn以外の金属元素X,Yの量が本発明で既定した条件を満足していない比較例No.34,35,40〜42では二次密着性が劣っていた(表7)。
Figure 0004868748
Figure 0004868748
Figure 0004868748
表1の条件下、処理液e(表2)でリン酸塩処理したZAMめっき鋼板に塗料(表8)をバーコータで塗布し焼成することにより乾燥膜厚:30μmの塗膜を形成した。得られた塗装鋼板の耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性を同様に調査した結果を表8に併せ示す。アクリル系,アルキッド系,メラミン系何れの塗料を用いた場合でも、耐塗膜膨れ腐食性,二次密着性に優れた塗膜が形成されていた。
Figure 0004868748
以上に説明したように、本発明のリン酸塩処理鋼板は、Zn2Mg相の腐食を促進させがちなZn-Al-Mg合金めっき層上の置換金属析出量及びリン酸塩結晶中のNi,Co,Fe等の量を規制し、Znに対するMn,Mgのモル比を0.04以上として塗膜の二次密着性を改善している。そのため、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板の高耐食性を活用し、耐穴開き腐食性,耐塗膜膨れ腐食性,耐初期白錆腐食性,二次密着性等に優れた塗装鋼板として広範な分野で使用される。
GA,GIに比べてZn-Al-Mg合金めっき鋼板の耐食性が格段に優れていることを示すグラフ

Claims (2)

  1. Al:3〜15質量%,Mg:2〜5質量%,残部が不可避的不純物を除きZnのめっき層を設けたZn-Al-Mg合金めっき鋼板を基材とし、
    Zn以外の金属元素Xとして少なくともMn又はMgを含むリン酸塩結晶からなり、Znに対する金属元素Xのモル比が0.04以上のリン酸塩皮膜が基材表面に形成され、
    付着量:10mg/m2以下でNi,Co及び/又はFeが金属元素Yとして基材表面に置換析出していることを特徴とするリン酸塩処理鋼板。
  2. Al:3〜15質量%,Mg:2〜5質量%,残部が不可避的不純物を除きZnのめっき層を設けたZn-Al-Mg合金めっき鋼板を基材とし、
    Zn以外の金属元素Xとして少なくともMn又はMg及び金属元素YとしてNi,Co及び/又はFeを含むリン酸塩結晶からなり、Znに対する金属元素X,Yのモル比がそれぞれ0.04以上,0.05以下のリン酸塩皮膜が基材表面に形成され、
    付着量:10mg/m2以下で金属元素Yが基材表面に置換析出していることを特徴とするリン酸塩処理鋼板。
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