JP4868412B2 - 解析装置、解析方法、解析プログラムおよび解析プログラムが格納された記録媒体 - Google Patents

解析装置、解析方法、解析プログラムおよび解析プログラムが格納された記録媒体 Download PDF

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本発明は、時間領域有限差分法(Finite Difference Time Domain Method,FDTD)・有限要素法(Finite Element Method,FEM)・モーメント法(Moment Method,MoM)等に代表されるフルウェーブ電磁界解析法によるプリント基板の電磁界解析結果を評価し、配線間の結合箇所を抽出する技術に関するものである。
近年の回路素子の高速化・プリント基板の高密度化に伴って電磁ノイズによる誤動作対策、電磁ノイズの放射対策が以前にも増して重要視されている。電磁ノイズ対策を行うにあたって、基板のどの部分から電磁ノイズが漏洩しているのか特定する技術が重要となる。
特許文献1では、配線パターンの解析対象となる部分を2つの平行する信号線等の標準基板モデルとして近似し、その結合係数を予め算出した結合係数テーブルによって求め、2線間のクロストーク量を算出する技術が詳述されている。
また、電磁界分布を計算することを目的として、FDTD法やFEM法を利用した手法が研究されており、非特許文献1に開示されているような基板全体に適用できるシミュレータも開発され、設計現場に適用されている。
特許第3217931号公報 "Parallel-Distributed FDTD-Based Full-Wave Simulator for Large-Scale Printed Wiring Boards" Proc. EPEP2002 (IEEE Topical Meeting on Electrical Performance of Electronic Packaging)
特許文献1に記載の発明は、クロストーク解析対象部を平行2配線として扱うため、平行2配線以外の形状の配線間で発生するクロストークを評価することができないという問題を有する。また、クロストーク解析対象とする領域中の基板の構造を表すためのパラメータ設定の良否によって解析精度が低下してしまうという問題を有する。
特にビア/スルーホールで発生するクロストーク成分については、グランド等の帰路電流が流れるビアの個数や配置位置によって大きく変化し、漏洩する経路も複数の配線を跨ぐ場合もあるため、配線構造からクロストークの発生箇所を抽出する解析は困難を極める。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、平行2配線以外の形状の配線間で発生するクロストークの発生箇所についても抽出できる装置を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、1つの局面に係る本願発明は、複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所を抽出する解析装置であって、基板の設計データから基板を含む解析空間の解析モデルを作成する作成手段と、作成手段により作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行する解析手段と、設計データからプリント基板における複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得する取得手段と、複数の配線の中から1つの配線を指定する配線指定手段と、解析手段の解析結果および取得手段により取得された配線座標情報に基づいて、配線指定手段により指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算する計算手段と、解析手段の解析結果および計算手段の計算結果に基づき、指定された配線と結合する配線を抽出する抽出手段とを備える。
好ましくは、解析手段は、解析空間中の、電界ベクトルおよび磁界ベクトルを算出し、計算手段の計算結果に基づいて、指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する表面指定手段をさらに備え、抽出手段は、電界ベクトルを用いて、表面指定手段により指定された表面座標から発生する電界ベクトルを追跡し、結合する配線を抽出する。
好ましくは、前記解析手段は、前記解析空間中の、電界ベクトルおよび電流ベクトルを算出し、前記計算手段の計算結果に基づいて、前記指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する表面指定手段をさらに備え、前記抽出手段は、前記電流ベクトルを追跡する電流ベクトル追跡手段と、前記電界ベクトルを追跡する電界ベクトル追跡手段と、前記基板の設計データに基づき追跡時の経路における媒質を判断する判断手段とを含み、前記抽出手段は、前記指定された表面座標を始点とし、前記媒質が導体であると判断された場合には前記電流ベクトル追跡手段により前記電流ベクトルを追跡し、前記媒質が誘電体である場合と判断された場合には前記電界ベクトル追跡手段により前記電界ベクトルを追跡する。
さらに好ましくは、前記抽出手段は、前記経路が、ビアまたはスルーホールに達した場合に、前記ビアまたは前記スルーホールを前記結合する配線として抽出する。
さらに好ましくは、前記抽出手段は、前記指定された表面座標を始点とし、前記電流ベクトル追跡手段および前記電界ベクトル追跡手段により、前記電流ベクトルおよび前記電界ベクトルを正負の両方向に追跡する。
さらに好ましくは、表面指定手段は、外部からの指示を受付け、受付けた指示に基づいて、指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する。
さらに好ましくは、各表面座標と計算手段により計算された各表面座標の電流あるいは電力を対応付けて表示する表示手段をさらに備え、表面指定手段は、表示手段により表示された各表面座標の中から1つの表面座標を指定する外部からの指示を受付ける。
さらに好ましくは、前記表面指定手段は、前記計算手段によって算出された前記指定された配線の表面の電力値を強度の大きい順に並べ、予め設定された順位より上位となった表面座標を指定する。
好ましくは、作成手段は、解析空間をメッシュ分割した解析モデルを作成する。
好ましくは、取得手段は、記憶された設計データおよび作成された解析モデルに基づき、配線座標情報で示される複数の配線の位置する座標に対応する解析モデル座標を取得し、記憶手段は、配線座標情報と解析モデル座標とを関連付けて記憶し、計算手段は、解析手段の解析結果および取得手段により取得された配線座標情報と関連付けられて記憶されている解析モデル座標に基づいて、配線指定手段により指定された配線の各表面座標について電流あるいは電力を計算する。
好ましくは、解析結果を外部記憶装置に書き込む書込手段と、外部記憶装置に書き込まれた解析結果を読み出す読出手段をさらに備え、計算手段は、読出手段により読み出された解析結果および取得された配線座標情報に基づいて、電流あるいは電力を計算し、抽出手段は、読出手段により読み出された解析結果および計算結果に基づき、指定された配線と結合する配線を抽出する。
好ましくは、計算手段は、取得された配線座標情報に基づき、指定された配線の表面座標を計算する表面計算手段を含む。
好ましくは、計算手段は、解析結果に基づき、各表面座標における電磁界成分を取得し、磁界から電流、あるいは電界と磁界から電力を計算する。
他の局面に係る本願発明は、複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所の抽出をコンピュータに実行させるための解析方法であって、設計データから基板を含む解析空間の解析モデルを作成するステップと、作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行するステップと、記憶された設計データからプリント基板における複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得するステップと、複数の配線の中から1つの配線を指定するステップと、電磁界解析の解析結果および取得された配線座標情報に基づいて、指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算するステップと、解析結果および電流あるいは電力を計算するステップの計算結果に基づき、指定された配線と結合する配線を抽出するステップとをコンピュータに実行させる。
さらに他の局面に係る本願発明は、複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所の抽出をコンピュータに実行させるための解析プログラムであって、基板の設計データから基板を含む解析空間の解析モデルを作成するステップと、作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行するステップと、記憶された設計データからプリント基板における複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得するステップと、複数の配線の中から1つの配線を指定するステップと、電磁界解析の解析結果および取得された配線座標情報に基づいて、指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算するステップと、解析結果および電流あるいは電力を計算するステップの計算結果に基づき、指定された配線と結合する配線を抽出するステップとをコンピュータに実行させる。
さらに他の局面に係る本願発明は、上述の解析プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
本発明によれば、基板を含む解析領域の電磁界解析を行い、解析対象として指定された配線表面の電流あるいは電力を計算し、電磁界解析の解析結果および電流あるいは電力の計算結果に基づき、指定された配線と結合する配線を抽出する。その結果、平行2配線以外の形状の配線間で発生するクロストークの発生箇所についても抽出できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本発明に係る解析装置100の構成をブロック図形式で示す図である。以下、図1を参照して、プリント基板電磁界解析評価装置100の構成について説明する。
解析装置100は、コンピュータ本体102と、表示装置としてのモニタ104、入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。モニタ104、キーボード110、マウス112は、コンピュータ本体102とバス105を介して接続される
コンピュータ本体102は、フレキシブルディスク(Flexible Disk、以下「FD」と呼ぶ)116の情報を読み書きするためのFDドライブ106と、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128と、CPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124を含む。FDドライブ106、光ディスクドライブ108、通信インターフェイス128、CPU120、メモリ122、ハードディスク124は、相互にバス105を介して接続されている。
ハードディスク124は、基板設計データ130と、回路基板上に配置される各部品に対応する等価回路モデルが格納されたモデルデータベース(以下、「モデルDB」と呼ぶ)131と、電磁界解析を実行するための解析プログラム132と、解析結果を分析するプログラム134と、電磁界解析の条件が格納された解析条件136と、基板を含む解析領域の解析モデル138と、配線名、配線の材質、配線座標情報、配線の位置する解析モデル座標を対応付けて関連付けて保存している配線情報140、電磁界解析の解析結果142と、配線間の結合情報が格納された分析結果144とを記憶する。
ここで、たとえば、基板設計データ130、モデルDB131、解析条件136については、通信インターフェイス128を介して、外部のデータベースから供給されてもよい。解析条件136については、ユーザがマウス112およびキーボード110等の入力装置を介して設定してもよい。
また、本発明に係るシミュレーションを行なうプログラムは、FD116、またはCD−ROM118等の記憶媒体によって供給されてもよいし、他のコンピュータにより通信インターフェイス128を経由して供給されてもよい。
また、CPU120は、電磁界解析を、通信インターフェイス128を介して、外部のコンピュータに実行させ、その結果をハードディスク124に格納させてもよい。あるいは、CPU120は、電磁界解析の解析結果142を、外部記憶装置に記憶させ、必要に応じてメモリ122などに読み出してもよい。
演算処理装置として機能するCPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、上述した各プログラムに対応した処理を実行する。
なお、CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。また、バス105には、カセット形式の磁気テープを着脱自在に装着してアクセスする磁気テープ装置が接続されていてもよい。
発明に係るシミュレーションを行なうプログラムは、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記憶媒体に格納されて流通し、光ディスクドライブ108またはFDドライブ106等により記憶媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
図1に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記憶媒体に記憶されたソフトウェアである。
次に、図2を用いて、本発明に係る解析装置100の機能的構成について説明する。図2は、本発明に係る解析装置100の機能的構成を示すブロック図である。
解析装置100は、演算に必要な情報を記憶する記憶部210と、電磁界解析および解析結果の評価を行なうための演算部220と、ユーザへの装置内部の情報の表示、ユーザからの指示の受付けを行なうインターフェース部230とからなる。
記憶部210は、基板設計データ130、モデルDB131、解析条件136、解析モデル情報138、配線情報140、電磁界解析結果142を記憶する。
基板設計データ130は、層構成情報130a、材質情報130b、配線座標情報130cとを含む。
層構成情報130aは、基板の各層の層厚を示す情報である。層構成情報130aの具体例を、図3を用いて説明する。図3は、層構成情報130aの一例を示す図である。図3に示すように、層構成情報130aは、各層の層名称と、層厚とからなる。図3の層構成情報は、基板が、導体1層、絶縁1層、導体2層、絶縁2層、導体3層からなり、各層の厚さがすべて0.025mmであることを表している。
材質情報130bは、基板を構成する材質の物性値を示す情報である。材質情報130bの具体例を、図4を用いて説明する。図4は、材質情報131bの一例を示す図である。図4に示すように、材質情報131bは、材質名と材質名に対応して与えられる物性値とからなる。物性値としては、図4に示すように、比誘電率、導電率、比透磁率などが用いられる。
配線座標情報130cは、配線の存在する位置を示すための情報である。配線座標情報130cは、例えば、図5に示すように、配線名と、配線構成点とからなる。配線構成点としては、円弧の中心点、半径、開始・終了角度、直線の始点、終点などを用いることができる。円弧(X,Y,R,θ1,θ2)とは、中心x座標がX、中心y座標がY、円弧半径がR、開始角度がθ1、終了角度がθ2で表される円弧上に配線が存在することを表す。また、始点(X1,Y1)終点(X2,Y2)とは、始点の座標が(X1,Y1)、終点の座標が(X2,Y2)である直線状の2配線を表す。従って、図5に示す配線構成点に対応する配線は、図6のようになる。なお、ここでは、配線のある層(x−y平面)内の位置を指定する情報を示したが、3次元空間内の配線の位置を特定するには、この配線がいずれの層に存在するかを指定する情報を追加することで与えられる。あるいは、構成点が3次元座標で与えられていてもよい。
配線構成点の指定の仕方は、基板CADソフトによっても異なり、上で説明した例に限られるわけではない。配線構成点に、さらに、配線の幅を指定する情報が付加されていてもよい。また、配線座標情報130cは、配線の位置する座標を示すことができればよく、配線構成点以外のものを用いても構わない。例えば、配線が存在する領域の座標を直接指定するような情報が基板設計データ130に含まれている場合、それを用いてもよい。
図7は、基板設計データ130に含まれる配線に関するデータをまとめたものを示す図である。すでに説明したように、基板設計データ130に含まれる配線に関するデータには、配線名、配線構成点、材質名がある。記憶部210には、これらが関連付けて記憶されている。
解析条件136には、電磁界解析における解析空間の大きさ、解析モデルのメッシュ分割の幅などが含まれる。解析条件136は、ユーザの指示に応じて解析条件設定部231により設定されるものとする。ただし、解析条件136は、予め定められているものであってもよい。あるいは、初期設定が与えられており、解析条件設定部131により変更されるものであってもよい。
演算部220は、解析モデル構築部221と、配線情報取得部222と、電磁界解析部223と、表面電磁界計算部224と、結合配線抽出部225とを含む。
解析モデル構築部221は、基板設計データ130、モデルDB131、および解析条件136を読み込み、基板を含む解析空間についての解析モデルを構築し、構築した解析モデル情報138を記憶部210に記憶する。ただし、ここで基板設計データ130、モデルDB131、解析条件136に関しては、通信インターフェース128を介して、外部から取得してもよい。また、本実施例では、FDTD法により電磁界解析を行なうものとする。よって、構築される解析モデルは、解析領域をメッシュに分割したものになる。ただし、電磁界解析手法は、FEM、MoMなどの他の電磁界解析手法でも構わない。したがって、解析モデルも、上記のものに限られない。解析モデルは、図8に示すように、各解析モデル座標にどのような材質が存在するかの情報を含む。
配線情報取得部222は、基板設計データ130に含まれる配線座標情報130cと解析モデル情報138とから、配線の位置する座標に対応する解析モデル座標を取得する。ここで解析モデル座標は、連続量ではなく、解析空間を分割して得られるセルに対応した離散的なものであり、以下では、3次元モデルの解析モデル座標は、一般に(i,j,k)と表すこととする。配線情報取得部222は、配線名、配線構成点、材質名、および配線の位置する座標に対応する解析モデル座標を関連付けた配線情報140を作成し、記憶部210に記憶する。図9に、配線情報140の一例を示す。図9において、配線の位置する座標に対応する解析モデル座標が3次元座標で表されているのは、配線の存在する層(本実施例ではz=5の位置に存在する層とする)を考慮しているからである。
電磁界解析部223は、解析モデル情報138に基づき、解析空間の電磁界解析を行い、電磁界解析結果142を記憶部210に記憶する。
本実施例では、既に述べたように、電磁界解析部223は、FDTD法を用いて電磁界解析を行なう。従って、図10に示すように、解析空間を分割して得られるセルの各辺上の電界成分、磁界成分が求められる。このように、算出された電磁界のX,Y,Z成分は、セルの中心座標と半セルずれ、かつ、それぞれ異なった座標について算出されるので、電磁界解析部223は、セルの座標中心の電磁界を、周囲の電磁界成分から補間することによって求める。これにより、共通の座標における電磁界の各成分が求められる。
3次元のFDTD法の場合、電界の補間は、次の式(1)に従って行なわれる。ここで、左辺のEXi,j,k、EYi,j,k、EZi,j,kは、それぞれ、解析モデル座標(i,j,k)で指定されるセルの中心における電界のX,Y,Z成分である。また、右辺の各量は、FDTD法で算出される電界である。
Figure 0004868412
また、磁界の補間は、次の式(2)に従って行なわれる。ここで、左辺のHXi,j,k、HYi,j,k、HZi,j,kは、それぞれ、解析モデル座標(i,j,k)で指定されるセルの中心における磁界のX,Y,Z成分である。また、右辺の各量は、FDTD法で算出される磁界である。
Figure 0004868412
電流/電力計算部224は、配線指定部233で指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算する。電流/電力計算部224の行なう処理は次のとおりである。
まず、電流/電力計算部224は、配線情報140から解析モデル座標を取得し、表面座標、すなわち、配線の表面が存在する位置に含まれる解析モデル座標を計算する。この計算は、例えば、次のようにして行なわれる。ここでは、説明の簡単のため、まず、2次元のFDTD法を例として説明する。2次元配列を2つ(配列A,配列B)用意し、対象配線の存在する領域に1を、存在しない領域に0を書き込む。続いて、配列Aを縦の正方向に1ずらし、値が1の座標に対して配列Bも1を書き込む。この処理を、縦の負方向、横の正方向、横の負方向の4パターン行う。最後に、配列Bから配列Aを引いて、値が1となる座標が、対象配線の表面座標である。解析対象が3次元構造を持つ配線の場合には、配列を3次元配列にし、縦方向、横方向への移動に加え、上下方向への移動を行なえばよい。電流/電力計算部224は、このようにして抽出した表面座標を配線情報140に追加保存する。
さらに、電流/電力計算部224は、指定された配線の各表面座標の電磁界を求める。このとき、すでに説明したように、補間によって得られたセル中心座標における電磁界を用いる。
電流/電力計算部224は、配線の各表面座標における電磁界に基づき、各表面座標について、配線表面の電流ベクトルi、ポインティングベクトルSpを、電磁解析結果142に基づき、例えば、次の式(3)、式(4)により算出し、また、その大きさを算出する。ここで、Hは配線表面の磁界、Dは配線表面の電束密度、Eは配線表面の電場Eである。なお、ここでは、電流ベクトルの大きさを、単に「電流」と呼び、ポインティングベクトルの大きさを「電力」と呼ぶ。電流、電力は、漏洩量の指標(以下、単に、「漏洩量」とよぶ)として用いられる。
Figure 0004868412
Figure 0004868412
なお、FDTD法で得られる電磁界が周波数領域データである場合、電流/電力計算部224は、式(3)、式(4)中のH,D,Eの値(value)を、周波数領域データの絶対値(abs)と位相(phase)を用いて次の式(5)で計算する。FDTD法で得られる電磁界が時間領域データの場合は、データを直接用いる。
Figure 0004868412
電流/電力計算部224は、上記計算を、配線表面のすべての点に対して行い、計算された電流あるいは電力を、配線情報140に追加保存する。配線情報140に、配線表面座標および電力を付加した例を図11に示す。
表面座標指定部233は、配線表面座標の中からクロストーク抽出の対象となる座標を指定する。具体的には、配線情報140に含まれる各表面座標と各表面座標における電流あるいは電力を記憶部210から取得し、表面座標と表面電流あるいは表面電力を対応付けた座標選択画面をモニタ104に表示し、座標選択画面の中から利用者が選択した表面座標を、クロストーク抽出の対象となる座標として指定する。
表面座標指定部233は、例えば、導体層ごとに表面電流分布、表面電力分布を表示する画面を座標選択画面として作成する。この場合、表面座標ごとの電流値、電力値が分かるような画面を作成する。例えば、セルで分割した基板を図示し、電流値、電力値によって、各セルを色分けする。あるいは、図12に示すような座標選択画面を作成してもよい。図12は、座標選択画面の一例を示す図であって、表面座標指定部233が、電力の多い順に表面座標を並び替えて、モニタ104に表示した場合のものである。クロストークの発生している箇所は漏洩量が多いと考えられるので、このように漏洩量の多い順に表面座標を表示し、利用者に選択させることで、クロストーク発生箇所の抽出を効率的に行なえる。
以上は、利用者が、表面座標を選択する例を示したが、表面座標指定部233は、利用者の選択によらず、漏洩量が多い表面座標を、クロストーク抽出の対象となる座標として指定してもよい。例えば、特に限定されないが、漏洩量が最大となる座標を指定してもよい。あるいは、表面座標指定部233が、表面座標のうち、漏洩量が大きいものから予め設定された順位までの座標を指定し、後述する結合配線抽出部225が、指定された座標について、順次、クロストーク抽出処理を行なっていくという構成であってもよい。
結合配線抽出部225は、表面座標指定部233により指定された配線表面と結合する配線の抽出を行う。以下、抽出方法について図13〜図16を用いて説明する。ここでは、2次元FDTD法における解析モデル例を用いて説明する。
図13は、抽出処理開始時の基板の解析モデルを示す図である。各セルのx座標は、枠の左に示した1〜4のいずれかで指定され、各セルのy座標は、枠の上に示した1〜4のいずれかで指定される。以下では、各セルを、そのx座標、y座標によって指定する。例えば、セル(2,3)は、x座標が2、y座標が3のセルを指すものとする。セルは、誘電体あるいは空気の存在するセル(以下、誘電体・空気のセルとよぶ)と、配線の存在するセル(以下、配線のセルとよぶ)に分けられる。また、図13中では、現在抽出処理の対象となっているセル(以下、現在のセルとよぶ)を網掛けで示している。本実施例では、表面座標指定部233により、座標(2,2)が指定されたものとする。従って、現在のセルは、セル(2,2)である。
また、図13中の、各セル内部の数字(Ex,Ey)は、x方向、y方向の電界値を示している。これらの値は、電磁界解析部223で算出されたものである。
図14は、クロストーク抽出の対象となる座標が指定された後に行なわれる処理を説明するための図である。現在のセルの電界の値は、(0,10)である。よって、電界ベクトルが向いている方向はY座標の正の向きである。このことから、+移動方向をY座標の正の向き、−移動方向はY座標の負の向きと定める。次に、現在のセルを、+移動方向、−移動方向に1セル分移動したセルを、それぞれ、新たな現在のセルとする。−方向に移動したセル(2,1)は配線セルのため、処理を終了する。+方向に移動したセル(2,3)は誘電体・空気のセルである。従って、これ以降は、+移動方向、すなわち、そのセルにおいて電界ベクトルが向いている方向に、処理対象となるセルを移動していく。つまり、この場合は、電界の漏洩元から、漏洩先へと電界を追跡する処理になる。逆に、最初の処理において、+方向に移動したセルが配線セルである場合(例えば、セル(2,4)から処理を開始した場合)は、−移動方向に、処理対象となるセルを移動していくことで、電界の漏洩先から、漏洩元へと電界を追跡する処理が行なえる。
図15は図14で説明した処理の後に行なわれる処理を説明するための図である。現在のセル(2,3)での電界ベクトルから、処理対象のセルの移動方向を決定する。セル(2,3)での電界ベクトルは(2,8)であり、Y成分の大きさのほうが大きい。また、Y成分は正の値である。従って、Y座標の正の向きが+の移動方向になる。よって、結合配線抽出部225は、現在セルを(2,3)から(2,4)に移動する。
図16は図15で説明した処理の後に行なわれる処理を説明するための図である。現在のセル(2,4)での電界ベクトルから、処理対象のセルの移動方向を決定する。セル(2,4)での電界ベクトルは(10,0)であり、X成分の大きさのほうが大きい。また、X成分は正の値である。従って、X座標の正の向きが+の移動方向になる。よって、結合配線抽出部225は、現在セルを(2,4)から(3,4)に移動する。ここで、セル(3,4)は、配線のセルであるため、結合配線抽出部225は処理を終了する。以上の手順で、指定された配線表面と結合する配線を抽出する。結合配線抽出部225は、ここまでの追跡経路(2,1)→(2,2)→(2,3)→(2,4)→(3,4)、結合先の配線などの分析結果144を記憶部210に記憶する。また、分析結果144を結果表示部234に表示させる。
以上の例では、処理対象のセルの電界が、Ex>EyあるいはEy>Exを満たす場合について説明したが、Ex=Eyのときはセルを斜め方向に移動すればよい。あるいは、電界ベクトルの方向を算出し、その方向に応じて、移動方向を定めるようにしてもよい。
結合配線抽出部225は、表面座標指定部233により、他の表面座標が指定されれば、その表面座標について、図13から図16を用いて説明した処理を再度行なう。また、配線指定部232により他の配線が指定された場合、すでに説明したような配線表面座標の算出、漏洩量の計算、表面座標の指定の処理が行なわれた後、図13から図16で説明した処理が行なわれる。
次に、本発明の他の局面に従った実施例に関し、ビアまたはスルーホールから漏洩するクロストークについて図18から図20を用いて説明する。以下では、ビアから漏洩するクロストークについて説明するが、スルーホールから漏洩するクロストークについても下記の説明と同様である。
図18は、多層プリント基板の一部のパターン図である。多層プリント基板は、ノイズ源となる電源配線301、帰路電流経路となるグランド302、ノイズ耐性の低い電源303、その他の信号線304〜306からなる。また、ノイズ源となる電源配線301はビア310をはじめとする複数のビアで隣接層の電源配線と接続されている。また、グランド302はグランドビア311で隣接層と接続されている。
図19は、図18に示した多層プリント基板の一部の電流分布図である。図20は、図18に示した多層プリント基板の一部の中に存在する誘電体内に発生する電界分布図である。これらの結果は、解析条件として電源配線301の端子にノイズを印加し、電磁界解析部223による電磁界解析を行なって得られた電磁界解析結果142から算出したものである。
電源配線301に接続されたビア310からグランド302に接続されたグランドビア311に向かって電流が流れていることが図19から分かる。この電流は、クロストーク成分であるノイズ電流である。これは、電源配線301を流れるノイズ成分がビア310によって層を移動する際に、図20に示す電源配線301とグランド302間の導体間の電界の発生に伴って発生する。
このように、ビア310から発生したノイズは、信号線306およびグランド302を介して、ノイズ耐性の低い電源303に漏洩する。ノイズは、漏洩の経路上の導体中では電流で、導体間、すなわち誘電体中では電界で結合する。
次に、上記のノイズ漏洩の経路を抽出する際の、結合配線抽出部225の動作について図21を用いて説明する。
本実施例では、表面座標指定部233により、ノイズ耐性の低い電源303上の表面座標350が指定されているものとする。
結合配線抽出部225は、配線情報140を参照し、指定された表面座標350が導体上に位置するか、および、表面座標350はビアであるかどうか判定する。指定された表面座標350が導体上に位置し、かつ、表面座標350はビアでないので、結合配線抽出部225は、結合の経路を図19で示される電流ベクトルにより追跡する。電流ベクトルの追跡の方法については、前記した電界ベクトルの追跡方法と同様の方法を用いるものとする。
本実施例では、結合配線抽出部225は、電源配線303上で正方向に電流ベクトルを追跡するものとする。また、その追跡経路は、経路360であるとする。
追跡の途中、結合配線抽出部225は、追跡経路上の座標の配線情報140を参照する。追跡経路が座標351に到達すると、結合配線抽出部225は、配線情報140を参照し、移動先の座標における媒質が誘電体であるとの判断により、電流ベクトルの追跡を終了し、図20に示す電界ベクトルの追跡を開始する。本実施例においては、電界ベクトルの追跡経路は、経路361であるとする。
追跡経路が座標352に到達すると、結合配線抽出部225は、配線情報を参照し、移動先の座標における媒質が導体であり、かつ、移動先の座標はビアでないとの判定により、電界ベクトルの追跡を終了し、電流ベクトルの追跡を開始する。
上記の様に、結合配線抽出部225は、移動先の座標における媒質に応じて、追跡の方法を切り替える。その結果、結合配線抽出部225は、経路362を通って、座標353に達するまで、ノイズの追跡を行なう。
座標353に達した際、結合配線抽出部225は、配線情報140を参照し、座標353の媒質が導体であり、かつ、座標353には、グランド302に設置された帰路電流が流れるビア311以外のビアが配置されていると判断する。そして、分析結果144に、座標353に存在するビア310をノイズ発生箇所として保存する。あるいは、経路360から経路362で形成される経路または電源配線301の少なくとも一つを保存する。
さらに、結合配線抽出部225は、前記の処理後、表面座標指定部223で指定される表面座標350を起点として、電流ベクトルを前記の処理とは逆の負の方向に追跡してもよい。
結合配線抽出部225は、前記の処理同様、配線情報140を参照し、移動後の座標における媒質に応じて、追跡の方法を切り替え、表面座標350から、経路360を通って、座標355に達するまで追跡処理を行なう。
結合配線抽出部225は、座標355における媒質が導体で、かつ、帰路電流が流れるグランドビアが配置されているとの判定により、電源ビア310、グランドビア355、経路360から経路362で形成される経路、経路365の少なくとも一つを分析結果144に保存する。
結合配線抽出部225は、逆方向の追跡を、追跡により到達したビアが帰路電流が流れるビアである時に行なうものとしてもよい。あるいは、ビアが配置されている座標に到達した時点で、逆向きベクトルについての処理を行なったかどうかを判定し、その処理を行なっていない場合には、逆向きにノイズの追跡を行なってもよい。
ここからは、解析装置100の行なう処理の流れを図17を用いて説明する。図17は、解析装置100の行なう処理を示すフローチャートである。
CPU120は、ステップS100において、ハードディスク124から基板設計データ130、モデルDB131、および解析条件136を取得する。
CPU120は、ステップS102において、ステップS100で取得した基板設計データ130、モデルDB131、および解析条件136に基づき、基板を含む解析空間について、解析モデルを構築し、電磁界解析を行ない、解析結果142をハードディスク124に記憶する。
また、CPU120は、ステップS104において、クロストーク抽出の対象となる配線を指定する。なお、ここでは、電磁解析のあとに配線指定を行なうように説明しているが、これらの処理の順序関係はこれに限られない。
次に、CPU120は、ステップS106において、指定された配線表面の座標を算出する。
次に、CPU120は、ステップS108において、電磁界解析結果に基づき、ステップS106で算出した各表面座標における電流あるいは電力を計算する。
CPU120は、ステップS110において、指定された配線の各表面座標の電流あるいは電力を各表面座標と対応付けた座標選択画面をモニタ104に表示させる。さらに、ステップS112において、座標選択画面から利用者が選択した表面座標を、クロストーク抽出処理の対象となる表面座標として指定する。
次に、CPU120は、ステップS114において、指定された表面座標と結合する配線を抽出するための処理を行なう。このステップS114でCPU120が行なう処理は、図13から図16を用いて説明したとおりである。
結合する配線の抽出処理後、CPU120は、ステップS116において、結合先の配線や、電界の追跡経路などの分析結果をモニタ104に表示させる。
CPU120は、ステップS118において、検出対象となる他の配線表面座標が指定されたかどうか判断する。他の配線表面座標が指定されたと判断した場合には(ステップS116においてYes)、ステップS110からの処理を繰り返す。
他の配線表面座標が指定されていないと判断した場合には(ステップS118においてNo)、CPU120は、ステップS120において、検出対象となる他の配線が指定されたかどうか判断する。他の配線が指定されたと判断した場合には(ステップS118においてYes)、ステップS104からの処理を繰り返す。他の配線表面座標が指定されていないと判断した場合には(ステップS120においてNo)、CPU120は、処理を終了する。
次に、本発明の他の局面において、解析装置100が行う処理のうち、結合配線抽出部225が行なう処理について、図22を用いて説明する。すなわち、図22は、本発明の他の局面における、図17のステップS114に示される結合配線抽出の詳細な処理を示すフローチャートである。
図17のステップS112において指定された表面座標に対して、CPU120は、ステップS201において、正/負のいずれかのベクトル追跡方向を選択する。
次に、CPU120は、ステップS202において、ハードディスク124上に保存された配線情報140より、処理対象となるセルの媒質情報を参照する。
次に、CPU120は、ステップS203において、ステップS202で参照した媒質が導体かどうか判定する。
媒質が導体である場合(ステップS203においてYes)、CPU120は電流ベクトルを追跡する(ステップS204)。また、媒質が導体でない場合(ステップS203においてNo)、CPU120は電界ベクトルを追跡する(ステップS205)。
ステップS206でCPU120は、配線情報140を参照し、移動後のセルが導体、かつ、移動後のセルにビアが配置されているか判定する。
ステップS206で移動先のセルが導体でないか、または、ビアが配置されていないと判定された場合は(ステップS206においてNo)、CPU120は、ステップS202からの追跡処理を再び行なう。
ステップS206で移動先のセルが導体、かつ、ビアが配置されていると判定された場合は(ステップS206においてYes)、ステップS207にて配線情報140を参照し、ビアがグランド等の帰路電流が流れる配線かどうか判別する。
ビアが帰路電流が流れる配線の場合は(ステップS207においてYes)、CPU120は、処理対象のセルを配線表面座標で指定されたセルに戻し、逆向きのベクトルを追跡する(ステップS208)。この逆向きのベクトルの追跡処理は、ステップS202以降の処理と同様である。
ビアが帰路電流が流れる配線以外の場合は(ステップS207においてNo)、CPU120は、ステップS209にて結合箇所を分析結果144として、ハードディスク124上に保存し、結合配線抽出の処理を終える。
さらに、本発明の他の局面に従い、解析装置100が行う処理のうち、結合配線抽出部225の行なう処理について、図23を用いて説明する。本発明のさらに他の局面における、図17のステップS114に示される結合配線抽出の詳細な処理を示すフローチャートである。
ステップS250からステップS256においては、図22を用いて説明した、ステップS200からステップS206と同様の処理を行なう。
図22における処理との相違点は、ベクトル追跡を正・負の両方の方向について行う点である。CPU120はステップS257にて、逆向きベクトルについて処理を行なったか判断する。
逆向きベクトルについて処理を行なっていない場合(ステップS257においてNo)、CPU120は、指定された表面座標に戻り逆向きのベクトルを追跡する(ステップS258)。
逆向きベクトルについて処理が行なわれている場合(ステップS257においてYes)、ステップS259において、CPU120は正・負の方向の追跡で到達したビアの一方が、帰路電流が流れる配線、かつ、もう一方がそれ以外の配線であるか判別する。
ビアの一方が、帰路電流が流れる配線、かつ、もう一方がそれ以外の配線であれば(ステップS259においてYes)、ステップS260にて、分析結果をハードディスク124上に保存し、結合配線抽出の処理を終える。ビアが上記の条件を満たさない場合(ステップS259においてNo)、分析結果を保存せず、結合配線抽出の処理を終える。
以上が、結合配線抽出部225の詳細な処理の説明となる。
電子機器のプリント基板解析などの配線が複雑な対象に本手法を適用した場合、ノイズの影響を受ける配線箇所および漏洩元となる配線の抽出をモデルの良否によらず精度よく計算し、ユーザに表示出来る。その結果を参考にし、プリント基板を設計することで、クロストークの影響が少ない、高品質なプリント基板を提供することが可能となる。
本発明に係る解析装置100の構成をブロック図形式で示す図である。 本発明に係る解析装置100の機能的構成を示すブロック図である。 層構成情報130aの一例を示す図である。 材質情報130bの一例を示す図である。 配線座標情報130cの一例を示す図である。 図5の配線構成点に対応する配線を示す図である。 基板設計データ130に含まれる配線に関するデータをまとめたものを示す図である。 解析モデル座標と材質の対応を示す図である。 配線情報140の一例を示す図である。 FDTD法で算出される電磁界成分を示す図である。 配線情報140に、配線表面座標および電力を付加した例を示す図である。 座標選択画面の一例を示す図である。 抽出処理開始時の基板の解析モデルを示す図である。 クロストーク抽出の対象となる座標が指定された後に行なわれる処理を説明するための図である。 図14で説明した処理の後に行なわれる処理を説明するための図である。 図15で説明した処理の後に行なわれる処理を説明するための図である。 解析装置100の行なう処理を示すフローチャートである。 多層プリント基板の一部のパターン図である。 図18に示した多層プリント基板の一部の電流分布図である。 図18に示した多層プリント基板の一部の中に存在する誘電体内に発生する電界分布図である。 結合配線抽出部225による漏洩経路追跡を説明するための図である。 本発明の他の局面における結合配線抽出の詳細な処理を示すフローチャートである。 本発明のさらに他の局面における結合配線抽出の詳細な処理を示すフローチャートである。
符号の説明
100 解析装置、102 コンピュータ本体、104 モニタ、105 バス、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、128 通信インターフェイス、130 基板設計データ、130a 層構成情報、130b 材質情報、130c 配線座標情報、131 モデルDB、132 解析プログラム、134 解析結果を分析するプログラム、136 解析条件、138 解析モデル、140 配線情報、142 解析結果、144 分析結果、221 解析モデル構築部、222 配線情報取得部、223 電磁界解析部、224 電流/電力計算部、225 結合配線抽出部、231 解析条件設定部、232 配線指定部、233 表面座標指定部、234 結果表示部、301 電源配線、302 グランド、303 ノイズ耐性の低い電源配線、304〜306 その他の信号線、310 ビア、311 ビア、350 指定された表面座標、351〜353 電流追跡手段によって追跡された座標、355 電流追跡手段によって追跡された座標、360〜362 追跡経路、365 追跡経路。

Claims (16)

  1. 複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所を抽出する解析装置であって、
    前記基板の設計データから前記基板を含む解析空間の解析モデルを作成する作成手段と、
    前記作成手段により作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行する解析手段と、
    前記設計データから前記プリント基板における前記複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得する取得手段と、
    前記複数の配線の中から1つの配線を指定する配線指定手段と、
    前記解析手段の解析結果および前記取得手段により取得された配線座標情報に基づいて、前記配線指定手段により指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算する計算手段と、
    前記解析手段の解析結果および前記計算手段の計算結果に基づき、前記指定された配線と結合する配線を抽出する抽出手段とを備える、解析装置。
  2. 前記解析手段は、前記解析空間中の、電界ベクトルおよび磁界ベクトルを算出し、
    前記計算手段の計算結果に基づいて、前記指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する表面指定手段をさらに備え、
    前記抽出手段は、前記電界ベクトルを用いて、前記表面指定手段により指定された表面座標から発生する電界ベクトルを追跡し、前記結合する配線を抽出する、請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記解析手段は、前記解析空間中の、電界ベクトルおよび電流ベクトルを算出し、
    前記計算手段の計算結果に基づいて、前記指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する表面指定手段をさらに備え、
    前記抽出手段は、
    前記電流ベクトルを追跡する電流ベクトル追跡手段と、
    前記電界ベクトルを追跡する電界ベクトル追跡手段と、
    前記基板の設計データに基づき追跡時の経路における媒質を判断する判断手段とを含み、
    前記抽出手段は、前記指定された表面座標を始点とし、前記媒質が導体であると判断された場合には前記電流ベクトル追跡手段により前記電流ベクトルを追跡し、前記媒質が誘電体である場合と判断された場合には前記電界ベクトル追跡手段により前記電界ベクトルを追跡する、請求項1に記載の解析装置。
  4. 前記抽出手段は、前記経路が、ビアまたはスルーホールに達した場合に、前記ビアまたは前記スルーホールを前記結合する配線として抽出する、請求項3に記載の解析装置。
  5. 前記抽出手段は、前記指定された表面座標を始点とし、前記電流ベクトル追跡手段および前記電界ベクトル追跡手段により、前記電流ベクトルおよび前記電界ベクトルを正負の両方向に追跡する、請求項3または4に記載の解析装置。
  6. 前記表面指定手段は、外部からの指示を受付け、受付けた前記指示に基づいて、前記指定された配線の各表面座標の中から1つの表面座標を指定する、請求項2から5のいずれか1項に記載の解析装置。
  7. 前記各表面座標と前記計算手段により計算された前記各表面座標の電流あるいは電力を対応付けて表示する表示手段をさらに備え、
    前記表面指定手段は、前記表示手段により表示された前記各表面座標の中から1つの表面座標を指定する外部からの指示を受付ける、請求項6に記載の解析装置。
  8. 前記表面指定手段は、前記計算手段によって算出された前記指定された配線の表面の電力値を強度の大きい順に並べ、予め設定された順位より上位となった表面座標を指定する、請求項2から5のいずれか1項に記載の解析装置。
  9. 前記作成手段は、前記解析空間をメッシュ分割した解析モデルを作成する、請求項1から8のいずれか1項に記載の解析装置。
  10. 前記取得手段は、前記記憶された設計データおよび前記作成された解析モデルに基づき、前記配線座標情報で示される前記複数の配線の位置する座標に対応する解析モデル座標を取得し、
    前記記憶手段は、前記配線座標情報と前記解析モデル座標とを関連付けて記憶し、
    前記計算手段は、前記解析手段の解析結果および前記取得手段により取得された配線座標情報と関連付けられて記憶されている解析モデル座標に基づいて、前記配線指定手段により指定された配線の各表面座標について電流あるいは電力を計算する、請求項1から8のいずれか1項に記載の解析装置。
  11. 前記解析結果を外部記憶装置に書き込む書込手段と、
    前記外部記憶装置に書き込まれた解析結果を読み出す読出手段をさらに備え、
    前記計算手段は、前記読出手段により読み出された解析結果および前記取得された配線座標情報に基づいて、前記電流あるいは前記電力を計算し、
    前記抽出手段は、前記読出手段により読み出された解析結果および前記計算結果に基づき、前記指定された配線と結合する配線を抽出する、請求項1から8のいずれか1項に記載の解析装置。
  12. 前記計算手段は、前記取得された配線座標情報に基づき、前記指定された配線の表面座標を計算する表面計算手段を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の解析装置。
  13. 前記計算手段は、前記解析結果に基づき、前記各表面座標における電磁界成分を取得し、磁界から前記電流、あるいは電界と磁界から前記電力を計算する、請求項1から8のいずれか1項に記載の解析装置。
  14. 複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所の抽出をコンピュータに実行させるための解析方法であって、
    設計データから前記基板を含む解析空間の解析モデルを作成するステップと、
    前記作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行するステップと、
    前記記憶された設計データから前記プリント基板における前記複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得するステップと、
    前記複数の配線の中から1つの配線を指定するステップと、
    前記電磁界解析の解析結果および前記取得された配線座標情報に基づいて、前記指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算するステップと、
    前記解析結果および前記電流あるいは電力を計算するステップの計算結果に基づき、前記指定された配線と結合する配線を抽出するステップとを前記コンピュータに実行させる、解析方法。
  15. 複数の配線を有する基板におけるクロストーク発生箇所の抽出をコンピュータに実行させるための解析プログラムであって、
    前記基板の設計データから前記基板を含む解析空間の解析モデルを作成するステップと、
    前記作成された解析モデルを用いて電磁界解析を実行するステップと、
    前記記憶された設計データから前記プリント基板における前記複数の配線の位置する座標を示す配線座標情報を取得するステップと、
    前記複数の配線の中から1つの配線を指定するステップと、
    前記電磁界解析の解析結果および前記取得された配線座標情報に基づいて、前記指定された配線の表面の電流あるいは電力を計算するステップと、
    前記解析結果および前記電流あるいは電力を計算するステップの計算結果に基づき、前記指定された配線と結合する配線を抽出するステップとを前記コンピュータに実行させる、解析プログラム。
  16. 請求項15に記載の解析プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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