JP4868128B2 - アンテナ装置及びそれを用いた無線通信機器 - Google Patents
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Description
即ち、上記課題を解決するため、本発明では、 基板と、前記基板に設けられ第1の送受信周波数帯域に対応した第1のアンテナと、前記基板に設けられ第2の送受信周波数帯域に対応した第2のアンテナと、前記基板に設けられ第3の送受信周波数帯域に対応した第3のアンテナとを含み、前記第1乃至第3の送受信周波数帯域は、それぞれ相異なるとともに、前記第2の送受信周波数帯域は、前記第1の送受信周波数帯域よりも高い周波数帯域であって、前記第3の送受信周波数帯域は、前記第2の送受信周波数帯域よりも高い周波数帯域であって、前記第1のアンテナを構成する第1導体パターンと第2のアンテナを構成する第2導体パターンは、それぞれ一方端が共通の線路を介して第1の給電ポートと接続し、他方端が前記第1の給電ポートより離れて前記第3のアンテナへ向って配置され、前記第3のアンテナは、前記第1の給電ポートとは異なる第2の給電ポートと接続するように設けられ、前記第1のアンテナ及び第2のアンテナは、前記基板上で前記第3のアンテナとギャップを介して配置され、且つ前記第2のアンテナが前記第3のアンテナと静電容量結合するように設けられており、前記第1の給電ポートと前記第2の給電ポートとの間が、前記第1の送受信周波数帯域の1/4波長となることを特徴としている。
かかる構成によれば、第2のアンテナと、第3のアンテナの共振電流がそれぞれ第2のアンテナの前記第1の給電ポートと第3のアンテナの前記第2の給電ポート間に、第2のアンテナと第3のアンテが静電容量結合することにより流れるが、2つの給電ポートが対称的な配置となるためこの2つの給電ポート間でGSM帯の1/4波長若しくはDCS帯及びPCS帯とUMTS帯の1/2波長が丁度形成され、GSM帯とDCS帯及びPCS帯とUMTS帯での垂直偏波の無指向性を保つことができる。
また、前記第1のアンテナは第1導体パターンが巻回されたチップ型アンテナであるようにしても良い。
これにより、無線通信機器のアンテナ装置の省スペース化が可能で、無線通信機器の筐体内におけるアンテナの配置(レイアウト)の自由度が増し、当該無線通信機器を小型化できる。
これら第1のアンテナ101、第2のアンテナ102及び第3のアンテナ103は、それぞれ相異なる送受信周波数帯域を有しており、具体的には、第1のアンテナ101はGSM帯(900MHz帯)、第2のアンテナ102はDCS帯(1700MHz帯)及びPCS帯(1800MHz帯)、第3のアンテナ103はUMTS帯(2200MHz帯)を、それぞれ送受信周波数帯域として有しており、これによりクワッドバンド方式のアンテナ装置11を実現している。このように、第1のアンテナ101は、第2のアンテナ102の送受信周波数帯域であるDCS帯及びPCS帯や第3のアンテナ103の送受信周波数帯域であるUMTS帯よりも低い周波数帯域であるGSM帯をその送受信周波数帯域として有している。また、第2のアンテナ102は、DCS帯とPCS帯という2つの相異なる近接した周波数帯域をその送受信周波数帯域として有している。更に、第3のアンテナ103は、第2のアンテナの送受信周波数帯域であるDCS帯/PCS帯よりも高い周波数帯域であるUMTS帯をその第3の送受信周波数帯域として有している。尚、本実施例のアンテナ装置11では、第1のアンテナ101の送受信周波数帯域であるGSM帯の信号と第2のアンテナ102の送受信周波数帯域であるDCS帯/PCS帯の信号は同一の送受信回路により処理する構成を有している。
そして、本実施例のアンテナ装置11では、第2のアンテナ102を構成するパターンアンテナは、第1のアンテナ101を構成するチップ型アンテナと給電点104を繋ぐ線路105から分岐して設けられている。また、第2のアンテナ102は、基板100上で第3のアンテナ103とギャップGを介して設けられている。即ち、第2のアンテナ102は、基板100上で第3のアンテナ103とギャップGを介して容量結合している。従って、ここでいうギャップGは、少なくとも静電容量結合が考えられる程度の間隔である。尚、本実施形態では、第1のアンテナ101も第3のアンテナ103と静電容量結合しているものと考えられるが、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102の両方が結合する必要はなく、第1のアンテナ101又は第2のアンテナ102の一方が、基板100上で第3のアンテナ103とギャップGを介して設けられ、静電容量結合していれば良い。
まず、図5乃至図8を参照して比較例のアンテナ装置の性能について述べる。
図5及び図6は、比較例のアンテナ装置CEのGSM帯域におけるアンテナ特性を示す図である。このうち、図5(a)は、比較例のアンテナ装置のいわゆるsパラメータという、アンテナの送信電力がどれぐらいはね返ってくるかを表すパラメータであり、同図のデータでは、その特性を周波数[GHz]に対するGSM帯域の給電ポート側の反射損失で表している。この縦軸の値[dB]が小さい程、50Ωの給電レベルに近い電圧特性が得られることを表しており、従って、50Ωでのインピーダンス整合性を表すデータのひとつである。)
また、図5(b)は、上記sパラメータを電圧/定在波比(Voltage Standing Wave Ratio)に変換したデータであり、アンテナに送られる送信電力の反射の程度を表す値であり、この縦軸のVSWRの値が小さい(1に近い)程、反射が少なく投入した電力が効率よくアンテナに伝わるためアンテナ特性が優れていることを表しており、同図に示すように、ある周波数帯域でVSWRの値が示される。同図のデータでは、グラフの曲線が1に近くなるのが対象とするGSM帯域(900MHz)付近[1040MHz]になっている。
また、図5(d)は、アンテナの放射効率を示すデータであり、アンテナに投入した電力がどれぐらいの効率で空間に放射されるかを表しており、横軸の各周波数に対して縦軸の放射効率の割合で示している。従って、この縦軸の値が大きい(1[100%]に近い)程、放射効率が良く、アンテナ特性が優れていることを表しており、例えば、対象とする周波数帯域において0.90[90%]以上の放射効率が得られるように調整する。ここでは、図5(b)に示すVSWRの値が小さくなる(1に近くなる)GSM帯域(900MHz)で0.90[90%]以上の放射効率が得られるように調整している。
また、図7(d)は、図5(d)に示したのと同様に、アンテナの放射効率を示すデータである。同図のデータでは、1600MHzから2000MHzまで略100%の放射効率が得られており、対象とするDCS帯域/PCS帯域における周波数である1700MHz/1800MHzの帯域において十分な放射特性が得られていることが分かる。
図8(a)、(b)、(c)及び(d)は、比較例のアンテナ装置のDCS帯域/PCS帯域におけるアンテナ特性のうち、アンテナの指向性を、図6(a)、(b)、(c)及び(d)と同様に、立体(3次元)的に表したものである。
図8(d)に示すZX面のアンテナの指向性のデータでは、垂直偏波の指向性を表す曲線Verticalは、一様な円(真円)を表すものではなく、図中のX方向における利得の落ち込みが見られ、X方向における利得が減少していることが分かる。換言すれば、X方向において、いわゆるヌル点が生じてしまうことが分かる。
図9及び図10は、本実施例のアンテナ装置11のGSM帯域におけるアンテナ特性を示す図である。このうち、図9(a)は、図5(a)に示した比較例のデータと同様に、本実施例のアンテナ装置11のsパラメータから算出した値であり、同図のデータでは、その特性を周波数[GHz]に対するGSM帯域の給電ポート側の反射損失で表している。図9(a)のデータでは、図5(a)に示した比較例のデータの値と略同様の値を示している。
尚、図9(b)は、本実施例のアンテナ装置11のGSM帯域におけるアンテナ特性のうちアイソレーションとして、その特性を周波数[GHz]に対する一つのアンテナからもう一方のアンテナへの電力の分離の程度を表している。アイソレーションの良否の程度を判断する目標値としては10[db]であるが、図9(b)のデータでは、対象とするGSM帯域(900MHz)付近で15.00[db]であり、大きなアイソレーションが得られていることから第1のアンテナ101と第2のアンテナ102とが各々第3のアンテナ103と電気的に分離されていることが確認された。
また、図9(c)は、いわゆるスミスチャートであり、本実施例のアンテナ装置11における負荷としての第1のアンテナ101と給電線路のインピーダンス整合特性を表している。
また、図9(d)は、比較例に関して図5(d)に示したのと同様に、本実施例のアンテナ装置11のアンテナの放射効率を示すデータである。同図のデータでは、700MHzから1000MHz付近まで略85%の放射効率が得られており、対象とするGSM帯域における周波数である900MHz付近において十分な放射特性が得られていることが分かる。
図10(a)、(b)、(c)及び(d)は、本実施例のアンテナ装置11のGSM帯域におけるアンテナ特性のうち、アンテナの指向性を、比較例に関して図6(a)、(b)、(c)及び(d)に示したのと同様に、立体(3次元)的に表したものである。
図10(d)に示すZX面のアンテナの指向性のデータでは、垂直偏波の指向性を表す曲線Verticalは、一様な円(真円)を表しており、図中のX方向における利得の落ち込みは見られず、均一な指向性ひいては利得が得られることが分かる。
尚、図11(b)は、本実施例のアンテナ装置11のDCS帯域及びPCS帯域におけるアンテナ特性のうちアイソレーションとして、その特性を周波数[GHz]に対する一つのアンテナからもう一方のアンテナへの電力の分離の程度を表している。図11(b)のデータでは、対象とするDCS帯域及びPCS帯域(1700MHz乃至1800MHz)付近で3.00より大きい値が得られている。
また、図11(c)は、いわゆるスミスチャートであり、負荷としての第2のアンテナ102と給電線路のインピーダンス整合特性を表している。
また、図11(d)は、比較例に関して図7(d)に示したのと同様に、アンテナの放射効率を示すデータである。同図のデータでは、1600MHzから2000MHzまで略100%の放射効率が得られており、本実施例のアンテナ装置11においても、対象とするDCS帯域/PCS帯域における周波数である1700MHz/1800MHzの帯域において十分な放射特性が得られていることが分かる。
図12(d)に示すZX面のアンテナの指向性のデータでは、本実施例のアンテナ装置11では、垂直偏波の指向性を表す曲線Verticalは、一様な円(真円)を表しており、上述した比較例と異なり、図中のX方向における利得の落ち込み(比較例に関して上述したヌル点)は見られず、均一な指向性ひいては利得が得られることが分かる。
尚、図13(b)は、本実施例のアンテナ装置11のUMTS帯域におけるアンテナ特性のうちアイソレーションとして、その特性を周波数[GHz]に対する一つのアンテナからもう一方のアンテナへの電力の分離の程度を表している。図13(b)のデータでは、1800MHzから2200MHzまで3.00dB以上の値が得られている。
また、図13(c)は、いわゆるスミスチャートであり、負荷としての第3のアンテナ103と給電線路のインピーダンス整合特性を表している。
また、図13(d)は、アンテナの放射効率を示すデータである。同図のデータでは、1800MHzから2200MHzまで略100%近い放射効率が得られており、本実施例のアンテナ装置11においても、対象とするUMTS帯域における周波数である1900MHz乃至2200MHzの帯域において十分な放射特性が得られていることが分かる。
図14(d)に示すZX面のアンテナの指向性のデータでは、垂直偏波の指向性を表す曲線Verticalは、一様な円(真円)に近い分布を表しており、図中のX方向における利得の落ち込み(ヌル点)は見られず、均一な指向性ひいては利得が得られることが分かる。
また、第2のアンテナ102は、第1のアンテナ101の給電側の線路105から分岐して接続するように設けられている。従って、同一の送受信回路により信号処理可能となり、アンテナ装置11を簡単な構成とし、省スペース化が可能となる。
また、第1のアンテナ101、第2のアンテナ102及び第3のアンテナ103を基板100の同一面上に配置し、第1のアンテナ101と第2のアンテナ102を共にチップ型アンテナとする構成により、アンテナ装置全体の小型化を図ることができる。
特に、DCS帯域/PCS帯域に対応する第2のアンテナ012とUMTS帯域に対応する第3のアンテナ103とを静電容量結合させる構成によりDCS帯域/PCS帯域とUMTS帯域において上述したヌル点を解消できるので、DCS帯及びPCS帯での垂直偏波の無指向性とUMTS帯での垂直偏波の無指向性を保つことができる。
尚、本実施例のアンテナ装置11では、第2のアンテナ102を第1のアンテナ101よりもグランド電極(接地導体)114から離れた位置に配置している。これにより、比較的広い帯域幅が求められるDCS帯域/PCS帯域において、広帯域化を図ることができ、また、高い利得を実現し易くしている。
以上のように、本実施例のアンテナ装置11では、より小型のアンテナを送受信回路毎に設け、送受信回路毎のアンテナが電磁気的に相互に利用し合うようにすることで、小型化・省スペース化できる上に、各アンテナのインピーダンス整合性が向上し、広帯域(複数の送受信周波数帯域及び各送受信周波数帯域内)に亘って良好な利得と垂直偏波の無指向性を保つことができる。
図15(a)及び(b)に示すように、本実施例のアンテナ装置12では、第1のアンテナ101と第2のアンテナ102の配置箇所を入れ替えて、第2のアンテナ102は、第1のアンテナ101よりもグランド電極(接地導体)114に近い側に配置している以外は、上述した実施例1のアンテナ装置11と全く同様の構成を有している。そこで、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明は省略する。
即ち、第1のアンテナ101と第2のアンテナ102のグランド電極(接地導体)114からの位置と帯域、利得はトレードオフの関係にあり、この実施例2では、第1のアンテナ101を重要視して低域側であるGSM帯を広帯域、高利得とするために、第1のアンテナ101をグランド電極(接地導体)114から遠い方に配置したものである。
本実施例のアンテナ装置21の基本的構成は、上述した第1の実施形態の実施例1及び2のアンテナ装置と同様であるので、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明は省略する。
本実施例のアンテナ装置21では、図16(a)及び(b)に示すように、第1のアンテナ101は基板100の主面(表面)100Pに設けられているのに対し、第2のアンテナ102は基板100の裏面100Rに設けられており、この第2のアンテナ102は主面100Pに設けられた第1のアンテナ101の給電側の線路105からスルーホール電極116を介して接続するように設けられている。従って、第1のアンテナ101の送受信周波数帯域であるGSM帯の信号と第2のアンテナ102の送受信周波数帯域であるDCS帯/PCS帯の信号は同一の送受信回路により処理する点、また、第2のアンテナ102を構成するパターンアンテナは、第1のアンテナ101を構成するチップ型アンテナと給電点104を繋ぐ線路105に接続されて設けられている点は、上述した第1の実施形態の実施例1及び2のアンテナ装置と同様である。
本実施例のアンテナ装置22の基本的構成は、上述した第2の実施形態の実施例1のアンテナ装置21と同様であるので、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明は省略する。
本実施例のアンテナ装置22では、図17(a)及び(b)に示すように、第1のアンテナ101及び第3のアンテナ103は基板100の主面(表面)100Pに実装し、第2のアンテナ102はスルーホール電極を介することなく、第1のアンテナ101と同様の幅と長さのパターンアンテナを基板100の裏面100Rに、第1のアンテナ101の丁度裏側の対向する位置になるように形成している。即ち、第1のアンテナ101と同様の幅と長さのパターンアンテナから成る第2のアンテナ102を第1のアンテナ101の丁度裏側の対向する位置になるように配置して、その静電容量による結合でデュアルバンドの機能を得るようにしたものである。尚、第2のアンテナ102は、第2の実施形態の実施例1のアンテナ装置21のものより幅広で短い形状に形成されている。これは、スルーホール電極を介することなく基板100の裏面100Rに配置したパターンアンテナである第2のアンテナ102をDCS帯/PCS帯に対応可能とするためである。
本実施例のアンテナ装置23の基本的構成は、上述した第2の実施形態の実施例1及び2のアンテナ装置21及び22と同様であるので、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明は省略する。
本実施例のアンテナ装置23では、図18(a)及び(b)に示すように、第1のアンテナ101及び第3のアンテナ103は基板100の主面(表面)100Pに実装し、第2のアンテナ102はスルーホール電極を介することなく、パターンアンテナを基板100の裏面100Rに、第1のアンテナ101の丁度裏側の対向する位置になるように形成している。即ち、パターンアンテナから成る第2のアンテナ102を第1のアンテナ101の裏側に位置するように配置して、その静電容量による結合でデュアルバンドの効果を得るようにしたものである。尚、第2のアンテナ102は、第2の実施形態の実施例2のアンテナ装置22のものより幅が狭く長い形状に形成されている。これは、実施例2のアンテナ装置22と同様に、スルーホール電極を介することなく基板100の裏面100Rに配置したパターンアンテナである第2のアンテナ102をDCS帯/PCS帯に対応可能とするためである。
また、本実施例のアンテナ装置23では、図18(a)及び(b)に示すように、第1のアンテナ101、第2のアンテナ102及び第3のアンテナ103は、インピーダンス整合回路109、111、118がそれぞれ付加されている。インピーダンス整合回路118はLとCの並列共振回路であり、このLとCの値を調整してインピーダンス整合することによりVSWRを下げることができる。このインピーダンス整合回路109、111、118をそれぞれ第1のアンテナ101の給電側と送受信回路部との間、第3のアンテナの給電側と送受信回路部との間、第2のアンテナの給電側とグランドとの間に各々挿入することによりGSM帯、DCS/PCS帯各々で最適なVSWRの設定ができる。
本実施形態のアンテナ装置30の基本的構成は、上述した第1の実施形態の実施例1及び2のアンテナ装置11及び12と同様であるので、同様の部分には同様の参照符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態のアンテナ装置30では、図19(a)及び(b)に示すように、第2のアンテナ102も、第1のアンテナ101と同様に、チップ型アンテナとして構成されている。即ち、第2のアンテナ102も、誘電体から成る基体102Aと基体102Aの表面に周回して設けた導体102Bから成る。但し、第2のアンテナ102は、第1のアンテナ101と同様の長さを有しているが、幅と高さは第1のアンテナ101よりも小さく形成されている。また、第2のアンテナ102の導体102Bは、第1のアンテナ101の導体101Bよりも広い間隔をおいて少ない巻き数で巻回されている。これは、第2のアンテナ102の対象とする送受信周波数帯域が第1のアンテナ101より高い送受信周波数帯域に対応するためである。尚、第2のアンテナ102の導体102Bの巻き方向は、第1のアンテナ101の導体101Bの巻き方向と同じ方向であるが、第1のアンテナ101の対象とする周波数帯域が第2のアンテナ102の対象とする周波数帯域より離れているので相互に影響が出ない。よって離れていれば巻き方向は必ずしも同じでなくても良い。
図20は、チップ型アンテナの変形例の構成を示す図である。
図20に示すように、この変形例のチップ型アンテナでは、導体101Bの形状・パターンが図1等に示したチップ型アンテナとは相違している。このようにアンテナ電極パターンを巻回せずにミアンダ状に印刷することもできる。図21は、積層アンテナの変形例の構成を示す図であり、(a)は積層アンテナの変形例、(b)は図1等に示した実施例の積層アンテナ、(c)は積層アンテナの他の変形例を示す。
図21(a)、(b)及び(c)にそれぞれ示す積層アンテナでは、導体103Bの形状・パターンがそれぞれ相違している。また、螺旋状等の導体103Bの長さを、UMTS帯に対応する共振周波数になるようにそれぞれ調整している。但し、図21(b)に示す上述した実施例の積層アンテナが好適である。即ち、図21(a)に示す積層アンテナでは、L(導体)の重なり部分が多く、線間容量が増えてQが大きくなって帯域幅が狭くなる場合があり、図21(c)に示す積層アンテナでは、L(導体)が平面的にミアンダ状になっている(うねっている)のでLの長さが取れず同じ周波数ならアンテナ自体が大きくなってしまう場合がある。図21(b)に示す上述した実施例の積層アンテナでは、L(導体)が長く取れてかつL(導体)の重なり部分が少ないので線間容量を小さくできることから、最も小型化が可能で帯域幅も広くできる。
図24乃至図26は、本発明の実施例のアンテナ装置を無線通信機器としての携帯電話端末に適用した例を示す図であり、図24は、棒型携帯電話端末への適用例、図25は、折畳み型携帯電話端末への適用例、図26は、スライド型携帯電話端末への適用例、をそれぞれ示す。また、それぞれ(a)は携帯電話端末の外観を表面側から見た図、(b)は基板100を含む実施例のアンテナ装置11を内蔵した状態を裏面側から見た図である。
例えば、従来の板金アンテナは、基板から板金アンテナの上面まで8mm程度の高さに形成されているものが多い。上述したように、本発明の実施例のアンテナ装置11は小型で薄く、アンテナ実装領域100Mの端末機器の筐体の長手方向の幅は半分(1/2)程度にすることが可能である。また、アンテナ装置11のアンテナ実装領域100Mの厚みは2mm程度(基板を含んだ厚さは3mm程度)とすることができる。このように、アンテナ実装領域100M部分の体積を従来の板金アンテナと比べ1/8程度の大きさにできるので、無線通信機器としての携帯電話端末のアンテナ装置の省スペース化が可能で、携帯電話端末の筐体内におけるアンテナの配置(レイアウト)の自由度が増し、携帯電話端末を小型化できる。
尚、図示はしないが、アンテナ用サブ基板200の他に、更にサブ基板を設け、このサブ基板にGSM帯とDCS帯/PCS帯の送受信回路部(信号処理回路)とUMTS帯の送受信回路部(信号処理回路)を設け、それぞれのサブ基板に設けた接続端子とアンテナ間を同軸ケーブルを介して、接続するようにしても良い。
また、上述した実施形態では、第1のアンテナ101の送受信周波数帯域であるGSM帯の信号と第2のアンテナ102の送受信周波数帯域であるDCS帯/PCS帯の信号を同一の送受信回路により処理するようにしたが、別の送受信回路により処理するようにしても良い。
また、第3のアンテナ103は、内層パターン(積層アンテナ)でなくても良い(第1のアンテナ101と同じように誘電体から成る基体の表面に電極を周回させる構成でもよい)。但し、内層パターン(積層アンテナ)の方が小型化に有利である。これは、内層パターン(積層アンテナ)の方が、パターン幅を狭くできるからであり、第1のアンテナ101と同じチップ型アンテナとすれば、スクリーン印刷等で表面にパターンを形成するが、この工程時に断線しないように電極をある程度の幅にする場合がある。また、内層パターン(積層アンテナ)の方は、導体の周囲両側が誘電体のため実効誘電率をかせげるので、その分小型化が可能である。
Claims (8)
- 基板と、前記基板に設けられ第1の送受信周波数帯域に対応した第1のアンテナと、前記基板に設けられ第2の送受信周波数帯域に対応した第2のアンテナと、前記基板に設けられ第3の送受信周波数帯域に対応した第3のアンテナとを含み、前記第1乃至第3の送受信周波数帯域は、それぞれ相異なるとともに、前記第2の送受信周波数帯域は、前記第1の送受信周波数帯域よりも高い周波数帯域であって、前記第3の送受信周波数帯域は、前記第2の送受信周波数帯域よりも高い周波数帯域であって、
前記第1のアンテナを構成する第1導体パターンと第2のアンテナを構成する第2導体パターンは、それぞれ一方端が共通の線路を介して第1の給電ポートと接続し、他方端が前記第1の給電ポートより離れて前記第3のアンテナへ向って配置され、
前記第3のアンテナは、前記第1の給電ポートとは異なる第2の給電ポートと接続するように設けられ、
前記第1のアンテナ及び第2のアンテナは、前記基板上で前記第3のアンテナとギャップを介して配置され、且つ前記第2のアンテナが前記第3のアンテナと静電容量結合するように設けられており、前記第1の給電ポートと前記第2の給電ポートとの間が、前記第1の送受信周波数帯域の1/4波長となることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、前記基板は矩形状であって、その一辺側の幅方向の全幅に亘ってアンテナを構成する領域が設けられ、前記第1の給電ポートは、前記領域の幅中央より一側面側に寄って配置されており、前記第2の給電ポートは、前記領域の幅中央より前記一側面に対向する側面側に寄って配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、該第1のアンテナは、誘電材料及び磁性材料の少なくとも一方から成る基体と該基体に設けた第1導体パターンとを含むチップ型アンテナであることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項3に記載のアンテナ装置において、前記第1のアンテナは第1導体パターンが巻回されたチップ型アンテナであることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項4に記載のアンテナ装置において、前記第2のアンテナは、前記基板上に形成された導体パターンから成り、前記第1導体パターンの巻軸方向に向って伸びるパターンアンテナであることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項4又は5に記載のアンテナ装置において、前記第3のアンテナは、誘電材料及び磁性材料の少なくとも一方から成る基体と該基体に設けた第3導体パターンとを含むチップ型アンテナであることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項6に記載のアンテナ装置において、前記第3のアンテナは、前記基体が複数の層から構成され、該複数の層中に前記第3導体パターンを配設した積層アンテナであることを特徴とするアンテナ装置。
- 請求項1乃至7の何れかに記載のアンテナ装置を内蔵したことを特徴とする無線通信機器。
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