JP2004040361A - ビーム幅可変アンテナ装置 - Google Patents

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Yasuko Kimura
木村 泰子
Yoshio Ebine
恵比根 佳雄
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Abstract

【課題】放射パターンにヌル点が生じないビーム幅可変アンテナ装置を提供する。
【解決手段】1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子11、12のn本(n=2、3、・・・・・、n)を平面反射板2に対して1/2波長の間隔で直立して取り付け固定したアレーアンテナのモノポールアンテナ素子11、12の配列方向のほぼ中間位置にモノポールアンテナ素子11、12と平行に無給電の金属導体3を配置し、金属導体3の高さを変更することにより、放射パターンの形状、FS比を変更することができ、ヌル点の存在しない楕円形に近似する放射パターンを得る様々なビル内の建築構造に対応する放射パターンのビーム幅可変アンテナ装置。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビーム幅可変アンテナ装置に関し、特に、1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子より成るアレーアンテナの素子配列方向のほぼ中間位置に無給電素子である金属導体を配置するビーム幅可変アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビームアンテナ装置の従来例を図1を参照して説明する。
11は1/4波長の高さの第1のモノポールアンテナ素子を示す。12は1/4波長の高さの第2のモノポールアンテナ素子を示す。ここで、第1のモノポールアンテナ素子11と第2のモノポールアンテナ素子12は、同形状寸法、同相給電される。2は方形の平面反射板である。第1のモノポールアンテナ素子11および第2のモノポールアンテナ素子12は、平面反射板2に対してこれに垂直な共通平面内において直立してその下端部を機械的電気的に取り付け固定され、アレーアンテナを構成している。第1のモノポールアンテナ素子11と第2のモノポールアンテナ素子12との間の間隔は1/2波長に設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来例の放射パターンは図2に示される如くである。最外側の円のレベルは0dBを示し、中心は−30dBを示す。同心円は5dB間隔で描かれている。即ち、1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子11、12を1/2波長間隔に配列して方形の平面反射板2に取り付け固定したアレーアンテナは、その放射パターンの主放射ビーム方向である0°−180°方向の両側にヌル点が生ずる。
【0004】
ところで、ビル内において移動通信サービスを実施するビームアンテナ装置としては、放射パターンが狭い通路をもカバーすることができるヌル点の存在しない楕円形であるものが好適である。しかし、ビルの内部構造は様々であり、通路の幅も広狭様々であってビル内部構造に一々対応することは困難である。
この発明は、1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子より成るアレーアンテナの素子配列方向のほぼ中間位置に無給電素子である金属導体を配置することにより、放射パターンにヌル点が生じないビーム幅可変アンテナ装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
約1/2波長離隔して配置した2本のモノポールアンテナ素子のほぼ中間位置に無給電の金属導体を配置してその高さを変更することにより、放射ビーム幅およびFS比(Frontlobe to Sidelobe Ratio)を変更することができることがわかった。これにより金属導体の高さを変えるだけで、サービスエリア構造が相異なる何れのビル内においても、移動通信におけるIMT−2000用ビル内サービスに使用するビーム幅可変アンテナ装置を構成することができることがわかった。
【0006】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図3の実施例を参照して説明する。
この実施例は図1の従来例における1/4波長の高さの第1のモノポールアンテナ素子11と1/4波長の高さの第2のモノポールアンテナ素子12より成るアレーアンテナの素子配列方向のほぼ中間位置にこれらアンテナ素子と平行に無給電の金属導体3を1本配置したものに相当する。この実施例において、第1のモノポールアンテナ素子11、第2のモノポールアンテナ素子12の相互間隔は1/2波長であり、無給電の金属導体3との間の相互間隔は1/4波長である。
【0007】
図4はこの実施例の放射パターンを示す。この場合、第1のモノポールアンテナ素子11および第2のモノポールアンテナ素子12双方の高さを0.23 波長に固定し、平面反射板2の大きさは40mm×110mmとしている。そして、無給電の金属導体3の高さhを0.25波長とした場合と0.27波長とした場合の2通りについて得られた指向性パターンの結果を示している。ここで、金属導体3の高さが第1のモノポールアンテナ素子11、第2のモノポールアンテナ素子12の高さに等しいh=0.23 波長の場合、放射パターンはオムニとなる。金属導体3の高さを僅かに高くしてh=0.25 波長とした場合、点線で示される如くに離心率の大きい楕円の放射パターンを示す。
【0008】
図5を参照するに、これは金属導体3の高さを変化させた場合のHPBWおよびFS比の変化を示す図である。この場合、第1のモノポールアンテナ素子11および第2のモノポールアンテナ素子12の高さは0.23波長と0.25波長の2通りに設定し、両アンテナ素子11および12の間隔は0.53 波長に設定している。そして、平面反射板2の大きさは40mm×110mmとしている。ここで、金属導体3が1/5波長の高さの場合はHPBWは170°近傍の広角度を示し、FS比は極めて小さく、これらの結果は図4の結果に矛盾なく対応している。
【0009】
図6を参照して他の従来例を説明する。図6の従来例においては、1/4波長の高さの第1ないし第4のモノポールアンテナ素子11ないし14の4本を、方形の平面反射板2に対してこれに垂直な共通平面内において1/2波長の相互間隔で、直立して取り付け固定してアレーアンテナを構成している。
図7は以上の他の従来例の放射パターンを示す。最外側円のレベルは0dBを示し、中心は−30dBを示す。同心円は5dB間隔で描かれている。この放射パターンは、4本のモノポールアンテナ素子11ないし14について隣接するもの同志の相互間隔を0. 53波長に設定すると共に高さを0.23波長に設定し、2GHz の電磁波を使用して得られた結果を示す。この従来例においても、その放射パターンは6方向にヌル点が生ずる。
【0010】
ここで、図8を参照して他の実施例を説明するに、これは図6のアレーアンテナの従来例において、素子配列方向のほぼ中間位置にモノポールアンテナ素子と平行に無給電の金属導体を1本配置したものに相当する。4本のモノポールアンテナ素子11ないし14より成るこの実施例のアレーアンテナにおいて、素子配列方向のほぼ中間位置は第2のモノポールアンテナ素子12と第3のモノポールアンテナ素子13の中間位置ということになる。ここに無給電の金属導体3を立設する。
【0011】
図9は図8の実施例の放射パターンを示す。最外側円のレベルは0dB、中心は−30dBを示す。同心円は5dB間隔で描かれている。この放射パターンにはヌル点は存在せず、様々の内部構造のビル内における移動通信用のビームアンテナとして充分に使用することができる。
なお、図2、図4、図5、図7、図9のGain、HPBWおよびFS比の変化その他のデータは、電界分布を数値計算するソフトウェアを使用し、アンテナの種類、アンテナの長さ、励振源の励振周波数、反射器の形状寸法、給電点、アンテナと反射器との間の位置関係その他の条件を入力して電子計算機により演算処理して求めることができる。
【0012】
【発明の効果】
以上の通りであって、この発明によれば、1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子の相互間隔が約1/2波長のアレーアンテナの素子配列方向のほぼ中間位置に無給電素子である金属導体を配置することにより、ヌル点の存在しない楕円形に近似する放射パターンを得ることができる。そして、この金属導体の高さを変えることにより、放射パターンの形状、FS比を変更することができ、金属導体の高さを変更することにより様々なビル内の建築構造に対応する放射パターンのビーム幅可変アンテナ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を説明する図。
【図2】従来例の放射パターンを示す図。
【図3】実施例を説明する図。
【図4】実施例の放射パターンを示す図。
【図5】金属導体の高さを変化させた場合のHPBWおよびFS比の変化を示す図。
【図6】他の従来例を説明する図。
【図7】他の従来例の放射パターンを示す図。
【図8】他の実施例を説明する図。
【図9】他の実施例の放射パターンを示す図。
【符号の説明】
11〜14 モノポールアンテナ素子
2 平面反射板
3 金属導体

Claims (1)

  1. 1/4波長の高さのモノポールアンテナ素子のn本(n=2、3、・・・・・、n)を平面反射板に対して1/2波長の間隔で直立して取り付け固定したアレーアンテナの素子配列方向のほぼ中間位置にモノポールアンテナ素子と平行に無給電の金属導体を配置し、金属導体の高さを変更することを特徴とするビーム幅可変アンテナ装置。
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