JPH1168446A - 半波長ダイポールアンテナ、水平偏波用アンテナおよびアレイアンテナ - Google Patents

半波長ダイポールアンテナ、水平偏波用アンテナおよびアレイアンテナ

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JPH1168446A
JPH1168446A JP22231597A JP22231597A JPH1168446A JP H1168446 A JPH1168446 A JP H1168446A JP 22231597 A JP22231597 A JP 22231597A JP 22231597 A JP22231597 A JP 22231597A JP H1168446 A JPH1168446 A JP H1168446A
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JP
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antenna
dipole antenna
wave
wave dipole
wavelength
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JP22231597A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ebine
佳雄 恵比根
Masayoshi Shintaku
正佳 新宅
Masataka Karikomi
正敞 苅込
Kouei Ro
向栄 魯
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NTT Docomo Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Nihon Dengyo Kosaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Nihon Dengyo Kosaku Co Ltd
NTT Mobile Communications Networks Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平偏波の水平面内の指向性をほぼ無指向性
とすることが可能な半波長ダイポールアンテナを提供す
る。 【解決手段】 半波長ダイポールアンテナの放射素子で
ある各線状導電体(11,12)を、各線状導電体の給
電点と反対側の端部(11b,12b)が接触すること
なく、互いに対向、あるいは一部重なって互いに対峙す
るようにそれぞれ湾曲するとともに、前記各線状導電体
の給電点と反対側の端部と、前記湾曲された各線状導電
体により囲まれる領域の中心点との成す角度(θ)が4
5°以内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半波長ダイポール
アンテナ、水平偏波用アンテナおよびアレイアンテナに
係わり、特に、偏波ダイバーシティアンテナが要求され
る移動通信用基地局アンテナに適用して有効な技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される移動通信方法に使
用される移動通信用基地局アンテナでは、半波長ダイポ
ールアンテナを、垂直方向に多段にアレイ状に配置して
アレイアンテナを構成している。例えば、図12に示す
ように、前記したアレイアンテナを3個、互いに各12
0°ずつ離して同一のアンテナ鉄塔に配置し、各アレイ
アンテナで120°のサービスエリアをカバーするよう
にしている。
【0003】なお、図12において、1a〜1cは半波
長ダイポールアンテナ、2a〜2cは反射器、3はアン
テナ鉄塔を表し、4は半波長ダイポールアンテナ(1
a)と反射器2aとで構成されるアンテナの水平方向の
指向特性を表している。この場合に、各アレイアンテナ
で120°のサービスエリアを充分にカバーするため
に、各半波長ダイポールアンテナ(1a〜1c)と各反
射器(2a〜2c)とで構成されるアンテナの水平方向
の放射ビーム幅を120°としている。
【0004】ここで、各半波長ダイポールアンテナ(1
a〜1c)と各反射器(2a〜2c)とで構成されるア
ンテナの水平方向の放射ビーム幅とは、各半波長ダイポ
ールアンテナ(1a〜1c)と各反射器(2a〜2c)
とで構成されるアンテナの水平方向の指向特性におい
て、その正面における利得に対して、その利得が3dB
低下する角度範囲、即ち、各半波長ダイポールアンテナ
(1a〜1c)と各反射器(2a〜2c)とで構成され
るアンテナの水平方向の指向特性の半値幅を意味する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話等の移動通信
では垂直偏波の電波が利用される。そのため、移動無線
用基地局アンテナのアレイアンテナにおいては、垂直偏
波用の半波長ダイポールアンテナが使用される。周知の
如く、半波長ダイポールアンテナはダイポール軸と直交
する面内(H面内)で無指向性であるため、この垂直偏
波用の半波長ダイポールアンテナに反射器を組み合わせ
ることにより、図12に示すように、垂直偏波の水平方
向の放射ビーム幅を120°とすることは容易である。
【0006】近年、この移動無線用基地局アンテナとし
て、水平偏波および垂直偏波の両方の電波を受信できる
偏波ダイバーシティアンテナが要求されている。しかし
ながら、水平偏波の電波を受信するアンテナとして、半
波長ダイポールアンテナを使用する場合に、半波長ダイ
ポールアンテナはダイポール軸を含む面内(E面内)で
は8字型の指向特性を有しているため、この水平偏波用
の半波長ダイポールアンテナに反射器を組み合わせて
も、水平偏波の水平方向の放射ビーム幅は70°程度に
しかならない。
【0007】したがって、例えば、図12に示す移動無
線用基地局アンテナにおける偏波ダイバーシティアンテ
ナとして、水平偏波および垂直偏波用に共に半波長ダイ
ポールアンテナと反射器とを組み合わせて使用する場合
に、垂直偏波の水平方向の放射ビーム幅を120°とす
ることはできるが、水平偏波の水平方向の放射ビーム幅
を120°とすることができなかった。
【0008】そして、移動無線用基地局アンテナにおけ
る偏波ダイバーシティアンテナにおいて、水平偏波およ
び垂直偏波の電波をバランス良く受信できるようにする
ためには、水平偏波および垂直偏波の水平方向の放射ビ
ーム幅は略同一であることが望ましい。そのため、図1
2に示す移動無線用基地局アンテナにおける偏波ダイバ
ーシティアンテナとして、水平偏波および垂直偏波用に
共に半波長ダイポールアンテナと反射器とを組み合わせ
て使用する場合に、水平偏波の水平方向の放射ビーム幅
を70°以上に拡大することが要望されていた。
【0009】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、本発明の目的は、半波長
ダイポールアンテナにおいて、ダイポール軸を含む面
内、即ち、水平面内の指向性をほぼ無指向性とすること
が可能となる技術を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、水平偏波用アンテナ
およびアレイアンテナにおいて、水平面内の指向性がほ
ぼ無指向性の半波長ダイポールアンテナと反射器とを組
み合わせて、水平偏波の水平方向の放射ビーム幅を12
0°以上とすることが可能となる技術を提供することに
ある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0013】半波長ダイポールアンテナにおいて、放射
素子である各線状導電体を、各線状導電体の給電点と反
対側の端部が接触することなく、互いに対向、あるいは
一部重なって互いに対峙するようにそれぞれ湾曲すると
ともに、前記各線状導電体の給電点と反対側の端部と、
前記湾曲された各線状導電体により囲まれる領域の中心
点との成す角度が45°以内であることを特徴とする。
【0014】水平偏波用アンテナにおいて、前記半波長
ダイポールアンテナと、反射器とを備えることを特徴と
する。
【0015】アレイアンテナにおいて、前記半波長ダイ
ポールアンテナと、垂直偏波用の半波長ダイポールアン
テナとを、交互に垂直方向に多段に配置するとともに、
前記各半波長ダイポールアンテナの後段に1個ないし複
数個の反射器を設置したこと特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】なお、実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0018】[実施の形態1]図1は、本発明の一実施
の形態である半波長ダイポールアンテナの概略構成を示
す図であり、同図(a)は斜視図を、同図(b)は平面
図を示す。同図において、10は半波長ダイポールアン
テナ、11および12は半波長ダイポールアンテナ10
の放射素子である各線状導電体である。
【0019】本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ
10では、各線状導電体(11,12)が円形状にそれ
ぞれ湾曲される。また、各線状導電体(11,12)の
給電点(11a,12a)と反対側の端部(11b,1
2b)を、接触させることなく、所定の間隔をおいて互
いに対向させる。ここで、図1(b)に示すように、こ
の各線状導電体(11,12)により仮想的に生成され
るループ(図1に示す円状ループ13)の中心点をCP
とするとき、各線状導電体(11,12)の端部(11
b,12b)と、中心点CPとの成す角度θは45°未
満とする。
【0020】図2は、本実施の形態の半波長ダイポール
アンテナ10の電界面内指向特性を示すグラフである。
なお、図2においては、各線状導電体(11,12)と
して外径が極めて細い導線を使用した場合の指向特性を
示している。この場合に、線状導電体(11,12)の
外径が大きくなるにしたがって、アンテナの全長をλ/
2より適宜短縮する必要があることは言うまでもない。
【0021】さらに、図2に示す電界面内指向特性は、
図1に示すx−y平面の指向特性(dB)を示してい
る。ここで、図1に示すように、各線状導電体(11,
12)の給電点(11a,12a)を結ぶ仮想直線に直
交する方向をx軸、各線状導電体(11,12)の給電
点(11a,12a)を結ぶ仮想直線と同一方向をy
軸、また、各線状導電体(11,12)により仮想的に
生成されるループのループ面と直交する方向をz軸とし
ている。
【0022】図2から分かるように、電界面内指向特性
において、いずれの角度においても、その指向性の偏差
は5dB以下となっており、本実施の形態の半波長ダイ
ポールアンテナ10はx−y平面内でほぼ無指向性の指
向特性を有している。
【0023】したがって、本実施の形態の半波長ダイポ
ールアンテナ10を、水平偏波用半波長ダイポールアン
テナとして使用することにより、x−y平面内(水平面
内)でほぼ無指向性のアンテナを得ることができる。
【0024】[実施の形態2]図3は、本発明の他の実
施の形態である半波長ダイポールアンテナの概略構成を
示す図であり、同図(a)は斜視図を、同図(b)は平
面図を示す。
【0025】本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ
10においても、放射素子である各線状導電体(11,
12)が、円形状にそれぞれ湾曲される。しかしなが
ら、本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ10で
は、各線状導電体(11,12)の給電点(11a,1
2a)と反対側の端部(11b,12b)を、接触させ
ることなく、所定の間隔をおいて互いに重ね合わせて対
峙させるようにしている。なお、図3(b)では、説明
の都合上、各線状導電体(11,12)の端部(11
b,12b)は重なっていないが、この各線状導電体
(11,12)の端部(11b,12b)は重なってい
るものと理解されたい。
【0026】この場合に、この各線状導電体(11,1
2)により仮想的に生成されるループ(図3に示す円状
ループ13)の中心点をCPとするとき、各線状導電体
(11,12)の端部(11b,12b)と、中心点C
Pとの成す角度θは45°未満とする。これにより、前
記実施の形態1と同様、本実施の形態の半波長ダイポー
ルアンテナ10を、水平偏波用半波長ダイポールアンテ
ナとして使用することにより、x−y平面内でほぼ無指
向性のアンテナを得ることができる。
【0027】ただし、本実施の形態の半波長ダイポール
アンテナ10においては、重ね合わされた各線状導電体
(11,12)の端部(11b,12b)の間隔(d)
が、あまり広すぎると球形状の指向特性が得られないの
で、間隔(d)は下記(1)式を満足する必要がある。
【0028】
【数1】 d≦λo/10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) ここで、λoは半波長ダイポールアンテナの設計中心周
波数における自由空間波長である。
【0029】なお、前記実施の形態および本実施の形態
においては、半波長ダイポールアンテナ10の放射素子
である各線状導電体(11,12)を円弧状に湾曲さ
せ、円形状のループ(図1、図3に示す13)が仮想的
に生成されるようにしたが、本発明はこれに限定される
ものではない。湾曲された各線状導電体(11,12)
により仮想的に生成されるループが、例えば、多角形状
のループ、楕円形状のループ等であっても略円形状のル
ープであれば、前記実施の形態および本実施の形態と同
様の作用・効果を得ることが可能である。したがって、
本明細書中において、「湾曲された各線状導電体(1
1,12)」とは、前記多角形状に構成された線状導電
体(11,12)および楕円形状に構成された線状導電
体(11,12)も意味している。
【0030】また、前記実施の形態および本実施の形態
の半波長ダイポールアンテナ10を誘電体基板上に形成
した場合は、誘電体による波長短縮を受けるが、このよ
うな場合は前記λoは短縮率を乗じたものと解釈された
い。
【0031】[実施の形態3]図4は、本発明の他の実
施の形態である半波長ダイポールアンテナの概略構成を
示す斜視図である。
【0032】本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ
20では、前記各実施の形態の半波長ダイポールアンテ
ナ10の上側、あるいは下側に、その両端が接触するこ
となく、略円形状のループが仮想的に生成されるように
湾曲された第1の無給電素子14を配置するようにした
ものである。
【0033】ここで、第1の無給電素子14の長さ(L
1)は、下記(2)式を満足する必要がある。
【0034】
【数2】 L0≒λo/2 L1=L0×(0.7〜1.0) ・・・・・・・・・・(2) また、第1の無給電素子14の形状は、前記各実施の形
態の半波長ダイポールアンテナ10と相似な形状とされ
る。即ち、第1の無給電素子14は、図1(a)に示す
ように、その両端(14a,14b)が互いに対向する
ようにしてもよく、あるいは図3(a)に示すように、
その両端(14a,14b)が一部重なり合って互いに
対峙していてもよい。この場合に、第1の無給電素子1
4により仮想的に生成されるループの中心点と、第1の
無給電素子14の両端(14a,14b)との成す角度
は45°未満とする。
【0035】さらに、半波長ダイポールアンテナ10の
形状と、第1の無給電素子14との形状は、必ずしも一
致している必要はない。即ち、半波長ダイポールアンテ
ナ10が、図3(a)に示すように、各線状導電体(1
1,12)の端部(11b,12b)が一部重なり合っ
て互いに対峙している場合に、第1の無給電素子14
は、図1(a)に示すように、その両端が(14a,1
4b)と互いに対向するようにしてもよく、また、その
逆でもよい。
【0036】図5は、本実施の形態の半波長ダイポール
アンテナ20における周波数と反射減衰量の関係との一
実測例を示すグラフである。なお、図5において、横軸
は周波数(MHz)、縦軸は反射減衰量(dB)であ
る。
【0037】図5から明らかなように、本実施の形態の
半波長ダイポールアンテナ20において、反射減衰量が
14dB(電圧定在波比VSWR=1.5)以下の周波
数領域は、略45MHzである。
【0038】図6は、本実施の形態の半波長ダイポール
アンテナ20において第1の無給電素子14がない場
合、即ち、本実施の形態1の半波長ダイポールアンテナ
10における周波数と反射減衰量の関係との一実測例を
示すグラフである。
【0039】図6から明らかなように、図1に示す半波
長ダイポールアンテナ10において、反射減衰量が14
dB以下の周波数領域は、略30MHzである。このよ
うに、本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ20で
は、第1の無給電素子14を設けるようにしたので、広
帯域の周波数特性を得ることが可能となる。
【0040】なお、半波長ダイポールアンテナ10と、
第1の無給電素子14との間隔(図4に示すD1)は、
あまり広すぎると広帯域の周波数特性を得ることができ
ないので、間隔(D1)は、下記(3)式を満足する必
要がある。
【0041】
【数3】 D1≦R ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) ここで、Rは各線状導電体(11,12)により、仮想
的に生成される円形状ループ(図1または図3に示す1
3)の半径である。
【0042】[実施の形態4]図7は、本発明の他の実
施の形態である半波長ダイポールアンテナの概略構成を
示す斜視図である。
【0043】本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ
30では、前記実施の形態3の半波長ダイポールアンテ
ナ10における第1の無給電素子14が配置された側と
反対の側に、その両端が接触することなく、略円形状の
ループが仮想的に生成されるように湾曲された第2の無
給電素子15を配置するようにしたものである。
【0044】ここで、第2の無給電素子15の長さ(L
2)は、下記(4)式を満足する必要がある。
【0045】
【数4】 L2=(λq/2)×(0.7〜1.0) ・・・・・・(4) ここで、λqは半波長ダイポールアンテナ10から放射
される放射波よりも高周波の放射波の波長である。さら
に、第2の無給電素子15を誘電体基板上に形成した場
合は、誘電体による波長短縮を受けるが、このような場
合は前記λqは短縮率を乗じたものと解釈されたい。
【0046】また、前記実施の形態3と同様、第2の無
給電素子15の形状は、図1(a)に示すように、その
両端(15a,15b)が互いに対向するようにしても
よく、あるいは図3(a)に示すように、その両端(1
5a,15b)が一部重なり合って互いに対峙していて
もよい。また、第2の無給電素子15により仮想的に生
成されるループの中心点と、第2の無給電素子15の両
端(15a,15b)との成す角度は45°未満とす
る。
【0047】また、半波長ダイポールアンテナ10の形
状と、第2の無給電素子15との形状は、必ずしも一致
している必要はない。即ち、半波長ダイポールアンテナ
10が、図3(a)に示すように、各線状導電体(1
1,12)の端部(11b,12b)が一部重なり合っ
て互いに対峙している場合に、第2の無給電素子15
は、図1(a)に示すように、その両端(15a,15
b)が互いに対向するようにしてもよく、また、その逆
でもよい。
【0048】さらに、半波長ダイポールアンテナ10
と、第2の無給電素子15との間隔(図7に示すD2)
は、下記(5)式を満足する必要がある。
【0049】
【数5】 D2≦R ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) 図8は、本実施の形態の半波長ダイポールアンテナ30
における周波数と反射減衰量の関係との一実測例を示す
グラフである。なお、図8において、横軸は周波数(M
Hz)、縦軸は反射減衰量(dB)である。
【0050】図8から明らかなように、本実施の形態の
半波長ダイポールアンテナ30では、反射減衰量が15
dB以下の周波数領域は、950MHz付近と、145
0MHz付近とに2つ生成される。この1450MHz
付近の領域は、第2の無給電素子15の長さ(L2)を
決定する要因となる、高周波の放射波の波長(λq)に
より決定される。即ち、第2の無給電素子15が、仮想
的に高周波の放射波を放射する半波長ダイポールアンテ
ナの役割を果たす。
【0051】このように、本実施の形態の半波長ダイポ
ールアンテナでは、第2の無給電素子15を設け、この
第2の無給電素子15から半波長ダイポールアンテナ1
0よりも高周波の放射波を放射するようにしたので、2
つの周波数帯域の放射波を放射することが可能となる。
【0052】[実施の形態5]図9は、本発明の一実施
の形態の水平偏波用アンテナの概略構成を示す斜視図で
ある。本実施の形態の水平偏波用アンテナ40は、前記
実施の形態1の半波長ダイポールアンテナ10の後段
に、反射器16を設置したものである。
【0053】図10は、本実施の形態の水平偏波用アン
テナ40の電界面内指向特性を示すグラフである。
【0054】なお、図10は、図9に示すように、各線
状導電体(11,12)の給電点(11a,12a)を
結ぶ仮想直線に直交する方向をx軸、各線状導電体(1
1,12)の給電点(11a,12a)を結ぶ仮想直線
と同一方向をy軸、また、各線状導電体(11,12)
により仮想的に生成されるループのループ面と直交する
方向をz軸とした場合の、x−y平面の指向特性(d
B)を示している。さらに、図10においては、各線状
導電体(11,12)として導線を使用した場合の電界
面内指向特性を示している。
【0055】図10から分かるように、本実施の形態の
水平偏波用アンテナ40では、電界面内指向特性におい
て、正面側にのみ指向特性を有しており、またその半値
幅は120°以上である。このように、本実施の形態の
水平偏波用アンテナ40によれば、水平方向の放射ビー
ム幅として120°以上のビーム幅を得ることができ
る。
【0056】なお、前記実施の形態2ないし実施の形態
4の半波長ダイポールアンテナと、反射器16とを組み
合わせて水平偏波用アンテナを構成した場合において
も、水平方向の指向特性として、本実施の形態と同様な
指向特性を得ることができることは言うまでもない。
【0057】[実施の形態6]図11は、本発明の一実
施の形態のアレイアンテナの概略構成を示す斜視図であ
る。本実施の形態のアレイアンテナ50は、水平偏波用
アンテナ素子である前記実施の形態3の半波長ダイポー
ルアンテナ20と、垂直偏波用アンテナ素子である半波
長ダイポールアンテナ60とを交互に、垂直方向に配置
し、さらに、水平偏波用半波長ダイポールアンテナ20
および垂直偏波用半波長ダイポールアンテナ60の後段
に、1個ないし複数個の反射器16を配置したものであ
る。
【0058】前記した如く、この垂直偏波用半波長ダイ
ポールアンテナ60と反射器16とを組み合わせて構成
した垂直偏波用アンテナにおいては、水平方向の放射ビ
ーム幅を120°とすることは容易である。また、前記
実施の形態3の半波長ダイポールアンテナ20と反射器
16とを組み合せて構成した水平偏波用アンテナにおい
ても、水平方向の放射ビーム幅を120°とすることが
可能である。
【0059】したがって、本実施の形態のアレイアンテ
ナ50によれば、水平偏波用アンテナ素子および垂直偏
波用アンテナ素子として、共に半波長ダイポールアンテ
ナを使用して、垂直偏波および水平偏波の水平方向の放
射ビーム幅を120°とすることが可能である。これに
より、本実施の形態のアレイアンテナ50を、移動無線
用基地局の偏波ダイバーシティアンテナとして使用する
ことにより、水平偏波および垂直偏波の電波をバランス
良く受信することが可能となる。
【0060】なお、本実施の形態のアレイアンテナ50
を垂直方向に多段に配置する場合は、各半波長ダイポー
ルアンテナへ給電する励振電力の位相を、最上段の半波
長ダイポールアンテナから最下段の半波長ダイポールア
ンテナに亘って順次遅延させて、アレイアンテナ50の
最大利得方向を水平面より適宜下方に傾け(チルトさせ
る)ことにより、放射ビームが飛び過ぎて他のゾーンに
干渉を与えないようにしている。
【0061】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0062】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0063】(1)本発明によれば、水平偏波用半波長
ダイポールアンテナの水平方向の指向特性として略円形
状の指向特性を得ることが可能であり、また、反射器と
組み合わせて、水平偏波の水平方向の放射ビーム幅を1
20°とすることが可能である。
【0064】(2)本発明によれば、水平偏波および垂
直偏波用アンテナ素子として、共に半波長ダイポールア
ンテナを使用し、これと反射器とを組み合わせたアレイ
アンテナにおいて、垂直偏波および水平偏波の水平方向
の放射ビーム幅を120°とすることが可能である。こ
れにより、このアレイアンテナを移動無線用基地局の偏
波ダイバーシティアンテナとして使用することにより、
水平偏波および垂直偏波の電波をバランス良く受信する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である半波長ダイポール
アンテナの概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態1の半波長ダイポールアンテナの
電界面内指向特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態2である半波長ダイポール
アンテナの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態3である半波長ダイポール
アンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図5】本実施の形態3の半波長ダイポールアンテナに
おける周波数と反射減衰量の関係との一実測例を示すグ
ラフである。
【図6】本実施の形態1の半波長ダイポールアンテナに
おける周波数と反射減衰量の関係との一実測例を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の実施の形態4である半波長ダイポール
アンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態4の半波長ダイポールアンテナに
おける周波数と反射減衰量の関係との一実測例を示すグ
ラフである。
【図9】本実施の形態5の水平偏波用アンテナの概略構
成を示す斜視図である。
【図10】本実施の形態5の水平偏波用アンテナの電界
面内指向特性を示すグラフである。
【図11】本実施の形態6のアレイアンテナの概略構成
を示す斜視図である。
【図12】従来の移動無線用基地局アンテナを説明する
ための図である。
【符号の説明】
1a〜1c,10,20,30,60…半波長ダイポー
ルアンテナ、2a〜2c,16…反射器、3…アンテナ
鉄塔,11,12…線状導電体,14…第1の無給電素
子、15…第2の無給電素子、40…水平偏波用アンテ
ナ、50…アレイアンテナ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新宅 正佳 東京都港区虎ノ門二丁目10番1号 エヌ・ ティ・ティ移動通信網株式会社内 (72)発明者 苅込 正敞 東京都千代田区神田岩本町1番地 岩本町 ビル 日本電業工作株式会社内 (72)発明者 魯 向栄 東京都千代田区神田岩本町1番地 岩本町 ビル 日本電業工作株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半波長ダイポールアンテナの放射素子で
    ある各線状導電体を、各線状導電体の給電点と反対側の
    端部が接触することなく、互いに対向、あるいは一部重
    なって互いに対峙するようにそれぞれ湾曲するととも
    に、 前記各線状導電体の給電点と反対側の端部と、前記湾曲
    された各線状導電体により囲まれる領域の中心点との成
    す角度が45°以内であることを特徴とする半波長ダイ
    ポールアンテナ。
  2. 【請求項2】 その長さが、前記半波長ダイポールアン
    テナから放射される放射波の半波長よりも短く、かつ、
    その両端が接触することなく、互いに対向、あるいは一
    部重なって互いに対峙するようにそれぞれ湾曲された第
    1の無給電素子を、さらに備えることを特徴とする請求
    項1に記載された半波長ダイポールアンテナ。
  3. 【請求項3】 その長さが、前記半波長ダイポールアン
    テナから放射される放射波よりも高周波の放射波の半波
    長よりも短く、その両端が接触することなく、互いに対
    向、あるいは一部重なって互いに対峙するように湾曲さ
    れた第2の無給電素子を、さらに備えることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載された半波長ダイポー
    ルアンテナ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載された半
    波長ダイポールアンテナと、前記半波長ダイポールアン
    テナの後段に設置される反射器とを備えることを特徴と
    する水平偏波用アンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3に記載された水
    平偏波用の半波長ダイポールアンテナと、垂直偏波用の
    半波長ダイポールアンテナとを、交互に垂直方向に多段
    に配置するとともに、前記各半波長ダイポールアンテナ
    の後段に1個ないし複数個の反射器を設置したこと特徴
    とするアレイアンテナ。
JP22231597A 1997-08-19 1997-08-19 半波長ダイポールアンテナ、水平偏波用アンテナおよびアレイアンテナ Pending JPH1168446A (ja)

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