JP4868022B2 - モータ制御システムの異常判定装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、モータの可動部材の移動位置に応じた位置信号を出力する位置信号出力手段と前記可動部材の移動方向に応じた方向信号を出力する方向信号出力手段とを備えて前記モータの作動制御を実行するモータ制御システムに適用されて、前記位置信号と前記方向信号との関係が前記モータ制御システムに異常の発生していないときの関係と異なることを条件に異常有りと判定する異常判定装置において、前記位置信号出力手段は前記位置信号として、前記可動部材の移動位置の変化に伴って周期的に変化するパルス信号を出力し、前記方向信号出力手段は前記方向信号として、前記可動部材の移動位置の順方向への移動時および逆方向への移動時の一方においては前記位置信号と同一位相の周期的なパルス信号を出力し、前記順方向への移動時および前記逆方向への移動時の他方においては前記位置信号と逆位相の周期的なパルス信号を出力し、前記位置信号と前記方向信号との関係に基づいて前記可動部材の回転方向を検出し、前記位置信号が変化するタイミングのときに前記方向信号が変化しないとき、前記位置信号と前記方向信号との関係が前記モータ制御システムに異常の発生していないときの関係と異なる旨判定することをその要旨とする。
上記構成によれば、モータ可動部材の移動位置が一方向に変化し続けているにもかかわらず方向信号が変化しない状況になっていると判断することができ、その判断をもって位置信号と方向信号とに基づき把握される可動部材の移動方向と制御目標とが一致していないと判断することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、前記モータの可動部材としての出力軸の回転位相に応じた信号を出力する複数のセンサが設けられていること、前記複数のセンサの出力に応じて前記位置信号出力手段から前記位置信号が出力されること、ならびに、前記複数のセンサの出力に応じて前記方向信号出力手段から前記方向信号が出力されることをその要旨とする。
図1に、本実施の形態にかかる異常判定装置が適用されるモータ制御システムの概略構成を示す。
図2[a]に示すように、位置信号としては、モータ回転位相の変化に伴って周期的に変化するパルス信号が出力される。詳しくは、モータ回転位相が所定位相だけ変化する毎にパルス状の信号が出力される。また図2[b]に示すように、方向信号としては、モータ18の出力軸19が順方向(カムシャフト13の回転方向と同一の方向)に回転するときには上記位置信号と同一位相で変化する周期的なパルス信号が出力される。一方、図2[c]に示すように、モータ18の出力軸19が逆方向に回転するときには、方向信号として、上記位置信号と逆位相の周期的なパルス信号が出力される。なお、上記位置信号に基づいてモータ回転速度を推定することができる。また、位置信号と方向信号とが同一位相であるときにはモータ回転方向が順方向であると判断する一方、位置信号と方向信号と逆位相であるときにはモータ回転方向が逆方向であると判断するといったように、位置信号と方向信号との関係に基づいてモータ回転方向を推定することができる。
なお図3は上記異常判定処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット22により実行される。
[条件イ]各種電装品に電力を供給するバッテリ(図示略)の電圧が所定電圧(例えば定格電圧が12.0ボルトのバッテリが設けられた装置において11.0ボルト)以上であること。
[条件ロ]モータ駆動回路23の出力信号(位置信号)に基づき推定されるモータ回転速度の絶対値が所定速度(例えば100回転/分)以上であること。
[条件ハ]モータ回転方向の制御目標が所定期間(例えば数百ms)にわたり変化していないこと。なお上記制御目標は、電子制御ユニット22が把握しており、例えば目標モータ回転速度Tnmとして順回転方向に対応する値および逆回転方向に対応する値のいずれの値が設定されているかによって把握される。
[条件ニ]機関回転速度NEが所定速度(例えば100回転/分)以上であること。
[条件ホ]モータ駆動回路23から入力される方向信号が所定期間にわたり変化していないこと。具体的には、モータ駆動回路23から入力される位置信号が立ち下がるタイミング(あるいは立ち上がるタイミング)において方向信号が変化しないこと。
本実施の形態では、前述したようにモータ駆動回路23から出力される位置信号および方向信号として、モータ回転方向が順方向のときには同一位相の周期的なパルス信号がそれぞれ出力される一方、モータ回転方向が逆方向のときには互いに逆位相の周期的なパルス信号がそれぞれ出力される(図2参照)。
子制御ユニット22、モータ駆動回路23、各種センサなどの各種電装品に十分な量の電力が供給されていると判断される。また[条件ロ]および[条件ハ]が満たされることにより、モータ18が一方向に回転し続けていると判断される。さらには[条件ニ]が満たされることにより、内燃機関1が運転されてモータ18も運転される状況になっていると判断される。したがって、それら[条件イ]〜[条件ニ]が満たされることにより、モータ制御システムが正常に作動しているとき(正常時)であれば、モータ駆動回路23から出力されて電子制御ユニット22に入力される位置信号および方向信号が共に途切れることなく周期的にパルス状に変化する状況であると判断することができる。
同図4に示すように、モータ制御システムの正常時においては(時刻t1以前)、モータ回転位相の変化に伴って、位置信号(同図[a])および方向信号(同図[b])が共に周期的にパルス状に変化する。そのため、このとき異常判定処理において[条件ホ]が満たされず、異常発生と判定されない。
(1)位置信号としてモータ18の出力軸19の回転位相の変化に伴って周期的に変化するパルス信号を出力し、方向信号としては、モータ18の出力軸19の順方向への回転時には上記位置信号と同一位相の周期的なパルス信号を出力し、逆方向への回転時においては位置信号と逆位相の周期的なパルス信号を出力するようにした。そのため、モータ制御システムの異常時における方向信号の変化パターンが正常時の変化パターンと明確に異なったものとなる。したがって、このとき位置信号と方向信号との関係も正常時における関係と明確に異なったものとなり、そうした関係の相違に基づいて上記異常の発生を精度良く判定することができるようになる。
・上記実施の形態では[条件イ]〜[条件ホ]の全てが満たされることをもってモータ制御システムに異常有りと判定するようにしたが、位置信号と方向信号との関係が正常時における関係と異なることを適正に判断できるのであれば、それら[条件イ]〜[条件ホ]は適宜変更することができる。
Claims (7)
- モータの可動部材の移動位置に応じた位置信号を出力する位置信号出力手段と前記可動部材の移動方向に応じた方向信号を出力する方向信号出力手段とを備えて前記モータの作動制御を実行するモータ制御システムに適用されて、前記位置信号と前記方向信号との関係が前記モータ制御システムに異常の発生していないときの関係と異なることを条件に異常有りと判定する異常判定装置において、
前記位置信号出力手段は前記位置信号として、前記可動部材の移動位置の変化に伴って周期的に変化するパルス信号を出力し、
前記方向信号出力手段は前記方向信号として、前記可動部材の移動位置の順方向への移動時および逆方向への移動時の一方においては前記位置信号と同一位相の周期的なパルス信号を出力し、前記順方向への移動時および前記逆方向への移動時の他方においては前記位置信号と逆位相の周期的なパルス信号を出力し、
前記位置信号と前記方向信号との関係に基づいて前記可動部材の回転方向を検出し、
前記位置信号が変化するタイミングのときに前記方向信号が変化しないとき、前記位置信号と前記方向信号との関係が前記モータ制御システムに異常の発生していないときの関係と異なる旨判定する
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項1に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
前記移動方向についての制御目標を設定する設定手段を有し、
前記位置信号および前記方向信号に基づき把握される前記可動部材の移動方向と前記制御目標とが一致しないことをもって、前記位置信号と前記方向信号との関係が前記異常の発生してないときの関係と異なると判断する
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項2に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
前記可動部材の移動位置の変化中において所定期間にわたり前記制御目標と前記方向信号とが共に変化しないことをもって、前記把握される前記可動部材の移動方向と前記制御目標とが一致しないと判断する
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
前記可動部材の移動速度が所定速度以上であることを条件に、前記異常有りとの判定を行う
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
前記モータは電動機であり、前記可動部材は前記モータの出力軸であり、前記移動位置は前記出力軸の回転位相である
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項5に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
当該モータ制御システムは、前記出力軸の回転速度のフィードバック制御を通じて同出力軸の回転速度を内燃機関のカムシャフトの回転速度に対して変化させることにより、前記内燃機関のクランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転位相を変化させて機関バルブのバルブタイミングを可変とするバルブタイミング変更機構に適用される
ことを特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御システムの異常判定装置において、
前記モータの可動部材としての出力軸の回転位相に応じた信号を出力する複数のセンサが設けられていること、
前記複数のセンサの出力に応じて前記位置信号出力手段から前記位置信号が出力されること、
ならびに、前記複数のセンサの出力に応じて前記方向信号出力手段から前記方向信号が出力されること
を特徴とするモータ制御システムの異常判定装置。
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