JP4867513B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制御弁によりHC吸着部への排気ガスを供給可能に構成された内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置に関する。
従来より、排気ガス中のHC(炭化水素)を吸着するHC吸着部(HC吸着筒)が設けられた通路と、HC吸着部をバイパスする通路のいずれかに排気ガスが流れるように、切換弁を用いて制御を行う装置が知られている。例えば、特許文献1には、HC吸着部を備える内燃機関において、HC離脱のための排気ガス導通を機関暖機状態の始動前に行う装置が記載されている。また、特許文献2には、ハイブリッドやアイドリングストップを行う内燃機関において、HC吸着部及び触媒の温度に応じて、車両からのHC排出量が最小になるように機関の始動や停止を制御する技術が記載されている。
特開2002−47926号公報 特開2002−285881号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び2に記載された技術では、冷間始動時に、HC吸着部へ排気ガスを供給する制御を行う切換弁の動作に遅れが生じ、HC吸着部に対して即座に排気ガスを供給することができず、HCを適切に吸着させることができない場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、冷間始動時などにおいて、HC吸着部にHCを確実に吸着させ、エミッションを向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の1つの観点では、HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置は、前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始されてから所定時間、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え、前記噴射禁止手段は、前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値以下、及び負荷率の変化割合が所定値以下、のうちの少なくともいずれかの条件が成立した際に、前記噴射の禁止を解除する。
上記の内燃機関の制御装置は、制御弁(以下、「切換弁」とも呼ぶ。)によりHC吸着部への排気ガスを供給可能に構成された内燃機関に対して制御を行う。弁制御手段は、制御弁を開閉させるための制御を行う。また、噴射禁止手段は、冷間始動時に、内燃機関のクランキングが開始されてから所定時間、燃料の噴射を禁止する。即ち、冷間始動時に、遅延制御を行う。これにより、初期の燃料室から排出されるHCを確実にHC吸着部に吸着させることができ、エミッションを向上させることが可能となる。また、燃焼室内の残留ガスを掃気してから噴射を開始することができるので、気筒間のばらつきを抑制し、始動ショック(機関振動)を低減させることが可能となる。
具体的には、噴射禁止手段は、内燃機関の運転状態において定常条件が成立した際に、内燃機関の始動を開始することができる。これにより、機関停止中のインジェクタ油密漏ればらつきやポートウェットばらつき等に起因する、始動時の残留ガス及び残留燃料ばらつきを抑制することができる。即ち、初爆時の各気筒内に流入する燃料量及び空気量の気筒間差を揃えることができ、燃焼のばらつきを抑制することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様では、前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合、前記負圧が所定値以上となった際に、前記噴射の禁止を解除する。これにより、始動後に発生するHCをHC吸着部に確実に吸着させることができ、エミッションを効果的に向上させることが可能となる。
本発明の他の観点では、HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置は、前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始されてから所定時間、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え、前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合、取得された大気圧に基づいて前記噴射を禁止する時間を設定する。
上記の内燃機関の制御装置では、噴射禁止手段は、大気圧に基づいて噴射を禁止する時間を設定する。こうするのは、機関において発生する負圧が大気圧の影響を受けるため、大気圧に応じて切換弁が完全に閉になるまでに要する時間が変化するからである。上記の内燃機関の制御装置によれば、大気圧に応じて始動時遅延制御を行う最適な時間を設定することができるため、内燃機関における無駄な空回し時間を適切に低減することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置において好適には、前記大気圧は、エバポパージシステムの故障診断用に設置されたセンサの検出値に対応する。即ち、エバポパージシステムの故障診断用に設置されたセンサから大気圧を取得することができる。これにより、大気圧を取得するために圧力センサを別途設ける必要がないため、コストの上昇を抑制できると共に、装置構成を簡便にすることができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様では、前記噴射禁止手段は、バルブタイミングから負圧生成を予測演算し、前記噴射を禁止する時間を設定する。
この態様では、噴射禁止手段は、バルブタイミングに基づいて噴射を禁止する時間を設定する。こうするのは、実圧縮(ポンピング効率)に応じて負圧生成スピードが変化するため、バルブタイミングに応じて切換弁が完全に閉になるまでに要する時間が変化するからである。上記の内燃機関の制御装置によれば、始動時遅延制御を行う最適な時間を設定することができるため、無駄な空回し時間を適切に低減することができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様では、前記噴射禁止手段が噴射を禁止している際に、スロットルバルブを閉じ側に制御するスロットル制御手段を更に備える。これにより、燃焼の霧化を促進させることができる。よって、重質から軽質燃料での要求噴射量の差を小さくでき、重質燃料時の始動性を確保しつつ、エミッションを低減することが可能となる。
好適には、前記スロットル制御手段は、前記内燃機関の温度に基づいて前記スロットルバルブを閉じる量を設定する。具体的には、内燃機関の温度が低い場合には、スロットルバルブを絞り込む量を少なくする。これにより、極低温域における始動性を確保することができる。
更に好適には、前記スロットル制御手段によって前記スロットルバルブが閉じ側に制御された場合において、前記噴射禁止手段による噴射の禁止が解除された際に、前記スロットルバルブの開度に応じた燃料噴射量によって噴射を行う手段を備える。この態様では、スロットルバルブを締め込むことによって吸入空気量を減らした分だけ、燃料噴射量を減らす。これにより、始動時に排出されるHCを低減することが可能となる。
上記の内燃機関の制御装置において好適には、前記噴射禁止手段は、前記噴射を禁止している際に、燃料の点火も禁止する。これにより、確実に内燃機関における燃料の燃焼を禁止することができる。
本発明の他の観点では、HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置は、前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始された後に、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え、前記噴射禁止手段は、前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値以下、及び負荷率の変化割合が所定値以下、のうちの少なくともいずれかの条件が成立した際に、前記噴射の禁止を解除する。
また、上記の内燃機関の制御装置において、前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合において、前記内燃機関の回転数の変化割合が前記所定値以下、前記負荷率の変化割合が前記所定値以下、及び前記負圧が所定値以上、の全ての条件が満たされた際に、前記噴射の禁止を解除する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両100の全体構成を示す概略図である。なお、図1では、実線の矢印がガスの流れの一例を示し、破線の矢印が信号の入出力を示している。
車両100は、主に、スロットルバルブ2と、吸気通路3と、サージタンク4と、エンジン(内燃機関)5と、排気通路6と、第1触媒7と、HC吸着装置8と、第2触媒9と、切換弁10と、負圧供給通路15と、チェックバルブ16と、三方VSV(Vacuum Switching Valve)19と、ダイヤフラム機構20と、モータジェネレータ21と、ECU(Electronic Control Unit)50と、を備える。
吸気通路3には外部から導入された吸気が通過し、スロットルバルブ2は吸気通路3を通過する吸気の流量を調整する。そして、吸気は、サージタンク4に導入された後に、エンジン5に供給される。エンジン5は、複数の気筒を有して構成され、供給された吸気と燃料とを混合した混合気を、燃焼内で爆発させることによって動力を発生する。エンジン5は、ECU50から供給される制御信号によって、燃料噴射量の制御や点火時期の制御などが行われる。なお、エンジン5は、例えばガソリンエンジやディーゼルエンジンなどによって構成される。
排気通路6は、エンジン5から排出された排気ガスが流通する。排気通路6中には、上流側から下流側へ順に、第1触媒7と、HC吸着装置8と、第2触媒9が設けられている。第1触媒7及び第2触媒9は、三元触媒などによって構成され、排気ガス中のNOxやSOxを浄化する。
HC吸着装置8は、筒状に構成され、第1の通路61と第2の通路62とが形成されている。また、HC吸着装置8の内部には、切換弁10が配置されている。第1の通路61には、排気ガス中に含まれる未燃焼成分としてのHC(炭化水素)を吸着する機能を有するHC吸着部11(図1中のハッチング部分)が配設されている。切換弁10は、第1の通路61、及びHC吸着部11をバイパスする第2の通路62のいずれかに排気ガスが流れるように、排気ガスの流路を選択的に切り換える弁である。詳しくは、切換弁10が閉である場合には第1の通路61にのみ排気ガスが流れ、切換弁10が開である場合には第1の通路61及び第2の通路62に排気ガスが流れる。切換弁10は、後述するダイヤフラム機構20によって開閉が制御される。
ここで、切換弁10の開閉についての基本的な考え方について説明する。冷始動時などにおいては第1触媒7と第2触媒9が共に排気ガス中のHCを効果的に浄化することができないため、HC吸着部11によってHCを吸着させるために、第1の通路61に排気ガスが流れるように切換弁10を閉に設定する。また、HC吸着部11は、排気ガスの温度が高くなると、吸着するHCを外部へ放出し始める特性を有しているため、吸着されたHCがパージされるような温度に排気ガスの温度が達した場合(この場合には、第2触媒9は概ね活性している)に、第2の通路62に排気ガスが流れるように切換弁10を閉から開に切り換える。
次に、上記した切換弁10の開閉を制御する機構について説明する。切換弁10は、ダイヤフラム機構20によって開閉が制御される。詳しくは、ダイヤフラム機構20は、負圧供給通路15を介して供給されるガスの圧力によって動作が制御される。
負圧供給通路15は、サージタンク4とダイヤフラム機構20とを導通させる通路である。負圧供給通路15には、サージタンク4側からダイヤフラム機構20側へ向かう方向に順に、チェックバルブ16、及び三方VSV19が設けられている。チェックバルブ16は、負圧供給通路15側からサージタンク4側へ向かうガスの流れのみを許容する一方向弁である。三方VSV19は、いわゆる三方弁によって構成され、チェックバルブ16側に接続された開口部と、ダイヤフラム機構20側に接続された開口部と、大気開放された開口部と、を有する。三方VSV19は、ECU50から供給される制御信号によって制御される。
ダイヤフラム機構20は、供給されるガスの圧力に応じて切換弁10の開閉を制御する。詳しくは、ダイヤフラム機構20は、内部が大気圧に維持されており、供給されるガスの圧力と、内部における大気圧との差に応じて動作する。具体的には、ダイヤフラム機構20は、大気圧が導入された場合には切換弁10が開となるように動作し、大気圧よりも低圧である負圧が導入された場合には切換弁10が閉となるように動作する。
モータジェネレータ21は、主としてエンジン5の出力をアシストする電動機として機能するように構成されている。モータジェネレータ21は、図示しないプラネタリギヤなどを介してエンジン5と接続されている。
ECU50は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU50は、三方VSV19の制御を行うことによって、ダイヤフラム機構20に対して供給するガスの圧力を制御して、切換弁10の開閉を制御する。本実施形態では、ECU50は、冷間始動時において、エンジン5が起動(回転)してから所定時間、燃料の噴射を禁止する制御を行う。このように、ECU50は、本発明における内燃機関の制御装置として機能する。具体的には、ECU50は、弁制御手段及び噴射禁止手段として動作する。
なお、上記では、HC吸着部11への排気ガスの供給を制御する切換弁を、負圧を利用して開閉が行われる弁によって構成する例を示したが、この代わりに、電動で駆動される弁によって構成しても良い。
[噴射禁止制御]
次に、本実施形態に係る噴射禁止制御について説明する。本実施形態では、冷間始動時において、内燃機関が起動してから所定時間、燃料の噴射を禁止する制御を行う。即ち、冷間始動時に、遅延始動させる制御(以下、「遅延始動制御」とも呼ぶ。)を行う。こうするのは、初期の燃料室から排出されるHCを確実にHC吸着部11に吸着させることによって、エミッションを向上させるためである。更には、始動時に燃焼室内の残留ガスを掃気することによって、気筒間のばらつきを抑制し、始動ショック(機関振動)を低減させるためである。なお、噴射を禁止する所定時間は、所定の条件が成立するまでに要する時間や、運転状態や外部状態などに応じて設定される時間などに対応する。
以下で、本実施形態に係る噴射禁止制御について、具体的に説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る噴射禁止制御について説明する。第1実施形態では、冷間始動時において、所定の定常条件が成立するまで燃料の噴射を禁止する制御を行う。具体的には、エンジンの回転数の変化割合及び負荷率の変化割合を用いて定常条件が成立しているか否か判定する。上記した噴射禁止制御を実行する理由は、エンジン停止中のインジェクタ油密漏ればらつきやポートウェットばらつき等に起因して発生し得る、始動時の残留ガス及び残留燃料ばらつきを抑制するためである。なお、第1実施形態に係る制御は、HC吸着部11への排気ガスの供給を制御する切換弁を、負圧を利用して開閉が行われる弁、及び電動で駆動される弁の両方に対して適用することができる。
図2は、第1実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU50は、イグニッションスイッチ(以下、単に「IG」と呼ぶ。)がオンであるか否かを判定する。IGがオンである場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、IGがオフである場合(ステップS101;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS102では、ECU50は、切換弁10を閉弁させる指示(以下、「切換弁閉弁指示」とも呼ぶ。)が出ているか否かを判定する。即ち、HC吸着部11に排気ガスを供給して、HCを吸着すべき状況であるか否かを判定する。具体的には、ECU50は、エンジン5を冷却するための冷却水の温度(以下、単に「水温」と呼ぶ。)が所定温度以下であるか否かを判定することによって、ステップS102の判定を行う。即ち、水温が所定温度以下である場合には切換弁閉弁指示を出すべき状態であり、水温が所定温度より高い場合には切換弁閉弁指示を出すべき状態ではないと言える。
切換弁閉弁指示が出ている場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進む。この場合、水温が所定温度以下であるため、冷間始動時に該当する。一方、切換弁閉弁指示が出ていない場合(ステップS102;No)、処理は当該フローを抜ける。この場合には、冷間始動時ではないため、噴射を禁止するための制御を実行しない。
ステップS103では、ECU50は、エンジン5を起動すると共に、三方VSV19をオンにする。この場合、ECU50は、エンジン5に対する燃料の噴射及び点火を開始せずに、モータジェネレータ21によってエンジン5を回転させる。即ち、モータジェネレータ21によってクランキングを実行する、言い換えるとエンジン5を「空回し」する。また、ECU50は、HC吸着部11に排気ガスを供給するために、切換弁10を閉にするための制御を行う。具体的には、ECU50は、三方VSV19を制御してダイヤフラム機構20を動作させることによって、切換弁10に対する制御を行う。詳しくは、ECU50は、ダイヤフラム機構20に負圧が導入されるように三方VSV19に対して制御信号を供給する。以上の処理が終了すると、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ECU50は、定常条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、ECU50は、燃料の噴射及び点火を開始することによってエンジン5を始動させても良い状態にあるか否かを判定している。具体的には、ECU50は、エンジン回転数の変化割合が所定値(例えば30rpm/sec)以下であり、且つ負荷率の変化割合が所定値(例えば3%/sec)以下であるか否かを判定することによって、定常条件が成立しているか否かを判定する。
定常条件が成立していない場合(ステップS104;No)、処理はステップS105に進む。ステップS105では、ECU50は、噴射及び点火を禁止する。即ち、遅延始動制御を行う。こうするのは、定常条件が成立するまで遅延始動制御を実行することにより、初爆時の各気筒内に流入する燃料量及び空気量の気筒間差を揃えて、燃焼のばらつきを抑制するため(即ち各気筒の発生トルクを揃えるため)である。また、排出されるHCを確実にHC吸着部11に吸着させるためである。以上の処理が終了すると、処理はステップS104に戻る。即ち、定常条件が成立するまで、噴射・点火の禁止を継続する。
一方、定常条件が成立している場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS106に進む。この場合には、ECU50は、噴射及び点火を実行することによって、エンジン5を始動させる。即ち、ECU50は、噴射及び点火の禁止を解除する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
以上の第1実施形態に係る制御によれば、エンジン停止中のインジェクタ油密漏ればらつきやポートウェットばらつき等に起因する、始動時の残留ガス及び残留燃料ばらつきを抑制することができる。即ち、初爆時の各気筒内に流入する燃料量及び空気量の気筒間差を揃えることができ、燃焼のばらつきを抑制することが可能となる。これにより、始動ショックを低減できることができ、ドライバビリティーを向上させることが可能となる。また、第1実施形態によれば、初期の燃料室から排出されるHCを確実にHC吸着部11に吸着させることによって、エミッションを向上させることができる。なお、第1実施形態ではHC吸着部11に排気ガスを供給しているため、遅延始動時に掃気される残留HCガスによるテールパイプ悪化が抑制されると言える。
なお、上記では、エンジン回転数の変化割合が所定値以下であり、且つ負荷率の変化割合が所定値以下である際に定常条件が成立していると判定する例を示したが、他の例では、この2つの条件のいずれかが満たされている場合に、定常条件が成立していると判定することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る噴射禁止制御について説明する。第2実施形態では、第1実施形態で用いた定常条件が成立し、且つ切換弁10が完全に閉となるまで、燃料の噴射を禁止する制御を行う。即ち、第2実施形態では、上記した定常条件が満たされ、且つ、切換弁10が完全に閉弁したと判定されるまで(この判定で用いる条件を、以下「弁閉完了条件」と呼ぶ。)、噴射を禁止する。こうするのは、切換弁10が完全に閉となるまで始動を遅延させることにより、発生するHCを確実にHC吸着部11に吸着させるためである。
図3は、第2実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。なお、図3に示す処理は、ステップS204の処理のみが、前述した図2に示す処理と異なるため(即ち、ステップS104の代わりにステップS204の処理を行う)、ここではステップS204の処理のみ説明する。
ステップS204では、ECU50は、定常条件が成立し、且つ弁閉完了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、ECU50は、エンジン回転数の変化割合が所定値(例えば30rpm/sec)以下であり、且つ負荷率の変化割合が所定値(例えば3%sec)以下であるか否かを判定することによって、定常条件が成立しているか否かを判定する。更に、ECU50は、負圧供給通路15における負圧などに基づいて、弁閉完了条件が成立しているか否かを判定する。この場合、ECU50は、負圧供給通路15に設けられた圧力センサ(不図示)が検出した圧力に基づいて判定を行う。例えば、検出された圧力が所定圧力以下である場合に(この場合、負圧は所定値以上となっている)、弁閉完了条件が成立したと判定する。
定常条件、及び弁閉完了条件の少なくともいずれかが成立していない場合(ステップS204;No)、ECU50は、噴射及び点火を禁止する(ステップS205)。この場合、運転状態が定常条件を満たし、切換弁10が完全に閉となるまで、遅延始動制御を行う。一方、定常条件、及び弁閉完了条件の両方が成立した場合(ステップS204;Yes)、ECU50は、噴射及び点火を実行することによって、エンジン5を始動させる(ステップS206)。
以上の第2施形態に係る制御によれば、始動ショックを低減することが可能となると共に、始動後に発生するHCをHC吸着部11に効果的に吸着させることができ、エミッションを確実に向上させることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る噴射禁止制御について説明する。第3実施形態では、大気圧とバルブタイミングに応じて噴射の禁止を継続する時間を算出し、算出された時間が経過するまで噴射を禁止する制御を実行する点で、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。第3実施形態においては、噴射の禁止を継続する時間として、切換弁10が完全に閉になるまでに要する時間(以下、この時間を「要求閉弁時間」と呼ぶ)を用いる。上記したように大気圧とバルブタイミングに基づいて要求閉弁時間を設定するのは、機関において発生する負圧が、大気圧や、気筒に設けられた吸気弁及び排気弁のバルブタイミングなどの影響を受けるからである。即ち、大気圧とバルブタイミングに応じて、切換弁10が完全に閉になるまでに要する時間が変化するからである。
より詳しくは、要求閉弁時間は、取得された大気圧に基づいて始動を遅延させる時間(以下、単に「遅延時間」とも呼ぶ。)を求めると共に、バルブタイミングに基づいてこの遅延時間を補正する係数(以下、単に「遅延時間補正係数」と呼ぶ。)を求め、これらの遅延時間及び遅延時間補正係数を用いることによって算出される。このような要求閉弁時間を用いて遅延始動制御を行うことによって、エンジン5の無駄な空回し時間を低減することができる。よって、遅延始動制御におけるクランキングに起因する、インジェクタ油密や残留ガスの排出を効果的に抑制することが可能となる。
ここで、上記した遅延時間を求める際に用いる大気圧を取得する方法について説明する。一例としては、エバポパージシステムの故障診断装置(以下、単に「エバポOBDシステム」と呼ぶ。)に設置された圧力センサの検出値を、大気圧として用いることができる。
図4は、エバポOBDシステム150の概略構成を示す図である。図示のように、エバポOBDシステム150は、主に、燃料タンク70と、給油口71と、キャニスタ72と、パージ通路73と、大気導入通路74と、負圧ポンプモジュール75と、圧力センサ77と、を有する。エバポOBDシステム150は、キャニスタ72に吸着された蒸発燃料をエンジン5に対してパージする装置に対して、蒸発燃料の漏れ(リーク)を検出するシステムである。具体的には、圧力センサ77が検出した圧力などに基づいて、蒸発燃料の漏れの検出が行われる。
前述した車両100がこのようなエバポOBDシステム150を有する場合には、エバポOBDシステム150が具備する圧力センサ77を利用し、圧力センサ77が検出した圧力を大気圧として用いて要求閉弁時間を算出することができる。この場合、大気圧を取得するために圧力センサを別途設ける必要がないため、コストの上昇を抑制できると共に、装置構成を簡便にすることができる。なお、圧力センサ77が検出した圧力を大気圧として用いることに限定はされず、他の例では、これを用いる代わりに、大気圧学習値に基づいて算出された大気圧を用いることができる。
次に、上記した大気圧を用いて遅延時間を求める方法について、図5を用いて説明する。図5は、遅延時間を求めるために用いられるマップの一例を示しており、横軸に大気圧を示し、縦軸に遅延時間を示している。横軸に示す大気圧は、前述した方法によって取得された圧力である。図示のように、大気圧が高いほど、遅延時間として短い時間が求められる。これは、大気圧が高いほど負圧が発生しやすいため、切換弁10が閉になりやすいからである。
次に、バルブタイミングを用いて遅延時間補正係数を求める方法の基本概念について説明する。バルブタイミングを用いて要求閉弁時間を設定するのは、実圧縮(ポンピング効率)に応じて負圧生成スピードが変化するからである。具体的には、実圧縮が向上すると負圧生成スピードが上昇する。したがって、第3実施形態では、遅延始動制御における無駄な空回し時間を低減するために、バルブタイミングを考慮に入れて要求閉弁時間を設定する。
ここで、バルブタイミングを用いて遅延時間補正係数を求める方法を具体的に説明する。図6は、遅延時間補正係数を求める際に用いられるマップの一例を示している。図6(a)は、吸気弁閉弁時期に基づいて遅延時間補正係数を求める際に用いられるマップを示している。図6(a)は、横軸にクランク角に対応付けた吸気弁閉弁時期を示しており、縦軸に遅延時間補正係数を示している。これより、吸気弁閉弁時期が進角側に進むほど遅延時間補正係数として小さな値が求められる傾向にあり、吸気弁閉弁時期が下死点付近にあるときに最も小さな遅延時間補正係数が求められることがわかる。こうなるのは、吸気弁閉弁時期が進角側に進むほど、吸入空気量が上昇し、負圧が上昇する傾向にあるからである。
図6(b)は、バルブオーバーラップ量に基づいて遅延時間補正係数を求める際に用いられるマップを示している。図6(b)は、横軸にバルブオーバーラップ量を示しており、縦軸に遅延時間補正係数を示している。これより、バルブオーバーラップ量が増加するほど、大きな値を有する遅延時間補正係数が求められることがわかる。こうなるのは、吸気弁閉弁時期が進角側に進むに伴ってバルブオーバーラップ量が増加するほど、吸入空気量が減少し、負圧が減少する傾向にあるからである。
第3実施形態では、図6(a)に示すマップ及び図6(b)に示すマップの両方に基づいて、遅延時間補正係数を求める。そして、大気圧に基づいて求められた遅延時間と、バルブタイミングに基づいて求められた遅延時間補正係数とに基づいて、要求閉弁時間を算出する。具体的には、以下の式(1)に示すように、要求閉弁時間は、遅延時間に対して遅延時間補正係数を乗算することによって算出される。
要求閉弁時間=遅延時間×遅延時間補正係数 式(1)
図7は、第3実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS301では、ECU50は、IGがオンであるか否かを判定する。IGがオンである場合(ステップS301;Yes)、処理はステップS302に進み、IGがオフである場合(ステップS301;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS302では、ECU50は、現在の大気圧を取得する。例えば、ECU50は、車両100がエバポOBDシステム150を有する場合には(図4参照)、エバポOBDシステム150が具備する圧力センサ77を利用し、圧力センサ77が検出した圧力を大気圧として用いる。他の例では、ECU50は、大気圧学習値に基づいて算出された大気圧を用いる。以上の処理が終了すると、処理はステップS303に進む。
ステップS303では、ECU50は、切換弁閉弁指示が出ているか否かを判定する。具体的には、ECU50は、エンジン5の冷却水の水温が所定温度以下であるか否かを判定することによって、ステップS303の判定を行う。切換弁閉弁指示が出ている場合(ステップS303;Yes)、処理はステップS304に進み、切換弁閉弁指示が出ていない場合(ステップS303;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS304では、ECU50は、エンジン5を起動して、三方VSV19をオンにすると共に、切換弁10を閉弁させるための制御の実行時間(この時間は、噴射を禁止している時間に対応する)をカウントするために用いるカウンタ(以下、「閉弁カウンタ」と呼ぶ。)のカウントを開始する。そして、処理はステップS305に進む。なお、閉弁カウンタは時間の経過に伴ってカウントされる。
ステップS305では、ECU50は、ステップS302で取得された大気圧と、バルブタイミングとに基づいて、要求閉弁時間を算出する。具体的には、ECU50は、大気圧から遅延時間を求めると共に、バルブタイミングから遅延時間補正係数を求め、遅延時間及び遅延時間補正係数を式(1)に代入することによって要求閉弁時間を算出する。例えば、ECU50は、図5に示すマップを参照することによって大気圧から遅延時間を求められ、図6に示すマップを参照することによって吸気弁閉弁時期及びバルブオーバーラップ量から遅延時間補正係数を求め、これらから要求閉弁時間を算出する。以上の処理が終了すると、処理はステップS306に進む。
ステップS306では、ECU50は、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えたか否かを判定する。ここでは、要求閉弁時間を用いた判定により、切換弁10が完全に閉となっているか否かを判定している。閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えていない場合(ステップS306;No)、処理はステップS307に進む。ステップS307では、切換弁10が完全に閉となっていると判定されていないので、ECU50は、噴射及び点火を禁止する。そして、処理はステップS305に戻り、要求閉弁時間を再度算出する。こうするのは、バルブタイミングなどの変化に伴って、要求閉弁時間も変化するからである。次に、処理はステップS306に進み、判定を再度行う。このように、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えるまで、噴射・点火の禁止を継続する。
一方、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えている場合(ステップS306;Yes)、処理はステップS308に進む。この場合には、切換弁10が完全に閉となっていると判定されているので、ECU50は、噴射及び点火を実行することによってエンジン5を始動させる。即ち、ECU50は、噴射及び点火の禁止を解除する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
以上の第3実施形態に係る制御によれば、大気圧とバルブタイミングに応じて始動時遅延制御を行う最適な時間(要求閉弁時間)を設定するため、エンジン5における無駄な空回し時間を適切に低減することができ、エミッションを向上させることができる。具体的には、遅延始動時に排出され得る、インジェクタ油密や残留ガスを効果的に抑制することが可能となる。
なお、上記では、要求閉弁時間のみを用いた判定により噴射を禁止する制御を実行する例を示したが、他の例では、要求閉弁時間を用いると共に、前述した第1実施形態及び第2実施形態で示した定常条件及び/又は弁閉完了条件を用いて噴射を禁止する制御を実行しても良い。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る噴射禁止制御について説明する。第4実施形態では、燃料の噴射を禁止している際に、スロットルバルブ2を通常時よりも閉じ側に制御する点で、第1実施形態乃至第3実施形態と異なる。言い換えると、第4実施形態では、始動時における遅延制御において、スロットルバルブ2を締め込む制御(以下、「スロットル締め込み制御」と呼ぶ。)を実行する。こうするのは、燃焼の霧化を促進させることによって、重質から軽質燃料での要求噴射量の差を小さくし、重質燃料時の始動性の確保とエミッションの低減とを図るためである。
具体的には、第4実施形態では、始動時における水温(エンジン水温)に基づいて、スロットルバルブ2を締め込む量(以下、「スロットル締め込み量」と呼ぶ。)を設定する。こうするのは、極低温域においてスロットルバルブ2の締め込みを抑制することによって、始動性を確保するためである。
ここで、図8を用いて、スロットル締め込み量について具体的に説明する。図8は、スロットル締め込み量を決定する際に用いるマップの一例を示しており、横軸に始動時における水温を示し、縦軸にスロットル締め込み量を示している。このマップによれば、水温が高いほどスロットル締め込み量として大きな量が決定され、水温が低いほどスロットル締め込み量として小さな量が決定される。
更に、第4実施形態では、スロットル締め込み量に応じて、始動時に噴射する燃料噴射量を設定する。具体的には、スロットルバルブ2を締め込むことによって吸入空気量を減らした分だけ、燃料噴射量を減らす。これにより、排出されるHCを低減することが可能となる。
一例としては、エンジン負荷などに応じて決定される燃料噴射量をスロットル締め込み量に応じて補正することによって、実際に噴射すべき燃料噴射量を求める。ここで、燃料噴射量を補正する方法について、図9を用いて具体的に説明する。図9は、噴射量補正係数(燃料噴射量を補正する際に用いられる係数)を決定するために用いられるマップの一例を示している。横軸にスロットル締め込み量を示し、縦軸に噴射量補正係数を示している。このマップによれば、スロットル締め込み量が大きいほど大きな値を有する噴射量補正係数が決定され、スロットル締め込み量が小さいほど小さな値を有する噴射量補正係数が決定される。実際に噴射すべき燃料噴射量は、このように決定された噴射量補正係数を、エンジン負荷などに応じて決定される燃料噴射量に乗算等することによって求められる。
図10は、第4実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU50によって所定の周期で繰り返し実行される。なお、図10に示す処理は、ステップS401〜S405の処理が、前述した図7に示すステップS301〜S305の処理と同一であるため、その説明を省略する。ここでは、ステップS406以降の処理を説明する。
ステップS406では、ECU50は、始動時における水温に応じたスロットル締め込み制御を実行する。具体的には、ECU50は、図8に示すマップを用いて水温に応じたスロットル締め込み量を決定し、決定されたスロットル締め込み量に対応する開度にスロットルバルブ2が設定されるようにスロットルバルブ2に対して制御を行う。これにより、極低温域における始動性を確保することができる。そして、処理はステップS407に進む。
ステップS407の処理は、前述した図7に示すステップS306の処理と同一である。即ち、ステップS407では、ECU50は、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えたか否かを判定する。閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えていない場合(ステップS407;No)、処理はステップS408に進む。ステップS408では、ECU50は、噴射及び点火を禁止する。そして、処理はステップS405に戻り、要求閉弁時間を再度算出する。次に、処理はステップS406に進み、ECU50は、スロットル締め込み制御を再度実行する。こうするのは、水温の変化などに伴って、設定すべきスロットル締め込み量も変化するからである。そして、処理はステップS407に進み、判定を再度行う。このように、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えるまで、噴射・点火の禁止を継続する。
一方、閉弁カウンタが要求閉弁時間を超えている場合(ステップS407;Yes)、処理はステップS409に進む。この場合には、ECU50は、スロットル締め込み量に応じた燃料噴射量でエンジン始動する(ステップS409)。即ち、噴射及び点火を実行することによって、エンジン5を始動させる。具体的には、ECU50は、図9に示すマップを用いてスロットル締め込み量に対応する噴射量補正係数を求め、この噴射量補正係数をエンジン負荷などに応じて決定される燃料噴射量に乗算などすることによって、噴射すべき燃料噴射量を算出する。このように、スロットル締め込み量に応じて(即ち吸入空気量に応じて)燃料噴射量を設定することにより、排出されるHCを低減することができる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
以上の第4実施形態に係る制御によれば、燃焼の霧化を促進させることによって、燃焼安定性を確保しつつ、エミッションを向上させることが可能となる。具体的には、始動時の要求噴射量が「重質燃料>軽質燃料」であり、重質燃料での始動性を確保しようとすると、より軽質な燃料に対しては過剰な適合値となり、始動時の空燃比が過剰にリッチになるような場合にも、第4実施形態によれば、燃焼霧化促進により燃焼安定性を向上させることができるため、重質から軽質燃料での要求噴射量の差が小さくできる。よって、重質燃料時の始動性を確保できると共に、エミッションを向上させることができる。
なお、上記では、要求閉弁時間のみを用いた判定により噴射を禁止する制御を実行する例を示したが、他の例では、要求閉弁時間を用いると共に、前述した第1実施形態及び第2実施形態で示した定常条件及び/又は弁閉完了条件を用いて噴射を禁止する制御を実行しても良い。
本実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用された車両の全体構成を示す概略図である。 第1実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。 エバポOBDシステムの概略構成を示す図である。 遅延時間を求める際に用いられるマップの一例を示す図である。 遅延時間補正係数を求める際に用いられるマップの一例を示す図である。 第3実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。 スロットル締め込み量を決定する際に用いられるマップの一例を示す図である。 噴射量補正係数を決定するために用いられるマップの一例を示す図である。 第4実施形態に係る噴射禁止制御を示すフローチャートである。
符号の説明
2 スロットルバルブ
3 吸気通路
5 エンジン
7 第1触媒
9 第2触媒
10 切換弁
11 HC吸着部
19 三方VSV
20 ダイヤフラム機構
21 モータジェネレータ
50 ECU
70 燃料タンク
72 キャニスタ
77 圧力センサ
100 車両
150 エバポOBDシステム

Claims (11)

  1. HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、
    冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始されてから所定時間、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え
    前記噴射禁止手段は、前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値以下、及び負荷率の変化割合が所定値以下、のうちの少なくともいずれかの条件が成立した際に、前記噴射の禁止を解除することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合、前記負圧が所定値以上となった際に、前記噴射の禁止を解除することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  3. HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、
    冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始されてから所定時間、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え、
    前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合、取得された大気圧に基づいて前記噴射を禁止する時間を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 前記大気圧は、エバポパージシステムの故障診断用に設置されたセンサの検出値に対応することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記噴射禁止手段は、バルブタイミングから負圧生成を予測演算し、前記噴射を禁止する時間を設定することを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記噴射禁止手段が噴射を禁止している際に、スロットルバルブを閉じ側に制御するスロットル制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記スロットル制御手段は、前記内燃機関の温度に基づいて前記スロットルバルブを閉じる量を設定することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記スロットル制御手段によって前記スロットルバルブが閉じ側に制御された場合において、前記噴射禁止手段による噴射の禁止が解除された際に、前記スロットルバルブの開度に応じた燃料噴射量によって噴射を行う手段を備えることを特徴とする請求項又はに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記噴射禁止手段は、前記噴射を禁止している際に、燃料の点火も禁止することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. HC吸着部への排気ガスの供給を制御する制御弁を有する内燃機関に対して制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記制御弁を開閉させるための制御を行う弁制御手段と、
    冷間始動時に、前記内燃機関のクランキングが開始された後に、当該内燃機関における燃料の噴射を禁止する噴射禁止手段と、を備え、
    前記噴射禁止手段は、前記内燃機関の回転数の変化割合が所定値以下、及び負荷率の変化割合が所定値以下、のうちの少なくともいずれかの条件が成立した際に、前記噴射の禁止を解除することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  11. 前記噴射禁止手段は、前記制御弁が前記内燃機関における負圧を利用して開閉が行われるように構成されている場合において、前記内燃機関の回転数の変化割合が前記所定値以下、前記負荷率の変化割合が前記所定値以下、及び前記負圧が所定値以上、の全ての条件が満たされた際に、前記噴射の禁止を解除することを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
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