JP4867406B2 - 製鋼スラグの鉄分回収方法およびリサイクル方法 - Google Patents

製鋼スラグの鉄分回収方法およびリサイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶銑の脱炭精錬にて発生するスラグと、その脱炭精錬に先立って行なう溶銑の予備処理にて発生するスラグとに含まれる鉄分を回収する方法、およびその鉄分を再利用する方法に関するものである。なお、脱炭精錬にて発生するスラグと予備処理にて発生するスラグとを総称して製鋼スラグと記す。
溶銑の予備処理は、脱炭精錬を行なう前に予め溶銑中のP等の不純物を除去することによって、脱炭精錬の効率を高めるために行なう処理である。したがって、溶銑を高炉から出銑した後、転炉まで搬送する間に予備処理を行なう必要がある。従来から溶銑の予備処理に関して様々な技術が検討され、出銑樋を流れる溶銑や混銑車に収容された溶銑にフラックスの投入および/またはO2ガスの吹き込みを行なって、予備処理を行なう技術が実用化されている。予備処理を行なうことによって除去された溶銑中の不純物は、酸化物となってスラグに取り込まれる。
また溶銑の脱炭精錬は、溶銑にO2ガスを吹き込んで、溶銑中のCとOを反応させることによってCを除去(すなわち脱炭)して、溶鋼を製造するために行なう処理である。脱炭精錬によって除去されたCは、気体(すなわちCO,CO2)となって排出される。また、予備処理を行なった後も溶銑に残留するP等の不純物は、脱炭精錬によって酸化物となり、スラグに取り込まれる。
このような溶銑の予備処理や脱炭精錬は溶銑中の不純物およびCを除去するために行なう処理であるが、投入されるフラックスや吹き込まれるO2ガスによって溶銑中のFeの一部が酸化物になるのは避けられない。このFeの酸化物はスラグに取り込まれる。
つまり製鋼スラグ(すなわち予備処理や脱炭精錬にて発生するスラグ)にはFeの酸化物が含まれている。そのFeを回収して製鉄原料に添加混合して使用すれば、溶鋼の原料コストを低減することができる。そこで、製鋼スラグを製鉄原料として再利用する技術が種々検討されている。
たとえば特許文献1には、溶融状態の製鋼スラグに改質材を添加した後、冷却して粉砕し、さらに磁力によって磁着物と非磁着物とに分別する技術が開示されている。こうして分別した磁着物(すなわち磁石に吸着する物)には鉄分が含有されているので、製鉄原料として使用する。
ところが製鋼スラグにはFeの酸化物(すなわちFeO,Fe23,Fe34)のみならずPの酸化物(すなわちP25)も含有される。そのため、製鋼スラグを製鉄原料として再利用するためには、Pを除去する必要がある。そこで特許文献1には、溶融状態の製鋼スラグをバブリングすることによってPを揮化する技術が開示されている。
しかし発明者らの研究によれば、製鋼スラグのようにFeとPが存在する環境では、FeとPの反応が優先的に進行してFePが生成されることが分かった。つまり単にバブリングを行なうだけ(特許文献1参照)では、製鋼スラグからPを除去できない。
以下にFeとPの相互作用について説明する。
一般にP25はCと反応して、P2 ガスが発生される。その反応式は下記の(1)式に示す通りである。
25+5C→P2↑+5CO↑ ・・・(1)
したがって溶融状態の製鋼スラグにCを添加してP25と反応させ、Pを気化すれば、製鋼スラグからPを除去することが可能である。しかし製鋼スラグのようなFeの酸化物とPの酸化物が存在する環境では、製鋼スラグに添加されたCはP25のみならずFeOと反応する。つまり(1)式の反応に加えて(2)式に示す反応が進行する。
FeO+C→Fe+CO↑ ・・・(2)
さらに(1)式で生じたPと(2)式で生じたFeが反応して、下記の(3)式に示すようにFePを生成する。この(3)式の反応は、Pが化合物として固定されて製鋼スラグ中に残留することを示している。
Fe+1/2P2→FeP ・・・(3)
以上に説明した通り、溶融状態の製鋼スラグのバブリングやC添加を行なうだけでは、Pを除去することは困難である。
さらに特許文献1には、傾動した容器から空間に流下する溶融状態の製鋼スラグに水流ジェットを噴射する水砕や、エアーで吹き飛ばす風砕といった製鋼スラグの冷却と凝固と粉砕を同時に行なう技術が開示されている。
一般に風砕と呼ばれる技術は、図3に示すように、容器(たとえば転炉1等)を傾動して溶融状態の製鋼スラグ2を空間に流下させながら、高速の空気5(以下、高速気流という)を吹き付けて、製鋼スラグ2を滴状の粒体にし、落下して冷却された粒状となる。ここではスラグ粒3と記す。
風砕によって製造したスラグ粒3の主成分は、Pを含有する2CaO・SiO2やPを含有しない2CaO・Fe23である。急冷されているので、結晶粒が小さく、各鉱物層を分離することは困難である。
製鋼スラグを製鉄原料として再利用すると、製鋼スラグに含有されるPが溶銑に混入する。Pは鋼材の特性を劣化させる元素であるから、製鋼スラグを製鉄原料として再利用するためにはPを低減する必要がある。ところが上記の説明の通り、製鋼スラグからPを除去する技術は未だ確立されておらず、P含有量の低い製鋼スラグを選択して使用するか、脱P能力を向上せざるを得ない状況である。そのため、製鉄原料として再利用できる製鋼スラグは、P含有量に関する制約を受ける。
特公昭61-275148号公報
本発明は上記のような問題点を解消し、製鋼スラグを製鉄原料として再利用することによる原料コストの低減と、予備処理における脱P負荷増加の抑止の観点から、製鋼スラグを改質し、鉄分が多くPの少ない部分を分離回収して、その製鋼スラグに含有される鉄分を再利用する方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶融状態の製鋼スラグに流速30〜80m/secの空気を吹き付けることにより製鋼スラグに含有される鉄分を酸化させた後、冷却し、得られた凝固状態の製鋼スラグを粉砕してスラグ塊とし、スラグ塊を磁力によって磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊とに分離して、磁着スラグ塊を回収する製鋼スラグの鉄分回収方法である。
本発明の製鋼スラグの鉄分回収方法においては、非磁着スラグ塊をさらに粉砕してスラグ粉とし、スラグ粉を磁力によって磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉とに分離して、磁着スラグ塊および/または磁着スラグ粉を回収することが好ましい。また、凝固状態の製鋼スラグを粉砕して粒径10mm以下のスラグ塊とし、スラグ塊を磁力によって磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊とに分離した後、非磁着スラグ塊をさらに粉砕して粒径50μm以下のスラグ粉とし、スラグ粉を磁力によって磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉とに分離して、磁着スラグ塊および/または磁着スラグ粉を回収することが好ましい。さらに、磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊との分離および/または磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉との分離をドラム型磁力選別機によって行なうことが好ましい。溶融状態の製鋼スラグに空気を吹き付けて、製鋼スラグに含有される鉄分を酸化させることによって、製鋼スラグのFeOの含有量を低減する、あるいはFe34および/または2CaO・Fe23の含有量を増加することが好ましい。
本発明の製鋼スラグの鉄分回収方法は、Pを含有する製鋼スラグにも支障なく適用できる。
また本発明は、上記の磁着スラグ塊および/または磁着スラグ粉を製鉄原料として再利用する製鋼スラグのリサイクル方法である。
本発明によれば、製鋼スラグの酸化鉄分を分離回収し、その回収した製鋼スラグに含まれる鉄分を製鉄原料として再利用できる。本発明を適用して回収した製鋼スラグは、鉄分が多く、Pが少ないので、リサイクルした際に溶銑P濃度の増加が少ない。また、溶銑の予備処理における脱P効率を高めてスラグのP含有量を増大させても、そのスラグを支障なく再利用できる。その結果、原料コストの低減,予備処理における脱P負荷増加の抑止を達成することが可能となる。
図1は、本発明を適用する装置の例を模式的に示す断面図である。なお既に説明した通り、本発明は溶銑の予備処理にて発生するスラグおよび脱炭精錬にて発生するスラグに適用される。したがって、高炉鋳床の出銑樋を流れる間にスキンマによって溶銑から分離されたスラグにも本発明は適用できる。ただし、ここでは図1を参照して、転炉等の精錬容器から排出されるスラグに本発明を適用する例について説明する。
また以下では、予備処理にて発生するスラグと脱炭精錬にて発生するスラグを区別せず、両者を総称して製鋼スラグと記す。
転炉1等の精錬容器に溶銑を収容して脱炭精錬を行なった後、得られた溶鋼は、転炉1を傾動させることによって取鍋(図示せず)等に排出(いわゆる出鋼)される。出鋼が終了すると、転炉1を逆方向に傾動させて、転炉1内に残留する溶融状態の製鋼スラグ2をスラグ鍋6等の搬送容器に排出する。このとき、製鋼スラグ2をスラグ鍋6に落下させながら、スラグ鍋6内の製鋼スラグ6に高速の空気流5(すなわち高速気流)を吹き付ける。
なお図示は省略するが、予備処理にて発生する製鋼スラグに本発明を適用する場合には、スキンマによって溶銑から分離された溶融状態の製鋼スラグをスラグ鍋またはピットに落下させながら、スラグ鍋6内の製鋼スラグ6に高速気流5を吹き付ける。
溶融状態の製鋼スラグ2に高速気流5を吹き付けることによって、製鋼スラグ2に含有される鉄分を酸化する。つまり、製鋼スラグ2にはFeの酸化物(すなわちFeO,Fe23,Fe34)が含有されており、高速気流5による酸化反応が生じることによって、FeOとFe34がFe23となる。このとき、製鋼スラグ2をスラグ鍋6に落下させながら、スラグ鍋6内の製鋼スラグ2に高速気流5を吹き付けるので、スラグ鍋6内の製鋼スラグ2は流動している。したがって、製鋼スラグ2の攪拌を伴って酸化反応が進行するので、製鋼スラグ2に含有される鉄分の酸化が促進され、FeOの含有量は減少する一方、Fe3O4,Fe2O3の含有量は増加する。
ただし高速気流5の吹き付け時間が過剰に長くなると、製鋼スラグ2に含有されるFeの酸化物のみならずメタルFeも酸化され、FeOが生成される。しかも、FeからFeOが生成される反応は発熱反応であるため、製鋼スラグ2の温度が上昇してスラグ鍋6の耐用性を低下させる。
高速気流5の吹き付け時間が1分未満では、FeOがFe23となる酸化反応が進行しないので、製鋼スラグ2のFeO含有量が十分に低下しない。高速気流5の吹き付け時間が5分を超えると、FeがFeOとなる酸化反応が進行するので、製鋼スラグ2のFeO含有量が増加する。したがって、高速気流5の吹き付け時間は1〜5分の範囲内が好ましい。また、排出中の落下スラグ流によって鍋内の攪拌が行なわれている間に吹き付けるのが好ましい。
高速気流5の流速が小さい場合は、FeOがFe23となる酸化反応が進行しないので、製鋼スラグ2のFeO含有量が十分に低下しない。高速気流5の流速が大きい場合は、製鋼スラグ2が周辺に飛散する。したがって、高速気流5の流速は30〜80m/secの範囲内とする
また、高速気流5を吹き付ける製鋼スラグ2の温度は1400℃以上が好ましい。1400℃未満では、スラグが凝固し、FeOの酸化反応が進行しなくなる。
なおFe23は、凝固冷却後の製鋼スラグ2中でダイカルシウムフェライトと呼ばれる化合物(すなわち2CaO・Fe23)として存在する。そのためFe23は、2CaO・Fe23として製鋼スラグ2中に存在するものについてもFe23と記す。2CaO・Fe23は磁着性がある。
このようにして高速気流5を吹き付けた後、製鋼スラグ2を冷却して凝固させる。製鋼スラグ2の冷却方法は、特に限定しない。たとえば、スラグ鍋6をスラグヤードやスラグピットへ搬送し、収容された製鋼スラグ2を所定の場所(いわゆる排滓場所)に排出して、大気中で冷却(いわゆる放冷)する等の従来から知られている方法を採用する。
放冷するときの製鋼スラグ2の厚みが200mm未満では、製鋼スラグ2が急激に冷却されて、結晶粒が成長せず、鉄分を効率的に分離することが困難になる。一方、製鋼スラグ2の厚みが500mmを超えると、凝固するまでに長時間を要するので、製鋼スラグ2の回収作業の効率が低下する。したがって、放冷するときの製鋼スラグ2の厚みは200〜500mmの範囲内が好ましい。製鋼スラグ2の厚みがこの範囲であれば、中心部の冷却速度が100℃/hr以下となり、後述する粉砕や分離回収を支障なく行なうことができる。なお、スラグ内部の温度が800〜900℃以下になれば、結晶粒の大きさへの影響がなくなるので、散水して冷却しても良い。
次に、凝固した製鋼スラグ2を粉砕する。製鋼スラグ2を粉砕する際には、ジョークラッシャー,コーンクラッシャー,ロッドミル,ローラーミル等の従来から知られている粉砕装置を使用する。以下では、凝固状態の製鋼スラグ2を粉砕して得られた固形物をスラグ塊と記す。通常の破砕,磁選処理と同様に、破砕の過程で大きい地金は磁選によって分離しておくことが好ましい。
次いで、スラグを粉砕して得られたスラグ塊に、0.1〜0.2Tの比較的弱い磁力を作用させて、磁石に吸着するスラグ塊(以下、磁着スラグ塊という)と磁石に吸着しないスラグ塊(以下、非磁着スラグ塊という)とに分離する。分離効率を向上させるため粒径10mm以下のスラグ塊に粉砕することが好ましい。磁着スラグ塊には、磁石に吸着する鉄分(すなわちメタルFe,2CaO・Fe23,Fe23,Fe34)が多量に含有され、特にメタルFeが多い。非磁着スラグ塊には、CaO・SiO2等のスラグ成分が多いが、依然として10質量%以上の鉄分が存在する。
このようにして磁力を用いて分離したスラグ塊のうち、磁着スラグ塊のみを回収して、製鉄原料として再利用する。非磁着スラグ塊は、製鉄原料には使用せず、セメントや路盤材として再利用することが好ましい。
また、磁力によって分離された非磁着スラグ塊には、FeOのみならず、メタルFe,Fe23,Fe34も含有されている。そこで、非磁着スラグ塊をさらに粉砕し、得られたスラグ粉に再度0.2〜0.4Tの比較的強い磁力を作用させて、磁石に吸着するスラグ粉(以下、磁着スラグ粉という)と磁石に吸着しないスラグ粉(以下、非磁着スラグ粉という)とに分離する。このようにして分離された磁着スラグ粉には、磁着スラグ塊と同様にメタルFe,2CaO・Fe23,Fe34が比較的多く含有されている。
微粉砕しても粒径が50μmを超えるスラグ塊は、メタルFeが多いので、50μm以下のスラグ粉に粉砕することが好ましい。50μm超えのスラグ塊が残存する場合には、再度10mm以下のスラグ塊に戻して磁選することで磁着分として回収できる。
スラグ塊またはスラグ粉に磁力を作用させる方法は、特に限定せず、
(A)ドラム方式:円筒状のドラムの内部に磁石を配設して、ドラムを回転させつつドラム外面にスラグ塊を落下して吸着させる方法、
(B)吊り下げ方式:ベルトコンベア等の搬送手段の上方に磁石を配設して、移動するスラグ塊を吸着させる方法
等の従来から知られている方法を使用する。ただし連続的かつ確実に磁着スラグ塊と磁着スラグ粉を吸着させる観点からドラム方式を採用するのが好ましい。
磁石を用いて印加する磁力が小さい場合は、磁着スラグ塊や磁着スラグ粉が吸着されない。磁力が大きい場合は、非磁着スラグ塊や非磁着スラグ小塊も吸着される。したがって、粒径の大きいメタルFeを回収するためにスラグ塊に印加する磁力は0.1〜0.2Tの範囲内が好ましい。また、スラグ粉に印加する磁力は2CaO・Fe23やFe34を回収するために0.2〜0.4Tの範囲内が好ましい。なお磁石は、永久磁石あるいは電磁石のいずれも使用できる。
以上に説明した通り、本発明によれば、製鋼スラグに含有されるメタルFe,2CaO・Fe23やFe34を効率良く回収し、製鉄原料として再利用できるので、原料コストを低減することが可能である。
このことは、予備処理における脱P負荷の増加を最小限とし、製鋼スラグを製鉄原料として再利用できることを意味している。
上底吹き転炉を用いて溶銑の脱炭精錬を行ない、得られた溶鋼を排出した。次いで、図1に示すように、転炉1から溶融状態の製鋼スラグ2をスラグ鍋6に排出しながら、高速気流5をスラグ鍋6内の製鋼スラグ2に吹き付けた。高速気流5の流速は60m/secとし、吹き付け時間は3minとした。
次に、スラグ鍋6を排滓場所へ搬送し、収容された製鋼スラグ2を排出した。排滓場所では、予め凝固させたスラグを用いて土手を築き、その土手で囲まれた領域に製鋼スラグ2を排出した。排滓場所における製鋼スラグ2の厚みは200〜300mmとした。こうして製鋼スラグ2を放冷し、12hr経過した後、土手を崩して凝固状態の製鋼スラグ2を取り出した。このとき内部の製鋼スラグは赤熱状態であったので、散水場所へ搬送して冷却水を噴霧し、常温まで冷却した。
次いで、凝固した製鋼スラグ2をジョークラッシャー,コーンクラッシャー等で破砕し、地金を吊り下げ式磁力選別機で分離した後、ロッドミルで粉砕し、得られたスラグ塊を分級した。すなわち、粒径が10mm以下のスラグ塊はドラム式磁力選別機で磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊に分離した。粒径が10mmを超えるスラグ塊は、再度ロッドミルで粉砕して、粒径が10mm以下のスラグ塊はドラム式磁力選別機で磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊に分離した。
図2は、ドラム式磁力選別機の例を模式的に示す断面図である。ドラム式磁力選別機は円筒状のドラム11の内部に磁石10を配設したものであり、ドラム11を矢印aの方向に回転させながら、上方からスラグ塊7を落下させる。なお、磁石10は電磁石を使用し、磁力は0.15Tとした。
ドラム11の外表面に落下したスラグ塊7のうちの磁着スラグ塊7aは、磁力によって吸着されてドラム11とともに回転する。そして磁力が作用しない位置でドラム11から離脱して落下する。その場所に磁着スラグ塊収納容器8を設置することによって、磁着スラグ塊7aを回収することができる。
スラグ塊7のうちの非磁着スラグ塊7bは、磁力によって吸着されないので、ドラム11の外表面に沿って滑落し、ドラム11から離れた位置に落下する。その場所に非磁着スラグ塊収納容器9を設置することによって、非磁着スラグ塊7bを回収することができる。
このようにしてドラム式磁力選別機を用いて分離した非磁着スラグ塊7bをさらにロッドミル、続いて縦型ローラーミルで粉砕して分級し、粒径が45μm以下のものをスラグ粉として選別した。このスラグ粉を、図2に示すドラム式磁力選別機でスラグ塊7と同様に、磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉に分離した。なお、磁力は0.3Tとした。粒径が45μmを超えるものは、メタルFeが多く含まれているので、前工程の10mm以下スラグ塊の磁選処理工程に戻した。これを発明例とする。
一方、比較例1として、発明例と同一条件で上底吹き転炉を操業し、得られた製鋼スラグに高速気流を吹き付けることなくスラグ鍋に収容した。次に、スラグ鍋6を排滓場所へ搬送し、発明例と同様にして製鋼スラグを凝固させ、さらに発明例と同様にして粉砕した。得られたスラグ塊を吊り下げ式磁力選別機で磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊に分離した。こうして分離した非磁着スラグ塊を、発明例と同様にして粉砕し、吊り下げ式磁力選別機で磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉に分離した
また、比較例2として、排滓場所における製鋼スラグ2の厚みを50〜100mmとした他は比較例1と同じ方法で、磁着スラグ塊,非磁着スラグ塊,磁着スラグ粉,非磁着スラグ粉を分離した。
発明例と比較例1,2で分離された磁着スラグ塊,非磁着スラグ塊,磁着スラグ粉,非磁着スラグ粉の比率は表1に示す通りである。また、それぞれの磁着スラグ塊,磁着スラグ粉,非磁着スラグ粉の成分を表1に示す。
Figure 0004867406
表1から明らかなように、磁着スラグ塊と磁着スラグ小塊の比率を合計すると、発明例が52質量%,比較例1が18質量%,比較例2が21質量%である。つまり、本発明を適用することによって、製鋼スラグに含有される鉄分を回収する効率が大幅に向上した。
この磁着スラグ塊と磁着スラグ粉を製鉄原料として再利用すれば、原料コストを低減できることは言うまでもない。
本発明を適用する装置の例を模式的に示す断面図である。 ドラム式磁力選別機の例を模式的に示す断面図である。 風砕を行なう装置の例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 転炉
2 製鋼スラグ
3 スラグ粒
5 高速気流
6 スラグ鍋
7 スラグ塊
7a 磁着スラグ塊
7b 非磁着スラグ塊
8 磁着スラグ塊収納容器
9 非磁着スラグ塊収納容器
10 磁石
11 ドラム

Claims (8)

  1. 溶融状態の製鋼スラグに流速30〜80m/secの空気を吹き付けることにより前記製鋼スラグに含有される鉄分を酸化させた後、冷却し、得られた凝固状態の製鋼スラグを粉砕してスラグ塊とし、前記スラグ塊を磁力によって磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊とに分離して、前記磁着スラグ塊を回収することを特徴とする製鋼スラグの鉄分回収方法。
  2. 前記非磁着スラグ塊をさらに粉砕してスラグ粉とし、前記スラグ粉を磁力によって磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉とに分離して、前記磁着スラグ塊および/または前記磁着スラグ粉を回収することを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  3. 前記凝固状態の製鋼スラグを粉砕して粒径10mm以下のスラグ塊とし、前記スラグ塊を磁力によって磁着スラグ塊と非磁着スラグ塊とに分離した後、前記非磁着スラグ塊をさらに粉砕して粒径50μm以下のスラグ粉とし、前記スラグ粉を磁力によって磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉とに分離して、前記磁着スラグ塊および/または前記磁着スラグ粉を回収することを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  4. 前記磁着スラグ塊と前記非磁着スラグ塊との分離および/または前記磁着スラグ粉と前記非磁着スラグ粉との分離をドラム型磁力選別機によって行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  5. 前記溶融状態の製鋼スラグに空気を吹き付けて、前記製鋼スラグに含有される鉄分を酸化させることによって、前記製鋼スラグのFeOの含有量を低減することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  6. 前記溶融状態の製鋼スラグに空気を吹き付けて、前記製鋼スラグに含有される鉄分を酸化させることによって、前記製鋼スラグのFe34および/または2CaO・Fe23の含有量を増加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  7. 前記製鋼スラグがPを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製鋼スラグの鉄分回収方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁着スラグ塊および/または磁着スラグ粉を製鉄原料として再利用することを特徴とする製鋼スラグのリサイクル方法。
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