JP4867135B2 - 有機半導体構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶性の有機半導体材料を用いて有機半導体層を形成してなる有機半導体構造物、その製造方法及び有機半導体装置に関するものである。
有機半導体装置の代表的なものとして、有機半導体を活性層(以下、有機半導体層という。)に利用した有機電界効果トランジスタ(有機FETともいう。)が挙げられる。有機FETは、薄膜大面積デバイスの実現のために、十分大きな面積において均一な電荷輸送特性を有することが求められている。
この有機FETにおいて、有機半導体層は、ペンタセンに代表される分子性結晶を真空製膜して形成されている(非特許文献1を参照)。
Y.-Y.Lin, D.J.Gundlach, S.Nelson, andT.N.Jackson,"Stacked Pentacene Layer Organic Thin-Film Transistors with Improved Characteristics" ,IEEE Electron Device Lett, 18, 606 (1997).
しかしながら、上述した真空製膜により形成された有機半導体層は、一般に、微結晶の集合した多結晶状態となって多くの粒界が存在し易い上、欠陥が生じ易く、そうした粒界や欠陥が電荷の輸送を阻害するという性質を有する。そのため、有機半導体層を真空製膜により形成する場合においては、有機半導体装置の構成素子である有機半導体層を、十分大きな面積において均一な性能で連続的に作ることは事実上困難であった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、従来困難とされていた比較的大きな面積で電荷輸送特性が均一な有機半導体層を有する有機半導体構造物、その製造方法及び有機半導体装置を提供することにある。
少なくとも一部に、液晶性分子を有する有機半導体材料からなる有機半導体層を備えた有機半導体構造物の製造方法であって、
前記液晶性有機半導体材料は、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する過程で過冷却状態を呈し、且つ、当該過冷却状態から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する材料であり、
前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相を呈した前記液晶性有機半導体材料を、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相からの昇温過程において前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する温度未満の温度まで過冷却状態を維持しながら冷却し、
前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相への相転移を開始させた後に、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が熱力学的安定相となり前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が熱力学的準安定相となる状態にし、当該状態を前記液晶性有機半導体材料が前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相を呈する状態になるまで保持することにより前記有機半導体層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、液晶性有機半導体材料を、液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相(以下、「秩序相」という。)が熱力学的安定相となり液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相(以下、「無秩序相」という。)が熱力学的準安定相となる状態(以下、「状態I」ということもある。)にし、その後その状態を保持するので、無秩序相から秩序相への相転移を徐々に進行させることができ、相転移速度を低下させることができる。その結果、例えば、大きな面積において構造欠陥が少なく、均一化された電荷輸送特性を示す有機半導体層を形成し易くなる。また、この発明によれば、無秩序相を呈した状態の液晶性有機半導体材料を、無秩序相からの昇温過程において秩序相への相転移が開始する温度未満の温度まで過冷却してから状態Iにするので、液晶性有機半導体材料を容易に状態Iにすることができる。
本発明の有機半導体構造物の製造方法において、(A)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が結晶相であること、(B)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、(C)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が等方相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、が好ましい。
上記課題を解決するための本発明の有機半導体構造物は、少なくとも一部に、液晶性分子を有する有機半導体材料からなる有機半導体層を備えた有機半導体構造物であって、前記有機半導体層が、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相を呈しており、前記液晶性有機半導体材料が、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する過程で過冷却状態を呈し、且つ、当該過冷却状態から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する性質を有することを特徴とする。
この発明によれば、有機半導体層を形成する液晶性有機半導体材料が、過冷却状態で分子運動の自由度が高い無秩序相を呈するので、無秩序相から秩序相への相転移の際にその液晶性有機半導体材料中の液晶性分子が最適な位置に動き易い。したがって、有機半導体層が例えば構造欠陥の少ない結晶からなることにより電荷輸送特性が均一化し易いので、薄膜大面積デバイスの実現に大きく寄与することができる。
本発明の有機半導体構造物においては、(E)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が結晶相であること、(F)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、(G)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が等方相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、が好ましい。
本発明の有機半導体構造物においては、配向層が更に設けられており、前記有機半導体層が、前記配向層上に形成されていることが好ましい。
この発明によれば、有機半導体層中の液晶性分子を特定の向き又は方向に配向させることにより、有機半導体層の電荷輸送特性を均一化させることができる。
上記課題を解決するための本発明の有機半導体装置は、少なくとも基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、結晶状態の有機半導体層、ドレイン電極及びソース電極で構成される有機半導体装置であって、前記有機半導体層は、液晶性分子を有する有機半導体材料からなり、且つ、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相を呈しており、前記液晶性有機半導体材料は、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する過程で過冷却状態を呈し、且つ、当該過冷却状態から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する性質を有することを特徴とする。
この発明によれば、有機半導体装置を構成する有機半導体層が、ドレイン電極及びソース電極間で均一化された電荷輸送特性をするので、薄膜大面積デバイスの実現に大きく寄与することができる。
本発明の有機半導体装置においては、(H)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が結晶相であること、(I)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、(J)前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が等方相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であること、が好ましい。
本発明の半導体装置においては、(K)前記ゲート絶縁層上に前記ドレイン電極及び前記ソース電極が互いに対向するように形成されており、前記有機半導体層が前記ドレイン電極及び前記ソース電極の間に形成されており、前記液晶性有機半導体材料中の液晶性分子が、前記ドレイン電極及び前記ソース電極の膜厚方向に並行に配向していること、(L)前記ゲート絶縁層上に前記ドレイン電極及び前記ソース電極が互いに対向するように形成されており、前記有機半導体層が前記ドレイン電極及び前記ソース電極の間に形成されており、前記液晶性有機半導体材料中の液晶性分子が、前記ドレイン電極及び前記ソース電極の膜厚方向に直交し、かつ、当該ドレイン電極及び当該ソース電極の間に横列するように配向していること、が好ましい。
本発明の有機半導体構造物の製造方法によれば、大きな面積において構造欠陥を少ない有機半導体層を形成することが容易になるので、大きな面積において電荷輸送特性が均一化された有機半導体層を有する有機半導体構造物を得易くなる。
また、本発明の有機半導体構造物及び有機半導体装置によれば、有機半導体層の電荷輸送特性が大きな面積において均一化し易くなるので、薄膜大面積デバイスの実現に大きく寄与できる。
以下、本発明の有機半導体構造物、その製造方法及び有機半導体装置を図面に基いて説明する。
<有機半導体構造物>
本発明の有機半導体構造物は、少なくとも一部に、液晶性有機半導体材料(以下、有機半導体材料という場合もある。)からなる有機半導体層を有するものであり、その有機半導体層が液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相を呈する状態になっている。
(有機半導体層)
本発明に適用される有機半導体材料は、下記化学式1に示す液晶性分子からなる。
Figure 0004867135
ここで、式中Aは、L個の6π電子系環、M個の8π電子系環、N個の10π電子系環、O個の12π電子系環、P個の14π電子系環、Q個の16π電子系環、R個の18π電子系環、S個の20π電子系環、T個の22π電子系環、U個の24π電子系環、V個の26π電子系環(但し、L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U及びVは、それぞれ0〜12の整数を表し、L+M+N+O+P+Q+R+S+T+U+V=1〜12とする。)を含む骨格構造を有するコア部位を表す。また、式中B及びB’は、屈曲性の高い鎖状構造、又は、水素若しくはハロゲン等の官能基を表す。
上記化学式1に示す液晶性分子のAにおいて、6π電子系環としては、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、2H−ピラン環、4H−チオピラン環、ピリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、フラザン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリタジン環、トロボロン環を挙げることができ、8π電子系環としては、例えば、ペンタレン環、インデン環、インドリジン環、4H−キノリジン環を挙げることができ、10π電子系環としては、例えば、ナフタレン環、アズレン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、1−ベンゾチオフェン環、2−ベンゾチオフェン環、インドール環、イソインドール環、2H−クロメン環、1H−2−ベンゾビラン環、キノリン環、イソキノリン環、1,8−ナフチリジン環、ベンゾイミダゾール環、1H−インダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、プリン環、フタラジン環を挙げることができ、12π電子系環としては、例えば、ヘプタレン環、ビフェニレン環、as―インダセン環、s−インダセン環、アナナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環を挙げることができ、14π電子系環としては、例えば、フェナントレン環、アントラセン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、ぺリミジン環、1,10−フェナントロリン環、フェナジン環、フェナルサジン環、テトラチアフルバレン環を挙げることができ、16π電子系環としては、例えば、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、ピレン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環を挙げることができ、18π電子系環としては、例えば、トリフェニレン環、クリセン環、ナフタセン環、プレイアデン環を挙げることができ、20π電子系環としては、例えば、ペリレン環を挙げることができ、22π電子系環としては、例えば、ビセン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、を挙げることができ、24π電子系環としては、例えば、テトラフェニレン環、コロネン環、を挙げることができ、26π電子系環としては、例えば、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環等を挙げることができる。
本発明に適用される液晶性有機半導体材料には、上記化学式1に示した液晶性分子のうち、熱分解温度以下の温度において、少なくとも一種類の液晶状態を持つものが用いられる。「熱分解温度以下の温度において」とは、その材料がそれ自身分解されない状態を意味するものである。熱分解温度は、適用される材料により異なる。また、「少なくとも一種類の液晶状態を持つもの」とは、最低一種類の液晶状態を持つものが使用されるという意味である。例えば、後述するスメクティック液晶相(以下、Smともいう)においては、SmA相、SmB相、SmC相等の複数種類の液晶状態を有し、そのうちの少なくとも一種類の液晶状態を持つことである。そのような液晶性分子としては、上記化学式1中のAが下記化学式2〜36に示すような骨格構造を有する液晶性分子が挙げられる。
Figure 0004867135
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ここで、上記化学式2〜36中のRは下記化学式37に示すような2価の構造を示し、別の骨格と連結する連結基を示す。これらの液晶性分子にRが複数個ある場合には、それぞれが同一でもよいし、異なっていてもよい。また、これらの液晶性分子にRはなくてもよい。上記化学式2〜36中のRは下記化学式38に示すような官能基を示す。これらの液晶性分子にRが複数個ある場合には、それぞれが同一でもよいし、異なっていてもよい。また、上記化学式2〜36中のXはCH又はNを示し、上記化学式2〜36中のYはS又はOを示す。
上記化学式1のB及びB’は、屈曲性の高い鎖状構造、又は、水素若しくはハロゲン等の官能基である。屈曲性の高い鎖状構造は、基本的には直鎖状アルキル鎖又は分岐鎖状アルキル鎖であるが、このようなアルキル鎖には下記化学式37に示す39個の2価の構造の群から選択される構造が含まれていてもよい。また、屈曲性の高い鎖状構造は、下記化学式37に示す39個の2価の構造の群から選択された構造のみで構成されてもよく、この場合にはこの群から選択された1つの構造で構成されてもよいし、この群から選択された複数の構造が直鎖状又は分岐状に連結して構成されていてもよい。また、これらの屈曲性の高い鎖状構造は、置換基として下記化学式38に例示した21個の官能基の群から選択された官能基を有していてもよい。なお、上記化学式1中のB及びB’は、屈曲性の高い鎖状構造をとらない場合に、下記化学式38に例示した21個の官能基のいずれかとなる。
Figure 0004867135
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但し、上記化学式38中のRは、炭素数1〜40の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基を表す。
本発明に適用される有機半導体材料は、上述した液晶性分子からなる有機半導体材料のうち、無秩序相から秩序相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態から秩序相に相転移する性質を有するものが該当する。ここで、「無秩序相」とは「液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相」をいい、「秩序相」とは「液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相」をいうものとする。
「液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する」とは、液晶性分子間の重心位置にその液晶性分子の長軸方向の周期的な秩序又は短軸方向の周期的な秩序を有することをいう。有機半導体材料が液晶性分子間の重心位置にその液晶性分子の長軸方向の秩序のみを有する場合には、液晶性分子が層状に配列し、低次のスメクティック液晶状態になる。更に、有機半導体材料が液晶性分子間の重心位置にその液晶性分子の短軸方向の秩序をも有する場合には、液晶性分子間距離の規則性が高くなり、短軸方向の秩序性が高くなるに連れて、より高次のスメクティック液晶状態になり、やがては結晶状態になる。
「液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有しない」とは、液晶性分子間の重心位置にその液晶性分子の長軸方向の周期的な秩序及び短軸方向の周期的な秩序を有しないことをいう。このような液晶性分子の重心位置に秩序を有しない有機半導体層は、分子の配列方向にのみ秩序性を有するネマティック液晶状態やその配列方向の秩序性も失った等方状態になる。
このような性質を有する有機半導体材料により形成される有機半導体層は、下記に示す形成方法において、無秩序相から過冷却されて秩序相に相転移にするので、相転移の際に分子運動の自由度が高い無秩序相の液晶性分子が容易に最適な位置に動くことができる。その結果、有機半導体層は大きな面積において構造欠陥が少くなる。
なお、本明細書において、「過冷却状態」とは、昇温過程で無秩序相から秩序層に相転移する温度を相転移温度Aとしたときに、無秩序相から相転移温度A未満の温度に降温しても秩序相への相転移が完全には起こらず、なおもとの無秩序相を呈している状態をいう。なお、過冷却状態においては、無秩序相の一部に秩序相が共存していてもよい。また、本明細書において、「過冷却する」とは、過冷却状態を維持しながら冷却することをいい、「過冷却過程」とは、過冷却状態を維持しながら冷却する過程をいう。
このような有機半導体材料としては、ネマティック液晶相から結晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態から結晶相に相転移する性質を有する材料(材料1ということもある。)、ネマティック液晶相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有する材料(材料2ということもある。)、等方相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有する材料(材料3ということもある。)、が好ましく挙げられる。
秩序相は、スメクティック液晶相である場合には、より高次のスメクティック液晶相であることが好ましい。高次のスメクティック液晶相においては液晶性分子の配向秩序性が高いので、有機半導体層の電荷移動度を高くすることができる。また、有機半導体材料の秩序相がスメクティック液晶相である場合には、有機半導体装置を使用する温度において、有機半導体材料が結晶相に転移することがある。このような場合でも、この有機半導体材料は、大きな面積で配向秩序に乱れが少なく且つ液晶性分子が自由に動き難いスメクティック液晶相から相転移して結晶状態になるので、有機半導体層の構造欠陥を大きな面積で少なくすることができる。
なお、本発明に適用される有機半導体材料は、過冷却過程において無秩序相を呈するものであればよい。すなわち、例えば材料1は、結晶相からの昇温過程においてスメクティック液晶相に相転移してもよい。
本発明に適用される有機半導体材料としては、例えば下記化学式47に示す液晶性分子化合物を挙げることができる。これらの化合物は、ネマティック液晶相から結晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態から結晶相に相転移する性質を有するもの(材料1)である。
Figure 0004867135
また、本発明に適用される有機半導体材料としては、例えば下記化学式40に示す液晶性分子化合物を挙げることができる。この化合物は、等方相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有するもの(材料3)である。
Figure 0004867135
更に、本発明に適用される有機半導体材料としては、例えば下記化学式48に示す液晶性分子化合物を挙げることができる。ネマティック液晶相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有するもの(材料2)である。
Figure 0004867135
本発明の有機半導体構造物における有機半導体層は、無秩序相を呈した液晶性有機半導体材料を、相転移温度A未満の温度まで過冷却状態を維持しながら冷却し、秩序相への相転移を開始させた後に、秩序相が熱力学的安定相となり無秩序相が熱力学的準安定相となる状態(以下、状態Iということもある。)にし、当該状態を秩序相を呈する状態になるまで保持することにより形成される。
このような形成方法においては、液晶性有機半導体材料の無秩序相から秩序層への相転移の際に、秩序相が熱力学的安定相となり無秩序相が熱力学的準安定相となる状態を保持するので、無秩序相から秩序相への相転移が徐々に進行する。更に、このときの熱力学的準安定な無秩序相は、液晶性分子の運動の自由度が高く比較的動き易いので、その液晶性分子が秩序相への相転移が完了するまでの間に最適な位置に動くことができる。したがって、大きな面積において構造欠陥の少ない有機半導体層を得ることができる。ここで、秩序相がスメクティック液晶相である場合に「構造欠陥が少ない」とは、液晶性分子の配向秩序に乱れが少ないことをいうものとする。
また、秩序相が熱力学的安定相となり無秩序相が熱力学的準安定相となる温度(以下温度Bという)は通常相転移温度Aよりも低いので、温度Bにする前に有機半導体材料を一旦温度A未満の温度まで過冷却することにより、容易に状態Iにすることができる。過冷却状態を経由させないで有機半導体材料を無秩序相から秩序相に相転移させた場合には、相転移が進行してしまい、状態Iにすることが困難である。なお、過冷却状態を維持しながら冷却し、秩序層への相転移が開始した後には、通常昇温することにより状態Iにする。
以下、この有機半導体層の形成方法を、ネマティック液晶相から結晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し且つこの過冷却状態から結晶相に相転移する性質を有する材料(材料1)を用いた場合を例にして詳細に説明する。なお、この場合、得られる有機半導体層は結晶状態になる。
上記の結晶状態の有機半導体層は、液晶性有機半導体材料を被形成面に塗布等し、その液晶性有機半導体材料をネマティック液晶状態とした後、ネマティック液晶相から結晶相への相転移温度未満の温度まで過冷却状態を維持しながら降温し、結晶化が開始した段階で、その液晶性有機半導体材料が結晶相が熱力学的安定相であり液晶相が熱力学的準安定相となる状態にし、その状態を液晶性有機半導体材料が結晶状態になるまで保持することにより形成される。
このような有機半導体層の形成においては、上述したように結晶化速度が遅く、結晶化までの間に液晶性分子が動き易いので、大きな面積において構造欠陥の少ない有機半導体層が得られる。
また、このような有機半導体層の形成においては、ネマティック液晶状態の有機半導体材料を過冷却状態を維持しながら降温し、その結晶化が開始された段階で温度Bまで昇温することにより状態Iにする。したがって、このように結晶化が開始された段階で昇温することにより、有機半導体材料の結晶化が進行を抑えることができるので結晶核の生成が抑制される。そのため、ネマティック液晶相から結晶相へ相転移する際に存在する結晶核を少なくすることができるので、大きな単結晶を得易い。したがって、大きな面積において構造欠陥の少ない有機半導体層が得られる。結晶核の生成を抑制する観点からは、降温された有機半導体材料の結晶化が開始した後直ぐに昇温することが好ましい。
有機半導体材料の被形成面への塗布等は、有機半導体材料を等方状態又は液晶状態で被形成面に塗布する方法や、有機半導体材料を蒸着(PVC法又はCVD法を含む。)して被形成面に形成する方法等により行われる。有機半導体材料を等方状態又は液晶状態で被形成面に塗布する方法によれば、電荷輸送特性がより均一で大面積の有機半導体層を極めて容易に形成することができる。このときの塗布方法には、各種の塗工方法及び印刷方法を適用できる。
有機半導体材料をネマティック液晶状態とする場合には、この有機半導体材料の液晶相に結晶核となりうる結晶相が共存していない状態とすることが好ましい。そのため、有機半導体材料を等方状態にしてから液晶状態を呈する温度まで降温して、ネマティック液晶状態とすることが好ましい。ネマティック液晶状態にされた有機半導体材料において結晶相が共存している場合には、その有機半導体材料が過冷却されて結晶化が始まった際に、結晶核が多量に存在してしまい、構造欠陥の少ない大きな結晶を得難くなる。
被形成面に形成された有機半導体材料の相転移温度A未満の温度までの降温は、有機半導体材料ができる限り高温で結晶化するように緩やかに行われることが好ましく、その降温速度は、0.1℃/分以上1℃/分以下であることが好ましい。
有機半導体材料の温度Bまでの昇温速度は、10℃/分以上20℃/分以下であることが好ましい。温度Bへの昇温速度が10℃/分未満である場合には、昇温速度が遅すぎることにより有機半導体材料の結晶化が進行し易くなってしまい結晶化速度が速くなり易い。また、温度Bへの昇温速度が20℃/分を超える場合には、昇温速度が速すぎることにより有機半導体材料の温度が温度Bを越えてしまい易い。
温度Bは、有機半導体層の形成に使用する有機半導体材料の種類に応じて異なる。例えば、上記化学式47の液晶性分子からなる有機半導体材料の温度Bは約120℃である。また、この液晶性分子からなる有機半導体材料の過冷却状態から結晶化が開始する温度は約105℃である。そのため、この液晶性分子からなる有機半導体材料を用いて有機半導体層を形成する場合には、有機半導体材料を結晶相が共存しないネマティック液晶状態にし、その後1℃/分の速度で105℃付近まで降温し、結晶化が始まった後直ぐに120℃付近まで20℃/分の速度で昇温しこの温度を保持することが好ましい。このようにして得られた有機半導体層は、大きな面積で構造欠陥の少ない結晶状態となる。こうして形成された有機半導体層は、結晶粒径が1〜5mmとなる。
なお、ネマティック液晶相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有するもの(材料2)、等方相からスメクティック液晶相に相転移させる過程で過冷却状態を呈し、且つ、この過冷却状態からスメクティック液晶相に相転移する性質を有するもの(材料3)を有機半導体材料として用いた場合にも、同様の方法で大きな面積で構造欠陥の少ない有機半導体層を得ることができる。
また、本発明の有機半導体構造物における結晶状態の有機半導体層は、液晶性有機半導体材料を被形成面に塗布等し、その塗膜を温度Bまで降温した後、塗膜の平面視上の一部分のみを冷却して結晶化させ、その後、塗膜全面を均一に加熱し又は塗膜全面の温度をそのまま保持することにより形成されてもよい。塗膜の一部分のみを冷却した際には、結晶化が進行する温度から温度Bの範囲で塗膜の面内方向に温度が勾配するので、塗膜を平面視した場合に、塗膜に結晶化が開始する温度になっている部分が生じる。その結晶化が開始する温度になっている部分は、塗膜全面が均一に加熱されることにより昇温されて温度Bに達するので、構造欠陥の少ない大きな結晶となる。また、塗膜全面の温度をそのまま保持した場合にも、塗膜中の温度の高い部分の熱が拡散することにより、結晶化が開始する温度になっている部分が昇温されて温度Bに達するので、構造欠陥の少ない大きな結晶が得られる。塗膜の一部分を結晶化させて面内方向に温度勾配を生じさせる方法としては、有機半導体材料の塗膜を温度Bまで降温した後、塗膜の一部分に低温体を接触させて結晶化させる方法や、塗膜を温度Bまで降温した後、塗膜を熱源により昇温する際に、その塗膜の一部分に熱源が接触しないようにする方法が挙げられる。後者の方法において、熱源との接触が絶たれた部分は、ある一定の時間そのまま降温して結晶化する。
このようにして得られる本発明の有機半導体構造物における有機半導体層は、大きな面積で構造欠陥が少ないので、大きな面積で均一性の高い電荷輸送特性を有する。
(有機半導体材料の液晶配向手段)
本発明の有機半導体構造物においては、上述した有機半導体層は、配向手段により特定の向き又は方向に配向した液晶性有機半導体材料により形成されていることが好ましい。
配向手段としては、液晶性有機半導体材料を形成する面(非形成面。例えば、後述のゲート絶縁層の表面等)に、液晶配向層を形成したり、ラビング処理等の配向処理をしたり、あるいは、配向処理を施した層と接したりする手段を挙げることができる。このような配向手段により、液晶性有機半導体材料の液晶性分子を特定の向き又は方向に配向するように形成できるので、配向する向き又は方向に応じた特有の機能性や電気特性を発現させることができる。
こうした配向手段により、液晶性有機半導体材料が、ポリイミド系材料からなる液晶配向層上に積層されて配向していること、微小な凹凸を表面に有した硬化性樹脂からなる液晶配向層上に積層されて配向していること、の何れかであることが好ましい
液晶配向層としては、各種液晶配向層を適用できるが、本発明の有機半導体構造物においては、ポリイミド系材料を塗布した後ラビング処理をしたもの、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなるもの、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなり液晶配向層と基板とが一体となっているもの、の何れかであることが好ましい。また、電場、磁場等の外場での配向も可能である。
特に、ポリイミド樹脂を塗布後ラビング処理を施したものが代表的なものとして挙げられる。材料としては、この他にも、アクリル、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等の樹脂材料を挙げることができる。なお、これらの材料は、その種類によって液晶に対して垂直配向能を有するものと水平配向能を有するものに分類できる。塗布の具体的は手法としては。スピンコート法、キャスト法、引き上げ法等が挙げられる。こうした液晶配向層は、基板と有機半導体をとの間、あるいは有機半導体層上のオーバーコート層に置くことができる。
微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなるものとしては、例えば、硬化性樹脂からなる層を形成し、その層の表面をラビング処理して形成したり、未硬化状態の硬化性樹脂の表面に、微小凹凸を賦形できる賦形部材を押圧し、その後樹脂層を硬化させることにより形成することができる。こうして得られた硬化性樹脂の表面には、微細な凹凸が形成され、液晶性有機半導体材料の液晶性分子をその向きに並べることができる。硬化性樹脂としては、アクリル系紫外線硬化性樹脂、フッ素系紫外線硬化性樹脂等が上げられる。このとき、微小な凹凸を有した硬化性樹脂からなる液晶配向層が、基板と一体の態様となっていることが特に好ましい。
この場合における微小な凹凸は、方向の揃った微小の溝からなるものである。この凹凸部分における溝の深さは、0.01〜1.0μm、好ましくは0.03〜0.3μm程度、幅は、0.05〜1.0μm程度、また、隣接する溝のピッチは、0.1〜2.0μm程度である。溝の深さが0.01μm未満では、液晶性分子を正しく配向できなくなり、また、1.0μmを超えると溝の縁部で液晶の配向が乱れることがある。また、溝の幅が0.05μm未満では溝の作成が困難となり、幅が1.0μmを超えると、溝の中央での配向力が低下することがある。さらに、溝の形成ピッチが0.1μm未満では、溝の作成が困難となり、また、2.0μmを超えると、液晶の配向乱れを生じ易い。
本発明の有機半導体構造物においては、液晶配向層の第1の態様として、基板、液晶配向層、有機半導体層を順次積層したものを挙げることができ、液晶配向層の第2の態様として、基板、有機配向層を順次積層したものを挙げることができ、液晶配向層の第3の態様として、基板、液晶配向層、有機半導体層、液晶配向層を順次積層したものを挙げることができる。本発明においては、このように、有機半導体層が、配向処理を施した層と接する形態となるように構成されることによって、液晶性有機半導体材料を構成する液晶性分子に高い配向性を付与することができる。
<有機半導体装置>
本発明の有機半導体装置10は、図1及び図2に示すように、少なくとも基板11、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、配向した液晶性有機半導体材料からなる結晶状態の有機半導体層14、ドレイン電極15及びソース電極16で構成される。この有機半導体装置10は、結晶状態の有機半導体層14が、上述した本発明の有機半導体構造物を構成する有機半導体材料で形成されている。
構成の一例としては、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、配向した液晶性有機半導体材料からなる結晶状態の有機半導体層14、ドレイン電極15とソース電極16、保護膜(図示しない。)の順に構成される逆スタガー構造、又は、基板11上に、ゲート電極12、ゲート絶縁層13、ドレイン電極15とソース電極16、配向した液晶性有機半導体材料からなる結晶状態の有機半導体層14、保護膜(図示しない。)の順に構成されるコプラナー構造、を挙げることができる。こうした構成からなる有機半導体装置10は、ゲート電極12に印加される電圧の極性に応じて、蓄積状態又は空乏状態の何れかで動作する。
(基板)
基板11は、絶縁性の材料であれば広い範囲の材料から選択することができる。例えば、ガラス、アルミナ焼結体等の無機材料、ポリイミド膜、ポリエステル膜、ポリエチレン膜、ポリフェニレンスルフィド膜、ポリパラキシレン膜等の各種の絶縁性材料を挙げることができる。特に、高分子化合物からなる膜を用いると、軽量でフレシキブルな有機半導体装置を作製することができるので、極めて有用である。なお、本発明で適用される基板11の厚さは、25μm〜1.5mm程度である。
(ゲート電極)
ゲート電極12は、ポリアニリン、ポリチオフェン等の有機材料からなる電極又は導電性インキを塗布して形成した電極であることが好ましい。これらの電極は、有機材料や導電性インキを塗布して形成できるので、電極形成プロセスが極めて簡便となるという利点がある。塗布法の具体的な手法としては、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法等が挙げられる。
なお、既存のフォトリソグラフ法を用いて電極を形成してもよい。この場合には、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、ニッケル等の金属、これら金属を用いた合金、ポリシリコン、アモリファスシリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の無機材料を、電極形成用の材料として挙げることができる。また、これらの材料を2種以上併用してもよい。
ゲート電極の膜厚は、その材質の導電率によるが、50〜1000nm程度であることが好ましい。ゲート電極の厚さの下限は、電極材料の導電率及び下地基板との密着強度によって異なる。ゲート電極の厚さの上限は、後述のゲート絶縁層及びソース・ドレイン電極対を設けた際に、下地基板とゲート電極の段差部分におけるゲート絶縁層による絶縁被覆が十分で、かつその上に形成する電極パターンに断線を生ぜしめないことが必要である。特に、可とう性がある基板を使用した場合には、応力のバランスを考慮する必要がある。
(ゲート絶縁層)
ゲート絶縁層13は、上記のゲート電極12と同じように、有機材料を塗布して形成したものであることが好ましく、使用される有機材料としては、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等を挙げることができる。塗布法の具体的な手法としては、スピンコート法、キャスト法、引き上げ法等が挙げられる。
なお、CVD法等の既存パターンプロセスを用いてもよく、その場合には、SiO 、SiNx、Al 等の無機材料が好ましく使用される。また、これらの材料を2種以上併用してもよい。
有機半導体装置の移動度は電界強度に依存するので、ゲート絶縁層の膜厚は、50〜200nm程度であることが好ましい。このときの絶縁耐圧は、2MV/cm以上であることが望ましい。
(ドレイン電極及びソース電極)
ドレイン電極15及びソース電極16は、仕事関数の大きい金属で形成されることが好ましい。その理由としては、液晶性有機半導体材料は、電荷を輸送するキャリアがホールであることから、有機半導体層14とオーミック接触をとることが必要となるからである。ここでいう仕事関数とは、固体中の電子を外部に取り出すのに必要な電位差であり、真空準位とフェルミ準位のエネルギー差を電荷量で割った値として定義される。好ましい仕事関数としては、4.6〜5.2eV程度であり、具体的には、金、白金、透明導電膜(インジウム・スズ酸化物、インジウム・亜鉛酸化物等)等が挙げられる。透明導電膜は、スパッタリング法、電子ビーム(EB)蒸着法で形成することができる。
なお、本発明で適用されるドレイン電極15及びソース電極16の厚さは、50〜100nm程度である。
(有機半導体層)
有機半導体層14は、液晶性有機半導体材料により形成された秩序層を呈する状態の層である。具体的な有機半導体材料と有機半導体層の形成方法は、既に説明したとおりである。
有機半導体材料の配向処理や液晶配向層等についても上述した通りである。すなわち、本発明においては、液晶性有機半導体材料を用いるので、その液晶性分子は、上述した配向処理により一定の向き又は方向に配向される。配向処理されて結晶相となった有機半導体層14は、従来知られている有機半導体層に比べても、クラックの発生等がなく、電荷輸送特性を均一にし、クラックに基づく電荷輸送速度の低下等の弊害が生じないという優れた効果を有している。
液晶性分子の配向態様としては、(イ)図1に示すように、ゲート絶縁層13の上に形成されたドレイン電極15とソース電極16の膜厚方向に平行に配向している態様、又は、(ロ)図2に示すように、ゲート絶縁層13の上に形成されたドレイン電極15とソース電極16の膜厚方向に直交し、且つ、当該ドレイン電極15とソース電極16の間に横列するように配向している態様、等を挙げることができる。
こうして形成される有機半導体層は、大きな面積で構造欠陥が少ないという特徴的な効果がある。この特徴により、有機半導体装置は、大きな面積において電荷輸送特性が均一となるという優れた効果を発揮するので、例えば電子ペーパーのような薄膜大面積デバイスの実現に寄与することができる。
なお、液晶性有機半導体材料を形成する被形成面がゲート絶縁層又は基板である場合には、そのゲート絶縁層又は基板をラビング処理することにより、配向処理膜と、ゲート絶縁層又は基板とを一体のものとすることができる。
配向制御層の膜厚は、ドレイン電極15及びソース電極16と、有機半導体層14とのオーミック接触を妨げない範囲(0.5〜10nm)であることが望ましい。
(層間絶縁層)
有機半導体装置10には、層間絶縁層を設けることが望ましい。層間絶縁層は、ゲート絶縁層13上にドレイン電極15及びソース電極16を形成する際に、ゲート電極12の表面の汚染を防ぐことを目的として形成される。したがって、層間絶縁層は、ドレイン電極15及びソース電極16を形成する前にゲート絶縁層13の上に形成される。そして、ソース電極15及びドレイン電極16が形成された後においては、チャネル領域上方に位置する部分を完全に除去又は一部を除去するように加工される。除去される層間絶縁層領域は、ゲート電極12のサイズと同等であることが望ましい。
層間絶縁層を構成する材料としては、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、酸化アルミニウム等の無機材料や、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料が挙げられる。
(有機半導体装置)
本発明の有機半導体装置においては、構成1:基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる。)/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層(/保護層)、構成2:基板/ゲート電極/ゲート絶縁層/ソース・ドレイン電極/液晶配向層/液晶性有機半導体層(/保護層)、構成3:基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる。)/液晶性有機半導体層/ソース・ドレイン電極(パタニング)/保護層、構成4:基板/ソース・ドレイン電極/液晶性有機半導体層/ゲート絶縁層/ゲート電極/保護層兼基板、とすることもできる。
こうした有機半導体装置は、セル構造を形成した後、毛細管現象にて液晶を注入し、徐冷してその液晶性有機半導体材料を結晶化等させることが、製法上容易であるが、有機半導体材料を蒸着により形成したものであってもよい。
以下、本発明を実施例と比較例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(有機半導体装置の作製)
有機半導体材料として、上記化学式47の化合物であるフェニルナフタレン誘導体(2−(4’−Pentylphenyl)−6−Methoxynaphthalene。以下、5−PNP−O1と略することがある。)を用い、基板/ゲート電極/ゲート絶縁層(液晶配向層を兼ねる。)/ソース・ドレイン電極/有機半導体層(/保護層)からなる有機半導体装置を作製した。
<基板>中性洗剤、純水、アセトン、IPAを順に用いて超音波洗浄したガラス基板(厚さ1.1mm、コーニング1737)を用いた。
<ゲート電極>ゲート電極は、上記の基板上に、Au(厚さ300nm)の短冊状パターン(電極幅100μm、電極間5mm)をメタルマスクを介して抵抗加熱蒸着して形成した。なお、同様の電極パターンとしては、ITO電極をウェットプロセスにてパタニングしても形成できる。
<ゲート絶縁層及びその配向処理>
(a)有機半導体材料の構成分子を基板面に平行に配向させた場合(図2を参照。);ゲート絶縁層として、感光性ポリイミド(東レ:UR−3140を10gとり、それをnメチルピロリドン25gで希釈したもの。)をスピン塗布し、100℃にて乾燥後露光現像することによりゲート電極端子を露出させた。その後、最高温度350℃で焼成した後、膜厚300nmのゲート絶縁層を形成した。
こうして形成したポリイミド膜の表面をラビング(48mmのローラーに巻き付けたポリエステルをラビング布に用い、1200rpm、基板移動速度600mm/min)にて配向処理した。ラビング方向は、チャネル長方向(電荷輸送方向)に対して直交する方向にて行った。
(b)液晶性有機半導体材料の構成分子を基板面に垂直(すなわち基板面と直角方向)に配向させた場合(図1を参照。);
RFスパッタ法にて上記ゲート電極を配した基板上に、SiO 膜100nmを形成(出力100W×30分)した。この基板上で、本実施例で用いた液晶性有機半導体材料は垂直配向するので、TFTを構成した際の電荷は分子長軸に垂直な方向に輸送されるものが支配的となる。
<ソース・ドレイン電極>
ソース・ドレイン電極パッド(チャネル長50μm、チャネル幅4mm)として、Auを抵抗加熱蒸着にてメタルマスクを用いて形成した(電極厚さ100nm)。なお、ソース・ドレイン電極パッドからの引き出し電極線として、Alを用いた。
<有機半導体層>
液晶性有機半導体材料として、5−PNP−O1を使用した。この液晶性有機半導体材料を、メタルマスクを用いた蒸着法により、上記で形成したソース・ドレイン間に4mm×100μmの長方形パターンのチャネルが形成されるような配置で、厚さ50nmの塗膜を形成した。この塗膜を加熱により等方相にしてから降温することによりネマティック液晶相にした後、105℃付近まで1℃/minの速度で過冷却し、部分的に結晶化が始まった段階で、118℃まで20℃/minの速度で昇温し、この温度を保持して、結晶相の有機半導体層を得た。
(各特性評価のための有機半導体層の形成)
有機半導体材料である5−PNP−O1を基板に塗布して、この塗膜を加熱により等方状態にしてから降温することによりネマティック液晶相にした後、105℃付近まで1℃/分の速度で過冷却し、部分的に結晶化が始まった段階で、118℃まで20℃/分の速度で昇温し、結晶状態となるまでこの温度を保持することにより、実施例1の有機半導体層を形成した。この有機半導体層を用いて、以下の各特性評価を行った。
(実施例2)
液晶性有機半導体材料として、上記化学式40の2−(4’−octylphenyl)−6−butyloxynaphthalene(8−PNP−O4と略す。)を使用した。次に、ITO電極がパターニングされた2枚の基板(電極サイズ:4mm×4mm)を9ミクロンのセルギャップで貼り合せて作製したサンドウィッチセルを150℃まで加熱し、このサンドウィッチセル中に、等方相状態の液晶性有機半導体材料8−PNP−O4を毛細管現象により注入した。その後、液晶性有機半導体材料を等方状態から115℃付近まで1℃/分の速度で過冷却し、部分的にスメクティック液晶相のグレイン形成が始まった段階で、140℃まで20℃/分の速度で昇温し、スメクティック液晶状態となるまでこの温度を保持することにより、実施例2の有機半導体層を形成した。この有機半導体層においては、概ね2〜4mm角を超えるグレインが形成されていた。なお、この有機半導体層は、スメクティック液晶相(SmE相)状態を呈した後、降温されることにより結晶相に転移し、室温で結晶状態を呈していた。この有機半導体層を用いて、以下の方法で電荷輸送特性の温度依存性を評価した。
(実施例3)
液晶性有機半導体材料として、化学式48の2−(4’−octyloxyphenyl)−6−butyloxybenzothiazole(8O−PBT−O4と略す。)を使用した。次に、ITO電極をパターニングした2枚の基板を9ミクロンのセルギャップで貼り合せてサンドウィッチセルを作製した。そして、このサンドウィッチセルを150℃まで加熱し、このセル中に、等方相状態の液晶性有機半導体材料8O−PBT−O4を毛細管現象により注入した。その後、液晶性有機半導体材料を等方状態から100℃付近まで1℃/分の速度で過冷却し、部分的にスメクティック液晶相のグレイン形成が始まった段階で、103℃まで20℃/分の速度で昇温し、この温度を保持することにより、実施例3の有機半導体層を形成した。なお、この材料は、過冷却過程においてネマティック液晶状態となり、ネマティック液晶状態からスメクティック液晶相(SmC相)に相転移した。この有機半導体層においては、概ね2〜4mm角を超えるグレインが形成されていた。なお、この有機半導体層は、スメクティック液晶相(SmC相)状態を呈した後、降温されることにより結晶相に転移し、室温で結晶状態を呈していた。この有機半導体層を用いて、以下の方法で電荷輸送特性の温度依存性を評価した。
(比較例1)
実施例1の有機半導体層の形成方法に代えて、実施例1と同じ有機半導体材料を基板に塗布し、それを105℃以上まで昇温して融液とし、その後降温して結晶状態とすることにより、比較例1の有機半導体層を形成した。この有機半導体層を用いて、以下の各特性評価を行った。
(比較例2)
実施例2の有機半導体層の形成方法において、セル中に注入した液晶性有機半導体材料を等方状態から5℃/分の速度で冷却し、上記で説明した状態Iにすることなくスメクティック液晶(SmA相)状態にすることにより、比較例2の有機半導体層を形成した。なお、この有機半導体層は、降温されることによりスメクティック液晶相(SmE相)を呈した後、更に降温されて結晶相に転移し、室温で結晶状態を呈していた。この有機半導体層を用いて、以下の方法で電荷輸送特性の温度依存性を評価した。
(比較例3)
実施例3の有機半導体層の形成方法において、セル中に注入した液晶性有機半導体材料を等方状態から5℃/分の速度で冷却し、上記で説明した状態Iにすることなくネマティック液晶状態からスメクティック液晶(SmC相)状態にすることにより、比較例3の有機半導体層を形成した。なお、この有機半導体層は、スメクティック液晶相(SmC相)を呈した後、降温されることにより結晶相に転移し、室温で結晶状態を呈していた。この有機半導体層を用いて、以下の方法で電荷輸送特性の温度依存性を評価した。
(結晶状態の評価)
有機半導体層の結晶状態を評価するために、実施例1の有機半導体層と比較例1の有機半導体層について、偏光顕微鏡写真を観察した。この観察は、偏光顕微鏡(NIKON社製、型番OPTIPHOT2−POL)を用いて行った。図3は、実施例1の有機半導体層の偏光顕微鏡写真であり、図4は、比較例1の有機半導体層の偏光顕微鏡写真である。
比較例1の有機半導体層は、透明度が低く、微細な結晶状態となっていると思われるが、実施例1の有機半導体層は、透明度が高く、面積の大きな結晶で形成されていることが分かる。
(構造欠陥密度の評価)
この有機半導体装置の有機半導体層の構造欠陥密度を定性的に評価するために、実施例1及び比較例1の有機半導体層について、パルス光の照射による過渡光電流波形の変化を調べた。この評価は、実施例1及び比較例1の有機半導体層を、それぞれの形成方法でAl対向電極セル(セルギャップ:7μm、電極サイズ4mm×4mm)を用いて形成し、波長337nmのN2パルスレーザー(照射エネルギー;60μJ)により試料を励起する方法を用いて行った。図5は、実施例1の有機半導体層のパルス光照射による過渡光電流波形の変化を示すグラフであり、図6は、比較例1の有機半導体層のパルス光照射による過渡光電流波形の変化を示すグラフである。
比較例1では、光照射ごとに波形が小さくなったが、実施例1では、ほとんど変化しなかった。光照射ごとに波形が小さくなる理由は、光生成キャリアが結晶中の構造欠陥に捕捉されることにより、電界分布が変化するため、パルス光を照射するたびに過渡光電流の値が減少することによるものと思われる。したがって、実施例1の有機半導体層の構造欠陥密度は、比較例1の有機半導体層の構造欠陥密度と比較して低いことがいえる。また、実施例1の有機半導体層は比較例1の有機半導体層と比較して、電荷輸送特性が均一であることが分かる。
(電荷輸送特性の評価)
実施例1の有機半導体層の電荷移動度を、TOF法(過渡光電流測定法)により測定した。この測定は、実施例1の有機半導体層を、それぞれの形成方法でITO対向電極セル(セルギャップ:9μm、電極サイズ10mm×5mm)を用いて形成し、波長337nmのN2パルスレーザー(照射エネルギー;12μJ)により試料を励起する方法を用いて行った。その結果、実施例1の有機半導体層の電荷移動度は、4×10−2cm−1−1であった。
(電荷輸送特性の温度依存性の評価)
実施例2、3及び比較例2、3の有機半導体層について、TOF法により電荷移動度の温度依存性を評価した。この評価は、波長337nmのN2パルスレーザー(照射エネルギー;60μJ)によるTOF法において、実施例及び比較例で得られたITO対向電極セルを用い、有機半導体層がスメクティック液晶相を呈している状態から降温させ、温度変化に対する電荷移動度の変化を調べることにより行った。図7は実施例2及び比較例2の有機半導体層についての電荷移動度の温度依存性を示したグラフであり、図8は実施例3及び比較例3の有機半導体層についての電荷移動度の温度依存性を示したグラフである。図7および図8において、黒丸は各実施例を表し白丸は各比較例を表す。
比較例2及び3の有機半導体層は、スメクティック液晶相から結晶相へ転移した後に、体積が収縮することに起因する深い欠陥準位によって電荷輸送特性が損なわれ易いことが確認された。これに対して、実施例2、3の有機半導体層においては、室温(30℃)にて電荷輸送特性が完全に損なわれることがなく、電荷輸送経路として機能することが確認された。
本発明の有機半導体装置の一例を示す断面図である。 本発明の有機半導体装置の他の一例を示す断面図である。 実施例1の有機半導体層の偏光顕微鏡写真である。 比較例1の有機半導体層の偏光顕微鏡写真である。 実施例1の有機半導体層のパルス光照射による過渡光電流波形の変化を示すグラフである。 比較例1の有機半導体層のパルス光照射による過渡光電流波形の変化を示すグラフである。 実施例2及び比較例2の有機半導体層における電荷輸送特性の温度依存性を示すグラフである。 実施例3及び比較例3の有機半導体層における電荷輸送特性の温度依存性を示すグラフである。
符号の説明
10 有機半導体装置
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
14 有機半導体層
15 ドレイン電極
16 ソース電極

Claims (4)

  1. 少なくとも一部に、液晶性分子を有する有機半導体材料からなる有機半導体層を備えた有機半導体構造物の製造方法であって、
    前記液晶性有機半導体材料は、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する過程で過冷却状態を呈し、且つ、当該過冷却状態から前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相に相転移する材料であり、
    前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相を呈した前記液晶性有機半導体材料を、相転移温度未満の温度まで過冷却状態を維持しながら冷却し、
    前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相への相転移を開始させた後に、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が熱力学的安定相となり前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が熱力学的準安定相となる状態に昇温し、当該状態を前記液晶性有機半導体材料が前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相を呈する状態になるまで保持することにより前記有機半導体層を形成することを特徴とする有機半導体構造物の製造方法。
  2. 前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相が結晶相であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体構造物の製造方法。
  3. 前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相がネマティック液晶相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体構造物の製造方法。
  4. 前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有さない相が等方相であり、前記液晶性分子間の重心位置に周期的な秩序を有する相がスメクティック液晶相であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体構造物の製造方法。
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