JP4864389B2 - 薄物成形体 - Google Patents

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Description

本発明は水性エマルジョンから得られる、フィルム;シート;医科や歯科の手術用または検診用手袋;食品、バイオ等の産業用手袋;オムツの伸縮部材、ハップ剤の伸縮部材、コンドーム、指サック、カテーテルなどの薄物成形体に関する。
天然ゴムラテックスやPVCゾルより得られる薄物成形体は、柔軟性と強度に優れることから医療や食品産業など幅広い分野で使用されている。しかし、天然ゴムには含有される蛋白質によるアレルギーの問題があり、またPVCには含有される可塑剤に環境ホルモンの問題がある上、焼却の際に発生する腐食性ガスなどが深刻な社会問題となっている。
これらの問題を解決するために、少なくとも1つのシーケンシャルコポリマー、例えば、SIS、SBS、SEPS、SEBSなどから構成される手袋、モノビニリデン芳香族モノマーブロックの有効相体積を限定したSBSやSIS等のフィルムなどが提案されている(特許文献1〜2参照)。しかし、これらの薄物成形体では、応力緩和性と耐食性が十分ではないという問題があった。
特表平7−506642号公報 特表平8−505426号公報
しかして、本発明の目的は、応力緩和性、耐食性、人体に対する安全性、環境に対するクリーンさ、柔軟性、強度に優れ、かつ繁雑なプロセスを要することなく製造することができる薄物成形体を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(I)、非芳香族系ゴム用軟化剤(II)、保護コロイド(III)および水を含んでなる水性エマルジョンであって、保護コロイド(III)が(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩であり、非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の含有量が水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して10〜150質量部であり、保護コロイド(III)の含有量が水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の合計100質量部に対して3〜30質量部である水性エマルジョンから得られる薄物成形体を提供することにより達成される。
本発明によれば、応力緩和性、耐食性、人体に対する安全性、環境に対するクリーンさ、柔軟性、強度に優れ、かつ繁雑なプロセスを要することなく製造することができる薄物成形体が提供される。
本発明における水添ブロック共重合体(I)は、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBからなるブロック共重合体を水素添加してなるものである。重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合形式は、重合体ブロックAをAで、重合体ブロックBをBで表した時に、例えば(A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n、(A−B)nX(nは1以上の整数を表し、Xはカップリング剤残基を表す)などで示すことができる。水添ブロック共重合体(I)は、これらの1種のみであっても、2種以上の混合物であってもよい。これらの中でも、製造の容易性、取扱いの容易性などの観点から、A−B、A−B−A、A−B−A−B、A−B−A−B−Aで示されるブロック共重合体が好ましく、得られる薄物成形体の強度、応力緩和性の観点から、A−B−A、A−B−A−B、A−B−A−B−Aで示されるブロック共重合体がより好ましい。
重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどから誘導される構造単位が挙げられる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンから誘導される構造単位が好ましく用いられる。重合体ブロックAは、前記したビニル芳香族化合物単位の1種のみから構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロックAにおけるビニル芳香族化合物単位の含有量としては、重合体ブロックAの全質量に基づいて、90%以上であるのが好ましく、95%以上であるのがより好ましい。また重合体ブロックAは、本発明の効果を損なわない範囲でビニル芳香族化合物以外の共重合可能な単量体から誘導される構造単位を含んでいてもよい。該共重合可能な単量体としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、それらの結合形態はランダム、テーパードまたはそれらの組合せからなることができる。
重合体ブロックAの水添ブロック共重合体(I)に占める割合(含有率)は、得られる薄物成形体の強度と柔軟性の観点から、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましく、15〜35質量%の範囲内であるのがより好ましい。
一方、重合体ブロックBを構成する共役ジエン単位としては、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどから誘導される構造単位が挙げられる。重合体ブロックBは、前記した共役ジエン単位の1種のみから構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。これらの中でも、得られる薄物成形体の強度の観点から、イソプレンおよび/またはブタジエンから誘導される構造単位が好ましく、イソプレンおよびブタジエンから誘導される構造単位がより好ましく用いられる。その場合のイソプレンとブタジエンの割合(モル比)は、得られる薄物成形体の強度の観点から、80/20〜30/70の範囲内が好ましく、70/30〜40/60の範囲内がより好ましい。
水添ブロック共重合体(I)は、その結晶融解熱(以下、これをΔHと略記することがある)が8cal/kg以下であるのが好ましく、5cal/kg以下であるのがより好ましい。結晶融解熱をこのような範囲にすることにより、共役ジエン単位のミクロ構造(1,4−結合と1,2−結合および3,4−結合との割合)が制御されて過度の結晶化を抑制することができ、得られる薄物成形体の柔軟性、応力緩和性が向上する。この結晶融解熱は示差走査熱測定法(DSC)により求めることができる。
水添ブロック共重合体(I)は、本発明の趣旨を損なわない限り、分子鎖中および/または分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基の1種または2種以上を有していてもよい。また、水添ブロック共重合体(I)として、官能基を有するものと官能基を有しないものを混合して使用することもできる。
水添ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、加工性、薄物成形体の強度と応力緩和性の観点から、30,000〜1,000,000の範囲内が好ましく、50,000〜500,000の範囲内がより好ましく、70,000〜300,000の範囲内がさらに好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量である。
水添ブロック共重合体(I)の水素添加率(以下、これを水添率と称することがある)としては、共役ジエンに基づく不飽和結合量の80%以上が水素添加されているのが好ましく、90%以上がより好ましい。水素添加率が80%未満の場合には、得られる薄物成形体の耐候性、耐熱性、応力緩和性、耐食性が低下する傾向がある。なお、水添率は、重合体ブロックB中の共役ジエンに基づく不飽和結合の水添前後の含有量をヨウ素価測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴などにより測定し、その値から求めることができる。
水添ブロック共重合体(I)は、公知のアニオン重合法を適用することによって製造することができ、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物を開始剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の不活性有機溶媒中で、ビニル芳香族化合物、共役ジエンを逐次重合させてブロック共重合体を得、これを水素添加することにより製造することができる。この水素添加反応は、例えば、上記で得られたブロック共重合体をシクロヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒中で、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、珪藻土等の担体に担持させた不均一触媒;コバルト、ニッケル等の第8〜10族の金属からなる有機金属化合物とトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物または有機リチウム化合物などの組合せからなるチーグラー系の触媒;チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属のビス(シクロペンタジエニル)化合物とリチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウム等からなる有機金属化合物の組合せからなるメタロセン触媒などの水添触媒の存在下で、通常、反応温度20〜150℃、水素圧力0.1〜15MPaの条件下で行うことができる。
また、水添ブロック共重合体(I)のミクロ構造を制御するために、例えばテトラメチレンジアミンやテトラヒドロフランなどのビニル化剤を添加して重合することにより、1,4−結合量を減少させることができる。
本発明における水性エマルジョンを構成する非芳香族系ゴム用軟化剤(II)としては、従来から公知のものを使用することができ、たとえば非芳香族系の鉱物油;ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等の液状または低分子量の合成軟化剤などが挙げられる。一般に鉱物油は、パラフィン鎖、ナフテン環および芳香族環を含む混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族(アロマ)系と区別している。本発明で用いられる非芳香族系の鉱物油とは、パラフィン系鉱物油とナフテン系鉱物油を指す。中でも、得られる薄物成形体の強度と応力緩和性の観点から、パラフィン系鉱物油が好ましく、芳香族(アロマ)系成分の含有量が少ないものがより好ましい。
非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の含有量は、得られる薄物成形体の柔軟性と強度の観点から、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して10〜150質量部の範囲内であり、15〜100質量部の範囲内が好ましく、20〜80質量部の範囲内がより好ましい。非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の含有量が10質量部未満の場合には柔軟性が低下し、150質量部を超える場合には強度が低下する。
本発明における水性エマルジョンを構成する保護コロイド(III)とは、疎水コロイドを電解質に対して安定化する目的で加えられる親水性高分子(分子内に多数の親水部と疎水部とが混在するもの)を指し、これが疎水コロイド粒子を包んで安定化に寄与する。保護コロイド(III)としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体;(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩;イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体系の水溶性塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水溶性塩、マレイン化ポリブタジエンの水溶性塩、ポリアクリル酸の水溶性塩などが挙げられる。これらの中でも、得られる薄物成形体の耐食性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩および/またはポリビニルアルコールを用いるのが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩を用いるのがより好ましい。
上記した(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルが挙げられ、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、モノメチルイタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体は、これらの単量体の他にスチレンなどがさらに共重合されていてもよい。
(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩としては、アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性塩が好ましく用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体を水溶性塩として水溶化する前の共重合体の重量平均分子量は、3,000〜50,000の範囲内であるのが好ましい。また、該共重合体の酸価は、得られる薄物成形体の耐食性と水性エマルジョンの安定性の観点から、50〜300mg−KOH/gであるのが好ましく、70〜250mg−KOH/gがより好ましい。これらの共重合体は、カルボン酸のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などとして水溶化される。
保護コロイド(III)の含有量は、水性エマルジョンの製造の容易性と得られる薄物成形体の耐食性の観点から、水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の合計100質量部に対して3〜30質量部の範囲内であり、3〜25質量部の範囲内が好ましく、3〜15質量部の範囲内がより好ましい。保護コロイド(III)の含有量が3質量部未満の場合には乳化不良となりエマルジョンが得られ難く、30質量部を超えると耐食性が低下する。
また、これら保護コロイド(III)と共に、本発明の効果を損なわない範囲で、一般の陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を併用してもよい。ただし、界面活性剤は入れ過ぎると薄物成形体の耐食性を損なうので、必要最小量に留める必要がある。界面活性剤の含有量としては、水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して3質量部以下であるのが好ましい。なお、ここでいう界面活性剤とは、1つの親水部と1つの疎水部からなる低分子化合物を指し、多数の分子が疎水コロイドに対して配向して取り囲んで安定化に寄与する。
本発明における水性エマルジョンは、本発明の主旨を損なわない範囲で、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリメチルメタクリレート等の熱可塑性重合体、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、難燃剤、滑剤、架橋剤などを含有することもできる。
本発明における水性エマルジョンは、例えば次のような方法により調整することができる。水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤(II)をトルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解し、保護コロイド(III)、水および必要に応じて界面活性剤を加え、ホモミキサー等の攪拌機で、室温〜85℃の温度下で撹拌することにより、乳化分散液が得られる。また、必要に応じてこの分散液を高圧ホモジナイザーによりさらに微粒子化することもできる。続いて、得られた分散液の有機溶剤を減圧−加温下に留去することにより、所望の水性エマルジョンを得ることができる。乳化方法としては、上記した方法に限らず、反転乳化法、転相温度乳化法、D相乳化法、ゲル乳化法などの化学的乳化方法を採用することもできる。
水性エマルジョン中の水添ブロック共重合体(I)の含有率は、該水性エマルジョンから得られる薄物成形体の厚さ、乾燥に要する時間などを考慮して任意に選択することができるが、水性エマルジョンの安定性と取扱い性の観点から、その含有率は2〜60質量%の範囲内とするのが好ましい。
このようにして得られた水性エマルジョンを用いて、例えば、直接浸漬成形、浸漬成形(凝固法)、スプレー噴霧などの方法により、所望の形状を有する型に該エマルジョンの塗膜を形成し、乾燥および必要に応じて熱処理後、離型することによって本発明の薄物成形体を製造することができる。また、織布、不織布等の基材にエマルジョンを含浸し、乾燥および必要に応じて熱処理することによっても本発明の薄物成形体を製造することができる。上記の乾燥は、通常、室温〜80℃の範囲内の温度で行われ、また熱処理は、得られる薄物成形体の強度と耐食性の観点から、60〜150℃の範囲内の温度で1〜60分行うのが好ましい。
本発明の薄物成形体の厚みは、使用される用途によっても異なるが、一般的には30〜300μmの範囲内のものが好ましく使用される。本発明の薄物成形体は単独で使用することも、複層して用いることもできる。また、本発明の薄物成形体の形状は特に制限されず、目的とする用途に応じて、フィルム、シート、手袋、コンドーム、指サック、カテーテル、オムツの伸縮部材、ハップ剤の伸縮部などの形状とすることができる。
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1:水添ブロック共重合体1の製造
攪拌装置付き耐圧容器にスチレン50gとシクロヘキサン3,000gを仕込み、窒素雰囲気下でs−ブチルリチウム0.7gを添加して、60℃で1時間の重合を行った。次いで、イソプレン200gとブタジエン100gからなる混合モノマーを添加して2時間重合を行った。さらにスチレン50gを添加して1時間重合し、ブロック共重合体を得た。続いて、これにニッケル/アルミ系の水素添加触媒を添加し、水素雰囲気下において80℃で5時間水素添加反応を行って、水添ブロック共重合体1(トリブロック共重合体、スチレン含有率=25%、重量平均分子量=12×104、イソプレン/ブタジエン比(モル比)=61/39、水添率=98%、1,4−結合量=92%、ΔH=2.5cal/g、Tg=−58℃)を得た。
参考例2:水添ブロック共重合体2の製造
s−ブチルリチウムの添加量を0.9gに変更した以外は、参考例1と同様の製法で、水添ブロック共重合体2(トリブロック共重合体、スチレン含有率=25%、重量平均分子量=9×104、イソプレン/ブタジエン比(モル比)=61/39、水添率=98%、1,4−結合量=93%、ΔH=2.7cal/g、Tg=−57℃)を得た。
参考例3:水添ブロック共重合体3の製造
攪拌装置付き耐圧容器にスチレン50gとシクロヘキサン3,000gを仕込み、窒素雰囲気下でs−ブチルリチウム0.7gを添加して、60℃で1時間の重合を行った。次いで、テトラヒドロフラン6.0gを添加した後、ブタジエン300gを添加して2時間重合を行った。さらにスチレン50gを添加して1時間重合し、ブロック共重合体を得た。続いて、参考例1と同様の方法で水素添加反応を行い、水添ブロック共重合体3(トリブロック共重合体、スチレン含有率=25%、重量平均分子量=12×104、イソプレン/ブタジエン比=0/100、水添率=98%、1,4−結合量=60%、ΔH=3.1cal/g、Tg=−55℃)を得た。
実施例1〜比較参考例1、比較例1〜2
ホモミキサー付き攪拌槽に、表1に示した内容および量の保護コロイド(または界面活性剤)、ブロック共重合体と非芳香族系ゴム用軟化剤のトルエン溶液(30%濃度)および蒸留水を順次加え、10000rpmで10分間攪拌後、加圧式ホモジナイザーに移してさらに乳化を行った。次に、ロータリーエバポレーターで、減圧−加温(60℃)下にトルエンを留去し、水性エマルジョンを得た。
得られた水性エマルジョンにガラス板を浸漬して、ガラス板の表面に厚さ240μmの層を形成させ、室温で30分間風乾させた後、120℃で10分間熱処理を行った。続いてこれを冷却し、カッターで縦横10cm×10cmに裁断し、ガラス板から剥がして、厚さ100μmの伸縮性フィルム(薄物成形体)を得た。
フィルム(薄物成形体)の評価方法
a)柔軟性;厚さ100μmのフィルムからダンベル状5号形試験片を打ち抜き、JIS K−6251に準じて引張り試験を行った。100%モジュラスを測定し、柔軟性の指標とした。
b)強度;厚さ100μmのフィルムからダンベル状5号形試験片を打ち抜き、JIS K−6251に準じて引張り試験を行い、破断強度を測定した。
c)応力緩和性;厚さ100μmのフィルムからダンベル状5号形試験片を打ち抜き、引張り試験機で100%伸長させ、25℃で60分放置後の応力値(S(60))を初期応力値(S(0))で割った値を応力緩和の指標とした。数値が高い方が高性能であることを表す。
d)耐食性;ガラス板から剥がす前のフィルムを蒸留水に室温×3日間浸漬させ(耐水性試験)、状態変化を目視にて観察した。同様に30%硫酸水溶液に室温×3日間浸漬させ(耐酸性試験)、または30%KOH水溶液に室温×3日間浸漬させ(耐アルカリ性試験)、状態変化を目視にて観察した。その結果を、以下の基準によって評価した。
◎:フィルム外観が浸漬前の状態と同じであった場合
○:フィルムが部分的に白化を起こした場合
△:フィルム全体が白化を起こした場合
×:フィルムが溶解した場合
Figure 0004864389
上記の表1の結果から明らかなように、本発明の要件を満足する実施例1〜のフィルム(薄物成形体)は、柔軟かつ高強度で応力緩和性に優れた伸縮性能を有した上で、耐食性にも優れている。
これに対して、保護コロイドの代わりに界面活性剤を使用した比較例1のフィルムは、耐食性、強度および応力緩和性が低下し、水添されていないブロック共重合体を使用した比較例2のフィルムは、強度、応力緩和性および耐食性が低下している。

本発明の薄物成形体は、応力緩和性、耐食性、人体に対する安全性、環境に対するクリーンさ、柔軟性、強度に優れていることから、医科や歯科の手術用または検診用手袋;食品、バイオ等の産業用手袋;オムツの伸縮部材、ハップ剤の伸縮部材、コンドーム、指サック、カテーテルなど幅広い用途に使用することができる。

Claims (3)

  1. ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロックAと、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBからなるブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体(I)、非芳香族系ゴム用軟化剤(II)、保護コロイド(III)および水を含んでなる水性エマルジョンであって、保護コロイド(III)が(メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩であり、非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の含有量が水添ブロック共重合体(I)100質量部に対して10〜150質量部であり、保護コロイド(III)の含有量が水添ブロック共重合体(I)と非芳香族系ゴム用軟化剤(II)の合計100質量部に対して3〜30質量部である水性エマルジョンから得られる薄物成形体。
  2. (メタ)アクリル酸エステルと不飽和カルボン酸の共重合体の水溶性塩が、アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩およびスチレン−メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の水溶性塩である請求項記載の薄物成形体。
  3. 重合体ブロックBがイソプレン単位とブタジエン単位から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の薄物成形体。
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