JP4863582B2 - 自転車搬送装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、立体駐輪場等における下層階から上層階に向けて架設される自転車搬送装置に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
立体駐輪場等における下層階から上層階に向けて架設される従来公知の自転車搬送装置として、図11及び図12に示したように、下層階から上層階に向けて架設された自転車搬送装置1のコンベアフレーム4全体を歩行路面から余り高く設置しないようにピット5を歩行路面に凹設して該ピット5中に前記コンベアフレーム4全体を埋設していた。
【0003】
人間の歩行路面及び階段の両側に自転車下降専用の傾斜搬送路(図示せず)と自転車上昇専用の前記自転車搬送装置1が夫々配設されているが、前記自転車搬送装置1は、下層階の導入部2を経て受け入れた自転車をエンドレスベルトBL上に載置しながら上層階の払出部3まで手で支えた状態で競り上げた後、前記自転車を上層階の所望する駐輪位置に搬送していた。
【0004】
なお、図12に示したように、前記コンベアフレーム4と階段STとの間隙を埋めるカバー7が配設される一方、前記コンベアフレーム4の反階段側には前記コンベアフレーム4の上面と略同等の高さの脱輪防止用カバー8が配設されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の自転車搬送装置1は、前記エンドレスベルトBLの駆動源6を前記コンベアフレーム4に内蔵させるので前記自転車搬送装置1の全高さが高くなり、前記自転車との伴走性を良好に保つには前記ピット5の敷設が不可欠であった。しかしながら、前記ピット5の敷設費用及びその排水管理等に大きな負担が強いられる欠点があった。
【0006】
本発明は、従来技術の問題点を解消し、ピットの敷設を必要とせず、自転車の搬送高さを低く保って比較的コンパクトな構造から成る自転車搬送装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解消するための手段】
本発明のかかる目的は、下層階の歩行路面から自転車を手で支えた状態で上層階の歩行路面に向けてエンドレスベルトで競り上げ可能なように構成された自転車搬送装置であって、前記エンドレスベルトの駆動源が前記自転車搬送装置の枠体に内蔵されず、前記枠体に隣接配置された自転車高よりも高い支柱の上部に、駆動系機構を介して前記枠体とは別体に分離して配置されたことを特徴とする自転車搬送装置によって達成される。
【0008】
更に、本発明のかかる目的は、前記自転車搬送装置の反歩行路側に該自転車搬送装置に沿って脱輪防止用隆起カバーを併設して成ることを特徴とする自転車搬送装置によって達成される。
【0009】
【作用】
本発明の自転車搬送装置は、前記下層階の歩行路面から自転車を手で支えた状態で前記上層階の歩行路面に向けて前記エンドレスベルトで競り上げ可能なように構成された前記自転車搬送装置であって、前記エンドレスベルトの前記駆動源が前記自転車搬送装置の前記枠体に内蔵されず、前記枠体に隣接配置された自転車高よりも高い支柱の上部に、駆動系機構を介して前記枠体とは別体に分離して配置されたので、ピットの敷設を必要とせず、比較的コンパクトな構造により前記自転車の搬送高さを低く保って前記自転車に伴走する人の歩行も容易にする。
【0010】
更に、本発明の自転車搬送装置は、前記自転車搬送装置の前記反歩行路側に該自転車搬送装置に沿って前記脱輪防止用隆起カバーを併設して成るので、前記自転車が前記脱輪防止用隆起カバーによって前記反歩行路側に乗り上げることが回避される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の自転車搬送装置の一実施態様を添付した図面に基づき以下に詳述する。図1は本発明の自転車搬送装置10の配置状態を示す側面図、図2は図1の平面図、図3は駆動源機構13の側面図である。
本発明の自転車搬送装置10の要部は、下層階の略平坦な歩行路面から自転車を手押し状態で導入案内する導入部46と、前記導入部46から後述するエンドレスベルトBL上に載置させた前記自転車を手で支えた状態で上層階の略平坦な歩行路面に向けて競り上げ可能な傾斜部11と、前記傾斜部11から前記自転車を手押し状態で上層階の略平坦な歩行路面に押出し案内する押出部29とを具備して成る。
【0012】
人間の歩行路面及び階段STの両側に自転車下降専用の傾斜搬送路16と自転車上昇専用の前記自転車搬送装置10が夫々配設され、更に前記自転車搬送装置10の反歩行路側に沿って電気配線ダクト12が併設され、かつ後述する搬送ヘッド部33のクラウン状の駆動プーリー27を駆動するために前記電気配線ダクト12近傍で駆動源18、19を前記電気配線ダクト12の上方で前記導入部46の方向にオーバーハングさせた駆動系機構13が配設されている。
【0013】
前記駆動系機構13は、図3及び図4から明らかなように、前記電気配線ダクト12側に立設した支柱17a,17aの上部にモータ18と減速機19を連結して成る駆動源の出力側スプロケット20に歯合したチェーン22を複数個のスプロケット群から成るループ状のチェーン緊張手段21を経て前記搬送ヘッド部33の側面近傍に配設したベース上23の入力側スプロケット24に歯合させた後、前記出力側スプロケット20に戻されてエンドレス状に張架して成る。
【0014】
前記入力側スプロケット24を一方の軸端部に装着し、かつ軸受26によって回転可能に軸支された駆動軸25は、他方の軸端部が前記押出部29寄りの前記搬送ヘッド部33の側壁部36を貫通して延伸するクラウン状の駆動プーリー27の一方軸端部に一体的に連結される。
【0015】
前記自転車を手押し状態で前記上層階の略平坦な歩行路面に押出し案内する前記押出部29の枠体は、図4及び図5から明らかなように、左右両側に若干隆起させたガイドカバー30と、前記両ガイドカバー30間を被覆する搬送床板部31と、両側壁部32とを具備して成る。
前記押出部29の枠体の内部には、前記搬送床板部31の後端部と前記クラウン状の駆動プーリー27の上方部との間に存在する空隙を常時その折り曲げ領域で埋めるように支軸38を中心に矢印C方向に揺動変位し、その他方端部でリミットスイッチLSの作動レバーを矢印C方向に揺動変位させる噛み込み防止プレート37が配設されている。
【0016】
次に、前記傾斜部11の要部を図5〜図10に基づいて説明する。前記傾斜部11の要部は、前記導入部46から前記エンドレスベルトBL上に載置させた前記自転車を手で支えた状態で前記上層階の略平坦な歩行路面に向けて競り上げ可能な搬送テール部40、搬送中間部55及び搬送ヘッド部33に大別される。
前記搬送ヘッド部33の枠体は、左右両側に若干隆起させたガイドカバー34と、前記両ガイドカバー34間を被覆するベルト支持板部35と、前記ベルト支持板部35上の左右両側に沿って延伸するベルトエッジガイド部54と、両側壁部36とを具備して成る。
【0017】
前記搬送ヘッド部33の枠体の内部には、前記押出部29寄りに前述したようなクラウン状の駆動プーリー27が配設され、前記駆動プーリー27は、前記ベルト支持板部35の上面に潤滑性を有する裏面を摺接させながら滑り止め処理されたその表面に前記自転車を載置し搬送する前記エンドレスベルトBLを前記押出部29に向けて駆動するとともに、そのクラウン状の外周面で前記エンドレスベルトBLを蛇行しないように反転させる。
なお、前記駆動プーリー27は、下流側に隣接する絞りローラ28によって戻り側の前記エンドレスベルトBLに対するラップ角を210〜230°の範囲に設定することによって前記枠体内のスペースセービングを図り、その高さを減縮させる。
【0018】
前記搬送ヘッド部33の枠体に連続する前記搬送中間部55の枠体は、左右両側に若干隆起させたガイドカバー41と、前記両ガイドカバー41間を被覆するベルト支持板部43と、前記ベルト支持板部43上の左右両側に沿って延伸するベルトエッジガイド部42と、両側壁部44とを具備して成る。
前記搬送中間部55の枠体の内部には、前記ベルト支持板部43の上面に潤滑性を有する裏面を摺接させながら滑り止め処理されたその表面に前記自転車を載置し搬送する前記エンドレスベルトBLの戻り側を緊張装架させるために、その長手方向に所定の間隔で配設された複数本のガイドローラ50と、前記ガイドローラ50間に揺動アーム52の一方端部に軸支されて揺動変位するリザーブローラ53を具備するベルト伸び検出手段51が配設されている。
【0019】
前記搬送中間部55の枠体が連続する前記搬送テール部40の枠体は、前記搬送中間部55と同様に左右両側に若干隆起させたガイドカバー41と、前記両ガイドカバー41間を被覆するベルト支持板部43と、前記ベルト支持板部43上の左右両側に沿って延伸するベルトエッジガイド部42と、両側壁部44とを具備して成る。
前記搬送テール部40の枠体の内部には、前記ベルト支持板部43の上面に潤滑性を有する裏面を摺接させながら滑り止め処理されたその表面に前記自転車を載置し搬送する前記エンドレスベルトBLの戻り側を緊張装架させるために、前記導入部46寄りに緊張手段56による前後動変位で前記エンドレスベルトBLを緊張かつ蛇行せずに反転させるクラウン状のエンドプーリー45と、前記エンドプーリー45の上流側に隣接した絞りローラ50が配設されている。
【0020】
なお、前記エンドプーリー45は、上流側に隣接する前記絞りローラ50によって戻り側の前記エンドレスベルトBLに対するラップ角を190〜200°の範囲に設定することによって前記枠体内のスペースセービングを図り、その高さを減縮させる。
前記自転車を手押し状態で前記下層階の略平坦な歩行路面からに導入案内する前記導入部46の枠体は、図6、図7及び図9から明らかなように、左右両側に若干隆起させたガイドカバー47と、前記両ガイドカバー47間を被覆する搬送床板部48と、両側壁部49とを具備して成る。なお、前記エンドプーリー45の前記に緊張手段56は、前記搬送テール部40あるいは前記導入部46の何れの枠体内部に配設してもよい。
【0021】
前記導入部46の近傍には起動及び停止用押しボタンスイッチ14が配設され、前記押出部29の近傍には停止用押しボタンスイッチ15が配設されている。なお、図2に示したように、前記電気配線ダクト12の上面の略全域には前記自転車搬送装置10に沿って脱輪防止用隆起カバー58が併設され、詳しくは図8及び図9に示したように前記脱輪防止用隆起カバー58は、前記ガイドカバー41、47の側壁から脱輪を阻止するに足る高さまで隆起させて成っている。以上、記述した本発明の自転車搬送装置は、次に記すような新規な効果を奏するものである。
【0022】
【発明の効果】
本発明の自転車搬送装置は、前記下層階の歩行路面から自転車を手で支えた状態で前記上層階の歩行路面に向けて前記エンドレスベルトで競り上げ可能なように構成された自転車搬送装置であって、前記エンドレスベルトの前記駆動源が前記自転車搬送装置の前記枠体に内蔵されず、前記枠体に隣接配置された自転車高よりも高い支柱の上部に、駆動系機構を介して前記枠体とは別体に分離して配置されたので、ピットの敷設を必要とせず、比較的コンパクトな構造により前記自転車の搬送高さを低く保って前記自転車に伴走する人の歩行も容易にすることが可能になった。
【0023】
更に、本発明の自転車搬送装置は、前記自転車搬送装置の前記反歩行路側に該自転車搬送装置に沿って前記脱輪防止用隆起カバーを併設して成るので、前記自転車が前記脱輪防止用隆起カバーによって前記反歩行路側に乗り上げを回避することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自転車搬送装置の配置状態を示す側断面図である。
【図2】図1の自転車搬送装置の平面図である。
【図3】本発明の自転車搬送装置における駆動源機構の側断面図である。
【図4】本発明の自転車搬送装置における押出部及び搬送ヘッド部の平面図である。
【図5】図4の本発明の自転車搬送装置の側断面図である。
【図6】本発明の自転車搬送装置における搬送テール部及び導入部の平面図である。
【図7】図6の本発明の自転車搬送装置の側断面図である。
【図8】図6のA−A線に沿って切断した横断面図である。
【図9】図6のB−B線に沿って切断した横断面図である。
【図10】本発明の自転車搬送装置における搬送中間部の側断面図である。
【図11】従来の自転車搬送装置の配置状態を示す側断面図である。
【図12】図11のD−D線に沿って切断した横断面図である。
【符号の説明】
10 本発明の自転車搬送装置
11 傾斜部
12 電気配線ダクト
13 駆動系機構
29 押出部
33 搬送ヘッド部
55 搬送中間部
40 搬送テール部
46 導入部
58 脱輪防止用隆起カバー
BL エンドレスベルト

Claims (2)

  1. 下層階の歩行路面から自転車を手で支えた状態で上層階の歩行路面に向けてエンドレスベルトで競り上げ可能なように構成された自転車搬送装置であって、前記エンドレスベルトの駆動源が前記自転車搬送装置の枠体に内蔵されず、前記枠体に隣接配置された自転車高よりも高い支柱の上部に、駆動系機構を介して前記枠体とは別体に分離して配置されたことを特徴とする自転車搬送装置。
  2. 前記自転車搬送装置の反歩行路側に該自転車搬送装置に沿って脱輪防止用隆起カバーを併設して成ることを特徴とする請求項1に記載の自転車搬送装置。
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