JP4863371B2 - ファラデー回転角可変装置及びそれを用いる可変光アッテネータ - Google Patents

ファラデー回転角可変装置及びそれを用いる可変光アッテネータ Download PDF

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Description

本発明は、複数の磁気ギャップにそれぞれ磁気光学素子を挿入し、各磁気ギャップの磁界方向をコイル電流の向きで制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を非連続的に可変としたファラデー回転角可変装置、及びそれを用いる可変光アッテネータに関するものである。
光ファイバ通信システムなどには、ファラデー回転を利用した各種の磁気光学デバイスが用いられている。ファラデー回転は、磁界が印加されている磁気光学素子中を光が通るとき、その光の偏光面が回転する現象である。磁気光学デバイスは、磁気光学素子のファラデー回転を利用してデバイス機能を実現しており、その機能は印加磁界によって制御される。従って、印加磁界の向きや大きさを可変、保持することにより、磁気光学デバイスの機能の実現や機能保持がなされる。
ファラデー回転角を可変する装置としては、複数のコイル(電磁石)に流す電流の大きさにより磁気光学素子に印加される合成磁界方向制御し、磁界方向と光の方向のなす角でのファラデー回転角を変化させる技術がある(特許文献1参照)。しかしファラデー回転角は、コイル(電磁石)による磁界のばらつきのため、コイルに流す電流によっては一意的にファラデー回転角が決まらない。また、特許文献1では、可変ファラデー回転子を自己保持させる場合、半硬質磁性材料からなる板状部に残留磁化方向の分布を持たせ、その残留磁化より磁気光学素子に磁界印加、ファラデー回転角を保持している。しかしファラデー回転角を変更する際には、板状部の残留磁化を一旦消磁する必要がある。
また、可変ファラデー回転子の他の例として、保磁力が異なる複数の磁気光学素子を重ね、印加磁界の大小により、一つまたは複数の磁気光学素子の磁化方向を反転制御し、それによって各磁気光学素子のファラデー回転角の合計を可変する構成がある(特許文献2参照)。しかし、この構成では、配置する磁気光学素子の数に対応して保磁力の異なる磁気光学材料を必要とする問題がある。
WO2005/022243Al 特開平10−301070号公報
本発明が解決しようとする課題は、ファラデー回転角を、コイルに流す電流の方向により一意的に制御できる(更に電流が無給電でも保持できる)ようにすることである。本発明が解決しようとする他の課題は、光減衰量を、コイルに流す電流の方向により一意的に制御できる(更に電流が無給電でも保持できる)ようにすることである。本発明が解決しようとする更に他の課題は、光減衰量の温度特性並びに波長特性を、使用頻度の高い光減衰量の範囲に応じて改善できるようにすることである。
本発明は、光軸に沿って一直線上に配列される2箇所以上の磁気ギャップを有し全体が軟磁性材料からなる一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変としたことを特徴とするファラデー回転角可変装置である。
また本発明は、光軸に沿って一直線上に配列される2箇所以上の磁気ギャップを有し全体が半硬質磁性材料又は半硬質磁性材料と軟磁性材料からなる一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変とし、且つコイル電流無給電でも設定した合成ファラデー回転角が自己保持されるようにしたことを特徴とするファラデー回転角可変装置である。
更に本発明は、箇所以上の磁気ギャップを有し全体が軟磁性材料からなる複数の一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、前記複数の磁気ヨークは、それら全ての磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるように配置されており、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変としたことを特徴とするファラデー回転角可変装置である。
また本発明は、箇所以上の磁気ギャップを有し全体が半硬質磁性材料又は半硬質磁性材料と軟磁性材料からなる複数の一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、前記複数の磁気ヨークは、それら全ての磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるように配置されており、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変とし、且つコイル電流無給電でも設定したファラデー回転角が自己保持されるようにしたことを特徴とするファラデー回転角可変装置である。
本発明は、これらのファラデー回転角可変装置を用い、該ファラデー回転角可変装置の光軸の前方に入力コリメート系と偏光子を、後方に検光子と出力コリメート系を配置し、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変制御することにより、入射光に対する出射光の減衰量を可変とした可変光アッテネータである。入力コリメート系及び出力コリメート系は、光ファイバを保持するフェルールとレンズからなる。
ここで、ファラデー回転角可変装置の光軸上に位相子を組み込み、偏光面にオフセット角を設定すると、所望の光減衰量の範囲での波長特性及び温度特性を改善することができる。ここで位相子は、{(λ/2)×(2n−1)〔n=1,2,3,…〕}波長板、典型的には1/2波長板であり、例えばSiO2 (水晶)からなる。位相子を組み込む位置は光軸上のどこでもよいが、スペース的な点を考慮すると、ファラデー回転角可変装置の中央に挿入するのがよい。
好ましくは、入力コリメート系及び出力コリメート系をビームウエスト系とし、位相子をファラデー回転角可変装置の光軸上の中央位置(ビームウエスト位置)に組み込む構成とする。
偏光子及び検光子は、好ましくは平行平面型(対向する入出射面が互いに平行平面)複屈折部材であり、例えばTIO2 あるいはYVO4 からなる。
本発明のファラデー回転角可変装置は、複数のコイル(電磁石)の電流方向の組合せによって、複数の磁気光学素子による合成ファラデー回転角を一意的に決めることができ、そのためフォワード制御が図れる。コイル(電磁石)の電流値は一定でよいため、電流回路を簡易化にできる。磁気ヨークの少なくとも一部に半硬質磁性材料を用いると、コイル(電磁石)に無給電でも、ファラデー回転を保持でき、省電力化が図れる。また、ファラデー回転が保持できるため、フェールセーフ機能を有する。
このファラデー回転角可変装置は、その光軸の前後に偏光子と検光子を設置することによって、入射光に対する出射光の減衰量を可変とした可変光アッテネータが構成できる。ファラデー回転角可変装置の光軸上に位相子を組み込み、使用頻度の高い光減衰量に範囲を設け、それに応じて偏光面にオフセット角を設定する(磁気光学素子のファラデー回転角と位相子の光学軸角度を設定する)と、その光減衰量の範囲での温度特性及び波長特性を改善することができる。
また、入出力部のコリメート系をビームウエスト系とし、ビーム径が最小となる中央位置に位相子を設置すると、その位置ではビームの角度依存性が小さくなるためデバイスの歪みに強くなり、更にビームが細くなる分だけ偏光同士(常光と異常光)の干渉が小さくなり、光学特性が向上する。
本発明のファラデー回転角可変装置の典型的な一例を図1に示す。光軸(一点鎖線で示す)に沿って一直線上に配列される4箇所の磁気ギャップ10を有し、全体が軟磁性材料からなる一体構造の磁気ヨーク12と、該磁気ヨーク12の各磁気ギャップ10に対応している磁気回路にそれぞれ巻装した4個のコイル14(それぞれC1,C2,C3,C4で示す)と、各磁気ギャップ10に挿入した磁気光学素子16(それぞれF1,F2,F3,F4で示す)とを具備している。つまり、4個の磁気光学素子16が光軸に沿って直列に配設されている。上記のように、磁気ヨーク12の各磁気ギャップ10に対応している磁気回路にそれぞれコイル14が個別に巻装されているので、各コイルへの給電方向によって、対応する磁気回路を流れる磁束の向きを制御でき、対応する磁気ギャップ10内の磁気光学素子16に印加される磁界方向が決まる。従って、個々の磁気ギャップ10に印加される磁界方向を各コイル14の給電方向で個別に制御できるので、それにより、全ての磁気光学素子16による合成ファラデー回転角(4個の磁気光学素子の各ファラデー回転角の正負を含んだ算術的合計)を可変とすることができる。ここで、磁気ヨークを一体構造にすることにより小型化を図ることができ、また異なるファラデー回転角の磁気光学素子を用いることによりファラデー回転角の組合せの重複を避けることができる。

本発明では、各磁気光学素子16は同一の磁気光学材料からなるものでよく、その場合にファラデー回転角の違いは磁気光学素子の厚みを変えることで実現する。
4個の磁気光学素子16のファラデー回転角を、Flθ:45度,F2θ:20度,F3θ:15度,F4θ:10度としたとき、図2のAに示すように、各磁気ギャップの印加磁界方向が同じであれば、それら全ての磁気光学素子を透過した光のファラデー回転角はF1θ+F2θ+F3θ+F4θとなり90度となる。しかし図2のBに示すように、例えばF4への印加磁界方向のみを逆にすれば、ファラデー回転角はFlθ+F2θ+F3θ−F4θになり70度となる。
従って、磁気光学素子F1〜F4への印加磁界方向の組合せ(コイルC1〜C4への通電電流の向き;正方向又は負方向)を変えれば、表1に示すように、16通りの合成ファラデー回転角が得られる。
Figure 0004863371
このように、本発明では、磁気光学素子に印加する磁界方向を、順方向と逆方向の2条件に限定すればよいので、個々の磁気光学素子でのファラデー回転角は一定となり、コイル電流の方向制御のみで、一意的に合成ファラデー回転角が決められるようになる。上記の例では4個の磁気光学素子を組み合わせているが、更に例えば5個の磁気光学素子を用いると、32通りの合成ファラデー回転角を得ることができる。
更に磁気回路の一部または全部に半硬質磁性材料を用いると、コイル電流供給後に無給電でも半硬質磁性材料の残留磁化によって、磁気光学素子に磁界を印加し続けることができ、ファラデー回転角を保持することができる。つまり、ファラデー回転角を変える瞬間のみコイル電流を供給すればよいことになり、省電力化と動作の安定性を実現できる。
図3〜図6は、本発明に係るファラデー回転角可変装置の実施例を示す説明図であり、いずれも4個の磁気光学素子20を配列した自己保持型の例である。光軸に沿って一直線上に4箇所の磁気ギャップが配列され、各磁気ギャップにそれぞれ磁気光学素子が挿入されると共に、磁気ギャップに対応する各磁気回路に、それぞれコイル22が巻装されている。各磁気光学素子20によるファラデー回転角の組み合わせは任意であり、例えば図1のF1θ〜F4θと同様でもよい。
図3〜図6では、いずれも、Aのx−x位置での断面をBに示している。従って、これらの例では、同一形状の磁気ヨークを間隔をおいて設け、両方の磁気ギャップにわたって磁気光学素子20を配置することにより、該磁気光学素子20の中央を通る光の通路を確保している。コイル22は、2枚の磁気ヨークを一緒にしてマグネットワイヤを巻き付けるように形成される。なお、各図において、磁気ヨークで、網目を付した部分は半硬質磁性材料、点々を付した部分は軟磁性材料であることを示している。コイル22は、それに通電することで、半硬質磁性材料の磁化が反転し、磁束密度がほぼ飽和する起磁力を生じるように設計する。
図3に示す例では、光軸に沿って一直線上に配列される4箇所の磁気ギャップを有する磁気ヨーク30の各磁気ギャップにそれぞれ(従って合計4個の)磁気光学素子20を挿入し、磁気ヨーク30の各磁気ギャップに対応する磁気回路にコイル22を巻装する。ここで磁気ヨーク30は、各磁気回路が交互に逆方向に突出するような一体形状であり、隣接する磁気回路で磁路が共通する部分及びその近傍が軟磁性材料30aで構成され、それ以外の、それぞれの磁気回路の磁路が独自に使用する部分は半硬質磁性材料30bで構成されている。
図4に示す例では、光軸に沿って一直線上に配列される4箇所の磁気ギャップを有する磁気ヨーク32の各磁気ギャップにそれぞれ(従って合計4個の)磁気光学素子20を挿入し、磁気ヨーク32の各磁気ギャップに対応する磁気回路にコイル22を巻装する。ここで磁気ヨーク32は、各磁気回路が左右対称で、左半分及び右半分の2つの磁気回路は互いに逆方向に突出するような形状であり、隣接する磁気回路で磁路が共通する部分及びその近傍が軟磁性材料32aで構成され(従って、左右対称になっているヨーク形状の中央の部分も軟磁性材料32aからなる)、それ以外の、それぞれの磁気回路の磁路が独自に使用する部分は半硬質磁性材料32bで構成されている。
図3あるいは図4のように、各磁気回路を構成する磁気ヨークが連続していると、全体を小型化できる効果がある。
図5に示す例では、磁気ヨーク34を2分割している。光軸に沿って一直線上に配列される2箇所の磁気ギャップを有する磁気ヨーク34の両磁気ギャップにそれぞれ磁気光学素子20を挿入し、磁気ヨーク34の各磁気ギャップに対応する磁気回路にコイル22を巻装する。このような磁気ヨーク34を、2組、連設し、合計4箇所の磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるようにする。ここで磁気ヨーク34は、両方の磁気回路が逆方向に突出するような形状であり、全体が半硬質磁性材料で構成されている。
図6に示す例では、磁気ヨーク36を全ての磁気回路に分割している。1箇所の磁気ギャップを有する磁気ヨーク36の該磁気ギャップに磁気光学素子20を挿入し、磁気ヨーク36にコイル22を巻装する。このような磁気ヨーク36を、4個、連設し、合計4箇所の磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列され、しかも各磁気回路が交互に逆方向に突出するように設置する。ここで磁気ヨーク36は、全体が半硬質磁性材料で構成されている。
図5及び図6に示す構成は、ほぼ同じコイル電流で動作する。また、図5及び図6に示す構成は、図3及び図4に示す一体構成に比べて各磁気ギャップでの磁界強度を大きくできる効果がある。
これら図3〜図6に示す構成は、いずれも磁気ヨークの少なくとも一部に半硬質磁性材料を使用しているので、磁気ギャップに印加する磁界方向を切り替えるときのみコイルに電流を供給して半硬質磁性材料を所定方向に磁化すればよい。その後は、コイル電流の供給を停止しても半硬質磁性材料の残留磁化によって磁気ギャップへの印加磁界は維持される。つまり、磁気ギャップに挿入されている磁気光学素子には所定の向きの所定の磁界が印加され続ける。従って、コイルに逆向きの切り替え電流を供給するまで、磁気光学素子では当初の向きの磁気飽和の状態が保たれ、設定されている合成ファラデー回転角が維持される。
図7は、本発明を可変光アッテネータへ適用した例を示す説明図である。光ファイバ通信システムでは、信号光のパワーレベル調整に光アッテネータが用いられている。前記本発明に係るファラデー回転角可変装置は、そのままで光減衰量が可変の光アッテネータに応用できる。
図7に示す可変光アッテネータは、ファラデー回転角可変装置40の光軸の前後に偏光子42、検光子44を配置すると共に、入射側にはレンズ46とフェルール48を組み合わせた入力コリメート系50を、出射側にもレンズ52とフェルール54を組み合わせた出力コリメート系56を配置した構造である。ここでファラデー回転角可変装置40は、図1に示したものと同様であるので、対応する部分には同一符号を付し、それらの詳細については記載を省略する。各磁気ギャップに印加される磁界の向きを、コイル14への電流の向きによって制御し、4個の磁気光学素子16による合成ファラデー回転角を可変する。これによって、入射光に対して出射光の減衰量を可変制御することができる。
コイルへの通電方向と、それによる合成ファラデー回転角、及びそのときの光減衰量の関係を表2に示す。ここでは、入射側の偏光子42と出射側の検光子44は、それらの光学軸が互いに直交するような向きに設定している。
Figure 0004863371
ファラデー回転角可変装置として、図3〜図6に示す自己保持型も使用できることは言うまでもない。これらの自己保持型のファラデー回転角可変装置を用いることで、可変光アッテネータもコイル電流無給電で光減衰量を保持可能となる。光減衰量を変えるときのみ必要なコイルに電流を流し磁気ギャップの磁界方向を切り替えればよい。
図8は本発明を可変光アッテネータへ適用した例を示す他の説明図である。Aはその構成を、Bは具体的な構造を、それぞれ示している。ファラデー回転角可変装置は、4個の可変ファラデー回転子VFR(第1可変ファラデー回転子VFR1〜第4可変ファラデー回転子VFR4)を、全ての磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるように縦続配置し、第2可変ファラデー回転子VFR2と第3可変ファラデー回転子VFR3との間の光軸上に、位相子としてSiO2 等からなる1/2波長板58(HWP)を組み込んだ構成である。各可変ファラデー回転子VFRは、1箇所の磁気ギャップを有し全体が軟磁性材料もしくは半硬質磁性材料からなる磁気ヨーク60と、該磁気ヨーク60に巻装したコイル62と、前記磁気ギャップに挿入した磁気光学素子64(F1〜F4)とからなる。各コイル62(C1〜C4)への給電方向を制御することにより、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を切り替え、4個の磁気光学素子(F1〜F4)による合成ファラデー回転角を変えることができるようになっている。
このようなファラデー回転角可変装置の光軸の前方(入力側)に入力コリメート系66と偏光子68を、後方(出力側)に検光子70と出力コリメート系72を配置する。入力コリメート系66及び出力コリメート系72は、それぞれ光ファイバ74を保持するフェルール76とレンズ78の組み合わせからなる。また偏光子68及び検光子70は、TiO2 あるいはYVO4 等からなる平行平面型の複屈折部材からなる。ここでは入力コリメート系66及び出力コリメート系72がビームウエスト系であって、前記1/2波長板58は丁度ビーム径が最小となる中央位置に挿入されている。
各光学部品での偏光状態を図9に示す。入力コリメート系から入力した光は、偏光子68にて偏光分離され、水平成分と垂直成分とに分離される。分離したそれぞれの光の偏光は、4個の可変ファラデー回転子(VFR1〜VFR4)と1個の1/2波長板HWP(位相子)によって偏光面が回転し、検光子70にて偏光合成される。2つの偏光は、検光子70によって結合する成分と発散する成分に分けられる。発散する成分が存在すると、結合する成分は、その分だけ入力時のパワーレベルに比べ減衰する。
例えば、第1可変ファラデー回転子VFR1のファラデー回転角F1θを10度、第2可変ファラデー回転子VFR2のファラデー回転角F2θを12.5度、第3可変ファラデー回転子VFR3のファラデー回転角F3θを15度、第4可変ファラデー回転子VFR4のファラデー回転角F4θを20度に設定し、1/2波長板HWPにはX軸に対して10度の向きに光学軸を入れるとする。そして、例えばコイルC1〜C4に負、負、正、正となる向きに電流を供給すると、各ファラデー回転子で偏光面はそれぞれの方向に回転し、合成回転角は+77.5度となり、光減衰量は0.21dB程度となる。
ところで、前述したように、4個の可変ファラデー回転子のそれぞれに外部磁界を印加すると、各磁気光学素子を透過した偏光面の合成回転角は、F1θ+F2θ+F3θ+F4θとなる。しかし、磁気光学素子は温度や波長によって偏光面の回転角が異なる。合成回転角が大きいほど温度や波長の影響が大きくなる。しかし、1/2波長板を挿入して小さい合成回転角をオフセットさせると、磁気光学素子の温度や波長による影響を小さくでき、使用頻度の高い光減衰量の範囲における温度特性及び波長特性を改善することができる。
図10は、1/2波長板(位相子)の有無と光学軸角度の効果を示すグラフであり、Aは光減衰量に対する温度依存性を、Bは光減衰量に対する波長依存性を、それぞれ示している。なお、温度依存性TDLは、それぞれのファラデー回転子に磁界を印加した状態を変えないで、指定した温度範囲(例えば0〜70℃の範囲)での光減衰量の変化を表し、波長依存性WDLは、それぞれのファラデー回転子に磁界を印加した状態を変えないで、指定した波長範囲(例えば1520〜1570nmの範囲)での光減衰量の変化を表している。
図10から、1/2波長板(位相子)が無い場合には、光減衰量が大きくなるにつれてTDLもWDLも急激に大きくなることがわかる。それに対して1/2波長板を挿入すると、光減衰量が大きくなってもTDL及びWDLがほぼ0dBになるように曲線形状が変化する。そして、挿入する1/2波長板の光学軸角度が大きくなるほど、TDL及びWDLがほぼ0dBになる光減衰量は低い方へシフトする。これらのことから、要求仕様に応じて、使用頻度の高い光減衰量の範囲が低い場合には1/2波長板の光学軸角度を大きく設定し、使用頻度の高い光減衰量の範囲が高い場合には1/2波長板の光学軸角度を小さく設定することで、光減衰量の温度特性並びに波長特性が良好な可変光アッテネータを製作することができる。
なお、位相子を組み込む可変光アッテネータの場合も、磁気ヨークを半硬質磁性材料で作製することで、コイル電流無給電でも設定したファラデー回転角が自己保持されるように構成できる。磁気ヨークに1個ずつ磁気ギャップを設けて磁気光学素子を挿入する構成の他に、図3〜図5に示すように、磁気ヨークに2個もしくはそれ以上の磁気ギャップを設けて磁気光学素子を挿入するようにしてもよい。位相子は、磁気光学素子と一緒に磁気ギャップに挿入してもよいが、図3あるいは図4のような場合には、磁気ヨークの中央にスリットを形成して位相子を組み込めばよい。勿論、図5のような構成では、2個の磁気ヨークの間に位相子を配置するのが好ましい。
本発明に係るファラデー回転角可変装置の一例を示す説明図。 その各磁気光学素子でのファラデー回転角の説明図。 本発明に係るファラデー回転角可変装置の実施例を示す説明図。 本発明に係るファラデー回転角可変装置の実施例を示す説明図。 本発明に係るファラデー回転角可変装置の実施例を示す説明図。 本発明に係るファラデー回転角可変装置の実施例を示す説明図。 本発明に係る可変光アッテネータの一実施例を示す説明図。 本発明を可変光アッテネータへ適用した例を示す他の説明図。 その各光学部品での偏光状態を示す説明図。 1/2波長板(位相子)の有無と光学軸角度の効果を示すグラフ。
符号の説明
10 磁気ギャップ
12 磁気ヨーク
14 コイル
16 磁気光学素子

Claims (8)

  1. 光軸に沿って一直線上に配列される2箇所以上の磁気ギャップを有し全体が軟磁性材料からなる一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変としたことを特徴とするファラデー回転角可変装置。
  2. 光軸に沿って一直線上に配列される2箇所以上の磁気ギャップを有し全体が半硬質磁性材料又は半硬質磁性材料と軟磁性材料からなる一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変とし、且つコイル電流無給電でも設定した合成ファラデー回転角が自己保持されるようにしたことを特徴とするファラデー回転角可変装置。
  3. 箇所以上の磁気ギャップを有し全体が軟磁性材料からなる複数の一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、前記複数の磁気ヨークは、それら全ての磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるように配置されており、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変としたことを特徴とするファラデー回転角可変装置。
  4. 箇所以上の磁気ギャップを有し全体が半硬質磁性材料又は半硬質磁性材料と軟磁性材料からなる複数の一体構造の磁気ヨークと、該磁気ヨークの各磁気ギャップに対応する磁気回路にそれぞれ巻装したコイルと、各磁気ギャップに挿入した磁気光学素子とを具備し、前記複数の磁気ヨークは、それら全ての磁気ギャップが光軸に沿って一直線上に配列されるように配置されており、個々の磁気ギャップに印加される磁界方向を各コイルの電流方向で制御することにより、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変とし、且つコイル電流無給電でも設定したファラデー回転角が自己保持されるようにしたことを特徴とするファラデー回転角可変装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のファラデー回転角可変装置を用い、該ファラデー回転角可変装置の光軸上に位相子を組み込んで偏光面にオフセット角を設定すると共に、前記ファラデー回転角可変装置の光軸の前方に入力コリメート系と偏光子を、後方に検光子と出力コリメート系を配置し、全ての磁気光学素子による合成ファラデー回転角を可変制御することにより、入射光に対する出射光の減衰量を可変とした可変光アッテネータ。
  6. 位相子が{(λ/2)×(2n−1)〔n=1,2,3,…〕}波長板である請求項記載の可変光アッテネータ。
  7. 入力コリメート系及び出力コリメート系がビームウエスト系であり、位相子がファラデー回転角可変装置の光軸上の中央位置に組み込まれている請求項5又は6記載の可変光アッテネータ。
  8. 偏光子及び検光子が、平行平面型複屈折部材からなる請求項5乃至のいずれかに記載の可変光アッテネータ。
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